JP4538899B2 - 燃料供給部の防爆装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば航空機や船舶あるいは地上用の走行車両など走行体、さらには空港や港および地上における補給燃料備蓄施設などのように、燃料を密閉構造で供給する燃料供給部を備えた機器において、この燃料供給部の爆発を防止する防爆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機における事故としては、燃料火災があげられる。特に、軍事用航空機では、着弾の危険性にもさらされており、離着陸時の事故の衝撃等で搭載している燃料容器(タンク)が損傷すると爆発事故となる危険性がある。このような事情から、これを防止する研究が進められ、燃料容器における気密内の気体を窒素濃度92%以上とすることによって、このような時でも爆発事故に至る可能性が大幅に減少することが判明している。そこで、一部の軍用機では燃料タンク内に窒素ガスを供給し、酸素濃度を下げておくことで、爆発事故を防止する装置、OBIGGS(On Board Inert Gas Generation System)が搭載されている。この防止装置は、つぎのような順序で作動するよう構成されている。
【0003】
1)航空機のメインエンジン、具体的にはガスタービンエンジンのコンプレッサ部から抽気を取り入れる。
2)この抽気が選択透過膜が設けられた分離器に導かれる。
3)選択透過膜は、窒素分子と比べて酸素分子の方が3〜5倍透過する特性を有しており、仮に選択性が5倍の場合、2気圧で組成がN2:O2=8:2の空気を供給すると、透過ガスが1気圧の場合は、組成は理論的にはおよそN2:O2=0.68:0.32となり、結果としてO2濃度は約12%高められることになる。一方、選択透過膜を透過せずに残った空気には窒素が濃縮されることになる。
4)このようなプロセスで濃縮され(酸素濃度が8%未満まで低下した空気)窒素富化ガスを燃料タンクに供給する。一方、選択透過膜を透過した空気は、酸素の割合が高くなるので、乗員の呼吸用に使うことも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来における航空機で使用されているこのような防爆装置は、つぎのような問題を有している。すなわち、この防爆装置は、選択透過膜によって酸素を透過させるが、一般に1気圧以上の差圧が必要で周囲よりかなり高い圧力にしなければならず、そのために推力エンジンの高圧抽気が使用されている。ところで、この推力エンジン抽気というのは、ジェットエンジンの多段コンプレッサで圧縮され、燃焼器に入る前の空気を取込むことにより得られるものであるため、この推力エンジンのスラスト力を減少させ、すなわち推力エンジンの負荷となり、飛行性能の向上が求められる航空機においては、大きな課題がある。一方、地上で走行する車両や海上用の艦艇等の多くは、それらの内燃機関にはガソリンやディーゼルを燃料とするピストンエンジン方式のものが多く用いられているものの、窒素ガス供給のためには、大掛かりなコンプレッサを別途搭載する必要がある。
【0005】
一方、本発明の発明者らは、燃料消費の低減を図るには、航空機の電源として、燃料エネルギから電力への変換効率が高い燃料電池に置換えることの可能性について研究を進めているが、この燃料電池で反応した後のガスは、酸素が発電反応で消費されてしまうため、空調等で再利用するには、酸素濃度低下等について対策を考慮する必要がある。
本発明はこのような課題を解決する防爆装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する防爆装置は、上記課題を解決するために、電気エネルギを生成する燃料電池と、液状の燃料を密閉構造で収容して前記燃料電池へ供給する燃料供給部を併設するとともに、燃料電池での反応後のガスを前記燃料供給部内の空間へ導入する導入手段を設けたものである。したがって、燃料電池の酸素極側の空気は酸素が発電に伴なう反応で消費され窒素富化ガスとなる。そして、燃料は直接酸素に触れる可能性が大幅に減少する。また、燃料電池はそれ自体が燃料エネルギを高効率で電気エネルギに変換し、電気エネルギ生成のための燃料消費が少なくなって、燃料消費率が低減する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が提供する燃料供給部の防爆装置を図面に示す実施例にしたがって説明する。
図1は本発明を航空機における燃料容器に適用した実施例を示している。実施例では、燃料容器の防爆装置の構成が概略的に示されている。なお、図1は航空機の機体1のみを示し、主翼等は図示されていないが、燃料容器5のための防爆装置の構成とキャビン6等の空調システムが有機的に結合されて図示されている。
