JP4542571B2 - アライメント変更制御装置 - Google Patents
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Description
実施の形態1におけるトー角変更制御装置について説明する。実施の形態1は車両が直進状態にある場合に、燃費を向上させるために理論的には最適となるトー角に設定する技術に関するものである。以下、その詳細な説明をする。なお、図1は実施の形態1におけるトー角変更制御装置を適用した4輪車両としての全輪操舵装置の概略図であり、図2は左後輪側のトー角変更装置の構成図であり、図3はトー角変更装置のアクチュエータの構成図である。
図1に示すように、全輪操舵装置100は、前輪1L、1Rを転舵させる操作ハンドル3による操舵を補助する電動パワーステアリング装置110、前輪1L、1Rの転舵角と車速に応じて後輪2L、2Rをそれぞれ独立に転舵させるトー角変更装置120L、120R、電動パワーステアリング装置110およびトー角変更装置120L、120Rを制御する操舵制御装置130(以下、操舵制御ECU(Electronic Control Unit)と称する)、車速センサSV、ヨーレートセンサSY、横加速度センサSGSなど各種センサを含んで構成されている。
電動パワーステアリング装置110は、操作ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフトと、ピニオン軸とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)によって連結され、また、ピニオン軸の下端部に設けられたピニオンギアは、車幅方向に往復運動可能なラック軸のラック歯に噛合し、ラック軸の両端には、タイロッドを介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操作ハンドル3の操舵時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸、ラック歯、タイロッドは転舵機構を構成する。なお、ピニオン軸はその上部、中間部、下部を、軸受を介してステアリングギアボックスに支持されている。
Ts=J・d2θS/dt2+C・dθS/dt+K(θS−θF)
となることがわかっている。
ここで、θSは操舵回転角であり、θFは、電動機回転角を減速機構の回転比で除した値である。また、Jはステアリング系の慣性係数(イナーシャ)であり、Cはステアリング系の粘性係数(ダンパ)であり、Kはベース信号係数である。この式は車両特性や車両状態に無関係である。
次に、操舵制御ECUについて説明する。操舵制御ECU130は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えるコンピュータおよびプログラム、周辺回路などからなっている。横加速度センサSGS、ヨーレートセンサSY、車速センサSvから車両の走行状態を表す横加速度、ヨーレート、車速が検出され、操舵制御ECU130に入力される。操舵制御ECU130は、横加速度、ヨーレート、車速による検出結果から、電動パワーステアリング装置110及び後輪2L、2Rのトー角を制御するトー角変更装置120L、120Rを制御する制御信号を出力する。
次に、図2、図3を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図2は左後輪側のトー角変更装置を示す平面図、図3はトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2L、2Rに固定される車輪側アーム13bとが、略鉛直方向の回転軸13cを介して連結されて構成されている。これにより、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータやブラシレスモータなどで構成されている。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)などが組み合わされて構成されている。
