JP4551904B2 - カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置に関する。
近年、テレビモニタ用途、パソコンモニタ用途、モバイル用途などにおいて液晶表示装置が応用されており、そこに用いられるカラーフィルタに対しては、明度、色純度、さらには各色フィルタセグメントを形成する際の塗布均一性、感度、現像性、パターン形状など、各種特性に対する要求レベルが高まってきている。さらに、カラーフィルタは、長期間使用することから、耐熱性や耐光性など品質面の要求も強い。中でも、液晶表示装置の普及に伴って、コントラストの向上、色再現領域の拡大については、メリハリのある鮮やかな色を表現し得るため、特に要望が強い。
特許文献1には、カラーフィルタを構成する赤、緑、青の各色のフィルタセグメントについてx、y、YのCIE標識値を特定し、また顔料の選択、混合比率、粒度などを規定することにより、高明度で良好な色再現領域を実現する方法が開示されている。
また、特許文献2には、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントに、特定のCIE標識値を有するシアン色フィルタセグメントを加えることにより、色再現領域を拡大する方法が開示されている。
しかし、前記のいずれの方法においても液晶表示装置の色再現領域の拡大については不充分であり、色再現性により優れた液晶表示装置が要求されている。
特開平10−186124号公報 特開2005−49791号公報
そこで、本発明は、コントラストが高く、耐光性に優れ、色再現領域が広いカラーフィルタ、およびメリハリのある鮮やかな色を表現し得る液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明のカラーフィルタは、NTCS比が94%〜125%であって、かつC.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料とを含有し、かつ顔料全量に対する該青色顔料の合計重量%が20〜50重量%である顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含有するシアン色着色組成物から形成されたシアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントとを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、青色LEDの表面に蛍光体を塗布することによって形成される擬似白色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記擬似白色LED光源が波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ1を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度のピーク波長λ2を有し、波長λ1における発光強度I1に対する、波長λ2における発光強度I2の比I2/I1が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする。
また、本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、冷陰極蛍光管光源とを具備する液晶表示装置であって、前記冷陰極蛍光管光源が、波長470nm〜530nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ3を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ4を有し、波長λ4における発光強度I4に対する、波長λ3における発光強度I3の比I3/I4が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする。
また、本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、3色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記3色LED光源が、波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ5を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ6を有し、波長λ5における発光強度I5に対する、波長λ6における発光強度I6の比I6/I5)が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする。
本発明のシアン色着色組成物は、C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料とを含有し、かつ顔料全量に対する該青色顔料の合計重量%が20〜50重量%である顔料を含有するため、本発明のシアン色着色組成物から形成されるシアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントとを具備するNTCS比が94%〜125%のカラーフィルタは、パネルの色再現領域が広く、耐光性が優れている。
まず、シアン色着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルタ用シアン色着色組成物は、(i)C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、(ii)C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料と、(iii)透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含有する。なお、C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
(i)フタロシアニン系青色顔料は、C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むが、さらに他のフタロシアニン系青色顔料を含んでも良い。他のフタロシアニン系青色顔料としては、C.I. Pigment Blue 15:1、C.I. Pigment Blue 15:2、C.I. Pigment Blue 15:6、C.I. Pigment Blue 16、C.I. Pigment Blue 75等を用いることができる。
C.I. Pigment Blue 15:3および/またはC.I. Pigment Blue 15:4は、合計で、フタロシアニン系青色顔料の合計重量の20〜100重量%を占めることが好ましい。C.I. Pigment Blue 15:3および/またはC.I. Pigment Blue 15:4の全フタロシアニン系青色顔料に占める割合が20重量%未満の場合には、パネル化した際、得られる色再現領域が狭くなる、耐光性が悪化する点から好ましくない。
