JP4542700B2 - ゲル材料 - Google Patents
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Description
本発明は、ゲル材料及びゲル材料の製造方法に関する。
ゲルはあまり流動せずに保存可能な機械的性質を有する。ゲルは、一枚のゲル材料を破ったり裂いたりせずとも取り扱うことができるように自己支持性であり得る。強度の小さいゲル材料には、例えば概して糸目の粗い織物の形式で支持構造を与えることも可能である。
【0002】
ゲル材料はその組成物中に、ゲル材料に水(水性の液体を含む)を吸収させることを可能にする成分を含有し得る。このような材料はしばしばヒドロゲルと称される。ヒドロゲルは自身の重量の数倍の水を吸収することが可能であり、その結果、ゲルは大いに膨張する。ゲル材料が水を吸収する能力と、水を吸収した際に膨張することによって損なわれる物理的性質との釣り合いを保つことが、多くの用途に関して重要であろう。
【0003】
米国特許第3898143号は、ゲル材料の製造方法について開示している。 同製造方法は、ポリエチレンオキシドとヒドロキシエチルセルロースを初めとする別の水溶性ポリマーとを完全に混合して水溶液中で共に橋かけ結合を形成することに関する。混合物中の成分は混和できないこともある。しかしながら、混合物は、橋かけ反応が起こった時に均質にされ(又は、均質な微視的位相にされ)、橋かけ反応は混合物の均質性の保持に影響を及ぼす。
【0004】
本発明は、粒子状のポリマー吸収材料の利用により吸収性が高く維持されたゲル材料を提供する。この粒子状のポリマー吸収材料は、水中での溶解性を減小させるために橋かけ結合を形成して水へ溶解するよりも水中で膨張するようにしたポリマー(特にポリエチレンオキシド)の基質中で、粒子状の形を保つように橋かけ結合される。
【0005】
従って、一態様において、本発明は、水を吸収可能であり、ゲル含量が約55%以上となるように橋かけ結合が構成され、且つ水への溶解性を減小させるために橋かけ結合を形成して水へ溶解するよりも水中で膨張するようにしたポリマーによって与えられる基質中で支持される、粒子状ポリマー材料から成る粒子を含有するゲル材料を提供する。
【0006】
本発明のゲルに粒子状吸収材料を利用すると、例えば米国特許第3898143に開示されているような基質と吸収材料とが均質に混合されたヒドロゲル組成物と比べて、ゲル材料の水(溶液のような水性の液体を含む)を吸収する能力が高まると考えられる。従って、本発明のゲル材料は、使用に先だって及び使用の最中に手で取り扱うことを可能にする適当な物理的性質を保持すると同時に、比較対象の材料よりも高い吸水性を達成し得る。特に、本発明のゲル材料はかなりの量の水(又は他の水溶性材料)を吸収した場合でさえも、その完全さを失わずに操作することが可能である。
【0007】
好ましくは、粒子状ポリマー材料のゲル含量は約60%以上、より好ましくは約75%以上、例えば約90%以上である。ゲル含量は、乾燥ポリマーの試料の重量を正確に計り (約0.1g重量)、試料を、重量比で25:75の水とエタノールとの混合物200mlを含むソックスレー抽出器に配置することによって測定した。12時間の抽出後、試料を乾燥するまで60℃にて乾燥オーブンに配置した。乾燥重量を記録した。次にゲル含量を以下のように計算した。
【0008】
ゲル含量(%)=非抽出重量/元の重量 ×100
ゲル含量が高いと、水に曝した場合、例えばゲル材料を形成するために溶解方法を使用したり、又はゲルを使用の際に水に曝したりする場合に、少なくとも有意にポリマー粒子の粒子状構造の保持が確実になるという利点がある。ポリマーの粒子は、乾燥時であっても、適当な顕微鏡法(場合によっては適当なコントラストを達成したり高めたりするために染色を併用する)を必要に応じて使用すれば、一般に本発明のゲルの基質内で認識可能である。ポリマーの粒子は、本発明のゲルが液体を吸収した結果として膨張した場合、一般に肉眼でも明確に識別可能である。例えばもろさを有する線を与えると、ゲル材料は大きな引っ張り歪みを受けると、この線に沿って破砕する傾向がある。
【0009】
粒子状ポリマーにおけるゲル含量が高いと、粒子状ポリマー材料と基質材料との間に橋かけ結合が生じる傾向も減小し得る。本発明のゲルが、完全性を損なわずにかなりの量の水を吸収する能力は、粒子状ポリマーと基質ポリマーとの間の橋かけ結合が実質上存在しないことに一部因るものと考えられている。
【0010】
