JP4542707B2 - 義歯接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、義歯粘着剤および義歯粘着剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
義歯は、抜けた歯の代替品であり、かつ口腔内の全部または一部の歯の代用品の役目を果たす。歯科の専門家および歯科補綴物の設計者の熱心な努力にもかかわらず、義歯は必ずしも完全には適合しない。長い間には、歯茎または粘膜細胞の自然な収縮および変化により、よく適合した義歯でさえ不適合な義歯になり得る。したがって、義歯を口内に固定または一時的に固着するために、しばしば粘着性のクリーム、液体または粉末が用いられる。
【0003】
義歯粘着剤組成物の望ましい特性は多数ある。義歯粘着剤は、唾液と接触して高度の粘着度を生じて、義歯を口内に嵌めるとすぐに所定の位置に保持できるようにすべきである。また、固定剤の粘質物が義歯−粘膜界面に渡って拡がり、義歯を効果的に所定の位置で封着することも非常に望まれる。前記粘質物は、咀嚼の応力に耐える十分な粘着力を有すべきである。咀嚼応力は封着を破壊し、したがって義歯を取り外す作用をする。また、義歯粘着剤は、熱い飲料または冷たい飲料を飲む等の一般的な行動の間に口腔内で起き得る極端な環境変化の下で、劣化に対して十分な耐性を示さなければならない。無論、粘着剤は剥離可能でもあり、義歯装着者が、清掃および保守のために義歯を取り外すことができるようにしなければならない。義歯粘着剤は、一般にクリーム、線状または帯状形体、液体または粉末で売られており、かつ多くの例が当業で周知である。
【0004】
初期の義歯粘着剤は、微細に粉砕した天然ゴムの粒子を含んでおり、この粒子は、水に濡れると膨張して粘性ゲルとなり、このゲルが義歯床と歯肉細胞との間のクッションおよび粘着剤として作用した。しかし、これらの義歯粘着剤は、近年は高分子義歯粘着剤に大部分を取って代わられている。
【0005】
ジャーマン(Germann)の米国特許第3,003,988号は、メチルビニルエーテル/マレイン酸(またはマレイン酸無水物)コポリマー(「PVE/MA」)の混合された部分塩を義歯粘着剤として開示している。この混合部分塩は、一価のナトリウム、カリウム、または四級アンモニウム塩と組み合わせたカルシウム塩で、カルシウム対一価陽イオン比が重量基準で2:1乃至10:1(モル比基準で、この比は1:1乃至5:1と表される)で、ポリマーが該陽イオンで約50乃至95%中性化されているポリマーと結合したカルシウム塩であってもよい。
【0006】
ジャーマンの実施例I乃至Vに開示されたPVM/MA Ca/Na塩は、少量の水およびイソプロパノールの存在下で、半乾燥法により調製される。この水およびイソプロパノールの量は、PVM/MA無水物の全てを完全に溶解し、かつ無水基の全てを酸の形に加水分解するには不十分な量である。したがって、ジャーマンの半乾燥法により高カルシウム含量のCa/Na塩を作る際に充填された金属水酸化物の全てを完全に中性化するのに使用できる酸の当量は、しばしば不十分である。その結果、PVM/MA Ca/Na塩は、実際には未反応金属水酸化物、PVM/MA Ca/Na塩、および異質な味を伴う未反応のPVM/MA無水物の混合物となる。
【0007】
ジャーマンの本来のポリマー塩に対する代替品および改良品は数多くある。米国特許第5,395,867号(プロサイス(Prosise)がISPに譲渡したもの)は、カルシウム、ナトリウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウムおよびカリウムの陽イオンを用いて、ポリマー塩の特性を変える。プロサイスは、化学量論的に過剰量の酸性基(水90〜96%)を用いて、確実にPVM/MAコポリマーを完全に溶解させ、かつ確実にPVM/MAコポリマー中の無水基を酸性基に完全に加水分解している、「湿式法」を開示している。したがって、湿式法により、乾燥または半乾燥処理塩に比べて、より優れた感覚刺激性を有するCa/Na PVM/MA塩が得られる。さらに、湿式法で作られた義歯粘着剤組成物は、向上した弾性特性も示す。
【0008】
義歯粘着性塩を設計する上で重要な要素の一つに、義歯粘着剤内の塩の感覚刺激品質に対する消費者の許容がある。別の要素に、粘着性塩の製造の容易性がある。従来技術の湿式法における感覚刺激的に許容される義歯粘着剤を作る上での主たる欠点は、この方法がPVM/MA Ca/Na塩の沈殿物を作りやすいという点にあり、これはカルシウムの置換度が高い(約69%以上)PVM/MA塩を製造する際に特に問題である。この沈殿したPVM/MA塩は義歯粘着性塩として何の作用も有しないように思われるが、塩製造反応器内で多量に形成された場合、塩沈殿物により製品を乾燥機に移送するのに用いる反応器ラインおよびポンプが詰まり、それによって高価な保守および停止時間となってしまう可能性がある。したがって、基本的に製造工程を止めてしまう詰まりの問題のために、置換度を高くして義歯粘着剤組成物を作ることはできない。
