JP2005334456A - 生体組織再生用移植材とその製造方法 - Google Patents

生体組織再生用移植材とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生体組織補填材における十分な生体組織形成作用を促進する。
【解決手段】 内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材2と、該管状部材2の周囲に配置された生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿の混合物3と、これらを被覆する生体適合性材料からなる膜4とを備える生体組織再生用移植材1を提供する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、生体組織再生用移植材とその製造方法に関するものである。
近年、腫瘍摘出や外傷等により生じた生体組織の欠損部に、補填材を補填することにより、生体組織を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。生体組織の再生には、細胞、成長因子、足場(担体)が必要であり、特に、骨組織再生には担体としての骨補填材は必要不可欠である。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部に補填すると、破骨細胞がβ−TCPを吸収し、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる。
一方、術後の骨欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄間葉系細胞を骨補填材とともにin vitroで培養することにより製造される培養骨を使用することが提案されている。培養されることにより骨補填材を足場にして増殖した多くの骨髄間葉系細胞を含む培養骨を骨欠損部に補填するので、骨補填材のみを補填する方法と比較すると、自家骨に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
この場合に、サイトカイン等の成長因子を供給しておくことにより、成長を促進することができることも知られている。
また、骨欠損部を修復する方法としては、人工骨や培養骨移植の他に、自家組織移植、例えば、血管柄付き腓骨移植等がある。この血管柄付き腓骨移植は、通常の自家骨移植に比べ、生きた血管を使用するため、移植後の生着性が高いことが知られている。
さらに、セラミックス多孔体に培養骨組織を組み込んだ培養人工骨も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49 特開2003−199815号公報(第3頁等)
しかしながら、人工骨のみを骨以外の皮下もしくは筋肉内へ移植しただけでは、異所性骨化の現象は得られない。
また、培養骨移植では、良好な異所性骨化の現象が見られるものの、in vitroでの培養に時間を要すること、培養操作による安全性の確保の問題や血管新生が移植後に得られることなど、実際には移植部の生着に時間が必要であることなどの問題がある。
さらに、自家血管柄付き腓骨移植では、移植骨の生着は良好であるものの、採骨部に骨欠損を生ずること、採骨量に限界があること、および、患者への侵襲が大きいことなどの問題がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織補填材における十分な生体組織形成作用を継続的に行わせることができる生体組織再生用移植材とその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材と、該管状部材の周囲に配置された生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、以下、PRPという。)の混合物と、これらを被覆する生体適合性材料からなる膜とを備える生体組織再生用移植材を提供する。
本発明によれば、管状部材内部に少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方を含む液体を流通させると、該液体内に含有される少なくとも酸素または栄養分のいずれかが管状部材を透過してその周囲に配置されている生体組織補填材、幹細胞およびPRPの混合物に供給される。幹細胞は酸素または栄養分を供給されるとともに、混合物に含有されているPRPの作用により、生体組織補填材を足場として成長する。PRPには、TGF−β1、PDGF、IGF−1のような種々の自家成長因子が含まれているので、幹細胞は活性化されて、迅速に生体組織の再生が行われることになる。
