以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、本実施形態に係る遊技場1の構成について図1を参照して説明する。図1は、遊技場1の構成を示す模式図である。
図1において、遊技場1は、該遊技場1の一側(図では左側方を示す)に設けられたカウンタ2の正面方向(図では右側方向を示す)に向かって、Aブロック4およびBブロック5を、中通路3を挟んで縦列に配列するように構成される。さらに、Aブロック4およびBブロック5は、夫々並列に設置された遊技機島4a〜4eおよび遊技機島5a〜5eによって、これらを集約して構成されるものである。また、Aブロック4を構成する遊技機島4bおよび遊技機島4dは、共にカウンタ2に対面する左側端部に夫々JC(返却球計数器)6bおよびJC6dを備え、Bブロック5を構成する遊技機島5bおよび遊技機島5dは、共に中通路3に対面する左側端部に夫々JC7bおよびJC7dを備える。なお、この実施形態のJC6b、JC6d、JC7b、およびJC7dは、遊技者が返却した遊技球の球数を計数する返却球計数装置である。また、同一のブロックに属すると共に隣接して設けられた遊技機島間(例えば、Bブロック5に属する遊技機島5aと遊技機島5b間)には、一方の遊技機島から他方の遊技機島に遊技球を搬送する移送樋(図示しない)が架設されている。
ところで、既に「発明が解決しようとする課題」において説明したので詳述を避けるが、本実施形態の遊技場1のBブロック5は、Aブロック4に比較して返却される遊技球が多いことにより、満タン状態となり易いという傾向にある。このように、ブロック間の遊技球の貯留量に関して、不均衡が生じ易い遊技場1において、Aブロック4とBブロック5の間で生じた不均衡を是正する制御(後述する、バランス制御)が行われる場合、あるいは両ブロック間に所定の格差を意図的に生じせしめる制御(後述する、優先制御)が行われる場合、異なるブロック間において一方のブロックから他方のブロックに向けて遊技球を移動させるブロック間搬送が行われる。図中の矢印は、ブロック間搬送により移動する遊技球の移動方向を示す。しかして、本実施形態では、Aブロック4からBブロック5へのブロック間搬送は、遊技機島4bから遊技機島5bのメインタンクへの遊技球の移動により行われ、Bブロック5からAブロック4へのブロック間搬送は、遊技機島5aから遊技機島4aのメインタンクへの遊技球の移動により行われる。
以上、遊技場1の構成について説明したが、次に上記したブロック間搬送を担う2種類の遊技機島(例えば、遊技機島5aと遊技機島5b)の構成について、図2および図3を参照して説明する。図2は、Bブロック5を構成するとともにブロック間搬送における遊技球の「送り手」側である遊技機島5aの内部構造を示す正面図である。図3は、Bブロック5を構成するとともにブロック間搬送における遊技球の「受け手」側である遊技機島5bの内部構造を示す正面図である。
なお、Aブロック4を構成するとともにブロック間搬送における遊技球の「受け手」側である遊技機島4a、および同じくブロック間搬送における遊技球の「送り手」側である遊技機島4bの構成は、JC7bおよびJC7dの有無に関する相違点を除き、上記した遊技機島5aおよび遊技機島5bと同じである。
遊技機島5aは、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ遊技機14aが背向列設するように設けられている。遊技機島5a内の下部には、遊技球を貯留するメインタンク(貯留タンク)11aとサブタンク(貯留タンク)12aが内蔵され、メインタンク11aに貯留された遊技球を遊技機島5aのほぼ中央に立設される揚送機10a(研磨機能付き)で上部タンク13aに揚送し、上部タンク13aから遊技機島5aの長手方向左右端部に向かって傾斜状に設けられる補給樋(図示しない)を介して、上記した各パチンコ遊技機14aあるいは各パチンコ遊技機14aに挟持されるように設置される台間玉貸機(図示しない)に補給するようになっている。複数のパチンコ遊技機14aで使用された遊技球(通称、アウト球という)は、アウト球箱15aを介して回収経路としてのアウト球回収樋(メイン側)16aまたはアウト球回収樋(サブ側)17aに排出される。アウト球回収樋16aによって回収された遊技球はメインタンク11aに導かれ、アウト球回収樋17aによって回収された遊技球はサブタンク12aに導かれる。さらに、該サブタンク12aに貯留された遊技球は、接続樋20aあるいは、導入樋21aおよびコンベア装置22aを介してメインタンク11aに移動される。こうして、メインタンク11aに貯留された遊技球は、導出部35aから誘導樋19aを経由して、再び揚送機10aによって揚送される。このようにして遊技球は遊技機島5a内を循環するものである。