【0008】
本発明における防爆装置の主要な機能をなすのは、燃料電池2であって、発電装置として航空機の機体1に搭載される。近年は軍用機に限らず、民間航空機でも電子機器の搭載が増加しているため、電力消費が増大している。これに対し燃料消費を押さえ、航続距離の増大を計ったり、運動性能向上に燃料を有効利用するには、燃料エネルギの電気エネルギへの変換効率を高めなければならず、その有効な手段として燃料電池の利用が研究されている。
【0009】
本発明は、この燃料電池の機能に注目し、かつ推力エンジン等航空機の機体1における燃焼機関部分に燃料を供給する燃料容器(タンク)の防爆機能との関連から両者の機能を有機的に結合させたものである。
まず、図1を中心に、燃料電池の構成、機能等を説明する。
【0010】
まず、燃料電池2には燃料をH2、CO2を主成分とした燃料ガスに改質する改質器3を介しての燃料と、空調ライン等から取出された空気あるいは新鮮空気だけでなくキャビン6内のアウトフロー空気が、それぞれ燃料極22側と酸素極23側に供給される。燃料電池2は電解質21を介して、燃料極22と酸素極23がサンドイッチ状に構成されており、それぞれの極から通電用の回路24がインバータ25に接続されている。実際はこのサンドイッチ構造が多数積層された構造を有する。なお、燃料電池2への燃料極22、酸素極23のそれぞれの供給圧力については、燃料極22側は改質器3に供給されるのは液体燃料であるため、消費動力が非常に小さい燃料ポンプ(図示せず)で充分である。一方、酸素極23側はエンジンの低圧段からの空気供給で充分である。酸素極23は空気極ともいう。
【0011】
さて、燃料電池2が電気エネルギを生成する反応についてであるが、この点は図6に示されている。なお、図6に示される反応過程は、燃料電池2の改質器3にイオン交換樹脂膜が用いられた固体高分子型燃料電池(PEFC)の場合が示されている。すなわち、燃料極22側の水素ガスHGは、燃料極に電子を放出し自らは1価の陽イオンである水素イオンHIとなり、イオン交換膜の内部を通過し、酸素極23に達する。ここで水素イオンHIは電子と酸素分子OGと反応し、水分子Wとなって出て行く。
【0012】
他方、電解質21に安定化ジルコニアを使用する固体電解質型燃料電池(SOFC)を使用する場合には、電解質21を通過するのは酸素イオンとなるため、水分子が生成されるのは燃料極22の側となる。すなわち、電解質に安定化ジルコニアやセリア系固容体等を用いた固体電解質型燃料電池では、電解質21内部を通過する導電性物質は2価の陰イオンである酸素イオンであり、酸素極23の側の反応後のガスは、ほとんどが窒素ガスNとなる。ただ、この固体電解質型燃料電池を使用する場合には、反応温度が高いため、熱交換器により熱の再生を行う等の対策が必要となる。
【0013】
さて前述のとおり、燃料電池の電解質にイオン交換樹脂膜を用いた固体高分子型の燃料電池2の場合では、電解質21内部を通過する導電性物質としては水素イオンHIであり、酸素極23側の反応後のガスは窒素ガスNと水蒸気となる。そこで、結露や燃料への水分混入の悪影響の度合いから、必要に応じて水蒸気または水分除去のための機器を通過させる必要がある。
このようにして、燃料電池2によって電気エネルギが生成され、インバータ25に接続される電気負荷に対応される。と同時に、窒素を多く含むガスが副次的に生成されるのである。
【0014】
そこで、これらの酸素極23側から排出された窒素富化ガスNを、燃料タンク等の防爆用に供給することによって、燃料容器5の安全性が図られる。
ところで、上記酸素極23の側からの排気からの水分除去には、外部から取入れた空気と全熱交換され、さらにこの熱交換する相手側空気として、航空機が高々度の巡航中や寒冷地での離着陸時には、キャビン6内の循環空気とすることもでき、その場合には暖房と湿分補給を可能にすることができる。
【0015】
また、燃料電池2の燃料極22側の排気ガスを利用することも可能である。燃料電池2の燃料極22側に供給されるガスとしては、固体高分子型燃料電池の場合には燃料Fを改質し、H2とCO2が主成分となる。ただし、一部水分子が含まれる場合がある。なお、改質器3において各種炭化水素が主成分となる燃料分子が分解されるが、電解質21に塗布されている白金触媒はCO分子と接触すると被毒作用が発生し、触媒機能が消滅することを防止する必要性から、炭素は完全に酸化されるよう処理される。
【0016】
