JP4536627B2 - 信号処理装置および音像定位装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、ダミーヘッドを用いて測定した頭部伝達関数を予め測定した結果を用いて、クロストークキャンセルや音場形成を行うステレオ音響装置等が開示されている。
聴取位置の前方に位置する2chスピーカに接続され、左音声信号、右音声信号、および、リア音声信号を含む複数の音声信号を2chの音声信号に合成する音像定位装置であって、
前記リア音声信号に対して、聴取位置の後方に位置する仮想音源から聴取者の耳へ至る空間伝達経路の伝達特性を付与するバーチャル特性付与フィルタと、
前記リア音声信号に対して、実際のスピーカの位置から聴取者の耳へ至る空間伝播経路の伝達特性をキャンセルするキャンセル化フィルタの周波数特のうち、高い周波数領域である7〜10kHzに存在するピークを平滑化した周波数特性に修正した修正フィルタと、前記高い周波数領域の一部をブーストしてピークを再形成し、前記再形成したピークの少なくとも中心周波数を調整するイコライザと、前記再形成したピークの少なくとも中心周波数の調整操作を受け付ける調整手段と、を有し、前記リア音声信号を前記修正フィルタおよび前記イコライザに通過させるクロストークキャンセルフィルタと、
前記バーチャル特性付与フィルタおよびクロストークキャンセルフィルタによって処理されたリア音声信号を左音声信号および右音声信号に足し込む加算器と、
を備えた音像定位装置である。
前記調整手段は、前記再形成したピークの幅、ゲインをさらに調整する音像定位装置である。
この音像定位装置の構成の概略を一言で述べると、以下のようになる。即ち、入力部分23、21、24のディジタル音声信号を取り込んで、DSP10がこの信号のディジタル処理を行い、D/A変換器22でアナログ音声信号に変換して、電子ボリューム41で音量を調整し、パワーアンプ42でこのアナログ音声信号をLchスピーカLS、RchスピーカRSに出力し音声を発する。
また、本実施形態の音像定位装置の機能は一言で述べると、図1に示すような、Lch、Rch、Cch、LSch、Rschの5chの音声信号をミックスダウンして、2chの実在する前方のスピーカLS、RSから、あたかも後ろにLSch、RSchのスピーカが実在しているような音像定位を作出することである。
さらに、その音像定位の手段を一言で述べると、DSP10において、これらの5chのディジタル音源データに、後方から人間の耳までの頭部伝達関数(詳細は後述する。)を用いて、リア定位付加131LD〜131RDの音響効果を付加することにより行う。そして、この音響効果の実効を図るためのクロストークキャンセル(詳細は後述する。)を用いて、これらの5chの音源を加工して、実在するスピーカLS、RSから出力する。以下これらの構成を順を追って説明する。
DIR23は、ビットストリームのディジタル時系列音声データを入力することができる。
A/D変換器21は、アナログ信号、例えばマイクから入力した音声信号をディジタル時系列データに変換でき、そのデータをデコーダ14に送る。
HDMI23(High-DefinitionMultimedia Interface)は、音声および制御信号を合わせて受信する。
DSP10は、ポストプロセッシング用DSP13と、デコーダ14を含んでいる。DSP10は、前述の入力部分から入力したディジタル時系列データを加工して、D/A変換器22に送る。
D/A変換器22は、DSP10により生成したデータをアナログ信号に変換する。このアナログ信号は、音量を調整する電子ボリューム41とパワーアンプを介して、スピーカLS、RSにより音声に変換される。
デコーダ14は前述した入力部分であるDIR23とA/D変換器21とHDMI24から入力したディジタル時系列データをデコードして、ポストプロセッシング用DSP13に送る。デコーダ14自体は、前述のようにこのディジタル時系列データとして5chの音声データを扱うことができる。即ちこの5chは、Lch(左前)、Rch(右前)、Cch(センター前)、LSch(リア左)、RSch(リア右)のスピーカへ出力するディジタル音声入力である。
ポストプロセッシング用DSP13は、これら5chの音声データを信号処理して2chのデータにミックスダウンし、擬似的な5ch信号として出力する。
フィルタ131LCは、LSリアバーチャルスピーカLSVから右の耳M2までのモデル頭部伝達関数を用いる。
フィルタ131RDは、RSリアバーチャルスピーカRSVから右の耳M2までのモデル頭部伝達関数を用いる。
フィルタ131RCは、RSリアバーチャルスピーカRSVから左の耳M1までのモデル頭部伝達関数を用いる。
そして、図1のリア定位付加131では、これらのフィルタをLSch、RSchに畳み込んで、リアバーチャルスピーカLSV、RSVの音響特性を付加する。
しかし、ラウドスピーカを用いた本実施形態の装置では、前のスピーカRS、LSから音声を聴取するから、音波の空間伝達時に、前のスピーカRS、LSから両耳までの空間伝達によりデフォルメされてしまい、前述したLSリア定位付加の効果を十分発揮し得ないおそれがある。
そこで、擬似的にLSリア定位計算部131Lの出力を左の耳にのみ、RSリア定位計算部131Rの出力を右の耳にのみ入るように、前に存在する現実のスピーカから出力される音源を加工する。
(LchスピーカLS→左耳)の経路の伝達関数をLD(Z)、
(LchスピーカLS→右耳)の経路の伝達関数をLC(Z)、
(RchスピーカRS→左耳)の経路の伝達関数をRC(Z)、
(RchスピーカRS→右耳)の経路の伝達関数をRD(Z)、