なお、アウト球回収樋16aは、メインタンク11a内に設けられるとともにアウト球回収樋16aと接続されるバイパスレール18aに遊技球を送出し、バイパスレール18aが遊技球をメインタンク11a内の導出部35aに放出することによって、メインタンク11aに遊技球を導くものである。導出部35aについての詳細な説明は、後に同一の構成を有する導出部35bを対象として詳述する。また、メインタンク11aおよびサブタンク12aの内側側壁には、貯留量検知センサ23aが設置されている。貯留量検知センサ23aは、貯留タンク(メインタンク11aおよびサブタンク12a)に貯留された遊技球の貯留量を検知するものであり、具体的には、0〜6(少ない〜多い)の7段階のセンサレベルで貯留量を検知する。
さらに、前記上部タンク13aは、前面側の上部左側方に島間シャッタ29を備える。島間シャッタ29は、一方の遊技機島から他方の遊技機島、すなわち遊技機島5aから他の遊技機島(この場合、遊技機島5b)へ遊技球を搬送制御する島間搬送制御手段であって、前述の移送樋と上部タンク13aの間の遊技球の流れを遮断するものである。そして、島間シャッタ29の僅か上方であって、上部タンク13aの左側面部には、当該遊技機島5aが属するBブロック5とは異なるブロックであるAブロック4に遊技球を搬送制御するブロック間搬送制御手段としてのブロック間シャッタ28が設けられている。そして、ブロック間搬送樋25aが、ブロック間シャッタ28に接続されるとともに左側方に設置された遊技機島4a(図1参照)に向かい下り傾斜して設けられている。該ブロック間搬送樋25aの下流端は、遊技機島4aに設けられた搬送球受けタンク(図3に示す搬送球受けタンク26と同一)に接続される。ブロック間搬送樋25aの上流端が接続されたブロック間シャッタ28は、ブロック間搬送樋25aと上部タンク13aの間の遊技球の流れを遮断するものである。このように、遊技機島5aは、ブロック間搬送樋25aの下り傾斜を利用することにより遊技球を下降転動させて搬送するため、一定の落差をかせぐ必要が生じる。このため、「送り手」側である遊技機島5aを構成する揚送機10aは、後述する「受け手」側である遊技機島5bを構成する揚送機10bと比較して、遊技球をより高い位置まで揚送できるように背の高い構成となっている。
そして、前述したように、揚送機10aによって揚送された遊技球が、補給樋を介して各パチンコ遊技機14aあるいは台間玉貸機等に補給され充満する。また、上部タンク13a内で遊技球の貯留高さが上昇していく過程では、先ず島間シャッタ29および移送樋を介して遊技球の島間搬送が可能となり、次いでブロック間シャッタ28およびブロック間搬送樋25aを介して遊技球のブロック間搬送が可能となる。こうして、上部タンク13aから流出した遊技球は、ブロック間搬送樋25aを転動して前記搬送球受けタンクに流入されることで、ブロック間搬送が「送り手」側から「受け手」側に向かって行われる。
なお、ブロック間シャッタ28および島間シャッタ29は、前述の貯留量検知センサ23aの検知結果(センサレベル)に基づいて遊技球を搬送制御するものである。具体的には、貯留量検知センサ23aの検知結果を示す信号あるいは、後述するブロック間搬送の「受け手」側の遊技機島4aに備えられた制御基板(図3の制御基板40bと同一)からの搬送停止信号を、制御基板40aが受信した後、該制御基板40aから送信される制御信号(一点鎖線矢印で図示)に基づいて、ブロック間シャッタ28が開閉制御されることにより、遊技球の搬送制御が行われるものである。
次に、ブロック間搬送における遊技球の「受け手」側である遊技機島5bについて、図3を参照して説明する。なお、遊技機島5bの基本的な構成は、前述の遊技機島5aと同じであるので、ここでは相違点に関してのみ説明して、他は省略する。
遊技機島5bは、左側方上面部にブロック間搬送されてきた遊技球を受け入れる搬送球受けタンク26を備え、該搬送球受けタンク26の下面部には、下方に向かって搬送ダクト27を備える。搬送ダクト27の下流端は、アウト球回収樋16bの上方且つ近傍に位置するように設けられる。また、搬送球受けタンク26の左側面部には、遊技機島4b(図1参照)から搬送球受けタンク26に遊技球をブロック間搬送するブロック間搬送樋25bが、遊技機島4bの位置する左方向に向かって上り傾斜して設けられている。なお、搬送ダクト27は、段差状の球通路に形成されている。このため、多量の遊技球がブロック間搬送樋25bから送り込まれる場合でも、搬送ダクト27内で遊技球の落下速度(衝撃)を低減させることで、アウト球回収樋16bを遊技球の衝撃から守るようになっている。