送りねじ部35は、円筒状に形成されたロッド35aと、スクリュー溝35bが形成されてロッド35aの内部に挿入されるナット35cと、スクリュー溝35bと噛合してロッド35aを軸方向に移動可能に支持するスクリュー軸35dとを備えて構成されている。スクリュー軸35dは、減速機構33および電動機31とともに細長形状のケース本体34内に収容され、減速機構33の一端が電動機31の出力軸と連結され、他端がスクリュー軸35dと連結されている。
電動機31からの動力が、減速機構33を介してスクリュー軸35dに伝達されてスクリュー軸35dが回転することで、ロッド35aがケース本体34に対して図示左右方向(軸方向)に伸縮自在に動作するようになっている。また、アクチュエータ30にはブーツ36が取り付けられて、外部からの埃や水などの異物が浸入しないようなっている。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリなどの電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23にも前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される(図示せず)。
次に、図4を参照しながらトー角変更制御ECUの詳細な構成を説明する。
図4に示すように、トー角変更制御ECU37はアクチュエータ30を駆動制御する機能を有し、この機能を奏するコンピュータとしてCPU、RAM、ROMなどを有して構成されている。そして、この機能に対応する処理ルーチンを実施するプログラムがROMに格納されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
トー角設定部43は、メモリ44に記憶されたトー角に設定するように電動機制御信号を電動機駆動部45に出力する。この電動機制御信号は、電動機31に供給する電流値と電流を流す方向を含む信号である。電動機駆動部45は、FET(Field Effect Transistor)のブリッジ回路などで構成され、電動機制御信号に基づいて電動機31に電動機電圧を印加する。
図5のフローチャートを参照しながらトー角変更制御ECUにおける最適トー角に設定する処理について説明する。図5において、車両の直進状態は操舵トルクTsを用いて判定することにする。直進状態の判定は、操作ハンドル3がきられていることを検出することで最も精度良く行われるものであり、その検出は操舵トルクTsに反映されるからである。また、この処理は走行中に行うことを前提にし、停止中、つまり、車速がゼロの状態では行わないようにする。また、後輪2R、2Lのトー角は、初期状態において、走行安定性を重視するために僅かながらトーインに設定されているものとする。
一方、操舵トルクTs2の絶対値が微小量α以上であれば(ステップS07でNo)、車両が非直進状態にあると判定される(ステップS09)。従って、トー角を車両の前後方向と略平行に設定することはなく終了する。
実施の形態1により以下の効果を奏する。つまり、車両が直進状態にあるときは、後輪2L、2Rが進行方向と略平行になるようにトー角を設定することができる。従って、直進しているときの後輪2L、2Rの転がり抵抗は理論的には最小になり、燃費を向上させることができる。そして、旋回時などの非直進状態においてはこのようなトー角の設定を行わないようにする。これにより、旋回時のような非直進状態におけるトー角の制御と干渉することが無いため、非直進状態の走行安定性を保持することができる。
実施の形態2はナビゲーション装置を備えている車両において、走行中の車両がナビゲーション装置の情報を利用して直進状態になることを推定して、最適となるトー角に設定する技術に関するものである。以下、その詳細な説明をする。なお、図6はナビゲーション装置の構成図であり、図7は、ナビゲーション装置と通信線を介して接続されているトー角変更制御ECUの構成図である。
図6を参照しながらナビゲーション装置の詳細な構成を説明する。この構成の基本的な部分は特許文献2に開示されている。
現在の車両位置に対応する現ノードには、車両進行方向において一つ以上の道路区間が接続しており、1つ以上のリンクIDが特定されている。従って、現ノードが道路分岐点または交差点を表す分岐点ノードまたは交差点ノードでなければ、現ノードには一つの進路区間のみが接続しており、唯一のリンクIDが特定される。一方、現ノードが分岐点ノードまたは交差点ノードであれば、現ノードには2つ以上の進路区間が接続されており、各進路区間に対応したリンクIDが特定される。
