JP4537754B2 - 超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置 - Google Patents

超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、血球等の移動体から得られるドプラ信号に基づいて移動体の可視化を行なう超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された圧電振動子から発生する超音波パルスを被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる超音波反射波を前記圧電振動子によって受信してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの2次元画像が容易に観察できるため、生体の各種臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。
生体内の各組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像とカラードプラ画像は、今日の超音波画像診断において不可欠なものとなっている。
カラードプラ法は、超音波パルスにより生体内の所定断面を走査し、血液(血球)など移動する反射体に対して超音波が照射された場合に、上記反射体の速度(血流速度)に対応して生ずるドプラ周波数偏移を捉えて画像化を行なうものである。このカラードプラ法は、当初、血流速度の速い心腔内血流の画像化に用いられたが、今日では、腹部臓器の組織血流など極めて遅い血流の画像化に対しても適用が可能となってきている。
このカラードプラ法における診断能を高めるためには、優れた計測精度(低流速検出能及び高流速検出能)や時間分解能、更には、空間分解能が要求される。
移動している反射体に対して時間間隔T毎に超音波パルスを照射し、その反射波のドプラ周波数偏移から反射体の移動速度を計測する場合、折り返りなく検出可能な最高流速Vmaxはサンプリング定理より次式(1)で決定される。但し、Cは被検体内の超音波速度、f0は受信超音波の中心周波数、Tは送信間隔である。
Figure 0004537754
受信超音波の中には血球からの反射波の他に組織からの反射波(クラッタ信号)が含まれ、このクラッタ信号を取り除くために同一方向からの受信超音波のデータ列(以下パケットと呼ぶ)に対してウォールフィルタと呼ばれるハイパスフィルタ(HPF)が用いられる。血流の低流速検出能は、このウォールフィルタのカットオフ周波数と肩特性で略決定され、低いカットオフ周波数と急峻な肩特性を実現するにはある一定以上の観測時間が必要となる。
同一設計法によるウォールフィルタの場合、カットオフ周波数は観測時間に比例して小さくすることができる。即ち、低流速検出能は観測時間に比例する。従って、送信周期Trを長くするかあるいはパケットサイズN(同一方向に送信する数)を多くすることによって低流速検出能は向上することができる。送信周期Trを長くする方法として、所定の走査方向に対して超音波送受波(以下、送受波)を繰り返す間に他の走査方向に対する送受波を行なう方法(以下では、交互走査法と呼ぶ)がある(例えば、特許文献1参照。)。
図19は、上記特許文献1に記載されているM(M=3)段の交互走査法の具体例を示したものであり、上段はセクタ走査における送受波方向(以下では、ラスタと呼ぶ)R1乃至RPを、又、下段は各ラスタに対する超音波の送受波順序を示している。即ち、図19(a)に示す方法では、まず、時刻t1においてラスタR1に送受波を行い、次いで、時刻t2においてラスタR2に、又、時刻t3においてラスタR3に対する送受波を行う。次いで、時刻t4乃至t6及び時刻t7乃至時刻t9において再度ラスタR1乃至R3に対する送受波を繰り返し行う。即ち、M(M=3)の方向に対して交互に超音波の送受波を繰り返す。このようにしてラスタR1乃至R3の各々の方向に対し送信間隔Ts(Ts=3Tr)でN(N=3)回の送受波が完了したならば、ラスタR4乃至R6、ラスタR7乃至R9・・・に対しても同様にして送信間隔TsによるN回の送受波を行う。
一方、図19(b)に示す方法では、先ず、時刻t1においてラスタR1に対して送受波を行ったならば、時刻t2及びt3において送受波を休止し、時刻t4において再びラスタR1に対して、そして時刻t5においてラスタR2に対して送受波を行う。次いで、時刻t6で休止した後、時刻t7乃至t9においてラスタR1乃至R3に送受波を行い、更に、時刻t10乃至t13においてラスタR1乃至R4に、又、時刻t14乃至t17においてラスタR2乃至R5に対して送受波を行う。このようにしてラスタを1本ずつシフトさせながら、M(M=4)段の交互走査を行ない、1つのラスタに対して送信間隔Ts(Ts=3Tr)でN=4回の送受波を行う。
所定のラスタにおいて間隔Tsで得られるデータ数(パケットサイズ)をN、1枚の画像データを生成するための送受波方向数(ラスタ数)をL、交互スキャンの段数をMとした場合、カラードプラ画像データの生成あるいは表示におけるフレームレート(単位時間当たりの画像枚数)Frは次式(2)によって示される。即ち、フレームレートFrはパケットサイズNに反比例し、交互スキャン段数Mに比例する。
Figure 0004537754
尚、以下では、図19(a)の交互走査法を順次交互走査法、図19(b)の交互走査法を定間隔交互走査法と呼ぶ。
一方、フレームレートを低下させることなく高流速検出能と低流速検出能を維持する方法として複数の周波数を使用する方法と不等間隔の送受波を行なう方法がある。
複数の周波数を使用する方法は、上式(1)において複数の超音波周波数を用いる方法であり、例えば、中心周波数がf1及びf2の超音波パルスを用いて被検体に対して送受波を行ない、得られた夫々の受信信号におけるドプラ信号成分の位相差に基づいて折り返り補正を行なう。
又、不等間隔の送受波を行なう方法は一般にスタガパルス方式と呼ばれ、2つの異なる送信間隔T1及びT2(T1<T2)で超音波送受信を行なう。そして、送信間隔T1及びT2で隣接して得られた受信信号の位相差から規格化速度(折り返り速度を0.5とした速度)V1及びV2を求め、次式(3)によって血流速度V12を求める。この方法によって、折り返り速度(即ち、高流速検出能Vmax)は従来方法の折り返り速度のT1/(T2−T1)に改善される(例えば、特許文献2参照。)。
Figure 0004537754
特開昭64−43237号公報(第3−4頁、第5−6図) 特開平4−197250号公報(第3−5頁、第3−4図)
しかしながら、上述の特許文献1の方法は、腹部などの比較的遅い血流の計測を目的として提案されたものであり、フレームレートを一定とした場合、低流速検出能はM倍に向上するが高流速検出能Vmaxは1/Mとなり、速い血流に対する折り返り現象の発生頻度が高くなる。即ち、この方法を比較的速い血流の計測に適用することはできない。
一方、複数の周波数を使用する方法によれば、使用する超音波周波数が異なるため生体内における超音波減衰や受信信号間の干渉(所謂、スペックル)が異なり、高い計測精度を得ることができない。
