JP4544790B2 - 金属管被覆光ファイバ製造方法および装置 - Google Patents

金属管被覆光ファイバ製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接によって金属管を成形する金属管被覆光ファイバ製造方法及び装置、並びに、金属管被覆光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−146425号公報には、プラズマ溶接機等の溶接機を使用した金属管被覆光ファイバの製造方法が記載されている。この製造方法では、細長いテープ状の金属箔を複数の管成形機を通過させながら、金属箔テープを少しずつ曲げて細長い管状に成形していく。テープが管に成形される途中に光ファイバ導入管が設けられており、この導入管から、成形されつつある金属管の中に、光ファイバが導入される。光ファイバが導入され、金属箔テープが管状に曲げられた後、テープ両端の突き合わせ部を溶接して、金属被覆管が成形される。
【0003】
また、国際公開番号WO 91/08500号公報には、金属管被覆光ファイバケーブルの製造装置及び製造方法が記載されている。この製造装置では、金属ストリップを複数組の成形ローラの間を通すことによって管状に成形し、次いで、金属ストリップの突き合わせ部にガスレーザ、特に、CO2レーザを照射することによって、金属ストリップを溶接している。溶接に使用するCO2レーザは、そのレーザ光の焦点を金属ストリップの溶接面に一致させずに、適当なビーム径をもって突き合わせ部に当たるように厳密に調整されている。
【0004】
更に、特開平3−198991号公報には、YAGレーザによる極薄金属パイプの製造方法及び装置が記載されている。この製造装置においても、テープ状の金属箔を管状に曲げ、レーザ溶接することによって金属パイプを成形している。
この製造装置では、テープ状の金属箔を、成形されるべきパイプの内側に配置されたマンドレル、及び、パイプの外側に配置されたカリバーロール、押え板、スクイズロール、押えロール等によってパイプ状に成形している。また、YAGレーザによる溶接装置は、金属箔の端部同士が突き合わせられる直前に配置され、レーザ光によって金属箔が溶融した直後にそれらを当接させることによって端部同士を溶接している。このため、YAGレーザのスポット径は、金属箔の各端部に適当な幅の溶融部分が形成されるように厳密に調整する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−146425号公報に記載された従来のプラズマ溶接による金属管被覆光ファイバ製造装置では、長時間の連続使用により、プラズマ溶接機のタングステン製溶接トーチの先端が丸く変形し、安定したアークが発生できなくなるという問題がある。このため、プラズマ溶接による製造装置では、最近、海底ケーブル用等の用途で要求されている7000〜10000mを越える長さの金属管被覆光ファイバを製造することができないという問題がある。
【0006】
そこで、国際公開番号WO 91/08500号公報に記載されているように、プラズマ溶接のような摩耗部分がなく、長時間連続使用できるCO2レーザ溶接機を使用した金属管被覆光ファイバ製造装置が開発されている。しかしながら、CO2レーザは、波長が10.6μmであり、金属一般に対して吸収率が約20%程度、鉄に対しては10%程度である。従って、照射したレーザエネルギーの約80%以上が、溶接に使用されずに無駄になり、吸収されずに反射したレーザ光が、レーザ溶接機周辺の部品を不要に加熱してしまうことになる。このため、CO2レーザによる金属管被覆光ファイバ製造装置では、過大なエネルギーのレーザ光が必要になり、また、レーザ光が溶接部に照射される際のビーム径等を厳密に調整することが必要になる。即ち、溶接部に照射されるレーザ光のビーム径が小さすぎると、溶接すべき金属が蒸発し、或いは飛散して金属管に穴があいてしまい、また、ビーム径が大きすぎると、金属を十分に溶融させることができなくなる。
従って、レーザ光のビーム径を厳密に調整することができるように、金属管及びレーザ照射装置をミクロンオーダーで厳密に位置決めする必要があり、これにより装置が複雑化するという問題がある。また、製造装置の稼働中、溶接熱の影響により位置決めの調整に狂いが生じるので、再調整が必要になるという問題がある。
【0007】
