JP4551904B2 - カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントに、特定のCIE標識値を有するシアン色フィルタセグメントを加えることにより、色再現領域を拡大する方法が開示されている。
しかし、前記のいずれの方法においても液晶表示装置の色再現領域の拡大については不充分であり、色再現性により優れた液晶表示装置が要求されている。
本発明のカラーフィルタ用シアン色着色組成物は、(i)C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、(ii)C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料と、(iii)透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含有する。なお、C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
C.I. Pigment Green 7は、フタロシアニン系緑色顔料の合計重量の20〜100重量%を占めることが好ましい。C.I. Pigment Green 7の全フタロシアニン系緑色顔料に占める割合が20重量%未満の場合には、パネル化した際、得られる色再現領域が狭くなる点から好ましくない。
黄色フィルタセグメントの形成に用いられる黄色着色組成物は、(a)黄色顔料と、(b)顔料分散剤と、(c)透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む。
黄色着色組成物に含まれる顔料は、黄色着色組成物の着色力と安定性の観点から、黄色着色組成物の固形分(溶剤以外の成分)の合計重量の5〜50重量%を占めることが好ましい。
化合物(b)としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3クロロ2アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記透明樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000〜100000であり、さらに好ましくは10000〜50000である。
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、顔料誘導体や、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、顔料の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部の量で用いることができる。
A−B 一般式(2)
式(2)において、Aは、有機顔料残基を表し、Bは、塩基性置換基または酸性置換基を表す。
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
nは、1〜10の整数を表す。
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって、更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換されていてもよい複素環を表す。
R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Yは、−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。ここで、R8およびR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Rは、下記式(10)で示される置換基または下記式(11)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシル基、下記式(10)で示される置換基または下記式(11)で示される置換基を表す。
式(9)において、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
また、式(9)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、顔料の合計100重量部に対して、5〜150重量部の量で用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材、グラビアオフセット印刷用インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、インクジェット印刷用インキ等の形態で調製することができる。着色レジスト材は、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂と上記モノマー、上記光重合開始剤を含有する組成物中に、所定の顔料を分散させたものである。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段により、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、本発明のシアン色着色組成物から形成されたシアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントと、必要に応じて黄色フィルタセグメントおよび/またはマゼンタ色フィルタセグメントを具備するものである。シアン色、赤色、緑色および青色のフィルタセグメントに加えて黄色フィルタセグメントおよび/またはマゼンタ色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタは、パネル化した際、得られる色再現領域が更に拡大するため好ましい。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは光反射性基板上に、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、各色着色組成物を用いて各色フィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
光反射性基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の基板に転写させる方法である。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
光源(擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源)31を備えたバックライトユニット30が、第1の透明基板11の外側で偏光板15と密接して設けられている。
図1を参照して、擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源をバックライト光源として有する液晶表示装置を説明したが、いうまでもなく、本発明は、擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管光源または3色LED光源をフロント光源として有する液晶表示装置にも適用できる。
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000(GPCによる測定)のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づいて、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
アクリル樹脂溶液1の調製と同様の反応容器にシクロヘキサノン700部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート133部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46部、メタクリル酸43部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)74部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後、更に3時間反応を継続して、重量平均分子量約26000(GPCによる測定)のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づいて、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。
フタロシアニン系青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルー FG−7351」)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、 青色処理顔料1を得た。
表1に示す顔料200部と、表1に示す量の塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、表1に示す混練温度および混練時間で混練した。次に、上記青色処理顔料1の調製と同等の方法により、塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、青色処理顔料2〜5を得た。
フタロシアニン系緑色顔料(C.I.Pigment Green 7、東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン Y−101」)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色処理顔料1を得た。
(緑色処理顔料2の調製)
塩化ナトリウムの使用量を1200部、ジエチレングリコールの使用量を1200部に変更した以外は上記緑色処理顔料1と同等の方法により緑色処理顔料2を得た。
表2に示した顔料、顔料誘導体1〜9及びアクリル樹脂溶液の混合物130部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという。)120部を均一に撹拌混合した後、直径1.0mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を調製した。
以下に、顔料誘導体1〜9の構造を示す。
*2 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
アントラキノン系赤色顔料(C.I. Pigment Red 177)
*3 BASF社製イソインドリノン系黄色顔料(C.I. Pigment Yellow 139)
*4 東洋インキ製造社製フタロシアニン系緑色顔料(C.I. Pigment Green 36)
*5 ランクセス社製金属錯体系黄色顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
