JP4536394B2 - 生体組織再生用移植材 - Google Patents

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この発明は、骨等の生体組織の欠損部を再生する際に使用する生体組織再生用移植材に関する。
近年、腫瘍摘出や外傷等により生じた生体組織の欠損部に、補填材を補填することにより、生体組織を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。生体組織の再生には、細胞、成長因子、足場(担体)が必要であり、特に、骨組織再生には担体としての骨補填材は必要不可欠である。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部に補填すると、破骨細胞がβ−TCPを吸収し、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる。
一方、術後の骨欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄間葉系細胞を骨補填材とともにin vitroで培養することにより製造される培養骨を使用することが提案されている。培養されることにより骨補填材を足場にして増殖した多くの骨髄間葉系細胞を含む培養骨を骨欠損部に補填するので、骨補填材のみを補填する方法と比較すると、自家骨に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
この場合に、サイトカイン等の成長因子を供給しておくことにより、成長を促進することができることも知られている。
また、骨欠損部を修復する方法としては、人工骨や培養骨移植の他に、自家組織移植、例えば、血管柄付き腓骨移植等がある。この血管柄付き腓骨移植は、通常の自家骨移植に比べ、生きた血管を使用するため、移植後の生着性が高いことが知られている。
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49
しかしながら、人工骨のみを骨以外の皮下もしくは筋肉内へ移植しただけでは、異所性骨化の現象は得られない。
また、培養骨移植では、良好な異所性骨化の現象が見られるものの、in vitroでの培養に時間を要すること、培養操作による安全性の確保の問題や血管新生が移植後に得られることなど、実際には移植部の生着に時間が必要であることなどの問題がある。
さらに、自家血管柄付き腓骨移植では、移植骨の生着は良好であるものの、採骨部に骨欠損を生ずること、採骨量に限界があること、および、患者への侵襲が大きいことなどの問題がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織補填材における十分な生体組織形成作用を継続的に行わせることができる生体組織再生用移植材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素および栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材と、該管状部材の周囲に配置された生体組織補填材と、これらを被覆する生体適合性材料からなる膜とを備え、前記生体組織補填材が顆粒状のリン酸カルシウム系のセラミックス多孔体からなり、前記膜が、前記管状部材の両端を露出させつつ生体組織補填材を包んで縫合されており、前記セラミックス多孔体に、成長因子とゼラチンとが混合されている生体組織再生用移植材を提供する。
この発明によれば、管状部材内部に少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方を含む液体を流通させると、該液体内に含有される少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方が管状部材を透過してその周囲に配置されている顆粒状のセラミックス多孔体からなる生体組織補填材に供給される。生体組織補填材の内部に骨髄や骨片を混合もしくは骨髄細胞等の細胞を播種しておくことにより、それらの細胞に管状部材を介して少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方または両方を供給し続けることが可能となる。
また、生体組織補填材を生体適合性の材料からなるシートにより被覆しておくことにより、生体内に配置された状態においても、その外部に配置されている他の生体組織の影響を受けることなく、シート内に囲まれた生体組織補填材において所望の生体組織を効率的に再生させることができる。
この場合において、セラミックス多孔体には成長因子とゼラチンとが混合されているので、成長因子の作用により、セラミックス多孔体内における細胞の増殖を促進し、迅速に生体組織の再生を図ることが可能となる。特に、本発明によれば、セラミックス多孔体にゼラチンが混合されていることにより、ゼラチンが成長因子を徐放させるための担体材料として機能し、成長因子を安定化させるとともに、生物活性をもつ因子を長期間にわたって放出させ、生体組織細胞の増殖を促進することができる。これにより、より大きな容積をもつ生体組織の迅速な再生と再生組織の維持が実現できる。
なお、管状部材の断面形状は、円形、楕円形等に限定されるものではない。