【0009】
プロサイスは、共重合性Ca/Na混合塩によるコポリマーの一つが、インターナショナル・スペシャリティー・プロダクツ(ISP、プロサイスの特許の譲受者)より供給されるGANTREZ(登録商標)ANとして市販されているものから誘導可能であることを教示している。ISP/GAF社の製品資料(11ページ、Gantrez(登録商標)AN、技術報告書 7543−017)は、0.7モル当量を超えたカルシウムを添加するとGantrez(登録商標) ANの沈殿を生じることを開示している。0.7モル当量より多いカルシウムを使わないことによりこの問題を回避することができる、すなわち、さらにカルシウムを中性化する間に形成される沈殿を、「カルシウムを苛性アルカリで置換することにより」回避することができる。
【0010】
本発明者は、驚くべきことに、カルシウム量が0.7モル当量を超えた、湿式法により形成したカルシウム/ナトリウム PVM/MA塩を含む義歯粘着剤組成物を製造できることを発見したのである。沈殿を回避することは必要ではない、すなわち、0.7モル当量を超えてカルシウムを添加することを避けることによる製造の問題を回避する必要はないことを発見した。「カルシウムを苛性アルカリで置換する」という従来技術の教示とは反対に、湿式法においてカルシウム/ナトリウムおよび/またはカリウム PVM/MA塩を生成するのに用いる水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムの量を制御することにより、0.7モル当量(置換度70%)を大きく超えてカルシウムを添加するが可能である。
【0011】
また、本発明において、コポリマーのカルシウム置換度が少なくとも71%である、PVM/MAの混合部分カルシウム/ナトリウムまたはカルシウム/カリウム塩を含む義歯粘着ペーストも得られる。
【0012】
本発明は、湿工程より作られたアルキルビニルエーテルとマレイン酸とのコポリマーの部分塩の混合物より成る、義歯粘着剤の組成物を提供するものであり、前記塩のカチオンは、i)コポリマーのカルシウム置換レベルが少なくとも71%であるカルシウム、及び ii)ナトリウムとカリウムから成る群より選択された、少なくとも一つの他のカチオン、を含む。本発明の好適な態様において、コポリマーのカルシウム置換程度は71−80%の範囲内であり、他のカチオンの置換程度は2−8%である。
【0013】
本発明は更に、アルキルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマーとの部分塩の混合物から成る、湿工程による義歯粘着剤の組成物の作製方法を与えるものであり、前記塩のカチオンは、i)コポリマーのカルシウム置換レベルが少なくとも71%であるカルシウム、及び ii)置換程度が2−8%の範囲内にあり、ナトリウムとカリウムから成る群より選択された、少なくとも一つの他のカチオンを、含む。
【0014】
そこで本発明の主要な目的は義歯粘着剤を提供することにあり、該粘着剤はアルキルビニルエーテル/不飽和酸無水物又はポリカルボン酸とのコポリマーの塩より構成され、認容できる感覚刺激性と加工上良好な性質を有する。
【0015】
本発明の義歯の粘着剤組成物は、液体、クリーム、線状、及びおそらくは粉末の形態に調製することができ、唾液と接触した時には高い程度の粘り気と均一な粘度を有する凝集力の高い粘着物となり、歯と粘膜の間に広がった時に、義歯に対し優れた安定化性を示す。該組成物は賦形剤と共に、義歯粘着性の塩を含む。
【0016】
義歯粘着性の塩
本組成物において用いられている義歯粘着剤は、マレイン酸及びアルキルビニルエーテル(“PVM/MA”と総称する)とのコポリマーの部分塩である。好ましくは、該アルキル基は約1個から約5個の炭素原子を有するが、より好ましいコポリマーにはメチルビニルエーテルが含まれる。当業者に知られている様に、その様なコポリマーの分子量は該コポリマーの性質に、そして更に該コポリマーを含む義歯粘着剤の性質に影響を与える可能性がある。ポリマーは、通常は正確な一つの分子量を有さない。どちらかといえば、ポリマーは、それぞれが異なった分子量を有する、多くのポリマー分子から作られる。ポリマーの“平均”分子量を測定する方法の一つは、特定の条件下における該ポリマーの比粘度を測定することである。本発明において好ましいコポリマーは、通常は約1.5以上という、比粘度(メチルエチルケトンの1重量/容量%溶液として25℃で測定された)を有する。より好ましくは、比粘度は約2.5以上である。
【0017】
本発明において好適なコポリマーは、通常はその部分塩として使用される。無水マレイン酸基を加水分解して、対応するジカルボン酸を生成することができ、そのジカルボン酸は、次には、コポリマー上でカルボン酸基の一部を中和する金属化合物と反応する。
