JP4544848B2 - 太陽電池パネル保持用ケーシング - Google Patents
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Description
(1)大型・大質量太陽電池パネルの梱包箱は大型となるため、分解、折り畳み可能である構造としなければ、空き梱包箱の輸送に多くの費用がかかり、また、工場と据付現地に広大な空梱包箱の保管スペースが必要である。
(2)大型・大質量太陽電池パネルの梱包箱は高さが1.5m前後になるため、上下方向に出し入れする構造では、大型・大質量太陽電池パネルの上端を3m前後まで上方に持ち上げなければ出し入れすることができず、工場と据付現地で安全に且つ効率的に出し入れすることができない。
(3)省資源・省エネルギーの観点から、梱包用材料にはリサイクル又は再使用可能な材料を使用することが望ましく、また、国内のみでなく海外の顧客からもリサイクル可能な梱包用材料として段ボールの使用を指定されることが多い。特許文献1に代わって、パネル1枚ごとに梱包し、それをパレット上に水平に積み重ね固縛して輸送する方法が考えられるが、この場合には、次のような問題が派生し、採用することができない。
(5)パネル1枚ごとに梱包するには、多くの梱包材料費と人工費がかかる。
(6)パネル1枚ごとの梱包は、それをパレット上に水平に積み重ね、バンド等で固縛してトラック又は船で輸送するが、この方法は不安定につき輸送中の激しい振動又は揺れ等による荷ずれ・荷崩れを防止するため、積み重ね段数を比較的に小さく制限する必要があり、トラック又はコンテナ船への積み付け効率低下、輸送コスト増を招き、また、工場又は据付現地でも広大な保管スペースが必要になる。
本発明の他の課題は、大型・大質量の太陽電池パネルの大量輸送の梱包費と輸送費を低減する太陽電池パネル保持用ケーシング、段ボール箱組立方法、及び、段ボール箱解体方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、組立と解体が容易である太陽電池パネル保持用ケーシング、段ボール箱組立方法、及び、段ボール箱解体方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、リサイクル材料が用いられて組立と解体が容易である太陽電池パネル保持用ケーシング、段ボール箱組立方法、及び、段ボール箱解体方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、組立途中と輸送中の太陽電池パネルを安全に保持する太陽電池パネル保持用ケーシング、段ボール箱組立方法、及び、段ボール箱解体方法を提供することにある。
図6に示されるように、木製パレット2が工場の床面に置かれる。木製パレット2の第1層第1方向木材柱7が形成する平面の上に、底面体26が接着された底蓋12が載置される。底蓋12は、5面体で形成されている。その5面体は、底面形成体13と、4つの側壁面形成体14とから形成されている。底面形成体13と4枚の側壁面形成体14の境界領域は、折れ曲がりが容易である折り畳線(例示:ミシン線)15として形成されている。4枚の側壁面形成体14のうちの1枚は、フラップ14−1として形成されている。フラップ14−1を含まない3枚の側壁面形成体14のうち隣り合う2枚の側壁面形成体14は、鉛直方向に向けられる立上り直交状態で、強力接着テープ4により結合される。フラップ14−1は、下向き状態に保持される。底蓋12は、トレーといわれる。底蓋12に接着された底面体26は、下側下敷き面体27と多数の下側仕切り28とから形成されている。下側仕切り28は、既述の第1方向である縦方向に延び、下側下敷き面体27の上面に対して直交している。底蓋12と底面体26は、全部位が弾性的であり振動吸収性がある材料により形成されている。そのような材料として、リサイクルが容易である段ボールが最適である。ここで段ボールは、対向する2層の平面状紙製板とその2層の間に挟まれる波状曲折面状紙製板とにより構造化されている振動吸収性紙製品である。
立ち上がっている3枚の側壁面形成体14の内側に、図7に示されるように、側面体18が挿入的に載置される。側面体18は、スリーブといわれる。側面体18は、4面体で形成されている。4枚の側面体18のうち手前側の側面体は、前面扉体18−1として形成されている。前面扉体18−1と1枚の側面体18との間の境界領域は、開閉自在線(例示:ミシン線)23で形成されている。