好ましくは、粒子状ポリマー材料のうちの重量比で約60%以上の粒子のサイズが、約200μmよりも小さく、より好ましくは、粒子状ポリマー材料のうちの重量比で約85%以上の粒子のサイズが約200μmよりも小さく、好ましくは、粒子状ポリマー材料のうちの重量比で約60%以上の粒子のサイズが、約100μmよりも小さく、より好ましくは、粒子状ポリマー材料のうちの重量比で約85%以上の粒子のサイズが、約100μmよりも小さい。好ましくはこれらの範囲内において、ポリマー粒子のサイズを正確に調節することにより、ゲル材料は、コポリマー粒子の膨張による材料の構造の望ましくない弱化を起こすことなくかなりの量の液体を吸収可能となることが見出された。
【0011】
好ましくは、粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比は、重量比で約0.05以上、より好ましくは約0.1以上、特に約0.2以上である。これにより、ゲル材料は手で取り扱うのに十分な物理的性質を備えるように形成される。好ましくは、前述の比は、約25以下であり、より好ましくは約10以下、例えば約3以下である。これによりゲルは、使用に先だって及び使用の最中に、手で取り扱うのに適当な強さを有することが可能となる。
【0012】
本発明のゲル材料は、基質材料、粒子状ポリマー、及び水の混合物が形成されると共に、それに続いて基質材料が橋かけ結合を形成する処理を受けるという、溶解方法によって製造可能である。従って、一態様において、本発明は、水溶性の橋かけ結合形成可能な基質ポリマーと、約55%以上、特に約75%以上のゲル含量を有するように橋かけ結合が形成された粒子状ポリマーと、水溶性溶媒とを混合する工程と、基質ポリマーのゲル基質を形成するために基質ポリマーに橋かけ結合を形成する工程であって、粒子状ポリマー材料の粒子が分散され、橋かけ結合が形成された基質ポリマー及び橋かけ結合が形成された粒子状ポリマーの各々が水を吸収可能である工程とから成る、ゲル材料の製造方法を提供する。以下に論じるように、ゲル材料の粒子状ポリマー成分の吸収性は、基質ポリマーの吸収性よりも一般にかなり大きい。この方法には、橋かけ結合を形成する工程の後に、少なくとも部分的にゲル材料を乾燥させる工程を含み得る。
【0013】
本発明のゲル材料は、基質材料が溶解されている間に基質材料及び粒子状ポリマーを混合する溶解加工法によっても製造可能である。従って、更なる態様において、本発明は、(a)基質ポリマーを加熱して基質ポリマーを溶解させる工程と、(b)溶解させた基質ポリマーを水を吸収可能な粒子状ポリマーと混合する工程と、(c)基質ポリマー及び粒子状ポリマーの混合物を溶解によって形成し、ポリマー材料の粒子が分散された基質ポリマーの基質を形成する工程と、(d)水に対する溶解性を減小させるために基質ポリマーに橋かけ結合を形成し、基質ポリマーが水に溶解するよりも水中で膨張されるようにする工程とを含む、ゲル材料の製造方法を提供する。
【0014】
基質ポリマーの橋かけ反応は、電離放射線、例えば電子ビームやガンマ放射線への照射により開始される。橋かけ反応は、紫外線への照射によっても開始され得る。基質ポリマー及び粒子状ポリマー材料の混合物には、ベンゾフェノンを初めとする適当な開始剤成分が含有され得る。
【0015】
本発明において使用される基質ポリマーは、橋かけ結合が形成されていない場合には、一般に水溶性のポリマーである。基質ポリマーにおいて橋かけ結合が形成されることにより、水に対する溶解性が減小し、その結果、基質ポリマーは水に溶解するよりもむしろ水中で膨張する傾向がある。基質材料として特に好ましいポリマーは、ポリエチレンオキシドである。ポリエチレンオキシドの分子量は、好ましくは約5×106以下である。この値は、ゲル材料に適度に低い粘性を与えて、材料を製造中に手で取り扱えるようにするという、利点を有し得る。好ましくはポリエチレンオキシドの分子量は、約104以上、特に約105以上であり、得られたゲル材料は十分な引っ張り特性を有する。適当なポリエチレンオキシドの例は、約3×106の分子量を有する。
【0016】
ゲル材料の基質を提供するために使用可能な他のポリマー材料には、ポリピロール類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、及びアクリル酸並びに関連する酸のポリマー(それらのエステルや塩も含む)が含まれる。
【0017】