更に、特許文献2の方法では、固定反射体からの受信信号(クラッタ信号)を排除するためのウォールフィルタ(MTIフィルタ)の周波数特性において、Tr/(T1+T2)の整数倍の規格化速度成分は十分な感度が得られないブラインド速度となり、このブラインド速度近傍における血流速度の推定が困難となる。又、この方法では、異なる送信間隔T1及びT2の送受波によって得られたドプラ信号における位相差θ1及びθ2を求め、更に、これらの位相差θ1及びθ2の差に基づいて血流速度を推定するため、得られた血流速度はノイズの影響を受けて不安定になり易く、特に、受信超音波の干渉によって発生するスペックルノイズにより無視できない計測誤差が発生する。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレーム周波数を低減させることなく低流速検出能と高流速検出能に優れた移動体の可視化を可能とする超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波診断装置は、被検体に対して超音波送受波を行なうための電気音響変換素子を備えた超音波プローブと、前記被検体の複数方向に対して超音波送波を行なう送波方向制御手段と、前記電気音響変換素子を駆動して前記被検体内の所定方向に対して異なる送信間隔を有する第1の送信間隔の超音波送波と第2の送信間隔の超音波送波を行ない、更に、前記所定方向あるいはこの所定方向に近接した方向に対して前記第1の送信間隔及び前記第2の送信間隔の何れより小さな間隔の第3の送信間隔の超音波送波を行なう送信手段と、前記超音波送波によって得られた受信信号から前記被検体内の移動体によるドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、前記第1の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた前記移動体の第1の速度推定値と前記第2の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた第2の速度推定値を加算して第3の速度推定値を算出する第1の速度演算手段と、前記第3の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて前記移動体の第4の速度推定値を算出する第2の速度演算手段と、前記第4の速度推定値に基づいて前記第3の速度推定値における折り返りを補正する折り返り補正手段と、この折り返り補正手段によって折り返りが補正された速度推定値に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
一方、請求項2に係る本発明のパルスドプラ計測装置は、移動体が置かれた媒体中の複数方向に対して送波を行なう送波方向制御手段と、前記媒体中の所定方向に対して異なる送信間隔を有する第1の送信間隔の超音波送波と第2の送信間隔の送波を行ない、更に、前記所定方向あるいはこの所定方向に近接した方向に対して前記第1の送信間隔及び前記第2の送信間隔の何れより小さな間隔の第3の送信間隔の送波を行なう送信手段と、前記送波によって得られた反射信号から前記移動体によるドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、前記第1の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた前記移動体の第1の速度推定値と前記第2の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた第2の速度推定値を加算して第3の速度推定値を算出する第1の速度演算手段と、前記第3の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて前記移動体の第4の速度推定値を算出する第2の速度演算手段と、前記第4の速度推定値に基づいて前記第3の速度推定値における折り返りを補正する折り返り補正手段と、この折り返り補正手段によって折り返りが補正された速度推定値に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、フレーム周波数を低減させることなく低流速検出能と高流速検出能に優れた移動体の可視化が可能となる。
以下、図1乃至図13を参照して本発明の実施例について説明する。
本実施例では、先ず、被検体の所定ラスタに対して第一の送信間隔T1と第2の送信間隔T2(T1<T2)の送受波を複数回繰り返し、送信間隔T1の送信ペアと送信間隔T2の送信ペアによって得られた規格化速度V1及びV2の和から規格化速度V3を求める。
次いで、前記所定ラスタあるいはこのラスタの近傍におけるラスタに対して第3の送信間隔T3(T3<T1)の送受波を複数回行ない、この間隔T3の送信ペアによって得られた受信信号に基づいて折り返り速度範囲(速度レンジ)の広い規格化速度V4を求める。
そして、規格化速度V4に基づいて規格化速度V3の折り返りを補正することによって大きな速度レンジを有する規格化速度V5を得る。
(装置の構成)
以下では、本実施例における超音波診断装置の構成につき図1乃至図4を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置を構成する送受信部及び画像データ生成部のブロック図を示す。
図1に示す超音波診断装置100は、被検体に対して超音波の送受波を行なう超音波プローブ1と、所定の送受波方向(ラスタ)に対して超音波の送受波を行なうために超音波プローブ1に対して電気信号の送受信を行なう送受信部2と、前記ラスタから得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像データ生成部3を備えている。
更に、超音波診断装置100は、前記画像データ生成部3において生成された超音波画像データを表示する表示部4と、画像データの収集条件や生成条件、更には種々のコマンド信号の入力などを行なう入力部6と、上記各ユニットを統括して制御するシステム制御部7を備えている。
超音波プローブ1は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受波を行なうものであり、例えば、1次元に配列された複数個(Q個)の圧電振動子をその先端部分に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。この超音波プローブ1は小型、軽量に構成されており、Qチャンネルのケーブルを介して送受信部2に接続されている。超音波プローブ1は、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、これらの超音波プローブの中から診断部位に応じて任意に選択される。以下では、セクタ走査対応の超音波プローブ1について述べるが、コンベックス走査など他の走査に対応した超音波プローブであっても構わない。
次に、図2に示した送受信部2は、超音波プローブ1から送信超音波を発生するための駆動信号を生成する送信部21と、超音波プローブ1の圧電振動子から得られる複数チャンネルの受信信号に対して整相加算を行なう受信部22を備え、一方、画像データ生成部3は、整相加算された受信信号に対してBモード画像データを生成するための信号処理を行なうBモード画像データ生成部31と、上記整相加算された受信信号を複素信号に変換し、更に、この複素信号に基づいてカラードプラ画像データを生成するための信号処理を行なうドプラ画像データ生成部32を有している。
送受信部2の送信部21は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、パルサ213を備えている。レートパルス発生器211は、被検体に対して超音波の送受波を行なう際の送信間隔Trを決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。
