JP4536870B2 - 入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、電子手帳、携帯情報端末、携帯電話機、POS/ECR、ゲーム機等を含む電子機器の入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータを含む電子機器は、処理速度の高速化や記憶容量の増大などにより大きく性能向上したことから、デジタルデータを用いた動画や音楽、例えばDVDディスクによる映画ソフトなどの再生機能や、デジタルビデオやテレビ画像をハードディスクに記録して行う画像再生やデジタル編集機能や、デジタル音楽データの作成や再生などのデジタルデータを用いたAudioVisual機能(以下、AV機能と呼ぶ)を搭載したことを特徴とするものが増えている。特にパーソナルコンピュータの場合は、AV機能を特長とはしない一般的なものであっても、前記機能のいくつかを搭載しているものがあり、従前からコンピュータとしての主たる用途であった文書作成や表計算に留まらない、よりエンターテイメント性の高い用途への広がりを見せている。
【0003】
一方、このようなパーソナルコンピュータに搭載されたAV機能の操作方法には次のようなものがある。
A)キーボードの特定のキー、または特定のキーの組み合わせに機能を定義して、これらのキーを操作することで行う。
B)パーソナルコンピュータを構成する筐体のいずれかの上に設けられた専用の操作部の装置を操作することで行う。
C)専用の操作画面を表示させて画面上でマウスなどの指示手段を操作することで行う。
D)付属するリモコンを用いて操作することで行う。
E)上記A〜Dのいずれかの組み合わせにより操作を行う。
などのやり方である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のAV機能の操作方法については、それぞれ次のような課題がある。
【0005】
A)のように、キーボードの特定のキー、または特定のキーの組み合わせに対して機能を定義した操作部では、キーの上面等に機能表示のための文字や図形が表示されているが、一見して他のキーと明瞭に識別することが難しい。
【0006】
B)のように、CPU筐体や表示装置などキーボード以外の筐体にAV機能の操作部が設けられている場合には、手元から遠いために手を伸ばして操作しなければならない。また、キーボード周辺にAV機能の操作部を設ける場合にあっては、該操作部を設けるためにキーボード筐体が大きくなり机上の使用可能な面積が減ぜられる。
【0007】
C)のように表示画面と指示手段を用いて操作する場合には、まずボタンや画面上のアイコンを操作して操作画面を表示させ、該画面上でマウスやカーソルキーなどを用いて予め機能が定義された画像を指示して、クリックなどで確定操作を行う手順となるため手間がかかる。
【0008】
D)のようにリモコンを使って操作する場合は、前記リモコンが適切に設計されていれば操作そのものは円滑に行えるが、操作を行うためにはデスクやテーブルの上にリモコンを置いて操作するか、リモコンを把持して別の手で操作しなければならない。このためリモコンの置き場所が必要になるか、または両手が塞がることとなる。また小型化されたリモコンにあっては置き場所がわからなくなることがある。
【0009】
E)のようにA〜Dの方法を組み合わせたやり方では、操作方法の一貫性がなくなりやすく操作手順を憶えにくい。
【0010】
以上述べたようにパソコンにおけるAV機能の操作方法は、ビデオやCDプレーヤなど従来からのAV機器の操作方法に馴染んだユーザーにとっては違和感を感じるものであり、円滑に使用することが困難であったり、場所や手間を要するなどの不便に甘んじなければならなかった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、パソコンに搭載されたAV機能を違和感なく円滑に操作できる、合理的な操作環境を有する入力装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明における入力装置は、上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され
前記蓋体部を回動させることで前記蓋体部を前記本体部の底面に位置する前記本体部と前記蓋体部を折り重ねた開状態において、前記本体部の底面と前記蓋体部の上面と前記回動手段を構成するヒンジ部材の背面の3つの面で形成される空間は、前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触しない三角柱状の構造を有することを特徴とする。
【0014】
また本発明における入力装置は、上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設けた構造において、前記蓋体部の上面の前端側に突起部を設けて、開状態において前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触しないとともに、前記本体部の傾斜角度が、前記突起部を設けない場合に対して増大した構造としたことを特徴とする。
【0015】
また本発明における入力装置は、上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の左右端のいずれかの一端辺に設けた構造において、前記本体部の前記回動手段を設けていない端辺側の前記本体部の底面に突起部を設けることで、前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触させないとともに、前記閉状態および前記開状態のいずれの状態においても入力装置の左右の高さが同じとなるような構造としたことを特徴とする。