上記発明においては、前記管状部材が、血管または人工血管であってもよい。
このようにすることで、血管または人工血管内部に流れる血液から血管等を介して少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方がセラミックス多孔体に供給される。セラミックス多孔体内に骨髄や骨片を混合もしくは骨髄細胞等を播種しておくことにより、それらの細胞に少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方または両方を供給し続けながら、生体組織を再生することが可能となる。セラミックス多孔体には、成長因子とゼラチンとが混合されていることにより、ゼラチンが成長因子を徐放させるための担体材料として機能し、成長因子を安定化させるとともに、生物活性をもつ因子を長期間にわたって放出させ、生体組織細胞の増殖を促進することができる。これにより、より大きな容積をもつ生体組織の迅速な再生と再生組織の維持が実現できる。
上記発明においては、前記セラミックス多孔体に骨髄が混合されていることとしてもよい。このようにすることで、骨髄細胞内に含まれる間葉系幹細胞を血管等から供給される少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方または両方により成長させ、セラミックス多孔体を足場として、生体組織を再生することが可能となる。成長因子の徐放化システムを組み合わせることによって、再生組織への新生血管の数と量とが増え、これにより生体組織の再生が加速される。また、成長因子自身が骨髄細胞の増殖を促し、組織再生が促されることになる。
この発明に係る生体組織再生用移植材によれば、管状部材内部に流通させる液体、例えば、血液から栄養分等を外部に透過させるとともに、骨補填材に混合したゼラチンによる成長因子の徐放性により、骨補填材を足場とした細胞の効率的かつ安定した迅速な成長を促進し、感染に強く、比較的広範囲の欠損部に移植できる。さらに、再生組織の吸収・消失の抑制にも効果がある。また、欠損部の周囲の生体組織の状態に関わらず、該生体組織への良好な生着を得ることができるとともに、患者への侵襲を低く抑えることができ、手術期間の短縮を図ることができるという効果を奏する。
また、ゼラチンを含有しない場合においても、管状部材と生体組織補填材とこれらを被覆する膜とを備えることにより異所性骨化を得ることができるが、本発明によれば、一度形成された骨が吸収されることなく、二期的手術時までに十分な骨を形成することができるという効果がある。
この発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材について、図1〜図3を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織再生用移植材は、生体組織としての骨を再生するための骨再生用移植材1であって、図1および図2に示されるように、管状部材2と、該管状部材2の周囲を取り囲むように配置された骨補填材3と、該骨補填材3を包み込む優れた生体適合性材料からなる膜(以下、生体適合性膜という。)4とから構成されている。
なお、優れた生体適合性材料は、特に限定されるものではなく、生体吸収性材料や生体非吸収性材料のいずれでもよい。生体吸収性材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクトン、ポリカプロラクトンもしくはそれらの共重合体、コラーゲン、キチン、キトサンなどが挙げられる。生体吸収性材料は、経時的に生体に吸収されることから再生された骨周囲に異物が残存しないという利点がある。一方、PTFEに代表される生体非吸収性材料は長期的に異物が残存するものの、良好な骨形成の環境を提供することが可能である。
前記管状部材2は、例えば、浸透膜あるいは逆浸透膜からなる中空子膜のように、内部を流通する液体A、例えば、血液から少なくとも酸素および栄養分のいずれか(以下、栄養分等Bという。)を透過させて外部に供給することが可能な材質により構成されている。
前記骨補填材3は、例えば、β−TCP多孔体の顆粒により構成されている。骨補填材3には、成長因子とゼラチンとが混合されている。
成長因子は、例えば、モノカイン、サイトカイン、BMP、bFGF、aFGF、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を供給することにしてもよい。また、これらの成長因子の分泌・産生を促す低分子薬物、ペプチド等も用いることができる。パラソイドホルモン、エストロゲン等のホルモンや、ビタミン等の栄養剤を供給することにしてもよい。また、濃縮血小板もこの目的に用いられ、血小板内に含まれる成長因子が利用できる。
また、ゼラチンは、牛、豚、魚類などを始めとする各種の動物種の皮膚、骨、腱などの身体のあらゆる部位から採取できるコラーゲン、あるいはコラーゲンとして用いられている物質を、アルカリ加水分解、酸加水分解および酸素分解等の種々の処理によって変性させて得ることができる。遺伝子組み換え型コラーゲンの変性体であるゼラチンを用いてもよい。ゼラチンの性質は、用いる材料および処理方法により様々であるが、そのいずれの性質を持つゼラチンも成長因子を徐放するためのハイドロゲル担体材料として機能させることができる。
