JP4541001B2 - ポリカーボネート樹脂製造用コモノマー及びその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂製造用コモノマー及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高純度のジエステルジオールからなるポリカーボネート樹脂製造用コモノマー及びその製造方法に関する。
ポリカーボネート(以下、PCと略記することがある。)樹脂は主にビスフェノールAを原料として製造され、耐衝撃性が優れる透明樹脂として広く利用されている。一方で、PC樹脂は絶えず諸特性の改良が要望されている。その改良方法として、ビスフェノールA以外の構造を有する化合物を用いて共重合する手法などが用いられている。例えば、脂肪鎖を導入することにより、流動性が向上することが知られている。
また、ポリアルキレンエーテルグリコール−ビス(ヒドロキシ安息香酸エステル)を用いてポリエーテル−ポリカーボネートブロック共重合体を製造することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、ポリアルキレンエーテルグリコール−ビス(ヒドロキシ安息香酸エステル)については、精製操作が行われていない。
また、ポリアルキレンエーテルグリコール−ビス(ヒドロキシ安息香酸エステル)は、PC樹脂製造用以外に、ポリウレタンやエポキシ樹脂の製造に用いることが提案され、その合成方法も開示されているが、この場合も特に精製操作についての記載はない(例えば、特許文献2及び3参照)。
PC樹脂の製造方法としては、界面重合法や溶融重合法などが知られており、そのうち、界面重合法により、ポリアルキレンエーテルグリコール−ビス(ヒドロキシ安息香酸エステル)を原料としてPC共重合体を製造する場合、洗浄工程において水相と有機相の分離が遅くなったり、分離が困難になるという問題があった。
特開昭62−79222号公報 特開昭60−79072号公報 特開2002−173465号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ジエステルジオールを用いたポリカーボネート共重合体を製造する際に、水相と有機相とが容易に分離し得る高純度のジエステルジオールからなるポリカーボネート樹脂製造用コモノマー及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、後述する一般式(I)で表されるポリアルキレンエーテルグリコール−ビス(ヒドロキシ安息香酸エステル)において、その合成原料に由来する不純物の含有量を制御することにより、上記目的が達成されることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記のポリカーボネート樹脂製造用コモノマー及びその製造方法を提供するものである。
1. 下記一般式(I)
Figure 0004541001
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。p及びqは0〜4の整数であり、rは2〜450の整数である。)
で表され、下記一般式(II)
Figure 0004541001
(式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸類の含有量が0.05質量%以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
2. 下記一般式(III)
Figure 0004541001
(式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類の含有量が1.0質量%以下である上記1に記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
3. 一般式(I)において、rが2〜200である上記1又は2に記載のポリカーボネ
ート樹脂製造用コモノマー。
4. 下記一般式(II)
Figure 0004541001
(式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
で表されるヒドロキシ安息香酸類又は下記一般式(III)
Figure 0004541001
(式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類と、ポリアルキレンエーテルグリコールとをエステル化反応させて得られる上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
5. 下記一般式(II)
Figure 0004541001
(式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
で表されるヒドロキシ安息香酸類又は下記一般式(III)
Figure 0004541001
(式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類と、ポリアルキレンエーテルグリコールとをエステル化反応させて、下記一般式(I)
Figure 0004541001
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。p及びqは0〜4の整数であり、rは2〜450の整数である。)
で表される化合物を含む反応混合物を得た後、該反応混合物をアルカリ性水溶液で処理することを特徴とするポリカーボネート樹脂製造用コモノマーの製造方法。
6. アルカリ性水溶液のpHが8〜11である上記5に記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマーの製造方法。
本発明によれば、ジエステルジオールを用いた界面重合法によるPC共重合体の製造に好適な、高純度のジエステルジオールからなる原料を提供することができる。
本発明のPC樹脂製造用コモノマーは、下記一般式(I)
Figure 0004541001
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。p及びqは0〜4の整数であり、rは2〜450の整数である。)
