JP4548662B2 - 核移植技術による胚性幹細胞 - Google Patents

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Description

本発明は、大脳皮質由来成体神経細胞核を核移植技術によりクローン化した胚性幹細胞に関する。より具体的には、本発明は、核移植による大脳皮質の分化神経細胞由来の胚性幹細胞およびそれに由来するクローンマウスに関する。
人体は、多種多様な分化の状態にある何百もの細胞型を含んでいる(Albert, B., Johnson, A., Lewis, J., Raff, M., Roberts, K., & Walter P. (2002) Molecular Biology of the Cell 4th edn (Garland Science, New York, NY):非特許文献1)。核の構成と後成的な状態により、細胞型特異的な形態および機能をサポートするように、細胞分化中の遺伝性の遺伝子発現パターンが確立される(Cai, S., Han, H-J., Kohmi-Shigematsu, T. (2003) Nature Genet. 34, 42-50:非特許文献2;Kosak, S.T., & Groudine, M. (2004) Gene Dev. 18, 1371-1384:非特許文献3)。体細胞クローニングの最近の成功により、核移植の間に保持された、分化細胞の核の発展的な全細胞への分化能が明らかにされた。研究成果はまた、ドナー細胞核の分化の状態をリプログラミングする卵母細胞の細胞質の可能性を示した(Wakayama, T., & Yanagimachi, R., (1999) Semin. Cell Dev. Biol. 10, 253-258:非特許文献4;Rideout, W.M., Eggan, K., & Jaenisch, R., (2001) Science 293, 1093-1098 (2001):非特許文献5)。しかしながら、体細胞核のどのような分化の状態もリプログラミング可能であるかはまだ疑わしいものである。
従来の体細胞クローン技術は、体細胞核を注入した胚を子宮に移植し個体まで発生させるものであった。その基本的な技術レベルは成熟しているが、より効率的な作出には新たな概念の導入が必要だと考えられている。一つの方向性として、作出されたクローン胚から樹立した胚性幹細胞を経由してクローン個体を作製する可能性が示されている(Hochedlinger, K., & Jaenisch, R. (2002) Nature 415, 1035-1038:非特許文献6)。実際、この方法を用いて末梢神経系に属する嗅覚神経からのクローン個体の作出が報告されている(Eggan, K., Baldwin, K., Tackett, M., Osborne, J., Gogos, J., Chess, A., Axel, R., & Jaenisch, R. (2004) Nature 428, 44-49:非特許文献7;Li, J., Ishii, T., Feinstein, P., & Mombaerts, P. (2004) Nature 428, 393-399:非特許文献8)。一方、中枢神経系においては胚性大脳皮質細胞におけるクローン個体作製の試みがなされているが(Yamazaki, Y., Makino, H., Hamaguchi-Hamada, K., Hamada, S., Sugino, H., Kawase, E., Miyata, T., Ogawa, M., Yanagimachi, R. & Yagi, T. (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98, 14022-14026:非特許文献9)、中枢神経系成体神経細胞由来のクローン個体の作製例はまだない。また、大脳皮質および嗅覚神経においてDNA再構成の可能性が議論されてきたが、成体神経細胞は非増殖性であることや、複雑な組織構築がなされている脳から遺伝的に均一な細胞集団を得ることが従来の技術では極めて困難であることから、実験的な実証はなされていない。
中枢神経系の成体神経細胞は最終分化細胞型の例である。神経細胞は、有系分裂を永久に行わず、形態と生理機能を特定する。さらに、それらは、嗅覚皮質および海馬(Temple, S. (2001) Nature 414, 112-117:非特許文献10)中のいくつかを例外として、正常状態で置換されることなく、そのまま持続されるという特徴を有する。これらの違いから、遺伝子発現の最適調節ができるような、中枢神経系神経細胞で見出された安定な核構成を樹立することができる。胎仔大脳皮質の分化神経細胞由来の核を使用したクローニング実験からは、未熟な神経細胞をもつクローン胚はできるが、生存できる子は稀にしか得られなかった(非特許文献9)。
