JP4542103B2 - 引出し用引出し案内レール - Google Patents

Description

本発明は、最大化された引出し容積に耐え得ると共に、横方向の支持を確実に行うための改良された引出し用引出し案内レールに関する。

従来式の案内レールアセンブリ又は装置は、基本的に、家具部材の一部、特に家具部材の内側側壁に緊締された静止の又は定置の案内と、中間引出しレールと、外側引出し案内とから成っている。これらの従来式の案内レールは、近年、主な欠点を克服するために進歩及び拡張を遂げてきた。前記欠点は、大部分は、案内レールの耐荷重能力及び引出しのずさんな出し入れ運動に関するものである。

既存の案内レールは幾つかの便利な手段を提供するかもしれないが、これら手段のうちの大部分は安定性に欠けている。比較的に重い荷重が引出しにかつ間接的には案内レールにかかっている場合には、前記安定性の欠如には、非常に低い動的安定性及び剛性が含まれる。

上記の状況に対処するための可能な１つの手段は、案内レール内でローラボールを使用することである。前記ローラボールの使用が、レール内で比較的広範な領域にわたる鉛直方向力の吸収及び拡散を支援することが理解される。それにもかかわらず、ローラボールの使用は、制限された負荷しか許容せず、極度の負荷には有効ではないことがある。

市販の引出し案内の他の欠点には、案内レール内におけるローラの接触の不足が含まれる。既存の案内レールの大部分は、案内レールを引出しと一緒にスムーズに出し入れ運動させることを可能にするために、引出し通路の各外面にローラを備えている。このような案内レールは、引出しの荷重が少ない状態では極めて良好に作動し得るが、重い荷重がかかっている場合には有効ではないことがある。

前記欠点を認識して本発明は、さらに、案内レールの安定性を発展させるものである。

本発明の目的は、より高い力吸収能力を提供するように付加的な部材を設けることによって、引出しの、より安定化されかつ安全化された横方向運動を提供すること、及び、大きい引出し荷重を抑制することである。

本発明の目的は、さらに、比較的に重い若しくは軽い引出し、又は負荷された若しくは負荷されていない引出しための運動安定器であって、それぞれの家具の出し入れ運動のために引出しの比較的底面に装着された運動安定器（motion stabilizer）を提供することである。

本発明の一態様によれば、家具部材に関する案内されかつ安定化された出し入れ運動のために組み付けられた案内レールアセンブリが提供される。このアセンブリは、家具部材の内側側壁に取り付けるための定置の案内であって、少なくとも１つの走行面を有しており、該走行面が、上向きに延在するＴ形状を成すフランジである定置の案内と、前記定置の案内の前記走行面において当該定置の案内に対して前後に相対摺動し得るようになっている中間引出し通路セクションであって、該中間引出し通路セクションの上面が第２の走行面を提供している中間引出し通路セクションと、前記定置の案内上で前記中間引出し通路の摺動運動を可能にするために、前記中間引出し通路内に位置決めされた第１のローラベアリングユニットと、前記中間引出し通路において前記中間引出し通路セクションに対して前後に相対摺動し得るようになっている、引出しの下面に取り付けるための外側引出し通路セクションと、前記中間引出し通路上で前記外側引出し通路の摺動運動を可能にするために、前記外側引出し通路内に位置決めされた第２のローラベアリングと、を備えている。前記安定化手段はショルダを有しており、該ショルダが、前記中間引出し通路に対する前記外側引出し通路の相対運動を案内しかつ安定化するために、前記第２のローラベアリングに嵌合されるよう前記安定化手段の各側面から水平に延在させられている。

本発明は、基本的に、家具部材又は何らかの支持構造体内に挿入されている状態、特に著しい重量を収容している状態の引出しの、さらに安定化された運動のための案内レールの装置を提供するものである。

図１及び図４には、本発明の好ましい実施形態による案内レールの全面図が示されている。該案内レールは定置の案内を有しており、該案内は、家具部材の、対向する内壁に組み付けられており、これに伴い、案内レールの１つの構成部材が、引出し自体の底面に組み付けられている。

本発明では、引出しの出し入れ運動は、本明細書においては「定置の案内」として言及されている支持手段によって支持される際に、該支持手段によって案内されかつ安定化されている。

本発明は、定置の案内と、中間引出し通路と、安定化手段と、外側引出し通路と、当該案内レールの並進運動を可能にするためのローラユニットとを備えて成っている。

本発明の本質的な部材は安定器１０であり、該安定器は、取外し可能であって、好ましくは中間引出し通路と外側引出し通路との間に追加されている。

以下に、本発明による案内レールの様々な実施形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。

図１から理解され得るように、定置の案内２０は、好ましくは金属シート又は何らかの適当な材料からＬ形セクションになるように形成されている。Ｌ形セクションブラケットの水平プレートの上部の自由端部は、Ｔ形横断面を形成するように上向きに曲げられており、したがって、中間引出し通路を受容すると共に第１の走行面を形成するように構成されている。この文脈では、このＴ形横断面の高さは、Ｌ形状の定置の案内２０の鉛直面の高さよりもかなり低い。

