JP4548088B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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本発明は、半導体基板に集積回路(IC)を形成し、その上部に圧電薄膜を積層して弾性表面波素子を備えた弾性表面波装置に関する。
従来より、半導体基板にICを形成し、弾性表面波素子をその上部に備えた弾性表面波装置が知られている。このような、ICと弾性表面波素子を一体化した弾性表面波装置では、ICと弾性表面波素子の間の相互作用によるノイズの発生が懸念され、ノイズの発生を防止する提案がされている。例えば、特許文献1に示すように、同一半導体基板内にIC形成層と弾性表面波素子を分離して配置し、前記弾性表面波素子を取り囲むように電極を形成し、電極と半導体基板間にバイアス電圧を印加することで弾性表面波素子とICを素子分離する構造が開示されている。
特公平3−3411号公報(第2図)
しかしながら、通常、弾性表面波素子では、弾性波として縦波と横波が結合したレイリー波を利用しており、この縦波成分(垂直成分)は、表面から1波長以内の深さに大部分のエネルギーが集中している。このため、IC形成層の上に弾性表面波素子を備えた場合には、弾性波がIC形成層に伝搬し配線にストレスがかかり、抵抗および容量などが変化してノイズの原因となることが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、IC形成層上に圧電薄膜を積層して弾性表面波素子を備えた弾性表面波装置において、ICと弾性表面波素子の間の素子分離をし、ノイズの発生を防止する弾性表面波装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の弾性表面波装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたIC形成層と、前記IC形成層の上方に積層された反射層と、前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を少なくとも備え、前記反射層の厚さを、前記弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4である厚さに形成されたことを特徴とする。また、ある実施形態では、ICと弾性表面波素子とが一体となった弾性表面波装置であって、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、且つ、発振回路を備えたIC形成層と、前記IC形成層上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、且つ、導電材料を用いて形成された反射層と、前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を備え、前記反射層の厚さが、前記弾性表面波素子から励起された弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4である厚さに形成されたことを特徴とする
この構成によれば、反射層を、弾性表面波素子から励振される弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成することにより、弾性表面波装置の厚さ方向に伝搬する弾性波を反射層内で反射させ、反射層内に閉じ込めることができる。このことにより、弾性波がIC形成層へ伝搬するのを防止でき、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成された前記反射層は多層構造であっても良い。
このように、反射層を多層構造にし、例えば相接する反射層を音響インピーダンスの差が大きくなるように積層すれば、効果的に弾性波を反射層内に閉じ込めることができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成された前記反射層は導電膜を含むことを特徴とする。
このようにすれば、反射層は弾性波を反射層内に閉じ込める効果と、導電膜によるICを電磁シールドする効果を併せ持つことができ、弾性波および電磁波の影響による弾性表面波装置のノイズを低減することができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成された前記反射層と前記IC形成層との間に導電膜をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、導電膜によりICを電磁シールドすることができる。このことから、弾性波および電磁波の影響による弾性表面波装置のノイズを低減することができる。
また、本発明の弾性表面波装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたIC形成層と、前記IC形成層の上方に積層された反射層と、前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を少なくとも備え、前記反射層の厚さを、前記弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2である厚さに形成されたことを特徴とする。