一方、送信遅延回路212は、超音波プローブ1において送信に使用される圧電振動子と同数(Qチャンネル)の独立な遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに超音波を収束するための集束用遅延時間と、所定の方向に超音波を送信するための偏向用遅延時間を前記レートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。
パルサ213は、送信に使用される圧電振動子と同数(Qチャンネル)の独立な駆動回路を有しており、超音波プローブ1に内蔵されたQ個の圧電振動子を駆動し、被検体に対して送信超音波を放射するための駆動パルスを生成する。
一方、受信部22は、Qチャンネルのプリアンプ221及び受信遅延回路222と、加算器223を備えている。プリアンプ221は、圧電振動子によって電気信号に変換された微小な受信信号を増幅し十分なS/Nを確保する。又、受信遅延回路222は、所定の深さからの受信超音波を集束して細い受信ビーム幅を得るための収束用遅延時間と、所定の方向に超音波ビームの受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をプリアンプ221の出力に与えた後、加算器223に送り、加算器223において受信遅延回路222からのQチャンネルの受信信号は加算合成される。
次に、画像データ生成部3は、Bモード画像データ生成部31とドプラ画像データ生成部32と画像データ記憶部33を備え、Bモード画像データ生成部31は、対数変換器311と、包絡線検波器312と、A/D変換器313を有している。Bモード画像データ生成部31の入力信号振幅は、対数変換器311において対数変換され、弱い信号が相対的に強調される。又、包絡線検波器312は、対数変換された受信信号に対して包絡線検波を行なって超音波周波数成分を除去し、A/D変換器313は、包絡線検波器312の出力信号をA/D変換してBモード画像データを生成する。尚、対数変換器311と包絡線検波器312は順序を入れ替えて構成してもよい。
一方、ドプラ画像データ生成部32は、基準信号発生器321、π/2移相器322、ミキサ323−1及び323−2、LPF(ローパスフィルタ)324−1及び324−2、A/D変換器325−1及び325−2、更に、ドプラ信号記憶回路326を備え、送受信部2から供給される受信信号に対して直交位相検波を行なって複素信号を生成する。
即ち、受信部22から供給されるドプラ画像データ生成部32の入力信号は、ミキサ323−1及び323−2の第1の入力端子に入力される。一方、この入力信号の中心周波数とほぼ等しい周波数を有し、レートパルス発生器211のレートパルスに同期した基準信号発生器321の連続波出力は、ミキサ323−1の第2の入力端子に直接供給されると共に、π/2移相器322において位相が90度シフトされてミキサ323−2の第2の入力端子に供給される。そして、ミキサ323−1及び323−2の出力は、LPF324−1及び324−2に供給され、受信部22の出力信号周波数と基準信号発生器321の出力信号周波数の差の成分のみが検出される。
次いで、A/D変換器325−1及び325−2は、LPF324−1及び324−2の出力信号、即ち、直交位相検波して得られた複素信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしデジタル信号に変換する。
即ち、ドプラ画像データ生成部32は、所定のラスタに対する所定送信間隔の送受波によって得られた受信信号に対して直交位相検波を行ない、得られたI成分(複素信号の実数成分)及びQ成分(複素信号の虚数成分)を順次ドプラ信号記憶回路326に保存する。
更に、ドプラ画像データ生成部32は、ウォールフィルタ327と自己相関器328と演算器329を備えている。
ウォールフィルタ327は、ドプラ信号記憶回路326に一旦保存された複素信号に対し、臓器などの固定反射体からの反射信号や臓器の呼吸性移動あるいは拍動性移動などに起因するドプラ信号(クラッタ信号)の除去を行なう。即ち、ウォールフィルタ327は、ドプラ信号記憶回路326に保存されている所定ラスタの同一位置(深さ)におけるN個の複素信号を抽出してフィルタ処理を行ないN個の信号列からなる血流信号を生成する。
一方、自己相関器328は、ウォールフィルタ327によって得られた血流信号の中から、所定間隔で隣接した血流信号を選択し、これらの血流信号に対して自己相関演算を行なう。そして、演算器329は、自己相関器328の出力信号及びウォールフィルタ327の出力信号を用いて、血流の流速値画像データ、分散値画像データ及びパワー値画像データを生成する。
尚、上述のウォールフィルタ327、自己相関器328及び演算器329は、本実施例において最も重要な部分であるため、後述するカラードプラ画像データの収集における走査法と信号処理法の説明においてその詳細を述べる。
次に、画像データ記憶部33は、Bモード画像データ生成部31のA/D変換器313より供給されるBモード画像データや、ドプラ画像データ生成部32の演算器329より供給される流速値画像データ、パワー値画像データ及び分散値画像データを順次保存し、2次元のBモード画像データ、流速値画像データ、パワー値画像データ及び分散値画像データを生成する。
図1に戻って、表示部4は、DSC(Digital Scan Converter)41とカラーモニタ42を備えている。DSC41は、図示しないCPU(中央演算装置)と記憶回路を備え、画像データ生成部3の画像データ記憶部33より供給されるBモード画像データと流速値画像データ、あるいはBモード画像データとパワー値画像データを合成して表示用画像データを生成する。そして、カラーモニタ42は、DSC41において生成された表示用画像データの表示を行なう。尚、上記流速値画像データの代りに流速値と分散値が合成された流速値/分散値画像データとBモード画像データを合成して表示用画像データを生成してもよい。
この場合、DSC41は、背景画像としてのBモード画像データに流速値画像データやパワー値画像データ等のカラードプラ画像データが重畳された1枚の表示用画像データを生成し、カラーモニタ42は、白黒のBモード画像データを背景にカラードプラ画像データをカラー表示する。
尚、上記の表示において、パワー値画像データは、演算器329において得られたパワー値をそのまま、あるいは対数変換して表示されるが、流速値画像データや流速値/分散値画像データの各画素は、この画素に対応したパワー値画像データの画素における画素値(パワー値)が予め設定された閾値以上の場合のみ表示される。
次に、入力部6は、入力パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスと表示パネルを備え、患者情報、診断部位、画像データ収集モード、画像データ生成方法、画像データ表示方法、更には各種コマンド信号の入力が行なわれる。例えば、この入力部6において、超音波走査方法や表示モードの選択、送受波間隔や交互走査、更にはウォールフィルタ327に関する条件設定等が行なわれる。
そして、システム制御部7は、図示しないCPUと記憶回路を備え、超音波診断装置100の上記各ユニットの制御やシステム全体を統括的に制御する。特に、入力部6において設定された超音波走査方法及び表示モード、送受波間隔や交互走査、更にはウォールフィルタ327に関する設定条件を上記記憶回路に一旦保存した後当該ユニットに供給する。
次に、カラードプラ画像データ及びBモード画像データを生成するための超音波走査法と信号処理法につき図3を用いて説明する。