上記発明においては、前記生体組織補填材が顆粒状のセラミックス多孔体からなり、前記膜が、前記管状部材の両端を露出させつつ生体組織補填材を包んで縫合されていることとしてもよい。
このように構成することで、生体組織再生用移植材が生体内に配置された状態においても、その外部に配置されている他の生体組織の影響を受けることなく、膜内に囲まれた生体組織補填体において、所望の生体組織を効率的に再生させることができる。
また、上記発明においては、前記管状部材が、血管または人工血管からなることとしてもよい。
このようにすることで、血管または人工血管内部に流れる血液から血管または人工血管を介して少なくとも酸素または栄養分が幹細胞に供給され、生体組織補填材を足場として成長することになる。
また、上記発明においては、前記生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿が混合された状態で、前記幹細胞が所定時間にわたって培養されていることが好ましい。
生体組織への移植前に短時間でも培養することにより、幹細胞が生体組織補填材を足場として、多血小板血漿の作用により活性化され、既に成長を開始した状態とすることができる。したがって、このような生体組織再生用移植材を生体組織の欠損部等に移植することにより、極めて迅速に生体組織を再生することが可能となる。
また、上記発明においては、前記幹細胞が、骨髄液から遠心分離されたものであることが好ましい。
骨髄液から遠心分離された幹細胞を用いることにより、生体組織の再生に不要な血球成分が除去されているため、効率的に生体組織を再生することができる。
また、上記発明においては、前記幹細胞が、骨髄液に含有された状態で生体組織および多血小板血漿と混合されていることとしてもよい。
このようにすることで、幹細胞と共に血球成分が含まれた状態となるが、遠心分離の手間が省かれ、簡易に構成されることになる。
また、上記発明においては、前記幹細胞が、培養時に超音波刺激を与えたものであることとしてもよい。
幹細胞は、物理的刺激を加えることにより活性化するので、超音波刺激を与えることによって、より迅速に生体組織の再生を行うことが可能となる。
本発明は、内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素および栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材の周囲に、生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿の混合物を配置し、該混合物の周囲を生体適合性材料からなる膜により被覆する生体組織再生用移植材の製造方法を提供する。
この発明によれば、上記作用を奏する生体組織再生用移植材を簡易に構成することができる。管状部材としては、血管または人工血管を採用することにより、酸素または栄養分を血液により供給し、血管または人工血管を透過させて幹細胞に供給し続けることが可能となる。
また、上記発明においては、生体組織補填材、多血小板血漿および幹細胞を混合して得られた混合物を所定時間にわたって培養した後に、管状部材の周囲に配置することが好ましい。ある程度、幹細胞の成長を開始させた状態で生体組織の欠損部等に移植することにより、迅速な再生が可能な生体組織再生用移植材を製造することができる。
また、上記発明においては、混合物に含まれる幹細胞の培養時に、超音波刺激を付与することが好ましい。
超音波刺激により、幹細胞の成長が活性化され、より迅速な生体組織の再生を可能とする生体組織再生用移植材を製造することができる。
さらに、上記発明においては、生体組織補填材を血漿または血清内に浸漬した後に、幹細胞および多血小板血漿と混合することが好ましい。血漿または血清内に浸漬することにより、血漿または血清に含有されているタンパク質やコラーゲンが生体組織補填材に付着するので、幹細胞の培養初期における生体組織補填材への接着性を高める生体組織再生用移植材を製造することができる。