また本発明における入力装置は、上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
前記ポインティングデバイスは、前記本体部の後端側に配置され、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設け、
前記回動手段は、前記一端辺の左側および右側にそれぞれ設けられた2つのヒンジ部材を有することを特徴とする。
さらに、本発明における入力装置は、前記ポインティングデバイスは、前記本体部の後端側に配置され、
前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設け、
前記回動手段は、前記一端辺の左側および右側にそれぞれ設けられた2つのヒンジ部材を有することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における入力装置の実施形態に関して図面を用いてその実施例を説明する。
【0017】
尚、本発明の対象とする機器は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、POS/ECR、携帯情報端末、携帯電話機、電子メール端末、ゲーム機等の機能を備えた電子機器であればいずれでもよい。以下の記載では、内容をわかりやすくするためにパーソナルコンピュータの入力装置を対象として説明する。
【0018】
まず、本発明の入力装置と組み合わせられるAV機能を搭載したパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと呼ぶ)について概要を説明する。
【0019】
前記AV機能を搭載したパソコンは、従来よりパソコンの主たる用途であった文書作成や表計算等に加えて、デジタルデータによる画像や音声の記録や再生、編集などが行える機能を備えており、これらの用途に必要となる高速処理が可能なCPUと大容量の記憶装置、高音質スピーカ、大型画面などを備え、エンターテイメント性の高いAV鑑賞の用途に適した仕様となっている。また、機器の意匠も従来の事務的印象を与えるものから、楽しさや先進性を強調した個性的なものへと変化していることも特徴である。
【0020】
このようなAV機能を搭載するパソコンで可能なことは、例えばテレビ放送を見ていて来客や電話のために中断されるような場合、ハードディスクなどの記憶装置に放送内容を記録して後で続きのところから視聴することができるように構成された一般にタイムシフトと呼ばれる機能や、映画など長時間の動画が収録されたDVDディスクの再生、またDVD映画ソフトの特徴である立体音響の再生、高音質のアンプやスピーカを備えたことによるCDなど音楽メディアの高音質再生、デジタルビデオカメラなど外部機器を接続して画像データをパソコンに取り込み、これを再生して動画の中の代表的な画面をサムネイル表示し、画面上で該サムネイルを選択することにより動画の編集を容易に行うことができるデジタル動画編集、などがある。
【0021】
前記のような機能の多くは、従来のAV機器にはなかった新たな機能であるが、基本的な操作の概念としては従来からのAV機器のそれに近似したものであり、可能な限り従来の操作概念の整合させた操作方法とすることが、これらの機能の使いやすさに繋がると考えられ、従来からのAV機能の操作概念とは馴染みにくいやり方やキーボードを用いた入力方法では、前記AV機能を快適に使用することは困難である。このため、キーボード操作と同様に新たなAV機能についても容易かつ快適に操作することのできるように考えられた入力装置が必要となっている。
【0022】
(第1の実施例)
本発明における入力装置の一実施形態に関して説明する。
【0023】
図1及び図2は、本発明を適用した入力装置の斜視図であり、図1は入力装置の蓋体部を閉じた状態を示し、図2は入力装置のキーボードを露出した状態を示すものである。
【0024】
入力装置は本体部11と蓋体部12とを互いに重ね合わせた形態に構成されるもので、13はその連結部であり、ここでは二重ヒンジによる連結構造が採用されている。本実施例の場合は、本体部11と蓋体部12とを連結する連結構造が、この入力装置を操作する側から見て、奥側(本体部の前の端面)に設けられているのが特徴である。
【0025】
本体部11はキーボード14、ポインティングデバイス70及び図示しない基板、回路部、RF(Radio Frequency)部、電源部、乾電池を格納している。蓋体部12はAV機能操作部15としてのスイッチ類と図示しない基板を格納している。
【0026】
蓋体部12がどのように回転するかを図3乃至図5を用いて説明する。図3は蓋体部12を閉じた状態の側面図であり、図4は蓋体部12を180度開いた状態の側面図であり、図5はキーボード14を露出した状態の側面図である。
【0027】
テレビを見るなどAV機能を使用する場合には、図3に示すように蓋体部12を本体部11に重置し、蓋体部12によりキーボード14を覆うようにして上面のAV機能操作部15を露出して使用する。
【0028】