また、ある実施形態では、ICと弾性表面波素子とが一体となった弾性表面波装置であって、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、且つ、発振回路を備えたIC形成層と、前記IC形成層上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、且つ、導電材料を用いて形成された反射層と、前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を備え、前記反射層の厚さが、前記弾性表面波素子から励起された弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2である厚さに形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、反射層を、弾性表面波素子から励振される弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成することにより、弾性表面波装置の厚さ方向に伝搬する弾性波を反射層内で反射させ、反射層内で打ち消すことができる。このことにより、弾性波がIC形成層へ伝搬するのを防止でき、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成された前記反射層は多層構造であっても良い。
このように、反射層を多層構造にし、例えば相接する反射層を音響インピーダンスの差が大きくなるように積層すれば、効果的に弾性波を反射層内で打ち消すことができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成された前記反射層は導電膜を含むことを特徴とする。
このようにすれば、反射層は弾性波を反射層内で打ち消す効果と、導電膜によるICを電磁シールドする効果を併せ持つことができ、弾性波および電磁波の影響による弾性表面波装置のノイズを低減することができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成された前記反射層と前記IC形成層との間に導電膜をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、導電膜によりICを電磁シールドすることができる。このことから、弾性波および電磁波の影響による弾性表面波装置のノイズを低減することができる。
また、本発明の弾性表面波装置において、共振器もしくは周波数フィルタとして機能することを特徴とする。
この発明によれば、弾性表面波装置が共振器もしくは周波数フィルタとして機能することにより、上記構成に起因して得られる、ICと弾性表面波素子の相互作用によるノイズの発生を防止でき、良好な特性を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態における弾性表面波装置の概略構成を示す斜視図である。
弾性表面波装置1は、半導体基板10にIC形成層11を備え、絶縁膜12を介して反射層20が積層されている。反射層20上には圧電薄膜層30が設けられ、圧電薄膜層30上には弾性表面波素子31が形成されている。弾性表面波素子31は、櫛歯形状のIDT電極32を備え、2つのIDT電極32がお互いに噛み合うように配置されている。
このように、IC形成層11の上部には弾性表面波素子31が設けられ、ICと弾性表面波素子31が一体となった弾性表面波装置1を構成している。
図2は、図1のA−A断線に沿う弾性表面波装置1の模式断面図である。
Siなどから構成された半導体基板10には、集積回路を形成したIC形成層11が設けられ、IC形成層11上にはSiO2から構成された絶縁膜12を備えている。IC形成層11には、弾性表面波素子31を励振させるための発振回路を含んでいる。そして、絶縁膜12上にはW(タングステン)から構成された反射層20が設けられ、反射層20上にはZnOから構成された圧電薄膜層30が備えられている。さらに、圧電薄膜層30上には、弾性表面波素子31を構成するAlなどの導電体で形成した櫛歯形状のIDT電極32が設けられている。
反射層20における弾性波の反射係数を高くするために、反射層20は相接する層材料の音響インピーダンスの差が大きくなるように構成されている。本実施形態において、反射層20の音響インピーダンスは絶縁膜12および圧電薄膜層30に対して、相対的に高い音響インピーダンスを有している。また、反射層20の厚さd1は、弾性表面波素子31から励振される弾性波が、反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さで形成されている。この、弾性波が反射層20を伝搬する波長は、反射層20として用いられる材料を通過する音速および弾性波の周波数により決定され、用いられる材料で波長は異なっている。
なお、半導体基板10の材料としては、Siの他に、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaN、ZnSeなどを利用することができる。また、反射層20の材料としては、Wの他に、Al、Mo、Au、Pt、Ir、Si、SiO2、Diamondなどが利用できる。さらに、圧電薄膜層30の材料としては、ZnOの他に、AlNなどが利用できる。
これらの材料の選択には、相接する層材料の音響インピーダンスおよび格子整合などを考慮して、適宜選択される。例えば、圧電薄膜層30をZnOとし、反射層20をWとする構成、あるいは圧電薄膜層30をAlNとし、反射層20をMoとする構成が挙げられる。
なお、絶縁層12と反射層20の間には、絶縁層12の上に積層する層の平坦化を目的として、平坦化層を設けても良い。このようにすれば、反射層20および圧電薄膜層30を平坦に形成でき、弾性表面波素子31を精度良く製作することができる。
以上のような構成の弾性表面波装置1において、弾性表面波素子31から弾性表面波が励振されると、弾性波の縦波成分が弾性表面波装置1の厚さ方向に伝搬する。弾性波は圧電薄膜層30を伝搬し、反射層20に入射する。反射層20の厚さd1は、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成されているため、反射層20下面(絶縁膜12と接する面)では反射層20上面に対して1/4波長(90°)進んだ弾性波が到達する。ここで弾性波が反射(位相反転)し、反射層20上面(圧電薄膜層30に接する面)には入射した弾性波に対して360°進んだ弾性波が到達する。さらに、この反射層20の上面で弾性波が反射し、以降反射層20内で反射が繰り返される。このことから、弾性波は反射層20内に閉じ込められ、IC形成層11に入射しない。