【0018】
好ましくは、コポリマー鎖上のカルボン酸基の100%以下が中和される。該金属化合物が、コポリマーのカルボン酸基の約26%から約15%を中和させないままとすることがより好ましく、カルボン酸基の約24%から約15%を中和させないままとすることが最も好ましい。
【0019】
本発明におけるカチオンの一つは、カルシウムである。本発明において他のカチオンはアルカリ金属カチオンであり、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムである。
【0020】
前に示した様に、置換レベル70%を越えてカルシウムカチオンを添加すると、PVM/MAコポリマーの沈殿が起こり、それによりCa/Na塩組成物を製造できなくなることが、先行文献において示唆されている。カルシウムを苛性アルカリで置換することもまた示唆されている。先行文献に示唆されている様に、カルシウムをナトリウム及び/又はカリウムで置換すると、驚くべき事に、高レベルでカルシウム置換(69%又はそれ以上)した場合でも、他のカチオン、即ちナトリウム及び/又はカリウムの置換レベルを一定の限度内に保持することにより、問題となったCa/NaPVM/MA塩の沈殿生成を防止することが可能であることが見出された。
【0021】
カルシウムの置換レベルが増加すると、他のカチオンの置換レベルが低下する様に保つことが好ましい。他のカチオンの置換レベルを、2−8%の範囲内に保つ。カルシウムの置換程度に対して、他のカチオンの置換レベルをおおよそ下記の範囲内に保つ。
【0022】
【表1】
【0023】
他の成分
本発明の義歯粘着組成物は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の、本技術分野において知られている水溶性セルロース性ポリマーを更に含んでもよい。セルロース性ポリマーは好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウムであるが、粉末状のものであり、該セルロース性ポリマーは湿らせた時には水和されてネバネバした粘着性となる。粘着性となることによって、義歯粘着組成物に対して更なる粘着機能を付与する。カルボキシメチルセルロースナトリウムゴムは水溶性のアニオン性長鎖ポリマーであり、その性質は、各セルロース分子中の無水グルコース単位あたり置換される、カルボキシメチル基の数によってある程度変動する。これらセルロースポリマーの、該義歯粘着組成物における含有量は、約15%から約35%、そして好ましくは約17%から28%である。
【0024】
該義歯粘着剤は活性化剤も含んでもよく、その様な活性化剤には、ポリアクリル酸、ポリカルボフィル、クエン酸、クエン酸ナトリウム又はカルシウム及び/又はGantrez酸又はその混合物等のポリマー酸がある。該活性化剤は、比較的短鎖状の樹脂や長鎖状ポリマー等のポリマー、コポリマー、グラフト又はブロックコポリマー、及び連鎖状重合体又は網状重合体であることが好ましい。その様な材料は、天然由来物又は人工的に得られた物又は完全に人工物でもよい。好ましい材料には、キレート能のあるポリマー酸及び塩が含まれる。好ましいキレート能のある酸及び塩には、メチル−ビニルエーテル/マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/マレイン酸コポリマー等の、ジカルボン酸材料のコポリマーが含まれる。
【0025】
低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸は、義歯用接着剤組成物の全重量に対して、約0.1〜約1.5重量%の量で存在するのが好ましい。さらに好ましくは、低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸は、義歯用接着剤組成物の全重量に対して、約1重量%の量で存在する。
【0026】
賦形剤
典型的な賦形剤は、ワックス及びオイルを含む。義歯用接着剤によく含まれる他の賦形剤は、人工香味料、甘味料、粘度調製剤、着色剤、防腐剤、及び濃厚剤を含む。キサンゴム、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチル セルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルなどのその他の水溶性ポリマーも最終的な接着剤配合物の一部を構成することができる。ペトロラタム、鉱油、植物油などの媒介物はクリーム状の配合物の一部を構成することができ、シリカ、タルク、無水燐酸二石灰などの無毒性凝固防止剤も存在させることができる。組成物は、所望により、その他の既知の義歯用接着剤も含むことができる。
【0027】