マップマッチング部63では、CD−ROMコントローラ66を介してCD−ROM65から出力された地図情報に含まれる道路情報と推測航法部62からの車両の走行軌跡とに基づいて、現在走行中の道路が特定される。そして、ナビゲーション部64では、GPS用コントローラ61より入力した絶対位置とマップマッチング部63より入力した相対位置に基づいて車両の現在位置が正確に求められ、現在位置情報が出力される。
図7を参照して、ナビゲーション装置と通信線を介して接続されたトー角変更制御ECUの構成を説明する。トー角変更制御ECU37はナビ入力部46、直進状態推定部47、タイマ42、トー角設定部43、メモリ44、電動機駆動部45を備えて構成されている。基本的な機能は実施の形態1と共通するので、実施の形態1と同じ構成部分についての説明は省略する。
図8のフローチャートを参照しながらトー角変更制御ECUにおける最適トー角に設定する処理について説明する。この処理は走行中に行うことを前提にし、停止中、つまり、車速がゼロの状態では行わないようにする。
実施の形態2により以下の効果を奏する。つまり、車両が直進状態になると推定されるときは、その推定したタイミングに合わせて後輪2L、2Rが進行方向と平行になるようにトー角を設定することができる。従って、直進しているときの後輪2L、2Rの転がり抵抗は理論的には最小になり、燃費を向上させることができる。そして、直進状態を予見しているので、実際に直進状態を判定するときよりもいち早くトー角の設定を行い、より効率よく燃費を向上させることができる。
実施の形態3は、走行中の車両において、後輪のトー角を意図的に変えていき、そのトー角における燃費を求めていくことにより、実質的に燃費が最大になるトー角を決定する技術に関するものである。以下、その詳細な説明をする。なお、図9は、トー角変更制御ECUの構成図である。
図9に示すように、トー角変更制御ECU37は直進状態判定部41、タイマ42、トー角設定部43、電動機駆動部45、燃費算出部48、燃費記憶テーブル49aを有する燃費情報記憶部49、最適燃費選択部50を備えて構成されている。基本的な機能は実施の形態1と共通するので、実施の形態1と同じ構成部分についての説明は省略する。
図10を参照して、燃費テーブル49aに記憶される燃費に関する情報の構造ついて説明する。このテーブルの行には燃費を測定した順番を表す番号が連番で付されている。また、このテーブルの列の項目には、燃費の測定順に順次付される「番号」、試行対象となる「トー角」、そのトー角で測定した「燃費」、燃費の測定を開始したときの「開始時刻」、燃費の測定を終了したときの「終了時刻」が設けられている。例えば、番号「1」における燃費に関する情報について説明すると、トー角設定部43にて設定したトー角は0.1°にトーインしたものであり(トーインに設定した場合には「+」で表示する。)、2007年1月19日の8:00:00から8:03:00までの3分間燃費を測定している。開始時刻および終了時刻はタイマ42より入力される時刻情報により決定される。そして、燃費算出部48はその間燃費を測定し、算出された燃費は15.0(km/l)である。
このような測定を番号「2」、「3」、・・・として順次測定していき、試行対象のトー角に対する燃費のサンプルデータが収集される。
図10の燃費テーブル49a、図11のフローチャートを参照しながら、試行するトー角に対応する燃費に関する情報を収集し、燃費テーブルを作成する処理について説明する。このとき、燃費の算出は直進状態において行うようにする。直進状態においてトー角を変えていくことは、旋回時などの非直進状態において変えることよりも、トー角の変更に伴うパワーロスが少なくなるからである。ただし、この燃費の算出は直進状態でも非直進状態でも行うことが可能である。
図10の燃費テーブル49a、図12のフローチャートを参照しながら燃費が最大になるトー角を選択し、そのトー角に設定する処理について説明する。このとき、選択されたトー角に設定するタイミングは「3.3」と同様の理由から、直進状態において行うようにする。ステップS61からステップS63までの処理における直進状態の判定は「3.3」における図11のフローチャートのステップS41からステップS43と同様であるのでその説明を省略する。