一方、文書作成や表計算などでキーボード14を用いる場合には、図5に示すように蓋体部12を回動して本体部11の下面に折り重ねた状態とし、キーボード14を露出して使用する。この場合、連結部13は蓋体部12が閉じられているときの状態から概ね180度回転されており、本体部11の底面から連結部13が突出して、その先端に枢着された蓋体部12と本体部11の間には三角柱状の空間ができるため、AV機能操作部15と本体部11の底面が接触して意図しない入力が生じることはない。この構成によってキーボード14の傾斜角度が従前の状態から増えることとなるが、該角度は自然な姿勢でキー入力を行うことができるように予め設定されているため操作に何ら支障はなく、かえって入力しやすい角度となる効果もある。
【0029】
尚、蓋体部12と本体部11の接点部分となる本体部底面には、図示しないが滑り止めとキズ付き防止のため、ゴム製のアタリ部材が設けられている。本アタリ部材と蓋体部12との摩擦と各ヒンジ部に設定されている適度な摩擦トルクの効果により、図5に示すキーボード14を露出した状態において上部や前方から押圧が掛けられても蓋体部12と本体部11がずれて不安定な状態になることはない。
【0030】
図6は、本発明で重要な役割を持つ連結機構の構成を示す図である。連結機構は、連結部13、本体支持軸16及び蓋体支持軸17を有する。連結部13は回転軸30を中心に自由に回転することができる。本体支持軸16は、本体部11に設けられた本体支持部18と連結される。蓋体支持軸17は蓋体部12に設けられた蓋体支持部19と連結される。蓋体部12は、回転軸31を中心に自由に回転することができる。
【0031】
また図示していないが、蓋体部12の基板と本体部11の基板とを電気的に接続する導線が、蓋体部12の内部の基板から蓋体支持部19、蓋体支持軸17、連結部13、本体支持軸16、本体支持部18の中空の内部を経由して本体部11の内部の基板まで配されている。
【0032】
次に、図7を用いてAV機能操作部15について説明する。AV機能操作部15には左から、電源65、テレビ50、オーディオ51、インターネット52、メール53、終了54、画質調整55、消音56、音量アップ57及び音量ダウン58、再生/停止61、早送り/早戻し62、チャンネルアップ59及びチャンネルダウン60、操作ガイド66の各ボタンが配されている。これらの中でテレビ50、オーディオ51、インターネット52、メール53の各ボタンは、これらを押下することにより電源の投入からアプリケーションを起動して初期画面を表示するまでの一連の動作が連続的に行われるよう予めプログラムされている一般にワンタッチボタンと呼ばれるものである。
【0033】
また、前記AV機能操作部15においてインターネット52、メール53のボタンについては、映像や音楽を主体とするAV機能の概念とは異なる感があるが、近年インターネットを利用して動画や音楽データの配信が行われるようになり、リアルタイムのインターネット放送なども盛んになりつつある状況から、今後はAV機能と強く関連するものと見なしてAV機能と隣接する位置に設けており、ここでは総称してAV機能操作部と呼ぶこととした。
【0034】
AV機能操作部15の各ボタンの機構部は蓋体部12に格納される基板に載置されており、該基板と本体部11に格納されるキーボード14の基板とは図示しない導線により電気的に接続され、入力された信号は最終的に本体部11に格納されるRF部より電波として発信され、パソコン側により受信される。
【0035】
本発明ではAV機能操作部15を備えた入力装置を用いてあたかもテレビやステレオのリモコンのように、パソコン本体から離れて画像や音声の操作ができるように信号伝送の方法として電波を用いているが、赤外線などの手段を用いてもよい。また、上記のように電波や赤外線のように非接触タイプの通信手段でなく導線等の有線による通信手段を用いた方式であってもよい。
【0036】
なお、AV機能操作部15が露出されている場合、蓋体部12によりキーボード14が閉じられているために操作者は容易にキーボード14を操作することができないが、ポインティングデバイス70や図示しないマウスによる操作で代行できるので大きな問題とはならない。
【0037】
(第2の実施例)
本発明における入力装置の別の実施形態に関して説明する。
【0038】
図8及び図9は、本発明を適用した入力装置の別の実施形態での斜視図であり、図8は入力装置の蓋体部を閉じた状態を示し、図9は入力装置のキーボードを露出した状態を示すものである。尚、説明に際しては、上記第1の実施例と同じ機能を備えたもの(部品、部分等)に関しては同じ番号を付している。
【0039】
本実施例での入力装置は、上記第1の実施例と同様に、本体部11と蓋体部12とを互いに重ね合わせた形態に構成されるもので、13はその連結部であり、ここでは二重ヒンジによる連結構造が採用されている。ただし、本体部11と蓋体部12とを連結する連結構造が、この入力装置を操作する側から見て、上記第1の実施例の場合には奥側(本体部の前の端面)に設けられているのに対して、本実施例の場合には手前側(本体部の後の端面)に設けられているのが特徴である。
【0040】
本体部11には、キーボード14、ポインティングデバイス70及び図示しない基板、回路部、RF(Radio Frequency)部、電源部、乾電池を格納している。蓋体部12はAV機能操作部15としてのスイッチ類と図示しない基板を格納している。これらは、上記第1の実施例で説明した内容と同じものである。
【0041】
また、蓋体部12に設けられている機能に関しても上記第1の実施例の図7で説明した内容と同じものである。
【0042】
蓋体部12の回転動作に関しては上記第1の実施例のように図示していないが、その仕組み自体は同じである。つまり、図示しているように本体部11と蓋体部12とを連結する連結部13A、13Bは、この入力装置を操作する側から見て手前に設けている。この連結部13A、13Bの構造及び動作は、上記第1の実施例における連結部13と同じものである。
