本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図22に基づいて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、図3に示すように、遊技場の遊技島に取り付けられる枠体80と、枠体80から脱着可能な遊技機本体81とに区分することができる。まずは、枠体80について説明すると以下の通りである。枠体80は、例えば、ボルトによって遊技島に固定された外枠82に前面枠90を回動可能に備えてなる。外枠82は、4つの木製の長板83を縦長矩形状に接合して構成されており、外枠82のうち両側辺を構成する長板83の下端部の間には、前面板84が差し渡され、その前面板84の下縁部が、下辺を構成する長板83に接合されている。
外枠82のうち一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片85,85が取り付けられている。また、外枠82のうちヒンジ片85と反対側の側辺を構成する長板83には、その上端寄りと下端寄りの内面の2箇所に、1対の被係止部86,86が取り付けられている。なお、外枠82のうちヒンジ片85を備えた側の外側面には、図1に示すように、プリペイドカードユニット99が取り付けられている。
前面枠90は、例えば、合成樹脂で構成され、外枠82の前面のうち前面板84より上方部分に対応した矩形構造をなす。前面枠90の一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片91,91が備えられ、これら各ヒンジ片91と前記外枠82に設けた各ヒンジ片85とを重ねて、ヒンジピン92を貫通させてある。これにより、前面枠90が、外枠82に対して開閉可能となる。
図3に示すように、前面枠90には、遊技窓90Wが形成されており、前面枠90の前面には、ガラス枠95(図1を参照)が遊技窓90Wに重ねて設けられている。ガラス枠95は、前面枠90のうちヒンジ片91側の側縁部に回動可能に取り付けられており、遊技窓90Wより一回り小さな略円形の窓95Wを備えて、そこにガラス板が嵌められている。図1に示すように、ガラス枠95の前面のうち窓95Wの縁部には、前方に膨出した装飾ランプ96が備えられている。また、前面枠90のうち窓95Wよりも上側には、左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
図1に示すように、前面枠90のうち遊技窓90Wの下方には、パチンコ遊技機10の前方に向かって膨出した上皿27Aが設けられている。また、上皿27Aを挟むようにして左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
前面枠90のうち、上皿27Aよりも下側には、下皿ユニット50が取り付けられている。下皿ユニット50は横長形状をなし、前面枠90に対して開閉可能に取り付けられている。
下皿ユニット50の前面中央には、パチンコ遊技機10の前方に膨出した下皿27Bが備えられている。下皿27Bには、上皿27Aから移動した遊技球や、ファール球等が貯留される。また、下皿27Bの左側方には、灰皿51が設けられている。
図1に示すように、下皿27Bの右側方には、操作ノブ28が備えられている。この操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が発射装置70(図2を参照)によって遊技板11に形成された遊技領域R1に向けて弾き出されるようになっている。
図3に示すように、前面枠90のうちヒンジ片91と反対側の側辺には、1対の係止爪97,97が上下に備えられ、この係止爪97,97を外枠82の被係止部86,86に係止して、前面枠90が閉止状態に施錠される。
前面枠90の後面には、遊技窓90Wを囲むように囲壁93が起立している。この囲壁93の内部に後述する遊技板11が嵌合され、囲壁93に備えた複数の係止レバー98にて遊技板11が前面枠90に係脱可能に固定される。以上が枠体80に関する説明である。
次に、遊技機本体81について説明する。遊技機本体81は、図3に示す遊技板11に種々の部品を組み付けてなる遊技盤側アッシと、同図に示した機構板75に種々の部品を組み付けてなる機構板側アッシの2つのアッシよりなる。
機構板側アッシについて説明すると、機構板75は、合成樹脂で構成され、図3及び図4に示すように、全体として遊技板11より縦方向に長い矩形状をなす。機構板75は、遊技板11の後面側に重ねて取り付けられている。機構板75の中央部には、略矩形の着脱操作窓77が形成されている。この着脱操作窓77から、遊技板11の後面に取り付けられたメイン制御装置52及び表示装置13(図2を参照)が遊技板11の後面側に露出している。この着脱操作窓77により、機構板75が遊技板11の後面側に重ねられたままで、表示装置13の後面側に備えられたケース体120を表示装置13に対して着脱することが可能となっている。なお、着脱操作窓77の縁部には、図3に示すように、筐体状の透明カバー76が着脱可能に取り付けられている。
図3に示すように、機構板75のうち着脱操作窓77より下方には、払出装置72を制御する払出制御装置59と電源装置58とが横並びにして取り付けられている。また、図2に示すように、電源装置58の下方には、発射装置70が取り付けられている。
着脱操作窓77より上側には、遊技球を貯留する遊技球タンク75Tが設けられ、着脱操作窓77の側方には遊技球を払い出すための払出装置72が設けられている。遊技球タンク75Tと払出装置72との間は、遊技球誘導レール75Rにより連絡されている。
機構板75のうち、遊技球タンク75Tの側方には、パチンコ遊技機10の外部から電力を受ける受電装置73が備えられている。受電装置73からは図示しない電源コードが延びており、この電源コードが、パチンコホールに備えたAC24V電源に接続されている。