次に、図7と図8に示されるように、天面体25が接着された天蓋33が梱包ケーシング1にかぶせられる。天蓋33に接着された天面体25は、上側下敷き面体29と多数の上側仕切り31とから形成されている。上側仕切り31は第1方向に延び、上側下敷き面体29の下面に対して直交している。天蓋33は、底面側が開放され隣り合う5面体は、フラップ33−1として形成され、上向き状態に維持される。他の3面体は互いに折り曲げられた後に、接着テープ4で直交状態に維持されて結合される。このような結合により、側面体18と底蓋12と天蓋33とで形成され直方体状に組み立てられた容器は、発電パネル収容段ボール箱といわれる。
発電パネル収容段ボール箱の外側天面に、図7に示されるように、既述の強度確保パネル3が載置される。強度確保パネル3の4隅は、天蓋33の上面の4隅に合致している。強度確保パネル3の材料は、段ボール板より十分に強い強度保証部材である。発電パネル収容段ボール箱は、強度確保パネル3と木製パレット2とにより上下から挟まれ、鉛直中心線の廻りの捻れに対して強度的に強化されている。発電パネル収容段ボール箱と強度確保パネル3の合成体は、強化パネルつき発電パネル収容段ボール箱といわれる。
3本の横方向締付バンド5が用意されている。3本の横方向締付バンド5は、図10に示されるように、既述の第1方向であり後述される発電パネル挿入方向に直交する横方向に上下部分が延びて、強化パネルつき発電パネル収容段ボール箱の周囲に3つの横断面上で締まりつく。横方向締付バンド5は、その上下部分と両側の鉛直部分とから形成されている。横方向締付バンド5は、1周の長さが可変であり張力調整自在であるための締付け器(バックル)をそれ自体に備えている。3本の横方向締付バンド5は、木製パレット2と強度確保パネル3の間で発電パネル収容段ボール箱を弾力的に且つ強力に締め付ける。横方向締付バンド5の下側水平部分は、木製パレット2の第1層第1方向木材柱7と木製パレット2の第4層第1方向木材柱11との間のスペースに通され第2層第2方向木材柱8の下面に締まり付き、横方向締付バンド5の上側水平部分は、強度確保パネル3の上面に締まりつく。強化パネルつき発電パネル収容段ボール箱は、図1に示される既述の梱包ケーシング1に相当している。強度確保パネル3と木製パレット2とにより上下から挟まれ、3本の横方向締付バンド5により鉛直方向に締め付けられ既述の通りに、鉛直中心線の廻りの捻れに対する強度を保証している。
天面体25の隣り合う2条の上側仕切り31と底面体26の隣り合う2条の下側仕切り28は、1つの単位発電パネルPが挿入される単位挿入空間を形成している。図8に示されるように、単位発電パネルPの上方部位は天面体25の隣り合う2条の上側仕切り31の間に案内され、単位発電パネルPの下方部位は底面体26の隣り合う2条の下側仕切り28の間に案内される。単位発電パネルPは、図11に示されるように、複数パネル差込み装着体17に案内されて第1方向(縦方向に)Aに進み、単位発電パネルPの先端面は複数パネル差込み装着体17の奥側の奥側面体18に接し、又は、単位発電パネルPの先端面は複数パネル差込み装着体17の奥側の奥側面体18の内側面に対して適正な隙間を残して、図8に示されるように、複数パネル差込み装着体17の中で第2方向に(横方向に)位置決めされて装着される。適正な個数(例示:20個)の単位発電パネルPが互いに隣り合い互いの対向側面の間に適正な隙間(下側仕切り28と上側仕切り31の横方向幅より僅かに広い)を開けて、横列に並んで複数パネル差込み装着体17の中に装着される。段ボールで作成されている下側仕切り28と上側仕切り31は、単位発電パネルPを弾力的に横方向に支持し、下側下敷面体27は単位発電パネルPを弾力的に鉛直方向に支持している。
図12は、単位発電パネルPの詳細を示している。単位発電パネルPは、単位発電パネル本体37と単位発電パネル本体37の4周縁を保護し全体の強度を確保する軽量のアルミ製の強化枠38とから形成されている。単位発電パネル本体37の1面の側には、1対の電力取出し接続線39が取り付けられている。1対の電力取出し接続線39の2本の線の端には、それぞれに雄型コネクタ41と雌型コネクタ42とが結合している。図13に示されるように、強化枠38の下側枠43の下面と、下側枠43の左右面(第1方向に直交する面)と、下側の2つの隅44の3側面とは、帯状シート45で被覆される。その被覆の作業時には、直角に曲がる帯状シート45には皺46が形成される。強化枠38と帯状シート45の接合面には、接着剤が塗られている。帯状シート45の直角曲がり部分の上端と下側枠43の下面との間の距離として定義される回込み寸法D1は、10mm以上が確保されている。図14は、下側枠43に接合する帯状シート45の水平向き部分の回り込みを示している。水平向き部分の一方側回込み部分の高さ幅D2とその水平向き部分の他方側回込み部分の高さ幅D3は、ともに、4mm以上が確保されている。帯状シート45の材料としては、ポリエチレンシートが適正である。このような下側枠43は、荷造り作業員により接合されず、単位発電パネルPの製造工場で既に接合されている。荷造り作業員がその接合を確認することが重要である。既述のステップS6は、このようなステップS7の後に実行される。
