本発明は、テレビなどの情報処理装置を遠隔操作するために用いるリモコン装置に関する。
昨今、大画面で高画質の表示器を備えたデジタルテレビが普及しつつある。こうしたデジタルテレビでは、デジタル放送による高画質な放送番組の視聴や、データ放送による付加情報サービスの視聴、インターネットのブラウジング等が可能となっている。またそれらに加え、これまで紙メディアに出力して鑑賞していたデジタル静止画をデジタルテレビの大画面で視聴するニーズが高まっている。デジタルカメラで撮影した静止画は、例えばメモリカードなどの情報記憶媒体を経由してデジタルテレビに送られ、デジタルテレビの画像表示機能を通じてテレビの表示画面に表示される。ユーザは大量に撮影された静止画の中から目的の静止画を選択して画面に表示させるなどの行為を実行することができる。
図13はこうしたデジタルテレビの構成を示した図である。図において、600はデジタルテレビ本体である。図示しないデジタル放送の受信アンテナやCATV放送のケーブルが接続され、受信した放送信号に基づいた放送映像を表示器601に表示する。また受信した放送信号に基づいた音声出力を図示しないスピーカによって出力する。
602はメモリカード装着手段であるカードスロットである。デジタルカメラで撮影した画像データ等を格納した着脱型メモリカードをこのスロットを通じて装着することで、メモリカードに保持された画像データを読み込み、表示器601に表示することが可能である。603はリモコン受信部である。リモコン受信部603はリモコン送信機700が送信する制御信号を受信する。リモコン受信部603が受信した制御信号に基づいて、デジタルテレビの動作が制御され、ユーザのリモコン操作に基づくテレビ動作サービスがユーザに提供される。
テレビ放送視聴に関わる操作は、図14に示すリモコン送信器700によって行なわれる。図14の701はデジタルテレビ600の電源のオン/オフを操作する電源ボタンである。また、702は1から12の数字が表示されたボタンであり、ボタンごとに予め設定された放送チャンネルの選局を指示するプリセット選局ボタンである。また、703は放送チャンネルを前後のチャンネルへ順次切り替える操作を行なうチャンネル切替ボタンである。また、704は音量を増大あるいは減少させる指示を行なう音量調整ボタンである。また、705は音量を遮断、または元の音量に回復させる操作を行なう消音ボタンである。
従来から、一般的なリモコン送信器はユーザが片手で把持して操作することを前提としているため、図14のリモコン送信器700のように、把持した状態で操作しやすい略直方体の筐体となっている。そして、ユーザは操作対象となるテレビ600に対して筐体の長手方向を向けて操作する。そのため、リモコン送信器700から制御信号を送出する送信部706は筐体の長手方向の略端部に設けられるのが一般的である。
また、特許文献1や特許文献2に開示されているような、筐体の表面と裏面に操作部を配置するように構成したリモコン送信器も既に知られている。
しかしながら、上述したように、現在主流となりつつあるデジタルテレビではテレビ放送の受信・表示だけでなく、様々な機能が付加されてきていることから、リモコン送信器もそれらの機能を制御可能とする必要がある。機能の増加は操作手段としてのボタンやキーを増加させることに繋がり、結果としてリモコン送信器が大型化したり、操作が複雑化することになる。さらに、テレビ視聴以外の拡張機能にとって、テレビ視聴と同様のリモコン操作や操作部の配置が好適であるとは限らない。例えば、双方向性のデータ放送やインターネット操作は、通常のテレビ視聴とは異なる操作入力系が必要となることが多い。また、画像表示のアプリケーションを有するテレビを操作するリモコン送信器は、多数の画像から任意の画像を選択する操作や表示等の操作が必要となる。
そのため、昨今のリモコン送信器はテレビ視聴のための操作入力系だけでなく、文字入力用のキーボードやコンピュータのマウスコントローラ等と同等の操作性を有する操作入力系をリモコン装置に設けなければならない。これは例えば、別個に存在しているテレビ用リモコン装置とキーボード等をリモコン装置として好適なサイズの筐体に共に設けることを意味する。
