JP4538916B2 - 超音波振動子駆動モータ装置とそれを使用した超音波診断装置 - Google Patents

超音波振動子駆動モータ装置とそれを使用した超音波診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置の超音波振動子駆動モータ装置とそれを使用した超音波診断装置に関するものである。特に、超音波振動子の信号を伝達するためのスリップリングとその周辺の部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体を対象とした超音波診断装置などに用いる超音波プローブとしては、大別してリニア走査方式とセクタ走査方式とがあり、セクタ走査方式には、主として電子セクタ走査方式とメカニカルセクタ走査方式とがある。このメカニカルセクタ走査型超音波プローブとしては、医歯薬出版株式会社発行「超音波検査入門(第2版)」54頁に記載された種類と方法が知られている。
【0003】
従来、超音波プローブ(超音波探触子、超音波診断用プローブともいう)は、たとえば、特開平7−184888号公報及び特開平7−163562号公報、特開平7−289550号公報に記載されたもの等が知られている。
【0004】
特開平7−289550号公報に開示されている超音波プローブは、超音波振動子を超音波プローブのハンドル軸方向に向かうように取り付け、その超音波振動子に対向して音響ミラーを設けた超音波送受信部と振動子の取付台に連結したシャフトを回転駆動する駆動モータに接続している。駆動モータの回転によって、超音波送受信部はシャフトを中心に回転し、超音波振動子のビームは音響ミラーで反射されるので、超音波振動子の駆動軸に対して反射された面でのビーム軌跡面となる。音響ミラーの傾斜角度によるが、一般的には45度の傾斜面のため、ビーム軌跡面は駆動軸に対して垂直な面になる。
【0005】
駆動モータが超音波振動子に比べてハンドル部側に構成されているために、シャフトで超音波振動子の取付台を回転させるために駆動軸に対して軸変換の音響ミラーが必要であるうえに、ビーム軌跡面は超音波プローブのハンドル軸方向に対して垂直な面である超音波断層画像となっている。
【0006】
超音波振動子の信号授受手段としてはロータリトランスであり、モータの回転軸方向でモータと超音波振動子との間に構成されている。ロータリトランスは回転軸に超音波振動子側のロータリトランスを取り付け、もう一方のロータリトランスを軸方向に対向させて外層の細経チューブに取り付けられている。
【0007】
ロータリトランスの代わりにスリップリング機構を用いているが、スリップリングは軸に付けた電極部があって、外層の細経チューブにブラシが間接的に取り付けられている。
【0008】
駆動モータには直接超音波振動子は取り付けられていないうえに、駆動モータの軸が回転し、駆動モータから飛び出した軸は片方向である。
【0009】
特開平7−163562号公報に開示されている超音波プローブは、超音波振動子を超音波プローブのハンドル軸方向に対してラジアル方向に向かうように取り付けられているので、特開平7−289550号公報にある音響ミラーは不要である。その超音波振動子の取付台の軸を間接的に駆動モータのシャフトに連結している。駆動モータの回転によって、超音波振動子の取付台はシャフトの軸に合わせて回転し、超音波振動子のビーム軌跡面は駆動軸に対して垂直な面となる。駆動モータの取り付けは特に記載はないが、図から判断してシャフト回転であるのでモータの外装部材を固定している。
【0010】
駆動モータが超音波振動子に比べてハンドル部側に構成されて、シャフトで超音波振動子の取付台を回転させるためにビーム軌跡面は超音波プローブのハンドル軸方向に対して垂直な面である超音波断層画像を得る。
【0011】
特開平7−184888号公報、特開平7−163562号公報、特開平7−289550号公報に記載された超音波診断装置はもう1軸ないために2次元超音波断層画像しか得られない。
【0012】
また、特公平1−31373号公報に開示されている超音波プローブは、プローブ本体部の中に駆動モータと駆動モータの回転方向を切り替えて振動子側に伝達するギヤクラッチとからなる回転駆動機構が内蔵されている。信号ケーブルで接続された超音波振動子はウインドウケース内で少なくとも180度の範囲で自動またはマニュアル操作により往復揺動回転することができる。しかし、この超音波プローブは、超音波振動子の回転方向の切り替えにギヤクラッチを使用しているために超音波振動子のビーム軌跡面はメカ的に移動規制された角度範囲を揺動することによる断層画像が得られる。
【0013】
また、特開昭61−226024号公報は面上に超音波振動子を複数個配列し、順次付勢させるプローブに関するものであり、ロータに超音波振動子を配置していてハウジングでロータの中心軸を支承し、ハウジングから外周部に飛び出た軸にクランク機構を連結して、その先にモータを取り付けた構造である。ロータの中心軸はハウジングに支承されているが、ハウジング自体は固定している。クランク機構があるので、モータの回転に合わせて、一定の回転速度が得られにくいなど課題がある。また、特開平6−315281号公報は圧電アクチュータに関するものであるが、3次元観測装置は圧電アクチュータに取り付けられた超音波振動子(超音波送受信素子)の2次元画像をエンコーダ位置とを使用し3次元画像処理するものである。この圧電アクチュータの支持方法は電極でもある静止部材にもう一方の電極として支持している。
【0014】
また、電気的安全性を確保しつつ外部からのノイズに対するモータ装置への影響を低減するために、信号ラインのケーブルを同軸にするなど、いろいろな工夫がなされている。特開平9−308634号公報では信号ケーブルとグランド間にコンデンサーを設けるものであって、モータ装置について記されていない。モータ装置は設置場所などによって、対策方法が異なるために、現象が発生した時点で対策を講じている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のメカニカルセクタ走査型超音波プローブでは、超音波振動子を回転体に取り付けるために、信号授受をする機構を設ける必要があり、その機構にスリップリングとロータリトランスがある。
【0016】
スリップリングはロータリトランスに比べると摺動部品であるために寿命が短いが、接触している関係で周波数特性が良くなる。そのために超音波振動子の超音波の周波数を高くしても伝送効率が劣化することがない。ロータリトランスは非接触であるために、モータのトルクが小さな小型モータの場合は接触負荷として作用しないために、トルク的に余裕が出てきて回転なども安定する。スリップリングの場合には摺動負荷がモータの発生トルクに占める割合が大きくなり、起動などが不安定になる。
【0017】
以上のようにスリップリングには長短があるが、小形のモータ装置にスリップリングを使用する場合には、スリップリングのブラシと電極が接点摺動するために以下のような課題がある。
【0018】
(1)摺動負荷がある。
【0019】
(2)摺動低減のためには接点部の位置を内側にすればよいが、小形モータ装置の場合には部品構成上不可能な場合が多い。
【0020】
(3)サイズ的に決定してしまえば、摺動性を安定にすることが必要。
【0021】
(4)超音波振動子駆動モータ装置を小形にするために組立易くなくてはならない。
【0022】
(5)超音波振動子に印加する電圧は約100〜150VDCで、パルス的に印加されるので、接点飛びがあるとスパークが飛ぶために、寿命が短くなる。
【0023】
(6)電極部を絶縁する必要がある。
【0024】
(7)スリップリング部のシールドができない。
【0025】
(8)2次元の超音波断層画像が得られる超音波振動子駆動モータ装置であれば、ブラシ側を固定側にする構成であって、外部への接続にはリード線などで空間を通って構成できる。ブラシ側を固定する部材も動く場合は信号線の引き回しが大変である。
【0026】
超音波プローブを機構的に見ると以下のような課題がある。
【0027】
(1)従来例の超音波プローブは駆動モータ軸の1軸しか軸がないために、2次元超音波診断像しか得られない。
【0028】
(2)超音波振動子とそれを駆動する駆動モータの構成部材全体を回転させる方法で3次元機構化が可能である。しかしコンパクトに3次元機構化するためには、駆動モータと超音波振動子の位置関係において、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子が構成するようにする必要があるが、従来例では超音波振動子は駆動モータの内部軸の範囲外に構成されているので、全体を回転させる機構にするためには非常に大きな超音波プローブとなり、実用上使用できないものとなってしまう。
【0029】
(3)従来例の2次元断層画像は超音波振動子のビーム軌跡面は超音波プローブのハンドル軸に対して垂直な面であり、ハンドル軸に対して平行なビーム軌跡面でないために産婦人科や泌尿科などが使用する体腔内走査には十分な診断ができない。
【0030】
(4)また、超音波振動子にケーブルが直接接続されている場合などは、超音波振動子での画像範囲が限定されるために測定範囲が狭くなり患部などの診断では超音波プローブの挿入方向を変更して何度も画像の測定を行う必要があるうえに、機構的に診断することができない範囲が増える。
【0031】
従来例でもってコンパクトに3次元機構化するためには、
(1)駆動モータと超音波振動子の位置関係において、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子が構成する機構にする必要がある。
【0032】
(2)駆動モータ部全体を揺動させる機構部にて駆動モータ部を支持するために、スリップリングからの信号線の引き回しは揺動部の運動機構学的に構成部材を見直す必要がある。
【0033】
本発明は、上記従来の問題を解決するためにスリップリングとその周辺の部材を電気的に安全に、摺動特性を安定に構成されたものにし、超音波走査を3次元的に確保することができ、小形、軽量で走査可能な超音波振動子駆動モータ装置とそれを使用した3次元走査超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、まず、超音波振動子を駆動するモータ装置を、小形で走査面を広くするために、超音波振動子のビーム軌跡面をハンドル軸に平行な面に形成できるように駆動モータの駆動軸をハンドル軸に対して垂直に構成する。さらに、超音波伝播媒質を内包しウインドウケース内に、駆動モータの駆動軸とビーム面を揺動する揺動軸の2つの軸を構成した超音波振動子駆動モータ装置を構成する。
【0035】
そのために、駆動モータのロータフレームに超音波振動子を取り付け、駆動モータの駆動軸におけるモータの範囲内にビーム面を構成する。
【0036】
駆動モータの駆動軸を介して支承する支柱部をベースハウジングの2カ所に構成する。ベースハウジングに構成した2カ所の支柱部は平行に、駆動モータの両側に構成されてウインドウケース近傍に配置する。
【0037】
ロータフレームには2個の超音波振動子を180度回転位置に取り付ける場合や、3個の超音波振動子を120度回転位置に取り付ける場合がある。さらに超音波振動子の信号授受手段としてのスリップリングがあって、1個の超音波振動子に対してはグランド用電極と信号用電極の2つのスリップリング電極が必要である。複数個の超音波振動子を取り付ける場合、スリップリングの電極の数も多くなるのでグランドの電極は共通化する。また同時に、小形のモータ装置にするため、形状的にも組立易くするために、以下の手段を行う。
【0038】
(1)円筒形状である。
【0039】
(2)円筒形状の内周部を電気的に接続するための端子を形成する。
【0040】
(3)グランド電極の場合は共通化して、1つの電極に複数個の端子を構成する。
【0041】
(4)2個の超音波振動子の場合はグランド用電極の端子は2個である。
【0042】
(5)端子部にはリード線を通して半田付けする穴がある。
【0043】
(6)端子部には段差を設ける。
【0044】
(7)端子部には半田付けのためのU字状切欠きがある。
【0045】
(8)円筒部の内面の絶縁にはフェノール樹脂を採用する。
【0046】
(9)電極間の絶縁には高分子樹脂シートを採用する。
【0047】
(10)電極とロータフレームの絶縁には高分子樹脂シートを採用する。
【0048】
また、駆動モータの軸受を支承するベースハウジングが前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な揺動平面(揺動平面bとする)上を、つまりビーム軌跡平面に直交し、駆動軸を通る揺動平面上を揺動することができる。ベースハウジングを揺動させるためにベースハウジングに揺動曲率半径のレールを設ける。その揺動軸は駆動モータのベースハウジングにおける2つの支承点の範囲内に構成される。さらに、駆動モータが搭載されたベースハウジングの揺動をレールで支承する案内部を形成したシャーシで構成されている。
【0049】
駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承する支柱部をベースハウジングの2カ所に構成する。その2カ所の支柱部にはさまれて駆動モータを配置する。
【0050】
さらに、スリップリングの負荷を低減するために、
(1)スリップリングの電極の溝形状をV溝形状、U溝形状にする。電極形状を所定形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができる。また衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシ寿命が延びる。
【0051】
(2)スリップリングの電極におけるV溝形状のV溝角度を所定の角度範囲にする。この場合も同様に、電極形状を所定形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができる。また衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシ寿命が延びる。
【0052】
(3)スリップリングの1つの電極に2つのブラシを接触させる。2つのブラシがあるために、一方のブラシが電極から飛び跳ねても、もう一方のブラシは電極に接触しているので、電極とブラシは常に接続されていることになる。
【0053】
(4)スリップリングの電極とブラシとの接触点の接触角が所定角度の範囲に設置できる部品の寸法にする。接触角によっては、同じブラシ圧での摺動負荷が異なるので、安定な摺動負荷になるようにする。
【0054】
(5)ブラシの硬度と電極の硬度とに硬度差をもたせる。たとえば、ブラシの方は金、プラチナの合金で硬度を高くし、電極の方は金メッキを施す。
【0055】
(6)電極には金メッキに下地を行う。
【0056】
また、スリップリングの電極を絶縁するために、
(1)電極の間に、電極と同等程度の高分子樹脂シートを挟み込む。
【0057】
(2)金属のロータフレーム部材との間にフェノール樹脂を介在させて電極を嵌合させる。
【0058】
また、ブラシを安定にするために、電極の溝形状や2本ブラシでの接触や接触角以外にも、電極の間に挟む高分子樹脂シート(または、高分子材料のシート、絶縁シートともいう)をスリップリングの電極径より大きくして、ブラシが絶縁シートを飛び越して隣接する電極に入り込まないようにするなどの工夫をする。
【0059】
また、ブラシの間隔を規制するためにブラシホルダを用いる。ブラシホルダにはI/O線の可撓性基板が接着固定され、その可撓性基板にブラシを半田付けしている。ブラシを可撓性基板に半田接続するためには、個々の半田部が他のブラシに接触しないように、千鳥半田できるように可撓性基板にランドが設けられている。
【0060】
また、外部からのノイズで、画像やモータの制御に影響がないように、以下のような手段を採用している。
【0061】
(1)振動子のグランドは共通にし、グランドのインピーダンスを低くする。グランド電極がある場合は超音波振動子のグランドをその電極に配線する。たとえば、ロータフレームに超音波振動子が2個構成される場合は、2個の超音波振動子のグランドが同じスリップリングの電極に接続する。また、ロータフレームに超音波振動子が3個構成される場合は、3個の超音波振動子のグランドを同じスリップリングの電極に接続する。
【0062】
(2)スリップリングの電極はウインドウケースに近い所に構成されるので、電極のグランドはウインドウケースに近い方に配置する。すなわち、ロータフレームに複数個の電極が構成する場合は外側にグランドのスリップリングの電極をもってくる。
【0063】
(3)また、複数個の超音波振動子をロータフレームに取り付ける場合は、振動子の周波数の高い方の電極をモータの内側になるように構成する。
【0064】
(4)超音波振動子のグランドをロータフレームに電気的接続をする。
【0065】
(5)超音波振動子の信号を外部に取り出すために、モータの制御信号への影響がないようにその可撓性基板にグランドの可撓性基板を平行に重ね合わせる構成にする。
【0066】
さらに、超音波伝播媒質を内包しウインドウケース内に、駆動モータの駆動軸とビーム面を揺動する揺動軸の2つの軸を構成した超音波振動子駆動モータ装置を構成させる。
【0067】
そのために、駆動モータの駆動軸におけるモータの範囲内にビーム面を構成し、駆動モータのロータフレームに超音波振動子を取り付ける。
【0068】
駆動モータの軸受を支承するベースハウジングが前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な揺動平面(揺動平面bとする)上を、つまり、ビーム軌跡平面に直交し、駆動軸を通る揺動平面上を揺動することができる。
【0069】
駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介してベースハウジングに支承する。
【0070】
ベースハウジングには駆動軸を支承するための支柱部が構成され、その支柱部には駆動軸を支承するための円筒部とその円筒部に繋がった平行な面を有する開口部があり、その開口部は外部に繋がっている。
【0071】
駆動モータを装着するために、支柱部の開口部に軸受カラーの切欠き部を支柱部の円筒部まで挿入し、その後軸受カラーの円筒部を回転させて軸受カラーが支柱部から抜けないようにする。
【0072】
ベースハウジングに設けた2カ所の支柱部は平行に配置され、駆動モータの両側に構成されて、ウインドウケース近傍に配置され、中央部のベースハウジングよりも幅寸法が小さい支柱部で駆動モータを両持ち支持して、モータ装置の剛性を強くしている。
【0073】
駆動軸と軸受カラーとベースハウジングとは接着剤で固定して、モータ装置の剛性を高めている。
【0074】
軸受カラーには支柱部の円筒部径よりも大きなフランジ部があり、そのフランジ部はベースハウジングの支柱部の内側に当接して取り付ける。
【0075】
駆動モータのコイルに接続したリード線を駆動軸の一部を切欠いた部から通し、軸受カラーの駆動軸の支持穴を通して、ハンドル部側へ接続する。
【0076】
本発明による電子−機械走査式の3次元走査用超音波振動子駆動モータ装置によって、超音波伝播媒質を内包しウインドウケース内に、駆動モータの駆動軸とビーム面を揺動する揺動軸の2つの軸を構成した超音波振動子駆動モータ装置を構成させ、超音波プローブのハンドル軸に対して平行なビーム軌跡面で超音波断層画像が得られ、その断層画像を揺動軸を中心にしてベースハウジングを揺動することで3次元の超音波断層画像が合成表示できる超音波診断装置が可能となる。