20枚の単位発電パネルPが梱包ケーシング1に収納された後に、図15に示されるように、前面扉体18−1が閉じられる。前面扉体18−1のフラップ47(図11参照)は、複数パネル差込み装着体17の側面体18の1面に外側から重合し、フラップ47とその1面は接着テープ4により接合される。図16に示されるように、フラップ14−1とフラップ33−1が折られ、フラップ33−1は外側から前面扉体18−1の面に重合し、フラップ14−1は外側から前面扉体18−1の面に重合する。フラップ14−1と底蓋12のうちフラップ14−1に直交する1面体は接着テープ4により接合され、フラップ33−1と天蓋33のうちフラップ33−1に直交する1面体は接着テープ4により接合される。
図1に示されるように、2本の縦方向締付バンド6が用意されている。2本の縦方向締付バンド6は、既述の第2方向であり後述される発電パネル挿入方向の縦方向に上下部分が延びて、強化パネルつき梱包ケーシング1の周囲に2つの縦断面上で締まりつく。縦方向締付バンド6は、その上下部分と両側の鉛直部分とから形成されている。縦方向締付バンド6は、1周の長さが可変であり張力調整自在であるための締付け器をそれ自体に備えている。2本の縦方向締付バンド6は、木製パレット2と強度確保パネル3の間で梱包ケーシング1を弾力的に締め付ける。縦方向締付バンド6の下側水平部分は、木製パレット2の第1層第1方向木材柱7と木製パレット2の第4層第1方向木材柱11との間のスペースに通され第2層第2方向木材柱8の下面に締まり付き、縦方向締付バンド6の上側水平部分は、強度確保パネル3の上面に締まりつく。強度確保パネル3と木製パレット2とにより上下から挟まれ、2本の縦方向締付バンド6により鉛直方向に締め付けられ既述の通りに、鉛直中心線の廻りの捻れに対する強度を保証している。図1に示される組立体は、その全体がビニールシート(図示されず)で覆われる。ビニールシートで覆われる梱包ケーシング1の段ボール部分の弾力性強度が雨露により劣化することはない。
図1に示される発送時の荷姿は、図17に示される到着時の荷姿に同じである。2本の縦方向締付バンド6が切断され、図18と図20に示されるように、前面扉体18−1が手前に引かれて開けられる。この際に、横方向締付バンド5が切断されないことが重要である。多数の単位発電パネルPは、安定状態を維持している。
開梱ステップS11:
図18に示されるように、前面扉体18−1に接合している4箇所のコーナーの接着テープ4が剥がされる。図19に示されるように、フラップ33−1が上向きに折り曲げられ、フラップ14−1が下向きに折り曲げられる。次に、前面扉体18−1に接合して鉛直方向に延びる長いコーナーの接着テープ4が剥がされる。
開梱ステップS12:
図20に示されるように、前面扉体18−1が開けられて、多数の単位発電パネルPはそれらの1つずつが梱包ケーシング1から丁寧に取り出される。
比較項目 発明容器 公知梱包容器
1.箱体材料 段ボール 発泡樹脂
2.案内挿入空間 段ボール 発泡樹脂
3.挿入溝形成位置 上面と下面 下面と後面
4.挿入溝脱着 不可 可能
5.挿入溝連続性 連続 後面連続・下面不連続
6.製品挿入方向 水平方向 鉛直方向
7.蓋取付時期 製品収納前 製品収納後
8.パレット 有り 無し
9.梱包強度確保パネル 有り 無し
10.固縛バンド 有り 無し
11.箱本体の折り畳み 可能 不可
12.大型・大質量パネル 良好 困難
の出し入れ作業性
13.梱包材料のリサイクル 可能 不可
2…木製パレット
3…強度確保パネル(強化パネル)
4…接着テープ
5…横方向締付バンド
6…縦方向締付バンド
7…第3木材柱
8…第2木材柱
9…点在間隔木材体
11…第1木材柱
12…底蓋
13…底面形成体
14…側面形成体
14−1…フラップ
15…折り畳み線
17…複数パネル差込み装着体
18…側面体
23…開閉自在線
25…天面体
26…底面体
27…下側下敷き面体
28…下側仕切り
29…上側下敷き面体
31…上側仕切り
33…天蓋
37…太陽電池パネル本体
38…アルミ製強化枠
39…電力取出し接続線
41…雄型コネクタ
42…雌型コネクタ
43…下側枠
44…下側隅
45…帯状シート
46…皺
47…フラップ
P…単位太陽電池パネル
Claims (11)
- 紙製の段ボールで形成された梱包ケーシングと、
前記梱包ケーシングを支持する木製パレットと、