図3に示すように、機構板75のうち払出装置72が配された側の側部には、上下方向に1対のヒンジピン71,71が取り付けられ、これらヒンジピン71,71が、前面枠90の一側部に係合し、機構板75が前面枠90に対して回動可能に組み付けられる。以上が機構板側アッシの説明である。
次に遊技盤側アッシを構成する各部品に関して説明すると、遊技板11は、図3に示すように、木製の概矩形板材で構成されている。また、図1に示すように、遊技板11の前面には、ガイドレール12が取り付けられ、ガイドレール12の内側に遊技球が流下する遊技領域R1が設けられている。遊技領域R1の上部には表示装置13が配置され、表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち、表示装置13の左側方には始動ゲート18が設けられ、遊技領域R1の下部には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20,21が設けられている。さらに、これら入賞口以外に、遊技領域R1には、サイドランプ22,22や図示しない複数の障害釘が設けられている。
遊技板11の前面側の各部位の詳細は、以下のようである。一般入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20,21へ入球すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球が上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄表示部18Hにおいて図柄が変動表示される。
具体的には、「0」〜「9」までの数字からなる数字図柄を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字図柄を停止表示する。そして、停止表示された数字図柄が、例えば、奇数の場合に、次述する始動入賞口14が開放状態となる。なお、普通図柄表示部18Hで表示する図柄は、数字図柄に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が丁度1つ入る大きさになっている。そして、開放条件が成立する(普通図柄表示部18Hが奇数の数字図柄で停止表示する)と始動入賞口14が開放状態となる。即ち、遊技板11の裏に設けたソレノイドにより、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。これにより、遊技球が可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入り易い状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が上皿27Aに払い出されると共に、表示装置13に備えた液晶表示盤101にて図柄が変動表示される。
具体的には、液晶表示盤101には、通常、3つの左、中、右の特別図柄が横並びに表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄が、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄が停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。なお、液晶表示盤101において特別図柄が変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口14に入賞した入賞球は、最大で4個まで保留記憶され、特別図柄が停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄が変動表示される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技板11の裏に設けたソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば15ラウンドまで継続される。
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサが遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。
表示装置13は、遊技板11に取り付けられた表示枠体30(図5を参照)の後側に、液晶モジュール100(図8を参照)を備えてなる。そして、液晶モジュール100に備えた液晶表示盤101が、表示枠体30で囲まれた表示窓30Wを介して遊技板11の前面側から視認可能となっている。
図5に示すように、表示枠体30の下辺部には、上側ステージ31Jと、上側ステージ31Jよりも前側でかつ段付き状に低くなった下側ステージ31Sとが設けられている。表示枠体30の内側に転入した遊技球は、これら上側ステージ31J及び下側ステージ31Sを転動した後で、表示枠体30の前端縁から表示装置13の下方へ流下する。
表示枠体30は、図6に示すように、遊技板11に貫通形成された遊技板開口部11Kに対し、遊技板11の前面に取り付けた前側表示枠32と、遊技板11の後面に取り付けた後側表示枠33とからなる。
前側表示枠32は、その後端縁を遊技板開口部11Kの内側に嵌合しかつ、側方に張り出した敷設板32Fを遊技板11の前面に敷設して螺子止めされている。前側表示枠32の上辺は遊技板11の前面側に張り出しており、表示装置13の上方から流下した遊技球が、表示枠体30の内側に進入しないようになっている。
前側表示枠32の上辺中央には、図5に示す普通図柄表示部18Hとしての7セグメントLEDが内蔵され、その周辺部には、複数の装飾用LEDが内蔵されている。これらLEDの光は、例えば、透光性の合成樹脂で構成された前側表示枠32を透過してパチンコ遊技機10の前面側に照射される。
前側表示枠32の一方の側辺の内部には、前側表示枠32の側方に開放し、遊技板11上を流下する遊技球を表示枠体30の内側に誘導するワープ路34が形成されている。ワープ路34を通過した遊技球は、前側表示枠32の下辺に設けられた下側ステージ31Sの左端部に案内されるようになっている。