また、遊技機島5bは、左側方端面部にJC7bを備える。該JC7bは、受け入れた遊技球を計数した後でアウト球回収樋16bの上方に排出する返却口(図示しない)を備えるものである。
以上のような構成を備えた遊技機島5bにおいて、遊技機島4bからブロック間搬送樋25bを介して搬送されてきた遊技球は、ブロック間搬送樋25bの下流端から搬送球受けタンク26内に送出される。搬送球受けタンク26内の遊技球は、搬送ダクト27を介して下降搬送された後、アウト球回収樋16bの上方に放出される。また、JC7bに返却された遊技球も、計数された後でアウト球回収樋16bの上方に放出される。したがって、本実施形態では、前述したアウト球以外に、ブロック間搬送により受け入れた遊技球およびJC7bに返却された遊技球も、アウト球回収樋16bにより回収されてメインタンク11bへ導かれる。
なお、本実施形態では、JC7bの作動状態を示す作動中信号(一点鎖線で図示)が制御基板40bに送信されるようになっている。制御基板40bは、該作動中信号を受信したことを契機として搬送停止フラグを立て、これに基づいて生成される搬送停止信号(一点鎖線矢印で図示)を、前述したブロック間搬送の「送り手」側の遊技機島4bに備えられた制御基板(図2の制御基板40aと同一)に送信する。したがって、この実施形態において、遊技者が遊技球をJC7bに返却すると、返却された遊技機島5bに対してブロック間搬送を行う遊技機島4bのブロック間シャッタ(図2に示すブロック間シャッタ28と同一)が閉塞状態となって、ブロック間搬送が停止するように制御される。つまり、搬送停止フラグが立っている(ON状態)ことに基づきブロック間搬送を停止し、搬送停止フラグが立っていない(OFF状態)ことに基づきブロック間搬送を開始する。該制御に関しては、後で詳述する。また、遊技機島4bに備えられた制御基板には、貯留量検知センサによる検知結果を示す信号も送信される。
次に、この実施形態における導出部35bを含むメインタンク11bの構造について、図4を参照して説明する。なお、導出部35bは前述の導出部35aと同一の構成を有するものである。図4は、メインタンク11bの内部構造を示す正面図である。
メインタンク11bは、図4に示すように、底板33bと、前後一対の側壁板32b(後側のみ図示)と、前壁板30bと、後壁板31b(図3参照)と、から構成されるタンク基台39bにより遊技球の貯留部を形成している。底板33bは、後壁板31bから前壁板30bに向かう長手方向と、側壁板32bから図示しない前側の側壁板に向かう幅方向と、で下り傾斜状に設けられており、底板33bの上面には、バイパスレール18bと球誘導路34bとが上下二段の積層状に設けられている。バイパスレール18bは、メインタンク11b内に貯留される遊技球が混入しないような閉断面形状を成し、その上流端部は、後壁板31bに穿設された球導入口(図示しない)を介して、前述のとおりアウト球回収樋16bと連通している。また、バイパスレール18bの側壁にはバイパスレール18b内の遊技球を検知するバイパスレール内球検知センサ24bが設けられている。一方、球誘導路34bは、メインタンク11b内に貯留される遊技球を取り込むための取り込み口(図示しない)を備える。また、バイパスレール18bの下流端部は、球誘導路34bの下流端部よりも前壁板30b側に延びた位置に配されている。また、底板33bの下流端部は、前壁板30bに穿設された球導出口(図示しない)に接続されている。該球導出口は、前壁板30bに固設されるとともに揚送機10bに接続される誘導樋19bと連通している。
また、タンク基台39bの内部であって前壁板30bの側面部には、圧抜き部材38bが後壁板31b側に向かって下り傾斜して固設されている。圧抜き部材38bは、メインタンク11b内に遊技球が大量に貯留されている場合、メインタンク11bの導出部35b付近にかかる遊技球の圧力を分散させて遊技球の円滑な流下を促すものである。該圧抜き部材38bと底板33bとの間には、仕切り板36b、37bが設けられている。前壁板30bと仕切り板36bとによって仕切られた内部空間は、前壁板30bに穿設された球導入口(図示しない)と連通することで、サブタンク12b側の接続樋20bから送り込まれる遊技球の転送路を形成している。また、仕切り板36bと仕切り板37bとによって仕切られた内部空間は、前壁板30bに穿設された球導入口(図示しない)と連通することで、コンベア装置22bから送り込まれる遊技球の転送路を形成している。以上説明したように、導出部35bには、バイパスレール18bからの第1優先処理球50(黒塗りの円で図示)と、コンベア装置22bからの第2優先処理球51(2重の円で図示)と、接続樋20bからの第3優先処理球52(ハッチングの円で図示)と、球誘導路34bからの第4優先処理球53(白塗りの円で図示)とがそれぞれ送り込まれる。そして、上記したメインタンク11b(導出部35b)の構造により、第1優先処理球50、第2優先処理球51、第3優先処理球52、第4優先処理球53、の優先順位で遊技球を揚送機10bに誘導するようになっている。