Albert, B., Johnson, A., Lewis, J., Raff, M., Roberts, K., & Walter P. (2002) Molecular Biology of the Cell 4th edn (Garland Science, New York, NY) Cai, S., Han, H-J., Kohmi-Shigematsu, T. (2003) Nature Genet. 34, 42-50 Kosak, S.T., & Groudine, M. (2004) Gene Dev. 18, 1371-1384 Wakayama, T., & Yanagimachi, R., (1999) Semin. Cell Dev. Biol. 10, 253-258 Rideout, W.M., Eggan, K., & Jaenisch, R., (2001) Science 293, 1093-1098 (2001) Hochedlinger, K., & Jaenisch, R. (2002) Nature 415, 1035-1038 Eggan, K., Baldwin, K., Tackett, M., Osborne, J., Gogos, J., Chess, A., Axel, R., & Jaenisch, R. (2004) Nature 428, 44-49 Li, J., Ishii, T., Feinstein, P., & Mombaerts, P. (2004) Nature 428, 393-399 Yamazaki, Y., Makino, H., Hamaguchi-Hamada, K., Hamada, S., Sugino, H., Kawase, E., Miyata, T., Ogawa, M., Yanagimachi, R. & Yagi, T. (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98, 14022-14026 Temple, S. (2001) Nature 414, 112-117
上記のような状況において、新規なアプローチによる胚性幹細胞の樹立方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、中枢神経系成体神経細胞の核のポテンシャルを試験するために、ドナー細胞として大脳皮質の遺伝学的マーカーを有する神経細胞を使用して、核移植実験を行った。その結果、核移植を用いた方法を利用して胚性幹細胞を樹立できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記のような、胚性幹細胞、胚性幹細胞の樹立方法などを提供する。
[1]中枢神経系成体神経細胞核を移植した卵母細胞に由来する胚性幹細胞。
[2]前記中枢神経系成体神経細胞が大脳皮質由来成体神経細胞である、上記[1]に記載の胚性幹細胞。
[3]前記中枢神経系成体神経細胞及び前記卵母細胞が、マウス又はラット由来である、上記[1]に記載の胚性幹細胞。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞に、外来遺伝子を導入することにより得ることのできる形質転換体。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞又は上記[4]に記載の形質転換体に由来する、分化細胞、分化組織又は臓器。
[6] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞又は上記[4]に記載の形質転換体を用いて作出される非ヒトトランスジェニック動物。
[7]トランスジェニックマウスである上記[6]に記載の非ヒトトランスジェニック動物。
[8]中枢神経系成体神経細胞核を卵母細胞に移植し、得られた核移植卵母細胞から発生する胚盤胞を使用して胚性幹細胞株を樹立することを特徴とする、胚性幹細胞の樹立方法。
[9]前記中枢神経系成体神経細胞が大脳皮質由来成体神経細胞である、上記[8]に記載の胚性幹細胞の樹立方法。
[10]前記中枢神経系成体神経細胞及び前記卵母細胞が、マウス又はラット由来である、上記[9]に記載の胚性幹細胞の樹立方法。
本発明によれば、従来困難であった神経細胞由来の胚性幹細胞を提供することが可能となった。このような胚性幹細胞は、個々の細胞のゲノムレベルで調節される神経細胞機能を解析する有用なバイオリソースとして有効に利用することができる。
1.本発明の胚性幹細胞及び胚性幹細胞の樹立方法
本発明は、核移植技術を利用して作製した胚性幹細胞(nuclear transfer embryonic stem cells;ntES細胞と略記する場合がある)を提供する。成体における神経細胞は非増殖性であり、複雑な細胞構築体である脳から遺伝的に均一な細胞集団を得ることは従来の技術では極めて困難であった。本発明では、単一細胞核ゲノムを胚発生プログラムに沿った形で増幅させ、そこに由来する培養細胞株を樹立することにより、無限に増殖させることに成功し、この問題を根本的に解決したのである。すなわち、本発明は、大脳皮質由来成体神経細胞核を移植した卵母細胞に由来する胚性幹細胞を提供する。このような胚性幹細胞は、大脳皮質由来成体神経細胞核を卵母細胞に移植し、得られた核移植卵母細胞から発生する胚盤胞を使用して胚性幹細胞株を樹立することができる。