図3は、本実施例のカラードプラ画像データ及びBモード画像データの収集における超音波走査法を示したものであり、図3(b)の超音波走査チャートにおける横方向R1、R2・・・は図3(a)に示した送受波方向に対応し、縦方向は時間軸(即ち、所定ラスタにおける送受波の順序)に対応している。
この走査方法の特徴は、細斜線部で示した従来の3段順次交互走査に対して黒塗部で示した送受波が新たに追加されてカラードプラ画像データ生成のための送受波が行なわれることである。この場合、太枠で囲われたブロックB1、B2・・・を単位に3段の順次交互走査が行なわれ、各ブロックの最後には太斜線部によって示したBモード画像データを収集するための送受波が行なわれる。尚、図中の縦方向に示された送受波タイミングt0、t1、・・・の時間間隔は、例えばレート間隔Trに設定される。
先ず、網線部で示した画像データの収集に直接関与しないダミー送波を時刻t0において行ない、次いで、時刻t1乃至t3においてラスタR1乃至R3に対する送受波を行なった後、時刻t4で再びラスタR3に対する送受波を行なう。そして、時刻t5乃至t7においてラスタR1乃至R3に対する送受波を行なう。
次いで、時刻t8乃至t14、時刻t15乃至t21、時刻t22乃至t28においても同様にして送受波を行ない、更に時刻t29乃至t32においてラスタR3に対する送受波を繰り返す。即ち、上述の時刻t1乃至t32においてラスタR1乃至R3に対するカラードプラ用送受波を行なう。次に、時刻t33乃至t35においてラスタR1乃至R3に対するBモード用送受波を行なう。
同様にして、時刻t36乃至t71においてはブロックB2に示したラスタR4乃至R6に対するカラードプラ用及びBモード用の送受波を行ない、図示しないブロックB3以降についても同様な順次交互走査による送受波を行なう。
従来の順次交互走査に黒塗部で示した間隔7Trの送受波を挿入することにより、所定走査方向の細斜線部で示した送受波は、送信間隔T1=3Trと送信間隔T2=4Trの送受波を繰り返して行なう、所謂「スタガパルス送受波」を形成する。
又、各ブロックの最初の時刻(時刻t0、t36、・・・)にダミー送波を設定することによって残留エコーの影響を低減することができる。例えば、ブロックB1の送受波からブロックB2の送受波に移行する際、時刻t36におけるラスタR3に対する送受波からラスタR4に切り替わった直後の受信信号にはラスタR4における他の受信信号とは異なる方向からの残留エコーが混入する。このため、ブロックの切り換え時にはラスタR6に対し画像データに直接寄与しないダミー送波を行なう。このダミー送波を追加することによって、常に同じ送受波方向からの残留エコーが混入した状態となるので、低域通過特性をもつウォールフィルタで残留エコーによる影響を相殺することが可能となる。
次に上述の送受波によって得られる受信信号を用いた血流の流速値、分散値及びパワー値の推定方法について説明する。
ブロックB1のラスタR1乃至R3における細斜線部の送受波によって収集され、画像データ生成部3のドプラ信号記憶回路326に保存された受信信号列[Ya]はレート間隔Trを最小送信間隔とした時系列T[1,5,8,12,15,19,22,26]で表現できる。
一方、画像データ生成部3のウォールフィルタ327は、上記受信信号列に対して2次多項式によるウォールフィルタ行列[Wa]を次式によって形成する。但し、[]Tは転置行列、[I]は単位行列を示す。
Figure 0004537754
即ち、上記受信信号列[Ya]を[Ya]=[ya1、ya2、ya3、ya4,ya5,ya6,ya7,ya8]とすれば、クラッタ信号を除去した受信信号列[Ua]=[ua1,ua2,ua3,ua4,ua5,ua6,ua7,ua8]は次式によって得られる。
Figure 0004537754
次に、自己相関器328は、上述のウォールフィルタ327によってクラッタ成分が除去された受信信号列[Ua]の中から、送信間隔T1の送信ペアによって得られた受信信号列の受信ペアua2とua3、ua4とua5、ua6とua7と送信間隔T2の送信ペアによって得られた受信信号列の受信ペアua3とua4、ua5とua6を用いて下式(6−a)及び(6−c)によって自己相関値を求め、演算部329は、下式(6−b)及び(6−d)に基づいて規格化速度V1及びV2を算出する。尚、atan2はFortran言語における同名の関数と同じ処理を表わし、*は複素共役を示す。
Figure 0004537754
スタガパルス方式による速度推定値V12は通常下式(7)によって求められるが、本実施例では夫々の折り返り速度で規格化した[−0.5〜0.5]の範囲における規格化速度推定値V3を下式(8)によって求める。
Figure 0004537754
Figure 0004537754
一方、図3において、上記送信間隔T1より小さな送信間隔T3(本実施例ではT3=Tr)を有する黒塗部の送受波(以下では微小間隔送受波と呼ぶ。)によって得られた受信信号列[Yc]=[yc1、yc2、yc3、yc4,yc5,yc6,yc7,yc8]は、レート間隔Trを最小送信間隔とした時系列T[1,8,15,22,26,27,28,29]で表現される。そして、ウォールフィルタ327は、この受信信号列[Yc]に対し2次多項式によるウォールフィルタ行列[Wc]を下式(9−a)によって形成し、クラッタ信号除去後の受信信号列[Uc]=[uc1,uc2,uc3,uc4,uc5,uc6,uc7,uc8]は、このウォールフィルタ行列[Wc]を用いた式(9−b)によって得られる。
Figure 0004537754
次に、自己相関器328は、上述のウォールフィルタ327によってクラッタ成分が除去された受信信号列[Uc]の中から、送信間隔Trの送信ペアによって得られた受信信号列の受信ペアuc5とuc6、uc6とuc7を選択し下式(10−a)によって自己相関値を求め、演算部329は、下式(10−b)に基づいて規格化速度V4を算出する。
Figure 0004537754
次に、演算器329は、上記規格化速度V3を速度レンジの広い規格化速度V4の情報に基づいて折り返り補正して速度レンジが改善された規格化速度V5を算出する。この折り返り補正のアルゴリズムを図4のフローチャートに示す。尚、sign(x)は、x>0のとき1、x=0のとき0、x<0のとき−1を返す関数である。又、nTr/(T1+T2)は折り返りが発生する規格化速度であり、T1=3Tr,T2=4Trの場合にはnTr/(T1+T2)<0.5を満たす整数nは1乃至4となる。そのために、図4のフローチャートでは条件分岐が4つとなっているが、一般的には条件分岐の数はnTr/(T1+T2)<0.5を満たす最大の整数nとなる。
演算器329は、速度レンジの狭い規格化速度V3と速度レンジの広い規格化速度V4の差の絶対値|V3−V4|を算出し、この値と前記折り返り規格化速度nTr/(T1+T2)との比較結果に基づきnTr/(T1+T2)(n=1乃至4)のバイアスを加算あるいは減算して折り返り補正を行なう。この折り返り補正により、規格化速度V5の折り返り速度はV3の折り返り速度の(T1+T2)/(2Tr)倍に拡大される。
一方、血流のパワー値Pは、細斜線部の送受波によって得られたウォールフィルタ処理後の受信信号列[Ua](ua1乃至ua8)を用い下式(11)によって算出される。
Figure 0004537754
又、血流の分散値Varは、上記パワー値Pと式(6)において示した自己相関値ac1及びac2を用いた次式(12)によって算出される。ただし、N0はパワー値Pの計算に用いたデータ数、M0は自己相関値ac1及びac2の計算に用いた送信ペアの総和を示す。
Figure 0004537754