好ましくは、粒子状ポリマーは、1以上のデンプン、ポリアクリル酸、 (エステルやそれらの塩を含む)、置換セルロース (ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース等)、及びポリビニルアルコール類を含む。
【0018】
粒子状ポリマーは、ホモポリマーの場合もコポリマーの場合もあり得る。例えば、粒子状ポリマーに関して特に好ましい材料は、デンプンとポリアクリル酸(アクリル酸のエステルや塩を含む)とのコポリマーから成る。適当な材料が、商標COS915の名で、ヘキストセラニーズ(Hoechst Celanese)より入手可能である。
【0019】
本発明の目的のため、ポリマー(基質ポリマー等)は、その流体吸収能力が1.0以上である場合、水を吸収可能であると考えられる。好ましくは、ポリマーは約5.0以上の流体吸収能力を有し、より好ましくは約10.0以上の流体吸収能力を有する。材料の流体吸収能力は、200mlの流体に材料の試料を浸漬することによって決定される。試料は、約0.1gの乾燥ポリマーを含有する。流体吸収能力が、乾燥材料(照射工程後に材料を乾燥させることによって形成される)又は濡れた材料(照射の工程から得られた条件下にて)に対して決定される。使用され得る流体としては、脱イオン水、0.3N塩類溶液、又は0.9N塩類溶液が含まれる。流体吸収能力(FAC)は、材料の元の重量に基づく、水の吸収により生じたポリマー重量の変化の測定値より計算される(材料は濡れたまま測定するか、以下に述べるように材料を乾燥させた後で測定する)。
【0020】
流体吸収能力 = 吸水後の材料の重量/元の材料の重量
基質ポリマーのFACは一般に約10以上、好ましくは約20以上である。基質ポリマーが水を吸収する能力は、生じたポリマー構造の膨張によって、粒子状ポリマーが流体を吸収して膨張した際に生じ得る応力に対して、基質ポリマーが抵抗するために重要である。しかしながら、ゲル材料が流体を吸収する際に基質ポリマーが完全性を保持する能力は、流体を吸収する能力よりも重要であり得る。基質ポリマーの引っ張り強さは、橋かけ結合の程度に影響される。好ましくは、基質ポリマーのゲル含量は約30以上、より好ましくは約40以上、特に約50以上である。好ましくは、乾燥した形で測定された基質ポリマーのゲル含量は、約100以下、特に80以下であり、特に70以下である。一般に、基質ポリマーのFACは、約100以下であり、通常、約60以下である。
【0021】
一般に粒子状ポリマーのFACは、基質ポリマーに橋かけ結合を形成する前でも後でも、基質ポリマーのFACよりもかなり大きい。乾燥状態で測定した材料の元の重量に基づく粒子状ポリマーのFACは、好ましくは、約100以上、より好ましくは約250以上、特に約500以上である。好ましくは、本発明のゲル材料における基質ポリマーのFACに対する粒子状ポリマーのFACの比は、約2以上より好ましくは約5以上、特に約10以上である。
【0022】
本発明のゲル材料における基質ポリマーと粒子状ポリマーの相対的な量は、引っ張り特性及び吸収性を含めたゲル材料の所望特性に従って選択される。基質ポリマーの割合が高いことは、ゲル材料が破裂されずに大いに変形可能であることが必要な用途に適している。基質ポリマーの割合が高いことは、比較的大きな粒子状ポリマーの粒子が使用される場合にも適している可能性がある。好ましくは粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマ−(乾燥状態で測定)の比は、重量比で約0.05以上、より好ましくは約0.1以上、特に約0.5以上、例えば約1.0以上である。好ましくは、粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比は、重量比で約15以下、より好ましくは約10以下、特に約5以下である。好ましい組成物において、粒子状ポリマーに対する基質ポリマーは、重量比で約2.0である。
【0023】
本発明のゲル材料を上述した湿式の方法で調製した場合、混合物中のポリマー成分の割合は、ポリマー成分及び水、又は他の水溶性成分の全重量に関して示すと、約1.0%以上、好ましくは約2.0%以上、例えば約4.0%以上であることがしばしば望まれる。上記の割合は、一般に約20%よりも小さく、好ましくは約15%よりも小さく、より好ましくは12%よりも小さく、例えば10%よりも小さい。
【0024】