本明細書中、「胚性幹細胞(ES細胞)」とは、胚盤胞の内部細胞塊に由来する細胞で、二倍体胚盤胞にインジェクションすることにより、または桑実胚と凝集させることによって胚に導入されたときに、生殖細胞を含む全ての細胞系に発生することのできる全能細胞のことをいう。「核移植」とは、ある種の細胞から抜き取った核を除核した他の細胞に移植することをいう。"nuclear transfer"という英語表記から「NT」と略記される場合がある。「クローン」とは、細胞の場合、単一細胞に由来する細胞の集団を意味する。したがって、「クローン動物」とは、単一細胞に由来する動物個体をさす用語である。本発明において「クローン化」または「クローン化する」とは、単一細胞に由来する細胞の集団または動物個体を作出することをいう。
(使用するドナー細胞及びレシピエント細胞)
本発明では、核のドナー細胞として神経細胞を使用する。神経系は中枢神経系と末梢神経系に分けられる。本発明において、中枢神経系、末梢神経系いずれに由来する細胞もドナー細胞として用いることができるが、特に中枢神経系神経細胞を用いることが好適である。中枢神経系神経細胞でも成体神経細胞は最終分化型細胞であるので、特に好適である。一般に、第二減数分裂のメタフェーズで停止した卵母細胞がサイトプラストレシピエントとして使用される。DNAまたはDNAを含む核のようなドナー遺伝物質は、(1)細胞融合、(2)無傷の細胞、溶解した細胞または核の注入の方法、等によりレシピエント細胞質に導入される。遺伝物質の移植は、レシピエントがどのような状態にあっても可能である。また、再構築された胚の倍数性は、細胞周期の適した段階でのドナー遺伝物質の使用によって維持されなければならない。
本発明の胚性幹細胞を樹立する場合は、まず、大脳皮質由来成体神経細胞(ドナー細胞)の核を核移植技術によって、適当な除核卵母細胞(レシピエント細胞)に移植する。本発明で用いられる中枢神経系成体神経細胞は、好ましくは、大脳皮質由来成体神経細胞である。使用するドナー細胞とレシピエント細胞は、特に限定されないが、通常は同種の動物由来のものを用いる。本発明において使用される大脳皮質由来成体神経細胞及び卵母細胞は、特に限定されないが、好ましくは哺乳動物由来であり、より好ましくはマウス又はラット由来である。本発明で特に好ましく用いられる中枢神経系成体神経細胞及び卵母細胞は、C57BL系統とDBA/2系統とのF1ハイブリッド系統(B6C3F1)のマウス由来のものが好ましい。
(核移植技術)
本発明において用いられる核移植技術は、マイクロマニュピレータを用いるマイクロインジェクション法、in vitro 胚培養法、胚移植法などの公知の技術が用いられる。核移植およびin vitroの培養は、例えば、Wakayama, T., Perry, A.C.F., Zuccotti, M., Johnson, K.R., & Yanagimachi, R. (1998) Nature 394, 369-374に記載の方法によって実施することができる。
(ES細胞の樹立)
上記のようにして得た核移植卵母細胞から発生する胚盤胞中の内部細胞塊の細胞を培養することによって胚性幹細胞を樹立することができる。場合によっては、桑実胚の解離細胞や着床を遅らせた胚盤胞を使用することもできる。胚性幹細胞は胚盤胞から単離することができ、その後、適切な培養条件下で培養されれば永久細胞株として樹立することができる。具体的には、例えば文献(Hogan, B., Geddington, R., Constantini, F., & Lacy, E. (1994) Manipulating the mouse embryos.Eds 3. (Cold Spring Harbor Press. New York))の記載にしたがって、ES細胞の樹立を行うことができる。さらに、前述の文献(Hochedlinger, K., & Jaenisch, R. (2002) Nature 415, 1035-1038;Li, J., Ishii, T., Feinstein, P., & Mombaerts, P. (2004) Nature 428, 393-399)の記述にしたがい、四倍体胚相補発生試験によるクローンマウスの作出を行うことができる。
なお、本発明のES細胞が多分化能力を保持しているか否かは、例えば、哺乳動物(例えば、マウス)で確立されている公知の各種確認方法により、確認することができる。多分化能の確認方法としては、例えば、培養系で神経細胞に分化させ、GFAP(glial fibrillary acidic protein)、ネスチン(Nestin)抗体マーカー等で染色してその多分化能を確認する方法、あるいは、除核した体外培養由来の未受精卵にES細胞を核移植し、更に体外培養することにより胚盤胞に発達させ、これを受胚雌の子宮に移植することにより妊娠させることで確認する方法などを挙げることができる。