また、特開平3−198991号公報に記載されている極薄金属パイプの製造装置ではYAGレーザを使用して溶接を行っている。YAGレーザは、波長がCO2レーザの約1/10の1.06μmであり、金属に対する吸収率が高い。特に、鉄に対しては吸収率が約40%であり、金属の溶接部を効率良く加熱することができる。これにより、CO2レーザ溶接装置を使用した場合の問題点の多くを回避することができる。しかしながら、特開平3−198991号公報に記載されている装置においても、溶接部のビード幅を適正に保ち、且つ、溶接部の突き合わせの精度を確保するために、レーザ光の焦点を溶接面から外し、更に、レーザビーム径を適当な値に保つ必要がある。このため、同公報に記載の極薄金属パイプの製造装置においても、レーザ光の焦点ずれ量を厳密に調整する必要があることには何ら変わりがない。
【0008】
そこで、本発明の金属管被覆光ファイバ製造方法および装置は、レーザ溶接に使用するレーザ光の溶接許容範囲の拡大を図ることを目的としており、特に、レーザ光の焦点が溶接面に一致した場合にも使用することができる金属管被覆光ファイバ製造方法および装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属管被覆光ファイバ製造方法は、金属ベルトを管成形手段に導入する段階と、管成形手段によって金属ベルトを幅方向に曲げて管状に成形する段階と、管成形手段によって成形された管内に、光ファイバ導入手段から光ファイバを導入する段階と、管成形手段によって成形された管の突き合わせ部に、M2値が2乃至12の間のレーザ光を照射することによって突き合わせ部をレーザ溶接する段階と、を有し、レーザ溶接の段階は、突き合わせ部にYAGレーザ光を照射することによって行うことを特徴としている。
【0010】
この方法では、金属ベルトは管成形手段によって幅方向に曲げられ、管状に成形される。金属ベルトを管状に成形する途中で、光ファイバが、光ファイバ導入手段によって管内に導入される。次いで、管成形手段によって成形された管の突き合わせ部に、M2値が2乃至12の間のレーザ光を照射することによって、突き合わせ部がレーザ溶接される。
この方法によれば、溶接すべき管の突き合わせ部が、レーザ光の焦点位置を含む広い範囲に亘ってレーザ光の光軸方向に移動した場合にも適正に溶接を行うことができる。
【0011】
従来のレーザ溶接装置では、レーザ光の射出部から溶接対象物までの距離が変化すると、それに伴いレーザ光が照射されるスポット径が著しく変化するため、適正な溶接を行うには、レーザ光射出部から溶接対象物までの距離をミクロンオーダーで厳密に規定する必要があった。また、一般に、溶接対象物を射出レーザ光の焦点位置に配置すると、レーザスポット径が非常に小さくなり、微少面積にレーザエネルギーが集中するため、溶接部分に穴あき欠陥等を発生することがある。そこで、溶接対象物を射出レーザ光の焦点位置からずれた位置に配置して溶接を行うのが一般的であった。
【0012】
本願発明者は、このようなレーザ光の焦点位置調整を容易にすべく研究開発を行い、射出レーザ光のM2値が2乃至12の範囲にある場合には、焦点位置前後の広い範囲で適正な溶接を行うことができることを見出した。M2値とは、レーザビームモードの品質を表すパラメータの一つであり、理想的なガウシャンビーム(Gaussian beam)の理論的な拡り角と、実際のビームの拡り角との比で表される。即ち、理想的なガウシャンビームでは、M2値は1となる。理想的なガウシャンビームを集光レンズ等の或る光学系で集光したときのスポット径をdとすれば、M2値が10であるレーザ光をその光学系で集光したときのスポット径は10dとなる。
【0013】
この現象により、M2値が2乃至12の範囲では、レーザ光の焦点位置前後の広い範囲に亘ってビーム径がほぼ一定に維持されるので、広い範囲で適正な溶接を行うことができる。また、M2値が2よりも小さいと、光学系でレーザ光を集光した場合にスポット径が小さくなりすぎ、穴あき欠陥が発生する等、焦点位置において適正な溶接を行うことができなくなる。さらに、M2値が12よりも大きいと、レーザ光を光学系で十分に集光することができず、溶接に必要な単位面積当たりのエネルギーを確保することが難しくなる。
【0014】
らに、本発明の金属管被覆光ファイバ製造装置は、金属ベルトを幅方向に曲げて管状に成形するための管成形手段と、金属ベルトから成形された口を開いた概略円形状の管内に光ファイバを導入するための光ファイバ導入手段と、管成形手段によって曲げられ、突き合わせられた金属ベルトの幅方向両側縁部を溶接するための、M2値が2乃至12の間レーザ光を発生するレーザ溶接装置と、を有し、レーザ光の焦点位置が、突き合わせ部の最高点に一致する場合にも溶接可能であり、レーザ溶接装置は、YAGレーザ光を使用したものであることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態による金属管被覆光ファイバ製造装置1の概略側面図を示し、図2はその溶接部付近の拡大斜視図を示す。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の金属管被覆光ファイバ製造装置1は、金属ベルトBを供給するためのアンコイラ2と、金属ベルトB及びそれを管状に加工した被覆管を送るための複数の送りローラ4と、帯状の金属ベルトBを幅方向に曲げることによって、金属ベルトBを管状に成形する管成形手段である複数組のフォーミングロール6と、このフォーミングロール6によって管状に成形されることにより突き合わせられた金属ベルトBの幅方向両側縁部を溶接するためのレーザ溶接装置18と、完成した金属管被覆光ファイバを巻き取るための巻取機12とを有する。