上述の湿式の方法において、水は水溶性溶媒として使用するのにしばしば適している。しかしながら、水の代わりに塩類溶液を用いることが好ましいこともある。適当な塩類には、NaClが含まれる。塩類溶液は一般に、約0.5Nよりも濃度が大きい。濃度はしばしば、約1.5Nよりも小さい。塩類溶液の利用には、基質材料に橋かけ結合を形成する前のゲル混合物の粘性が、水を用いた場合よりも小さくなり、おそらく注入可能なゲルというよりも粘性流体の粘性に似たものとなるという利点が存在する。これにより、橋かけ反応に先立って、ゲル材料から生じた気泡の解放が促進され得る。
【0025】
本発明のゲル材料は、特定の用途に適した多くの形状に形成することが可能である。ゲル材料は、一般に、材料と、流体を吸収する表面との間の接触を最良にする形で形成される。流体が表面から吸収される場合、例えばシートやブロックのように、概ね平坦な形状が適し得る。流体が、溝を初めとする狭い空間から吸収される場合、例えば鎖、ロッド、コード等の形状のような概ね細長い形状が適し得る。本発明のゲル材料は傷の治療を初めとする体液を吸収することが望ましい医療への用途において、特定の用途が見出されている。切開部のような幅の狭い傷の治療では、ゲル材料には細長い形状のものが適し得る。擦り傷、火傷、又は同様な表面の傷の治療では、ゲル材料には平坦な形状のものが適し得る。
【0026】
実施例1
照射線量の影響
94.0gの脱イオン水及び1gの1%ベンゾフェノン(アセトンに溶解)を混合用ボウルに入れて、ミキサーを低速で始動した。4.2gの粒子状デンプンポリアクリレートコポリマー(商標名COS915で、ヘキストセラニーズ(Hoechst Celanese)より入手可能)及び1.8gの分子量3×106ポリエチレンオキシド(商標名WSR301で、ユニオンカーバイド社(Union Carbide )より入手可能)を注意深くゆっくり加え、凝塊形成を防止するようにした。混合物が一様に観察されるまで概ね約30分間、引き続き減速で混合した。次に、生じたゲルをジャーに移し、24時間の間平衡化させた。
【0027】
デンプンポリアクリレートポリマー粒子の粒度分布を表1に示す。
【0028】
【表1】
橋かけ結合を形成するために混合物を鋳型に移した。橋かけ結合の形成は、混合物から約20cmの位置に配置された43.5W・cm−1の紫外線ランプから発された光に照射することにより開始される。橋かけ結合が形成されたゲル材料を、送風機を用いて、部屋の空気の温度条件及び湿度条件で乾燥させた。得られた乾燥ゲル材料のゲル含量及び流体吸収能力 (脱イオン水に及び0.3N NaCl溶液に24時間曝した後で測定)を測定した。それらを表2に示す。
【0029】
【表2】
ゲル含量及び流体吸収能力はどちらも、照射線量を増加させてもほぼ一定に保たれていることが理解される。これは、米国特許第3898143号の表1に含まれるデータとよい対照をなし得る。
【0030】
実施例2
ポリマー成分の割合
ゲル材料を実施例1で上述した方法を用いて調製した。鋳型に入れたゲルに30分間紫外線を照射したが、橋かけ結合を形成する工程の後のゲル材料の乾燥工程は除いた。ポリエチレンオキシドとデンプンポリアクリレートポリマーとの相対的な量は変化させた。得られた濡れたシート状材料の流体吸収能力を、水に24時間曝した後で測定した。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
流体吸収能力はゲル組成物中に存在するデンプンポリアクリレートコポリマーの量に強く依存することが理解される。これらのパラメータ間にほぼ線形の関係が存在することは、ポリエチレンオキシドとデンプンポリアクリレートコポリマー成分との間には相互関係がほとんどなく、特に橋かけ結合が存在しないことを示唆している。
【0032】
実施例3
ポリマー量の影響
ゲル材料を実施例2で上述した方法を用いて調製した。ポリエチレンオキシド及びデンプンポリアクリレートポリマーの相対量を重量比で70:30に保持したまま、それらの全量を変化させた。得られたゲル材料の物理的性質を表4に示す。
【0033】
【表4】
実施例4
粒子状ポリマーの影響
ゲル材料を実施例2で上述した方法を用いて調製した。デンプンポリアクリレートコポリマーの代わりに他の材料を用いた。得られたゲル材料の流体吸収能力を、水に24時間曝した後で、乾燥させずに測定した。その結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
実施例5
別の照射方法
ゲル材料の第1の試料を実施例2で上述した方法を用いて調製した。ゲル材料の第2の試料を、ベンゾフェノンを組成物から省き、鋳型に配置されたゲル材料に25kGyの線量のガンマ照射を行った点を除いて、同様な方法で調製した。を水に24時間曝した後で乾燥させずに測定した流体吸収能力と、第1の試料及び第2の試料のヤング率(伸び弾性率)とを表6に示す。