実施の形態3により以下の効果を奏する。つまり、燃費が最大となるトー角を記録して学習していく構成をとっているので、実質的に燃費が最大となるトー角を見つけ出すことができる。従って、運転手ごとに車両の走行に合った最適なトー角を経験的に見つけ出すことができる。そして、燃費に関する情報を定期的に収集し、燃費テーブル49aを更新していくことにより、タイヤの摩耗状況に合わせて適宜最適なトー角に設定することができる。
実施の形態4はナビゲーション装置を備えている車両において、ナビゲーション装置により車両が同一経路を繰り返し走行していることを認識し、その同一経路を走行する場合において、後輪のトー角を意図的に変えていき、そのトー角における同一経路における燃費を求めていくことにより、実質的に燃費が最大になるトー角を決定する技術に関するものである。以下、その詳細な説明をする。なお、図13はナビゲーション装置の構成図であり、図16は、ナビゲーション装置と通信線を介して接続されているトー角変更制御ECUの構成図である。
図13を参照しながらナビゲーション装置の詳細な構成を説明する。実施の形態2のナビゲーション装置(図6参照)の構成に加えてタイマ69、走行履歴テーブル70aを有する走行履歴記憶部70、同一経路特定部71が備えられている。実施の形態2と同じ構成部分についての説明は省略する。
図14を参照して、走行履歴テーブル70aに記憶される走行履歴の情報の構造ついて説明する。このテーブルの行には走行履歴を測定した順番を表す番号が連番で付されている。また、このテーブルの列の項目には、過去に走行したことのある経路の始点のノードとなる「開始ノード」、その経路の終点のノードとなる「終了ノード」、開始ノードおよび終了ノードで結ばれる道路区間を特定する「リンクID」、開始ノード、終了ノードおよびリンクIDで定義づけされる「経路」、経路の開始ノードを通過した「開始時刻」、経路の終了ノードを通過した「終了時刻」が設けられている。
例えば、番号「1」における走行履歴の情報について説明する。まず車両は、開始時刻2007年1月12日8:00:00に開始ノード「a1」を通過したことを意味している。また、終了時刻2007年1月12日8:10:00に終了ノード「a2」を通過しており、そのとき、リンクID「LA1」に係る道路区間を経由していることを意味している。開始時刻および終了時刻はタイマ69より入力される時刻情報により決定される。現在位置情報および道路情報が読み出され、通過したノード、リンクIDに対応する経路の名称が「A1」であると特定され、番号「1」における走行履歴の情報として登録される。このような登録を番号「2」、「3」、・・・として順次行い、走行履歴のサンプルデータが収集される。
図14の走行履歴テーブル70a、図15のフローチャートを参照しながら、ナビゲーション装置において同一経路を特定する処理について説明する。
一方、リンクIDが一致することがなければ(ステップ74でNo)、車両は過去に走行したことのない経路を走行していることを意味するので、新たに走行履歴の情報を生成し、走行履歴テーブルを更新して終了する(ステップS76)。
図16を参照して、ナビゲーション装置と通信線を介して接続されたトー角変更制御ECUの構成を説明する。トー角変更制御ECU37はナビ入力部46、タイマ42、トー角設定部43、電動機駆動部45、燃費算出部48、同一経路間燃費テーブル49bを有する燃費情報記憶部49、最適燃費選択部50を備えて構成されている。基本的な機能は実施の形態2と共通するので、実施の形態2と同じ構成部分についての説明は省略する。
図17を参照して、同一経路間燃費テーブル49bに記憶される同一経路間燃費に関する情報の構造ついて説明する。図17は、図14の走行履歴テーブル70aにおいて同一経路と判定された同一経路A1に関する燃費テーブルである。このテーブルの行には燃費を測定した順番を表す番号が連番で付されている。また、このテーブルの列の項目には、燃費の測定順に順次付される「番号」、試行対象となる「トー角」、そのトー角で測定した「燃費」、燃費の測定を開始したときの「開始時刻」、燃費の測定を終了したときの「終了時刻」が設けられている。例えば、番号「1」における同一経路間燃費に関する情報について説明すると、トー角設定部43にて設定したトー角は0.1°にトーインしたものであり、2007年1月15日の8:00:00から8:03:00までの3分間燃費を測定している。開始時刻および終了時刻はタイマ42より入力される時刻情報により決定される。そして、燃費算出部48はその間燃費を測定し、算出された燃費は15.0(km/l)である。