【0077】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して、回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が前記両支柱部の間にあって、駆動モータのロータフレームの端部に構成され、そのスリップリングのブラシはベースハウジング側に取り付けられた構造で、前記超音波振動子からの受信信号を受けて、超音波画像を生成して診断する超音波診断装置に使用する超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、駆動モータと超音波振動子の位置関係において、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子を構成する機構となっているのでコンパクトに3次元機構化することができる。ハンドル軸とシャーシ軸は同一方向を向いており、駆動モータ軸はハンドル軸に対して垂直であり、超音波振動子のビーム軌跡面はハンドル軸に対して平行な走査面よりなる超音波断層画像を得ることができる。また、揺動軸が駆動軸に対して直交しているうえにビーム軌跡面に対して揺動面は直交していて、ベースハウジングを揺動することでビーム軌跡面を揺動軸を中心にして軌跡させることができる。ロータフレームの外周に取り付けた超音波振動子の信号の授受にはスリップリングを使用しているので、周波数特性が良く、伝達効率の劣化が少ない状態で超音波の周波数を高くすることができる。また、ロータフレームの端面側にスリップリングを構成していて、駆動モータの両側にはベースハウジングの支柱部があり、その支柱部により支承されているので、駆動モータの回転は安定しているうえに、超音波振動子も駆動モータの中央部に存在するので、安定した鮮明な画像が得られ、コンパクトな機構の超音波振動子駆動モータ装置が可能であるという作用を有する。
【0078】
請求項2に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して、回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングで駆動モータの駆動軸を支承し、ベースハウジングはプローブのシャーシと一体になった超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が前記両支柱部の間にあって、駆動モータのロータフレームの端部に構成され、そのスリップリングのブラシはベースハウジング側に取り付けられた構造で、前記超音波振動子からの受信信号を受け、超音波画像を生成して診断する超音波診断装置に使用する超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、駆動モータの端面にスリップリングを構成することで、コンパクトなモータ装置となり、超音波振動子の授受信号を短いリード線で接続でき、駆動モータのロータフレーム外周部に超音波振動子を取り付けているので、ウインドウケースとの距離も短くでき、超音波の減衰が少なく、超音波画像が鮮明になるうえに、スリップリングを使用していることで、超音波振動子の周波数が高いものも使用できる。さらに駆動モータを軸受を介して支承するベースハウジングをプローブのシャーシに取り付けることにより、コンパクトで剛性の強いモータ装置ができるという作用を有する。
【0079】
請求項3に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、その2個の超音波振動子は180度の回転位置になっていることが特徴の請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子駆動モータ装置に、2個の超音波振動子を搭載することで、その2個の超音波振動子の周波数を異なるものにすることで、1つの超音波プローブで2種類の深度をもつ距離分解能の異なったものとして扱うことができ、素子への信号の切り替えをすることにより、2つの深度の異なった超音波画像が可能になり、迅速な超音波診断が可能となるという作用を有する。
【0080】
請求項4に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子が、ロータフレームに3個取り付けられ、その3個の超音波振動子は120度の回転位置になっていることが特徴の請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子駆動モータ装置に、3個の超音波振動子を搭載することにより、その3個の超音波振動子の周波数を異なるものにすることで、1つの超音波プローブで3種類の深度をもつことができる。周波数が高くなると超音波の減衰が大きくなるために、深度の深い部分で診断ができなくなるので、1つの超音波プローブで振動数の異なる超音波振動子を切り替えて使用することで、3つの深度の異なった超音波画像ができ、よりよい超音波診断が可能となるという作用を有する。
【0081】
請求項5に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータの回転側スリップリングの電極が円筒形状で、その電極の内側の一部に凸形状の端子部が構成されたスリップリングの電極を1つ以上使用したことが特徴の請求項1、2、3、4記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部にリード線を取り付けることができ、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄型のスリップリングの電極が構成でき、また、小形なモータ装置になるうえに、スリップリングとして形状的に組立易いという作用を有する。
【0082】
請求項6に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータの回転側スリップリングの電極が円筒形状で、その電極の外周部はブラシが摺動し、その電極の内側の2カ所に凸形状の端子部が構成されたスリップリングの電極を1つ以上使用していることが特徴の請求項1、2、3、4記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、複数個の超音波振動子が取り付けられる場合、スリップリングの電極の数も多くなるので、電極の内側に端子部を2カ所設け、グランドの電極を共通使用することにより、薄型のスリップリングが可能になり、形状的にも組立易くなり、また、部品点数も減ることにもなり、小形なモータ装置になるという作用を有する。
【0083】
請求項7に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータ側のスリップリングの電極が円筒形状で、その電極の外周部はブラシが摺動し、その電極の内側に形成した凸形状の端子部に、超音波振動子への接続のためのリード線を取り付けるための円形の穴が構成されたスリップリングの電極であることが特徴の請求項5、6記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、電極内側に電極の厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部の穴にリード線を取り付けることにより、電極とリード線の接続を確実にすることができるうえに、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄形のスリップリングの電極が構成できるという作用を有する。
【0084】
請求項8に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータの回転側スリップリングの電極が円筒形状で、その電極の内側に形成した凸形状の端子部に、超音波振動子への接続のためのリード線を取り付けるための切欠きがあって、その切欠きは半円状の円筒部とその円筒部に繋がった平行な開口部とがあって、その開口部は外部に繋がっていて、U字形状の切欠きが構成されたスリップリングの電極であることが特徴の請求項5、6記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、電極内側に電極の厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部にU字形状の切欠きを形成し、リード線の端末部をその切欠きに装着することで、作業時間などが短くできるうえに、電極の端子部に確実にリード線を装着することができ、その接続部への半田付けも確実にできるうえに、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄形のスリップリングの電極が構成できるという作用を有する。
【0085】
請求項9に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータ側のスリップリングの電極が円筒形状で、その電極の内側に凸形状の端子部が形成され、その端子部が電極の厚みよりも薄くなるように片面に段差を設けたスリップリングの電極であることが特徴の請求項5、6、7、8記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、電極内側に電極の厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部に段差を設けることで、その端子部へリード線の端末部を半田接続する際に半田が盛り上がり電極の端面から飛び出すのを、その段差でもって寸法的に抑えることができるので、電極とリード線の半田接続が確実にできるうえに、そのリード線の接続部として薄くでき、薄形のスリップリングの電極が構成できるという作用を有する。
【0086】
請求項10に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、そのロータフレームには、スリップリングの電極の円筒部が係合してロータフレームと絶縁するための絶縁ブッシュが構成され、その絶縁ブッシュは2カ所の切欠きによって半円以下の部分的円の円筒部が2カ所に配置された構成となり、その切欠き部ではロータフレームの円筒部が部分的に切欠きが形成されていることが特徴のスリップリングを設けている超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子の信号の授受をスリップリングで行うことで、周波数特性が良く、超音波の周波数を高くしても伝達効率の劣化が少ない。
【0087】
さらに、ロータフレーム側に切欠きを設けることで電極の端子部がロータフレームに接触しないようにロータフレームの端面に取り付けることができる。
【0088】
また、ロータフレームと電極との絶縁を絶縁ブッシュで行い、そのロータフレームにはスリップリングの電極の円筒部が絶縁ブッシュを介して係合するので、その係合部の寸法管理をすることで、電極の振れを小さくすることができる。
【0089】
絶縁ブッシュにもロータフレームと同様に切欠きを設けて、その切欠き部に電極の端子部を配置することで、絶縁が確保された薄形のスリップリングの形成が可能になるという作用を有する。
【0090】
請求項11に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングの支柱部で駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの駆動軸を支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、スリップリングの電極同士の絶縁とスリップリングとロータフレーム端部との絶縁のために、リング状で高分子材料の絶縁シートを使用して絶縁をしたことが特徴の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、絶縁シートは薄手のシートをプレス等の打抜きで成形することができ、均一な絶縁シートができる。この絶縁シートによりスリップリングの電極同士の絶縁と電極とロータフレーム端面との絶縁をすることにより、スリップリングとしては薄型が可能となり、超音波振動子駆動モータ装置を小形のものを、形状的にも組立易く製作することができるという作用を有する。
【0091】
請求項12に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングの支柱部で駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極はロータフレームの端部に構成され、そのスリップリングのブラシはベースハウジング側に取り付けられた構造で、スリップリングの電極は前記絶縁ブッシュと前記絶縁シートで絶縁が構成され、スリップリングとロータフレーム端部との絶縁のためにリング状の絶縁シートを使用する構成であって、前記ロータフレームの端部には電極の外径以下の凸状段差部があり、ブラシホルダとロータフレームとが接触しないようにその段差部を構成したことが特徴の請求項10、11記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、ブラシホルダはベースハウジングに固定され、ベースハウジングに対してロータフレームは回転するので、ロータフレームの端面に段差を設けてそのロータフレームの段差部に電極を取り付けることで、ブラシホルダとロータフレームが接触しないようにすることができ、さらにはコンパクトにロータフレーム端面に電極を構成できるので小形の駆動モータ装置ができるという作用を有する。
【0092】
請求項13に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、スリップリングの電極の絶縁に用いているリング状の絶縁シートの外径がスリップリングの電極外径よりも小さいか等しいとした請求項11記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、絶縁シートの外径よりも電極が大きいので、電極を接着する接着剤が絶縁シートと電極との隙間からはみ出したものが電極と絶縁シートで作られる空間に流れ充填するために、接着剤が電極の外周部から摺動用の溝部に流れ込まない。生産性の良好なスリップリングが得られる。接着剤は熱硬化タイプの接着剤であって、絶縁材としての効果があるという作用を有する。
【0093】
請求項14に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、スリップリングの電極の絶縁に用いているリング状の絶縁シートの外径がスリップリングの電極外径よりも大きいことを特徴とするスリップリングを構成する請求項11記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、絶縁シートを大きくすることによって、衝撃などでブラシが電極との接触状態から外れ、隣の電極のほうへ絶縁シートを乗り越えて移動することはできないので、ブラシは安定して電極の上を摺動するという作用を有する。
【0094】
請求項15に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、駆動モータのロータフレームの端部にそのスリップリングの電極を複数枚の絶縁シートを介して積層構成し、そのスリップリングの電極が円筒形状で、前記積層構成した電極のおのおのの内側に凸形状をした端子部が構成され、スリップリングの電極の円筒部が前記絶縁ブッシュに係合し、請求項10に記載のロータフレームの切欠き部に1個以上のスリップリングの端子部を相対する上下の電極の端子が重ならないように回転方向にずらして配置し、その端子がロータフレームの金属部分に接触しないように配置したことが特徴の請求項1、2、5、6、10記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、複数枚の電極でスリップリングを構成する際に、電極の内側の端子部を回転方向にずらして配置することで、端子部に半田付けされたリード線がストレスもなくロータフレームの外部へ導きだすことができるうえに、電極の端子部同士が接触しない。さらに、ロータフレーム側に切欠きを設けることで電極の端子部がロータフレームに接触しないようにロータフレームの端面に取り付けることができるという作用を有する。
【0095】
請求項16に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータに構成され、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、前記ブラシはスリップリングの電極の外周部に当接して摺動することにより超音波振動子の信号を授受していて、そのスリップリングの電極の外周部がV溝形状をしたことが特徴の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、スリップリングの電極の外周部にV溝を形成することでブラシの摺動接触が安定する。
【0096】
スリップリングの電極の溝形状をV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシの摺動性を安定させることができると同時に、ブラシ寿命が延びる。また、ブラシが安定に摺動接触することで摺動ロスを低減することができるという作用を有する。
【0097】
請求項17に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングの電極の外周部がV溝形状であって、そのV溝の開き角度が60度〜120度の範囲であることを特徴とした請求項16記載の超音波振動子駆動モータ装置におけるスリップリングの電極としたものであり、スリップリングの電極の溝形状をV溝形状とし、さらにV溝形状のV溝角度を所定の角度範囲にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、衝撃などのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシの摺動性を安定させることができると同時にブラシ寿命を延ばすことができる。さらに、V溝形状のV溝角度を所定角度範囲にすることで、安定的にブラシが摺動接触し、スリップリングでの摺動ロスを低減することができるという作用を有する。
【0098】
請求項18に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングの電極が駆動モータの端面側に構成され、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられ構造で、そのブラシは形状が円形でスリップリングの電極の外周部に当接して摺動することにより超音波振動子の信号を授受していて、スリップリングの電極のV溝形状で、そのV溝の開き角度が60度〜120度の範囲であることが特徴の請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、スリップリングの電極の溝形状をV溝形状にし、さらにV溝形状のV溝角度を所定の角度範囲にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなりブラシの摺動性を安定させることができると同時にブラシ寿命を延ばすことができる。
【0099】
V溝形状によりブラシを安定に摺動接触することでスリップリングでの摺動ロスを低減することができるので、駆動モータの発生トルクに対するマージンが増え、信頼性のある駆動モータ装置を提供するという作用を有する。
【0100】
請求項19に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータに構成され、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、前記ブラシはスリップリングの電極の外周部に当接して摺動し、超音波振動子の信号を授受していて、そのスリップリングの電極は、外周部に、両側に面方向に20度以下のテーパよりなる面の溝があり、その溝の先には開き角90度から180度のV溝(180度の時はフラット)で構成された溝形状をしており、この電極を用いたスリップリングで超音波振動子の信号の授受を行うことが特徴の超音波振動子駆動モータ装置のスリップリングとしたものであり、スリップリングの電極の外周部に開き角の大きなV溝を形成し、V溝の両サイドにテーパ状の壁面を設けることで、ブラシが隣の電極へ移動しなくなるので、電極とブラシは所定の関係で摺動接触することができる。
【0101】
スリップリングの電極の溝形状を開き角の大きなV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができるのでブラシ寿命が延びる。また、ブラシのブラシ圧を小さめに設定できるので、ブラシの摺動ロスを低減することができるという作用を有する。
【0102】