本発明によれば、管状部材内部に流通させる液体、例えば、血液から酸素や栄養分を外部に透過させるとともに、生体組織補填材に混合したPRPの作用により、生体組織補填材を足場とした幹細胞の効率的かつ安定した迅速な成長を促進し、感染にも強く、比較的広範囲の欠損部に移植できるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材1について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織再生用移植材1は、生体組織としての骨を再生するための骨再生用移植材1であって、図1および図2に示されるように、管状部材2と、該管状部材2の周囲を取り囲むように配置された補填材混合物3と、該補填材混合物3を包み込む優れた生体適合性を有する材料からなる膜(以下、生体適合性膜という。)4とから構成されている。
なお、優れた生体適合性を有する材料は、特に限定されるものではなく、生体吸収性材料や、生体非吸収性材料のいずれでもよい。生体吸収性材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクトン、ポリカプロラクトンもしくはそれらの共重合体、コラーゲン、キチン、キトサン等が挙げられる。生体吸収性材料は、経時的に生体に吸収されることから再生された骨の周囲に異物が残存しないという利点ががある。一方、PTFEに代表される生体非吸収性材料は、長期的に異物が残存するものの、良好な骨形成の環境を提供することが可能である。
前記管状部材2は、例えば、浸透膜あるいは逆浸透膜からなる中空子膜のように、内部を流通する液体A、例えば、血液から少なくとも酸素および栄養分のいずれか(以下、栄養分等Bという。)を透過させて外部に供給することが可能な材質により構成されている。
前記補填材混合物3は、例えば、β−TCP多孔体の顆粒と、間葉系幹細胞と、PRPとを所定の割合で混合することにより構成されている。
間葉系幹細胞は、患者から採取した骨髄液を遠心分離することにより、血球成分を除去したものであることが好ましい。PRPは、患者から採取した末梢血を遠心分離することにより得ることができる。
生体適合性膜4は、管状部材2を中心に配置し、その周囲に補填材混合物3を配置するようにして、補填材混合物3を包み込み、外部を縫合することで、管状もしくは袋状に形成されている。これにより、補填材混合物3がこぼれないこと、周辺環境に影響されることなく所望の生体組織を再生させる環境(場)を提供するのに優れた生体適合性膜4によって覆われ、管状部材2の両端2a,2bのみが生体適合性膜4から外部に露出した骨再生用移植材1が構成されている。
このように構成された本実施形態に係る骨再生用移植材1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る骨再生用移植材1により、骨欠損部を再生するには、切開により露出させた血管の一部を切断し、当該血管の端部を前記管状部材2の両端2a,2bに縫合する。これにより、管状部材2の内部には血液Aが流通させられるようになる。なお、前記管状部材2の代わりに生体の血管(例えば、動静脈束)や筋肉束を用いることも可能である。例えば、前記管状部材2の代わりに動静脈束を用いる場合、露出させた動静脈束の周囲に補填材混合物3を配置、さらに、補填材混合物3を包み込むように生体適合性膜4を配置し、縫合する。この動静脈束と同様に、筋肉束を用いることも可能である。
この状態で、骨再生用移植材1を筋肉組織内あるいは皮下組織内に配置し、切開した皮膚を縫合し、数週間放置する。
補填材混合物3は、生体適合性膜4によって外部の筋肉組織あるいは皮下組織から隔絶された状態に保持されるので、これらの組織の影響を受けること無く、筋肉組織内あるいは皮下組織内において、β−TCP顆粒を足場として異所性骨化作用を生ずることになる。
そして、この場合において、管状部材2は、内部を流通する血液A内の栄養分等Bを透過させることができる材料により構成されているので、補填材混合物3内において骨形成作用を生じている間葉系幹細胞は、血液Aから常時補給される栄養分等Bを得て、迅速かつ着実に成長し、健全な再生用移植骨として構成されることになる。
さらに、本実施形態に係る骨再生用移植材1は、補填材混合物3として、間葉系幹細胞とともにPRPを含有しているので、PRPに含まれているTGF−β1、PDGF、IGF−1のような種々の自家成長因子の作用により間葉系幹細胞が活性化されて、より迅速な骨形成作用を生ずることになる。
このようにして構成された再生用移植骨は、皮膚を再度切開して摘出し、骨欠損部に補填される。生体適合性膜4が生体吸収性材料からなる場合には、経時的に生体内で吸収され消滅する。したがって、再生用移植骨は、生体適合性膜4によって被覆されておらず、外部の骨組織内に存在している骨形成因子によって、外面においても骨形成作用を生じ、骨欠損部に適応して欠損部の再建が行われることになる。