したがって、本実施形態の導出部35bは、ブロック間搬送により搬送されてきた遊技球を全て含む第1優先処理球50を、アウト球回収樋17bにより回収されてサブタンク12bに貯留された第2優先処理球51あるいは第3優先処理球52よりも優先して揚送機10bに導出するものである。これにより、ブロック間における遊技球の移動処理を迅速に実施することで満タン状態となることを回避することができ、遊技球を返却する遊技者を待たせることがない。
また、前述したように、第1優先処理球50には、JC7bに返却された遊技球が全て含まれるとともに、JC7bに遊技球が返却されると遊技機島5bへのブロック間搬送が停止される。これにより、JCの処理速度を常に一定の状態に維持することができるため、遊技球を返却する遊技者を待たせることがない。
次に、本実施形態のブロック間搬送の制御方法について、図5を参照して説明する。図5は、ブロック間搬送におけるタイムチャートである。
先ず、(A)でJC7bに遊技球が返却されて計数が開始されると、JC7bから制御基板40bに送信される計数器作動中信号がON状態となる。
(B)では、受信した計数器作動中信号(ON)に基づいて、制御基板40bが搬送停止フラグをON状態にする。
(C)では、バイパスレール18b内に遊技球が停留して、バイパスレール内球検知センサ(搬送停止解除センサと図示)24bが遊技球を1秒以上継続して検出することで、バイパスレール内球検知センサ24bがON状態となる。なお、バイパスレール内球検知センサ24bによる遊技球の検出が1秒以上ないときに、バイパスレール内球検知センサ24bがOFF状態となる。
(D)では、JC7bが計数を終了して、内蔵されるプリンタによって計数値が印字されたレシート等を発券したことを契機として、JC7bから制御基板40bに送信される計数機作動中信号がOFF状態となる。
(E)では、受信した計数器作動中信号(OFF)に基づいて、制御基板40bが搬送停止フラグ解除タイマーをON状態にして所定時間の計測を開始する。当該所定時間は遊技店側で任意に変更可能なものである。
なお、(B)でON状態となった搬送停止フラグは、(F)で搬送停止フラグ解除タイマーがタイムアップしてOFF状態となった後で、(G)においてバイパスレール内球検知センサ24bがOFF状態となると、これを契機として(H)において搬送停止フラグがOFF状態となる。一方、(G)においてバイパスレール内球検知センサ24bがOFF状態となった後で、(I)において搬送停止フラグ解除タイマーがタイムアップしてOFF状態となると(一点鎖線で図示)、これを契機として(J)において搬送停止フラグがOFF状態となる。
すなわち、ON状態にある搬送停止フラグは、搬送停止フラグ解除タイマーあるいはバイパスレール内球検知センサ24bのうち、ON状態からOFF状態への変換時期の遅い方の変換を契機としてOFF状態となる。したがって、遊技機島5bへのブロック間搬送は、JC7bへの遊技球の返却に基づいて停止され、その後、搬送停止フラグ解除タイマーあるいはバイパスレール内球検知センサ24bの何れか遅い方のOFF状態に基づいて再開される。
次に、本実施形態が採用する優先制御およびバランス制御について、図6乃至図11を参照して説明する。図6は、遊技機島5b(ブロック間搬送における「受け手側」)に備えられた制御基板40bの概略説明図である。図7は、Bブロック優先制御が実行された際におけるAブロック4の遊技機島4bが備えるブロック間シャッタ(シャッターAと図示)28の制御を説明するフロー図である。図8は、Bブロック優先制御が実行された際におけるAブロック5の遊技機島5aが備えるブロック間シャッタ(シャッターBと図示)28の制御を説明するフロー図である。図9は、Bブロック優先制御が実行された際における基本パターンを説明する概略模式図である。図10は、バランス制御が実行された際におけるAブロック4の遊技機島4bが備えるブロック間シャッタ28の制御を説明するフロー図である。図11は、バランス制御が実行された際におけるAブロック5の遊技機島5aが備えるブロック間シャッタ28の制御を説明するフロー図である。