このように、弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、反射層20を設け、その反射層20の厚さd1を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。このことから、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。また、本実施形態のように反射層20を導電膜で形成すれば、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能となる。
(第2の実施形態)
また、図2における反射層20の厚さd1を、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成してもよい。
この場合、弾性表面波素子31から励振された弾性波は、圧電薄膜層30を経て、反射層20に入射する。反射層20の厚さd1は、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成されているため、反射層20下面では反射層20上面に対して1/2波長(180°)進んだ弾性波が到達する。ここで弾性波が反射(位相反転)し、反射層20上面には入射した弾性波に対して540°進んだ(180°位相のずれた)弾性波が到達する。つまり、入射した弾性波と反射した弾性波が反射層20内で打ち消し合うように働く。このことから、弾性波は反射層20内で打ち消し合い、IC形成層11に入射しない。
このように、弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、反射層20を設け、その反射層20の厚さd1を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。このことから、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。また、反射層20を導電膜で形成すれば、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、反射層を多層構造とした実施形態について説明をする。図3は、反射層を2層にて構成した弾性表面波装置の構成を示す模式断面図であり、図4は、反射層を4層にて構成した弾性表面波装置の構成を示す模式断面図である。
図3において、弾性表面波装置2は、Siなどから構成された半導体基板10と、半導体基板10に集積回路を形成したIC形成層11および、IC形成層11上にはSiO2から構成された絶縁膜12を備えている。IC形成層11には、弾性表面波素子31を励振させるための発振回路を含んでいる。絶縁膜12上には第1反射層21および第2反射層22が積層された反射層20が設けられている。第1反射層21はWで形成され、第2反射層22はSiO2から形成されている。
この第1反射層21および第2反射層22は、お互いに接する層材料の音響インピーダンスの差が大きくなるように構成されている。第1反射層21は、絶縁層12及び第2反射層22に対して、相対的に高い音響インピーダンスを有している。また、第2反射層22は、第1反射層21および圧電薄膜層30に対して、相対的に低い音響インピーダンスを有している。
そして、反射層20上にはZnOから構成された圧電薄膜層30が備えられている。さらに、圧電薄膜層30上には、弾性表面波素子31を構成するAlなどの導電体で形成した櫛歯形状のIDT電極32が設けられている。
反射層20の厚さd2は、弾性表面波素子31から励振される弾性波が、反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さで形成されている。この反射層20を伝搬する波長は、反射層20として用いられる材料を通過する音速および弾性波の周波数により決定され、用いられる材料で波長は異なっているが、例えば、第2反射層22上面(圧電薄膜層30と接する面)から入射した弾性波は、第1反射層21下面(絶縁膜12と接する面)で、1/4波長進んだ波長が到達するように、第1反射層21と第2反射層22のそれぞれの厚さが設計されている。
なお、半導体基板10の材料としては、Siの他に、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaN、ZnSeなどを利用することができる。また、反射層20の材料としては、Wの他に、Al、Mo、Au、Pt、Ir、Si、SiO2、Diamondなどが利用できる。さらに、圧電薄膜層30の材料としては、ZnOの他に、AlNなどが利用できる。
以上のような構成の弾性表面波装置2において、弾性表面波素子31から弾性表面波が励振されると、弾性波の縦波成分が弾性表面波装置2の厚さ方向に伝搬する。弾性波は圧電薄膜層30を伝搬し、反射層20に入射する。反射層20の厚さd2は、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成されているため、反射層20における第1反射層21下面では反射層20の第2反射層22上面に対して1/4波長(90°)進んだ弾性波が到達する。ここで弾性波が反射(位相反転)し、反射層20における第2反射層22上面には入射した弾性波に対して360°進んだ弾性波が到達する。さらに、この第2反射層22の上面で弾性波が反射し、以降反射層20内で反射が繰り返される。このように、弾性波は反射層20内に閉じ込められ、IC形成層11に入射しない。