上記(ii)フタロシアニン系緑色顔料は、C.I. Pigment Green 7を含むが、さらに他のフタロシアニン系緑色顔料を含んでも良い。他のフタロシアニン系緑青色顔料としては、C.I. Pigment Green 36が挙げられる。
C.I. Pigment Green 7は、フタロシアニン系緑色顔料の合計重量の20〜100重量%を占めることが好ましい。C.I. Pigment Green 7の全フタロシアニン系緑色顔料に占める割合が20重量%未満の場合には、パネル化した際、得られる色再現領域が狭くなる点から好ましくない。
本発明のカラーフィルタ用シアン色着色組成物において、(i)フタロシアニン系青色顔料と(ii)フタロシアニン系緑色顔料は、重量比で20:80〜50:50の割合で含有される。(i)フタロシアニン系青色顔料の配合量が上記範囲外の場合、色再現領域の拡大が充分でないため好ましくない。
上記(i)フタロシアニン系青色顔料および(ii)フタロシアニン系緑色顔料のうち少なくとも1種類の顔料は、該顔料、水溶性無機塩および水溶性無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤を含む混合物を混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去することにより微細化することが好ましい。微細化した顔料を用いると、フィルタセグメントの分光透過率が向上し、コントラストもより高くなる。ソルトミリング時には、後述の顔料誘導体、水溶性有機溶剤に少なくとも一部溶解する樹脂等を併用することができ、このような処理によって得られた微細化処理顔料を用いることにより、より光学特性の優れたフィルタセグメントを形成することができる。
次に、黄色フィルタセグメントの形成に用いられる黄色着色組成物について説明する。
黄色フィルタセグメントの形成に用いられる黄色着色組成物は、(a)黄色顔料と、(b)顔料分散剤と、(c)透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む。
黄色着色組成物に含まれる顔料は、黄色着色組成物の着色力と安定性の観点から、黄色着色組成物の固形分(溶剤以外の成分)の合計重量の5〜50重量%を占めることが好ましい。
黄色顔料としては、顔料の分散性、青色LEDの表面に蛍光体を塗布することによって形成される擬似白色LEDを光源として用いたときの色度、および耐光性の観点から、C.I. Pigment Yellow138、139、150、185からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料を使用することが好ましい。他の使用可能な黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214が挙げられる。
黄色顔料は、黄色顔料、水溶性無機塩および水溶性無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤を含む混合物をソルトミリングに供した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去することにより微細化することが好ましい。微細化した黄色顔料を用いると、黄色フィルタセグメントの分光透過率が向上する。ソルトミリング時には、塩基性基含有誘導体、水溶性有機溶剤に少なくとも一部溶解する樹脂、あるいは分散剤等を併用することができる。このような処理によって得られた微細化黄色顔料を用いることにより、より光学特性の優れた黄色フィルタセグメントを形成することができる。
本発明のシアン色または黄色着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するため、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料を含有させることができる。本発明のシアン色着色組成物において、これら無機顔料を併用する場合には、無機顔料は、顔料の合計重量の0.1〜10重量%を占めることが好ましい。また、本発明の黄色着色組成物において、黄色以外の色の顔料を併用する場合には、黄色顔料は、黄色着色組成物の明度の観点から、顔料の合計重量の3〜70重量%を占めることが好ましい。
本発明のシアン色着色組成物または黄色着色組成物に含まれる顔料担体は、顔料を分散させるものであり、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。顔料担体は、顔料の合計100重量部に対して、好ましくは50〜700重量部、より好ましくは100〜400重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
顔料担体は、一般式(1)で表される化合物(a)と他のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b)とを共重合してなる樹脂を含有することが好ましい。該透明共重合樹脂は、殆ど全ての顔料に優れた分散効果を発揮するため、着色組成物中において顔料の凝集を防ぎ、顔料が微細に分散した状態を維持する働きをする。そのため、上記透明共重合樹脂を含む顔料担体に顔料を分散してなる本発明のシアン色着色組成物または黄色着色組成物を用いてフィルタセグメントを形成した場合には、顔料凝集物の少ないフィルタセグメントを形成することができ、高透過率で明度が高いカラーフィルタを製造することができる。
Figure 0004551904
式(1)において、R14は、水素原子またはメチル基を表す。R15はアルキレン基を表す。R16は、水素原子またはベンゼン環などの置換基を含んでも良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。mは1〜15の整数を表す。
上記透明共重合樹脂の構成成分である一般式(1)で表される化合物(a)は、ベンゼン環のπ電子の効果により顔料表面への吸着/配向性が良好となる。特に(a)がパラクミルフェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートである場合には、その立体的な効果も加わり顔料に対しより良好な吸着/配向面を形成できるのでより効果が高い。また、R16で表されるアルキル基の炭素数は1〜20であるが、好ましくは1〜10である。R16で表されるアルキル基の炭素数が1〜10のときは、アルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し顔料への吸着/配向を促進するが、炭素数が10を越えると、アルキル基の立体障害効果が高くなりベンゼン環の顔料表面への吸着/配向までをも妨げる。これは、R16で表されるアルキル基の鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を越えるとベンゼン環の吸着/配向が極端に低下する。