【表6】
Claims (23)
- ゲル材料の製造方法であって、
水溶性の橋かけ結合を形成可能な基質ポリマーと、55%以上のゲル含量を有するように橋かけ結合が形成された粒子状ポリマー材料と、水溶性溶媒とを混合する工程と、
粒子状ポリマー材料の粒子が分散された前記基質ポリマーのゲル基質を形成するために基質ポリマーに橋かけ結合を形成する工程であって、橋かけ結合が形成された基質ポリマー及び橋かけ結合が形成された粒子状ポリマー材料の各々が、水を吸収可能であることと、
から成る方法。 - 橋かけ結合を形成する工程の後に、材料を乾燥させる工程を含む請求項1に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料が混合物中に重量比で0.5%以上の量で存在する請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 基質ポリマーがポリエチレンオキシドを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
- ポリエチレンオキシドの分子量が5×106以下である請求項4に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料はアクリル酸又はアクリル酸エステル若しくはアクリル酸塩を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料はデンプンを含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料中のゲル含量が75%以上である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料の粒子のうちの重量比で60%以上の粒子のサイズが100μmよりも小さい請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料の粒子のうちの重量比で85%以上の粒子のサイズが100μmよりも小さい請求項9に記載の方法。
- 混合物中に基質ポリマーが重量比で2%以上の量で存在する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比が重量比で0.1以上である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
- 粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比が重量比で10以下である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
- 基質ポリマーに橋かけ結合を形成する工程が、紫外線照射によって開始される請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
- 水を吸収可能であると共に55%以上のゲル含量を有するように橋かけ結合が形成された粒子状ポリマー材料の粒子が、水に対する溶解性を減小させるために橋かけ結合を形成して水に溶解するよりも水中で膨張されるようにしたポリマーにより与えられた基質中に分散された、ゲル材料であって、粒子状ポリマー材料の粒子のうちの重量比で60%以上の粒子のサイズが100μmよりも小さいゲル材料。
- 粒子状ポリマー材料のゲル含量が75%以上である請求項15に記載の材料。
- 基質ポリマーがポリエチレンオキシドを含む請求項15又は請求項16に記載の材料。
- ポリエチレンオキシドの分子量が5×106以下である請求項17に記載の材料。
- 粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比が重量比で0.1以上である請求項15乃至18のいずれか一項に記載の材料。
- 粒子状ポリマー材料に対する基質ポリマーの比が重量比で10以下である請求項15乃至19のいずれか一項に記載の材料。
- シートの形に形成される請求項15乃至20のいずれか一項に記載の材料。
- 粒子状ポリマー材料はアクリル酸又はアクリル酸エステル若しくはアクリル酸塩を含む請求項15乃至21のいずれか一項に記載の材料。
- 粒子状ポリマー材料はデンプンを含む請求項15乃至22のいずれか一項に記載の材料。
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