先ず、図6で示すように、本実施形態の遊技機島5bに備えられた制御基板40bは、制御切り替えスイッチ41として大別すると、バランス制御スイッチ42と優先制御スイッチ43とに分かれる。該優先制御スイッチ43は、Aブロック優先制御スイッチ43aとBブロック優先制御スイッチ43bとを含む。さらに、優先制御スイッチ43には、該優先制御スイッチ43が選択されるときにブロック間の貯留量の差であるレベル差(X=1〜3)を、レベル差1スイッチ44a、レベル差2スイッチ44b、レベル差3スイッチ44c、のうちの何れかから選択する優先制御レベル差設定スイッチ44が設けられている。図6には、レベル差(X)を1とするBブロック優先制御が選択された状態が示されている。
なお、優先制御スイッチ43が選択されたとき行われる優先制御とは、例えばAブロック4のJC6bおよびJC6dよりもBブロック5のJC7bおよびJC7dへ返却される割合が高い場合、Bブロック優先制御スイッチ43bを選択することで、Bブロック5の遊技球をAブロック4へ優先してブロック間搬送するものである。そして、該ブロック間搬送は、Aブロック4の貯留量が所定の貯留量、すなわち優先制御レベル差設定スイッチ44で選択された何れかのレベルに基づく予め定められた貯留差量に、Bブロック5の貯留量を加算した貯留量となるまで行われるものである。
次に、Bブロック優先制御が選択された際におけるAブロック4の遊技機島4bが備えるブロック間シャッタ28(以下、これをシャッターAという)の制御について図7を参照して説明する。
先ず、Bブロック5の遊技機島5bにおいて搬送停止フラグがON状態か否かの判断が行われる(ステップS10)。搬送停止フラグがON状態ならば、シャッターAを閉塞する(ステップS15)。ステップS10で搬送停止フラグがON状態でない場合、Bブロック5のセンサレベルが5以上であるか否かの判断が行われる(ステップS11)。ステップS11で5以上である場合はステップS15へ移行し、5以上でない場合は次にAブロック4のセンサレベルが5以上であるか否かの判断が行われる(ステップS12)。ステップS12で5以上である場合は、シャッターAを開放する(ステップS16)。ステップS12で5以上でない場合、続いてBブロック5のセンサレベルが1未満か否かの判断が行われる(ステップS13)。ステップS13で1未満でない場合、ステップS15へ移行してシャッターAを閉塞する。ステップS13で1未満である場合は、次にAブロックのセンサレベルが1未満か否かの判断が行われる(ステップS14)。ステップS14で1未満でない場合、ステップS16へ移行してシャッターAを開放する一方、1未満である場合はステップS15へ移行してシャッターAを閉塞する。
次に、Bブロック優先制御が選択された際におけるBブロック5の遊技機島5aが備えるブロック間シャッタ28(以下、これをシャッターBという)の制御について図8を参照して説明する。
先ず、Aブロック4の遊技機島4bにおいて搬送停止フラグがON状態か否かの判断が行われる(ステップS20)。搬送停止フラグがON状態ならば、シャッターBを閉塞する(ステップS24)。ステップS20で搬送停止フラグがON状態でない場合、Aブロック4のセンサレベルが5以上であるか否かの判断が行われる(ステップS21)。ステップS21で5以上である場合はステップS24へ移行してシャッターBを閉塞する。ステップS21で5以上でない場合は、続いてBブロック5のセンサレベルが1未満であるか否かの判断が行われる(ステップS22)。ステップS22で1未満である場合はステップS24へ移行してシャッターBを閉塞する。ステップS22で1未満でない場合は、Aブロック4のセンサレベルからBブロック5のセンサレベルを減算したレベル数が、優先制御レベル差設定スイッチ44において予め設定されたレベル数以上であるか否かの判断行われる(ステップS23)。ステップS23でAブロック4のセンサレベルからBブロック5のセンサレベルを減算したレベル数が、優先制御レベル差設定スイッチ44において予め設定されたレベル数以上である場合は、ステップS24へ移行してシャッターBを閉塞する。一方、優先制御レベル差設定スイッチ44において予め設定されたレベル数以上でない場合は、ステップS25へ移行してシャッターBを開放する。
以上、図7および図8を参照して、Bブロック優先制御が選択された際におけるシャッターAおよびシャッターBの開閉制御を説明したが、続いてシャッターAおよびシャッターBの開閉時におけるブロック間搬送の基本パターンについて、図9を参照して説明する。