*6 クラリアント社製ジオキサジン系紫色顔料(C.I. Pigment Violet 23)
*7 クラリアント社製染料レーキ顔料(C.I. Pigment Red 81:2)
[着色組成物1]
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型シアン色着色組成物1を得た。
表2に示す顔料分散体9 48.0部
光重合開始剤 2.0部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.0部
(新中村化学株式会社製「NKエステルATMPT」)
増感剤(保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」) 0.5部
アクリル樹脂溶液1 2.5部
シクロヘキサノン 30.0部
表3に示した顔料分散体を用いた以外は、着色組成物1と同様にして、シアン色または黄色着色組成物2〜15を得た。
(マゼンタ色、赤色、緑色、および青色の着色組成物の調製)
表3に示した顔料分散体を用いた以外は、着色組成物1と同様にして、着色組成物16〜19を得た。
得られた着色組成物を板厚0.7mmの100mm×100mmサイズの基板に平均膜厚が乾燥膜厚4μmになるようにスピンコートし、70℃で20分乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量300mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基盤を230℃で40分加熱することにより、各着色組成物の塗布基板を得た。
(着色組成物塗布基板の色相(x、y、Y)の測定)
得られた塗布基板の色相を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。結果を表3に示す。
着色組成物塗布基板について、図3に示す測定装置を用いて、下記の方法でコントラストを測定した。
着色組成物乾燥塗膜4が設けられたガラス基板5を2枚の偏光板3および6の間に挟み、一方の偏光板6側から液晶表示装置用バックライトユニット7を用いて光を照射する。バックライトユニットから出た光は、1枚目の偏光板6を通過して偏光され、ついで着色組成物乾燥塗膜4およびガラス基板5を通過し、2枚目の偏光板3に到達する。1枚目の偏光板6と2枚目の偏光板3の偏光軸が互いに平行であれば、光は2枚目の偏光板3を透過するが、両偏光板の偏光軸が互いに直交している場合には、光は2枚目の偏光板3により遮断される。しかし、1枚目の偏光板6によって偏光された光が、着色組成物塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、両偏光板の偏光軸が平行のときは2枚目の偏光板3を透過する光量が減り、両偏向板の偏光軸が直交のときは2枚目の偏光板3を光の一部が透過する。この透過光の輝度を偏光板3上の輝度計1にて測定し、両偏光板の偏光軸が直交のときの輝度(直交時輝度)に対する、両偏光板の偏光軸が平行のときの輝度(平行時輝度)の比をコントラスト比とする。すなわち、コントラスト比は、以下の式により算出される。
従って、着色組成物塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行時輝度が低下し、かつ直交時輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製「色彩輝度計BM−5A」、偏光板はサンリツ社製「偏光フィルムLLC2−92−18」を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク2を当てた。
(耐光性の評価)
着色組成物塗布基板を耐光性評価装置(東洋精機製「サンテスト CPS+」)にて500時間、光暴露し、耐光性評価前後の色差ΔEを測定した。
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで着色組成物17を塗布し、着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、膜厚2.5μmの赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、着色組成物18、19を用いて膜厚2.5μmの緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、表5に示す着色組成物1〜19を用いて膜厚2.5μmのシアン色、黄色、マゼンタ色のフィルタセグメントを形成してカラーフィルタを作製した。
上記着色組成物を用いて作製したカラーフィルタを用いて、擬似白色LED光源(日亜化学社製「NSPW300BS」)(表4に、波長430nm〜485nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ1、発光強度I1、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ2、発光強度I2を示す。)、冷陰極蛍光管光源(F10光源)(表4に、波長470nm〜530nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ3、発光強度I3、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ4、発光強度I4を示す。)、3色LED光源(星和電機社製「SDPW50B0B」)(表4に、波長430nm〜485nmの範囲内における発光強度の最大となる波長λ5、発光強度I5、波長530nm〜580nmの範囲内における発光強度の極大となる波長λ6、発光強度I6を示す。)を用いて光を照射したときのカラーフィルタのNTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67、0.33)、緑(0.21、0.71)、青(0.14、0.08)により囲まれる面積に対する比率)としては、RGB3色の三角形の面積を100として、基準値の面積に対する四角形の面積の比率を測定した。評価結果を表5に示す。
なお、使用した擬似白色LED光源、冷陰極蛍光管、3色LED光源の発光スペクトルを図4に示す。図4において、曲線aは、擬似白色LED光源の発光スペクトルを、曲線bは、冷陰極蛍光管の発光スペクトルを、曲線cは、3色LED光源の発光スペクトルを示す。
2:3色LED光源
3:擬似白色LED光源
表5の結果より、黄色着色組成物から形成される黄色フィルタセグメント、Pigment Blue 15:3または15:4、Pigment Green 7を含むシアン色着色組成物から形成されるシアン色フィルタセグメントなどを具備するカラーフィルタは、コントラスト比が高く、耐光性に優れ、色再現領域も広く、液晶表示装置として優れた性能を示した。
10 カラー液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13、23 透明電極層
14、24 配向層
15、25 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
LC 液晶組成物
30 バックライトユニット
31 光源
32 リフレクタ
33 導光板
33a 導光板33の側面
34 拡散板
35 反射板
図3
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット
Claims (6)
- シアン色フィルタセグメントと、赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメントと、青色フィルタセグメントとを具備し、かつNTCS比が94%〜125%であるカラーフィルタであって、該シアン色フィルタセグメントが、C.I. Pigment Blue 15:3およびC.I. Pigment Blue 15:4のいずれか一方または両方を含むフタロシアニン系青色顔料と、C.I. Pigment Green 7を含むフタロシアニン系緑色顔料とを含有し、かつ顔料全量に対する該青色顔料の合計重量%が20〜50重量%である顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含有するカラーフィルタ用シアン色着色組成物から形成されてなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 黄色フィルタセグメントをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- マゼンタ色フィルタセグメントをさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラーフィルタと、青色LEDの表面に蛍光体を塗布することによって形成される擬似白色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記擬似白色LED光源が波長430nm〜波長485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ1を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度のピーク波長λ2を有し、波長λ1における発光強度I1に対する、波長λ2における発光強度I2の比I2/I1が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラーフィルタと、冷陰極蛍光管光源とを具備する液晶表示装置であって、前記冷陰極蛍光管光源が、波長470nm〜530nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ3を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ4を有し、波長λ4における発光強度I4に対する、波長λ3における発光強度I3の比I3/I4が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラーフィルタと、3色LED光源とを具備する液晶表示装置であって、前記3色LED光源が、波長430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長λ5を有し、波長530nm〜580nmの範囲内に発光強度が極大となる波長λ6を有し、波長λ5における発光強度I5に対する、波長λ6における発光強度I6の比I6/I5が0.2以上0.7以下である分光特性を有することを特徴とする液晶表示装置。
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