化合物(a)としては、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(b)としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3クロロ2アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記透明共重合樹脂における化合物(a)の割合は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは10〜35重量%である。化合物(a)の割合が0.1重量%より少ないと充分な顔料の分散効果を得ることができず、50重量%より多いと着色組成物中の他の構成成分との相溶性が低下し、モノマーや光重合開始剤の析出が起こることがある。
上記透明樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000〜100000であり、さらに好ましくは10000〜50000である。
顔料担体であるモノマー、オリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用シアン色または黄色着色組成物は、顔料担体中に所定の顔料を、必要に応じて下記光重合開始剤と共に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。2種類以上の顔料を使用する場合は、それぞれの顔料を予め混合し、得られた顔料混合物を顔料担体中に微細に分散して製造することもできる。
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、顔料誘導体や、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、顔料の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部の量で用いることができる。
上記顔料誘導体は、下記一般式(2)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
A−B 一般式(2)
式(2)において、Aは、有機顔料残基を表し、Bは、塩基性置換基または酸性置換基を表す。
式(2)中、Aで表される有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
式(2)中、Bで表される塩基性置換基としては、下記式(3)、式(4)、式(5)、および式(6)で示される置換基が挙げられ、Bで表される酸性置換基としては、下記式(7)、式(8)、および式(9)で示される置換基が挙げられる。
Figure 0004551904
式(3)〜(6)において、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
nは、1〜10の整数を表す。
1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって、更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換されていてもよい複素環を表す。
3は、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Yは、−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。ここで、R8およびR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Zは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
Rは、下記式(10)で示される置換基または下記式(11)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシル基、下記式(10)で示される置換基または下記式(11)で示される置換基を表す。
Figure 0004551904
式(10)および式(11)において、R1〜R7およびnは、上に定義した通りのものである。
式(7): −SO3
式(8): −COOM
Figure 0004551904
式(7)および(8)において、Mは、1/i個の水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表し、iは、Mの価数を表す。例えば、式(7)において、Mは、1個の水素原子、2分の1個のカルシウム原子(この場合、2つのCOO−が1原子のカルシウムと結合する)等を表す。
式(9)において、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
式(3)〜式(6)および式(10)、式(11)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
式(9)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよく、例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等のアミン、もしくはそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
2級、3級および4級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(9)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
上記樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸モノエタノールアミン、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
黄色着色組成物やシアン色着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、顔料の合計100重量部に対して、5〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独で、あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜150重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.5〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、顔料の合計100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることができる。
また、本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、顔料の合計100重量部に対して、0.1〜5重量部の量で用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材、グラビアオフセット印刷用インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、インクジェット印刷用インキ等の形態で調製することができる。着色レジスト材は、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂と上記モノマー、上記光重合開始剤を含有する組成物中に、所定の顔料を分散させたものである。