尚、上述の速度推定において、受信信号ua1、ua8、uc1、uc8は端部のデータであるため速度推定誤差が大きい。このため、これらを除いた受信信号を用いて演算を行なうことが望ましい。一方、パワー値Pを算出する場合には前記端部データの影響は小さいため、上式(11)に示すようにウォールフィルタ327より得られた受信信号列の全てを用いる。
(画像データの生成手順)
次に、順次交互走査法を適用した本発明の実施例における画像データの生成手順を図5に示したフローチャートに沿って説明する。尚、以下の説明では、図3と同様に交互段数Mが3、パッケージサイズNが8の場合の順次交互走査による画像データの生成手順について述べるが、これらに限定されない。
順次交互走査によるカラードプラ画像データ及びBモード画像データの収集に先立って、操作者は、入力部6にて患者情報、診断部位、画像データ収集モード、画像データ生成方法、画像データ表示方法等に関する初期設定を行ない、これらの設定情報をシステム制御部7の記憶回路に保存する。本実施例では、画像データ収集モードとして、セクタ走査によるBモード画像データとカラードプラ画像データの収集モードを設定する。又、画像データ生成方法として、交互段数(M=3)とパッケージサイズ(N=8)を設定する。(図5のステップS1)。
上記初期設定が終了したならば、操作者は、超音波プローブ1の先端(送受波面)を被検体の体表面上の所定の位置に固定してカラードプラ画像データ及びBモード画像データの収集を開始する。先ず、カラードプラ用送受波に際して、図2のレートパルス発生器211は、システム制御部7からの制御信号に同期し、被検体内に放射する送信超音波の放射タイミングを決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。
送信遅延回路212は、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに超音波を収束するための遅延時間と、ラスタR3にダミー走査用の超音波を送信するための遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。次いで、パルサ213は、前記レートパルスの供給によって生成される圧電振動子駆動パルスを用い、超音波プローブ1に内蔵されている圧電振動子を駆動して被検体内に超音波パルス(送信超音波)を放射する。
次いで、レートパルス発生器211は、ダミー走査用のレートパルスからレート周期Tr後に次のレートパルスを送信遅延回路212に供給し、送信遅延回路212は、収束用の遅延時間と、ラスタR1に超音波を送信するための遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。そして、パルサ213は、超音波プローブ1に内蔵されている圧電振動子を駆動して被検体内に超音波パルス(送信超音波)を放射する。
被検体内に放射された送信超音波の一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。又、この送信超音波が心臓壁や血球などの動きのある反射体で反射する場合、その超音波周波数はドプラ偏移を受ける。
被検体の組織や血球にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、超音波プローブ1の圧電振動子によって受信されて電気信号(受信信号)に変換され、この受信信号は、送受信部2の受信部22におけるQチャンネルの独立なプリアンプ221にて増幅されてQチャンネルの受信遅延回路222に供給される。
受信遅延回路222は、所定の深さからの受信超音波を収束するための集束用遅延時間と、ラスタR1に強い受信指向性をもたせて受信するための偏向用遅延時間を前記受信信号に与えた後、この受信信号を加算器223に供給する。そして、加算器223は、受信遅延回路222から出力されるQチャンネルの受信信号を加算合成し、1つの受信信号に纏めた後、画像データ生成部3のドプラ画像データ生成部32に供給する。
図2の画像データ生成部3におけるドプラ画像データ生成部32に供給された受信部22の出力信号は、ミキサ323−1、323−2及びLPF324−1、324−2によって直交位相検波されて複素信号に変換される。そして、この複素信号のI成分及びQ成分の各々は、A/D変換器325−1、325−2にてデジタル信号に変換された後、ドプラ信号記憶回路326に保存される。
同様の手順により、システム制御部7は送受信部2及び画像データ生成部3を制御し、時刻t2及びt3においてラスタR2及びラスタR3、時刻t4においてラスタR3、時刻t5乃至t7においてラスタR1乃至ラスタR3に対する送受波を順次行ない、得られた複素信号はドプラ信号記憶回路326に保存される。
時刻t1乃至t7において行なったラスタR1乃至ラスタR3に対する送受波と同様な送受波を時刻t8乃至t14、時刻t15乃至t21、時刻t22乃至t28において繰り返した後、時刻t29乃至t32においてラスタR3に対する送受波が行なわれ、得られた複素信号はドプラ信号記憶回路326に保存される(図5のステップS2)。
図6は、ドプラ信号記憶回路326の構成について示したものであり、行方向(X方向)はラスタR1乃至ラスタR3、あるいは送受波時刻t1、t2、・・・に対応し、列方向(Y方向)は反射体の深さ(反射体と超音波プローブ1の距離)に対応している。例えば、t1の列には、時刻t1におけるラスタR1の送受波によって得られた複素信号が保存され、t5、t8、・・・t26には時刻t5、t8、・・・t26のラスタR1に対する送受波によって得られた複素信号が保存されて受信信号列[Ya]が生成される。同様にして、t2、t6、t9・・・t27にはラスタR2に対応する複素信号、t3、t7、t10・・・t28にはラスタR3に対応する複素信号が保存されて受信信号列[Ya]が生成される。更に、t4、t11、t18・・・t32には、図3の微小間隔送受波によって得られた複素信号が保存され受信信号列[Yc]が生成される。
上述の手順によって順次交互走査のブロックB1におけるカラードプラ用の複素信号の保存が終了したならば、システム制御部7は、先ず、ラスタR1のt1乃至t26における8つの複素信号の夫々において所定深さに対応した受信信号列[Ya]をX方向に順次読み出してウォールフィルタ327に供給する。
ウォールフィルタ327は、供給された8個の受信信号列[Ya]に対して時間方向(図6のX方向)でハイパスフィルタ処理を行なってクラッタ信号を除去し、血流に起因したドプラ信号で構成される受信信号列[Ua]を検出する(図5のステップS3)。
次に、自己相関器328は、ウォールフィルタ327によってクラッタ成分が除去された受信信号列[Ua]の中から、送信間隔T1の送信ペアによって得られた受信信号ベクトルの受信ペアua2とua3、ua4とua5、ua6とua7と送信間隔T2の送信ペアによって得られた受信信号ベクトルの受信ペアua3とua4、ua5とua6を選択し式(6−a)及び(6−c)によって自己相関値を求める(図5のステップS4)。そして、演算部329は、式(6−b)及び(6−d)に基づいて規格化速度V1及びV2を算出し(図5のステップS5)、更に式(8)によって規格化速度推定値V3を算出する(図5のステップS6)。
同様にして、ラスタR2のt2乃至t27における複素信号、ラスタR3のt3乃至t28、ラスタR3のt4乃至t32における複素信号に対しても同様のフィルタリング処理と演算によって規格化速度V1及びV2を算出し、更に規格化速度推定値V3を算出する。