さらに、Ｌ形セクションの定置の案内２０の前記鉛直面には、緊締穿孔部が設けられており、該緊締穿孔部は、家具部材の内壁を通って取り付けるための適当な緊締手段を収容するように、適合されている。

中間通路３０は、不均等な側面を備えた開放したＣ形セクションの形状を有していて、上部領域に第２の走行面を形成している。通路３０の各側面の上端部及び後端部には、フック状の突出部が打抜き加工されて形成されており、該突出部は、案内レールの出し入れ運動中にローラユニットを定位置に保持するように、内向きに延在している。

本発明による安定器１０は、好ましくは取外し可能であって平面金属プレートの形状を備えていて、軽度に傾斜した両側面を有しており、各側面には、外側引出し通路５０の出し入れ運動を案内しかつ安定化するためにショルダが画定されている。この文脈ではプレートの横方向寸法は、図１から最もよく判るように、中間引出し通路３０の幅よりも相当に大きいが、外側引出し通路５０の幅よりも幾分小さい。前記プレートの上端部には、運動中にローラユニット１５，２５を保持するために、外向きに延在する突出部が打抜き加工されて形成されている。

安定器は、さらに、特に引出しの出し入れ運動中の、案内レールのための支援を行うものであってよい。

さらに図１を参照すれば、外側引出し通路は、さらに、開放したＣ形セクションの形状を備えており、前記引出し通路５０の幅は、実質的に安定器１０を受容するよう構成されていて、該安定器内に摺動し得るようになっている。外側引出し通路５０の上面の後端部には、逆Ｌ字状の延長部が設けられており、該延長部はバックストッパ３５として機能する。これにより、該バックストッパは引出しが引き出される際に当該引出しを保持するようになっている。本発明によれば、外側引出し通路の上面は、さらに引出しの支持及び案内された運動を提供するために、引出しの底面に組み付けられているのが好ましい。

ローラベアリング１５、２５は、適当な収容器によって保持された幾つかの円筒形のローラボディから成っている。これにより、ローラボディ同士の位置合わせは、概ね運動方向に対して平行である。さらに、ローラ収容器の、対向する各面にローラボディが設けられており、したがって該ローラボディは、側方の転がり接触を提供するのに適当な位置に保持されている。この文脈において、第２のローラユニットのローラは、引出しの静止状態中及び出し入れ運動中に安定器を定位置に保持するよう機能する。

以下に、本発明による案内レールの作動上の効果を、添付の図面を参照しつつ説明する。

案内レールが組み立てられると、第１のローラベアリング１５が、前記定置の案内２０の上部走行面の上に相応に配置される。中間引出し通路３０は、第１のローラベアリング１５及び定置の案内２０のＴ形セクションの上方に摺動可能に嵌合している。この関連では、中間引出し通路は第１のローラユニットの助勢によってスムーズに摺動する。

安定器１０は、図１に最も判りやすく示されているように、第２のローラベアリング２５と中間引出し通路との間に配置されているのが好ましい。外側引出し通路５０は、第２のローラベアリング２５及び安定器１０の上に摺動可能に嵌合している。

引出し案内の正常な操作上の使用中には、まず、定置の案内２０が、相応に家具の内側側壁にリベット又はこれに類するものによって緊締される。この関連では、それぞれの家具部材の内側側壁と引出しの外側側壁との間にはギャップが存在し、この結果、引出しの、妨害されない横方向運動が提供される。次いで、第１のローラユニットが、定置の案内２０の走行面の上に、中間引出し通路３０と共に配置される。このプロセスは図１及び図２に示されており、図２には、引出しが引き出された位置で示されている。

次に、図４から最もよく判るように、第２のローラユニットが安定器の上に配置される一方で、分離可能な安定器が前記中間引出し通路３０の上面に組み付けられる。外側引出し通路は、本発明の図３に示されているように、第２のローラユニット及び安定器の上に相応に配置される。この関連では第２のローラユニットは、中間引出し通路と外側引出し通路との間の転がり接触を提供するものである。外側引出し通路は、適当な緊締手段又はこれに類するものによって、引出しの底面に永続的に結合されているか又は固定されている。