黄色顔料、あるいはフタロシアニン系青色顔料およびフタロシアニン系緑色顔料は、フィルタセグメントをフォトリソグラフ法により形成する場合には、溶剤を含む黄色着色組成物またはシアン色着色組成物中に合計で1.5〜12重量%の割合で含有されることが好ましい。また、黄色顔料や、フタロシアニン系青色顔料およびフタロシアニン系緑色顔料は、最終フィルタセグメント中に合計で好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段により、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のシアン色着色組成物から形成されたシアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントと、必要に応じて黄色フィルタセグメントおよび/またはマゼンタ色フィルタセグメントを具備するものである。シアン色、赤色、緑色および青色のフィルタセグメントに加えて黄色フィルタセグメントおよび/またはマゼンタ色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタは、パネル化した際、得られる色再現領域が更に拡大するため好ましい。
また、黄色フィルタセグメントが黄色顔料と、顔料分散剤と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む黄色着色組成物を用いて形成されているものである。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは光反射性基板上に、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、各色着色組成物を用いて各色フィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
赤色フィルタセグメントは、通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物は、本発明のシアン色着色組成物においてフタロシアニン系青色顔料およびフタロシアニン系緑色顔料の代わりに、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いて得られる組成物である。赤色着色組成物には、C.I.Pigment Orange 43、71、73等の橙色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントは、通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色着色組成物は、本発明のシアン色着色組成物においてフタロシアニン系青色顔料およびフタロシアニン系緑色顔料の代わりに、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いて得られる組成物である。青色着色組成物には、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントは、通常のマゼンタ色着色組成物を用いて形成することができる。マゼンタ色着色組成物は、本発明のシアン色着色組成物においてフタロシアニン系青色顔料およびフタロシアニン系緑色顔料の代わりに、例えばC.I.Pigment Red 81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、192、202、207、209、C.I.Pigment Violet 19等の顔料を用いて得られる組成物である。
透明基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
光反射性基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.5〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは光反射性基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは光反射性基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
最後に、本発明の液晶表示装置について説明する。発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと擬似白色LED光源(バックライト光源またはフロントライト光源)とを具備する。擬似白色LEDは、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものであり、波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ1を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度のピーク波長λ2を有し、波長λ1における発光強度I1に対する、波長λ2における発光強度I2の比I2/I1が0.2以上0.7以下である分光特性をもつ。青色LEDは、例えばInGaN系またはGaN系などの青色光(波長は、例えば470nm)を発光するLEDである。また、蛍光フィルタは、青色LEDからの青色発光の一部を吸収し500〜600nmの間に極大発光をもつ黄色光を発光する。この方式の白色LEDでは、青色LEDが放射する青色光の一部が蛍光体層を透過し、残りは蛍光体に吸収され黄色の光に変換される。観察者は、青色発光と黄色発光の2色の光が混ざり合った光を白色光として、認識する。青色光を黄色光に変換する蛍光体としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等がある。また、このような擬似白色LEDは、日亜化学社製NSPW300BS、NSPW310BS、NSPW312BS、NSPW315BS、NSPW500BS、NEPW500などで入手可能である。このような分光特性を有する擬似白色LED光源を、本発明のカラーフィルタと組み合わせて用いることで、液晶表示装置の色再現領域をより拡大することができる。
発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、冷陰極蛍光管光源(バックライト光源またはフロントライト光源)とを具備する液晶表示装置である。冷陰極蛍光管光源は、波長470nm〜530nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ3を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ4を有し、波長λ4における発光強度I4に対する、波長λ3における発光強度I3の比(I3/I4)が0.2以上0.7以下である分光特性をもつ。このような分光特性を有する冷陰極蛍光管光源を、本発明のカラーフィルタと組み合わせて用いることで、液晶表示装置の色再現領域をより拡大することができる。このような冷陰極蛍光管は、F10などにて再現可能である。