このような測定を番号「2」、「3」、・・・として順次測定していき、同一経路A1に関する試行対象のトー角に対する燃費のサンプルデータが収集される。更に、同一経路A2その他の同一経路についても、当該同一経路を通過するときに、燃費のサンプルデータが収集される。
図17の同一経路間燃費テーブル49b、図18のフローチャートを参照しながら、ある同一経路において試行するトー角に対応する同一経路間燃費に関する情報を収集し、同一経路間燃費テーブルを作成する処理について説明する。説明の前提として車両は同一経路A1を通過するものとする。
図17の同一経路間燃費テーブル49b、図19のフローチャートを参照しながら燃費が最大になるトー角を選択し、そのトー角に設定する処理について説明する。説明の前提として車両は同一経路A1を通過するものとする。
実施の形態4により以下の効果を奏する。つまり、燃費が最大となるトー角を同一経路毎に記録して学習していく構成をとっているので、実質的に燃費が最大となるトー角を見つけ出すことができる。従って、運転手ごとに同一経路における最適なトー角を経験的に見つけ出すことができる。例えば、同一経路としては、運転手の自宅から勤め先までの通勤路が挙げられ、その運転手が、通勤の際、決まった通路を決まった時間に運転するといったケースが考えられる。このとき、通勤路を走行するときの最適トー角を上述のように経験的に見つけ出すことで、その運転手にとっては最良となる燃費の向上を達成することができる。
実施の形態5は、給油がある度に後輪のトー角を意図的に変えていき、そのトー角における給油間の燃費(給油間燃費という。)を求めていくことにより、実質的に給油間燃費が最大になるトー角を決定する技術に関するものである。以下、その詳細な説明をする。図20は、トー角変更制御ECUの構成図である。
図20に示すように、トー角変更制御ECU37は給油入力部51、タイマ42、トー角設定部43、電動機駆動部45、燃費算出部48、給油間燃費テーブル49cを有する燃費情報記憶部49、最適燃費選択部50を備えて構成されている。基本的な機能は実施の形態1、3と共通するので、実施の形態1、3と同じ構成部分についての説明は省略する。
図21を参照して、給油間燃費テーブル49cに記憶される給油間燃費に関する情報の構造について説明する。このテーブルの行には燃費を測定した順番を表す番号が連番で付されている。また、このテーブルの列の項目には、燃費の測定順に順次付される「番号」、試行対象となる「トー角」、そのトー角で測定した「燃費」、入力された「給油量」、給油量が入力された時点におけるオドメーター81が示す「総走行距離」、給油量を「入力した時刻」が設けられている。一例として、番号「1」における給油間燃費に関する情報について説明すると、トー角設定部43にて設定したトー角は「+0.1」に設定されており、トー角を「+0.1」に設定した状態で走行した後に給油したときの給油量は80(l)であり、オドメーター81が示していた総走行距離は10,000(km)であり、その給油量を入力した時刻は2007年1月19日の8:03:00である。このとき、事前に、給油してトー角を「+0.1」に設定した時点の総走行距離を記憶しておくようにする。従って、総走行距離の差を算出し、その差を、トー角を「+0.1」に設定した状態で走行した後に給油したときの給油量80(l)で割ることにより、トー角を「+0.1」に設定した状態の燃費として「15.0」と算出される。
次の給油が2007年1月26日の8:12:00に行われたときに、番号「2」における給油間燃費に関する情報が作成される。番号「2」における給油間燃費に関する情報について説明すると、トー角設定部43にて設定したトー角は「+0.2」に設定されており、トー角を「+0.2」に設定した状態で走行した後に給油したときの給油量は80(l)であり、オドメーター81が示していた総走行距離は11,208(km)であり、その給油量を入力した時刻は2007年1月26日の8:12:00である。従って、前回給油したときの総走行距離の差が11,208−11,000=1,208(km)と算出され、その差を、トー角を「+0.2」に設定した後に給油したときの給油量80(l)で割ることにより、トー角を「+0.2」に設定した状態の燃費として「15.1」と算出される。