本実施形態では中間引出し通路は、第１のローラベアリング及び定置の案内２０の走行面に対して、外側引出し通路と共に相対運動させられ得る。この場合、中間引出し通路３０に先立って走行面の上に相応に配置された第１のローラは、さらに、前記走行面を転動し得る。引出しの水平位置への作動のためには、ローラの２つの接触点が提供される。これらの接触点は、引出しの重量及び荷重に相応しい引出しの安定化の維持を容易化するのに、十分なものである。これにより、第１の接触点は、引出し通路の内側面に存在し、第２の接触点は、引出し通路の、外側の対向側面に存在する。

図３に示されているように、引出しが引き出される場合には、第１のローラユニットは引出し及び中間引出し通路に沿って、中間引出し通路が部分的に引出しの下に位置するレベルまで転動する。その一方で、外側引出し通路は第２のローラユニットと共に、中間引出し通路を越えて延在し、引出しの前端部の近傍に到達する。この場合、バックストッパ３５が引出しを安定化された位置に保持する。

外側引出し通路に荷重がかかった場合には、鉛直方向力が主に第２のローラユニットによって吸収される。これに対して、外側引出し通路から生ぜしめられた力は安定器によって支持され、かつ第１のローラユニットによって吸収される。安定器によって、横方向運動中の案内レールの耐荷重能力が著しく増大される。

上記のことから、異なる２つの転がり接触、すなわち引出し通路内の転がり接触及び通路の各側面における別な転がり接触によって、作動中の高い静的剛性を達成することができる。さらに、付加的な安定器が案内レール内に設けられているので、動的安定性を得ることができる。ローラベアリングは、さらに、本発明の案内レール内の変形運動を防止し得るようになっている。

上記の記載は、本発明の好ましい実施形態を完全に開示するものであるが、様々な変更、代替的な構成及び均等物が、本発明の目的及び範囲を逸脱することなく用いられてよい。

本発明による案内レールアセンブリ部分の分解斜視図である。 図１の案内レールアセンブリを備えた引出しの断面図である。 引出し状態にある図１の案内レールアセンブリを備えた引出しの側面図である。 完全に組み立てられた図１の案内レールアセンブリの斜視図である。

符号の説明

１０ 安定器
１５ ローラユニット
２０ 定置の案内
２５ ローラユニット
３０ 中間引出し通路
３５ バックストッパ
４０ 安定器
５０ 外側引出し通路

Claims (5)

1. 家具部材に関する案内されかつ安定化された出し入れ運動のために組み付けられた引出し案内レールアセンブリであって、
   前記家具部材の内側側壁に取り付けるための定置の案内（２０）であって、少なくとも１つの走行面を有しており、
   前記定置の案内の前記走行面において当該定置の案内（２０）に対して前後に相対摺動し得るようになっている中間引出し通路（３０）であって、該中間引出し通路区分の上面が第２の走行面を提供するようになっている中間引出し通路と、
   前記定置の案内（２０）上で前記中間引出し通路の摺動運動を可能にするために、前記中間引出し通路（３０）内に位置決めされた第１のローラベアリング（１５）と、
   引出しの下面に取り付けるための外側引出し通路であって、前記中間引出し通路（３０）上で該中間引出し通路に対して前後に相対摺動し得るようになっている外側引出し通路（５０）と、
   前記中間引出し通路（３０）上で前記外側引出し通路の摺動運動を可能にするために、前記外側引出し通路（５０）内に位置決めされた第２のローラベアリング（２５）と、を備えて成っている引出し案内レールアセンブリにおいて、
   前記定置の案内の走行面は、上向きに延在するＴ形状を成すフランジであり、
   前記引出し案内レールアセンブリは、前記中間引出し通路（３０）と前記外側引出し通路（５０）との間に取外し可能に位置決めされた安定化手段（１０）をさらに備えており、
   前記安定化手段（１０）がショルダを有しており、該ショルダが、前記中間引出し通路（３０）に対する前記外側引出し通路（５０）の相対運動を案内しかつ安定化するために、前記第２のローラベアリング（２５）に嵌合されるよう前記安定化手段の各側面から水平に延在させられていることを特徴とする引出し案内レールアセンブリ。
2. 前記安定化手段（１０）が、傾斜した側面を有する金属シートの形状を備えている、請求項１記載の引出し案内レールアセンブリ。
3. 前記安定化手段（１０）が、前記中間引出し通路（３０）の幅よりも広幅の幅を有している、請求項２記載の引出し案内レールアセンブリ。
4. 前記安定化手段（１０）が、運動中に前記第２のローラベアリング（２５）を定位置に保留するために、前記安定化手段の上端部に形成された突出部を有している、請求項３記載の引出し案内レールアセンブリ。
5. 前記安定化手段（１０）が、前記中間引出し通路と前記外側引出し通路との間に取外し可能に位置決めされている、請求項１から４のいずれか一項に記載の引出し案内レールアセンブリ。

Images