他方、改質器3では、燃料電池2の反応で得た水を再利用し、炭素、具体的にはメタンなどの炭化水素類と水を反応させ、CO2との水素分子を生成する反応も利用される。そして、燃料電池2内の燃料極22側では発電反応の結果、水素ガスHGは酸化され水分子となるため、排気ガスは水蒸気とCO2がほとんどで、これに燃え残ったH2が含まれる。
【0017】
ところで、固体高分子型燃料電池の場合における燃料極22側の排気ガスを利用する場合、この電池2では反応部が高温で、燃料は自己改質するため、反応に使用された後の燃料極側のガスは、燃料と改質時に生成され反応されずに残留したH2、CO2、COと炭化水素化合物・水分子が含まれる。
【0018】
以上の結果、燃料極22側の排気ガスは、結露や燃料Fへの水分混入の悪影響の度合により、必要に応じて、水蒸気または水分除去を行った上、燃料容器5等に導き利用することが可能となる。
【0019】
さらに、燃料極22と酸素極23の両方の反応後の排気ガスを混合して、使用するという方法もある。この場合は未反応分を燃焼させ、その熱は燃料電池2のスタックの保温や改質器3の熱源として利用した後に、これを燃料容器5に供給する。この場合にも、水分除去のプロセスは必要と考えられる。
【0020】
燃料電池2で反応したガスのうち、酸素極23側のガスの酸素は、酸素分圧が一桁近く下がる程度まで減少すると、出力電圧を低下するすなわち濃度過電圧が顕著になるため、供給された酸素分子のうち、80〜90%が反応に供され、残りは未反応分として残留する。一方、この酸素の消費分に相当する水分子(実際はモル比で言えば2倍の水分子)が生成されている。残りは反応には関与しない窒素ガスNである。この酸素極23側の排ガスは、全熱交換器4に供給される。
【0021】
この全熱交換器4は、蓄冷または蓄熱と水分吸着の効果を持つフィン41が詰まった回転ドラム42が燃料電池2の排気の流路43と取込んだ外気の流路44の間に設けられ、かつモータ45で回動駆動されるよう構成されている。そのため、燃料電池2の排気ガスは、外気で冷やされたフィン41によって水の凝結とガスの冷却がなされ、水分の少ないほとんどの成分が窒素で、しかも常温に近い温度のガスとなる。本発明はこの窒素ガスNを燃料容器5、具体的には密閉された燃料容器5の上方空間に充填するものである。
【0022】
一方、熱交換の相手となった外気については、温暖な地上では機体1外に排出するが、高々度飛行中や寒冷な地域での離着陸および地上では、機体1外から取りれた空気に代えて、後述する空調装置からの空気(この空気の中にはリサキュレーションされるキャビン6内の空気を含む)で全熱交換することで、暖房と加湿が実現される。
【0023】
すなわち、図1に示すように、キャビン6はベーパーサイクル式の空調装置と有機的に結合されている。具体的には電動機7にて回転駆動されるコンプレッサ8と膨張弁11がベーパーサイクルの回路VCにて接続されている。13は推力エンジンであり、14は冷却空気の供給ライン、そして15は冷却空気の機体1外への排気ラインである。このベーパーサイクルの回路VCには、コンデンサ9とエバポレータ10が介在されている。ここでコンデンサ9は機体1外の冷却空気と回路VCとの熱交換を行う機能を有し、他方、エバポレータ10はキャビン6からの空気と回路VCとの熱交換を行う機能を有している。なお、12はプリクーラである。
【0024】
このように、コンプレッサ8と膨張弁11によるベーパーサイクル方式によって、熱ポンプ機能が発揮され空調の動作係数が高められるように構成されている。また、この空調用の空気は、キャビン6を循環する空気を利用することで、推力エンジン13からの抽気の量を極力減少させることができる。
さらに、キャビン6の暖房時には、全熱交換器4からの熱を利用することができ、結果的には燃料電池2からの排熱と水蒸気がキャビン6の空調に利用できることになる。キャビン6からの空気を燃料電池2の酸素極23側への供給を行わせるよう構成されていて、このことにより推力エンジン13からの抽気量を減らせることもできるよう構成されている。
【0025】
なお、この例では燃料極側のガスは、燃料電池2から出た後は、反応チャンバ32で未反応ガスを燃焼させ、改質器3の加熱流路31で改質器の昇温に供されるているが、全熱交換器4で回収した熱と水蒸気を改質器3用に利用してもよい。
本発明が提供する防爆装置は以上詳述したとおりであるが、上記ならびに図示例は一例で、その他多くの実施例を包含するものである。
【0026】
まず、第1の点は、本発明の適用分野であるが、上記ならびに図示例のように航空機の分野のみに限定されないということである。上記においては、車両ないし船舶なども適用範囲として挙げているが、さらにこのような交通機関のみならず、種々の分野、機器に適用可能である。以下、これらについて説明する。