【0019】
更に、図2に示すように、金属管被覆光ファイバ製造装置1は、光ファイバFを供給するための光ファイバ供給ロール14と、この光ファイバ供給ロール14から供給された光ファイバFを管状に成形された金属ベルトの中に導入するための光ファイバ導入手段16とを有する。また、レーザ溶接装置18の前後には、管状に成形された金属ベルトBを水平方向に位置決めするための規制手段8、及び、管状に成形された金属ベルトBの上方への位置ずれを規制するためのタッチロール10が夫々設けられている。
【0020】
アンコイラ2には、金属管被覆光ファイバ製造装置1に供給すべき金属ベルトBが巻かれており、回転可能に支持されている。2つの送りローラ4aは、アンコイラ2の下流側に設けられ、各送りローラ4aの間に金属ベルトBを挟みながらアンコイラ2から供給された金属ベルトBを巻取機12の方へ送る。送りローラ4aの下流側には、中央部が窪んだ概略円柱形のフォーミングロール6aが設けられている。このフォーミングロール6aは、金属ベルトBの両側に夫々配置され、それらの間を通過する金属ベルトBを幅方向に曲げて管状に成形するように構成されている。
【0021】
同様に、フォーミングロール6aから下流方向へ、送りローラ4b、フォーミングロール6b、送りローラ4c、フォーミングロール6cが順次配置されている。フォーミングロール6bと送りローラ4cとの間には、光ファイバ導入手段16が設けられている。光ファイバ導入手段16は、中に光ファイバFを通すことができる細いパイプによって構成されており、管状に曲げられた金属ベルトBの間から管の中に挿入されている。光ファイバ導入手段16の先端は、レーザ溶接装置18よりも下流側まで延びている。
【0022】
フォーミングロール6cの下流側には、規制手段8aが設けられている。規制手段8は中央部が窪んだ概略円柱形状を有し、金属ベルトBから成形された管の両側に配置されて、管を水平方向に位置決めする。規制手段8aの下流側の管の上方には、円柱状のタッチロール10aが設けられており、管の上方への移動を規制する。タッチロール10aの下流側には、レーザ溶接装置18が設けられ、各フォーミングロール6によって円管状に成形された金属ベルトBの両側側縁部を突き合わせ溶接するように構成される。レーザ溶接装置18の下流側には、同様にタッチロール10b、規制手段8bが順に設けられている。規制手段8bの下流側には、送りローラ4d、4eが設けられ、完成した金属管被覆光ファイバを巻取機12に案内する。
【0023】
レーザ溶接装置18は、レーザ光の焦点位置を含む広い範囲に亘って溶接対象物を溶接することができるように構成されている。即ち、レーザ溶接装置18の射出レンズと、溶接すべき管の突き合わせ部との間の距離が変動した場合にも、照射されるレーザ光のスポット径が適正に維持され、欠陥のない溶接を行うことができるように構成されている。本実施形態では、レーザ光として、M2値が約10、波長1.06μmのYAGレーザを使用し、約φ0.45のスポット径を得ている。
【0024】
また、本実施形態では、金属ベルトBとして、幅5.02mm、厚さ0.1mmのステンレスの帯鋼を加工し、直径1.6mmのステンレス被覆管を製造した。また、ステンレス被覆管の中に導入する光ファイバはφ0.26のものを使用した。勿論、金属ベルトBの幅、厚さ、材質等を任意に変更して、異なる直径の被覆管を製造することもできる。また、被覆管の中に導入する光ファイバも任意の直径のものに変更することができる。
【0025】
送りローラ4、フォーミングロール6、規制手段8、タッチロール10等の形状、配列、及び、個数は適用に応じて任意に変更することができる。送りローラ4は、全てを駆動ローラとしても良いし、或いは送りローラのうちの幾つかのローラだけを駆動ローラとしても良い。また、光ファイバ導入手段16の配置も任意に変更することができる。更に、溶接による金属ベルトB等の酸化を防止するために、管の内部及び/又は外部に不活性ガス等を流すための手段(図示せず)を設けても良い。また、溶接による熱で溶接部付近が過熱することのないように、冷却手段(図示せず)を設けても良い。また、溶接部と巻取機12の間に必要に応じて縮径手段(図示せず)を設けても良く、仕様に応じて溶接部下流にてジェリ等の充填物を注入しても良い。