こうした課題を解決する方策の一つとして、特許文献3には、リモコン装置本体に開閉自在な扉体を設け、扉体を閉じた状態では筐体を長尺方向で操作し、扉体を開けた状態では筐体を短尺方向で操作する構成が開示されている。この特許文献に記載されたリモコン送信装置は、長尺方向と短尺方向それぞれで操作を行うため、筐体の長尺方向と短尺方向端部にそれぞれ赤外線発光部を設けている。そして、扉体の開閉を検知することで、2つの発光部のどちらを用いるかを切り替えることにより、電池寿命の向上を図っていることが開示されている。
さらに、特許文献4には、送信光を異なる方向に発信する複数の発光部を設けたリモコン装置が開示されている。このリモコン装置の内部には、各発光部に対応して設けられた複数のスイッチが存在しており、操作釦の操作信号に応じて、スイッチがオン状態の発光部から送信光が発信されることにより、設置場所の自由度を高めることが可能となることが記載されている。
特開平8−023588号公報
特開2001−000494号公報
特開2000−004172号公報
特開2000−041000号公報
以上説明したように、リモコン送信器は、複数面への操作部の配置や、縦方向だけでなく機能に応じて横方向にも使用する操作形態などの特徴を有するようになっている。特に、リモコン送信器を操作する機能に応じて縦方向と横方向双方の操作形態とすることで、ユーザの利便性や直感的な操作性を高めることができる。
しかしながら、リモコン送信器の表面と裏面に操作部を設け、かつ表面と裏面とで異なる操作方向での利用を考慮した場合、長手方向の送信部と短手方向の送信部の制御を操作部に応じて実行することは今まで考慮されていなかった。特許文献3に開示のリモコン送信装置では箱状の本体の扉体の開閉を検知して長尺方向の送信部と短尺方向の送信部を選択的に切り換える構成を採用している。しかしながら、本構成は操作部とは異なる扉体の開閉が操作方向と等価であることから可能な構成である。よって、筐体の表面と裏面とに操作部が設けられている場合には、複数存在する送信部の制御をどのように実行するかという点については何ら考慮されていない。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、被制御装置に設けられた受信機に制御信号を送信し、被制御装置をコントロールするリモコン装置であって、当該リモコン装置の筐体表面に設けられた複数の操作部と、前記筐体に複数設けられ、夫々異なる方向に制御信号を送信する信号送信部と、前記複数の操作部のうち、操作された操作部から出力される操作信号に基づいて、前記複数の信号送信部のうち、前記操作された操作部に対応する信号送信部から制御信号を送信するための制御を行う制御部と、を有し、前記複数の信号送信部は、前記筐体の長尺側側面に設けられた第1の信号送信部及び前記筐体の短尺側側面に設けられた第2の信号送信部とを少なくとも含み、前記複数の操作部は、前記筐体の第1の面に設けられた第1の操作部と、前記第1の面と反対側の面に設けられた第2の操作部とを少なくとも含み、前記制御部は、前記第1の操作部が操作された場合には前記第1の信号送信部から前記制御信号を送信する制御を実行し、前記第2の操作部が操作された場合には前記第2の信号送信部から信号を送信する制御を実行することを特徴とする。
また、本発明は、被制御装置に設けられた受信機に制御信号を送信し、被制御装置をコントロールするリモコン装置であって、当該リモコン装置の筐体表面に設けられた複数の操作部と、前記筐体に複数設けられ、夫々異なる方向に制御信号を送信する信号送信部と、前記筐体の短尺側の両方の端部に夫々設けられ、当該端部をユーザが把持しているか否かを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記複数の操作部のいずれかが操作された際、前記複数の信号送信部のうち、ユーザによる前記筐体の把持状態に対応して予め定められた管理情報を用いて決定される信号送信部から制御信号を送出する制御を実行する制御手段と、を有し、前記複数の信号送信部は、前記筐体の長尺側側面に設けられた