請求項20に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータに構成され、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、ブラシはそのスリップリングの電極の外周部に当接して摺動することにより、超音波振動子の信号を授受していて、そのスリップリングの電極は、外周部に、両側に面方向に20度以下のテーパの面を有する溝があり、その溝の先には開き角90度から180度のV溝(180度の時はフラット)で構成された溝形状を有し、前記電極を用いたスリップリングを使用した請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、スリップリングの電極の外周部に開き角の大きなV溝を形成し、V溝の両サイドにテーパ状の壁面を設けることで、ブラシが隣の電極へ移動しなくなるので、電極とブラシは所定の関係で摺動接触することができる。
【0103】
スリップリングの電極の溝形状を開き角の大きなV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができるのでブラシ寿命が延びる。また、ブラシのブラシ圧を小さめに設定できるので、ブラシの摺動ロスを低減することができる。
【0104】
また、溝形状をブラシが安定に摺動接触することでスリップリングでの摺動ロスを低減することができ、駆動モータの発生トルクに対するマージンが増えるので信頼性の高い駆動モータ装置を提供するという作用を有する。
【0105】
請求項21に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承した超音波振動子駆動モータ装置であって、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、ブラシホルダはフェノール樹脂等で作られた絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴と、ベースハウジングに固定するためのネジ部があり、可撓性基板をブラシホルダに接着固定し、ブラシを可撓性基板のランドに半田付けして導通接続し、超音波振動子の信号を可撓性基板を介してベースハウジングの外に接続したことが特徴の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、ブラシホルダはベースハウジングに取り付けられ、ブラシホルダの穴にブラシが通されるので、ブラシの間隔を安定に確保できる。またブラシホルダの穴にブラシを通して根元部を固定しているので、間隔が安定するうえにブラシの曲がりの支点として確定でき、寸法的にブラシ圧を決定することができる。ブラシホルダに取り付けられたブラシの間隔はベースハウジングにより規定された位置に設定することができるために、ブラシに対して電極との摺動位置の調整が容易に行うことができるという作用を有する。
【0106】
請求項22に記載の発明は、ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側に略直角に折り曲げられてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、そのブラシホルダには、可撓性基板を貼るための凹部が形成され、ブラシにストレスがかからないように可撓性基板のうえに設定できるようにしたブラシホルダを使用したことが特徴の請求項1、2、21記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、ブラシホルダに可撓性基板を接着して固定して、外部に取り出すことができ、ブラシホルダに可撓性基板を1枚で構成できるので、複数の電極の場合での信号など可撓性基板をまとめて取り出すことができる。
【0107】
また、ブラシホルダに凹部が構成されているために、その凹部に可撓性基板を固定することで、ブラシをブラシホルダの面に密着して固定することができるという作用を有する。
【0108】
請求項23に記載の発明は、ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、コの字に成形したブラシがその穴に挿入され、ブラシホルダに貼られた可撓性基板のうえにそのブラシが平行に設定できるようになっていて、ブラシを可撓性基板に半田接続する位置が、ブラシの線に直角の方向に対して、千鳥状にランド部を配置したことが特徴の請求項1、2、21、22記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、ブラシホルダに可撓性基板を接着して固定して、外部に取り出すことができる、ブラシホルダに可撓性基板を1枚で構成できるので、複数の電極の場合での信号など可撓性基板をまとめて取り出すことができる。
【0109】
ブラシホルダのブラシを貫通して取り付ける穴にブラシを通してブラシを固定することで、ブラシの間隔が安定するので、電極との摺動位置のばらつきがなく安定に摺動することができる。ブラシを可撓性基板に半田付けして、超音波振動子の信号を駆動モータの外部に導き出すことができ、複数の電極のスリップリングであってもブラシを可撓性基板に半田付けするランドを、ブラシに直角に配列せずに、千鳥状に配置することで、ブラシ間隔が狭くなっても、複数の電極のスリップリングを容易に構成することができるという作用を有する。
【0110】
請求項24に記載の発明は、ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側を略直角に折り曲げられてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、1本のブラシからブラシホルダの両側に形成されたブラシが、スリップリングの一つの電極に対して、両脇から2カ所に接触するように構成され、このスリップリングの構成を有することが特徴の請求項1、2、21、22記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、コの字に成形した1つのブラシの両側を、1つのスリップリングの電極に接触させることで、1つのブラシが電極に接触する箇所を2カ所にすることができる。また、2カ所でブラシが電極に接触するために、一方のブラシが電極から飛び跳ねても、もう一方のブラシは電極に接触しているので、電極とブラシは常に接続されていることになるという作用を有する。
【0111】
請求項25に記載の発明は、ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側に略直角に折り曲げられてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、1本のブラシからブラシホルダの両側に形成されたブラシが、スリップリングの一つの電極に対して、両脇から2カ所に接触するように構成され、その接触する角度を極中心にして、150度〜210度としたスリップリングの構成を有することが特徴の請求項24記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、コの字に成形した1本のブラシの両側を1つのスリップリングの電極に接触させることで、1つのブラシが電極に接触する箇所を2カ所にすることができる。また、2カ所でブラシが電極に接触することより、一方のブラシが電極から飛び跳ねても、もう一方のブラシは電極に接触しているので、電極とブラシは常に接続していることになる。
【0112】
1つの電極にブラシを摺動接触するので、接触負荷ロスが駆動モータの発生トルクに比べて大きくなりすいので、摺動する位置を規定しているので、スリップリングの負荷を低減することができる。
【0113】
スリップリングの電極とブラシとの接触点の接触角が所定角度の範囲に設置できることで、駆動モータの回転が両回転の場合でも、安定な摺動負荷にすることができるという作用を有する。
【0114】
請求項26に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続したことが特徴の請求項1、2、3記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子はリード線が2本出ていて、1本は電気グランドで、もう1本は信号線であり、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できるという作用を有する。
【0115】
請求項27に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続し、このグランドの電極を外側に配置したことが特徴の請求項26記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子はリード線が2本出ていて、1本は電気グランドで、もう1本は信号線で、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できる。
【0116】
さらに、グランドの電極をウインドウケース側すなわち外側に配置することで、超音波振動子への信号は高電圧のパルス状の電圧が印加されることによる不要輻射ノイズ源としての影響を軽減することができる。
【0117】
また、他の医療機器やモータ装置の制御信号にノイズとして影響し、診療擾乱の発生がないようにすることができるという作用を有する。
【0118】
請求項28に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続し、このグランドの電極を外側に配置し、ウインドウケースの内側に向かうにしたがって超音波振動子の周波数が高くなるように配置したことが特徴の請求項1、2、3、26、27記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、超音波振動子はリード線が2本出ていて、1本は電気グランドであり、もう1本は信号線で、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できる。
【0119】
さらに、グランドの電極をウインドウケース側すなわち外側に配置することで、超音波振動子への信号は高電圧のパルス状の電圧が印加されることによる不要輻射ノイズ源としての影響を軽減することができる。
【0120】
また、他の医療機器やモータ装置の制御信号にノイズとして影響し、診療擾乱の発生がないようすることができる。
【0121】
高周波数の振動子の周波数特性は周波数の高い方が若干落ちるが、液中における周波数特性の変化は周波数が高い程減衰が大きいので、ウインドウケースの内側の方へは周波数の高い方を電極に接続することで、不要輻射のノイズの影響を少なくしているという作用を有する。
【0122】
請求項29に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、超音波振動子のグランド側端子をロータフレームに電気的に接続したことが特徴の請求項1、2、3、4記載の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、ロータフレームに超音波振動子のグランド端子を接続することで、ウインドウケース内のモータ部の外層がグランド電位と同電位になるために外部から進入してくるノイズを遮蔽することができるという作用を有する。
【0123】
請求項30に記載の発明は、超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、フェノール樹脂等で作られた絶縁材で形成されたブラシホルダには、線状のブラシを貫通して取り付ける穴と、ベースハウジングに固定するためのネジ部があって、可撓性基板をブラシホルダに接着固定し、ブラシを可撓性基板のランドに半田付けして、ベースハウジングの外に超音波振動子の信号線を可撓性基板を介して接続し、その可撓性基板には信号用パターンが描かれた信号用可撓性基板とグランドのパターンを描いたグランド用可撓性基板とが部分的に繋がって形成されていて、これをグランド用可撓性基板をウインドウケースの内側に配置するように、可撓性基板を重ねて折り曲げ、グランド用可撓性基板をシールド基板として、超音波振動子からの電気信号ノイズを遮断したことが特徴の請求項1、2、21の超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、可撓性基板を信号用基板とシールド用基板を一枚の基板として形成し、シールド用基板を信号用基板に折り重ねて、シールド基板を信号用基板のうえに構成しているために電気シールドの効果が得られるという作用を有する。
【0124】
請求項31に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの駆動軸を支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が、前記両支柱部の間にあって駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、電極は銅系材料を機械加工で仕上げたうえに、順番に
銅フラッシュ
銅メッキ
ニッケルメッキ
金フラッシュ
金メッキ
処理を施し、この電極を使用したスリップリングの構成である超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、銅系材料を母材として表面にメッキ処理を施して、摺動抵抗を低減させ、摺動部の異常摩耗がなく、安定した摺動抵抗となる。そのためスリップリングの寿命が延びるために、装置としての超音波振動子駆動モータ装置や超音波診断装置の製品寿命が延びることになるという作用を有する。
【0125】
請求項32に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの駆動軸を支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が前記両支柱部の間にあって、駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、電極は銅系材料を機械加工で仕上げたうえに、順番に
銅フラッシュ
ニッケルメッキ
金フラッシュ
金メッキ
処理を施し、この電極を使用したスリップリングの構成である超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、銅系材料を母材として表面にメッキ処理を施して、摺動抵抗を低減させ、摺動部の異常摩耗がなく、安定した摺動抵抗となる。そのためスリップリングの寿命が延びるために、装置としての超音波振動子駆動モータ装置や超音波診断装置の製品寿命が延びることになるという作用を有する。
【0126】
請求項33に記載の発明は、超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が前記両支柱部の間にあって、駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、電極は銅系材料を機械加工で仕上げたうえに、順番に
ニッケルメッキ
金フラッシュ
金メッキ
処理を施し、この電極を使用したスリップリングの構成である超音波振動子駆動モータ装置としたものであり、銅系材料を母材として表面にメッキ処理を施して、摺動抵抗を低減させ、摺動部の異常摩耗がなく、安定した摺動抵抗となる。そのためスリップリングの寿命が延び、装置としての超音波振動子駆動モータ装置や超音波診断装置の製品寿命が延びることになるという効果が得られる。
【0127】
請求項34に記載の発明は、請求項1〜33記載の超音波振動子駆動モータ装置を使用した超音波診断装置としたものであり、超音波振動子の信号の授受をスリップリングで行うことで、周波数特性が良く、超音波の周波数を高くしても伝達効率の劣化が少ないことで、画質の良好な超音波画像が得られる超音波診断装置ができる。
【0128】
請求項35に記載の発明は、ベースハウジングが揺動することができるように、ベースハウジングに揺動曲率半径のレールが設けられ、駆動モータが搭載されたベースハウジングの揺動を支承しながら前記レールの案内部を形成したシャーシで受けた構造をした請求項1、3〜33記載の超音波振動子駆動モータ装置をそれぞれ任意の揺動角度での軌道平面の超音波断層画像を画像合成することで3次元的に表示可能な3次元超音波診断装置としたものであり、駆動モータと超音波振動子の位置関係で、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子が構成する機構となっているのでコンパクトに3次元機構化することができる。
【0129】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0130】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例におけるメカニカルセクタ走査型超音波プローブを使用した超音波診断装置の全体を示す概略ブロック図である。
【0131】
実施例の超音波診断装置は超音波プローブと本体システム部から構成される。超音波プローブの先端には超音波振動子1、2を回転駆動させる駆動モータ3、駆動モータ3を支持するベースハウジング4が内蔵され、超音波プローブのハンドル部にはベースハウジング4を揺動させる揺動モータ5とハンドルシャフト6とが構成されている。
【0132】
超音波振動子1、2は駆動モータ3の回転部の外周部に取り付けられて、超音波振動子1、2のビームは駆動軸に対してラジアル方向に放射させる。その駆動モータ3が回転することよる超音波振動子1、2のビームの軌跡面は駆動軸に対して直交した面になる。すなわち、駆動モータ3の駆動軸はそのビームの軌跡面に垂直な軸である。駆動モータ3の回転位置情報を知ることは、駆動モータ3に取り付けられた超音波振動子1、2の位置情報を知ることになる。駆動モータ3の回転位置情報は1回転の基準となる基準位置手段と相対位置情報の位置手段を併用して知ることができる。基準位置手段として磁性材のピン(図3の37)とMR素子(図示せず)で構成されている。相対位置情報手段としてエンコーダ7が組み込まれ、そのエンコーダ7は駆動モータ側にエンコーダマグネット(図4の40)とベースハウジング4側にMR素子(図4の41)で構成されている。この駆動モータ3は5Hzから17Hzまで数段階に切り替えて回転駆動する。超音波振動子1、2からの信号を駆動モータ3の外部に取り出すために、スリップリング8が駆動モータのロータ部に構成されている。超音波振動子1(または2)から放射した超音波は超音波振動子1(または2)の中央に放射状に進み生体組織内に入射する。組織内に入射した超音波の一部は組織内において反射した後、前記超音波振動子1(または2)で受信され電気信号に変換されて、スリップリング8を通って駆動モータ3の外部に取り出されて、システム本体内の増幅器に送られる。
【0133】
従来の2次元の場合は軸が1つであるが、本実施例の場合は駆動軸と揺動軸の2軸を有する。
【0134】
駆動モータ3を支承するベースハウジング4が揺動可能な機構部を備え、その揺動面とはビーム軌跡面に直交する面で駆動軸を通る面である。揺動角度は左右に55度程度揺動可能になっており、全体的として揺動角度は約110度程度可能である。
【0135】
駆動モータ3とベースハウジング4とベースハウジング4側の揺動機構部は超音波プローブの先端部に構成されていて、全体が超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケース9内の超音波伝播媒質に内包されている。
【0136】
その超音波伝播媒質をシールした状態でハンドルシャフト6を用いてトルク伝達が可能になっている。そのハンドルシャフト6はベースハウジング4を揺動させるためのトルク伝達シャフトであって、ハンドル部側で揺動モータ5に接続されている。揺動モータ5には揺動角度を知ることができるように、基準位置情報手段と位置情報手段を備えたMR素子を用いたエンコーダ10が取り付けられている。
【0137】
また駆動モータ3を駆動するための駆動回路11や揺動モータ3を駆動するための駆動回路12はシステム本体内に構成されている。
【0138】