また、ゼラチンは、ゼラチンマイクロスフェアとして骨補填材3に混合されている。ゼラチンマイクロスフェアとは、上記ゼラチンを用いて種々の化学的架橋剤とゼラチン分子間に化学架橋を形成させることにより得られる微粒子状ゼラチンハイドロゲルをいう。化学的架橋剤としては、EDC等の水溶性カルボジイミド、プロピレンオキサイド、ジエポキシ化合物、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、イミダゾール基などの間に化学架橋を形成する縮合剤を用いることができる。好ましいものはグルタルアルデヒドである。
なお、ゼラチンは、熱処理、紫外線照射、電子線照射などによっても架橋させることができる。また、これらの架橋処理を組み合わせて用いることも可能である。さらに、塩架橋、静電的相互作用、水素結合、疎水性相互作用等を利用した物理架橋によりハイドロゲルを作成することにしてもよい。
生体適合性膜4は、管状部材2を中心に配置し、その周囲に骨補填材3を配置するようにして、骨補填材3を包み込み、外部を縫合することで、管状もしくは袋状に形成されている。これにより、骨補填材3がこぼれないこと、周辺環境に影響されることなく所望の生体組織を再生させる環境(場)を提供することのために優れた生体適合性膜4によって覆われ、管状部材2の両端2a,2bのみが生体適合性膜4から外部に露出した骨再生用移植材1が構成されている。
このように構成された本実施形態に係る骨再生用移植材1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る骨再生用移植材1により、骨欠損部を再生するには、切開により露出させた血管の一部を切断し、当該血管の端部を前記管状部材2の両端2a,2bに縫合する。これにより、管状部材2の内部には血液Aが流通させられるようになる。また、骨再生用移植材1の骨補填材3内には、例えば、注射器により、生体適合性膜4を貫通して、内部に、骨髄や骨片もしくは骨髄細胞を混合しておく。なお、前記管状部材2の代わりに生体の血管(例えば、動静脈束)や筋肉束を用いることも可能である。例えば、前記管状部材2の代わりに動静脈束を用いる場合、露出させた動静脈束の周囲に骨補填材3を配置、さらに、骨補填材3を包み込むように生体適合性膜4を配置し、縫合する。この動静脈束と同様に、筋肉束を用いることも可能である。
この状態で、骨再生用移植材1を筋肉組織内あるいは皮下組織内に配置し、切開した皮膚を縫合し、数週間放置する。
骨補填材3内部に注入された骨髄や骨片もしくは骨髄細胞等の混合物は、生体適合性膜4によって外部の筋肉組織あるいは皮下組織から隔絶された状態に保持されるので、これらの組織の影響を受けること無く、筋肉組織内あるいは皮下組織内において、骨補填材3を足場として異所性骨化作用を生ずることになる。
そして、この場合において、管状部材2は、内部を流通する血液A内の栄養分等Bを透過させることができる材料により構成されているので、骨補填材3内において骨形成作用を生じている骨髄に含まれる細胞は、血液Aから常時補給される栄養分等Bを得て、迅速かつ着実に成長し、健全な再生用移植骨として構成されることになる。
このようにして構成された再生用移植骨は、皮膚を再度切開して摘出し、骨欠損部に補填される。生体適合性膜4が生体吸収性材料からなる場合には、経時的に生体内で吸収され消滅する。したがって、再生用移植骨は、生体適合性膜4によって被覆されておらず、外部の骨組織内に存在している骨形成因子によって、外面においても骨形成作用を生じ、骨欠損部に適応して欠損部の再建が行われることになる。
このとき、皮下成長段階において管状部材2に接続されていた血管を、接続した状態に保持しておくことにより、骨欠損部内における骨形成においても、血液Aから常時栄養分等Bを供給して骨形成作用を促進し、骨欠損部を迅速かつ充分に補填することが可能となる。
なお、前記管状部材2の代わりに生体の血管(例えば、動静脈束)や筋肉束を用いた場合、特に、動静脈束を用いた場合、生体組織再生用移植材内部に再生した骨組織には、配置した血管2と連続した新たな血管網を生ずる。この新たに生じた血管網には血流が確保され、移植時に新鮮な血管を有する移植骨を提供することができる。移植後の早期骨癒合を実現するためには、この新たに生じた血管網が極めて重要であり、あたかも新鮮血管柄付き自家骨移植と同様の再建が可能となる。
図3は、術後の経過時間(週間)と骨基質密度との関係を示すグラフである。
図3は、骨補填材3に成長因子およびゼラチンを混合しない場合、成長因子としてbFGF溶液のみを混合した場合、成長因子であるbFGFとゼラチンとを混合した場合をそれぞれ示している。
なお、bFGFおよびゼラチンの混合は以下の通りである。
100μgのbFGFを20mlのPBS(リン酸緩衝液)に溶解させた後、2mgのゼラチンに4℃の条件にて一昼夜含浸させたものをbFGFとゼラチンとを混合したものとする。同様に、bFGFをPBSに溶解させたものをbFGFのみを混合したbFGF溶液とする。その結果、図3に示されるように、bFGFとゼラチンとを混合した場合は、bFGF溶液の混合および骨補填材のみの場合(bFGFなし)に比べて、有意に高い骨密度を示した。