更に、ウォールフィルタ327は、図3の微小間隔送受波によって得られた受信信号列[Yc]に対しても式(9−a)及び式(9−b)のフィルタリング処理を行ってクラッタ信号が除去された受信信号列[Uc]を検出する(図5のステップS7)。そして、自己相関器328は、式(10−a)によって自己相関関数ac4を算出し(図5のステップS8)、演算部329は、式(10−b)に基づいて規格化速度V4を算出する(図5のステップS9)。
次に、演算器329は、規格化速度V4の情報に基づいて規格化速度V3に対する折り返り補正を行って速度レンジが改善された規格化速度V5を推定する(図5のステップS10)。但し、ラスタR3方向における規格化速度V5は、微小間隔送受波によって得られた規格化速度V4をそのまま用いてもよい。
更に演算器329は、式(10)及び式(11)にしたがって血流のパワー値Pと分散値Varを算出する(図5のステップS11)。
そして、得られたラスタR1乃至ラスタR3における流速値、パワー値、分散値のカラードプラ画像データは画像データ生成部3の画像データ記憶部33におけるカラードプラ画像データ記憶領域に保存される。
t1乃至t32において、ラスタR1乃至ラスタR3に対するカラードプラ用送受波が終了したならば時刻t33乃至t35においてラスタR1乃至ラスタR3に対するBモード用送受波が行なわれる(図5のステップS12)。
即ち、カラードプラ用送受波の場合と同様にして、送受信部2は時刻t33においてラスタR1に対して送受波を行ない、得られた受信信号を画像データ生成部3のBモード画像データ生成部31に供給する。
そして、Bモード画像データ生成部31は供給された前記受信信号に対して対数変換、包絡線検波及びA/D変換を行なってBモード画像データを生成し、画像データ記憶部33におけるBモード画像データ記憶領域に保存する。
次いで、ラスタR2及びラスタR3に対しても同様の送受波を行ない、得られたBモード画像データを画像データ記憶部33のBモード画像データ記憶領域に保存する。
以上述べた手順によって図3のブロックB1に対するカラードプラ画像データ及びBモード画像データの生成が終了したならば、同様にしてブロックB2(ラスタR4乃至ラスタR6、ブロックB3(ラスタR7乃至ラスタR9)、・・・に対しても送受波を行ない、得られたカラードプラ画像データ及びBモード画像データは画像データ記憶部33の夫々の記憶領域に保存される(図5のステップS2乃至S13)。
即ち、画像データ記憶部33には、Bモード画像データ生成部31のA/D変換器313より供給されたBモード画像データやドプラ画像データ生成部32の演算器329より供給された流速値画像データ、パワー値画像データ及び分散値画像データが順次保存され、2次元のBモード画像データ、流速値画像データ、パワー値画像データ及び分散値画像データが生成される。そして、これらの画像データは表示部4のDSC41に供給される。
表示部4のDSC41は、上記画像データを記憶回路に一旦保存した後、流速値画像データ、パワー値画像データ及び分散値画像データに対してカラー情報を付加する。そして、これらの画像データとBモード画像データを合成して表示用画像データを生成し(図5のステップS14)、更に、標準テレビフォーマット信号に変換してカラーモニタ42に表示する(図5のステップS15)。
次に、本実施例の効果につき図7乃至図12を用いて説明する。
図7は、本実施例に用いたウォールフィルタ327の特性の具体例を示したものであり、図7(a)は、図3において既に述べた送信間隔T1=3Tr,送信間隔T2=4Trのスタガパルス送受波(図3の細斜線部)によって得られた受信信号列[Ya](ya1乃至ya8)及びラスタR3の微小間隔送受波(図3の黒塗部)によって得られた受信信号列[Yc](yc1乃至yc8)を示している。
一方、図7(b)は、受信信号列[Ya]に対して形成された式(4)のウォールフィルタ伝達特性Ca(実線)及び受信信号列[Yc]に対して形成された式(9)のウォールフィルタ伝達特性Cc(破線)を示しており、横軸は周期Trの周波数に対応した規格化速度で示している。この図7(b)によれば、各受信信号列の観測時間Ta及びTcが略等しいため、低流速検出能を決定する伝達特性Ca及びCcの低周波領域における肩特性は略等しく、又、直流成分を除いた図中の領域において振幅が零になるブラインド周波数は存在しない。
次に、図8は、式(7)に示した従来法の速度推定結果を示したものであり、図8(a)は、受信信号列[Ya]をフィルタ処理して得られた受信信号列[Ua]に対する式(6)の演算によって算出された規格化速度V1(実線)及び規格化速度V2(破線)を示している。又、図8(b)は、式(7)に基づいた従来の演算法によって得られた規格化速度V12を示している。この規格化速度V12では、折り返りが発生するTr/(T1+T2)の整数倍(即ち、この場合は1/7=0.14、2/7=0.29、3/7=0.43)近傍の速度で誤差が大きい。
尚、上述の演算は式(9)で示した時変(time variant)なウォールフィルタの場合について示したが、通常の時不変(time invariant)なウォールフィルタの場合においても同様な誤差が発生する。
一方、図9は本実施例における速度推定結果を示している。即ち、式(8)に示したように、図8(a)の規格化速度V1と規格化速度V2を用い(V1+V2)Tr/(T1+T2)から算出された規格化速度V3の流速値特性であり、図8(b)の規格化速度V12と比較すると1/7の整数倍で折り返りが発生することは同じであるが、入力速度に対する勾配が安定して得られる。従って、正しい折り返り判定が可能であれば高流速の血流を正確に推定することが可能となる。
次に、図9に示した規格化速度V3に対する折返り補正の有効性につき図10を用いて説明する。図10(a)は、受信信号列[Yc]をフィルタ処理して得られた受信信号列[Uc]に対して式(10)の演算を行なって得られた規格化速度V4であり、折り返り速度は最小送信間隔であるレート周期Trによって決定されるため速度レンジ[−0.5〜0.5]において折り返りは発生しない。一方、図10(b)は、上述のV3とV4を図4に示したアルゴリズムに基づいて比較することによりV3の折り返りを補正して得られた規格化速度V5を示しており、この規格化速度V5では、上記速度レンジにおいて折り返りが無く、しかも直線性に優れた特性を得ることができる。即ち、上述の折り返り補正により広い速度レンジにおける正確な速度推定が可能となる。
尚、本実施例では、送信間隔T1と送信間隔T2の送受波を繰り返すことによって速度レンジ[−0.5〜0.5]におけるブラインド周波数を無くしている。即ち、図11に示すように、本実施例の送信間隔T1=3Tr、送信間隔T2=4Trの送受波におけるウォールフィルタ特性(実線)は、送信間隔T1=T2=3.5Trの等間隔送受波の場合のウォールフィルタ特性(破線)と比較してブラインド周波数が消滅するため、全ての速度成分に対して正確な速度推定を行なうことが可能となる。
図12は、低流速検出能を同一とするためにパッケージサイズを26とした場合の3ラスタ分の送受波に要する時間を比較したものであり、図12(a)は、本実施例の超音波走査チャート、図12(b)は、図12(a)と同等の低流速検出能及び高流速検出能を有する従来法の超音波走査チャートである。この図でも明らかなように、本実施例における3ラスタ分の送受波に要する時間は従来法の約40%となり、したがってフレームレートを約2.5倍改善することができる。