下側ステージ31Sは、前側表示枠32の左右両側辺を繋ぐように延び、左右の両端部から中央部に向かって下るように傾斜している。また、下側ステージ31Sの中央部は、前方に向かって下るように緩やかに傾斜した緩斜面31Kとなっている。遊技球は、下側ステージ31S上を左右に遊転した後で下側ステージ31Sの前端部から表示装置13の下方に流下する。以上が、前側表示枠32の説明である。
次に、本発明の「固定ベース」に相当する後側表示枠33について説明する。後側表示枠33は、例えば合成樹脂で構成され、図7に示すように全体として横長の枠形構造をなしている。後側表示枠33の前面側の縁部からは敷設板33Fが側方に張り出しており、この敷設板33Fを遊技板11の後面に敷設して螺子止めされている。そして、後側表示枠33のほぼ中央部に設けられた横長矩形の表示盤対向窓36が遊技板開口部11Kに前後方向(遊技板11の板厚方向)で整合している(図6を参照)。
図7に示すように、後側表示枠33の下辺は上側ステージ31Jとなっている。上側ステージ31Jは、前方に向かって緩やかに下った平坦面で構成されている。上側ステージ31Jの前縁部からは庇部38が張り出しており、この庇部38が下側ステージ31Sの上方を覆っている(図5を参照)。庇部38の上面は、左右の両端部から中央部に向かって下るように傾斜しかつ中央部が緩やかに盛り上がっている。そして、上側ステージ31Jに転入した遊技球は、庇部38に向かって転がり、庇部38の前端縁から表示装置13の下方へ流下するようになっている。
後側表示枠33の下辺と上辺には、複数のLED(図示せず)が内蔵されている。これらLEDの光は、例えば、透光性の合成樹脂で構成された後側表示枠33を透過して表示枠体30の内側や、パチンコ遊技機10の前面側に照射されるようになっている。
後側表示枠33のうち、表示盤対向窓36を挟んでワープ路34と反対側の側部には、図示しない可動役物が備えられており、遊技状況に応じて可動役物が表示枠体30の内側で動作するようになっている。例えば、可動役物は、動作時には表示盤対向窓36の側方から液晶表示盤101の前面に重なるように移動し、停止時には液晶表示盤101の前面側から退避している。可動役物は、例えば、モータMによって駆動され、後側表示枠33の一側壁には、このモータMを収納したモータ収納部39が設けられている。このように、可動役物を後側表示枠33に設けたので、可動役物を後側表示枠33と別個に設けた場合と比較して、遊技板11の後面のスペースを有効利用することができると共に、遊技領域R1を広く利用することができる。
表示盤対向窓36は、後側表示枠33の後面に取り付けられた透明な樹脂板37で塞がれている。後側表示枠33の後面には、表示盤対向窓36を囲むように防塵壁36Hが形成されている。そして、表示盤対向窓36に液晶表示盤101の前面が対向配置され、液晶表示盤101の前面の周縁部が防塵壁36Hに突き当てられている。これにより、樹脂板37と液晶表示盤101の前面との隙間に埃が侵入することが防止されている。以上が、表示枠体30の説明である。
次に、液晶モジュール100について説明する。液晶モジュール100は、図8に示すように、液晶表示盤101と表示制御基板102とを金属製の板金ブラケット110によって一体に固定してなる。
液晶表示盤101は、図9に示すように横長の矩形板状をなし、後側表示枠33側を向いた前面が画像を表示する表示画面101Gとなっている。また、液晶表示盤101の後面と周縁部は、金属製の板金カバー101Kで覆われている。そして、液晶表示盤101は、図10に示すように、後面を板金ブラケット110の前面に面接触させた状態で螺子止めされている。
表示制御基板102は、複数の基板102a〜102dから構成され、これら複数の基板が互いに電気的に接続されている。詳細には、図9に示すように、横長の主基板102aの両側に、縦長の第1サブ基板102b及び第2サブ基板102cが備えられ、主基板102aの後方に重なるようにして、主基板102aよりも小さい横長の第3サブ基板102dが備えられている。
図9に示すように、板金ブラケット110には、表示制御基板102を固定するための複数(例えば、4つ)の基板固定脚部113が備えられている。なお、図9には、複数の基板固定脚部113のうちの2つのみが示されている。
図10に示すように、基板固定脚部113は、板金ブラケット110から後側に起立した板金片の後端部を直角曲げした構造をなす。そして、表示制御基板102は、基板固定脚部113の後端片113Kに突き当てられて螺子止めされている。即ち、表示制御基板102は板金ブラケット110の後面から浮いた状態に固定されている(図6を参照)。
ここで、液晶表示盤101が板金ブラケット110に面接触したことで、液晶表示盤101から発する熱が放熱し易くなっている。また、表示制御基板102が板金ブラケット110の後面から浮いていることで、液晶表示盤101からの熱が表示制御基板102に伝わり難くなっている。
図9に示すように、板金ブラケット110の上辺には、1対の起立係止片116,116が形成されている。起立係止片116,116は、図8に示すように、液晶表示盤101の上辺よりも上方に張り出している。また、板金ブラケット110の下辺には、係止凹部115が形成されている。係止凹部115は、例えば、板金ブラケット110を矩形状に切り欠いた構造をなし、図11に示すように、板金ブラケット110のうち、液晶表示盤101の側方にはみ出した部分に設けられている。以上が、液晶モジュール100の説明である。