【0043】
そのため、例えば、テレビを見るなどAV機能を使用する場合には、図8に示すように蓋体部12を本体部11に重置し、蓋体部12によりキーボード14を覆うようにして上面のAV機能操作部15を露出して使用する。ただし、パソコン本来の操作をキーボード14部分は使用しないがポインティングデバイス70や図示しないマウスによる操作で代行できるようにするために、蓋体部12はキーボード14部分のみを覆うような構造としている。
【0044】
一方、文書作成や表計算などでキーボード14を用いる場合には、図9に示すように蓋体部12を回動して本体部11の下面に折り重ねた状態とし、キーボード14を露出して使用する。この場合、連結部13A、13Bは蓋体部12が閉じられているときの状態から概ね180度回転されており、本体部11の底面から連結部13が突出している。通常ならばその先端に枢着された蓋体部12、特に蓋体部12に設けられたAV機能操作部15と本体部11の底面とが接触し意図しない入力が生じる。そのため、この問題を回避するために、図8に示されているように入力装置を操作する側から見て蓋体部12の奥側に凸部分12Aを入力装置の長辺方向に設けた構造としている。この凸部分12Aは台形、長方形、三角形等を含むいずれの形状であってもよい。ただし、この凸部分12Aの高さは図9に示すようにAV機能操作部15のパネルやボタン等の操作部の突起の高さよりも高くしている。このような構造にすることで、その先端に枢着された蓋体部12と本体部11の間には三角柱状の空間ができるため、AV機能操作部15と本体部11の底面が接触して意図しない入力が生じることはない。また、この構造にすることでキーボード14の傾斜角度が従前の状態から増えることとなるが、該角度は自然な姿勢でキー入力を行うことができるように予め設定されているため操作に何ら支障はなく、かえって入力しやすい角度となる効果もある。
【0045】
(第3の実施例)
本発明における入力装置のさらに別の実施形態に関して説明する。
【0046】
図示はしていないが本実施例での入力装置も、上記第1及び第2の実施例で説明してきた入力装置と同様に、本体部11及び蓋体部12の機能は同じものとし、本体部11と蓋体部12とを互いに重ね合わせた形態に構成されるもので、13はその連結部であり、ここでは二重ヒンジによる連結構造が採用されたものとする。
【0047】
入力装置を操作する側から見て本体部11と蓋体部12とを連結する連結構造は、上記第1の実施例の場合には奥側(本体部の前の端面)に設けられている点、上記第2の実施例の場合には手前側(本体部の後の端面)に設けられている点を、それぞれ特徴としていた。それを本実施例の場合には入力装置の左側あるいは右側の辺(本体部の左あるいは右の端面)のいずれか一方に連結構造が設けられた点を特徴としている。ただし、蓋体部の回転動作の仕組み自体は、上記第1及び第2の実施例の場合と同じである。
【0048】
本実施例の場合は、入力装置の左右両辺のいずれか一方に連結構造が設けられていることから、上記第2の実施例と同様に、例えば図8に示されているように入力装置を操作する側から見て蓋体部12の奥側に凸部分12Aを入力装置の長辺方向に設けた構造とする。さらに、入力装置の蓋体部を閉じた状態、及び入力装置のキーボードを露出した状態、のいずれの状態においても、入力装置の左右の高さが均一、つまり同じ高さとなるような構造とする。これは、入力装置において連結構造が設けられた側と反対側の本体部の底面に、例えば図8に示した凸部分12Aのような突起部を設けた構造で実現できるようにしてもよい。
【0049】
以上の説明してきた構成としたことで、本発明の入力装置は、キーボードを使用できる形態を保持しながら、AV機能操作の利用環境に適した形態をとることのできる。
【0050】
尚、ここまで挙げた実施形態における内容は、本発明の主旨を変えない限り、上記記載に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
本発明における入力装置では、以下の効果が得られる。
【0052】
従来からのキーボードを操作するためのキーボード部と、主としてAV機能を操作するための操作部を別々の筐体に設け、これらの筐体を二重ヒンジ構造を用いて回動自在に連結することにより、キーボードを操作するための操作環境と主としてAV機能を操作するための操作環境とを任意に選択して使用に供することができる。したがって、キーボード部を露出した状態では操作に適したキーボード角度が提供されて快適にキーボード操作を行うことができ、AV操作部を露出した状態では映画や音楽を楽しむ気分を損ねることなく容易にAV操作を行うことができる。
【0053】
さらに、本体部と蓋体部が折り重ねられる構造であるため、前記の二つの操作環境の提供を可能としながら机上の面積を減ずることがなく、AV機能と従来機能の共存を快適にかつ合理的に実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における入力装置の蓋体部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明における入力装置のキーボードを露出した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明における入力装置の蓋体部を閉じた状態を示す側面図である。
【図4】本発明における入力装置の蓋体部を概ね180度開いた状態を示す側面図である。
【図5】本発明における入力装置のキーボードを露出した状態を示す側面図である。