一方、図13は、本実施例の超音波走査チャートと本発明者が特願2003−419557において提案している方法の超音波走査チャートを比較したものである。特願2003−419557の方法では、不等間隔に送信を行って得られた受信信号列に対して最小2乗法によるウォールフィルタ処理を行なった後、最小間隔の送信ペアを用いて血流速度の推定を行なう。この方法によれば従来法と比較し高流速検出能と低流速検出能を維持した状態でフレームレートを向上させることが可能である。しかしながら、この方法では図13(b)に示すように残留エコーの影響を排除するためのダミー走査を高い頻度で行なう必要がある。一方、本実施例の方法では順次交互走査のブロック内で1回のダミー走査を行なえばよい。このため、本実施例のフレームレートは特願2003−419557の方法と比較して約1.8倍改善されると共に制御方法が大幅に簡略化される。
以上述べた本実施例によれば、画像表示におけるフレームレートを低減させることなく低流速検出能と高流速検出能に優れた血流速度の推定が可能となり、又、従来法における低流速検出能と高流速検出能を維持した状態でフレームレートを大幅に向上させることができる。
又、上述の実施例では、所定ラスタに対するスタガパルス送受波によって得られた規格化速度を、同一ラスタあるいはこのラスタの近傍における他のラスタに対する微小間隔送受波によって得られた高流速検出能に優れた規格化速度に基づいて折り返り補正を行なうため正確な補正が可能となる。
更に、上記実施例では順次交互走査法をベースにしているため、Bモード画像データ用の送受波をブロック間に挿入することが容易となり、比較的簡単な制御方法によってカラードプラ画像データの生成を行なうことができる。
又、同一ラスタに対し送信間隔T1及び送信間隔T2の送受波を行ない、夫々の間隔で隣接した受信信号から得られた2つの規格化速度の加算を行なっているため、差分を算出する従来の方法と較べてノイズの影響を受け難く、従って高い推定精度を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施例であるパルスドプラ計測装置について説明する。この実施例の特徴は、移動体に対し超音波等を用いて送受波を行ない、前記移動体からの反射波に基づいてその移動速度を推定することにある。
本実施例におけるパルスドプラ計測装置の全体構成につき図14のブロック図を用いて説明する。尚、図14において、図1の超音波診断装置の各ユニットと同様の機能を有するユニットは同一の符号を付加する。
即ち、図14のパルスドプラ計測装置200は、移動体11に対して電磁波や光あるいは超音波等の送受波を行なう送受波器10と、所定の走査方向に対して送受波を行なうために送受波器10に対して電気信号の送受信を行なう送受信部2と、前記走査方向から得られた受信信号に対してドプラ信号を検出して画像データを生成する画像データ生成部3を備えている。
更に、パルスドプラ計測装置200は、前記画像データ生成部3において生成された画像データを表示する表示部4と、画像データの収集条件や生成条件、更には種々のコマンド信号の入力などを行なう入力部6と、上記各ユニットを統括して制御するシステム制御部7を備えている。
そして、送受信部2は、送受信器10から超音波等を発生するための駆動信号を生成する送信部21と、前記送受信器10から得られる受信信号に対して信号処理を行なう受信部22を備え、一方、画像データ生成部3は、受信部22から供給される受信信号からドプラ信号を検出し、更に、このドプラ信号に基づいて前記移動体11の速度情報を算出するドプラ画像データ生成部32と、得られたドプラ画像データを保存する画像データ記憶部33を有している。
前記画像データ生成部3は、本実施例における最重要部分であるが、その詳細な構成と画像データの生成手順は上述の第1の実施例と同様であるため詳細な説明は省略する。
本実施例によれば、第1の実施例と同様な効果を有し、例えば、画像表示におけるフレームレートを低減させることなく低流速検出能と高流速検出能に優れた血流速度の推定が可能となり、更に、ノイズの影響を受け難いため高い推定精度を得ることができる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上記の実施例に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、送受波方法は、図3に示した方法に限定されない。例えば、黒塗部で示した間隔Trの微小間隔送受波を順次交互走査のブロックの初段部や図15(a)に示すようにブロックの中央部に設定してもよく、図15(b)のように微小間隔走査における間隔Trの送受波を所定時刻に集中させて行なってもよい。又、図15(c)や図15(d)に示すようにT1=3Tr/T2=2Tr、あるいはT1=5Tr/T2=4Trであってもよい。
又、上述の実施例では、最小送受波間隔をレート周期Trに設定した場合について述べたが、腹部血管や末梢血管の血流のように遅い血流の中に混在する狭窄部の比較的速い血流等を計測する走査方法を図16に示す。この図16の走査方法において最小送信間隔は2Trに設定されるため高流速検出能は上記実施例の場合の1/2となるが、交互段数及びパッケージサイズ(即ち観測時間)が2倍となるため低流速検出能を2倍に改善することができる。尚、この方法では順次交互走査の1つのブロックにおいて2ラスタ分(ラスタR3及びラスタR6)の微小間隔送受波を行なうことが可能である。
一方、上述の実施例では、時変(time variant)のウォールフィルタを用いてクラッタ信号の除去を行なったが、時不変(time invariant)なFIRフィルタをウォールフィルタに用いることも可能である。
図17(a)は時不変(time invariant)なFIRフィルタのフィルタ係数であり、0でない係数を左から順にa1、a2、・・・a7とした場合、ウォールフィルタ行列Wは次式(13)の行列で示すことができる。但しT1=3Tr、T2=4Trとし、入力時系列をT[1,5,8,12,15,19,22,26,29]の9データとしている。
Figure 0004537754
この行列Wにおける3つの行の周波数−振幅特性は図17(b)に示すように既に示した図7(b)のグラフCaと略同様の特性が得られる。
一方、図18(a)は、受信信号列a1、a2、・・・a7をフィルタ処理した受信信号列に対して式(6)の演算を行なって得られた規格化速度V1(実線)及び規格化速度V2(破線)であり、図8(b)は、式(7)に基づいた従来の演算法によって得られた規格化速度V12(実線)と、規格化速度V1と規格化速度V2を用い(V1+V2)Tr/(T1+T2)から得られた規格化速度V3を示している。図18(b)の破線の結果から、時不変なフィルタを使用した場合であっても、折り返りはあるものの、一様な勾配を得ることができ、ウォールフィルタとして使用することが可能である。
尚、図3におけるBモード用送受波はカラードプラ用送受波と同一のラスタにおいて行なっているが、ラスタの位置やその回数は任意に設定してもよい。この場合のBモード用送受波は上述の方法に限定されるものではなく、例えば、各ブロックの最初や中間で行なってもよく、又、カラードプラ用送受波によって得られた受信信号の一部を用いてもよい
又、規格化速度V3と高速流検出能に優れる規格化速度V4を用いた所定のアルゴリズムによって折り返り補正を行う場合について述べたが、補正方法は上述のアルゴリズムに限定されない。即ち、送信間隔T1及びT2、送受波方法、ウォールフィルタ特性が予め設定されれば入力速度に対する規格化速度V3及び規格化速度V4は一義的に決定されるため、これらの情報に基づく手法であればどのような方法でもよい。例えば、規格化速度V3及び規格化速度V4を入力とするRAMテーブルを用いて補正することも可能である。