で表される化合物である。上記一般式(I)において、R1 及びR2 で示されるアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。R1 が複数ある場合、複数のR1 は互いに同一でも異なっていてもよく、R2 が複数ある場合、複数のR2 は互いに同一でも異なっていてもよい。Yで示される炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチリデン基、ペンチレン基及びイソペンチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基及びイソペンチリデン基などのアルキリデン残基が挙げられる。rは2〜200であることが好ましく、より好ましくは6〜70である。
本発明において、上記PC樹脂製造用コモノマーは、下記一般式(II)
Figure 0004541001
(式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸類の含有量が0.05質量%以下であることを要し、好ましくは0.01質量%以下である。上記PC樹脂製造用コモノマーにおいて、不純物としてのヒドロキシ安息香酸類の含有量を0.05質量%以下とすることにより、PC樹脂を界面重合法で製造する際の洗浄工程において、水相と有機相との分離が良好となる。
上記一般式(II)で表されるヒドロキシ安息香酸類としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、及びそれらベンゼン環上に炭素数1〜3のアルキル基が置換したものなどが挙げられる。
本発明において、上記PC樹脂製造用コモノマーは、さらに下記一般式(III)
Figure 0004541001
(式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類の含有量が1.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。上記PC樹脂製造用コモノマーにおいて、不純物としてのヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類の含有量を1.0質量%以下とすることにより、PC共重合体を界面重合法で製造する際の洗浄工程において、水相と有機相との分離がより一層良好なものとなる。なお、上記一般式(III)において、R5 で示される炭素数1〜10のアルキル基としては、上述した炭素数1〜3のアルキル基に加えて、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基などが挙げられる。
上記一般式(III)で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類としては、上記ヒドロキシ安息香酸類のアルキルエステル体が挙げられ、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル及びp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルエステルなどが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるPC樹脂製造用コモノマーは、上記一般式(II)で表されるヒドロキシ安息香酸類又は上記一般式(III)で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類と、ポリアルキレンエーテルグリコールとをエステル化反応させることにより、製造することができる。ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール及びポリプロピレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
ヒドロキシ安息香酸類とポリアルキレンエーテルグリコールとの脱水反応(エステル化)に際し、反応溶媒としてトルエンやキシレンなどを用いることができる。反応は、溶媒の沸騰温度で水を共沸除去しながら行う。その際、触媒を適宜加えてもよい。触媒としては、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、TiやSn等の有機金属触媒などを挙げることができる。
ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類とポリアルキレンエーテルグリコールとの脱水縮合反応(エステル化)に際し、両者を、窒素等の不活性ガス雰囲気中で、あるいは減圧条件でアルキルエステルに対応するアルコールを脱離させながら反応を行う。反応は、通常、無溶媒反応であり、反応温度は、通常140〜230℃程度である。その際、触媒を適宜加えてもよく、触媒としてはTiやSn等の有機金属触媒を用いることができる。
本発明においては、上記エステル化反応により得られる、上記一般式(I)で表される化合物を含む反応混合物をアルカリ性水溶液で処理することにより、上記一般式(II)で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸類、上記一般式(III)で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類の含有量を、上記所定量以下とすることができる。上記アルカリ性水溶液による処理としては、アルカリ性水溶液と有機溶媒で液−液抽出し、不純物をアルカリ性水溶液に溶解させ、上記一般式(I)で表される化合物を有
機溶媒に溶解させることにより、目的物と不純物とを分離する方法を用いることができる。
上記アルカリ性水溶液としては、pHが8〜11のものを用いることが好ましい。アルカリ性水溶液のpHが8以上であると、不純物の有機溶媒への分配比が低くなるので、精製度が向上する。また、アルカリ性水溶液のpHが11以下であると、上記一般式(I)で表される化合物のアルカリ性水溶液への分配比が低くなるので、収率が向上する。
上記アルカリ性水溶液としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)の水酸化物や炭酸塩、炭酸水素塩などの水溶液を用いることができる。