【図6】本発明における入力装置の連結部の機構を説明する斜視図である。
【図7】本発明における入力装置のAV機能操作部を説明する平面図である。
【図8】本発明における入力装置の別の実施形態での蓋体部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明における入力装置の別の実施形態でのキーボードを露出した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 本体部
12 蓋体部
12A 蓋体部に設けられた突起部
13、13A、13B 連結部
14 キーボード
15 AV機能操作部
16 本体支持軸
17 蓋体支持軸
18 本体支持部
19 蓋体支持部
30、31 回転軸
70 ポインティングデバイス

Claims (5)

  1. 上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
    前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
    前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
    前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され
    前記蓋体部を回動させることで前記蓋体部を前記本体部の底面に位置する前記本体部と前記蓋体部を折り重ねた開状態において、前記本体部の底面と前記蓋体部の上面と前記回動手段を構成するヒンジ部材の背面の3つの面で形成される空間は、前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触しない三角柱状の構造を有することを特徴とする入力装置。
  2. 上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
    前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
    前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
    前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設けた構造において、前記蓋体部の上面の前端側に突起部を設けて、開状態において前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触しないとともに、前記本体部の傾斜角度が、前記突起部を設けない場合に対して増大した構造としたことを特徴とする入力装置。
  3. 上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
    前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
    前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
    前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の左右端のいずれかの一端辺に設けた構造において、前記本体部の前記回動手段を設けていない端辺側の前記本体部の底面に突起部を設けることで、前記蓋体部の上面の操作部が前記本体部の底面に接触させないとともに、前記閉状態および前記開状態のいずれの状態においても入力装置の左右の高さが同じとなるような構造としたことを特徴とする入力装置。
  4. 上面に文字入力の操作に使用するキーボードおよびポインティングデバイスを含む入力手段を有する本体部と、各種機能を制御するための操作部を上面に有する蓋体部と、から構成されてなる入力装置であって、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するために、前記本体部の左右端または前後端のいずれかの一端辺に前記蓋体部を回動可能となるような回動手段を設け、
    前記回動手段は、前記本体部と前記蓋体部とを回動可能となるようにヒンジ部材にて連結し、前記ヒンジ部材を介して前記蓋体部を前記本体部に対して開き、前記本体部と前記蓋体部を折り重ねることが可能に構成され、
    前記蓋体部を回動させることで、前記蓋体部が前記本体部のキーボードを覆い前記ポインティングデバイスおよび前記操作部がともに上面に操作可能に露出する閉状態と、前記蓋体部が前記本体部の底面に位置するように折り重ね、前記本体部のキーボードを露出する開状態とに変更することができる連結構造を備え、
    前記閉状態において、前記ポインティングデバイスおよび前記操作部が、ともに操作可能に構成され、
    前記ポインティングデバイスは、前記本体部の後端側に配置され、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設け、
    前記回動手段は、前記一端辺の左側および右側にそれぞれ設けられた2つのヒンジ部材を有することを特徴とする入力装置。
  5. 前記ポインティングデバイスは、前記本体部の後端側に配置され、
    前記本体部と前記蓋体部とを連結するための前記回動手段を前記本体部の後端の一端辺に設け、
    前記回動手段は、前記一端辺の左側および右側にそれぞれ設けられた2つのヒンジ部材を有することを特徴とする請求項記載の入力装置。
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