次にシステム本体内の送受信回路部分について説明する。超音波を生体内に送信する場合には、まずパルス発生器13によって超音波パルスの繰返し周期を決定するレートパルスが出力され、振動子駆動回路14に送られる。この振動子駆動回路14では前記超音波振動子1、2を駆動し超音波を発生するための駆動パルスが形成される。超音波振動子1(または2)から生体内に放射された超音波は生体内組織にて反射され、送信時に用いた超音波振動子1(または2)によって受信され、この受信信号はシステム本体内の増幅器15にて増幅されたのちBモード用信号処理回路に送られる。Bモード信号処理回路において振動子出力は対数増幅器16で対数圧縮し、検波回路17にて検波され、A/D変換器18にてA/D変換され、画像メモリ19にストアされる。揺動によって得られた複数の画像も画像メモリ19にストアされ、高速3D画像DSP20を用いて3次元画像合成処理を行って、画像処理信号はテレビフォーマットで出力されてテレビモニタ21にて3次元超音波断層画像として表示される。
【0139】
図2に超音波プローブの外観斜視図を示す。図2において、22はハンドル部を示し、揺動モータ5など中継電子回路基板が内蔵されている。23は超音波プローブの先端部であり、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケース9が先端に取り付けられていて、駆動モータ3と超音波振動子1、2などが内蔵されている。超音波プローブは本体にケーブル24で接続されている。先端部は体腔内に挿入し易いように円筒形状のなめらかな流線形状をしている。このケーブル24は、超音波振動子1、2と超音波診断装置本体とを接続する入出力線(I/O線)と駆動モータ3と揺動モータ5を駆動制御するための電気制御線とエンコーダ7、10などの信号線と衝撃検出用の信号線などを超音波診断装置本体と接続するケーブルであって、ケーブル被覆により保護され、かつ入出力線だけはシールドが施されていて、超音波振動子側と超音波診断装置本体側の両端で接地されている。
【0140】
図3、図4は、本実施例における超音波振動子駆動モータ装置の駆動モータ側の構造図を示す。説明のために図3、図4にはウインドウケースやハンドル部などのケーシング類は省略してある。
【0141】
図3、図4において、3は駆動モータ、4はベースハウジング、25はシャーシ本体、26はサイドシャーシ、27はビス、28は電子回路基板、29はギアシャフト、30はベベルギア、31は平ギア、32はベベルギア、6はハンドルシャフト、33はベースハウジングに設けられたギア、34は駆動モータのシャフトである。図1、図2と同じものについては同じ符号を用いている。
【0142】
駆動モータ3の回転部は駆動モータのシャフト34を中心に回転し、ロータフレーム35の外周部に超音波振動子1、2が取り付けられている。その超音波振動子は、トランスデューサとも呼ばれて、超音波プローブの中核をなす部品である。超音波振動子1、2の先端には音響レンズ36がついている。音響レンズ36は屈折の現象を有効に利用するためであって、超音波は液体中よりも固体中での方が早いために振動子表面には凹型の音響レンズで超音波ビームを集束させている。凹型の音響レンズ以外にも平面型音響レンズや凸型音響レンズを貼り付けた超音波振動子を使用することもある。
【0143】
超音波振動子1、2のビームは駆動モータ3の駆動軸(シャフト34)に対してラジアル方向に直交している。そのためにビームの軌跡面は駆動軸に直交している。駆動モータ3の駆動軸には直交しているが、揺動センターとして考えるとハンドルの軸に対しては平行な面となっているビーム軌跡面が得られる。そのビーム軌跡面から得られる超音波断層画像は揺動範囲のセンターに位置しているとハンドル軸に対して平行な平面となる断層画像である。
【0144】
駆動モータ3には基準位置情報を知るための基準位置手段として磁性材のピン37がSUM24LやSUYなどの磁性材よりなるロータフレーム35の外周部に取り付けられている。このピン37は円筒形状した部分をロータフレーム35に取り付け、駆動回転方向に対して先端部が鋭角になるようにカット面38が両方に設けられている。このピン37への磁束は駆動モータ3のメインマグネットから得ている。ピン37を検出するZ相のMR素子(図3、図4には図示せず)はベースハウジング4に取り付けられている。Z相のMR素子の信号はフレキシブルプリントサーキット39(以後可撓性基板という)を通って電子回路基板28に接続され、電子回路基板28から超音波プローブのハンドル部へさらに超音波診断装置本体側へ接続される。
【0145】
また駆動モータ3の回転位置情報を知るための相対位置情報手段としてエンコーダ7が組み込まれている。そのエンコーダ7は駆動モータ3側にエンコーダマグネット40が構成されている。エンコーダマグネット40の材料はプラスチックマグネットであり、ベース樹脂として12ナイロン系を使用している。
【0146】
メインマグネットの漏洩磁束の影響をエンコーダ出力に受けないために、エンコーダマグネット40と、ベースハウジング4側に取り付けられたAB相のMR素子41との隙間を非常に狭く設定している。その隙間が狭いために、エンコーダマグネット40を膨潤などの影響を小さくする必要がある。そのために、超音波伝播媒質中で使用されるなどの膨潤の影響を考慮して、エンコーダマグネット40におけるプラスチックマグネットのフェライトの含有量が79%以上の磁性材を使用している。
【0147】
また、添加剤の入ったオイルを超音波伝播媒質に使用する場合は12ナイロン以外のプラスチック材料としてポリフェニレンスルフィド(PPSと一般呼ばれている)であるプラスチックマグネットを使用する。
【0148】
AB相のMR素子41の信号は可撓性基板45を通って電子回路基板28に接続され、電子回路基板28から超音波プローブのハンドル部へさらに超音波装置本体側へ接続される。
【0149】
超音波振動子1、2への送受信信号を駆動モータ3の外部に取り出すために、スリップリング8が構成されている。スリップリングの代わりにロータリトランスであってもいい。スリップリング8は駆動モータ3側に絶縁シートなどの絶縁材を中間に介在させて、所用数量の電極42を構成しており、その電極42には超音波振動子1、2が接続されている。その電極42にはそれぞれの電極にコンタクトして電気的に接続をするためのブラシ43がフェノール樹脂材などの電気絶縁材からなるブラシホルダ44を介してベースハウジング4に取り付けられている。ブラシ43からの信号(I/O信号)は可撓性基板46を通って超音波診断装置本体側へ接続される。
【0150】
駆動モータ3のモータ線82も可撓性基板47を通って電子回路基板28に接続され、電子回路基板28から超音波プローブのハンドル部へさらに超音波装置本体側へ接続される。
【0151】
駆動モータ3が揺動回転可能に支承するベースハウジング4は、駆動モータ3の両側の軸受部を支承し、U字形状をしていて、さらにベースハウジング4には揺動するためのレールが両側にあり、そのレールを揺動可能にシャーシ本体25、サイドシャーシ26で支持している。またベースハウジング4に揺動するトルクを伝達するためにギア33が一体に設けられている。そのギア33はベースハウジング4の揺動軸に対して全周ではなく部分的に構成されている。
【0152】
揺動モータ5からのトルクはハンドルシャフト6に伝達され、ハンドルシャフト6の先端に取り付けられたベベルギア32を回転させ、ベベルギア32の相手のベベルギア30に伝達させる。ベベルギア30はギアシャフト29に圧入等で固定されていて、そのギアシャフト29には平ギア31も圧入等で締結されている。そのギアシャフト29はシャーシ本体25に取り付けられたボール軸受とサイドシャーシ26に取り付けられたボール軸受とで回転可能に支承されている。そのためにベベルギア30に伝達されたトルクは平ギア31を介して、平ギア31の相手ギア33に伝達されることでベースハウジング4は揺動モータ5にて揺動することができる。
【0153】
平ギア31、ベベルギア30、ベベルギア32は銅系材料でギア加工されている、揺動運動でのギア摩耗の観点で無電解ニッケルメッキ処理がなされている。
【0154】
また、摺動抵抗を低減するためにテフロンをコンポジットした電解液で、テフロン入りの無電解ニッケルメッキ処理を、平ギア31、ベベルギア30、ベベルギア32などに施すこともある。また、ホウ素を入れた無電解ニッケルメッキ処理を、平ギア31、ベベルギア30、ベベルギア32に施すこともある。
【0155】
ギアの摩耗粉はスリップリングの電極とブラシの間に入ったりすると、超音波振動子の信号にノイズとして入り込むので、できるだけ発生しないように、表面処理をしないものでもバリなどに注意を払っている。また銅系材料の場合は酸洗いなどで加工バリを除去している。
【0156】
ベースハウジング4の揺動は、ベースハウジング4に設けられたレールをシャーシ本体25とサイドシャーシ26のレールの案内溝で揺動可能に支承していて、シャーシ本体25とサイドシャーシ26はビス27で固定されていて一体となったシャーシとして作用する。シャーシ本体とサイドシャーシは予め一体となったものでもよい。
【0157】
シャーシ本体25にはハンドルシャフト6を回動支承する軸受部材が固定されている。ハンドルシャフト6は駆動モータのシャフト34やギアシャフト29に比べて長いために、2個の軸受にて回転支承している。その2個の軸受は調芯が可能なように予圧をかけずに使用している。その一つの軸受部がシャーシ本体25の中央部近くに構成され、もう1つの軸受はハンドル部側に構成されている。
【0158】
超音波振動子1、2は駆動モータ3で回転されるので、超音波振動子1、2のビームの軌跡面(駆動ビーム軌跡面とする)は駆動モータ3の駆動軸に対して直交する面である。図3から分かるように、超音波振動子1(または2)から超音波を送受信して得られる超音波振動子配列方向の超音波断層画像取得領域は360度の全周ではなくシャーシ本体25とサイドシャーシ26に妨げられて、ある範囲になる。図3では角度αで示される範囲となる。その範囲が超音波振動子1、2で走査できる超音波走査可能領域を表す。実際の超音波診断装置では反射の問題などを考慮して幾何学的な角度αよりも少し小さな設定となっている。本実施例の場合では230度となっている。
【0159】
超音波振動子1、2は、軸受を介して両持ち支持された駆動モータ3のロータフレーム35の外周に取り付けられていることにより、駆動モータ3の両軸受の間に構成されている。したがって駆動軸に対して超音波断層画像は直交していて、ハンドル軸に対して直交することはない。
【0160】
揺動範囲は全周であると考えると、揺動による超音波振動子のビーム軌跡面(揺動ビーム軌跡面とする)のうち断層画像が走査できる範囲は、図3から分かるようにシャーシ本体25とサイドシャーシ26の合わせた中央部に可撓性基板などの部品のために空間が開いているために広い角度まで可能であるが、実際、ベースハウジングに形成するギアの範囲によって制約を受ける。揺動角度はハンドル軸をセンターとして両側が同じ角度に設定され、図4に表示する揺動角度βはハンドル軸センターで振り分けされた角度となっている。本実施例では100度になっている。この揺動ビーム軌跡面は駆動ビーム軌跡面に直交し、駆動軸を通る平面であり、ハンドル軸に平行である。
【0161】
駆動モータ3を回転させて駆動ビーム軌跡面で超音波断層画像を取りながら、駆動モータ3を揺動させると駆動ビーム面が揺動ビーム面に直交しながら揺動軸を中心に走査できるので、超音波断層画像としては3次元の領域のものが得られる。
【0162】
このように、本実施例では3次元走査用超音波プローブが可能となる。たとえば、230度領域を100度揺動した範囲の超音波断層画像が得られるという従来にない測定範囲の広いものを得ることができる。また、3次元走査用超音波プローブを体腔内に挿入して使用する場合には、挿入部先端に超音波振動子を配置することができるので、より挿入部を小形化することができるという利点を有する。
【0163】
本実施例では超音波振動子を2個使用している。符号では1、2である。超音波振動子を2個使用することにより、2種類の超音波振動子を搭載することができるので、1つの超音波プローブで2つの距離分解能の異なったものを扱える。
【0164】
一般に距離分解能は周波数が高いと向上するが、周波数が高くなると逆に超音波の減衰が大きくなるために、深度の深い部分で診断ができなくなる。しかし、1つの超音波プローブで振動数の異なる超音波振動子を切り替えて使用することができることにより、よりよい超音波診断が可能となる。
【0165】
また、ロータフレーム35に取り付けた超音波振動子1、2は、一方の超音波振動子から放射した超音波がもう一方の超音波振動子でも受信され、超音波の受信信号にノイズとして入らないように、180度の対で取り付けている。スリップリングの場合は影響がほとんどないが、ロータリトランスなどの場合ではクロストークとして、画像のノイズとなるので、充分な配慮が必要となる。
【0166】
図5はロータフレームにスリップリングを取り付けたところを説明するための断面図である。図5においてロータフレーム35、駆動モータのシャフト34、ボール軸受100である。図3、図4と同じものについては同じ符号を用いている。
【0167】
駆動モータのシャフト34に対してロータフレーム35はボール軸受100を介して回転する(片方のボール軸受側の断面図であるので、片方のボール軸受しか表していない)。ロータフレーム35の端面側に絶縁を保ってスリップリングの電極42が取り付けられている。
【0168】
実施例では超音波振動子は2個あるので、スリップリングの電極は信号用電極2個とグランド電極1個で構成される。すなわち、図5において、電極42(図4での符号と同じ)は3個の電極42a、42b、42cで構成されていて、それぞれ電極は高分子材料の絶縁シート48a、48b、48cで絶縁されている。この絶縁シート48の厚みは電極42の厚みより小さく、以下の条件のものを使用する。
【0169】
絶縁シートの厚みは0.05mm以上
絶縁シートの厚みは電極の厚みの1/2以下
上記の条件で厚みを規定し、材料については超音波振動子に印加される電圧を考慮して選ぶ。超音波診断装置であれば、一般に印加電圧はDC100V〜DC200Vであるので、絶縁シートの絶縁耐圧は300V/0.05mm以上ある材料を選択する。たとえば、絶縁シートの高分子材料としてはポリエステルを使用する。本実施例に使用したポリエステルフィルムは絶縁耐圧12kV/0.05mmである。
【0170】
図5で示す絶縁シート48の外径は電極42の外径よりも大きくなっている。絶縁シート48を大きくすることによって、衝撃などでブラシ43(図5には図示せず、図4の43)が電極42との接触状態から外れ、隣の電極42にブラシ43が乗り上げることがない。ブラシ圧(ブラシ接圧、ブラシ圧力ともいう)と変位との関係が後述する所定の範囲の場合、たとえば、荷重あたりの変位量を考慮して絶縁シートの外径と電極の外径の差をブラシ圧(または荷重)2gあたり変位量程度にしている。実施例の一例として、0.26mm/gの場合には、絶縁シート48の外径と電極42の外径の差を0.4mmで設計した。
【0171】
図6はブラシとスリップリングの電極との関係を説明するための図である。ブラシ43はブラシホルダ44に取り付けられている。電極42は絶縁シート48で絶縁を確保しながらロータフレーム35に接着固定されている。
【0172】
ブラシホルダ44はベースハウジング4に固定されており、ベースハウジング4から観ると、ベースハウジング4に対して、ロータフレーム35は回転する。すなわち、ロータフレーム35に取り付けられた電極42も回転する。
電極間には絶縁シート48が挟まれて電極間の絶縁を確保している。さらにロータフレーム35と電極42との間の絶縁にも絶縁シート48を用いて、絶縁を確保しているが、絶縁シート48の厚みは電極42の厚みの1/2以下であって、ロータフレーム35と電極42との距離は電極間の距離よりも短いために、ブラシ43を取り付けているブラシホルダ44が接触してしまうことになるので、図5、図6に示すように、ロータフレーム35に電極径と同じかそれよりも小さな径の凸部101を設けて、電極の溝とロータフレームとの実用的な距離を確保している。すなわち、電極間同士の距離以上に電極42とロータフレーム35との実用的な距離を構成するようにロータフレーム35の凸部101を形成している。実用的な距離とはロータフレーム35の凸部101の大きさをロータフレーム35とは見なさず、ブラシホルダ44に対向するロータフレーム35の箇所と電極42との距離をいう。図6に実用的な距離をaとして表す。
【0173】
ロータフレーム35の凸部101をロータフレーム35とみなさないということはその部分を別な部材にすることでも同様な効果が得られる。たとえば、ロータフレーム35と電極42との間に絶縁シート48を複数枚使用してロータフレーム35と電極42との距離を確保してもよい。
【0174】
ブラシホルダ44はベースハウジング4に取り付けられ、ブラシ43の間隔を安定的に確保できるように穴(図14の53)にブラシ43を通して根元部を固定している。ブラシホルダ44に取り付けられたブラシ43の間隔はベースハウジング4から規定された位置に存在する。ブラシホルダ44に保持されているブラシ43に対して電極42とが安定に接圧摺動するためには、電極42の位置とブラシ43の位置を規定する。その規定値に入れるために、電極42のついたロータ部を駆動軸方向に動かして位置調整する。ロータ部の位置調整は具体的な例として、軸受間に複数枚のスペーサを入れ、そのスペーサの枚数で調整する。
【0175】
図5、図6に示すように、スリップリングの電極42の外周面にはV溝が設けられていて、円形断面の線ブラシ43を安定に位置規制摺動させる。線ブラシ43を安定に摺動するためにはブラシ圧を規定範囲に調整する必要がある。ブラシ圧を大きくすると、摺動ロスが増えて、モータが小型の場合は発生トルクに対するブラシの摺動ロスの割合が大きくなり、起動不良などの原因になりやすいので、ブラシの線径や溝形状などについて充分に注意した設計が必要である。
【0176】
まず、ブラシの線径について考える。
【0177】
ブラシ圧と変位量の関係は比例関係にある。ウインドウケースが25.4mm以下のプローブ先端に駆動モータを内蔵する機構の場合には、ブラシの支点と作用点との距離をあまり長くできない。その支点と作用点の位置関係が決定してしまえば、ブラシ圧特性自体を調整する要素は線径とブラシ材質になる。ブラシの組立作業性から判断して、ブラシの線径はφ0.12mm以上である必要がある。
【0178】
一つの実施例として、ブラシ材料を白金と金との合金の線材として、支点と作用点との距離を5.5mmとすれば、作用点でのブラシの変化量とブラシ圧との関係は(表1)のようになる。
【0179】
【表1】
Figure 0004538916
【0180】
たとえば、φ0.15の線径の場合ブラシ圧を1.2gから2.5gにするには1.3gの調整圧の範囲に入れる必要がある。その調整範囲0.33mmしかないために調整が大変である。その場合には、線径の小さなφ0.14mmのブラシを用いて調整範囲0.44mmにして調整作業をやりやすくしている。
【0181】
組立作業の関係で電極のラジアル方向に振れが発生する。このラジアル方向の振れによって、駆動モータに作用する摺動ロスが回転位置によって変動する。その変動する負荷は(表1)から考えて、線径が大きい場合ほど、摺動ロス変動が大きくなる。その変動を小さくするためにはブラシ線径を小さくする必要がある。
【0182】
ウインドウケースが25.4mm以下のプローブ先端に駆動モータを内蔵する機構の場合には、駆動モータ部のスリップリングを構成する時には、以下の条件のブラシ線径を使用することが多い。
【0183】
φ0.13mm〜φ0.16mm
つぎに、V溝形状について考える。
【0184】
図7に電極の溝とブラシとの摺動モデルを示す。
【0185】
V溝の角度をθとし、ブラシ圧をFとすれば、ブラシ圧FはV溝方向に作用するブラシ接圧である。V溝と両斜面にブラシが接触しているので、各面に作用するブラシ圧はF1はF=2F1の関係になる。
【0186】
F1の力を斜面に垂直の抗力Nと斜面に平行な力Sに分解すれば、
N=F1sin(θ/2)
S=F1cos(θ/2)
となる。
【0187】
摺動ロスとなる作用力Lは図7の紙面に垂直になる。摩擦係数をμとすれば、
L=2μN
=2μF1sin(θ/2)
の関係になる。