2.本発明の胚性幹細胞由来の形質転換体、分化細胞・組織・臓器、トランスジェニック動物
本発明はさらに、上記胚性幹細胞を用いて作出される形質転換体、分化細胞・組織・臓器、トランスジェニック動物などにも関する。本発明の形質転換体は、例えば、本発明のES細胞に、所望の外来遺伝子を導入することにより得られた形質転換体である。本発明のES細胞への外来遺伝子の導入方法としては、公知の遺伝子導入法、例えば、市販の遺伝子導入試薬[例えば、Effecten(キアゲン)又はFuGENE(ロシュ)]を用いる方法を挙げることができる。外来遺伝子は、ES細胞の分化能力を検証するために導入される。外来遺伝子の好適な例としては、green fluorescent protein (GFP)遺伝子、β-galactosidase (lacZ)遺伝子、DsRed遺伝子、等を挙げることができる。本発明のES細胞由来分化細胞・組織・臓器としては、例えば、神経、筋肉(例えば、骨格筋又は心筋等)、肝臓、皮膚、血球、又は血管等を挙げることができる。
「トランスジェニック動物」は、その生殖細胞に恒久的遺伝的変化が導入されている動物と定義することができる。本発明において、トランスジェニック動物として選択される動物としては、非ヒト動物、特に非ヒト哺乳動物が望ましい。さらに、非ヒト哺乳動物として、げっ歯類が好ましく、なかでもマウス、ラットおよびモルモットからなる群から選ばれ、さらにはマウスが最も好適である。本発明に用いられるマウスの系統は、特に限定されないが、C57BL系統が好ましい。トランスジェニック動物を作出する方法として、(1)組換えDNAを受精卵中にマイクロインジェクションする方法;(2)動物の胚にウイルス、通常は組換えレトロウイルスベクターを利用して遺伝子を導入する方法;(3)胚性幹細胞の潜在能力を利用してキメラ動物を作り出す方法等を挙げることができる。本発明においては、上記(3)に記載の方法が最も好ましい。ここで「キメラ動物」とは、二種以上の遺伝形質の異なる細胞で構成された動物を意味する。哺乳動物の胚はその発生過程で外来細胞を取り込む能力を有する。二つの異なる未着床胚、通常は桑実胚がin vitroで凝集され、二つの胚の混合を構成するキメラ胚が作出される。これらの胚は次に仮親として機能する擬妊娠マウスに移植される。得られたキメラ子孫はその組織中に二つの元の胚の一方に由来する異なる数の細胞を有している。
なお、本発明においては、四倍体胚相補発生法によってもクローン化した個体を得ることができる。四倍体細胞は移植された後に限られた発生能しか持たないことが知られている。四倍体胚が二倍体胚と凝集するとき、四倍体細胞の分化が原始内胚葉および栄養外胚葉に強く制限され、これらはその後、胚体外組織を形成し、一方二倍体細胞は実際の胚を形成することができる。四倍体胚盤胞は、例えば、Eggan, K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 6209-6214 (2001)に記載される既知の方法により、例えば二細胞胚のエレクトロフュージョンおよびそれに続く培養により得ることができる。つまり、本発明において「四倍体胚相補発生」とは、上記のようにして得られた四倍体胚盤胞に本発明の胚性幹細胞を注入し、クローン化した個体を得ることである。
以上のようにして得られる本発明の分化細胞・組織・臓器、トランスジェニック動物などは、例えば、再生医療に関する種々の遺伝工学的実験に有効に利用することができる。
実施例
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
まず、一般的実験手法を説明し、次いで本発明の実施例について記載する。
(1)トランスジェニックマウスの作製
Cre遺伝子を有するベクタープラスミドを、aCamKIIプロモーター配列を含むpMM279の8.5kbの断片を使用して構築した(Tsien J.Z., Chen, D.F., Gerber, D., Tom, C., Mercer, E.H., Anderson, D.J., Mayford, M., Kandel, E.R., Tonegawa, S. (1996) Cell 87, 1317-1326)。トランスジェニック第一代マウスは、C57BL/6マウスの接合体へプラスミドを前核注入することにより作出した。作出した3系統のトランスジェニックマウスのうち、一つのマウスの系統(Cam-Cre)が前脳部特異的にCreタンパク質の効果的な発現を示した。内在的Nex-1遺伝子にCre遺伝子が挿入され(Nex-Cre)、GFP遺伝子がGAD67遺伝子に挿入されている(GAD67-GFP)、トランスジェニックマウスの系統が作出された。C57BL/6のバックグランドを有するCAG-CAT-EGFPマウスは、DBA/2マウスと戻し交配された。戻し交配の第2と第3の世代が、本発明において使用された。