ところで、上述した液晶モジュール100は、図8に示すように後側表示枠33に対して着脱可能なケース体120に収容されている。ケース体120は、例えば、透明な樹脂(より詳細には、ABS樹脂)で構成され、遊技板11側(前面側)に開口した横長の箱形状をなす。ケース体120は、液晶モジュール100の後面と側面とを覆いかつ、前面開口部123から液晶モジュール100の前面側に備えた液晶表示盤101を露出させている。ケース体120の前面開口部123は、後側表示枠33の表示盤対向窓36及び遊技板11の遊技板開口部11Kに前後方向で整合しており、これら、表示盤対向窓36及び遊技板開口部11Kを介して前面開口部123から液晶表示盤101が視認可能となっている。また、ケース体120を透明な樹脂で構成したことで、内部に収容された液晶モジュール100がケース体120の外から視認可能となり、液晶モジュール100の不具合(例えば、ケース体120に液晶モジュール100を収容する際に配線が挟まる等)を視認して組み付け不良を未然に防止することができる。また、液晶モジュール100の配線不良や組み付け不良を発見し易くなる。
図7に示すように、ケース体120の後壁121には、液晶モジュール100とケース体120の外部の他の電気部品(例えば、電源装置58等)とを配線で接続するための配線接続孔122が形成されている。また、ケース体120の全体に亘って、液晶モジュール100から発する熱をケース体120の外部に放熱するための放熱孔が形成されている。さらに、図8に示すように、ケース体120の内側には複数の補強リブ125が形成されている。
図7に示すように、ケース体120の上壁124Jには、1対の係止スリット127,127が形成されている。係止スリット127,127は、ケース体120の長手方向に延びた細長孔形状をなす。そして、液晶モジュール100の上辺から張り出した1対の起立係止片116,116が、ケース体120の内側から係止スリット127,127に突入して係止している(図11を参照)。
図8に示すように、ケース体120の上壁124Jの内面には、係止片案内部が設けられている。係止片案内部は、係止スリット127の長手方向における両端部からケース体120の前面開口部123に向かって平行に延びた1対の突条128,128で構成されている。そして、液晶モジュール100をケース体120に収容させる過程で、起立係止片116,116がこれら突条128,128の間をスライドして係止スリット127,127に案内されるようになっている。
図11の(A)に示すように、ケース体120の内側には係止爪129が形成されている。同図の(B)に示すように、係止爪129は、後壁121から前面開口部123に向かって起立している。係止爪129は、帯板部材の先端部に、断面矢尻形状の係止突部129Tを備えた構造をなしている。そして、液晶モジュール100が収容される過程で、係止爪129は板金ブラケット110の下辺に摺接して外側に弾性変形し、板金ブラケット110が係止爪129の係止突部129Tを通過すると、係止爪129は元の形状に復元して係止突部129Tが板金ブラケット110の係止凹部115に係止する。
このように、液晶モジュール100に備えた起立係止片116,116と係止凹部115とが、ケース体120に備えた係止スリット127,127と係止爪129とにそれぞれ係止することで、液晶モジュール100がケース体120に一体に取り付けられている。
なお、係止爪129は、後壁121と繋がった補強リブ129Rによって補強されている。また、図8に示すように、ケース体120の内側には、後壁121から前面開口部123に向かって起立した位置決め突起部130が形成され、液晶モジュール100がケース体120に収容されると、位置決め突起部130が板金ブラケット110に形成された図示しない位置決め孔と凹凸嵌合するように構成されている。
さて、上記ケース体120は、以下に説明する取付構造により、その前面を後側表示枠33の後面に宛がった状態にして取り付けられている。即ち、後側表示枠33の後面には、1対の嵌合ボス部150,150が設けられている。嵌合ボス部150,150は、後側表示枠33を後面側から見たときの(図13における)表示盤対向窓36の左側方に上下に並んで設けられている。嵌合ボス部150は、後側表示枠33の後面から起立して先細りとなっており、中心部に螺子孔150Nが形成された略円筒構造をなしている。図15〜18に示すように、遊技板11の後面側に機構板75が取り付けられると、これら嵌合ボス部150,150は着脱操作窓77の内側に配置され、ケース体120を取り外した状態でパチンコ遊技機10の後面側に露出するようになっている。
一方、ケース体120には1対のボス受容部151,151が設けられている。ボス受容部151,151は、ケース体120の水平横方向を向いた一側壁、具体的には、ケース体120を後面側から見たときの(図4における)左側壁124Lに上下に並んで設けられている。ボス受容部151は、ケース体120の左側壁124Lから側方に突出しかつ、後側表示枠33側に開放した袋構造をなしている(図12を参照)。そして、ケース体120が後述する正規取付位置に取り付けられときには、ボス受容部151と後側表示枠33の嵌合ボス部150とがパチンコ遊技機10の前後方向で互いに凹凸嵌合するように構成されている。
図12に示すように、ボス受容部151の後端壁151Kには、ケース体120の前後方向に貫通した螺子挿通孔153が形成されている。また、ボス受容部151の内側空間には突壁152が形成されている。そして、嵌合ボス部150とボス受容部151とが互いに凹凸嵌合した状態で、螺子挿通孔153から挿入した雄螺子140を嵌合ボス部150の螺子孔150Nに螺合することで、ケース体120の左側壁124L側が後側表示枠33に固定される(図15を参照)。ここで、ボス受容部151の内部空間に形成された突壁152によって、嵌合ボス部150とボス受容部151とが凹凸嵌合したときに、螺子挿通孔153と螺子孔150Nとが連通するように位置決めされる。なお、ボス受容部151,151は本発明の「固定部」及び「突出部材」に相当し、嵌合ボス部150とボス受容部151とが、本発明の「凹凸嵌合部」に相当する。