また、図4に示すように反射層を4層に形成した構成であっても実施ができる。
図4における弾性表面波装置3は、上記図3で説明した弾性表面波装置2と反射層20の構成のみ異なるため、同様の構成については同符号を付し説明を省略する。
反射層20は、第1反射層23、第2反射層24、第3反射層25、第4反射層26から構成されている。第1反射層23および第3反射層25はMo膜で形成され、第2反射層24および第4反射層26はSi膜で形成されている。
この第1反射層23から第4反射層26は、お互いに接する層材料の音響インピーダンスの差が大きくなるように構成されている。第1反射層23は、絶縁層12及び第2反射層24に対して、相対的に高い音響インピーダンスを有している。また、第2反射層24は、第1反射層23および第3反射層25に対して、相対的に低い音響インピーダンスを有している。第3反射層25は、第2反射層24および第4反射層26に対して、相対的に高い音響インピーダンスを有している。さらに、第4反射層26は、第3反射層25および圧電薄膜層30に対して、相対的に低い音響インピーダンスを有している。
反射層20の厚さd3は、弾性表面波素子31から励振される弾性波が、反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さで形成されている。
以上のような構成の弾性表面波装置3において、弾性表面波素子31から弾性表面波が励振されると、弾性波の縦波成分が弾性表面波装置3の厚さ方向に伝搬する。弾性波は圧電薄膜層30を伝搬し、反射層20に入射する。そして、第4反射層26から第1反射層23に弾性波が伝搬する。反射層20の厚さd3は、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成されているため、反射層20における第1反射層23下面では反射層20の第4反射層26上面に対して1/4波長(90°)進んだ弾性波が到達する。ここで弾性波が反射(位相反転)し、反射層20における第4反射層26上面には入射した弾性波に対して360°進んだ弾性波が到達する。さらに、この第4反射層26の上面で弾性波が反射し、以降反射層20内で反射が繰り返される。このように、弾性波は反射層20内に閉じ込められ、IC形成層11に入射しない。
図3および図4で説明したように、反射層20を多層構造とすることにより、以下の効果を得ることができる。
弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、多層構造からなる反射層20を設け、その反射層20の厚さd2およびd3を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。特に、第1反射層21および第2反射層22を、お互いに接する層材料の音響インピーダンスの差が大きくなるように構成することにより、進行する弾性波を有効に反射させ、弾性波を効果的に反射層20に閉じ込めることができる。そして、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。また、本実施形態のように多層構造の反射層20に導電膜を含むことで、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能となる。
(第4の実施形態)
また、図3および図4における反射層20の厚さd2およびd3を、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成してもよい。
この場合、弾性表面波素子31から励振された弾性波は、圧電薄膜層30を経て、反射層20に入射する。反射層20の厚さd2およびd3は、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成されているため、反射層20下面では反射層20上面に対して1/2波長(180°)進んだ弾性波が到達する。ここで弾性波が反射(位相反転)し、反射層20上面には入射した弾性波に対して540°進んだ(180°位相のずれた)弾性波が到達する。つまり、入射した弾性波と反射した弾性波が、反射層20内で打ち消し合うように働く。このように、弾性波は反射層20内で打ち消し合い、IC形成層11に入射しない。
このように、弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、多層構造の反射層20を設け、その反射層20の厚さd2およびd3を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。特に、多層構造の反射層20を、お互いに接する層材料の音響インピーダンスの差が大きくなるように構成することにより、進行する弾性波を有効に反射させ、弾性波を効果的に反射層20内で打ち消すことができる。そして、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。また、多層構造の反射層20に導電膜を含むことで、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能となる。
(第5の実施形態)
次に、反射層の下に導電膜を備えた実施形態について説明をする。
図5は本実施形態の弾性表面波装置の構成を示す模式断面図である。
弾性表面波装置4は、Siなどから構成された半導体基板10と、半導体基板10に集積回路を形成したIC形成層11および、IC形成層11上にはSiO2から構成された絶縁膜12を備えている。そして、絶縁膜12上にはAlなどからなり、少なくとも5nm程度の厚さの導電膜40が設けられている。導電膜40上にはSiから構成された反射層20が設けられ、反射層20上にはZnOから構成された圧電薄膜層30が備えられている。さらに、圧電薄膜層30上には、弾性表面波素子31を構成するAlなどの導電体で形成した櫛歯形状のIDT電極32が設けられている。