(2)ドナー細胞の調製
ドナー細胞を、Cam-CreおよびCAG-CAT-EGFP対立遺伝子(Cam/CAG)、Nex-CreおよびCAG-CAT-EGFP対立遺伝子(Nex/CAG)およびGAD67-GFP対立遺伝子のそれぞれを有するCam/CAG、Nex/CAGおよびGAD67-GFPマウスの大脳皮質から分離した。トランスジェニックマウス(3-40日)の大脳皮質を、37℃でパパイン(12mg/ml、Wharrington)を含むB27(Invitrogen)を添加したNeurobasal-A培地中で20分間激しく振盪することにより分離した。数回ピペッティングした後に、細胞懸濁液をOPTI-prep細胞分離試薬(Invitrogen)に載せ、説明書に従い、20分間、1000gで遠心した。神経細胞に富んだ画分を分離し、ソート前にB27を添加したNeurobasal-A培地に再懸濁した。
(3)セルソート
再懸濁した細胞を、説明書にしたがってEPICS ALTRA(BECKMANN COULTER)によりソートした。すべての時間、試料をソートする前に、ソートの確実性をFlow-check Fluorosphere(BECKMANN COULTER)で確認した。
(4)クローン胚、ES細胞およびクローンマウスの作製
サイズが大きい(ほぼ8-10μm)、または特徴的な神経細胞の形態のいずれかを備えた細胞が、これらの細胞がEGFPとNeuNにそれぞれ陽性だったので、ソートされた細胞から注入された。その結果を図2(B)に示す。クローン胚についての核移植実験およびin vitroの培養を文献(Wakayama, T., Perry, A.C.F., Zuccotti, M., Johnson, K.R., & Yanagimachi, R. (1998) Nature 394, 369-374)に記載の方法に従って行った。文献(Hogan, B., Geddington, R., Constantini, F., & Lacy, E. (1994) Manipulating the mouse embryos.Eds 3. (Cold Spring Harbor Press. New York))の記載にしたがって、ES細胞の樹立を行った。前述の文献(Hochedlinger, K., & Jaenisch, R. (2002) Nature 415, 1035-1038;Li, J., Ishii, T., Feinstein, P., & Mombaerts, P. (2004) Nature 428, 393-399)の記述にしたがい、四倍体胚相補発生試験によるマウスの作出を行った。
(5)免疫組織化学による分析
avartinによる麻酔後、マウスを屠殺し、組織を2-6時間、灌流とインキュベーションにより、4%のPFAを含むPBSで固定化した。25-30%のショ糖で平衡化した後、組織をOTC化合物中で凍結した。5-12μmおよび50μmの厚さの切片を、三色の免疫蛍光検査法分析および共焦点顕微鏡分析のためにそれぞれ調製した。本研究に使用した抗体は以下のとおりである:ウサギ抗GFP(1:10-200, Clonetech)、マウス抗Cre(1:4000, Chemicon)、マウス抗aCamKII(クローン3E11、Yamauchi博士(愛媛大学)から贈られた)、マウス抗NeuN(免疫組織化学用1:400(Chemicon)、免疫細胞化学用1:100(CHEMICON))(Mullen, R.J., Buck, C.R., & Smith, A.M. (1992) Development 116, 201-211)、マウス抗GAD67(1:400, Chemicon)、マウス抗CNP(1:500, Chemicon)、マウス抗GFAP(1:200, Sigma)。
(6)サザンブロッティングおよびPCRタイピング
pEGP-N1(Clontech)のEGFP cDNAを含むEcoRI-NotI断片が、サザンブロッティング(Kawakado S., Niwa, H., Tashiro, F., Sano, S., Kondoh, G., Takeda, J., Tabayashi, K., & Miyazaki, J-I. (2000) FEBS let. 470, 263-268)のプローブとして使用された。PCR分析は説明書(Takara)にしたがって行われた。上記Kawakadoらの文献に記述されるように、CAGプロモーター、CAT遺伝子およびEGFP遺伝子の配列に特異的なプライマーセットを使用した。Dietrich, W., Katz, H., Lincoln S.E., Shin, H-S., Friedman, J., Dracopoli, N.C., & Lander, E.S. (1992) Genetics 131, 423-447に記述されたように、PCRタイピングのSSLPプライマーセットを調製した。