図11の(A)に示すように、ケース体120のうち、水平横方向においてボス受容部151とは反対側の側壁(以下、「右側壁124R」という)には、上下に1対の係止フック160,160(本発明の「固定補助部」に相当する)が設けられている。図12に示すように、係止フック160,160は、ケース体120の前面開口部123から後側表示枠33側に延びた長板状の脚部160Kと、その脚部160Kの先端から側方に張り出した板状のケース体突部160Tとから構成される。また、これら係止フック160,160の縁部には、補強リブ160Rが形成されている。
一方、後側表示枠33のうち、表示盤対向窓36を挟んで嵌合ボス部150と反対側の側部には、1対の係止ボックス161,161(本発明の「ベース側係止部」に相当する)が備えられている(図7を参照)。係止ボックス161は、敷設板33Fから起立して上下方向で対向した1対の挟持対向壁162,162を備え、それら挟持対向壁162,162の後端部同士の間に後面係止壁163を差し渡して水平方向に開口した門型構造部を構成し、その門型部分のうち、外側を向いた(換言すれば、ケース体120とは反対側の)開口を奥壁164で塞いだ構造をなす。そして、図4及び図15〜18に示すように、遊技板11の後面側に機構板75が取り付けられると、両係止ボックス161,161は、着脱操作窓77の外側に配置され、機構板75によって後面側が覆われるようになっている。
そして、係止ボックス161の内側を向いた(換言すれば、ケース体120側に開口した)突部挿入開口165(図14を参照)から係止フック160のケース体突部160Tが挿入され、そのケース体突部160Tの後面(ケース体120の後面側)が係止ボックス161の後面係止壁163に係止することで、ケース体120の右側壁124R側が後側表示枠33に固定されている(図15を参照)。ここで、係止フック160と係止ボックス161とが係止すると、ケース体突部160Tの周囲が、挟持対向壁162,162と後面係止壁163と奥壁164とによって囲まれるので、ケース体突部160Tを保護することができる。また、ケース体突部160Tは、脚部160Kの先端から側方に張り出した形状にしたので、機構板75によって後面側が覆われた係止ボックス161の突部挿入開口165への挿抜操作が容易になると共に、その後面を係止ボックス161の後面係止壁163に係止することが可能になる。
ケース体120の取付構造を纏めると以下のようである。即ち、ケース体120の右側壁124Rに設けられた係止フック160を後側表示枠33の係止ボックス161に係止しかつ、ケース体120の左側壁124Lに設けられたボス受容部151を後側表示枠33の嵌合ボス部150と凹凸嵌合して螺子止めすることで、ケース体120が後側表示枠33に取り付けられている。このように、ケース体120の前面を後側表示枠33の後面に宛がった状態に固定されたときのケース体120の位置が、本発明の「正規取付位置」となる(図4を参照)。なお、図示しないが、正規取付位置に取り付けられたケース体120の側面と後側表示枠33の後面との間には、剥がれると貼付面に剥がれたことを示す印が残る封止シールが貼り付けられている。これにより、ケース体120が後側表示枠33から取り外された場合や、正規取付位置からずらされた場合にその形跡が残り、ケース体120の不正な操作が確認し易くなっている。
ここで、図13に示すように、両係止ボックス161,161の突部挿入開口165,165側には、脚部支持片166,166が設けられている。脚部支持片166は、図7に示すように、敷設板33Fから後方に起立して、係止ボックス161のうち下側の挟持対向壁162と後側表示枠33の側壁33Sとの間を繋いでいる。
図15〜18に示すように、両脚部支持片166,166は、遊技板11の後面側に機構板75が取り付けられた状態で着脱操作窓77の内側に配置され、ケース体120が取り外されると、パチンコ遊技機10の後面側に露出するようになっている(図16を参照)。
そして、ケース体120を後側表示枠33に取り付ける過程で、係止フック160の下面をこれら脚部支持片166,166に摺接させることで、係止フック160のケース体突部160Tを突部挿入開口165に臨んだ位置まで案内することができる。
ところで、図7に示すように、後側表示枠33の後面には、ケース体120を後側表示枠33に取り付ける過程でケース体120を正規取付位置に案内する第1ガイド部167と第2ガイド部168とが設けられている。
第1ガイド部167は、後側表示枠33のうち、表示盤対向窓36の下辺に沿って延びると共に、水平方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで設けられている。第1ガイド部167は、後側表示枠33から後方に突出した構造をなし、上方に向かう(表示盤対向窓36に近づく)に従ってその突出量が小さくなるように一定角度で傾斜した第1傾斜面167Aを備える。本実施形態では、第1傾斜面167Aの傾斜角(後側表示枠33の後面に対して第1傾斜面167Aがなす角度)は、約30度となっている。
第2ガイド部168は、嵌合ボス150,150の下方位置にそれぞれ1つずつ設けられている。第2ガイド部168も第1ガイド部167と同様に、後側表示枠33から後方に突出した構造をなし、上方に向かう(嵌合ボス150,150に近づく)に従ってその突出量が小さくなるように一定角度で傾斜した第2傾斜面168Aを備える。本実施形態では、第2傾斜面168Aの傾斜角(後側表示枠33の後面に対して第2傾斜面168Aがなす角度)は、約45度となっている。つまり、第1傾斜面167Aの傾斜角と第2傾斜面168Aの傾斜角とが異ならせてある。
以上が、本実施形態のパチンコ遊技機10の構造の説明である。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、上述したように複数の構成部品(具体的には、外枠82、前面枠90、ガラス枠95、遊技板11、機構板75及びそれらに組み付けられた種々の部品)から構成されている。従って、ケース体120は、その構成部品の1つである液晶モジュール100を収容し、係止ボックス161は、構成部品の1つである機構板75によってその後面側を覆われていると言える。