また、発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと3色(赤、緑および青)LED光源(バックライト光源またはフロントライト光源)とを具備する液晶表示装置である。前記3色LED光源は、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものであり、波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ5を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ6を有し、波長λ5における発光強度I5に対する、波長λ6における発光強度I6の比I6/I5が0.2以上0.7以下である分光特性をもつ。青色LEDは、例えばInGaN系またはGaN系などの青色光(波長は、例えば470nm)を発光するLEDである。また、蛍光フィルタは、青色LEDからの青色発光の一部を吸収し530nm〜580nmの間に極大発光をもつ緑色光と、610nm〜670nmの間に極大発光をもつ赤色光を発光する。この方式の3色LEDでは、青色LEDが放射する青色光の一部が蛍光体層を透過し、残りは蛍光体に吸収され緑色・赤色の光に変換される。青色光を緑色光に変換する蛍光体としては、CaGa24:Euの結晶等、青色光を緑色光に変換する蛍光体としては、CaS:Euの結晶等がある。観察者は、青色発光と緑色発光・赤色発光の3色の光が混ざり合った光を、白色光として認識する。このような3色LEDは、星和電機社製SDPW50B0B、SDPW50H0B、SDPW3DG0Bなどで入手可能である。このような分光特性を有する3色LED光源を、本発明のカラーフィルタと組み合わせて用いることで、液晶表示装置の色再現領域をより拡大することができる。
カラーフィルタと光源とを具備する液晶表示装置の色特性は、カラーフィルタの透過スペクトルおよび光源の光特性により決まり、光源のスペクトル強度分布とカラーフィルタの透過スペクトルとの積の波長分布により決定される。パネル化した際の色再現領域を拡大するためには、シアン色の透過スペクトルと光源のスペクトル強度分布の重なりが多く、発光強度がより大きいほうが好ましい。そのため、上記分光特性を有する冷陰極蛍光管光源および3色LED光源が好ましい。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタを適用し得る、バックライトユニットを備えるカラー液晶表示装置10の概略断面図を示す。図1に示すカラー液晶表示装置10は、ノート型パソコン用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例であって、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶組成物(例えば、TNもしくはSTN液晶組成物)LCが封入されている。第1の透明基板11の内面には、TFTアレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタを構成する各赤、緑、青、シアン、黄、マゼンタ等のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。カラーフィルタ22を覆って例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。
光源(擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源)31を備えたバックライトユニット30が、第1の透明基板11の外側で偏光板15と密接して設けられている。
図2は、図1のバックライトユニット30の斜視図である。バックライトユニット30は、光源31、導光板33および導光板33の上面に設けられた拡散板34を備える。光源31は、導光板33の一側面33aに面して設けられ、その全長にわたって、導光板33の側面33aに対応する部分を除きリフレクタ32により囲まれている。また、導光板33は、側面33aを除く他の3つの側面および底面が反射板35により覆われている。光源31からの光は、リフレクタ32により導光板33に導かれ、拡散板34を経て面状光となって偏光板15から液晶層LCへと入射する。反射板35は、導光板33へ入射した光を効率よく拡散板34に指向させる。
図1を参照して、擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源をバックライト光源として有する液晶表示装置を説明したが、いうまでもなく、本発明は、擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源をフロント光源として有する液晶表示装置にも適用できる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」および「%」とは、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000(GPCによる測定)のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づいて、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
(アクリル樹脂溶液2の調製)
アクリル樹脂溶液1の調製と同様の反応容器にシクロヘキサノン700部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート133部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46部、メタクリル酸43部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)74部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後、更に3時間反応を継続して、重量平均分子量約26000(GPCによる測定)のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づいて、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。
(青色処理顔料1の調製)
フタロシアニン系青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルー FG−7351」)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、 青色処理顔料1を得た。
(青色処理顔料2〜5の調製)
表1に示す顔料200部と、表1に示す量の塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、表1に示す混練温度および混練時間で混練した。次に、上記青色処理顔料1の調製と同等の方法により、塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、青色処理顔料2〜5を得た。