前記梱包ケーシングの天面側に接合する強度確保パネルと、
前記梱包ケーシングの天面側の前記強度確保パネルと前記木製パレットの底面側に巻き付いて前記梱包ケーシングと前記木製パレットを締め付ける複数本の横方向締付バンドと、
前記梱包ケーシングの天面側の前記強度確保パネルと前記木製パレットの底面側に巻き付いて前記梱包ケーシングと前記木製パレットを締め付ける複数本の縦方向締付バンドとを構成し、
前記梱包ケーシングは、
複数の上側仕切りと、
複数の下側仕切りとを形成し、
前記上側仕切りと前記下側仕切りは紙製の段ボールで形成され、
前記複数の上側仕切りは、縦方向に延び前記梱包ケーシングの天面側の内面に対して直交し、
前記複数の下側仕切りは、縦方向に延び前記梱包ケーシングの底面側の内面に対して直交し、
前記上側仕切りと前記下側仕切りはそれぞれ横方向に同一の位相で配置され、
前記上側仕切りのうち隣り合う2つの上側仕切りは、輸送対象の単位太陽電池パネルの上方部位を前記縦方向締付バンドが向く縦方向に案内する上側案内溝を形成し、
前記下側仕切りのうち隣り合う2つの下側仕切りは、輸送対象の単位太陽電池パネルの下方部位を前記縦方向に案内する下側案内溝を形成する太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記上側案内溝は、前記梱包ケーシングの天面側の内面の縦方向に延びて形成された切れ目に挿入された前記上側仕切りで形成され、
前記下側案内溝は、前記梱包ケーシングの底面側の内面の縦方向に延びて形成された切れ目に挿入された前記下側仕切りで形成され、
前記梱包ケーシングに同体に組立されている請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記上側案内溝と前記下側案内溝は、1枚の板を折り返し的に折り曲げることで形成され、
前記梱包ケーシングに同体に組立されている請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記梱包ケーシングのコーナー部位を安定化する接着テープを備え、
該接着テープにより、前記梱包ケーシングの各面が直交状態に維持されて結合される請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記段ボールは、対向する2層の紙製板と前記2層の紙製板の間に挟まれる紙製波板とで形成されている請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。
- 前記梱包ケーシングは6面体を形成し、前記6面体の全ては段ボールで形成されている請求項5の太陽電池パネル保持用ケーシング。
- 前記梱包ケーシングは6面体として形成され、
前記梱包ケーシングは、
前記4面体で形成される側面体と、
前記4面体の天面側に上方から被さる天蓋と、
前記4面体の底面側に下方から被さる底蓋とを形成し、
前記天蓋は天面体を構成し、前記底蓋は底面体とを構成し、
前記複数の前記上側仕切りは前記天面体に形成され、
前記複数の前記下側仕切りは前記底面体に形成される請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記6面体の全部位は段ボールで形成され、且つ、前記天面体と底面体は段ボールで形成されている請求項7の太陽電池パネル保持用ケーシング。
- 前記木製パレットは、
最下層の第1木材柱と、
前記第1木材柱に支持され前記第1木材柱に結合する点在間隔木材体と、
前記点在間隔木材体に支持され前記点在間隔木材体に結合し前記第1木材柱に直交する第2木材柱と、
前記第2木材柱に支持され前記第2木材柱に結合し前記第2木材柱に直交する第3木材柱とを形成する請求項1の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 前記第1木材柱の本数は3であり、前記第2木材柱の本数は3であり、前記第3木材柱の本数は4又は4以上であり、
前記3本の前記第1木材柱の間は、フォークリフトのフォークが入り込む空間を形成する請求項9の太陽電池パネル保持用ケーシング。 - 複数の太陽電池パネルを収納する6面体の梱包ケーシングにリサイクル可能性材料が使用され、
前記梱包ケーシングは、折り畳み構造を有し、
前記梱包ケーシングの上面と下面に多数の前記仕切りが設けられ、
前記梱包ケーシングの水平方向の一面に扉が設けられ、
前記梱包ケーシングは太陽電池パネルを垂直に保持し、前記扉から前記太陽電池パネルを比較的に小さい力で水平方向に容易に出し入れすることができる請求項1の太陽パネル保持用ケーシング。
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