【0188】
ロスとブラシ圧の比は以下のようになる。
【0189】
ロス/ブラシ圧=μsin(θ/2)
また、SはブラシをV溝の中心にもっていこうとする力であって、ブラシを安定に摺動させる働きがある。
【0190】
ブラシが安定であって、摺動ロスが小さなV溝形状を考えるために(S×N)が関数の最大のところが、V溝の設計目標値である。
【0191】
したがって、ロスとブラシ圧の比とV溝角度θの関係と(S×N)とV溝角度θの関係は図8のように表す。
【0192】
図8の横軸θはV溝の開き角であって、V溝の形成上θは0度〜180度の範囲である。V溝開き角θに対するcos(θ/2)、sin(θ/2)、sin(θ/2)×cos(θ/2)の値を表示したグラフである。
【0193】
cos(θ/2)は斜面に平行な力Sの関数の項であるので、力Sはθ=0度の時が一番大きく、θが大きくなるにしたがって小さくなっていき、θ=180度ではS=0となる。SはブラシをV溝の中心にもっていこうとする力であるので、大きい方が好ましいので、θは0になるように設計するほうが好ましいことになる。
【0194】
sin(θ/2)は斜面に垂直な力Nの関数の項であるので、力Nはθ=180度の時が一番大きく、θが小さくにしたがって小さくなっていき、θ=0度ではN=0となる。力Nはブラシの摺動抵抗に関する力であり、Nが大きいと摺動抵抗が大きい、つまり、θを大きくしていくとブラシ圧による摺動ロスが増えることになる。したがって、θを大きくしていくと摺動ロスが増えることになる。
【0195】
sin(θ/2)×cos(θ/2)は(S×N)の関数の項になる。(S×N)はθに関して極大値をもつ関数であって、その極大値になるθの値が設計的に適した値となる。
【0196】
V溝角度θは90度が最適であるが、ブラシの位置ズレは電極の振れなど考慮してV溝角度は60度〜120度の範囲に設定している。
【0197】
図9には電極外周部の溝形状が図7とは異なる別の溝形状を表す図である。符号F、F1、N、Sは図7と同じベクトルを示す。
【0198】
電極を単純なV溝形状であると電極厚さの薄い場合はV溝の溝深さを深くすることができないために、ブラシの中心が電極の外周部よりも外に位置する構成となってしまうので、ブラシの中心を電極外周部よりも内側に位置するようにした一例が図9である。図7の場合においてブラシの中心が電極外周部よりも外に位置する場合はブラシ圧を高くしてブラシの安定摺動を保っている。図9はブラシ圧を少し低めに設定して、ブラシの飛びなどによりブラシが隣の電極に移動しないように、そのV溝の両サイドに壁面102を設けている。すなわち、絶縁シート外径を大きくする方法以外にブラシ飛びの対策として、V溝形状の開き角を大きくして、V溝の両サイドに電極材での壁面102を設ける溝形状である。
【0199】
V溝形状のV溝の開き角度θは大きくするとブラシの軸方向への移動が容易になるが、溝の両側に壁面102があるために、移動が一応規制されたことになる。壁面部は電極材で構成されているために、ブラシが壁面102に接触しても電気の通電性は確保される。
【0200】
スリップリングの電極の外周部に形成した溝の両側の壁面102は、面方向に20度以下のテーパを設けている(図9の角度γである)。溝加工する場合に、外周から追い込んでいくと切削抵抗が増してしまうが、壁面がテーパになっているとその壁面の切削抵抗は溝を深くしても、ほぼ一定の加工抵抗となるので、最終時でのV溝部加工の際の加工抵抗も安定したものとなり、V溝加工面の表面粗さが向上し、ブラシとの摺動寿命を悪化させない。
【0201】
ブラシと摺動するV溝部は金メッキなどの処理を施すが、機械加工の下地表面が粗いと下地の影響が出るので、機械加工面はできるだけきれいに仕上げる必要がある。ブラシとの摺動部の加工仕上げはRmaxで0.2程度にしている。
【0202】
V溝の開き角が180度近くなると、V溝頂点の加工形状部での摺動箇所が移動しやすく、V溝が表面粗さのような影響を与える場合があるので、開き角が160度以上の場合には180度のフラットの方が信頼性が高い場合がある。
【0203】
V溝の開き角180度とはフラットな形状であることを表している。
【0204】
図10、図11はスリップリングの説明をするための図である。図10はスリップリングの電極の構成を説明するために、電極と絶縁シートの構成だけで表した斜視図である。図11はロータフレームに電極を取り付けた電極側から見た図である。
【0205】
超音波振動子は2個あるので、スリップリングの電極は信号用電極2個とグランド電極1個で構成される。すなわち、図10において、電極42(図4での符号と同じ)は3個の電極42a、42b、42cで構成されていて、それぞれ電極は高分子材料の絶縁シート48a、48b、48cで絶縁されている。絶縁シートの外径は電極外径よりも大きくしている。絶縁シート48を大きくすることによって、ブラシが大きく変化しても隣の電極へ乗り上げることがない。
【0206】
絶縁シート48はシート状の高分子材料をプレス等で打ち抜いて作ることができる。絶縁シート48の一例としてポリエステルシートなど、たとえば東レのルミラーを使用する。
【0207】
絶縁シート48の外径よりも電極42を大きくする場合は電極42を接着する接着剤が絶縁シート48と電極42との隙間から流れはみ出したものが径小によって発生した隙間内に充填していくために、電極固定用接着剤が増えても、接着剤が電極の溝部に流れ込まない。したがって、電極の溝部は接圧摺動に支障のない状態が維持されるうえに、生産性の良好なスリップリングが得られる。
【0208】
電極42は黄銅を金属加工で切削またはプレス加工して内側に端子部49を設ける。その端子部49は内側に飛び出た形状であり、その他の内側は円筒(リング)形状に加工され、端子部49にはリード線半田付け用の小さな穴83が開けられている。また端子部49は外周リング部の厚みに比べて、薄くなっている段差部50がある。その段差部50は端子部49の片方の面に構成され、電極のリング内径よりも小さな半径までの範囲にて構成されている。段差部50がない場合はリード線を穴83に半田付けすると穴83の廻りに付着した半田が半田温度によって流れ広がって絶縁シート48を挟み込む範囲まで流れ込む可能性があるので、半田ゴテ先の温度などは充分に配慮しておく必要がある。段差部50がある場合は、リード線を半田した場合、半田が段差部50にとどまり、電極42のリング側まで流れないために、スリップリング組立の際に電極42が半田による積層傾きが発生しないために、ブラシ43との摺動位置が回転に伴って振れないなど有効な効果がある。
【0209】
図11に示すように、一番上の電極42cには端子部が2カ所あり、それぞれが180度離れた位置にある。この電極は共通のグランド電極としている。
【0210】
図11に示されているように、超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングの電極42が駆動モータ3のロータフレーム35の端部に構成されて、そのロータフレーム35にはスリップリング8の電極の円筒部が絶縁ブッシュ103を介して係合して、ロータフレーム35と絶縁するための絶縁ブッシュ103が構成され、その絶縁ブッシュ103は2カ所の切欠きによって半円以下の部分的円の円筒部が2カ所に配置された構成となっている。その切欠き部104ではロータフレーム35の円筒部が部分的に切欠きが形成されている。
【0211】
さらに、ロータフレーム35側に切欠きを設けることで電極42の端子部49がロータフレーム35に接触しないようにロータフレーム35の端面から順に絶縁シート、電極、絶縁シート、電極、絶縁シート、電極を固定している。電極同士の絶縁は絶縁シートで行い、ロータフレーム35端面と電極42との絶縁は絶縁ブッシュ103で行っており、電極42はモータ部材から絶縁された状態にある。
【0212】
ブラシの接圧摺動の変動を低減するためには電極42の振れを抑える必要がある。そのロータフレーム35にはスリップリングの電極42の円筒部が絶縁ブッシュ103を介して係合するので、その係合部の寸法管理をすることで、電極42の振れを小さくすることができ、接圧摺動ロスを抑えている。
【0213】
スリップリングの電極42の溝振れは0.15mm以下でモータ装置を製作している。
【0214】
ロータフレーム35にも絶縁ブッシュ103と同様な切欠きを設けて、その切欠き部に電極42の端子部を配置することで、端子部を大きくできるので、端子部にリード線を半田付けする作業も容易になる。
【0215】
ロータフレーム35の切欠き部104に1個以上のスリップリングの端子部を相対する上下の電極42の端子部が重ならないように回転方向にずらして配置している。回転方向へのずらし量を多くすれば、その端子部がロータフレーム35の金属部分に接触してしまうので、接触しないようなレベルで回転方向へのずらしを行わないといけない。また、電極42の内側の端子部を上下にずらして配置することで、端子部に半田付けされたリード線がストレスもなくロータフレーム35の外部へ導き出すことができる。上下の電極42の端子部は回転方向へのずらしの関係で電極の端子部同士が接触しない。
【0216】
このように端子部を回転させて、ロータフレーム35側の切欠き部に配置することで、絶縁が確保された薄形のスリップリングができる。
【0217】
超音波振動子はリード線が2本出ていて、1本は電気グランド(GND)であり、もう1本は信号線である。本実施例の超音波プローブでは駆動モータ3に超音波振動子が2個取り付けられているので、4本のリード線があり、電極には4つの端子が必要で最大4つの電極が必要となるが、4本のリード線の内2本はグランド線で、共通として取り扱うことができる。そのために3本のリード線として処理でき、一つの電極をグランド電極とし、2つの端子部を構成すればよいことになる。
【0218】
図12はスリップリングの電極端子部におけるリード線の半田付け穴の説明図である。
【0219】
図12の電極42は機械加工で内側に端子部49を設けている。その端子部49は内側に飛び出た形状であり、その他は円筒(リング)形状に加工され、端子部49にはリード線半田付け用の小さな切込み穴105が仕上げられている。また端子部49には外周リング部の厚みに比べて、薄くなっている段差部50を有する。その段差部50は端子部49の片方の面に構成され、電極のリング内径よりも小さな半径の範囲に構成されている。段差部50があることにより、リード線を半田付けした場合、半田が段差部50にとどまり、電極42のリング側まで流れないために、スリップリングの組立の際に電極42に半田による積層傾きが発生しない。そのためブラシの接圧摺動ロスが少なくなる。
【0220】
スリップリングの電極42の内側に形成した凸形状の端子部49に、超音波振動子への接続のためのリード線を取り付ける半田付け用の小さな切込み穴(切欠きともいう)105があって、その切込み穴105には半円状の円筒部とその円筒部に繋がった平行な開口部とがあり、その開口部は外部に繋がっていて、U字形状の切欠きが構成されている。U字形状をしていることで開口部からリード線を挿入することができ、小穴に通すような面倒な作業が不要となる。
【0221】
電極42の端子部49にU字形状の切欠き105を形成し、リード線の端末部をその切欠き105に装着することで、作業時間などが短くできるうえに、電極42の端子部49に確実にリード線を装着することができる。さらに、その接続部への半田付けも確実にできる。そのリード線の接続部も含めて、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成することができるので薄形のスリップリングができる。
【0222】
超音波振動子は180度離れた位置に構成しているので、電気グランドの線同士を容易に接続することはできないため電極42を介して接続している。電極42からは4本のリード線が出ている。その内2本は約180度離れた同じ電極から出ている。
【0223】
2個の超音波振動子による3個の電極のうち、ウインドウケース側に電気グランドの電極42cを構成し、内部に向かうにしたがって超音波振動子の周波数が高くなるように構成する。
【0224】
超音波振動子への信号は高電圧のパルス状の電圧が印加されるので、他の医療機器やモータ装置の制御信号にノイズとして影響し、医療機器本来の診療目的は維持することができるレベルであっても診療診断が円滑に行えない状態になる可能性があるので、この診療擾乱の発生がないようにするために、シールドができないスリップリングではグランドの電極42cをウインドウケース側に配置する。すなわち、グランドの電極42cはロータフレーム35の端面の外側に構成する。
【0225】
また、電磁干渉などの問題がないように注意を払い、可能な限りシールド線を使用している。
【0226】
周波数の高い振動子の周波数特性は高周波数の方が若干落ちるが、周波数特性の変化は液中のほうが減衰が大きくなり、周波数は高い程減衰が大きい。
【0227】
ウインドウケースの内側の方へは周波数の高い方の電極を接続することで、不要輻射ノイズに対する影響を低減することができる。
【0228】
スリップリングのグランドの電極を外周側に配置することは、ウインドウケースに近い側をグランドにすることであり、超音波振動子のグランド端子を導電性接着剤などを使用してロータフレームに電気的に接続を行い、外部からのノイズを受けないようにしている。そのために、スリップリングを挟み込むような構成でグランド端子を低電位に繋いでいる。ロータフレームに超音波振動子のグランド端子を接続することで、ウインドウケース内のモータ部の外層がグランド電位と同電位になることにより外部から進入してくるノイズを遮蔽することになる。
【0229】
超音波診断装置本体から超音波信号線(または、I/O線ともいう)を介して送られた電気信号により超音波振動子は超音波を放射し、被検体から反射される超音波を受波し電荷量の変化を生じる。この超音波振動子の電気的変化はI/O線を介して超音波診断装置本体に伝達される。I/O線に流れる電気信号は3kHz〜8kHzの範囲の周波数信号であるために不要輻射の主たるノイズ源となりやすい。I/O線は一般的にはシールド線を使用しているが、本実施例ではI/O線の全部をシールド線にできないので、一部を可撓性基板46で構成し、残りの大半をシールド線で構成している。I/O線は一般的にはシールド線などを使用してシールドしているため、不要輻射対策の効果を有するが、スリップリングの電極部やスリップリングから超音波振動子への接続部やスリップリングからシールド線まではシールドをすることができない。すなわち、実施例ではスリップリングからシールド線までは可撓性基板46(図14の符号46)で構成している。
【0230】
不要輻射対策の一つとして、使用する周波数の電極の位置を検討することで、不要輻射を低減させている。すなわち、その3個の電極のうち、ウインドウケース側に電気グランドの電極を構成し、内部に向かうにしたがって超音波振動子の周波数が高くなるように構成する。周波数が高くなるほど、減衰が大きいので、高周波のノイズがウインドウケースから外部へ伝搬することによる影響は、電極の位置が内部の方にあればあるほど小さくなる。
【0231】
図13、図14はブラシホルダにおけるブラシと可撓性基板の関係を説明するための図である。図13、図14において、44はブラシホルダ、43はブラシ、46は可撓性基板である。
【0232】
ブラシホルダ44はフェノール樹脂材などの電気絶縁材からなっていて、ベースハウジング4に取り付けることができるようにネジ穴84が加工されている。ブラシホルダ44には可撓性基板46を接着して固定する位置に、可撓性基板46の厚み相当分の凹部51が構成されている。この凹部51があることでブラシ43はブラシホルダの面52に密着して固定することができる。ブラシホルダ44にはブラシ43を貫通して取り付ける穴53が設けられている。ブラシ43を穴53に取り付けた後、穴53部に接着剤を充填して固定する。I/O線用可撓性基板46は3つの電極に相対する位置にブラシ43があり、そのブラシ43の半田付けのために、ランド85a、85b、85cがブラシ43に直線ではなく、千鳥状に配置されている。図ではランド85a、85b、85cをブラシ43の長手方向に場所を変えている。85bのランドを中心にして、モータの内側に位置するランド85aは図14では左側に構成され、モータの外側に位置し、ウインドウケースに近いランド85cは図14では右側に構成されている。たとえば、一例としてブラシ間のピッチは0.688mmでブラシ線径0.15mmの場合には、ブラシに対して直線に配置するとランド径0.3mm程度となり半田付け作業性が困難になってしまう。
【0233】
また可撓性基板は両面スルホール基板で、一面側をベタかクロスの銅パターンで構成してシールドすることもできるが、信号線を屈曲するような箇所には、両面基板は銅と絶縁材と粘着材との伸縮特性の差で屈曲の内側の銅と外側の銅とでは伸縮差によるストレスが発生しクラックが入り易い。実施例の可撓性基板46は超音波伝播媒質内で使用するために、粘着剤のない仕様のものを使用している。たとえば、圧延銅で厚み18μmの銅でパターンを構成し、その両側をポリイミドの絶縁膜を印刷技術で処理膜として構成し、そのポリイミド膜厚は14μmである。
【0234】
実施例の可撓性基板46は図15に示すような形状であって、信号用基板106とシールド用基板107を一枚の基板として形成し、シールド用基板107を信号用基板106に折り重ねて、シールド基板を信号用基板のうえに構成した形態になっている。図15は信号用基板106とシールド用基板107はFPC接続部108で一部分繋がっていて、大半がスリット109で切り離されているので、折り重ねて別部品のように曲率が異なった曲線で、それぞれの位置になっても問題なく屈曲ができている。シールド用基板107はクロス状になっているがシールドのグランド電位を低く抑えたい場合などは水玉模様の方がいい場合がある。それは水玉模様の方が銅の占める割合が多いためである。
【0235】
図15に示すように、信号用基板107は超音波振動子1、2(図3の符号)の信号ランド110、111があるが、信号ラインの間にはグランドラインを配線するようにパターン設計されていて、信号ランドの間にグランドランド112になるようにしている。その関係でシールド用基板107のパターンにFPC接続部108を通してグランドパターンを電気接続することができないために、信号ランド110、111やグランドランド112などに接続する中継基板(図示せず)を介してグランドラインはシールド線に接続する。その中継基板上でグランドをシールドグランドと電気的接続をすることで、シールド用基板107のパターンはグランドと電位が等価となるので、シールド用基板107はシールドとしての役割を行う。この電気グランドを信号基板の面上に構成することで電気シールドの効果が得られている。
【0236】
図3、図4を参照のこと。モータ用可撓性基板47やMR素子の信号ラインの可撓性基板39、45は電子回路基板28に接続されているが、I/O線の可撓性基板46は3本の可撓性基板47、39、45と積み重ねられた状態で駆動モータの外部に出ている。そのためI/O線の可撓性基板46から発生する不要輻射がMR素子の信号ライン(位置情報信号ラインとする)に飛び込まないように可撓性基板46のシールド基板側を位置情報信号ラインの方に配置している。
【0237】
超音波伝播媒質(音響媒体液)中で回転駆動される駆動モータの位置情報信号ラインは超音波振動子の走査位置を知るためのエンコーダからの信号ラインであり、I/O線の可撓性基板からノイズが入ると、位置情報が不安定となり、駆動モータの制御が不安定になるが、I/O線の可撓性基板46は電気シールドされているので、ノイズの影響を受けることがない。
【0238】
また揺動モータ5(図1)はブラシ付きモータで発生するようなブラシノイズなどの影響がないようにブラシレスモータを使用している。
【0239】
超音波振動子と装置本体との電気信号の送受信が正しく行われ、ノイズの少ない正確な超音波診断装置の超音波画像を得ることができる。
【0240】
図16はスリップリングの電極とブラシの接触角を説明するための図である。
【0241】