反射層20の厚さd1は、弾性表面波素子31から励振される弾性波が、反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さで形成されている。
以上のような構成の弾性表面波装置4において、第1の実施形態と同様に反射層20内に弾性波が閉じ込められ、IC形成層11に弾性波は入射しない。また、反射層20に導電性の膜が含まれていない場合に、反射層20と絶縁層12の間に、導電膜40を設けることにより、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能である。
このように、弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、反射層20を設け、その反射層20の厚さd1を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/4の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。そして、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。さらに、本実施形態のように反射層20に導電性の膜が含まれていない場合に、反射層20と絶縁層12の間に導電膜40を設けることによりIC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能となる。
(第6の実施形態)
また、図5における反射層20の厚さd1を、弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成してもよい。
この場合、第1の実施形態と同様に反射層20内で弾性波が打ち消し合い、IC形成層11に弾性波は入射しない。また、反射層20に導電性の膜が含まれていない場合に、反射層20と絶縁層12の間に、少なくとも5nm程度の厚さの導電膜40を設けることにより、IC形成層11に形成したICを電磁シールドすることが可能である。
このように、弾性表面波素子31を表面に配置する圧電薄膜層30の下に、反射層20を設け、その反射層20の厚さd1を弾性波が反射層20を伝搬するときの波長の1/2の厚さに形成することで、弾性波をIC形成層11に入射するのを防止できる。そして、ICと弾性表面波素子の間の素子分離を可能とし、相互作用によるノイズの発生を防止することができる。また、反射層20に導電性の膜が含まれていない場合に、導電膜40がICを電磁シールドする層として働き、上記と同様の効果を得ることができる。
さらに、以上、説明した弾性表面波装置は、共振器もしくは周波数フィルタとして機能することができる。
このように、上記弾性表面波装置を共振器もしくは周波数フィルタとして利用することで、ICと弾性表面波素子の相互作用によるノイズの発生を防止でき、共振器もしくは周波数フィルタとして良好な特性を得ることができる。
本発明の実施形態に係る弾性表面波装置の概略構成を示す斜視図。 本実施形態の弾性表面波装置の構成を示す模式断面図。 反射層を多層構造とした実施形態の弾性表面波装置の構成を示す模式断面図。 反射層を多層構造とした実施形態の弾性表面波装置の構成を示す模式断面図。 反射層の下に導電膜を備えた弾性表面波装置の構成を示す模式断面図。
符号の説明
1,2,3,4…弾性表面波装置、10…半導体基板、11…IC形成層、12…絶縁層、20…反射層、30…圧電薄膜層、31…弾性表面波素子、32…IDT電極、40…導電膜、d1,d2,d3…反射層の厚さ。

Claims (3)

  1. ICと弾性表面波素子が一体となった弾性表面波装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、且つ、発振回路を備えたIC形成層と、
    前記IC形成層上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、且つ、導電材料を用いて形成された反射層と、
    前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、
    前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を備え、
    前記反射層の厚さが、前記弾性表面波素子から励起された弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/4である厚さに形成されたことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. ICと弾性表面波素子が一体となった弾性表面波装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、且つ、発振回路を備えたIC形成層と、
    前記IC形成層上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、且つ、導電材料を用いて形成された反射層と、
    前記反射層上に形成された圧電薄膜層と、
    前記圧電薄膜層上に形成された弾性表面波素子と、を備え、
    前記反射層の厚さが、前記弾性表面波素子から励起された弾性波が前記反射層を伝搬するときの波長の1/2である厚さに形成されたことを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 請求項1または2に記載の弾性表面波装置において、共振器もしくは周波数フィルタとして機能することを特徴とする弾性表面波装置。
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