この図3によれば、成長因子とゼラチンとを骨補填材3に混合した場合に、骨補填材3を足場とした細胞の骨形成作用が顕著であることがわかる。したがって、ゼラチンの作用により骨補填材3内に混合した成長因子を徐放させ、細胞に安定して供給し続けることにより、効率的に骨形成を促進することができる。
なお、管状部材2として血管(動静脈束)を、生体適合性膜4としてPLC(Poly lactide- ε caprolactone)膜を使用することとしてもよい。
この場合、骨再生用移植材を構成するには、皮膚を切開して皮下組織あるいは筋肉組織内から血管を引き出し、血管の周囲に顆粒状の骨補填材3、成長因子およびゼラチンマイクロスフェアを混合したものを配した状態で、PLC膜によってこれらを包み込み、骨補填材3を外部に対して遮断するためにPLC膜4を縫合する。これにより、上記実施形態と同様の骨再生移植材が構成されるので、骨補填材3内部に骨髄あるいは骨髄細胞もしくはその混合物を注射器等により注入して体内に埋め込むことができる。
このようにすることで、血管の縫合作業を不要にできるので、移植作業を簡易にすることができる。また、血管を通して内部を流通する血液から栄養分等が骨補填材3内の骨髄に含まれる細胞に供給され、PLC膜によって外部の組織から隔絶された状態で、骨補填材3を足場とした迅速かつ十分な異所性骨化作用を促進することが可能となる。
そして、このようにして構成される再生用移植骨は、骨組織の内部に栄養分等を行き渡らせる血管あるいは管状部材を備えたままの状態で、皮下組織あるいは筋肉組織から取り出して決行を保ったまま生きた骨として骨欠損部に移植することができる。
その結果、再生用移植骨の配されることとなる骨欠損部における周囲の骨組織の血行に左右されることなく、周囲の骨組織への良好な生着を得ることができるという効果がある。また、骨補填材3の中央に配置された血管からは骨補填材3の隙間を縫って毛細血管が発達し、PLC膜内のスペースの隅々まで栄養分等を行き渡らせることができるようになる。
このように、本実施形態に係る骨再生用移植材によれば、移植骨自体が血行を有しているので感染に強く、血行の悪い骨欠損部にも移植することができる。また、移植骨によっては比較的広範囲の骨欠損にも適用可能であり、骨癒合も速いために、リハビリにおいて早期に荷重開始段階に移ることができる。
さらに、本実施形態に係る骨再生用移植材によれば、上記のように血管柄付き骨移植と同等の効果を得ながら、患者への侵襲を小さく抑えることができるという効果がある。すなわち、通常の血管柄付き骨移植では、血行を伴う生きたままの骨組織を他の健全な部位から採取して骨欠損部に移植するものであるため、健全な部位の侵襲を免れない。しかしながら、本実施形態に係る骨再生用移植材によれば、骨欠損部以外の部位において異所性骨化させた移植骨を骨欠損部に補填することができるので、健全な部位の侵襲を防止することができる。したがって、手術時間を短くすることができるとともに、全身状態などにより適用が制限されることを防止することができる。
なお、上記実施形態においては、生体組織としての骨組織を例に挙げ、骨髄や骨片あるいは骨髄細胞の混合物を用いる場合について説明したが、骨髄のみならず末梢血や臍帯血から抽出することにしてもよい。また、骨髄や骨片あるいは骨髄細胞の混合物に限定されるものではなく、ES細胞、体性幹細胞、骨細胞、軟骨細胞、神経細胞等の体細胞を使用してもよい。また、骨組織のみならず、軟骨組織、筋肉組織、心筋組織、消化器組織、膀胱等の泌尿器組織あるいは皮下組織等任意の生体組織を再生するために利用することが可能である。
また、上記実施形態においては、生体吸収性を有する膜として、生体適合性膜を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、コラーゲンからなる膜等、任意の生体適合性材料からなる膜を用いることにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材を示す斜視図である。 図1の生体組織再生用移植材を示す縦断面図である。 術後経過時間と骨基質密度との関係を示すグラフである。
符号の説明
A 液体、血液
B 栄養分等
1 骨再生用移植材(生体組織再生用移植材)
2 管状部材、血管、人工血管
3 生体組織補填材(骨補填材)
4 生体適合性膜(膜)

Claims (3)

  1. 内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素および栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材と、該管状部材の周囲に配置された生体組織補填材と、これらを被覆する生体適合性材料からなる膜とを備え、
    前記生体組織補填材が顆粒状のリン酸カルシウム系のセラミックス多孔体からなり、前記膜が、前記管状部材の両端を露出させつつ生体組織補填材を包んで縫合されており、
    前記セラミックス多孔体に、成長因子とゼラチンとが混合されている生体組織再生用移植材。
  2. 前記管状部材が、血管または人工血管である請求項1に記載の生体組織再生用移植材。
  3. 前記セラミックス多孔体に骨髄が混合されている請求項1または請求項2に記載の生体組織再生用移植材。
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