一方、上述の実施例では、順次交互走査法について述べたが、定間隔交互走査法のようにラスタの位置を少しずつシフトさせる方法も可能である。又、送波方向と受波方向が略等しい走査法について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの送波に対して複数方向からの同時受波を可能とする並列同時受信においても適用可能である。
本発明の第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における送受信部及び画像データ生成部の構成を示すブロック図。 同実施例における超音波走査法を示す超音波走査チャート。 同実施例における折り返り補正のアルゴリズムを示す図。 同実施例における画像データ生成手順を示すフローチャート。 同実施例におけるドプラ信号記憶回路の構成を示す図。 同実施例におけるウォールフィルタ特性の具体例を示す図。 従来法における折り返り補正前の速度推定結果を示す図。 本発明の第1の実施例における折り返り補正前の速度推定結果を示す図。 同実施例における折り返り補正後の速度推定結果を示す図。 同実施例におけるウォールフィルタ特性を示す図。 同実施例と従来例におけるフレームレートを比較するための図。 同実施例と他の方法におけるフレームレートを比較するための図。 本発明の第2の実施例におけるパルスドプラ計測装置の全体構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施例及び第2の実施例における超音波走査法の変形例を示す超音波走査チャート。 本発明の第1の実施例及び第2の実施例における超音波走査法の他の変形例を示す超音波走査チャート。 同実施例における他のウォールフィルタの特性を示す図。 同実施例における他のウォールフィルタの出力信号に基づいて得られた速度推定値を示す図。 従来の交互走査法を示す図。
符号の説明
1…超音波プローブ
2…送受信部
3…画像データ生成部
4…表示部
6…入力部
7…システム制御部
21…送信部
22…受信部
31…Bモード画像データ生成部
32…ドプラ画像データ生成部
33…画像データ記憶部
41…DSC
42…カラーモニタ
321…基準信号発生器
322…π/2移相器
323…ミキサ
324…LPF
325…A/D変換器
326…ドプラ信号記憶回路
327…ウォールフィルタ
328…自己相関器
329…演算器
100…超音波診断装置

Claims (8)

  1. 被検体に対して超音波送受波を行なうための電気音響変換素子を備えた超音波プローブと、
    前記被検体の複数方向に対して超音波送波を行なう送波方向制御手段と、
    前記電気音響変換素子を駆動して前記被検体内の所定方向に対して異なる送信間隔を有する第1の送信間隔の超音波送波と第2の送信間隔の超音波送波を行ない、更に、前記所定方向あるいはこの所定方向に近接した方向に対して前記第1の送信間隔及び前記第2の送信間隔の何れより小さな間隔の第3の送信間隔の超音波送波を行なう送信手段と、
    前記超音波送波によって得られた受信信号から前記被検体内の移動体によるドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、
    前記第1の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた前記移動体の第1の速度推定値と前記第2の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた第2の速度推定値の加算結果に基づいて第3の速度推定値を算出する第1の速度演算手段と、
    前記第3の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて前記移動体の第4の速度推定値を算出する第2の速度演算手段と、
    前記第4の速度推定値に基づいて前記第3の速度推定値における折り返りを補正する折り返り補正手段と、
    この折り返り補正手段によって折り返りが補正された速度推定値に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データを表示する表示手段を
    備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記送波方向制御手段は、前記所定方向に対する前記第1の送信間隔あるいは前記第2の送信間隔の少なくとも何れかの間に、前記所定方向に近接する1つあるいは複数の方向に対して超音波送波を行うことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記送信手段は、前記電気音響変換素子を所定の駆動間隔で駆動し、この駆動間隔の整数倍の前記第1の送信間隔乃至第3の送信間隔で超音波送波を行なうことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1の速度演算手段は、前記第1の送信間隔T1の送信によって得られた速度推定値をV1,前記第2の送信間隔T2の送信において得られた速度推定値をV2、前記駆動間隔をTrとした場合、前記第3の速度推定値を(V1+V2)Tr/(T1+T2)に基づいて算出することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
  5. 前記送信手段は、前記第1の送信間隔の超音波送波と前記第2の送信間隔の超音波送波を交互に複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記ドプラ信号検出手段は、前記超音波送波によって得られた受信信号の中から固定反射体あるいは動きの少ない移動体からの反射信号を除去することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  7. 移動体が置かれた媒体中の複数方向に対して送波を行なう送波方向制御手段と、
    前記媒体中の所定方向に対して異なる送信間隔を有する第1の送信間隔の超音波送波と第2の送信間隔の送波を行ない、更に、前記所定方向あるいはこの所定方向に近接した方向に対して前記第1の送信間隔及び前記第2の送信間隔の何れより小さな間隔の第3の送信間隔の送波を行なう送信手段と、
    前記送波によって得られた反射信号から前記移動体によるドプラ信号を検出するドプラ信号検出手段と、
    前記第1の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた前記移動体の第1の速度推定値と前記第2の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて得られた第2の速度推定値の加算結果に基づいて第3の速度推定値を算出する第1の速度演算手段と、
    前記第3の送信間隔の送信によるドプラ信号に基づいて前記移動体の第4の速度推定値を算出する第2の速度演算手段と、
    前記第4の速度推定値に基づいて前記第3の速度推定値における折り返りを補正する折り返り補正手段と、
    この折り返り補正手段によって折り返りが補正された速度推定値に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データを表示する表示手段を
    備えたことを特徴とするパルスドプラ計測装置。
  8. 前記送信手段は、前記移動体に対して超音波、光、電磁波の何れかを送波することを特徴とする請求項6記載のパルスドプラ計測装置。
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