このような給油間燃費の算出を番号「3」、「4」、・・・として順次行い、給油間における試行対象のトー角に対する燃費のサンプルデータが収集される。
図21の給油間燃費テーブル49c、図22のフローチャートを参照しながら、給油間において試行するトー角に対応する給油間燃費に関する情報を収集し、給油間燃費テーブルを作成する処理について説明する。
図21の給油間燃費テーブル49c、図23のフローチャートを参照しながら燃費が最大になるトー角を選択し、そのトー角に設定する処理について説明する。
実施の形態5により以下の効果を奏する。つまり、燃費が最大となるトー角を給油の度に記録して学習していく構成をとっているので、実質的に燃費が最大となるトー角を見つけ出すことができる。従って、通勤などのように、決まった経路しか走行しないという運転手にとって、その経路を走行するときの燃費が最適となるトー角を経験的に見つけ出すことができる。
2L、2R 後輪
3 操作ハンドル
4 電動機
SGS 横加速度センサ
ST 操舵トルクセンサ
SV 車速センサ
11 リアサイドフレーム
12 クロスメンバ
13 トレーリングアーム
13a 車体側アーム
13b 車輪側アーム
13c 回転軸
16、17 ボールジョイント
23 電動機駆動回路
30 アクチュエータ
31 電動機
33 減速機構
34 ケース本体
35 送りねじ部
35a ロッド
35b スクリュー溝
35c ナット
35d スクリュー軸
36 ブーツ
37 トー角変更制御ECU
38 ストロークセンサ
100 全輪操舵装置
110 電動パワーステアリング装置
120L、120R トー角変更装置
Sd 地磁気センサ
41 直進状態判定部
42 タイマ
43 トー角設定部
44 メモリ
45 電動機駆動部
46 ナビ入力部
47 直進状態推定部
48 燃費算出部
49 燃費情報記憶部
49a 燃費テーブル
49b 同一経路間燃費テーブル
49c 給油間燃費テーブル
50 最適燃費選択部
60 ナビゲーション装置
61 GPS用コントローラ
62 推測航法部
63 マップマッチング部
64 ナビゲーション部
65 CD−ROM
66 CD−ROM用コントローラ
67 表示制御部
68 表示装置
69 タイマ
70 走行履歴記憶部
70a 走行履歴テーブル
71 同一経路特定部
80 FI
81 オドメーター
Claims (2)
- 車両の走行状態の検出結果から、車両の直進状態を判定する直進状態判定手段と、
車両の直進状態における燃費の向上に適した最適トー角を、運転手の当該車両における走行履歴に基づかないデータとして予め記憶しているアライメント記憶手段と、
前記直進状態判定手段により車両が直進状態にあると判定された場合に、前記アライメント記憶手段に記憶された最適トー角に設定するアライメント設定手段と、を有し、
直進状態が所定時間継続することで前記直進状態判定手段により、車両が直進状態であると判定された場合に、
前記アライメント記憶手段に記憶された最適トー角に設定する、アライメント変更制御装置において、
さらに、
アライメントを、車両の走行中に燃費向上の試行対象となるトー角に設定し、前記設定されたトー角にて走行する際の燃費を算出する試行を、トー角を変更しつつ繰り返す燃費試行手段と、
各試行において、試行対象となるトー角および当該トー角のときに算出された燃費を関連づけ、複数の異なるトー角に対応する燃費に関する情報を前記試行の結果として前記試行を行った時刻とともに記憶する燃費記憶手段と、
前記燃費記憶手段から前記燃費に関する情報を読み出し、前記読み出した燃費に関する情報において、当該燃費が最大になるトー角を選択する選択手段とを有し、
前記選択手段により選択されたトー角に設定することを特徴とするアライメント変更制御装置。 - 前記直進状態判定手段は、進行方向前方における直進状態を推定可能な手段であり、
前記アライメント設定手段は、前記直進状態判定手段により車両が直進状態になると推定された場合、前記アライメント記憶手段に記憶された最適トー角に設定することを特徴とする請求項1に記載のアライメント変更制御装置。
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