次に、上記構成からなる本実施形態の作用・効果を説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技場に備えた遊技島に、枠体80を固定することで遊技場に設置される。そして、そのパチンコ遊技機10に、例えばトラブルが生じた場合に、前面枠90が開かれる。すると、前面枠90に回動可能に組み付けられた遊技機本体81が、前面枠90と共に遊技島の前方に引き出され、遊技機本体81の後面側、即ち、機構板75を操作可能になる。
なお、前面枠90を開くには、鍵をパチンコ遊技機10の前面の一側部に設けられた解錠装置200(図1を参照)に挿入して、時計回り方向に回せばよい。また、開いた前面枠90を閉じて施錠するには、前面枠90を外枠82に押し付ければよい。
さて、パチンコ遊技機10からケース体120を取り外す場合には、以下のように操作する。
まず、前面枠90を開いて、機構板75の後面側を露出させる。次に、機構板75の着脱操作窓77を覆った透明カバー76を取り外す。すると、液晶モジュール100を収容したケース体120が着脱操作窓77からパチンコ遊技機10の後面側に露出される(図15の状態)。
次いで、ケース体120の左側壁124Lと後側表示枠33とを固定した雄螺子140を、機構板75の後面側から工具を用いて取り外す。雄螺子140を取り外すと、ケース体120を後側表示枠33(遊技板11)に対して動かすことが可能となるが、後側表示枠33の嵌合ボス部150,150とケース体120のボス受容部151,151は互いに凹凸嵌合したままなので、雄螺子140を取り外したことで、ケース体120が前後方向(図15における上下方向)と直交する方向にがたついたり、自重によって下方に垂れたりすることが防止される。
次いで、ケース体120を把持し、着脱操作窓77の内側でケース体120を回動操作する。具体的には、ケース体120の右側壁124R側を中心としてボス受容部151を嵌合ボス部150から引き離すように回動操作する(図18の状態)。すると、ケース体120の右側壁124Rに設けられた係止フック160のケース体突部160Tが、係止ボックス161の内側空間(挟持対向壁162,162の間)で回動し、ケース体突部160Tと係止ボックス161の後面係止壁163とが離間して係止が解除される。さらに、ケース体120の左側壁124Lが後側表示枠33から離れるに従って、ケース体突部160Tは徐々に突部挿入開口165から引き抜かれる。そして、図17に示すように、ケース体突部160Tが完全に突部挿入開口165から引き抜かれたら、ケース体120の全体をそのままの姿勢で後側表示枠33の後方へ移動させる。これにより、機構板75を遊技板11の後面側に取り付けたままで、ケース体120が遊技板11の後面側から取り外される(図16の状態)。
ここで、図19に示すように、ケース体120を後側表示枠33から離すように回動操作する際に、ケース体120のボス受容部151を第2ガイド部168の第2傾斜面168Aに摺接させるとケース体120の姿勢が安定するので、ケース体120の落下を防ぐことができる。
これに対し、ケース体120を後側表示枠33に取り付ける場合には、取り外す場合と逆の操作をする。即ち、ケース体120の左側壁124Lを後側表示枠33から離すようにしてケース体120を後側表示枠33に対して傾けた姿勢とし、右側壁124R側から着脱操作窓77の内側に挿入する(図16を参照)。このとき、係止フック160,160の下面を脚部支持片166,166の上面に摺接させると、ケース体突部160T,160Tが係止ボックス161,161の突部挿入開口165,165に臨んだ位置に案内される。即ち、ケース体120の右側壁124R側が後側表示枠33に突き合わされ、ケース体120の左側壁124L側が後側表示枠33から離れたケース装着姿勢になる(図17の状態)。
ケース体120をケース装着姿勢にしたら、ケース体120の右側壁124R側を中心として、ケース体120の左側壁124Lを後側表示枠33に近づけるように回動操作する。すると、係止フック160のケース体突部160Tが突部挿入開口165から挟持対向壁162,162の間に進入する(図18の状態)。そして、ケース体120の左側壁124L側が後側表示枠33に近づくに従って、ケース体突部160Tが係止ボックス161の後面係止壁163に近づき、ケース体120の左側壁124Lに備えたボス受容部151,151が後側表示枠33の嵌合ボス部150,150に嵌合すると、ケース体突部160Tの後面が後面係止壁163に係止して、ケース体120が正規取付位置に到達し、ケース体120の右側壁124R側が後側表示枠33に固定される(図15の状態)。最後に、ケース体120を正規取付位置に配置した状態で、ボス受容部151の後方から挿入した雄螺子140を嵌合ボス部150に螺合させると、ケース体120の左側壁124L側が後側表示枠33に固定される。即ち、遊技板11の後面側に機構板75を取り付けたままで、ケース体120を遊技板11の後面側に取り付けることができる。
ここで、本実施形態では、ケース体120が後側表示枠33に対して回動しているときに、ケース体120の脚部160Kが脚部支持片166により下方から支持されているので、ケース体120の回動中に脚部160Kに過剰な負荷がかかることが防止され、脚部支持片166を設けない場合と比較して脚部160Kの破損が生じ難くなる。
また、本実施形態では、ケース体120を後側表示枠33に近づける際に、ケース体120を後側表示枠33に対して所定の角度以上傾けないと、係止フック160のケース体突部160Tと係止ボックス161の後面係止壁163とが互いに接触(干渉)して、ケース体突部160Tを係止ボックス161の突部挿入開口165に臨んだ位置に配置することが不可能な構成となっている。