(それぞれ離散領域で、Z変換したものである。Zは遅延を表すものとする。以下「(Z)」は、省略する。)とする。このように定義すると、Lchダイレクト補正133LD、Lchクロス補正133LC、Rchクロス補正133RC、Rchダイレクト補正133RDの伝達関数LD、LC、RC、RDのフィルタの関数は、以下のように計算することで求められる。なお、以下の計算では、PEQ134は、無視している(PEQ134についての詳細は図3以降で説明する。)。
Lchダイレクト補正は、RD/(RD×LD−RC×LC)、
Lchクロス補正は、 LC/(RD×LD−RC×LC)、
Rchクロス補正は、 RC/(RD×LD−RC×LC)、
Rchダイレクト補正は、LD/(RD×LD−RC×LC)、
となる。なお、「×」は、畳み込みを表し、Lchクロス補正133LC、Rchクロス補正RCを畳み込んだデータは、それぞれ加算器135Cにおいて、−1倍されて加算される。
まず、図2を用いて、クロストークキャンセルのフィルタを具体的に説明する。図2は、クロストークキャンセルのフィルタのゲイン線図である。図2(A)は、図1の聴取者の顔の向き103から左側に30度方位を回した方向であって水平方向にLchスピーカLSがある場合のモデル頭部伝達関数を示している。図2(B)は、同様に、図1の聴取者の顔の向き103から右側に30度方位を回した方向であって水平方向にRchスピーカRSがある場合のモデル頭部伝達関数を示している。また、図2(A)のG1、図2(B)のG1’は、ダイレクト方向のモデル頭部伝達関数を表しており、図2(A)のG2、図2(B)のG2’は、クロス方向のモデル頭部伝達関数を現している。図2(A)、図2(B)に示すように、クロス方向のモデル頭部伝達関数G2、G2’は、ダイレクト方向のG1、G1’に比べてゲインが小さくなっている。これは、両耳の位置の違いによる伝搬距離差によるゲイン減少、顔による回折等に起因するものと考えられる。
一方、図3(B)に示したような調整は聴取者に合わせる必要があるから、工場出荷時に予め用意することはできず、実際の実装の形態としては、PEQ134は、図3(B)に示したようなピークを追加するような信号処理を行うイコライザとなる。
図4(A)は、ピーク部分の中心周波数を調整するための概念図である。この図に示すようにピークPは、両矢印の方向に、破線の形状で示すようにピークを移動して、周波数を調整する。この周波数は7k〜10kHzの辺りに設定し、このピークの周波数を上下20%調整する。
図4(B)は、ピーク部分のゲインの調整方法を表す概念図である。この図に示すようにピークPを両矢印の方向に、即ち破線の形状で示すようにピークを移動して、ピーク部分のゲインを調整する。
図4(C)は、ピーク部分の幅またはQ値の調整方法を表す概念図である。この図に示すようにピークPを両矢印の方向に、即ち破線の形状で示すようにピークの幅を変動させて、ピーク部分の形状を調整する。なお、Q値は、ピークPの周波数の頂点から3dBゲインが下がったところのピーク形状の幅をいい、この幅を周波数の比で表したものである。
13−ポストプロセッシング用DSP
131−リア定位付加
131LD−フィルタ
131LC−フィルタ
131RC−フィルタ
131RD−フィルタ
131L−LSリア定位計算部
131R−RSリア定位計算部
133−クロストークキャンセル補正回路
133LD−Lchダイレクト補正
133LC−Lchクロス補正
133RC−Rchクロス補正
133RD−Rchダイレクト補正
134−PEQ
134LD−PEQ
134LC−PEQ
134RC−PEQ
134RD−PEQ
135A−加算器
135B−加算器
135C−加算器
135D−加算器
14−デコーダ
21−A/D変換器
22−D/A変換器
23−DIR
24−HDMI
31−メモリ
32−コントローラ
33−ユーザインターフェース
41−電子ボリューム
42−パワーアンプ
5−調整パネル
51−周波数調整つまみ
52−ゲイン調整つまみ
53−Q値調整つまみ
100−聴取者(ダミーヘッド)
101D−前方ダイレクト方向
101C−前方クロス方向
102D−後方ダイレクト方向
102C−後方クロス方向
103−聴取者の顔の向き
LS−Lchスピーカ
RS−Rchスピーカ
LSV−LSリアバーチャルスピーカ
RSV−RSリアバーチャルスピーカ
P−ピーク
P1〜P6−ピーク
D1−ディップ
M1−左の耳
Claims (2)
- 聴取位置の前方に位置する2chスピーカに接続され、左音声信号、右音声信号、および、リア音声信号を含む複数の音声信号を2chの音声信号に合成する音像定位装置であって、
前記リア音声信号に対して、聴取位置の後方に位置する仮想音源から聴取者の耳へ至る空間伝達経路の伝達特性を付与するバーチャル特性付与フィルタと、
前記リア音声信号に対して、実際のスピーカの位置から聴取者の耳へ至る空間伝播経路の伝達特性をキャンセルするキャンセル化フィルタの周波数特のうち、高い周波数領域である7〜10kHzに存在するピークを平滑化した周波数特性に修正した修正フィルタと、前記高い周波数領域の一部をブーストしてピークを再形成し、前記再形成したピークの少なくとも中心周波数を調整するイコライザと、前記再形成したピークの少なくとも中心周波数の調整操作を受け付ける調整手段と、を有し、前記リア音声信号を前記修正フィルタおよび前記イコライザに通過させるクロストークキャンセルフィルタと、
前記バーチャル特性付与フィルタおよび前記クロストークキャンセルフィルタによって処理されたリア音声信号を左音声信号および右音声信号に足し込む加算器と、
を備えている音像定位装置。 - 前記調整手段は、前記再形成したピークの幅およびゲインをさらに調整する、
請求項1に記載の音像定位装置。
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JP2007082125A JP2007082125A (ja) | 2007-03-29 |
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