JP4534020B2 - Molecular beam equipment - Google Patents
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Description
本発明は、化学的に安定な金属クラスター錯体等の多核金属分子を用いることにより、基板の超精密加工や修飾に利用できる多核金属分子ビーム装置に関する。 The present invention relates to a polynuclear metal molecular beam apparatus that can be used for ultraprecision processing and modification of a substrate by using a polynuclear metal molecule such as a chemically stable metal cluster complex.
横方向エッチング等、クラスターの優れた特性を利用して、基板を超精密に加工するためにクラスターイオンビーム装置が用いられるが、従来の公知のクラスタービーム源では、例えば、特開2002−38257号公報、特開2001−158956号公報に記載されているように、化学的に不安定な希ガスクラスターを用いているために、安定したビームを得るのが困難であった。
また、クラスターを基板上に堆積させ薄膜を調製する目的で用いられる従来のクラスターイオンビーム装置では不活性ガス雰囲気下で気化した原子の衝突会合を利用するため、クラスターのサイズを揃えるのが困難であった。
更に、クラスターを生成させるための装置が大がかりになるといった問題があった。
In addition, the conventional cluster ion beam apparatus used for the purpose of depositing clusters on a substrate and preparing a thin film uses collisional association of atoms vaporized in an inert gas atmosphere, so it is difficult to make the sizes of the clusters uniform. there were.
Furthermore, there is a problem that an apparatus for generating a cluster becomes large.
本発明は、化学的に安定な金属クラスター錯体等の多核金属分子を使うことによって、サイズの揃ったクラスターのビームを安定に得るとともに、装置の小型化を実現することを目的とする。 It is an object of the present invention to stably obtain a cluster beam having a uniform size and to reduce the size of the apparatus by using a polynuclear metal molecule such as a chemically stable metal cluster complex.
(1)本発明の多核金属分子ビーム装置は、多核金属分子を用いてイオンビームを生成する装置において、多核金属分子を気化させると同時にイオン化することを特徴としている。
(2)また、本発明の多核金属分子ビーム装置は、上記(1)において、多核金属分子をレーザーアブレーションによりイオン化することを特徴としている。
(1) The polynuclear metal molecular beam apparatus of the present invention is characterized in that, in an apparatus for generating an ion beam using polynuclear metal molecules, the polynuclear metal molecules are vaporized and ionized at the same time.
(2) Further, the polynuclear metal molecular beam apparatus of the present invention is characterized in that, in the above (1), the polynuclear metal molecule is ionized by laser ablation.
本発明は、化学的に安定な金属クラスター錯体等の多核金属分子を使うことによって、サイズの揃ったクラスターのビームを安定に得るとともに、装置の小型化を実現することができる。 In the present invention, by using a polynuclear metal molecule such as a chemically stable metal cluster complex, a cluster beam having a uniform size can be stably obtained, and the apparatus can be downsized.
以下、本発明による実施の形態を図面に基づき説明する。 Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
図1は、本発明による実施の形態1を示したものであり、Rh4(CO)12等の蒸気圧を有する多核金属分子に適応した例である。
Rh4(CO)12等の多核金属分子1は、小型ルツボ2の中に充填されている。小型ルツボ2の温度を高精度に制御することによって、均一な多核金属分子蒸気3を得ることができる。蒸気となった多核金属分子は、小型ルツボ2の上部から上昇してイオン化室4の部分で電子衝撃、光照射、放電,電界,電荷移動等によってイオン化される。
FIG. 1 shows Embodiment 1 according to the present invention, which is an example applied to a polynuclear metal molecule having a vapor pressure such as Rh 4 (CO) 12 .
A polynuclear metal molecule 1 such as Rh 4 (CO) 12 is packed in a
図2は、電子衝撃により多核金属分子がイオン化される状態を示したものであり、イオン化室4には、通電されると熱電子が生じるタングステン等からなるフィラメント5およびタンタル等からなる対向電極6が備えられている。
フィラメント5に通電することにより生じた熱電子は対向電極6に印加される電圧(数十〜100V程度)によって矢印8の方向に加速され、矢印7方向に上昇してくる多核金属分子蒸気3と衝突する。エネルギーを持った電子の衝突により、多核金属分子はイオン化される。
FIG. 2 shows a state in which polynuclear metal molecules are ionized by electron impact. In the ionization chamber 4, a
The thermoelectrons generated by energizing the
図3は、光照射により多核金属分子がイオン化される状態を示したものであり、イオン化室4には、合成石英製等の窓9から集束レンズ10で集束されたエキシマレーザー等の光11が照射されるようになっている。矢印7方向に上昇してくる多核金属分子蒸気3はレーザー等の光11を照射されて単光子あるいは多光子イオン化によって、イオン化される。
FIG. 3 shows a state in which polynuclear metal molecules are ionized by light irradiation. In the ionization chamber 4,
図4、5は、[NEt4]2[Pt12(CO)24]等の蒸気圧を持たない多核金属分子をイオン化するところの別の実施の形態を示したものであり、高励起電子(Rydberg電子)の電荷交換を用いてイオン化される状態を示している。
多核金属分子をテトラヒドロフラン(THF)等の適当な溶媒に溶解後、キャピラリー12に導入し、スキマー13から差動排気すると、キャピラリー出口14から多核金属分子溶液のミスト15が発生する。
一方、小型ルツボ2を用いてセシウム16の蒸気17を発生させる。
図5に示すように、色素レーザー等の光11を集束レンズ10により集束して窓9を通してセシウム蒸気17に照射すると、セシウム蒸気17は高励起状態18となる。 多核金属分子3のミスト15は、イオン化室4において高励起状態のセシウム原子18と衝突し、電荷を受け取ることによって、イオン化される。
4 and 5 show another embodiment in which a polynuclear metal molecule having no vapor pressure such as [NEt 4 ] 2 [Pt 12 (CO) 24 ] is ionized, and highly excited electrons ( Rydberg electrons) are ionized using charge exchange.