最も基本的な構成をとるものとして燃料電池そのもののシステムを挙げることができる。このシステムの構成は図2に示しているが、この図において図1と同一の符号で示されるものは図1と同一の機構、部品であって、それらの機能、作動は図1の説明と同一であり詳細は省略する。
【0027】
図2から明らかなように、燃料電池2の酸素極23側から燃料容器5に対してガスの導入管P1が接続されていてこの点に本発明の特徴があるが、このようなシステムにおいては、燃料Fが燃料電池2のために使用されるものであり、かつこの燃料Fの爆発を防ぐために反応後のガスが燃料容器5内に導入されるもので燃料Fの種類等に制限があり、また液状であることなどの条件が伴う。
【0028】
図3は、車両に本発明を適用した例である。しかも、図3の自動車Mは燃料電池2からの出力(電気エネルギ)にて電動機(モータ)EMを回転駆動させ走行する電気自動車の例であるが、Tがその燃料電池2のための燃料を収容する燃料容器である。電動機EMからの回転出力は差動歯車機構DGを介して車輪に伝導される。燃料容器Tからの燃料は供給管KPを介して燃料電池2に供給され、燃料電池2からの反応後のガスは導入管P2を介して燃料容器Tに導入されるようになっている。なお、L1は電力供給回路を示している。したがって、燃料供給系と反応後のガス導入系だけをみると図2と図3は同一である。さらにこの図3の変形実施例として、動力源としての燃料電池2を内燃機関たとえば燃料の燃焼により動力を得るレシプロ形のエンジンに置き換えた変形例を挙げることができる。この場合、燃料電池2もまたこの燃料電池2への燃料供給系および反応後のガス導入系も必要で、これを小形なものとして搭載する自動車となる。このように車両としても2種類の形式の変形例を挙げることができる。
【0029】
さらに図4に示すように、設備機器に適用できる例を挙げることができる。図4は、管制塔CTに燃料電池2を装備し、管制塔CTにおける管制機器CMに必要な電力をこの燃料電池2からも供給する形の実施例を示すが、この燃料電池2からの反応後のガスを燃料補給用としての燃料タンクGTに導入するようにしたものである。P3はそのガスの導入管を示しているが、密閉構造を有する燃料タンクGTの上方部空間に導入されるよう構成されている。KPは、この燃料を航空機等に補給する補給パイプを示し、さらにL2は燃料電池2からの電力を供給する電力供給回路を示している。
【0030】
さらに本発明が特許請求の範囲において特定し、ならびに詳細な説明の中で説明する「燃料供給部」についてその変形実施例も含めて説明する。
本発明における「燃料供給部」は、燃料を収容する燃料容器とこの燃料を必要とする部所(機器や交通機関等)に供給する供給系、具体的には供給管、さらには供給管に介在される弁、流量抑制機器などを全て包含するものである。
すなわち、この供給管や調節弁においても燃料が内在する以上爆発はあり得るわけで、これを防止するのが本発明の目的とするところであるからである。すなわち、「燃料供給部」は燃料容器にのみガスを導入する場合や、燃料供給管にのみガスを導入する場合もあり、さらには燃料容器と燃料供給管および調節弁等の機器さらに供給端部に至る全域にガスを導入して防爆させる場合もあり、本発明はこれらすべてが「燃料供給部」に含まれるものである。
【0031】
図5はこのような観点から、燃料電池からの反応後のガスを導入管Pを介して燃料Fの供給管KPに導入する一例を示している。図示例では、供給管KPには二重管SPが設けられていて、燃料漏れなどが生じないよう密閉されているが、この二重構造の中間部にガスが導入されるようになっている。5は燃料容器である。なお、本発明の特許請求の範囲においては、「燃料供給部」について「密閉構造」となっている点を特定しているが、この「密閉構造」は概略密閉でもよく、要は燃料容器内における空間が大気に開放された状態でない構造を指している。二重供給構造にすることでガスの導入すなわち供給系の燃料をガスで包囲できるが、この構成は供給系に介設される弁部においてもその周囲にこのような空間部を形成し、その部分にガスを導入することになる。
【0032】
さらに、地上に設置されるプラント設備が挙げられる。たとえば、燃焼機関、具体的には内燃機関にて動力を発生し作動する製造プラントにおいて、内燃機関への燃料供給を行う燃料供給部を装備している場合、この燃料供給部の防爆装置として本発明は適用できる。さらに、港や空港などでの補給燃料備蓄施設などの燃料を扱う施設においても本発明は適用される。このような場合は、空調装置は不要な場合もある。したがって、空調装置との結合などは本発明が第1に提供する装置においては必須とするものではない。
【0033】