本発明に有用な油は、鉱油であるが、これに限定されない。しかしながら、コーン油、大豆油、綿実油、ヒマシ油、やし油及びココナツ油などの植物油、及び魚油などの動物油も鉱油に加えて使用することができる。一般的には、義歯用接着剤組成物の全重量の約1%〜約30%、好ましくは、約10%〜約25%の量の油を使用することができる。
【0028】
本発明に有用な着色剤は、二酸化チタンなどの顔料を含み、また、食品、薬、及び化粧品用途に適する染料のレーキも含むことができる。これらの着色剤は、D&C染料として既知である。2つの好ましい着色剤は、D&CレッドNo.7及びD&Cレッド No.30のレーキである。
【0029】
ヒュームド シリカも接着剤用濃厚剤として使用することができる。微細な白色粉末のヒュームド シリカは、四塩化珪素を水素酸素炉において燃焼することにより形成されるコロイド状のシリカ(二酸化珪素、SiO2)である。組成物に使用するヒュームド シリカの量は、約0.7%〜約2%の範囲とすることができる。
【0030】
調製
本発明の義歯用接着剤組成物は、均質な混合物が得られるまで成分を混合することによって調製することができ、生じた製品を回収する。例えば、ポリエチレンと鉱油を使用するなら、このような材料を、約90℃〜95℃の温度に加熱することができ、好ましくは、高分子酸及び着色剤などの他の成分を混合する前に冷却する。
【0031】
粉末、線状形態、液体、又はクリームのいずれの形態で配合されても、本発明の義歯用組成物は、湿気のある義歯に適用するか、又は水や唾液にさらすときに水和し接着剤組成物を形成する。
【0032】
本発明を更に説明するために、種々の例示的に実施例を以下に明らかにする。これらの例において、明細書及び特許請求の範囲と同様に、別に明記しないなら、すべての部及び%は重量であり、すべての温度は摂氏で示す。
【0033】
実施例1−2
重合体塩を次の方法で調製した。900gの室温水を、高速攪拌器付き主反応容器に満たした。無水MVE/MA共重合体を、混合しながら主混合容器にゆっくりと加えた。250gの室温水を、第二の容器に充填して、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのいずれかと水酸化カルシウムをゆっくり加えた。このスラリーを十分混合して均質なスラリーを形成した。このスラリーを主反応容器にゆっくり加える一方で、高速で混合して局所的な沈殿を防いだ。当該バッチを85℃(+5℃)に加熱し、強制的に混合しながら約85℃で2時間保持して、塩を形成した。溶液中に残存した塩は沈殿又は固化せず、それゆえ、バッチは破壊した。生じた混合物を受け皿におき、85℃でオーブン内又はドラム乾燥機で乾燥した。
【0034】
その後、乾燥した75/5のCa/Na又は Ca/K、80%の置換塩を適当なミルで製粉して、60メッシュふるいでふるいをかけた。生じた粉末の1%溶液は、約5.5〜6.5のpH及び0.7〜0.8のかさ密度を有した。用いた材料と用いた量を表2に示す。これらの塩は沈殿又は固化しなかった。
【0035】
比較例
Ca/Na、75/8の83%置換塩を形成するのに十分な量の水酸化ナトリウムを使用した以外は、実施例1にしたがって重合体を製造した。ミキサーの電源を切った後、重い沈殿の堆積物がガラス反応器の底に見られ、バッチを処分しなければならなかった。
【0036】
上述の説明の目的は、本発明のいくつかの実施態様を説明するためのものであり、限定を意味するものではない。本発明の範囲及び要旨を逸脱することなく、本発明の装置及び方法において種々の修正及び変更を成し得ることは、当業者にとって自明であろう。
Claims (10)
- アルキルビニルエーテルとマレイン酸との共重合体の部分的混合塩を含んで構成される義歯接着剤組成物であって、前記義歯接着剤組成物が湿式法により製造され、前記湿式法では、塩の形成が完了した後に化学量論的に過剰な量の酸基が残り、かつ前記塩の陽イオンが:
a)71%以上の程度で前記共重合体を置換してなるカルシウム、および
b)ナトリウムおよびカリウムよりなる群から選択される少なくとも1種の他の陽イオンを含んで構成され、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる置換の程度が2〜8%であって、
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度に対する、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度が、