ところで、本実施形態では、ケース体120をケース装着姿勢にしてケース体突部160Tを係止ボックス161の内部空間に突入させたときに、係止ボックス161の挟持対向壁162,162及び後面係止壁163とケース体突部160Tとの間に若干の隙間が形成される。このため、前述の操作によりケース体120を後側表示枠33に取り付ける場合に、ケース体120をケース装着姿勢にしてから後側表示枠33に向けて回動操作する間にケース体120がケース体突部160Tを中心として下方へ垂れ下がることがある。しかしながら、このような場合でも、本実施形態によれば、ケース体120を後側表示枠33に向かって回動する過程で第1ガイド部167及び/又は第2ガイド部168によって正規取付位置に向けて案内することができる。
図19に示すように、ケース体120の垂れ下がり量L(例えば、嵌合ボス部150の螺子孔150Nの中心とボス受容部151の螺子挿通孔153の中心との距離)が比較的小さい場合には以下のようである。即ち、ケース体120を垂れ下がった状態で後側表示枠33に向けて回動操作すると、途中で、ケース体120のボス受容部151の縁部が第2ガイド部168の第2傾斜面168Aに当接する(図20の状態)。ここからケース体120を更に後側表示枠33に向けて回動操作すると、ボス受容部151が第2傾斜面168Aに摺接することで、ケース体120の全体が徐々に上方に持ち上がり、垂れ下がり量Lが次第に小さくなる。そして、ケース体120が水平姿勢となると、ボス受容部151が嵌合ボス部150に凹凸嵌合する。即ち、ケース体120を後側表示枠33に向かって回動操作する過程で、下方に垂れ下がったケース体120が第2ガイド部168により持ち上がって正規取付位置に案内される。なお、この場合、ケース体120は第1ガイド部167に摺接することはない。
また、図21に示すように、ケース体120の垂れ下がり量Lが比較的大きい場合には以下のようである。即ち、ケース体120を垂れ下がった状態で後側表示枠33に向けて回動操作すると、途中で、ケース体120の下辺前縁部が、右側壁124Rに近い側にある第1ガイド部167の第1傾斜面167Aのみに先に当接する(図22の状態)。この状態でケース体120を更に後側表示枠33に向けて回動操作すると、ケース体120の下辺前縁部が第1傾斜面167Aに摺接することで、ケース体120の全体が徐々に上方に持ち上がり、ケース体120の垂れ下がり量Lが次第に小さくなる。
ケース体120の垂れ下がり量Lが比較的小さくなると、ケース体120の下辺前縁部が第1ガイド部167の第1傾斜面167Aに当接しかつ、ボス受容部151の縁部が第2ガイド部168の第2傾斜面168Aに当接した中継位置となる。この中継位置において、ケース体120を正規取付位置に案内するガイド部が第1ガイド部167から第2ガイド部168に移行する。
即ち、ケース体120を中継位置から更に後側表示枠33に向けて回動操作すると、ケース体120の下辺前縁部が第1ガイド部167から離間する一方、ボス受容部151が第2傾斜面168Aに摺接してケース体120の全体が徐々に上方に持ち上がって、ケース体120の垂れ下がり量Lが更に小さくなる。そして、ケース体120が水平姿勢になると、ボス受容部151が嵌合ボス部150に凹凸嵌合してケース体120が正規取付位置に配置される。即ち、ケース体120を後側表示枠33に向かって回動操作する過程で、下方に垂れ下がったケース体120が第1ガイド部167により持ち上げられて中継位置まで案内され、続いて中継位置から第2ガイド部168により持ち上げられて正規取付位置まで案内される。
なお、ケース体120が正規取付位置に配置されると、図4に示すように、第1ガイド部167,167の上縁部がケース体120の下辺前縁部に当接し、第2ガイド部168,168の上縁部がボス受容部151,151の下縁に当接した状態になる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、ケース体120が、係止フック160を中心に下方に垂れた状態で後側表示枠33に向かって回動された場合に、その回動の過程で第2ガイド部168、又は、第1ガイド部167と第2ガイド部168の両方に摺接することでケース体120が徐々に持ち上がって正規取付位置まで案内されるので、ケース体120の垂れ下がり量Lの大小にかかわらず、ケース体120の組付作業を従来よりも効率よく行うことができる。
また、第1ガイド部167及び第2ガイド部168を複数設けたことによって、第1ガイド部167又は第2ガイド部168の1つが破損した場合であっても、破損した部材に代わって他の部材がケース体120を正規取付位置に案内することができる。
さらに、ケース体120を後側表示枠33の後面に対して回動操作する過程で、機構板75によって覆われた係止ボックス161とケース体120の係止フック160との係止及び係止解除が行われ、機構板75を遊技板11の後面側に取り付けたままでケース体120を遊技板11に対して着脱できる。これにより、遊技板11の後面の機構板75で覆われた領域を、ケース体120を配置するスペースとして有効利用することができ、例えば、液晶モジュール100の大型化に応じてケース体120を大型化しつつ、ケース体120の着脱作業性の向上を図ることができる。
しかも、液晶モジュール100はケース体120に取り付けられているので、ケース体120と一緒に遊技板11に対して着脱でき、液晶モジュール100の着脱の作業性が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記一実施形態では、パチンコ遊技機10に本発明を適用していたが、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に適用してもよい。
(2)前記一実施形態では、第1ガイド部167の第1傾斜面167Aと第2ガイド部168の第2傾斜面168Aとが一定角度で傾斜した平面であったが、図23(A)に示す第1ガイド部170及び第2ガイド部171のように、上方に突出した湾曲面170A,171Aであってもよい。また、上記一実施形態における第1ガイド部167及び第2ガイド部168の幅方向(水平方向)の寸法をより短くして、例えば、図23の(B)に示す第1ガイド部172及び第2ガイド部173のように薄板形状としてもよい。