第2の点は燃料電池の構成、ならびに燃料極、酸素極の構成、さらにはこの両極間の電解質の構造などについてであるが、これらについての上記は一例で限定されない。特に燃料の供給、ガスの取り出し方法も上記に限定されない。
【0034】
なお、本発明が特許請求の範囲において特定する「併設」とは、燃料容器(タンク)とともに設けるということであって、並設ではなく、全体の機器においてその構成要素の一つとして設置すると解される。
【0035】
【発明の効果】
本発明が提供する防爆装置は以上詳述したとおりであるから、燃料電池で電気エネルギを高効率で取り出された後に、しかもこの排気ガスは酸素が少なくて窒素を多く含むものであり、燃料容器を中心とする燃料系統の防爆ガスとして使用できる。そして、この排気ガスを燃料容器に充填して燃料容器の爆発を防止することができる。また、本発明によると、選択透過膜のように昇圧量の大きな空気の供給が必要なく、特に航空機の場合、飛行として作動中の推力エンジンの負荷を軽減でき、飛行性能の低下を避けることができる。燃料電池を併設するので、電気エネルギのが生成され、電力駆動機器を装備する場合においては有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が提供する燃料供給部の防爆装置を航空機に適用した実施例を示す図である。
【図2】本発明が提供する燃料供給部の防爆装置を燃料電池に適用した実施例を示す図である。
【図3】本発明が提供する燃料供給部の防爆装置を自動車に適用した実施例を示す図である。
【図4】本発明が提供する燃料供給部の防爆装置を管制塔に適用した実施例を示す図である。
【図5】本発明における燃料供給部の変形例を示す図である。
【図6】燃料電池の反応を説明するための図である。
【符号の説明】
1…機体
2…燃料電池
3…改質器
4…全熱交換器
5…燃料容器
6…キャビン
Claims (12)
- 電気エネルギを生成する燃料電池と、液状の燃料を密閉構造で収容して前記燃料電池へ供給する燃料供給部を併設するとともに、この燃料電池での反応後のガスを前記燃料供給部内の空間に導入する導入手段を設け、この反応後のガスの導入によって前記燃料供給部の爆発を抑制するようにしたことを特徴とする燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を航空機に装備された推力エンジンに供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を燃料電池に供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を車両に搭載された燃料電池に供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を車両に搭載された内燃機関に供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を走行体に補給するために供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料供給部はその燃料を施設内で消費または補給するために供給することを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料電池は、その内部の電解質に酸素イオン導電性の材料が使用され、酸素極側の反応後のガスが燃料供給部に導入されるよう構成したことを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料電池は、その内部の電解質に水素イオン導電性の材料が使用され、酸素極側の反応後のガスは、その中から水分子が除去された後に燃料供給部に導入されるようにしたことを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 水分子の除去には外気から取込んだ空気と全熱交換する熱交換器を用い、熱交換した相手空気が空調用に使用できるようにしたことを特徴とする請求項第8項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料電池は、その燃料極で反応に供された後のガスから、残水素を除去した後に燃料供給部に導入されるようにしたことを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
- 燃料電池は、その燃料極と酸素極の両極で反応に供された後のガスを混合して未反応分を反応させ、水蒸気を除去した後に燃料供給部に導入するようにしたことを特徴とする請求項第1項記載の燃料供給部の防爆装置。
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