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度71%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度2〜8%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度73%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度2.5〜8%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度75%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度3〜6%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度77%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度4〜5.5%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度80%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度4.5〜5.5%
の関係に規定されることを特徴とする義歯接着剤組成物。 - カルシウムによる前記共重合体の置換の程度が71〜80%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の義歯接着剤組成物。
- 粉末接着剤に配合されることを特徴とする請求項1または2に記載の義歯接着剤組成物。
- 義歯接着剤ライナーに配合されることを特徴とする請求項1または2に記載の義歯接着剤組成物。
- 液体接着剤に配合されることを特徴とする請求項1または2に記載の義歯接着剤組成物。
- 前記共重合体がメチル−ビニルエーテルとマレイン酸との共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の義歯接着剤組成物。
- ポリアクリル酸、ポリカルボフィル(polycarbophils)、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、高分子酸、メチルビニルエーテル/マレイン酸共重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体およびこれらの混合物よりなる群から選択される活性剤をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の義歯接着剤組成物。
- 請求項1記載の義歯接着剤組成物の製法であって、アルキルビニルエーテルとマレイン酸との共重合体を、水、水酸化カルシウム、および水酸化ナトリウムと水酸化カリウムのうち少なくとも1種と湿式法反応条件下で混合して、共重合体の部分的混合塩を形成し、前記塩では、前記塩の前記陽イオンが、i)少なくとも71%当量以上の程度で前記共重合体を置換してなるカルシウム、およびii)2〜8%の範囲の程度の少なくとも1種の他の陽イオンで前記共重合体を置換してなる、ナトリウムおよびカリウムよりなる群から選択される少なくとも1種の他の陽イオンを含んで構成されており、前記塩を乾燥して粉末を形成し、前記粉末を少なくとも1種以上の賦形剤と混合して、義歯接着剤組成物を形成し、
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度に対する、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度が、
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度71%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度2〜8%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度73%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度2.5〜8%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度75%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度3〜6%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度77%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度4〜5.5%;
カルシウムによる前記共重合体の置換の程度80%に対して、前記少なくとも1種の他の陽イオンによる前記共重合体の置換の程度4.5〜5.5%
の関係に規定されることを特徴とする義歯接着剤組成物の製法。 - カルシウムによる前記共重合体の置換の程度が71〜80%の範囲であることを特徴とする請求項8記載の製法。
- さらに、水溶性セルロース系重合体からなることを特徴とする請求項1〜7項のいずれか1項に記載の義歯接着剤組成物。
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