(3)前記一実施形態及び前記他の実施形態(2)では、第1ガイド部167,170,172及び第2ガイド部168,171,173がそれぞれ2つずつ設けられていたが、第1ガイド部167,170,172及び第2ガイド部168,171,173をそれぞれ1つ或いは3つ以上設けてもよい。
(4)前記一実施形態では、ケース体突部160Tの後面が後面係止壁163に係止することで、ケース体120と係止ボックス161とが係止されていたが、例えば、図24に示すように、後面係止壁163の内面に、先端部が膨出した係止突部300を設けておき、ケース体突部160Tが後面係止壁163側に所定値以上の力で押し付けられた場合に、ケース体突部160Tに形成された係止孔301に係止突部300が圧入されて係止する(図24の(B)の状態)一方、ケース体突部160Tが所定値以上の力で後面係止壁163から離れる方向に引っ張られた場合に、係止突部300が係止孔301から抜けて係止が解除される(図24の(A)の状態)ような圧入係止構造を構成していてもよい。
また、ケース体突部160Tの後面と後面係止壁163の内面とにそれぞれ面ファスナー或いは磁石を設けておき、面ファスナー同士の係着或いは磁力によって係止フック160と係止ボックス161とが係止するようにしてもよい。
(5)前記一実施形態では、後側表示枠33の係止ボックス161に挿入したケース体120のケース体突部160Tを中心にしてケース体120を回動させていたが、ケース体120と後側表示枠33との間にヒンジを設けて両者を連結し、このヒンジを中心にしてケース体120を回動させる構成としてもよい。
(6)前記一実施形態では、係止ボックス161と脚部支持片166とを後側表示枠33に設けていたが、これらを遊技板11の後面に設けてもよいし、係止ボックス161を遊技板11の後面に設け脚部支持片166を後側表示枠33に設けてもよい。
(7)前記一実施形態では、ケース体120には、液晶モジュール100が収容されていたが、パチンコ遊技機10を構成する他の構成部品(例えば、回路基板やモータ等)を収容していてもよい。
(8)前記一実施形態では、嵌合ボス部150とボス受容部151とを雄螺子140によって後側表示枠33に固定していたが、ピンやナイラッチで固定してもよい。また、回動操作によりケース体120の後面の一部に重なった係止位置とケース体120の後面側から退避した非係止位置との間で変位する係止レバーによって、ケース体120の着脱操作窓77から露出した部分を遊技板11の後面側に固定するようにしてもよい。
(9)前記一実施形態では、ケース体120が係止フック160を中心に下方に大きく垂れ下がった状態で後側表示枠33に向かって回動された場合に、ケース体120がその回動の過程で第1ガイド部167により中継位置まで案内され、中継位置から第2ガイド部168により正規取付位置まで案内されるように構成されていたが、以下のような構成としてもよい。即ち、ケース体120が係止フック160を中心に下方に大きく垂れ下がった状態で後側表示枠33に向かって回動された場合に、ケース体120が第1ガイド部167に摺接して正規取付位置に近づいた第1の近接位置まで案内され、続いて第2ガイド部168に摺接して、更に正規取付位置に近づいた第2の接近位置まで案内するようにしてもよい。このようにすれば、ケース体120を正規取付位置の接近位置まで案内することができるので、組付作業を従来よりも効率よく行うことができる。
(10)前記一実施形態では、ケース体120をケース装着姿勢(図17を参照)にして、ケース体120のケース体突部160Tを後側表示枠33の係止ボックス161に挿入していたが、ケース体120の後壁121と後側表示枠33の表示盤対向窓36とを平行にして対向させると共に、図25に示すように、ケース体突部160Tが係止ボックス161の突部挿入開口165に臨んだ状態とし、このケース体突部160Tを係止ボックス161の奥壁164に向かって水平横方向に移動させて係止ボックス161に挿入する構成にしてもよい。
(11)前記一実施形態では、ケース体突部160Tを係止ボックス161に係止させた状態で、ケース体突部160Tを中心にケース体120を後側表示枠33に向けて回動して正規取付位置に配置していたが、ケース体突部160Tを係止ボックス161に係止させた状態で、ケース体120の全体を、パチンコ遊技機10の前後方向において後側表示枠33に近づけるように直動させて正規取付位置に配置してもよい。
ところで、ケース体120を後側表示枠33に向かって直動させる間にケース体120がケース体突部160Tを中心として下方に垂れ下がった場合には、前記一実施形態と同様に、第1ガイド部167と第2ガイド部168とによってケース体120を正規取付位置に案内することができる。即ち、ケース体120の垂れ下がり量Lが比較的小さい状態でケース体120を後側表示枠33に向かって直動させると、その途中でボス受容部151が第2ガイド部168に当接する。ケース体120を更に後側表示枠33に向けて直動するとボス受容部150が第2ガイド部169に摺接してケース体120が持ち上げられ、正規取付位置まで案内される。
また、ケース体120の垂れ下がり量Lが比較的大きい状態でケース体120を後側表示枠33に向かって直動させると、その途中で、ケース体120の前縁部が第1ガイド部167に当接する。ケース体120を更に後側表示枠33に向けて直動するとケース体120の前縁部が第1ガイド部167に摺接することでケース体120の全体が持ち上げられ中継位置まで案内される。中継位置に案内されると、ケース体120のボス受容部151が第2ガイド部168に当接する。そして、この位置から更に後側表示枠33に向けて直動するとボス受容部151が第2ガイド部168に摺接してケース体120が更に持ち上げられ正規取付位置まで案内される。このように、ケース体120の垂れ下がりの大小にかかわらず、ケース体120が正規取付位置まで案内されるので、組付作業を従来よりも効率よく行うことができる。