蛍光標識による分化した皮質神経細胞の可視化
新皮質中の神経細胞を可視化するために、in vivoのCre/loxP部位特異的組換え系を利用した。図1にCam/CAGトランスジェニックマウスの大脳皮質中の遺伝学的マーカーを有する細胞の特性を示す。図1(A)はCam/CAGおよびNex/CAGのトランスジェニックマウスにおけるCreを用いた組換えのスキームであり、神経細胞遺伝子プロモーター(Np)により動くCreの発現により、lox-P配列に隣接するCAT/ストップカセットが切り出される。図1(B-M) は、遺伝子操作されたCam/CAGおよびNex/CAGトランスジェニックマウスの新皮質中のGFP発現細胞の共焦点顕微鏡による解析を示す(赤、NeuN免疫反応性(B、D)およびGABA免疫反応性(C、E);f-i、緑、GFP(F-I)蛍光;合体イメージ(J-M);バーは10μmを表わす(J-M))。
αカルシウム/カルモジュリ依存性キナーゼII(aCamKII)遺伝子のプロモーター配列(Cam-Cre)の支配下でCreリコンビナーゼ遺伝子を発現する、トランスジェニックマウスを最初に作出した。Cam-Creマウスを、リポーターマウス系統(CAG-CAT-EGFP)と交配すると、EGFP遺伝子は、NeuN陽性の成体神経細胞の中で優性に発現し、得られたマウス中のGABA陽性のGABAergicな神経細胞では発現されない(図1(B-M))。
図5に、Cam/CAGトランスジェニックマウスの新皮質中のEGFP発現細胞の間接免疫蛍光分析の結果を示す(抗EGFP(緑、A-F)、抗Cre(赤、A)、抗NeuN(B)、抗CAMαサブタイプ(C)、抗GAD67(D)、抗CNPase(E)および抗GFAP(F)の抗体、およびDAPI(青)を使用する3色の免疫蛍光法の合わせたイメージ;バーは50μmを表わす(A-F))。GAD67、CNPaseおよびGfapにではなく、Cre、NeuNおよびaCamKIIの抗体に対する反応に陽性の細胞にGFP免疫反応性が検出される。図5に示されるように、間接免疫蛍光法から、CreリコンビナーゼがEGFP発現細胞に単独で共存し、これらの細胞の多くがピラミッド形の神経細胞として分類されることが明らかとなった。
細胞数から、EGFP+細胞がNeuN免疫反応性に優性的に陽性であることが示された(535個のNeuN+EGFP+/552個のEGFP+(96.9%))。比較的大きな、EGFP陽性の生細胞をセルソーターで濃縮した画分では、大多数のこれらの細胞が神経細胞の起源であることが明らかとなった(1562個のNeuN+細胞/1575個のソートされた細胞(99.2%))。実験方法の確実性は、Nex-1遺伝子の内在性プロモーターにより動く神経細胞のEGFP発現をする別のトランスジェニックマウスの系統によって評価された。組織切片およびセルソートの細胞数から、Nex/CAGマウス由来のEGFP発現細胞は選択的にピラミッド形の神経細胞であることが明らかとなった(組織切片中では648個のNeuN+細胞/650個のEGFP+細胞(99.7%);セルソート後では309個のNeuN+細胞/310個のEGFP+細胞(99.7%))。したがって、選別過程により、CAM/CAGおよびNex/CAGマウス由来の核ドナーとして使用されるEGFP発現細胞はすべてピラミッド形の成体神経細胞であると保証された。
GABAergicな神経細胞、別の神経細胞のサブタイプが、上述の同一方法により、GAD67ノックインマウスを使用して選択された(図2(A))。図2は、核移植による遺伝学的マーカーを有する神経細胞核に由来するES細胞の樹立を示す図である。図2(A)は、ソートしたGFPを発現する神経細胞核を用いて再構築卵母細胞から発生した胚盤胞から樹立されたES細胞系を生成する実験手順を示す図である。図2(B、C)は、セルソートにより回収されたCAM/CAGマウス由来のドナー細胞を示す(細胞の大きさおよび(ピラミッド形の神経細胞として特徴付けられる)頂芽樹状突起の存在に注意)。図2(D、E)は、永久マーカーとしてGFP発現を用いて確立されたES細胞を示す。イメージを、明視野(B、D)および蛍光(C、E)により写真撮影した。バーは10μmを表わす(B-E)。図2(F)は、CAG-CAT-EGFPトランスジーン中のCreを用いたDNA組換えの概要図である。図2(G)は、BDF1の野生型マウス(レーン1)、Cam/CAGトランスジェニックマウスの皮質(レーン2)、心臓(レーン3)、肝臓(レーン4)および尾部(レーン5)、Cam-1(レーン6)、Cam-2(レーン7)、Nex-1(レーン8)およびNex-2(レーン9)からのDNAのPCR分析結果を示す。各DNAをFで示したプライマーセットを使用して増幅した。図2(H)は、Cam/CAGマウス(新皮質、レーン1;肝臓、レーン3)、Nex/CAG(新皮質、レーン2;肝臓、レーン4)、Cam-1(レーン5)、Cam-2(レーン6)、Nex-1(レーン7)およびNex-2(レーン8)、GAD67ノックインマウス(尾部、レーン9)、Gad67-1(レーン10)およびGad67-2(レーン11)のEcoRI消化DNAのサザンブロット分析の結果を示す。EGFP cDNA断片の0.7kbはプローブとして使用された。組換えられたトランスジーン(1.1kb)は、レーン1、2および5-8で検出された。