フェノール樹脂などの絶縁材であるブラシホルダ44は、線状のブラシ43を貫通して取り付ける穴がブラシホルダ44の両側にある。真直材のブラシ43はフォーミング冶具などでブラシ43の両側を略直角方向にコの字に折り曲げられている。フォーミングしたブラシ43をブラシホルダ44の穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダ44に密着する程度まで挿入する。このように構成した1本のブラシ43はそのブラシの両側に飛び出した2本のブラシが形成されるが、一本の同じブラシから形成しているために両側のブラシは導通している。したがって、同じブラシ43がスリップリングにおける一つの電極の両脇で、2カ所に接触するように構成することができる。その接触点を接点113、114として表す。
【0242】
1本のブラシ43の両側をスリップリングの一つの電極に接触させることで、1つのブラシ43で電極42に接触する箇所を2カ所にすることができる。したがって、2ヶ所でブラシが電極に接触することにより、一方の側のブラシが電極42から飛び跳ねても、もう一方の側のブラシは電極42に接触しているので、電極42とブラシ43は常に接続されていることになる。
【0243】
電極の中心を中心点として接触する2つの接点のなす角度δは、
δ=150度〜210度
である。
【0244】
1つの電極に2本のブラシを摺動接触するので、接触負荷ロスが駆動モータの発生トルクに比べて大きくなりやすい。したがって、摺動する位置が安定するように規定していて、スリップリングの負荷を低減する。モータの回転が両回転であれば、対称なブラシ配置である必要がある。ブラシを開いた状態で電極を上から挿入する場合、δは180度以下であれば挿入しやすい。δが小さくなると、そのブラシ圧による分力が大きくなり、ブラシ圧の分力は軸受に作用する側圧でもある。ブラシ圧の分力が大きいと摺動負荷が大きくなり、駆動モータの発生トルクに対する負荷が増えることになり、起動や回転などが不安定になることにより、δが150度以下や210度以上の関係にならないように、ブラシの支点を決めている。
【0245】
実施例のスリップリングは電極と円断面のブラシから構成されている。スリップリングの電極はプレスや金属切削の機械加工で得られた銅系材料である。たとえば、ブラシは金75wt%とプラチナ7wt%の合金であって、ビッカース硬度300で硬い材料であるが、電極側にはビッカース硬度が約100程度の母材料を使用している。硬度差を設けることで摺動部の異常摩耗がなくなり、安定した摺動抵抗となる。そのためスリップリングの寿命が延び、装置としての超音波振動子駆動モータ装置や超音波診断装置の製品寿命が延びることになる。実施例では電極には銅系材料を使用している。銅系材料の素材のままでブラシと摺動させることは摺動抵抗が不安定になるので、表面にメッキ処理を施して摺動抵抗を低減している。
【0246】
銅系材料を母材とした電極には、以下のメッキ処理を施している。
【0247】
母材面に、銅フラッシュ、銅メッキ、ニッケルメッキ、金フラッシュの処理をして表面に金メッキ処理を施している。
【0248】
銅フラッシュは銅メッキをするための前処理で、活性化処理であり、薄く均一にメッキ処理するための処理である。
【0249】
銅メッキは母材の表面の格子欠陥や表面の微細な欠損ホールに付いて、その欠陥や欠損でできた表面の穴にメッキを充填していき、表面が一定の平面になるようにして、摺動面の粗さなどの影響がメッキ表面に出ないようにしている。銅メッキ処理後の面が均一になるので、その面にニッケルメッキを施して、銅メッキ層のうえにニッケルの層を形成することで、銅メッキ層よりも硬度が硬いニッケルのメッキ層を薄く形成し、母材の硬度が影響するようにしている。さらに、摺動性の良い金メッキを施すが、金メッキの前に金フラッシュの活性化処理をして、金メッキの膜付けを均一している。
【0250】
また、別の例として、銅系材料を母材とした電極には、以下のメッキ処理を施している。
【0251】
母材面に、銅フラッシュ、ニッケルメッキ、金フラッシュの処理をして表面に金メッキ処理を施している。
【0252】
銅フラッシュは銅メッキをするための前処理であって、活性化処理として使用する場合が多いが、本例では、銅系の母材に含有する成分が表面に析出してこないようにするために銅フラッシュを施している。母材表面には銅だけの成分の膜が500Å程度付着する。その銅フラッシュ膜によって、次のメッキ処理でのメッキ膜が安定する。銅フラッシュの次には、ニッケルメッキ処理を施す。加工表面の粗さが良好の仕上げであれば、銅フラッシュ処理を行った面は加工面の素性をそのまま表している。その面にニッケルメッキを施して、銅フラッシュ層のうえにニッケルの層を形成することで、銅層よりも硬度が硬いニッケルメッキ層を薄く形成する。
【0253】
ニッケルメッキも仕上げ面を反映するために3μm程度の膜厚に仕上げているので、母材の硬度が影響するようにしている。さらに、金メッキの前に金フラッシュを行って活性化処理をし、摺動性の良好な金メッキを施している。
【0254】
また、別の例として、銅系材料を母材とした電極には、以下のメッキ処理を施している。
【0255】
母材面に、ニッケルメッキ、金フラッシュの処理をして表面に金メッキ処理を施している。
【0256】
上記例では銅フラッシュや銅メッキの下地処理をしているが、電極の機械加工時に目つぶし処理のような加工を機械加工の仕上げ面に施すことにより、銅フラッシュや銅メッキの下地処理を廃止することができる。
【0257】
目つぶし加工とは、仕上げ面をきれいな加工面に仕上げた加工であり、超硬バイトではなく、ダイヤモンドバイトを使用して旋削加工で得られる。そのためにはバイト送りやワークの回転速度は管理された加工条件で行う必要がある。
【0258】
きれいに仕上げた面であれば、下地処理無しでニッケルメッキ処理を施しても、信頼性には大きく影響をしないことが発明者の経験から言える。
【0259】
ニッケルメッキ膜の下は銅系母材であり、母材の硬度に比べればニッケルメッキ層は硬い。
【0260】
ニッケルメッキも仕上げ面を反映するために1〜3μm程度の膜厚に仕上げており、母材の硬度が影響するようにしている。さらに、金メッキの前に金フラッシュを行って活性化処理をし、摺動性の良好な金メッキを施している。金メッキは3〜15μmの膜厚を付けるが膜を厚く付ける方が信頼性が良好であるが、金の量を多く使用することになり、コストとの関係で、5μm程度にしている。
【0261】
ベースハウジング4は金属粉末射出成形法(Metal InjectionMolding=MIM、以下MIMとする)によって焼結金属から形成されている。
【0262】
MIMは、R.E.Wiechがウィテック・プロセスを開発し、1972年に実用化された技術で、3次元的な複雑な形状の部品を精度良く生産できることから、機械加工、ダイカスト、精密鋳造、粉末冶金に次ぐ第五世代の金属加工法として注目を集めている工法であって、寸法公差的には一般公差の10mm以下で±0.05mm、特別公差で±0.03mm程度と金属加工精度に匹敵する他の金属ダイキャストなどでは得られない精度が得られる。
【0263】
本実施例のベースハウジング4(図3、4の符号4)は3次元的な複雑な形状であるうえに、部分的にギア部を形成しているために、寸法精度の安定性が重要なことよりMIMで製作をした。
【0264】
MIMで製作するために次のポイントで金型形状、製品成型条件などを検討した(製作部品については後述の図8〜図11を参照のこと)。
【0265】
(1)部品の厚みができるだけ、均一になるように、不要な部分を取り除いた。
【0266】
(2)ギア部は平ギアで抜きテーパをゼロにするために、金型離型時の抵抗を減らして、精度的に許される寸法箇所には1度程度のテーパを付けた。
【0267】
(3)円弧形状が多いベースハウジングのため、焼結時の成型品を安定させて置くために、2次加工にて削除可能形状の部位を構成する。
【0268】
(4)ギア部は金型離型、脱脂、焼結などの過程で、製品寸法は金型離型寸法に対して縮小するために、ギア部には縮小の影響ができにくいような金型品形状にする。
【0269】
(5)ベースハウジングのレール箇所の変形などが発生しないようにした。
【0270】
(6)2次加工にて削除可能形状の部位を金型製品形状に追加した、その追加箇所はギア側の方の設けた。
【0271】
(7)レール部は2次加工を前提して、そのレール箇所の2次加工で削除可能形状の部位が削除できる形状とした。
【0272】
(8)2次加工箇所をできるだけ少なくすること。
【0273】
以上のような観点で、製品形状と金型製品形状を設計した。
【0274】
また、MIMは、加熱溶融された熱可塑性の物質を高圧・高速で金型内へ射出し冷却することにより部品を生産するプラスチック成型方法に類似したものであり、金属の素材を微粒粉末(金属粉末)に粉砕し、その金属粉末とバインダーとなる樹脂あるいはワックスなどの流動性を付与させる有機系物質を混練し、得られた素材を加熱して溶融し、造粒し、プラスチックと同様に射出成形をする方法である。その後、得られた成型体を熱分解方式などで脱脂した後、焼結を行うことで金属の部品を生産する方法である。
【0275】
ベースハウジング4の材料には、非磁性体で、強度が必要であり、超音波伝播媒体に対して物性が安定している必要があり、使用できる材料として、オーステナイト系のステンレス鋼であるSUS303、SUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L等、非鉄系材料WC−Co、W−Cu−Ni、W−Fe−Ni、Tiなどが選定できる。
【0276】
その中の一例として粉末粒子径が5〜10μmの微細粉末であるSUS316Lのステンレス鋼粉末を用いた。
【0277】
一方、バインダーとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド等の各種熱可塑性樹脂や、各種ワックス、パラフィン等のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0278】
ベースハウジング4のバインダーの一例として、アクリル樹脂とポリスチレン等を配合し、一般に使用する添加量60vol%程度にして実験した結果、寸法の低下が見られた。また添加量を10vol%程度にすると、成型流動性が乏しくなり、射出成形品の不良が発生し、成型離型時のマイクロクラックなどの影響で脱脂後や真空炉に成型体を設置する際に部品の欠落が発生する。したがって、成型体の安定性の観点から添加量を設定し、成型体を焼結するときの収縮によりギア部の寸法精度を向上するために添加量15〜50vol%程度に設定している。
【0279】
金属粉末とバインダーの混練物には、ベースハウジング4でギア歯面やMR素子取付部やブラシホルダ取付部は抜きテーパのないストレート部が成型体にあるために、可塑剤、潤滑剤などの添加物を微量添加している。
【0280】
前述した製品形状と金型製品形状を設計するためにポイントに基づいて配慮されたベースハウジングの金型製品(MIMブランク品)の斜視図を図17、図18に示す。図17はギア33側からの斜視図、図18はギア33の反対側からの斜視図である。図17、図18において、ベースハウジングのMIMブランク品55は駆動モータを支承する軸受部が取り付けられる円筒部56、57が形成された支柱部58、59があり、円筒部56はスリップリング側の軸受支承のための円筒部の穴であって、支柱部58にはブラシホルダをビスで固定するための取付穴60が2個設けられている。ブラシホルダ取付部面61はブラシとスリップリングの電極との摺動の安定のために、ブラシホルダが傾かないように取り付けができるようにテーパなしで金型を製作している。I/O線の可撓性基板46(図3)をベースハウジング55(図1のベースハウジング4と同じ意味の場合でも図17、18での説明のため符号55を使用する)の外部に取り出すために、支柱部58と揺動支持部62の境目のちかくに長方形類似した形状のI/O線用の可撓性基板を通すために穴63が開いている。その穴63の関係で支柱部58の接続強度が弱くなりやすいので、揺動支持部62と支柱部58の接続部にはベースハウジング55の肉厚をブラシに接触しない程度にできるだけ厚くなるように傾斜部64を設けている。穴63の両側に形成した傾斜部64によって、支柱部58の耐衝撃強度が向上している。
【0281】
また支柱部59の円筒部57にはエンコーダ側の軸受が取り付けられる。円筒部57はエンコーダ側の軸受を支承する円筒部の穴であって、支柱部59にはAB相のMR素子取付台をビスで固定するための取付穴65が2個設けられている。AB相のMR素子取付台の取付部面もエンコーダマグネット(図4の符号40)とAB相のMR素子(図4の符号41)とのギャップを均一に平行に、調整可能に抜きテーパゼロで金型を製作している。AB相のMR素子に接続された可撓性基板を外部に取り出すためのフック66は支柱部59の両サイドにMIMで一体に形成されている。
【0282】
ベースハウジング55の揺動支持部62の両側には揺動のためのレール部が形成されている。揺動支持部62にはZ相のMR素子の取付台を固定するための穴67とZ相MR素子の可撓性基板をベースハウジングから取り出すための穴68が形成されている。
【0283】
ベースハウジングのレールはMIMブランク品55に対して2次加工にて寸法精度を出すために加工代を加えて製作されている。
【0284】
MIMブランク品55は成型体を焼成した際の収縮率を小さくして寸法精度を高めるためとともに、焼結体の空孔率の減少によって部品寸法精度を向上させるために、MIMブランク品55の厚みができるだけ均一になるように揺動支持部62などの内側の肉厚を調整している。
【0285】
ギア33の歯面は抜きテーパをゼロにするために、金型離型時のノックピンをギア33の近傍に設けた。
【0286】
2次加工にて削除可能形状の部位72は、支柱部58の先端部に接続する部位69と、支柱部59の先端部に接続する部位70と、ギア33側レールに接続する部位71との3カ所の部位で接続されている。ギア33部の離型性や2次加工で加工ツールの設定の容易さなどから、2次加工で削除可能形状の部位72に空間73、74を設けている。
【0287】
2次加工で削除可能形状の部位72の面を大きく構成し、安定して成型体を置くことができるので、脱脂工程や焼結工程での部品の作業効率が向上するうえに、成型体の仕上がりが安定する。
【0288】
図19、図20は製品形状の2次加工MIM品の斜視図である。図19はギア部からの斜視図であり、図20はギアの反対側からの斜視図である。図19、図20に示す2次加工MIM品は図17、図18のMIMブランク品55に2次加工をして、超音波診断装置に使用されるベースハウジング4を示している。部品についての符号は図17、図18と同じ箇所には同じ符号を使用する。図21には軸受カラーを示す。
【0289】
図19、図20において、33はギア、56、57は軸受を支承するための円筒部、58、59は支柱部、60はブラシホルダ固定の取付穴、62は揺動支持部、63はI/O線の可撓性基板用穴、64は傾斜部、65はAB相のMR素子取り付けの取付穴、66はフック、67はZ相MR素子を固定するための穴、68はZ相の可撓性基板をベースハウジングから取り出す穴である。
【0290】
MIMで成型されたベースハウジングは材料が金属であることより、成型だけでの精度以上が必要な箇所には機械加工を施して寸法精度の向上を図っている、その機械加工について説明する。
【0291】
ベースハウジングの支柱部58、59に軸受カラー75を取り付けるためには、軸受カラーが挿入される円筒部56、57にはわずかの加工代が設けられている。わずかの隙間で回転可能に係合するために、円筒部56、57の内径を仕上げる。
【0292】
また駆動モータの両端に取り付けた2つの軸受カラー間の距離を寸法通りに組立てした駆動モータをベースハウジングに装着するためには、軸受カラー間の距離に合わせて、支柱部58、59の内側に二次加工を施して傾斜面をなくする。支柱部58、59の内側は、ベースハウジングのMIMブランク品55では1度程度の抜きテーパが付いており、駆動モータを組み立てるには支柱部58、59の内側にテーパがあってはモータ組立に支障が発生するので機械加工を施す。その機械加工面をそれぞれ76、77とする(77の面は図19、図20の図では面として表現できてないが、加工に伴う段差の稜線にて表現している)。軸方向の予圧が安定に軸受に作用するので、信頼性の良好な駆動モータができる。
【0293】
機械加工による削除部の大きな箇所としては、図17、図18において部位69〜72である。図19、図20のようなベースハウジングにするためには2次加工で削除する必要があり、その削除作業と同じチャックにて、ベースハウジングの揺動用レース86、87を仕上げる。揺動用レース86はベースハウジング4のギア側のレースを示し、揺動用レース87はベースハウジング4のギア反対側のレースを示す。
【0294】
3次元的な異形状なベースハウジングであるが、金型形状などを検討することで、2次加工をほとんどしなくてもMIMの精度にて所用の寸法精度が出せる。
【0295】
図21の軸受カラー75はフランジ78と円筒部79、80とその円筒部80側の2つの切欠き部81から構成されている。フランジ78はベースハウジング4の支柱部の内側面に向い合うように配置され、駆動モータ3がベースハウジング4から抜け落ちたり移動したりすることを防止している。そのフランジ78の両側に円筒部79、80があり、円筒部79は駆動モータ3のボール軸受の内輪に接して組み込まれるため、内輪の外径に合わせた寸法になっている。円筒部80はベースハウジング4の支柱部に設けられた円筒部に係合するために、外周の2カ所に切欠き部81が設けられている。
【0296】
図22はその軸受カラーをベースハウジング4の支柱部に設けられた円筒部に係合するための説明図である。軸受カラー75は駆動モータ3の両側にあり2個存在する。その軸受カラー75はエンコーダ側の軸受カラーを75aとし、スリップリング側の軸受カラーを75bとして区別する。軸受カラーの両方をさす時は75の符号をもって説明している。図22はエンコーダ側支柱部59の円筒部57での説明のため軸受カラーは75aである。75bの軸受カラーは図示されていない。
【0297】
図22(a)は軸受カラー75aを円筒部57に係合するための挿入方法の説明図である。
【0298】
ベースハウジング4の支柱部59に設けられた円形の円筒部57には揺動支持部62と反対側に平行の開口部88が支柱部の外部まで設けられている。その開口部88は外部と円筒部57を繋ぐ部分である。支柱部59の開口部88は平行な面で構成されその間隔(距離h1とする)は軸受カラーの切欠き部81の間隔よりも大きくなっている。また、開口部の間隔h1は円筒部57の直径よりも小さくなっている。
【0299】
軸受カラー75aの切欠き部81が支柱部59の開口部88に平行になるようにして支柱部59の上から挿入してくる。実際には両側に軸受カラーの装着した駆動モータをベースハウジングに挿入するので、軸受カラー単品だけの挿入ではないが、説明のために軸受カラーでもって説明する。2つの軸受カラーの間に駆動モータが存在するので、軸受カラーが支柱部に挿入できれば駆動モータが挿入できることになる。すなわち、ベースハウジングに駆動モータを組み込むことができることになる。
【0300】
さらに、軸受カラー75aのフランジ部78がベースハウジング4に設けた支柱部59の内側の面(図19では機械加工された面77)を案内にしながら、軸受カラー75aを開口部88から円筒部57へと挿入していく。軸受カラー75aは、軸受カラー75aの円筒部80の中心と支柱部59の円筒部57の中心とが一致するまで挿入する。次に、その中心を一致させた状態で軸受カラー75aを90度回転させ、軸受カラー75aの切欠き部81の面を支柱部59の開口部88の面に略直角にさせると、軸受カラー75aは抜け落ちなくなる。すなわち、駆動モータ3をベースハウジング4に組み込みが完了したことになる。
【0301】
また、ベースハウジング4の2つの支柱部58、59とも図22で説明したように、軸受カラー75を取り付ける。
【0302】