上記有機溶媒としては、上記一般式(I)で表される化合物を溶解し、水溶液と分離し
て二相を形成するものであればよく、特に限定されない。例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族や脂環式炭化水素類、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類を用いることができる。なお、有機溶媒相と水相との二相分離は、静置により行っても遠心分離により行ってもよい。
不純物として、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類を効率よく除去するため、上記アルカリ水溶液による処理操作の前処理としてアルカリ加水分解処理を行なってもよい。アルカリ加水分解は、上記アルカリ水溶液による処理と同様の条件で行なってもよいし、反応促進のためpHを11以上又は酸性条件で行った後にpHを8〜11に調整してもよい。また、加熱してもよい。アルカリ加水分解処理の反応場としては、水溶液単相でも、水溶液/有機溶媒との二相でもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例における不純物量は下記の方法で測定した。
<不純物の測定方法>
下記の条件のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)により、標準品により作成した検量線に基づいて定量した。
カラム:GLサイエンス社製ODS−3
カラム温度:40℃
溶媒:0.5質量%リン酸水溶液とアセトニトリルの容量比1:2混合液
流速:1.0mL/分
比較例1
窒素導入管、真空装置、温度計及び攪拌機を備えた内容積1Lフラスコに、Mn(数平均分子量)=2000のポリテトラメチレングリコール200g(0.1モル)、p−ヒドロキシ安息香酸メチル30.4g(0.2モル)、テトラブチルチタネート2mL及び酢酸マグネシウム0.5gを入れた。混合物が溶融するまで、窒素中で80〜100℃に加熱した。次に混合物を真空下で230℃にゆっくり加熱した。次に、混合物を真空下で冷却し、対応するポリテトラメチレングリコールビス(p−ヒドロキシ安息香酸エステル)を得た。この化合物中の不純物量を表1に示す。
実施例1
比較例1で得られた化合物50gを塩化メチレン400mLに溶解させ、攪拌機付きの内容積2Lフラスコに投入した。ここに濃度0.3mol/LのNaHCO3 水溶液400mLを加えて混合し、静置分離して塩化メチレン相を取り出した。塩化メチレン相に水200mLを加えて混合し、静置分離して塩化メチレン相を取り出した。塩化メチレンをエバポレータで留去し、40℃で一晩減圧乾燥した。得られた精製物中の不純物量を表1に示した。
実施例2
比較例1において、ポリテトラメチレングリコールに代えてMn=3400のポリエチレングリコール340g(0.1モル)を用いた以外は比較例1と同様に反応を行い、対応するポリエチレングリコールビス(p−ヒドロキシ安息香酸エステル)を得た。この化合物を、実施例1と同様の方法で精製した。得られた精製化合物中の不純物量を表1に示す。
比較例2
保護ガス導入管を有する反応容器中にMn=1000のポリテトラメチレングリコール800g(0.8モル)及びp−ヒドロキシ安息香酸メチル243g(1.6モル)を投入し、140℃に加熱して均質化した。ここにオクタン酸錫3.9gを添加し、180℃に加熱して、メタノールの離脱を開始させた。メタノールの離脱が終結した後、180℃で1時間攪拌し、その後、生成物を冷却し、対応するポリテトラメチレングリコールビス(p−ヒドロキシ安息香酸エステル)を得た。この化合物中の不純物量を表1に示す。
実施例3
比較例2で得られた化合物50gを実施例1と同様にして精製した。不純物量を表1に示す。
実施例4
比較例2で得られた化合物50gを0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液400mLに溶解し、攪拌機付きの内容積2Lフラスコに投入して1時間攪拌した。ここに濃度2mol/L塩酸を徐々に滴下し、pHを9に調整した。塩化メチレン400mLを加えて混合し、静置分離して塩化メチレン相を取り出した。塩化メチレン相に水200mLを加えて混合し、静置分離して塩化メチレン相を取り出した。塩化メチレンをエバポレータで留去し、40℃で一晩減圧乾燥した。得られた精製品中の不純物量を表1に示す。
比較例3
ディーン・スターク装置及び窒素導入管を取り付けた内容積1Lの反応容器に、ポリテトラメチレングリコール(Mn=1000)500g(0.5モル)、p−ヒドロキシ安息香酸138g(1.0モル)、シュウ酸チタンカリウム0.26g(0.0007モル)及びキシレン100g仕込んだ。190℃でキシレン還流下、脱水縮合(エステル化)反応を行った。反応は5時間で終了した。反応後キシレンを留去し、対応するポリテトラメチレングリコールビス(p−ヒドロキシ安息香酸エステル)を得た。この化合物中の不純物量を表1に示す。
実施例5
比較例3で得られた化合物50gを実施例1と同様にして精製した。不純物量を表1に示す。
Figure 0004541001
参考例1(PC共重合体の製造)
(1)PCオリゴマーの調製工程
濃度5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、ビスフェノール(BPA)濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。内径6mm、管長30mの管型反応器に、上記ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr及び塩化メチレンを15L/hrの流量で連続的に通すと共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器から送出された反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにBPAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で供給し、29〜32℃で反応を行った。槽型反応器から、反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度329g/L、クロロフォーメート基濃度0.74モル/Lであった。