このとき、皮下成長段階において管状部材2に接続されていた血管を、接続した状態に保持しておくことにより、骨欠損部内における骨形成においても、血液Aから常時栄養分等Bを供給して骨形成作用を促進し、骨欠損部を迅速かつ充分に補填することが可能となる。
なお、前記管状部材2の代わりに生体の血管(例えば、動静脈束)や筋肉束を用いた場合、特に、動静脈束を用いた場合、生体組織再生用移植材1内部に再生した骨組織には、配置した血管2と連続した新たな血管網を生ずる。この新たに生じた血管網には血流が確保され、移植時に新鮮な血管を有する移植骨を提供することができる。移植後の早期骨癒合を実現するためには、この新たに生じた血管網が極めて重要であり、あたかも新鮮血管柄付き自家骨移植と同様の再建が可能となる。
なお、管状部材2として血管(動静脈束)を、生体適合性膜4としてPLC(Poly lactide- ε caprolactone)膜を使用することとしてもよい。
この場合、骨再生用移植材を構成するには、皮膚を切開して皮下組織あるいは筋肉組織内から血管を引き出し、血管の周囲に顆粒状の補填材混合物3を配した状態で、PLC膜によってこれらを包み込み、補填材混合物3を外部に対して遮断するためにPLC膜4を縫合する。これにより、上記実施形態と同様の骨再生移植材が構成されることになる。
このようにすることで、血管の縫合作業を不要にできるので、移植作業を簡易にすることができる。また、血管を通して内部を流通する血液から栄養分等が補填材混合物3内の間葉系幹細胞に供給され、PLC膜によって外部の組織から隔絶された状態で、β−TCP顆粒を足場とした迅速かつ十分な異所性骨化作用を促進することが可能となる。
そして、このようにして構成される再生用移植骨は、骨組織の内部に栄養分等を行き渡らせる血管あるいは管状部材を備えたままの状態で、皮下組織あるいは筋肉組織から取り出して血行を保ったまま生きた骨として骨欠損部に移植することができる。
その結果、再生用移植骨の配されることとなる骨欠損部における周囲の骨組織の血行に左右されることなく、周囲の骨組織への良好な生着を得ることができるという効果がある。また、補填材混合物3の中央に配置された血管からはβ−TCP顆粒の隙間を縫って毛細血管が発達し、PLC膜内のスペースの隅々まで栄養分等を行き渡らせることができるようになる。
このように、本実施形態に係る骨再生用移植材1によれば、移植骨自体が血行を有しているので感染に強く、血行の悪い骨欠損部にも移植することができる。また、移植骨によっては比較的広範囲の骨欠損にも適用可能であり、骨癒合も速いために、リハビリにおいて早期に荷重開始段階に移ることができる。
さらに、本実施形態に係る骨再生用移植材1によれば、上記のように血管柄付き骨移植と同等の効果を得ながら、患者への侵襲を小さく抑えることができるという効果がある。すなわち、通常の血管柄付き骨移植では、血行を伴う生きたままの骨組織を他の健全な部位から採取して骨欠損部に移植するものであるため、健全な部位の侵襲を免れない。しかしながら、本実施形態に係る骨再生用移植材1によれば、骨欠損部以外の部位において異所性骨化させた移植骨を骨欠損部に補填することができるので、健全な部位の侵襲を防止することができる。したがって、手術時間を短くすることができるとともに、全身状態などにより適用が制限されることを防止することができる。
なお、上記実施形態においては、補填材混合物3に含ませる幹細胞を、骨髄液から遠心分離により集めた間葉系幹細胞としたが、これに代えて、骨髄液をそのまま含ませることにしてもよい。この場合、骨基質の形成に寄与しない血球成分等が含まれることになるが、遠心分離の手間を省くことができるという利点がある。
また、β−TCP顆粒に骨髄液を混合したものを骨形成培地内において所定時間培養したものに、事前に作成しておいたPRPを混合することにより、補填材混合物3を作成してもよい。このようにすることで、骨欠損部以外の部位における異所性骨化を行うのに先立って、骨形成をある程度開始させておくことができ、移植後直ちに骨組織の再生を行わせることが可能となる。
さらに、培養に際しては、超音波刺激を与えることにより、間葉系幹細胞を活性化させ、より迅速な骨組織の再生を行わせることとしてもよい。
このようにすることで、骨形成に起因する間葉系幹細胞の数が少ない患者においても、実際の移植手術に至るまでの時間を大幅に低減することができ、骨欠損部の迅速な修復により、患者にかかる負担を低減することができるという効果を奏する。