図9には、Aブロック4およびBブロック5の遊技機島を模した図が示されている。略凸状に示された遊技機島の下部は、6個の長方形を積層して示され、このうち網掛けされた長方形数によって各ブロックに貯留される遊技球のセンサレベルを示唆するものである。一方、上部には上部タンクを示唆するものとして1個の長方形が図示され、さらに該長方形の対面するブロック側の辺に接して、ブロック間シャッタを示唆するものとして該長方形より小さい長方形が図示されている。該ブロック間シャッタを示唆する長方形のうち、網掛けされていないものは作動(開放)状態にあることを、また網掛けされたものは未作動(閉塞)状態にあることを示唆している。さらに、該ブロック間シャッタを示唆する長方形からは対面するブロックに向けて直線あるいは矢印が示されている。直線はブロック間搬送が行われていない状態を示唆し、矢印はブロック間搬送制御が行われている状態を示唆する。以上のことを踏まえた上で、以下に各基本パターンについて説明する。なお、この場合、レベル差(X)を1とするBブロック優先制御が選択されているものとする。
図9(A)にはシャッターBの作動(開放)時における基本パターンを示す。図9(A)上段において、Aブロック4のセンサレベルが3、Bブロック5のセンサレベルが同じく3となり、両者の差が0となる。この状態を図7のフロー図にあてはめると、ステップS13においてBブロック5のセンサレベルが1未満ではないため、ステップS15に移行してシャッターAを未作動(閉塞)状態とする。また、この状態を図8のフロー図にあてはめると、ステップS23においてAブロック4のセンサレベルからBブロック5のセンサレベルを減算した値である0は、予め設定したレベル差(X)である1以上ではないため、ステップS25に移行してシャッターBを作動(開放)状態とする。結果として、シャッターAが未作動(閉塞)状態となり、シャッターBが作動(開放)状態となることで、ブロック間搬送はBブロック5からAブロック4に対してのみ行われる。こうして、図9(A)下段に示すように、Aブロック4のセンサレベルが4に達すると、ステップS23(図8参照)において、Aブロック4のセンサレベルが4、Bブロック5のセンサレベルが3となり、両者の差が1となることから、予め設定したレベル差(X)である1以上となるため、ステップS24に移行してシャッターBが未作動(閉塞)状態となり、ブロック間搬送が停止する。
次いで、図9(B)にはシャッターAの作動(開放)時における基本パターンを示す。図9(B)上段において、Aブロック4のセンサレベルが1、Bブロック5のセンサレベルが0となる。この状態を図7のフロー図にあてはめると、ステップS14においてAブロック4のセンサレベルが1未満ではないため、ステップS16に移行してシャッターAを作動(開放)状態とする。また、この状態を図8のフロー図にあてはめると、ステップS22においてBブロック5のセンサレベルが1未満であるため、ステップS24に移行してシャッターBを未作動(閉塞)状態とする。結果として、シャッターAが作動(開放)状態となり、シャッターBが未作動(閉塞)状態となることで、ブロック間搬送はAブロック4からBブロック5に対してのみ行われる。また、図9(B)下段において、Aブロック4のセンサレベルが5、Bブロック5のセンサレベルが4となる。この状態を図7のフロー図にあてはめると、ステップS12においてAブロック4のセンサレベルが5以上であるため、ステップS16に移行してシャッターAを作動(開放)状態とする。また、この状態を図8のフロー図にあてはめると、ステップS21においてAブロック4のセンサレベルが5以上であるため、ステップS24に移行してシャッターBを未作動(閉塞)状態とする。結果として、シャッターAが作動(開放)状態となり、シャッターBが未作動(閉塞)状態となることで、ブロック間搬送はAブロック4からBブロック5に対してのみ行われる。
次いで、図9(C)にはシャッターA、Bの未作動(閉塞)時における基本パターンを示す。図9(C)上段において、Aブロック4のセンサレベルが0、Bブロック5のセンサレベルが0となる。この状態を図7のフロー図にあてはめると、ステップS14においてAブロック4のセンサレベルが1未満であるため、ステップS15に移行してシャッターAを未作動(閉塞)状態とする。また、この状態を図8のフロー図にあてはめると、ステップS22においてBブロック5のセンサレベルが1未満であるため、ステップS24に移行してシャッターBを未作動(閉塞)状態とする。結果として、シャッターAとシャッターBが共に未作動(閉塞)状態となることで、ブロック間搬送は行われない。また、図9(B)下段において、Aブロック4のセンサレベルが5、Bブロック5のセンサレベルが5となる。この状態を図7のフロー図にあてはめると、ステップS11においてBブロック4のセンサレベルが5以上であるため、ステップS15に移行してシャッターAを未作動(閉塞)状態とする。また、この状態を図8のフロー図にあてはめると、ステップS21においてAブロック4のセンサレベルが5以上であるため、ステップS24に移行してシャッターBを未作動(閉塞)状態とする。結果として、シャッターAとシャッターBが共に未作動(閉塞)状態となることで、ブロック間搬送は行われない。