(2)PC共重合体の重合工程
邪魔板4枚、パドル型撹拌翼を備えた内容積1Lの槽型反応器に、上記(1)の工程で得たオリゴマー溶液137mL、塩化メチレン88mL、比較例1で得られた化合物5gを仕込んだ。次いで、トリエチルアミン85μLを仕込み、さらに6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液18mLを撹拌下に添加し、10分間反応を行った。
塩化メチレン10mLに溶解したp−tert−ブチルフェノール1.18g、ビスフェノールA8.1gを溶解した6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液71mLを投入して更に50分間反応を続けた。
(3)洗浄工程
上記(2)の工程で得られた反応液に塩化メチレン100mLを加えた後、撹拌を継続しながら反応液50mLを50mLメスシリンダーに取り、静置した。メスシリンダー中の溶液の分離状況を観察し、塩化メチレン相が溶液液面から離れるまでの時間を測定し、分離時間とした。
残りの溶液は、塩化メチレン相を分離し、その溶液に対して15体積%の0.03モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、0.2モル/Lの塩酸で洗浄し、更に純水で2回洗浄を行い、洗浄後の水相の電気伝導度が0.01μS/m以下になったことを確認した。
(4)フレーク化工程
上記(3)の工程で得られたPC樹脂の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下に100℃にて乾燥処理した。得られたPC樹脂の粘度数をISO 1628−4(1999)に準拠して測定した。結果を表2に示す。
参考例2〜8
参考例1(2)において、比較例1で得られた化合物の代わりに、実施例1〜5、比較例2,3で得られた化合物を用いた以外は、参考例1と同様に行ない、同様の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004541001
本発明のPC樹脂製造用コモノマーを用いれば、PC共重合体を生産性良く製造することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004541001
    (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。p及びqは0〜4の整数であり、rは2〜450の整数である。)
    で表され、下記一般式(II)
    Figure 0004541001
    (式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
    で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸類の含有量が0.05質量%以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
  2. 下記一般式(III)
    Figure 0004541001
    (式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
    で表される不純物としてのヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類の含有量が1.0質量%以下である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
  3. 一般式(I)において、rが2〜200である請求項1又は2に記載のポリカーボネー
    ト樹脂製造用コモノマー。
  4. 下記一般式(II)
    Figure 0004541001
    (式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
    で表されるヒドロキシ安息香酸類又は下記一般式(III)
    Figure 0004541001
    (式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
    で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類と、ポリアルキレンエーテルグリコールとをエステル化反応させて得られる請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマー。
  5. 下記一般式(II)
    Figure 0004541001
    (式中、R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。sは0〜4の整数である。)
    で表されるヒドロキシ安息香酸類又は下記一般式(III)
    Figure 0004541001
    (式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。tは0〜4の整数である。)
    で表されるヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類と、ポリアルキレンエーテルグリコールとをエステル化反応させて、下記一般式(I)
    Figure 0004541001
    (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。p及びqは0〜4の整数であり、rは2〜450の整数である。)
    で表される化合物を含む反応混合物を得た後、該反応混合物をアルカリ性水溶液で処理することを特徴とするポリカーボネート樹脂製造用コモノマーの製造方法。
  6. アルカリ性水溶液のpHが8〜11である請求項5に記載のポリカーボネート樹脂製造用コモノマーの製造方法。
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