図23はシャーシ本体の斜視図を示す。シャーシ本体25にはベースハウジング4の揺動用のレールを案内するレール溝89が設けられている。この案内のためのレール溝89は揺動可能な範囲をできるだけ広く設計する。ベースハウジング4に揺動トルクを伝達するギアシャフト29の軸受を装着するために穴90がシャーシ本体25の側面側に形成している。シャーシ本体25の中央部はサイドシャーシ26との連結部ともなっていて、サイドシャーシ26との合わせ面91は揺動性能に影響するので揺動軸に対して傾斜をもたないようにするために、レール溝89の加工と合わせ面91の加工を同一チャックの状態にする。合わせ面91にはサイドシャーシ26を取り付けるためのネジ穴92があり、さらには、サイドシャーシ26との位置決めのための平行な案内溝93が形成されている。
【0303】
シャーシ本体25には揺動側のトルクを伝達するたのベベルギアを装着するために案内穴94がある。この案内穴94は貫通している。シャーシ本体25は電子回路基板取り付け用のネジ穴99が形成されている。
【0304】
シャーシ本体25は真鍮ダイキャストで鋳造され、鋳造品を金属加工して所用の寸法精度に仕上げている。また摺動性能を要求する箇所があるために、テフロン入りの無電解ニッケルメッキ処理を表面に施している。また、シャーシ本体25には、摺動抵抗を低減するためにテフロンをコンポジットした電解液でテフロン入りの無電解ニッケルメッキ処理や、ホウ素を入れた無電解ニッケルメッキ処理を施すこともある。
【0305】
シャーシ本体25のレール溝89は超音波伝搬媒質の中に浸積されて使用され、電子回路基板28は空気中となるために、シャーシ本体25には密閉部材としての使用目的もある。シャーシ本体25は気密性を必要とするので、時計などに使用される真鍮ダイキャストの工法を使用した。また軽量を目的とする場合はアルミダイキャストやマグネシウム合金を使用する。
【0306】
図24はサイドシャーシの斜視図を示す。サイドシャーシ本体26にはベースハウジング4の揺動用のレールを案内するレール溝95が設けられている。この案内のためのレール溝95は揺動可能な範囲をできるだけ広く設計されていて、ベースハウジング4のレールの範囲よりも大きくしている。レール溝95のレール角度範囲の方をベースハウジング4のレールの角度範囲よりも大きくすることによって摺動抵抗が安定し、揺動の安定性が増す。
【0307】
シャーシ本体25との合わせ面96は揺動性能に影響するので揺動軸に対して傾斜をもたないように、レール溝95の加工と合わせ面96の加工を同一チャックにて行う。合わせ面96にはシャーシ本体25にサイドシャーシ26を取り付けるための穴97があり、さらに、シャーシ本体25との位置決めのために、シャーシ本体25の位置決め用の平行な案内溝93に係合する平行部を有する凸部98が形成されている。
【0308】
サイドシャーシ26もシャーシ本体25と同様に真鍮ダイキャストで鋳造され、鋳造品を金属加工して所用の寸法精度に仕上げている。また摺動性能を要求する箇所があるために、テフロン入りの無電解ニッケルメッキ処理を表面に施している。さらに摺動抵抗を低減するためにテフロンをコンポジットした電解液でテフロン入りの無電解ニッケルメッキ処理や、ホウ素を入れた無電解ニッケルメッキ処理を施すこともある。
【0309】
サイドシャーシ26のレール溝95は超音波伝播媒質の中に浸積されて使用され、凸部98側は空気中になるように超音波プローブができるため、サイドシャーシ26には密閉部材としての使用目的もあり、サイドシャーシ26の気密性を必要とするので真鍮ダイキャストの工法を使用した。軽量を目的する場合はアルミダイキャストやマグネシウム合金を使用する場合もある。
【0310】
ベースハウジング4を部位ごとに別部材にて構成することにより、加工が容易となるうえにモータ装置の組立が容易となる。
【0311】
このように、本実施例における3次元走査用超音波プローブは軽量で小形であり、プローブ先端部に揺動部と駆動部の主な機構部が内蔵されていることより、超音波振動子による広角な範囲の超音波断層画像が得られる。また、3次元走査用超音波プローブを体腔内に挿入して使用する場合には、挿入部先端に超音波振動子を配置することができるので、より挿入部を小形化することができるという利点を有する。
【0312】
本実施例の3次元走査用超音波プローブによる3次元的走査が可能であり、超音波振動子を装着した駆動モータの回転にともない、駆動モータ側のエンコーダから回転角度信号が超音波診断装置に伝送され、2次元の超音波断層画像が得られる。さらに駆動モータを支承したベースハウジングを揺動するための揺動モータの回転にともない、揺動モータに取り付けたエンコーダから回転角度信号が超音波診断装置に伝送され、所定の角度毎に超音波振動子の電子走査を行うことにより、複数枚の超音波断層画像を得ることができる。この得られた複数枚の超音波断層画像をもとに3次元超音波断層画像を得ることができる。
【0313】
【発明の効果】
上記実施例の記載から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、駆動モータと超音波振動子の位置関係において、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子が構成する機構となっているのでコンパクトに3次元機構化することができる。超音波振動子のビーム軌跡面はハンドル軸とシャーシ軸とは同一方向を向いているので、駆動モータの駆動軸はハンドル軸とは垂直な関係にあり、ビーム軌跡面はハンドル軸に対して平行な面である走査面となる超音波断層画像を得ることができる。また、揺動軸が駆動軸に対して直交しているうえにビーム軌跡面に対して揺動面は直交していて、駆動軸を揺動することでビーム軌跡面を揺動軸を中心に軌跡させることができる。ロータフレームの外周に取り付けた超音波振動子の信号の授受にはスリップリングを使用しているので、周波数特性が良く、伝達効率の劣化を少なく抑えた状態で超音波の周波数を高くすることができる。また、駆動モータは、ロータフレームの端面側にスリップリングを構成していて、両側にベースハウジングの支柱部があり、その支柱部で軸受支承されているので、回転は安定している。さらに、超音波振動子が駆動モータの中央部に装着されているので、安定した鮮明な画像が得られ、コンパクトな機構の超音波振動子駆動モータ装置が可能となるという有利な効果が得られる。
【0314】
また、請求項2に記載の発明によれば、駆動モータの端面にスリップリングを構成することで、コンパクトなモータ装置となるうえに、超音波振動子の授受信号を短いリード線で接続でき、駆動モータのロータフレーム外周部に超音波振動子を取り付けているので、ウインドウケースとの距離も短くでき、超音波の減衰が少なくなり、超音波画像が鮮明になるうえに、スリップリングを使用していることで、超音波振動子の周波数が高いものも使用でき、さらに駆動モータの軸受を支承するベースハウジングをプローブのシャーシに取り付けるために、コンパクトで剛性の強いモータ装置ができるという有利な効果が得られる。
【0315】
また、請求項3に記載の発明によれば、超音波振動子駆動モータ装置に、2個の超音波振動子を搭載し、その2個の超音波振動子を異なる周波数にすることで、1つの超音波プローブで2種類の深度をもつ距離分解能の異なったものとして扱うことにができ、素子への信号を切り替えることにより、2つの深度の異なった超音波画像が得られ、迅速に超音波診断が可能となるという有利な効果が得られる。
【0316】
また、請求項4に記載の発明によれば、超音波振動子駆動モータ装置に、3個の超音波振動子を搭載し、その3個の超音波振動子を異なる周波数にすることで、1つの超音波プローブにて3種類の深度をもつことができる。周波数が高くなると超音波の減衰が大きくなり、深度の深い部分での診断ができなくなるので、1つの超音波プローブで振動数の異なる超音波振動子を切り替えて使用することで、3つの深度の異なった超音波画像ができるためによりよい超音波診断が可能となるという有利な効果が得られる。
【0317】
また、請求項5に記載の発明によれば、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部にリード線を取り付けることができ、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄形のスリップリングの電極が構成できる、また、小形なモータ装置になるうえに、スリップリングとして形状的に組立易いという効果を奏するものである。
【0318】
また、請求項6に記載の発明によれば、複数個の超音波振動子が取り付けられる場合、スリップリングの電極の数も多くなるので、電極の内側に端子部を2カ所設け、グランドの電極として共通使用することで、薄形のスリップリングができ、形状的にも、組立易くなる。また、部品点数も減ることにもなり、小形のモータ装置になる。
【0319】
また、請求項7に記載の発明によれば、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部の穴にリード線を取り付けることにより、電極とリード線の接続を確実にすることができるうえに、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄形のスリップリングの電極が構成できる。
【0320】
また、請求項8に記載の発明によれば、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成し、電極の端子部にU字形状の切欠きを形成し、リード線の端末部をその切欠きに装着することで、作業時間などが短くでき、確実に電極の端子部に装着することができ、その接続部への半田付けも確実にでき、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄型のスリップリングの電極が構成できるという有利な効果が得られる。
【0321】
また、請求項9に記載の発明によれば、電極内側に電極厚さの範囲内で端子部を構成し、その端子部に段差を設けることで、リード線の端末部を半田接続した際の半田の盛り上がりをその段差でもって、電極の端面からの半田部の飛び出しを寸法的に抑えることができるので、電極とリード線の半田接続を確実にできるうえに、そのリード線の接続部として薄くできるので、薄形のスリップリングの電極が構成できるという有利な効果が得られる。
【0322】
また、請求項10に記載の発明によれば、超音波振動子の信号の授受をスリップリングで行うことで、周波数特性が良く、超音波の周波数を高くしても伝達効率の劣化が少ない。
【0323】
さらに、ロータフレーム側に切欠きを設けることで電極の端子部がロータフレームに接触しないようにロータフレームの端面に取り付けることができる。
【0324】
また、ロータフレームと電極との絶縁を絶縁ブッシュで行い、そのロータフレームにはスリップリングの電極の円筒部が絶縁ブッシュを介して係合するので、その係合部の寸法管理をすることで、電極の振れを小さくすることができる。
【0325】
絶縁ブッシュにもロータフレームと同様に切欠きを設けて、その切欠き部に電極の端子部を配置することで、絶縁の確保された薄形のスリップリングができる。
【0326】
また、請求項11に記載の発明によれば、絶縁シートは薄手のシートをプレス等の打抜で形成することができるので、均一な絶縁シートができる。この絶縁シートによりスリップリングの電極同士の絶縁と電極とロータフレーム端面との絶縁ができ、スリップリングとしては薄形が可能となり、超音波振動子駆動モータ装置の小形のものを、形状的にも、組立易く製作することができる。
【0327】
また、請求項12に記載の発明によれば、ブラシホルダはベースハウジングに固定され、ベースハウジングに対してロータフレームは回転するので、ロータフレームの端面に段差を設けてそのロータフレームの段差部に電極を取り付けることで、ブラシホルダとロータフレームが接触しないようにすることができ、さらにはコンパクトにロータフレーム端面に電極を構成できるので小形の駆動モータ装置ができる。
【0328】
また、請求項13に記載の発明によれば、絶縁シートの外径よりも電極が大きいので、電極を接着する接着剤が絶縁シートと電極との隙間からはみ出したものが電極と絶縁シートで作られる空間に流れ充填し始めるために、接着剤が電極の外周部から摺動用の溝部に流れ込まないために、生産性の良好なスリップリングが得られる。接着剤は熱硬化タイプの接着剤であって、絶縁材としての効果がある。
【0329】
また、請求項14に記載の発明によれば、絶縁シートを大きくすることによって、衝撃などでブラシが電極との接触状態から外れ、絶縁シートを乗り越えて隣の電極のほうへ移動することはできないので、ブラシは安定して電極の上を摺動することができるという効果が得られる。
【0330】
また、請求項15に記載の発明によれば、複数枚の電極でスリップリングを構成する際に、電極の内側の端子部を電極の上下で重ならないように円周方向にずらして配置することで、端子部に半田付けされたリード線がストレスもなくロータフレームの外部へ導き出すことができるうえに、電極の端子部同士が接触しない。さらに、ロータフレーム側に切欠きを設けることで電極の端子部がロータフレームに接触しないようにロータフレームの端面に取り付けることができるという有利な効果が得られる。
【0331】
また、請求項16に記載の発明によれば、スリップリングの電極の外周部にV溝を形成することでブラシの摺動接触が安定になる。
【0332】
スリップリングの電極の溝形状をV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができ、衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシ寿命が延びる。また、ブラシが安定に摺動接触することで摺動ロスを低減することができる。
【0333】
また、請求項17に記載の発明によれば、スリップリングの電極の溝形状をV溝形状し、さらにV溝形状のV溝角度を所定の角度範囲にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができる。衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシ寿命を延ばすことができる。
【0334】
V溝形状を安定させることで、ブラシが安定に摺動接触することでスリップリングでの摺動ロスを低減することができる。
【0335】
また、請求項18に記載の発明によれば、スリップリングの電極の溝形状をV溝形状し、さらにV溝形状のV溝角度を所定の角度範囲にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができ、衝撃などでのブラシ飛びなどが発生しなくなり、ブラシ寿命が延ばすことができる。
【0336】
V溝形状を安定させることで、ブラシが安定に摺動接触し、スリップリングでの摺動ロスを低減することができ、駆動モータの発生トルクに対するマージンが増えるので信頼性のある駆動モータ装置を提供することができる。
【0337】
また、請求項19に記載の発明によれば、スリップリングの電極の外周部に開き角の大きなV溝を形成し、V溝の両サイドにテーパ状の壁面を設けることで、ブラシが隣の電極へ移動しなくなるので、電極とブラシは所定の関係で摺動接触することができる。
【0338】
スリップリングの電極の溝形状を開き角の大きなV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができるのでブラシ寿命が延び、また、ブラシのブラシ圧を小さめに設定できるので、ブラシの摺動ロスを低減することができる。
【0339】
また、請求項20に記載の発明によれば、スリップリングの電極の外周部に開き角の大きなV溝を形成し、V溝の両サイドにテーパ状の壁面を設けることで、ブラシが隣の電極へ移動しなくなるので、電極とブラシは所定の関係で摺動接触することができる。
【0340】
スリップリングの電極の溝形状を開き角の大きなV溝形状にすることで、ブラシ圧を小さく押さえながら、ブラシの摺動性を安定させることができるのでブラシ寿命が延び、また、ブラシのブラシ圧を小さめに設定できるので、ブラシの摺動ロスを低減することができる。
【0341】
溝形状を安定させることで、ブラシが安定に摺動接触し、スリップリングでの摺動ロスを低減することができるので、駆動モータの発生トルクに対するマージンが増え、信頼性のある駆動モータ装置を提供することが得られる。
【0342】
また、請求項21に記載の発明によれば、ブラシホルダはベースハウジングに取り付けられ、ブラシホルダの穴にブラシが通されるので、ブラシの間隔を安定に確保できる。またブラシホルダの穴にブラシを通して根元部を固定しているので、間隔が安定であるうえにブラシの曲がりの支点として確定できるので、寸法的にブラシ圧を決定することができる。ブラシホルダに取り付けられたブラシの間隔はベースハウジングから規定された位置に存在することができるために、ブラシに対して電極との摺動位置の調整を容易に行うことができるということが得られる。
【0343】
また、請求項22に記載の発明によれば、ブラシホルダに可撓性基板を接着して固定し、外部に取り出すことができ、ブラシホルダに可撓性基板を1枚で構成できるので、複数の電極の場合での信号など可撓性基板をまとめて取り出すことができる。
【0344】
また、ブラシホルダに凹部が構成されているために、その凹部に可撓性基板を固定することで、ブラシをブラシホルダの面に密着して固定することができるということが得られる。
【0345】
また、請求項23に記載の発明によれば、ブラシホルダに可撓性基板を接着して固定して、外部に取り出すことができ、ブラシホルダに可撓性基板を1枚で構成できるので、複数の電極の場合での信号など可撓性基板をまとめて取り出すことができる。
【0346】
ブラシホルダのブラシを貫通して取り付ける穴にブラシを通してブラシを固定することで、ブラシの間隔が安定するので、電極との摺動位置のばらつきがなく安定に摺動することができる。ブラシを可撓性基板に半田付けして、超音波振動子の信号を駆動モータの外部に導き出すことができ、複数の電極のスリップリングであってもブラシを可撓性基板に半田付けするランドを、ブラシに直線に配列せずに、千鳥状に配置することで、複数の電極の構成でブラシ間隔が狭くなっても、スリップリングを容易に構成することができるという効果が得られる。
【0347】
また、請求項24に記載の発明によれば、1本のブラシの両側を1つのスリップリングの電極に接触させることで、電極に接触する箇所を2カ所にすることができる。また、ブラシが2箇所で電極に接触するために、一方の側のブラシが電極から飛び跳ねても、もう一方の側のブラシは電極に接触しているので、電極とブラシは常に接続されていることになるという効果が得られる。
【0348】
また、請求項25に記載の発明によれば、1本のブラシの両側を1つのスリップリングの電極に接触させることで、電極に接触する箇所を2ヶ所にすることができる。また、ブラシが2ヶ所で電極に接触するために、一方の側のブラシが電極から飛び跳ねても、もう一方の側のブラシは電極に接触しているので、電極とブラシは常に接続されていることになる。
【0349】
1つの電極にブラシが2ヶ所にて摺動接触するので、接触負荷ロスが駆動モータの発生トルクに比べて大きくなりやすいが、摺動する位置を安定的に規定して、スリップリングの負荷を低減することができる。
【0350】
スリップリングの電極とブラシとの接触点の接触角を所定角度の範囲に設置することで、駆動モータの回転が両回転の場合でも、安定な摺動負荷にすることができる。
【0351】
また、請求項26に記載の発明によれば、超音波振動子からはリード線が2本出ていて、1本は電気グランドであり、もう1本は信号線で、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できる。
【0352】
また、請求項27に記載の発明によれば、超音波振動子からはリード線が2本出ていて、1本は電気グランドで、もう1本は信号線であり、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できる。
【0353】
さらに、超音波振動子への信号には高電圧のパルス状の電圧が印加されるが、グランドの電極をウインドウケース側すなわち外側に配置することで、不要輻射ノイズ源としての影響を軽減することができる。
【0354】
また、他の医療機器やモータ装置の制御信号にもノイズとして影響し、診療擾乱の発生がないようにすることができるという有利な効果が得られる。
【0355】