Figure 0004551904
表中、リオノールブルーFG−7400Gは、東洋インキ製造株式会社製フタロシアニン系青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:4)である。
(緑色処理顔料1の調製)
フタロシアニン系緑色顔料(C.I.Pigment Green 7、東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン Y−101」)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色処理顔料1を得た。
(緑色処理顔料2の調製)
塩化ナトリウムの使用量を1200部、ジエチレングリコールの使用量を1200部に変更した以外は上記緑色処理顔料1と同等の方法により緑色処理顔料2を得た。
(顔料分散体の調製)
表2に示した顔料、顔料誘導体1〜9及びアクリル樹脂溶液の混合物130部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという。)120部を均一に撹拌混合した後、直径1.0mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を調製した。
以下に、顔料誘導体1〜9の構造を示す。
Figure 0004551904
Figure 0004551904
Figure 0004551904
Figure 0004551904
*1 東洋インキ製造社製フタロシアニン系青色顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
*2 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
アントラキノン系赤色顔料(C.I. Pigment Red 177)
*3 BASF社製イソインドリノン系黄色顔料(C.I. Pigment Yellow 139)
*4 東洋インキ製造社製フタロシアニン系緑色顔料(C.I. Pigment Green 36)
*5 ランクセス社製金属錯体系黄色顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
*6 クラリアント社製ジオキサジン系紫色顔料(C.I. Pigment Violet 23)
*7 クラリアント社製染料レーキ顔料(C.I. Pigment Red 81:2)
(着色組成物の調製)
着色組成物1]
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型シアン色着色組成物1を得た。
表2に示す顔料分散体1 12.0部
表2に示す顔料分散体9 48.0部
光重合開始剤 2.0部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.0部
(新中村化学株式会社製「NKエステルATMPT」)
増感剤(保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」) 0.5部
アクリル樹脂溶液1 2.5部
シクロヘキサノン 30.0部
着色組成物2〜15
表3に示した顔料分散体を用いた以外は、着色組成物1と同様にして、シアン色または黄色着色組成物2〜15を得た。
(マゼンタ色、赤色、緑色、および青色の着色組成物の調製)
表3に示した顔料分散体を用いた以外は、着色組成物1と同様にして、着色組成物16〜19を得た。
Figure 0004551904
(着色組成物塗布基板の作製)
得られた着色組成物を板厚0.7mmの100mm×100mmサイズの基板に平均膜厚が乾燥膜厚4μmになるようにスピンコートし、70℃で20分乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量300mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基盤を230℃で40分加熱することにより、各着色組成物の塗布基板を得た。
(着色組成物塗布基板の色相(x、y、Y)の測定)
得られた塗布基板の色相を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。結果を表3に示す。
(コントラスト比の評価)
着色組成物塗布基板について、図3に示す測定装置を用いて、下記の方法でコントラストを測定した。
着色組成物乾燥塗膜4が設けられたガラス基板5を2枚の偏光板3および6の間に挟み、一方の偏光板6側から液晶表示装置用バックライトユニット7を用いて光を照射する。バックライトユニットから出た光は、1枚目の偏光板6を通過して偏光され、ついで着色組成物乾燥塗膜4およびガラス基板5を通過し、2枚目の偏光板3に到達する。1枚目の偏光板6と2枚目の偏光板3の偏光軸が互いに平行であれば、光は2枚目の偏光板3を透過するが、両偏光板の偏光軸が互いに直交している場合には、光は2枚目の偏光板3により遮断される。しかし、1枚目の偏光板6によって偏光された光が、着色組成物塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、両偏光板の偏光軸が平行のときは2枚目の偏光板3を透過する光量が減り、両偏向板の偏光軸が直交のときは2枚目の偏光板3を光の一部が透過する。この透過光の輝度を偏光板3上の輝度計1にて測定し、両偏光板の偏光軸が直交のときの輝度(直交時輝度)に対する、両偏光板の偏光軸が平行のときの輝度(平行時輝度)の比をコントラスト比とする。すなわち、コントラスト比は、以下の式により算出される。
コントラスト比=(平行時輝度)/(直交時輝度)
従って、着色組成物塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行時輝度が低下し、かつ直交時輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製「色彩輝度計BM−5A」、偏光板はサンリツ社製「偏光フィルムLLC2−92−18」を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク2を当てた。
(耐光性の評価)
着色組成物塗布基板を耐光性評価装置(東洋精機製「サンテスト CPS+」)にて500時間、光暴露し、耐光性評価前後の色差ΔEを測定した。
[実施例21〜38、および比較例4〜
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで着色組成物17を塗布し、着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、膜厚2.5μmの赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、着色組成物18、19を用いて膜厚2.5μmの緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、表5に示す着色組成物1〜19を用いて膜厚2.5μmのシアン色、黄色、マゼンタ色のフィルタセグメントを形成してカラーフィルタを作製した。