以上、優先制御が選択された場合の制御状態について、Bブロック優先制御を例示して説明したが、次にバランス制御が選択された際におけるAブロック4の遊技機島4bが備えるブロック間シャッタ28(シャッターA)の制御について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、先ず、Bブロック5の遊技機島5bにおいて搬送停止フラグがON状態か否かの判定が行われる(ステップS30)。ステップS30において搬送停止フラグがON状態であればシャッターAを閉塞する(ステップS42)。ステップS30において搬送停止フラグがON状態でなければ、Aブロック4のセンサレベルが5以上か否かの判定が行われる(ステップS31)。Aブロック4のセンサレベルが5以上である場合、次にBブロック5のセンサレベルが5以上か否かの判定が行われる(ステップS32)。Bブロック5のセンサレベルが5以上である場合はステップS42に移行してシャッターAを閉塞する。Bブロック5のセンサレベルが5以上でない場合はシャッターAを開放する(ステップS41)。ステップS31においてAブロック4のセンサレベルが5以上でない場合、次にAブロック4のセンサレベルが4以上か否かの判定が行われる(ステップS33)。Aブロック4のセンサレベルが4以上である場合、次にBブロック5のセンサレベルが4以上か否かの判定が行われる(ステップS34)。Bブロック5のセンサレベルが4以上である場合はステップS42に移行してシャッターAを閉塞する。一方、Bブロック5のセンサレベルが4以上でない場合はステップS41へ移行してシャッターAを開放する。
ステップS33においてAブロック4のセンサレベルが4以上でない場合、次にAブロック4のセンサレベルが3以上か否かの判定が行われる(ステップS35)。Aブロック4のセンサレベルが3以上である場合、次にBブロック5のセンサレベルが3以上か否かの判定が行われる(ステップS36)。Bブロック5のセンサレベルが3以上である場合はステップS42に移行してシャッターAを閉塞する。一方、Bブロック5のセンサレベルが3以上でない場合はステップS41へ移行してシャッターAを開放する。ステップS35においてAブロック4のセンサレベルが3以上でない場合、次にAブロック4のセンサレベルが2以上か否かの判定が行われる(ステップS37)。Aブロック4のセンサレベルが2以上である場合、次にBブロック5のセンサレベルが2以上か否かの判定が行われる(ステップS38)。Bブロック5のセンサレベルが2以上である場合はステップS42に移行し、Bブロック5のセンサレベルが2以上でない場合はステップS41へ移行してシャッターAを開放する。
ステップS37においてAブロック4のセンサレベルが2以上でない場合、次にAブロック4のセンサレベルが1以上か否かの判定が行われる(ステップS39)。Aブロック4のセンサレベルが1以上である場合、次にBブロック5のセンサレベルが1以上か否かの判定が行われる(ステップS40)。Bブロック5のセンサレベルが1以上である場合はステップS42に移行してシャッターAを閉塞する。一方、Bブロック5のセンサレベルが1以上でない場合はステップS41へ移行してシャッターAを開放する。ステップS39においてAブロック4のセンサレベルが1以上でない場合はステップS42に移行してシャッターAを閉塞する。
次に、バランス制御が選択された際におけるBブロック5の遊技機島5aが備えるブロック間シャッタ28(シャッターB)の制御について、図11を参照して説明する。
図11に示すように、先ず、Aブロック4の遊技機島4bにおいて搬送停止フラグがON状態か否かの判定が行われる(ステップS50)。ステップS50において搬送停止フラグがON状態であればシャッターBを閉塞する(ステップS62)。ステップS50において搬送停止フラグがON状態でなければ、Bブロック5のセンサレベルが5以上か否かの判定が行われる(ステップS51)。Bブロック5のセンサレベルが5以上である場合、次にAブロック4のセンサレベルが5以上か否かの判定が行われる(ステップS52)。Aブロック4のセンサレベルが5以上である場合はステップS62に移行してシャッターBを閉塞する。一方、Aブロック4のセンサレベルが5以上でない場合はシャッターBを開放する(ステップS61)。ステップS51においてBブロック5のセンサレベルが5以上でない場合、次にBブロック5のセンサレベルが4以上か否かの判定が行われる(ステップS53)。Bブロック5のセンサレベルが4以上である場合、次にAブロック4のセンサレベルが4以上か否かの判定が行われる(ステップS54)。Aブロック4のセンサレベルが4以上である場合はステップS62に移行してシャッターBを閉塞する。一方、Aブロック4のセンサレベルが4以上でない場合はステップS61へ移行してシャッターBを開放する。