【0026】
次に、本実施形態による金属管被覆光ファイバ製造装置1の作用を説明する。
アンコイラ2に巻かれた金属ベルトBは、送りローラ4aによって、フォーミングロール6aに送られる。金属ベルトBは、フォーミングロール6aの間を通過すると、フォーミングロール6aの側面の窪みに沿って幅方向に曲げられる。フォーミングロール6aによって曲げられた金属ベルトBは、同様に、送りローラ4bによって送られ、フォーミングロール6bによって更に幅方向に曲げられる。平面帯状の金属ベルトBは、フォーミングロール6a、6bを通過することによって幅方向に曲げられ、次第に円管状に成形されていく。フォーミングロール6bを通過した地点では、金属ベルトBは、僅かに口を開いた概略円管状に成形されている。この概略円管状に成形された金属ベルトの開口部から光ファイバ導入手段16が挿入されており、光ファイバ供給ロール14から供給される光ファイバFは、光ファイバ導入手段16の内部を通って被覆管の中に導入される。光ファイバ導入手段16は、レーザ溶接装置18よりも下流まで延びていることに加え、本実施形態においては、溶接のために加えられた熱の大部分が被覆用金属管に吸収されることから、光ファイバ導入手段16の中を通る光ファイバFは、溶接による熱から保護される。
【0027】
次いで、円管状に成形された金属ベルトBは、送りローラ4cによって、フォーミングロール6cに送られる。フォーミングロール6cは、鉛直上方に僅かに口を開いた概略円管状に成形された金属ベルトBを、幅方向に更に曲げて、僅かに開いた口を閉じる。即ち、金属ベルトBの両側縁部が突き合わせられ、円管状になる。
【0028】
フォーミングロール6cを通過して、円管状に成形された金属ベルトBは、規制手段8aの間を通過する。規制手段8aは、主に円管状の金属ベルトBの水平方向の振れを規制する。更に、円管状の金属ベルトBは、タッチロール10aの下方を通過する。円管状の金属ベルトBの適正位置においては、タッチロール10aは金属ベルトBと接触していないが、金属ベルトBが適正位置よりも所定量だけ上方に移動すると、タッチロール10aが金属ベルトBと接触して位置を規制する。
【0029】
タッチロール10aの下流側では、レーザ溶接装置18が、円管状に成形された金属ベルトBの突き合わせ部をレーザ溶接し、金属被覆管を完成させる。照射されるレーザ光線の焦点位置は、適正位置に配置された金属ベルトBの両側縁の突き合わせ点と一致するように調整されている。本実施形態では、円管状に成形された金属ベルトBの突き合わせ部は、鉛直上方に向けられているため、レーザ溶接装置18は、突き合わせ部の最高点を溶接することになる。
【0030】
また、本実施形態におけるレーザ溶接装置18では、レーザ光の焦点位置の前後、広い範囲でレーザ光のスポット径がほぼ一定に維持されるので、円管状に変形された金属ベルトBが適正位置から上方、又は、下方へある程度ずれた場合にも、適正に溶接を行うことができる。
【0031】
レーザ溶接装置18の下流側には、タッチロール10b、規制手段8bが設けられ、タッチロール10a、規制手段8aと同様に、金属被覆管の位置を規制する。レーザ溶接装置18によって溶接され、完成された金属管被覆光ファイバは各送りローラ4d、4eによって案内され、巻取機12に巻き取られる。
【0032】
次に、図3及び図4を参照して、金属ベルトBの突き合わせ部の最高点が適正位置からずれた場合の溶接結果について説明する。図3及び図4は、レーザ溶接装置18のレーザ光の焦点位置を突き合わせ部の最高点から上下にずらして調整した場合の溶接結果を示すグラフである。グラフの横軸は焦点位置のずれ量を表し、縦軸は溶接によって得られたビード幅、即ち、溶接によって成形された溶着範囲の幅を表している。なお、プラスの焦点位置ずれ量は、焦点位置が突き合わせ部の最高点から上方にずれたことを表し、マイナスのずれ量は、焦点位置が下方にずれたことを表している。図3は、金属ベルトBを4m/minの速度で送り、レーザ溶接装置18の溶接電流を16.5A、出力を140Wとした場合の結果であり、図4は、夫々15m/min、23A、436Wとした場合の結果である。グラフ中の各プロット点は、各条件について夫々100mづつ金属管被覆光ファイバを製造し、レーザ光の焦点位置毎に各部のビード幅を測定することによって得られたもである。
【0033】