GFPを発現するGABAergicな神経細胞は単独で分離された(1052個のNeuN+細胞/1057個のEGFP+細胞(99.5%);112個のGAD67+細胞/112個のEGFP+細胞(100%))。選択データは、GAD67ノックインマウス由来のドナー細胞として使用されるEGFP+細胞がGABAergicな神経細胞であることを強く示唆している。
単一の神経細胞の核と遺伝学的に同一のES細胞の樹立
まず、非遺伝学的マーカーを有する脳細胞(出生後18-40日(P))を用いて、再構築された卵母細胞から発生した胚盤胞由来のES細胞系の生成を試験した。結果を表1に示す。
Figure 0004548662
5つのES細胞系が34個の胚盤胞から9回の独立した実験により樹立された。神経細胞としてドナー細胞である証拠か識別を提示されてはいないが、卵母細胞の細胞質に曝露されると、このデータから神経細胞核の増殖ポテンシャルが示唆された。
続いて、ES細胞系を作製するために遺伝学的マーカーを有する神経細胞の核移植実験を行った(図2(A))。すべて(P14とP15のCam/CAGマウス神経細胞由来のCam-1およびCam-2、P21とP22のNex/CAGマウス神経細胞由来のNex-1およびNex-2、およびP3およびP15のGAD67マウス神経細胞由来のGAD67-1およびGAD67-2)において6系統のES細胞系が、遺伝学的マーカーを有する神経細胞核に由来する76個の胚盤胞から樹立された(表1)。6系統のES細胞系のうち、4系統(Cam-1、Cam-2、Nex-1およびNex-2)が、CAGプロモーターからのEGFP発現マーカーを永久につけられた(図2(D、E))。
Creを用いた組換えは、PCRおよびサザンブロット分析により、EGFPを発現するドナー神経細胞に由来するES細胞で確認された(図2(F、H))。PCRによる遺伝子型の決定から、Cam/CAGマウスの脳の中、およびEGFPを発現するドナー神経細胞の核に由来するES細胞の中で、loxPに隣接するCAT遺伝子の削除が示された(図2(G))。
図4は、成体神経細胞の核を用いたクローンマウスの形態学的解析の結果を表す。図4(A)は、 正常な妊娠能を有する6週齢のCAM-2 ES細胞核に由来する神経細胞のマウスクローン「Cerebro」(挿入部分は尾部の情報を表す)を示す。明視野(上)および蛍光(下)により、イメージを写真撮影した。挿入部のバーは1mmを表す。図4(B)は、 Cam/CAGマウスの新皮質DNA(レーン1)および肝臓DNA(レーン2)、核移植により産生されたCam-2(レーン3)およびNex-1(レーン4)に由来する神経細胞クローンの尾部DNA、および四倍体胚相補発生試験によって産生されたGad67-2 ES細胞由来の2クローンの尾部DNA(レーン5、6)のサザンブロッティングの結果を示す。図4(C-H)は、 Cam-2 ES細胞(C-E)およびGad67-2 ES細胞(F-H)由来の神経細胞マウスクローンの大脳皮質切片を示す(Nissl染色(C、F)および、抗NeuN(D、G)および抗GAD67(E、H)抗体を使用する間接免疫蛍光法を用いた切片)。明白な細胞質構造の変化は検出されなかった。バーは1mm(AとBの挿入部)および50μm(C-H)をそれぞれ表す。図4に示されるように、サザンブロット分析から、Creを用いたDNA組換えが生じたドナー神経細胞に由来する4系統のES細胞系すべてにおいて、組換えを起こした対立遺伝子の存在が確認された(図4(H))。
EGFP遺伝子が挿入されるGAD67遺伝子の対立遺伝子は、ドナーのGAD67ノックインマウスおよびドナー核に由来するES細胞のゲノムDNAをEcoRIで消化することにより検出された(図2(H))。CAG-CAT-EGFPマウスがDBA/2と戻し交配されたので、C57BL/6およびDBA/2の近交系の染色体セグメントで差異分配がPCRタイピングにより示された。これらのデータから、単一の神経細胞核に由来する遺伝学的に独立したES細胞系の樹立が実証される。
ES細胞中間体を用いた二段階クローニング