ステップS53においてBブロック5のセンサレベルが4以上でない場合、次にBブロック5のセンサレベルが3以上か否かの判定が行われる(ステップS55)。Bブロック5のセンサレベルが3以上である場合、次にAブロック4のセンサレベルが3以上か否かの判定が行われる(ステップS56)。Aブロック4のセンサレベルが3以上である場合はステップS62に移行し、Aブロック4のセンサレベルが3以上でない場合はステップS61へ移行する。ステップS55においてBブロック5のセンサレベルが3以上でない場合、次にBブロック5のセンサレベルが2以上か否かの判定が行われる(ステップS57)。Bブロック5のセンサレベルが2以上である場合、次にAブロック4のセンサレベルが2以上か否かの判定が行われる(ステップS58)。Aブロック4のセンサレベルが2以上である場合はステップS62に移行してシャッターBを閉塞する。一方、Aブロック4のセンサレベルが2以上でない場合はステップS61へ移行してシャッターBを開放する。
ステップS57においてBブロック5のセンサレベルが2以上でない場合、次にBブロック5のセンサレベルが1以上か否かの判定が行われる(ステップS59)。Bブロック5のセンサレベルが1以上である場合、次にAブロック4のセンサレベルが1以上か否かの判定が行われる(ステップS60)。Aブロック4のセンサレベルが1以上である場合はステップS62に移行してシャッターBを閉塞する。一方、Aブロック4のセンサレベルが1以上でない場合はステップS61へ移行してシャッターBを開放する。ステップS59においてBブロック5のセンサレベルが1以上でない場合はステップS62に移行してシャッターBを閉塞する。
以上のように、本実施形態の構成によれば、ブロック間搬送樋25bから受け入れた遊技球あるいはJC7bへ返却された遊技球を揚送機10bにより優先して揚送することが可能となる。これにより、遊技球の移動処理を迅速に実施することで、JC7bを備えた遊技機島5b内で遊技球の満タン状態となることを回避することができる。従って、JC7bに多量の遊技球が返却された場合でも、JC7bで遊技球の受け入れ動作を中止することがなく、JC7bに遊技球を返却するときに遊技者を待たせることがない。
また、Bブロック5において、他のAブロック4から搬送される遊技球を一時的に遮断し、優先してJC7bから受け入れた遊技球を処理することが可能になり、JC7bの処理速度を常に一定の状態に維持することができる。
また、本実施形態の構成によれば、ブロックA,B間における遊技球の搬送制御を停止した後、所定時間経過後に遊技球の搬送制御を再開したり、JC7bから送り込まれた遊技球のメインタンク11b(バイパスレール18b)内での残留状態に基づいて遊技球の搬送制御を再開するようになっている。このため、たとえ短時間に集中して多量の遊技球がJC7bに返却されたとしても、他のAブロック4から搬送される遊技球を適正な状態でメインタンク11bに貯留するための時間を稼ぐことができる。このため、JC7bから遊技球が返却された後に他のAブロック4から遊技球が搬送されることでメインタンク11bが満タン状態になることを防止することができる。また、遊技球がメインタンク11b内に停滞した状態で更に遊技球が搬送されると停留した遊技球に圧力が加わり球詰まりの原因となることもあるが、このような球詰まりを未然に防止することができる。
なお、本実施形態では、図1に示したように、Aブロック4とBブロック5相互のブロック間搬送を、2組の遊技機島間における遊技球の移動、すなわち遊技機島5aから遊技機島4aへの移動、遊技機島4bから遊技機島5bへの移動により実現する方法を説明したが、この構成に限定するものではない。例えば、図12に示すような構成であってもよい。図12は、ブロック間搬送を、1組の遊技機島間における遊技球の移動により実現した場合の遊技機島の模式図である。図12において、Aブロック104とBブロック105相互のブロック間搬送は、1組の遊技機島間、すなわち遊技機島104aと遊技機島105aの間において送受(矢印で図示)される。該遊技機島104a、105aは、ブロック間搬送に関する「送り手」側および「受け手」側の機能を備えるものである。このように、Aブロック104とBブロック105相互のブロック間搬送を、1組の遊技機島間における遊技球の移動により実現するものであってもよい。