さらに、補填材混合物3を構成するβ−TCP顆粒として、予め、血清もしくは血漿内に浸漬させたものを採用することにしてもよい。また、血清または血漿内に浸漬させたβ−TCP顆粒と、間葉系幹細胞と、PRPとを混合した補填材混合物3を所定時間、例えば、3時間程度培養してもよい。このようにすることで、血清もしくは血漿内に含まれるタンパク質やコラーゲンがβ−TCP顆粒に付着するので、混合された間葉系幹細胞を早期にβ−TCP顆粒に付着させることができ、間葉系幹細胞の成長の開始時期を早めることができる。
また、上記実施形態においては、生体組織としての骨組織を例に挙げ、骨髄液を用いる場合について説明したが、骨髄液のみならず末梢血や臍帯血から間葉系幹細胞を抽出することにしてもよい。また、骨髄液あるいは骨髄液から抽出した間葉系幹細胞の混合物に限定されるものではなく、ES細胞、体性幹細胞、骨細胞、軟骨細胞、神経細胞等の体細胞を使用してもよい。また、骨組織のみならず、軟骨組織、筋肉組織、心筋組織、消化器組織、膀胱等の泌尿器組織あるいは皮下組織等任意の生体組織を再生するために利用することが可能である。
また、上記実施形態においては、生体吸収性を有する膜として、生体適合性膜を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、コラーゲンからなる膜等、任意の生体適合性材料からなる膜を用いることにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材を示す斜視図である。 図1の生体組織再生用移植材を示す縦断面図である。
符号の説明
A 液体、血液
B 栄養分等
1 骨再生用移植材(生体組織再生用移植材)
2 管状部材、血管、人工血管
3 補填材混合物(混合物)
4 生体適合性膜(膜)

Claims (11)

  1. 内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素または栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材と、
    該管状部材の周囲に配置された生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿の混合物と、
    これらを被覆する生体適合性材料からなる膜とを備える生体組織再生用移植材。
  2. 前記生体組織補填材が顆粒状のセラミックス多孔体からなり、前記膜が、前記管状部材の両端を露出させつつ生体組織補填材を包んで縫合されている請求項1に記載の生体組織再生用移植材。
  3. 前記管状部材が、血管または人工血管からなる請求項1または請求項2に記載の生体組織再生用移植材。
  4. 前記生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿が混合された状態で、前記幹細胞が所定時間にわたって培養されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体組織再生用移植材。
  5. 前記幹細胞が、骨髄液から遠心分離されたものである請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体組織再生用移植材。
  6. 前記幹細胞が、骨髄液に含有された状態で生体組織および多血小板血漿と混合されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体組織再生用移植材。
  7. 前記幹細胞が、培養時に超音波刺激を与えたものである請求項4に記載の生体組織再生用移植材。
  8. 内部に流通させる液体から外部へ少なくとも酸素および栄養分のいずれか一方を透過可能な材質からなる管状部材の周囲に、生体組織補填材、幹細胞および多血小板血漿の混合物を配置し、該混合物の周囲を生体適合性材料からなる膜により被覆する生体組織再生用移植材の製造方法。
  9. 生体組織補填材、多血小板血漿および幹細胞を混合して得られた混合物を所定時間にわたって培養した後に、管状部材の周囲に配置する請求項8に記載の生体組織再生用移植材の製造方法。
  10. 混合物に含まれる幹細胞の培養時に、超音波刺激を付与する請求項9に記載の生体組織再生用移植材の製造方法。
  11. 生体組織補填材を血漿または血清内に浸漬した後に、幹細胞および多血小板血漿と混合する請求項9または請求項10に記載の生体組織再生用移植材の製造方法。
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