(色再現領域の評価)
上記着色組成物を用いて作製したカラーフィルタを用いて、擬似白色LED光源(日亜化学社製「NSPW300BS」)(表4に、波長430nm〜485nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ1、発光強度I1、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ2、発光強度I2を示す。)、冷陰極蛍光管光源(F10光源)(表4に、波長470nm〜530nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ3、発光強度I3、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ4、発光強度I4を示す。)、3色LED光源(星和電機社製「SDPW50B0B」)(表4に、波長430nm〜485nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ5、発光強度I5、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ6、発光強度I6を示す。)を用いて光を照射したときのカラーフィルタのNTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67、0.33)、緑(0.21、0.71)、青(0.14、0.08)により囲まれる面積に対する比率)としては、RGB3色の三角形の面積を100として、基準値の面積に対する四角形の面積の比率を測定した。評価結果を表5に示す。
なお、使用した擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管、3色LED光源の発光スペクトルを図4に示す。図4において、曲線aは、擬似白色LED光源の発光スペクトルを、曲線bは、冷陰極蛍光管の発光スペクトルを、曲線cは、3色LED光源の発光スペクトルを示す。
Figure 0004551904
Figure 0004551904
*1 1:冷陰極蛍光管光源
2:3色LED光源
3:擬似白色LED光源
表5の結果より、黄色着色組成物から形成される黄色フィルタセグメント、Pigment Blue 15:3または15:4、Pigment Green 7を含むシアン色着色組成物から形成されるシアン色フィルタセグメントなどを具備するカラーフィルタは、コントラスト比が高く、耐光性に優れ、色再現領域も広く、液晶表示装置として優れた性能を示した。
本発明のカラーフィルタを適用し得るカラー液晶表示装置の概略断面図である。 図1に示すカラー液晶表示装置に使用されるバックライトユニットを示す斜視図である。 コントラスト比を測定する装置の概念図である。 擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源および3色LED光源の発光スペクトルを示した図である。
符号の説明
図1、図2
10 カラー液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13、23 透明電極層
14、24 配向層
15、25 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
LC 液晶組成物
30 バックライトユニット
31 光源
32 リフレクタ
33 導光板
33a 導光板33の側面
34 拡散板
35 反射板
図3
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット

Claims (6)

  1. シアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントとを具備し、かつNTCS比が94%〜125%であるカラーフィルタであって、該シアン色フィルタセグメントが、C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料とを含有し、かつ顔料全量に対する該青色顔料の合計重量%が20〜50重量%である顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含有するカラーフィルタ用シアン色着色組成物から形成されてなることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 黄色フィルタセグメントをさらに具備することを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
  3. マゼンタ色フィルタセグメントをさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタと、青色LEDの表面に蛍光体を塗布することによって形成される擬似白色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記擬似白色LED光源が波長430nm〜波長485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ1を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度のピーク波長λ2を有し、波長λ1における発光強度I1に対する、波長λ2における発光強度I2の比I2/I1が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタと、冷陰極蛍光管光源とを具備する液晶表示装置であって、前記冷陰極蛍光管光源が、波長470nm〜530nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ3を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ4を有し、波長λ4における発光強度I4に対する、波長λ3における発光強度I3の比I3/I4が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタと、3色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記3色LED光源が、波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ5を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ6を有し、波長λ5における発光強度I5に対する、波長λ6における発光強度I6の比I6/I5が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
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