また、請求項28に記載の発明によれば、超音波振動子からはリード線が2本出ていて、1本は電気グランドで、もう1本は信号線であり、複数の超音波振動子の場合にはグランドのラインを同じ電極に接続することで、電極の数も少なくすることができるので小形のスリップリングが構成できる。さらに、超音波振動子への信号は高電圧のパルス状の電圧が印加されるが、グランドの電極をウインドウケース側すなわち外側に配置することで、不要輻射ノイズ源としての影響を軽減することができる。
【0356】
また、他の医療機器やモータ装置の制御信号にもノイズとして影響し、診療擾乱の発生がないようにすることができる。
【0357】
高周波数の振動子の周波数特性は周波数の高い方が若干落ちるが、液中での周波数特性の変化は周波数が高いほど減衰が大きいので、ウインドウケースの内側の方へは周波数の高い電極を接続することにより、不要輻射のノイズの影響を少なくしているという有利な効果が得られる。
【0358】
また、請求項29に記載の発明によれば、ロータフレームに超音波振動子のグランドの端子を接続することで、ウインドウケース内のモータ部の外層がグランド電位と同電位になるために外部から進入してくるノイズを遮蔽することができるという有利な効果が得られる。
【0359】
また、請求項30に記載の発明によれば、可撓性基板を信号用基板とシールド用基板を一枚の基板として形成し、シールド用基板を信号用基板に折り重ねて、シールド基板を信号用基板のうえに構成した形態になっているために電気シールドの効果が得られている。
【0360】
超音波振動子の信号電圧により、他の医療機器やモータ装置の制御信号にノイズとして影響せず、診療擾乱などの問題がないという有利な効果が得られる。
【0361】
また、請求項31、32、33に記載の発明によれば、銅系材料を母材として表面にメッキ処理を施して、摺動抵抗を低減させ、摺動部の異常摩耗がなく、安定した摺動抵抗となる。そのためスリップリングの寿命が延び、装置としての超音波振動子駆動モータ装置や超音波診断装置の製品寿命が延ばすことができる。
【0362】
また、請求項34に記載の発明によれば、超音波振動子の信号の授受をスリッリングで行うことで、周波数特性が良く、超音波の周波数を高くしても伝達効率の劣化が少ないことで、画質の良好な超音波画像が得られる超音波診断装置ができる。
【0363】
また、請求項35に記載の発明によれば、駆動モータと超音波振動子の位置関係で、駆動モータの内部軸の範囲内に超音波振動子を構成する機構となっているのでコンパクトに3次元機構化することができる。超音波振動子のビーム軌跡面はハンドル軸とシャーシ軸とは同一方向を向いているので、駆動モータ軸はハンドル軸とは垂直な関係にあり、ビーム軌跡面はハンドル軸に対して平行な面である走査面となる超音波断層画像を得ることができる。また、揺動軸が駆動軸に対して直交しているうえにビーム軌跡面対して揺動面は直交していて、駆動軸を揺動することでビーム軌跡面を揺動軸を中心にして軌跡させることができる。そのために複数のビーム軌跡面の超音波断層画像を得ることができ、それら断層画像を3次元画像合成して表示することにより診断の便宜性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるメカニカルセクタ走査型超音波プローブを使用した超音波診断装置の全体を示す概略ブロック図
【図2】本発明の実施例による超音波プローブの外観斜視図
【図3】本発明の実施例による超音波振動子駆動モータ装置の駆動モータ側の構造図
【図4】本発明の実施例による超音波振動子駆動モータ装置の駆動モータ側の構造図
【図5】本発明の実施例によるロータフレームにスリップリングを取り付けたところを説明するための断面図
【図6】本発明の実施例によるブラシとスリップリングの電極との関係を説明するための図
【図7】電極の溝とブラシとの摺動モデルを示す図
【図8】ロスとブラシ圧の比とV溝角度θの関係と(S×N)とV溝角度θの関係を示す図
【図9】電極の溝とブラシとの摺動モデルを示す図
【図10】本発明の実施例によるスリップリングを説明するための図
【図11】本発明の実施例によるスリップリングを説明するための図
【図12】本発明の実施例によるスリップリングの電極端子部のリード線を半田付けする穴の説明図
【図13】本発明の実施例によるブラシホルダにおけるブラシと可撓性基板の関係を説明するための図
【図14】本発明の実施例によるブラシホルダにおけるブラシと可撓性基板の関係を説明するための図
【図15】本発明の実施例による可撓性基板の図
【図16】本発明の実施例によるスリップリングの電極とブラシの接触角を説明するための図
【図17】本発明の実施例によるベースハウジングのMIMブランク品のギア側からの斜視図
【図18】本発明の実施例によるベースハウジングにおけるMIMブランク品のギアの反対側からの斜視図
【図19】本発明の実施例によるベースハウジングにおける2次加工のMIM品のギア側からの斜視図
【図20】本発明の実施例によるベースハウジングにおける2次加工MIM品のギアの反対側からの斜視図
【図21】本発明の実施例による軸受カラーの斜視図
【図22】本発明の実施例による軸受カラーをベースハウジングの支柱部に設けられた穴に係合するための説明図
【図23】本発明の実施例によるシャーシ本体の斜視図
【図24】本発明の実施例によるサイドシャーシの斜視図
【符号の説明】
1、2 超音波振動子
3 駆動モータ
4 ベースハウジング
5 揺動モータ
6 ハンドルシャフト
7、10 エンコーダ
8 スリップリング
9 ウインドウケース
11 駆動モータ駆動回路
12 揺動モータ駆動回路
13 パルス発生器
14 振動子駆動回路
15 増幅器
16 対数増幅器
17 検波回路
18 A/D変換器
19 画像メモリ
20 3D画像DSP
21 テレビモニタ
22 ハンドル部
23 先端部
24 ケーブル
25 シャーシ本体
26 サイドシャーシ
27 ビス
28 電子回路基板
29 ギアシャフト
30、32 ベベルギア
31 平ギア
33 ベースハウジングに設けられたギア
34 駆動モータのシャフト
35 ロータフレーム
36 音響レンズ
37 ピン
38 カット面
39、45、46、47 可撓性基板
40 エンコーダマグネット
41 MR素子
42、42a、42b、42c 電極
43 ブラシ
44 ブラシホルダ
48、48a、48b、48c 絶縁シート
49 端子部
50 段差部
51 凹部
52 ブラシホルダの面
53、83、90、97 穴
55 MIMブランク品
56、57、79、80 円筒部
58、59 支柱部
60 ブラシホルダ固定の取付穴
61 ブラシホルダ取付部面
62 揺動支持部
63 I/O線用可撓性基板穴
64 傾斜部
65 MR素子取り付けのための取付穴
66 フック
67 Z相MR素子を固定するための穴
68 ベースハウジングから取り出すための穴
69 先端部に接続する部位
70 支柱部59の先端部に接続する部位
71 ギア部側レールに接続する部位
72 2次加工で削除可能形状の部位
73、74 空間
75 軸受カラー
75a エンコーダ側の軸受カラー
75b スリップリング側の軸受カラー
76、77 機械加工面
78 フランジ
81、104 切欠き部
82 モータ線
84 ネジ穴
85a、85b、85c ランド
86、87 揺動用レール
88 開口部
89、95 レール溝
91、96 合わせ面
92、99 ネジ穴
93 案内溝
94 案内穴
98、101 凸部
100 ボール軸受
102 壁面
103 絶縁ブッシュ
105 切込み穴
106 信号用基板
107 シールド用基板
108 FPC接続部
109 スリット
110、111 信号ランド
112 グランドランド
113、114 接点

Claims (20)

  1. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
    超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して、回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、さらに駆動モータの駆動軸を軸受カラーを介して支承するベースハウジングが、前記軌道平面aに対して駆動軸を通って垂直な平面上を揺動することができ、その揺動により軌道平面にて多面体が形成される超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が前記両支柱部の間にあって、駆動モータのロータフレームの端部に構成され、そのスリップリングのブラシはベースハウジング側に取り付けられた構造で、
    前記スリップリングにおいて、駆動モータ側のスリップリングの電極が円筒形状で、その電極の外周部はブラシが摺動し、その電極の内側に形成した凸形状の端子部に、超音波振動子への接続のためのリード線を取り付けるための円形の穴が構成されたスリップリングの電極であり、
    前記ロータフレームの端部には電極の外径以下の凸状段差部があり、ブラシホルダとロータフレームとが接触しないようにその段差部を構成し、
    前記スリップリングの電極の絶縁に用いているリング状の絶縁シートの外径がスリップリングの電極外径よりも小さいか等しい構成であり、
    前記スリップリングの電極の外周部がV溝形状をした、
    ことを特徴とする
    前記超音波振動子からの受信信号を受けて、超音波画像を生成して診断する超音波診断装置に使用する超音波振動子駆動モータ装置。
  2. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
    超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子が、ロータフレームに2個取り付けられ、その2個の超音波振動子は180度の回転位置になっていることが特徴の請求項1記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  3. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
    超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子が、ロータフレームに3個取り付けられ、その3個の超音波振動子は120度の回転位置になっていることが特徴の請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  4. 超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータの回転側スリップリングの電極が円筒形状で、その電極の内側の一部に凸形状の端子部が構成されたスリップリングの電極を1つ以上使用したことが特徴の請求項1〜3記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  5. 超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータの回転側スリップリングの電極が円筒形状で、その電極の外周部はブラシが摺動し、その電極の内側の2カ所に凸形状の端子部が構成されたスリップリングの電極を1つ以上使用していることが特徴の請求項1〜4記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  6. 超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングにおいて、駆動モータ側のスリップリングの電極が円筒形状で、その電極の内側に凸形状の端子部が形成され、その端子部が電極の厚みよりも薄くなるように片面に段差を設けたスリップリングの電極であることが特徴の請求項4、5記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  7. 前記スリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、そのロータフレームにはスリップリングの電極の円筒部が係合して、ロータフレームと絶縁するための絶縁ブッシュが構成され、その絶縁ブッシュは2カ所の切欠きによって半円以下の部分的円の円筒部が2カ所に配置された構成となり、その切欠き部ではロータフレームの円筒部が部分的に切欠きが形成されていることが特徴のスリップリングを設けている請求項1記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  8. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
    超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させた超音波振動子のビーム軌道平面(軌道平面aとする)が形成され、ベースハウジングに駆動モータの駆動軸を支承する超音波振動子駆動モータ装置であって、前記ベースハウジングの軸支承するための支柱部が駆動モータの両側に構成され、
    前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、駆動モータのロータフレームの端部にそのスリップリングの電極を複数枚の絶縁シートを介して積層構成し、そのスリップリングの電極が円筒形状で、前記積層構成した電極のおのおのの内側に凸形状をした端子部が構成され、スリップリングの電極の円筒部が前記絶縁ブッシュに係合し、請求項10に記載のロータフレームの切欠き部に1個以上のスリップリングの端子部を相対する上下の電極の端子部が重ならないように回転方向にずらして配置し、その端子がロータフレームの金属部分に接触しないように配置したことが特徴の請求項1、4、5、7記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  9. 超音波振動子からの信号の授受を行うスリップリングの電極の外周部がV溝形状であって、そのV溝の開き角度が60度〜120度の範囲であることを特徴とした請求項1記載の超音波振動子駆動モータ装置におけるスリップリングの電極。
  10. ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側に略直角に折り曲げられてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、そのブラシホルダには、可撓性基板を貼るための凹部が形成され、ブラシにストレスがかからないように可撓性基板のうえに設定できるようにしたブラシホルダを使用したことが特徴の請求項1記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  11. ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、コの字に成形したブラシがその穴に挿入され、ブラシホルダに貼られた可撓性基板のうえにそのブラシが平行に設定できるようになっていて、ブラシを可撓性基板に半田接続する位置が、ブラシの線に直角の方向に対して、千鳥状にランド部を配置したことが特徴の請求項1、10記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  12. ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側を略直角に折り曲げてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、1本のブラシからブラシホルダの両側に形成されたブラシが、スリップリングの一つの電極に対して、両脇から2カ所に接触するように構成され、このスリップリングの構成を有することが特徴の請求項1、10記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  13. ブラシホルダはフェノール樹脂などの絶縁材で形成され、線状のブラシを貫通して取り付ける穴がブラシホルダの両側にあって、両側を略直角に折り曲げられてコの字に成形したブラシをその穴に挿入して、ブラシの平行部がブラシホルダに近接する位置まで挿入し、1本のブラシからブラシホルダの両側に形成されたブラシが、スリップリングの一つの電極に対して、両脇から2カ所に接触するように構成され、その接触する角度が電極中心にして、150度〜210度としたスリップリングの構成を有することが特徴の請求項12記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  14. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続したことが特徴の請求項1、2記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  15. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、
    前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続し、このグランドの電極を外側に配置したことが特徴の請求項14記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  16. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸に対して回転させる超音波振動子がロータフレームに2個取り付けられ、1つ以上のスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されて、超音波振動子のグランド端子を同じ電極に接続し、このグランドの電極を外側に配置し、ウインドウケースの内側に向かうにしたがって超音波振動子の周波数が高くなるように配置したことが特徴の請求項1、2、14記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  17. 超音波振動子と超音波伝播媒質とを内包し、超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースと上記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを具備した超音波プローブにおいて、前記超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、超音波振動子のグランド側端子をロータフレームに電気的に接続したことが特徴の請求項1、2、3記載の超音波振動子駆動モータ装置。
  18. 超音波振動子からの信号の授受をスリップリングで行い、そのスリップリングの電極が駆動モータのロータフレームの端部に構成されていて、そのスリップリングのブラシはブラシホルダを介してベースハウジング側に取り付けられた構造で、フェノール樹脂等で作られた絶縁材で形成されたブラシホルダには、線状のブラシを貫通して取り付ける穴と、ベースハウジングに固定するためのネジ部があって、可撓性基板をブラシホルダに接着固定し、ブラシを可撓性基板のランドに半田付けして、ベースハウジングの外に超音波振動子の信号線を可撓性基板を介して接続し、その可撓性基板には信号用パターンが描かれた信号用可撓性基板とグランドのパターンを描いたグランド用可撓性基板とが部分的に繋がって形成されていて、これをグランド用可撓性基板をウインドウケースの内側に配置するように、可撓性基板を重ねて折り曲げ、グランド用可撓性基板をシールド基板として、超音波振動子からの電気信号ノイズを遮断したことが特徴の請求項1の超音波振動子駆動モータ装置。
  19. 請求項1〜18記載の超音波振動子駆動モータ装置を使用した超音波診断装置。
  20. ベースハウジングが揺動することができるように、ベースハウジングに揺動曲率半径のレールが設けられ、駆動モータが搭載されたベースハウジングの揺動を支承しながら、前記レールの案内部を形成したシャーシで受けた構造をした請求項1〜18記載の超音波振動子駆動モータ装置をそれぞれ任意の揺動角度での軌道平面の超音波断層画像を画像合成することで3次元的に表示可能な3次元超音波診断装置。
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