神経細胞由来のES細胞から神経細胞起源のクローンを生成するために、まず核移植ES細胞(ntES細胞)を四倍体胚盤胞に注入した(四倍体胚相補発生試験)(図3(A))。ここで、図3は、ES細胞中間体を用いたマウスクローニングを示す図である。図3(A)は、神経細胞核に由来するES胎児およびESクローンを産出するためのスキームを示す。図3(B、C)は、四倍体胚相補発生試験によるCam-1 ES細胞に由来する子を示す(GFP発現は胎盤ではなく、胚組織だけに制限されることに注意(矢印))。図3(D、E)は、核移植によるCam-2 ES細胞に由来する子を示す。四倍体胚相補発生試験による子とは対照的に、胚外組織(胎盤)はGFP蛍光(矢印)を発現する。イメージは、明視野(B、D)および蛍光(C、E)により写真撮影された。棒は1cm(B-E)を表す。
3系統のntES細胞系(Cam-1、Cam-2およびGAD67-2)から、誕生時に19匹の子クローンが得られた。結果を表2に示す。
Figure 0004548662
胎盤の組織を除いて、CAM-1およびCAM-2のES細胞系からのすべての胎児は、EGFPを遍在して発現した(図3(B、C))。GABA-2のES細胞由来の胎児は、GAD67遺伝子発現パターン同様にEGFPを発現した。四倍体胚相補発生試験の間に、ntES細胞系のCam-1、Cam-2およびGAD67-2から得られた19匹の生きて生まれた子クローンのうち、Cam-1のES細胞系で得られたクローンを除いて10匹は生存した(表2)。次に、これらの細胞の発生における全能性を試験するために、除核卵母細胞に神経細胞由来のntES細胞系からの核を注入した。合計4匹の生きて生まれた子が、Cam-2、Nex-1およびGAD67-2のES細胞系から最終的に得られ、Cam-2由来が1匹、GAD67-2細胞系由来が1匹生存した(表2)。この方法によりCam-2およびNex-1から作出された子は、それらの胎盤および胚の形態の両方でEGFP発現を示す(図3(D、E))。
四倍体胚相補発生試験および核移植による神経細胞核を用いたクローンマウスの正常な表現型
四倍体胚相補発生試験(Cam-1 ES細胞系からの1匹、Cam-2からの2匹およびGAD67-2からの3匹)および核移植(Cam-2 ES細胞系からの1匹)の両方から、開いた眼瞼をした合計7匹の子を得た(図3(D、E))。7匹のうち、CAM-2およびGad67-2由来のそれぞれ1匹が、四倍体胚相補発生試験の結果として成体となった。しかし、表現型の異常は遺伝学的に伝わらなかった。核移植の間に、CAM-2およびGad67-2の細胞核に由来するマウスクローンは、思春期に入った(図4(A)のCAM-2 ES細胞由来の「Cerebro」、Gad67-2 ES細胞由来の「Cerebra」)。サザンブロット分析から、四倍体胚相補発生試験および核移植により産出されたクローンマウスがドナーES細胞の遺伝子型と同一の組換え対立遺伝子を有することが確認された(図4(B))。組織学的試験から、四倍体胚相補発生試験および核移植により得られたP0時の子からの大脳皮質の総体的形態および細胞構造の明白な欠損は明らかにされなかった(図4(C-H))。これらの結果は、核移植により、皮質の新生を含む十分な発生をサポートするために、新皮質の成体神経細胞がリプログラミングされることを示している。
本発明の胚性幹細胞は、DNA再構成の検証など、個々の細胞のゲノムレベルで調節される神経細胞機能を解析する有用なバイオリソースと考えられ、単一細胞核ゲノムの解析法として有効に利用し得る。また、本発明の胚性幹細胞、これを用いる形質転換体、クローンマウスなどは、再生医療の研究材料として非常に有用である。
Cam/CAGトランスジェニックマウスの大脳皮質中の遺伝学的マーカーを有する細胞の特性を示す図である。 核移植による遺伝学的マーカーを有する神経細胞核に由来するES細胞の樹立を示す図である。 ES細胞中間体を用いたマウスクローニングを示す図である。 成体神経細胞の核を用いたクローンマウスの形態学的解析の結果を表す図である。 Cam/CAGトランスジェニックマウスの新皮質中のEGFP発現細胞の間接免疫蛍光分析の結果を示す図である。

Claims (3)

  1. 大脳皮質神経細胞に特異的なプロモーターであるaCamKII、Nex-1またはGAD67が作動して大脳皮質由来神経細胞でのみ特異的にDNA組換を行って、green fluorescent protein(GFP)遺伝子、β-galactosidase(lacZ)遺伝子またはDsRed遺伝子である外来遺伝子のマーカーを発現するよう組み換えられた非ヒトトランスジェニック動物より、該マーカーに基づき大脳皮質成体神経細胞を単離し、
    単離された細胞の核を非ヒト卵母細胞に移植し、
    得られた核移植卵母細胞から発生する胚盤胞を使用して、全能性の胚性幹細胞株を樹立すること
    特徴とする胚性幹細胞の樹立方法。
  2. 前記DNA組換が前記プロモーターの支配下で発現するCreリコンビナーゼによって行われる、請求項1に記載の胚性幹細胞の樹立方法。
  3. 前記大脳皮質由来成体神経細胞及び前記卵母細胞が、マウス又はラット由来である、請求項1または2に記載の胚性幹細胞の樹立方法。
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