図3の溶接条件においては、焦点位置−1.7mm乃至3.2mmの範囲、図4の溶接条件においては、焦点位置−0.8mm乃至0.3mmの範囲で溶接が可能であることがわかる。また、これらの範囲では、ほぼ一定の適正なビード幅が得られていることもわかる。また、それらの範囲では、溶着部分の厚さであるビード厚も0.15mm程度で安定しており、溶接部に穴あきが発生したり、溶接ビードが形成されない等の溶接欠陥の発生も見られなかった。さらに、金属被覆管の中の光ファイバが溶接の熱によって変質、或いは、損傷されることもなかった。なお、図3の溶接条件においては、装置の構造上、焦点位置をプラス側に3.2mm以上ずらすことができないため、プラス側の溶接可能な上限値を求めることはできなかった。また、溶接電流等を適宜調整することにより、15m/min以上の送り速度でも溶接が可能であることが確認されている。
【0034】
本実施形態によれば、レーザ溶接装置18の焦点位置を、溶接すべき突き合わせ部の最高点上下の非常に広い範囲に亘って設定することができるので、円管状に変形された金属ベルトBがある程度上下に移動したとしても溶接欠陥を生じることがない。これにより、レーザ溶接装置18の溶接点における金属被覆管の位置決めが容易になり、規制手段8やタッチロール10だけで実用上十分な位置調整ができる。また、CO2レーザのようにミクロンオーダーでの高精度の位置決めを必要としないので、規制手段8やタッチロール10は金属被覆管に軽く押し当てるだけで良い。従って、規制手段8やタッチロール10により付加される金属ベルトBの送り抵抗が小さく、金属ベルトBを小さな駆動力で駆動することができる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、開示した実施形態に種々の変更を加えることができる。本実施形態では、金属被覆管の突き合わせ部が鉛直上方に向けられているが、突き合わせ部を、側方、下方等、任意の方向に向けて溶接を行うこともできる。また、成形される金属被覆管の断面形状は、必ずしも円形である必要はなく、楕円形、長円形等、任意の形状にすることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の金属管被覆光ファイバ製造方法および装置により、レーザ溶接に使用するレーザ光の溶接許容範囲を拡大することができた。
また、本発明の金属管被覆光ファイバ製造方法および装置では、レーザ光の焦点が溶接面に一致した場合にも溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による金属管被覆光ファイバ製造装置の概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態による金属管被覆光ファイバ製造装置の溶接部付近の拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による金属管被覆光ファイバ製造装置において、レーザ光の焦点位置を上下にずらした際に形成されるビード幅を示すグラフである。
【図4】異なる溶接条件における図3と同様のグラフである。
【符号の説明】
B 金属ベルト
F 光ファイバ
1 金属管被覆光ファイバ製造装置
2 アンコイラ
4 送りローラ
6 フォーミングロール
8 規制手段
10 タッチロール
12 巻取機
14 光ファイバ供給ロール
16 光ファイバ導入手段
18 レーザ溶接装置

Claims (2)

  1. 金属ベルトを管成形手段に導入する段階と、
    前記管成形手段によって前記金属ベルトを幅方向に曲げて管状に成形する段階と、
    前記管成形手段によって成形された管内に、光ファイバ導入手段から光ファイバを導入する段階と、
    前記管成形手段によって成形された管の突き合わせ部に、M2値が2乃至12の間のレーザ光を照射することによって前記突き合わせ部をレーザ溶接する段階と、
    を有し、
    前記レーザ溶接する段階が、前記突き合わせ部にYAGレーザ光を照射することによって行われることを特徴とする金属管被覆光ファイバ製造方法。
  2. 金属ベルトを幅方向に曲げて管状に成形するための管成形手段と、
    金属ベルトから成形された口を開いた概略円形状の管内に光ファイバを導入するための光ファイバ導入手段と、
    前記管成形手段によって曲げられ、突き合わせられた金属ベルトの幅方向両側縁部を溶接するための、M2値が2乃至12の間レーザ光を発生するレーザ溶接装置と、を有し、
    前記レーザ光の焦点位置が、突き合わせ部の最高点に一致する場合にも溶接可能であり、
    前記レーザ溶接装置が、YAGレーザ光を使用したものであることを特徴とする金属管被覆光ファイバ製造装置。
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