After the polynuclear metal molecule is dissolved in a suitable solvent such as tetrahydrofuran (THF), introduced into the
On the other hand,
As shown in FIG. 5, when
イオン化された多核金属分子19は、図6(a)に示すように、イオン化された多核金属分子19と逆電荷で数百〜数キロボルトの電圧を印加されたタンタル等からなる加速電極20の作る電場によって矢印の方向に加速され、出口25の方向に向かう。
加速された多核金属分子イオン19は、図6(b)に示すように、多核金属分子イオンと同電荷の電圧を印加された収束電極21の作る電場によって軌道を曲げられ、収束される。収束電極21に印加する電圧が高いほど強く曲がるので、印加する電圧を制御することによってビームのサイズ,形を制御することができる。
加速・収束された多核金属分子イオン19のビームは、図6(c)に示すように、該多核金属分子イオンと同電荷の電圧を印加された走査電極22および多核金属分子イオンと逆電荷の電圧を印加された走査電極23の作る電場によって軌道を曲げられる。その際、電場の強さを制御することによって、多核金属分子イオンビームの走査を制御することができる。。
多核金属分子イオン19に高い運動エネルギーを与えると、エッチングによる基板の加工の可能なビームとなる。
また、金属クラスター錯体イオン19に与える運動エネルギーを小さくすると、基板表面への堆積が可能なビームとなる。
As shown in FIG. 6A, the ionized
As shown in FIG. 6B, the accelerated multinuclear metal
As shown in FIG. 6C, the beam of the accelerated and converged polynuclear metal
When a high kinetic energy is given to the polynuclear metal
Further, when the kinetic energy given to the metal
図7は、本発明による実施の形態3を示したものであり、[NEt4]2[Pt12(CO)24]等の蒸気圧を持たない多核金属分子に適応した例である。
多核金属分子はテトラヒドロフラン(THF)等の適当な溶媒に溶解後、キャピラリー12に導入される。キャピラリー12の周囲に形成された外周通路26から窒素等の不活性ガスを放出することによって、キャピラリー出口14から多核金属分子を含む溶液のミスト15を発生させる。キャピラリー出口14の前方には少し離れてミスト15の軸方向のみの並進速度をもつ流れを取り出すためのスキマー13が設けられている。そして、キャピラリー出口14とスキマー13との間に数kVの高電圧を印加することにより多核金属分子のミスト15に電荷を持たせることができる。
一方、スキマー13に設けられた円周通路28の外周から乾燥した窒素ガスを吹き付けて溶媒を蒸発させると、気相の多核金属分子イオン19を得ることができる。イオンとなった多核金属分子は実施の形態1および2と同様に加速、収束されビームとして放出される。
FIG. 7 shows
The polynuclear metal molecule is dissolved in a suitable solvent such as tetrahydrofuran (THF) and then introduced into the
On the other hand, when the dried nitrogen gas is blown from the outer periphery of the
難溶性でかつ、蒸気圧を持たないあるいは蒸気圧が小さい多核金属分子では、MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization)と呼ばれる手法を利用して実施する。
図8に示すように、この手法では、多核金属分子の粉末を流動パラフィン等のマトリックス29に分散させ、セットしておく。YAGレーザー等、強力なレーザー光11を集束レンズ10で集束し、窓9を通して多核金属分子の粉末の分散された流動パラフィン等のマトリックス29に照射する。この照射により、マトリックス共々アブレーションを起こさせ、多核金属分子を気化させると同時にイオン化する。ヘリウムガス30をパルスバルブ31によりタイミングを同期させて出射し、スキマー13を通して、真空系に導入する。その後、多核金属分子イオンは、加速、収束されビームとして放出される。
For polynuclear metal molecules that are sparingly soluble and have no vapor pressure or low vapor pressure, a method called MALDI (Matrix Assisted Laser Desorption Ionization) is used.
As shown in FIG. 8, in this method, a powder of polynuclear metal molecules is dispersed in a
図9に難溶性でかつ蒸気圧の小さいRh6(CO)16を流動パラフィンに分散させ、355nmのレーザー光を照射して気化させた蒸気の質量分析結果を示す。質量数1066のRh6(CO)16 から配位子であるCOに対応する28毎にピークが観察されており、多核金属分子が金属骨格を保ったままイオンビームとして得られることが証明された。 FIG. 9 shows the results of mass spectrometry of the vapor obtained by dispersing Rh 6 (CO) 16, which is poorly soluble and having a low vapor pressure, in liquid paraffin and irradiating it with a 355 nm laser beam. From Rh 6 (CO) 16 having a mass number of 1066, a peak was observed every 28 corresponding to the ligand CO, and it was proved that a polynuclear metal molecule was obtained as an ion beam while maintaining the metal skeleton. .
1 多核金属分子
2 小型ルツボ
3 多核金属分子蒸気
4 イオン化室
5 フィラメント
6 対向電極
9 窓
10 集束レンズ
11 レーザー
12 キャピラリー
13 スキマー
14 キャピラリー出口
15 ミスト
16 セシウム
17 セシウム蒸気
18 高励起状態のセシウム原子
19 多核金属分子イオン
20 加速電極
21 収束電極
22、23 走査電極
25 出口
26 外周通路
28 円周通路
29 マトリックス
30 ヘリウムガス
31 パルスバルブ
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