第1の信号送信部及び前記筐体の短尺側側面に設けられた第2の信号送信部とを少なくとも含み、前記複数の操作部は、前記筐体の第1の面に設けられた第1の操作部と、前記第1の面と反対側の面に設けられた第2の操作部とを少なくとも含み、前記制御部は、前記検出部によって前記両方の端部のうち、少なくともいずれか一方をユーザが把持していることが検出された場合には、前記管理情報を用いて、操作される操作部は前記第1の操作部であると判断し、前記第1の信号送信部から前記制御信号を送信する制御を実行し、前記両方の端部ともユーザが把持していない場合には、前記管理情報を用いて、操作される操作部は前記第2の操作部であると判断し、前記第2の信号送信部から前記制御信号を送信する制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、複数の操作部と複数の信号送信部を備えるリモコン装置を用いる場合においても、消費電力の増大を招くことなく、適切に信号を送出することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、複数の実施例を用いて説明する。なお、後述する以下の各実施例では、リモコン送信装置によって制御される被制御装置(情報処理装置)としてデジタルテレビを例に挙げて説明するが、本発明のリモコン送信装置の被制御装置はデジタルテレビに限定されるものではない。
まず、実施例1を複数の図面を用いて説明する。
(デジタルテレビの構成)
図1は本発明の実施例における被制御装置としてのデジタルテレビの構成を示した図である。100はデジタルテレビ本体であり、図示しないデジタル放送の受信アンテナやCATV放送のケーブルが接続され、受信した放送信号に基づいた放送映像を表示器101に表示する。また受信した放送信号に基づいた音声出力を図示しないスピーカによって出力する。
表示器101は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイを含むマトリクス電極構造を持つフラットパネルや、ブラウン管によるCRTなどで構成される。102はメモリカード装着手段のカードスリットである。画像データを格納した着脱型メモリカードをこのスロットを通じて接続して、撮影時刻情報などの付加情報を含む撮影された画像データを読み込む。読み取った画像データに基づく静止画および動画は表示器101に表示することが可能である。また動画に伴う音声を図示しないスピーカによって出力する。
103はリモコン受信部である。制御装置としてのリモコン送信装置200から送信される制御信号を受信し、当該制御信号に基づいてデジタルテレビの各種動作が制御される。なお、以後の記載では制御信号として赤外線の利用を前提とするが、本発明の制御信号は赤外線に限定されるものではない。
図2はユーザ操作に基づく赤外信号を送信してデジタルテレビ100の動作をコントロールするためのリモコン送信装置の外観を示す図である。図2(b)をリモコン送信装置の表面(第1の面)し、図2(d)を裏面(第2の面)とする。また、図2(a)と図2(c)がそれぞれ長手方向の側面を示す。なお、表面と裏面は説明の便宜上定義したものであり、どちらを表面とするかは本発明の本質ではない。
リモコン送信装置200は、表面にデジタルテレビ100の電源のオン/オフを操作する電源ボタン204と、デジタルテレビ100に画像データの表示動作の開始を指示するPhotoボタン205を備えている。また、デジタルテレビの表示器101に表示されるカーソルを上下左右方向に移動するように指示を行う方向指示スティック202と、カーソルを所定の順序に従って移動させる指示を行うホイール201を備えている。また、カーソルにより選択された対象に対して所定の決定指示などを行うSETボタン207と、選択を取り消し、所定の処理に戻る動作を指示するBACKボタン206を備える。さらに、後で説明する画像データの表示形態の変更を指示するDISPボタン203を備える。これら、表面に備えられた操作部を第1の操作部と称する。
またリモコン送信装置の筐体裏面には、デジタルテレビ100の電源のオン/オフを操作する電源ボタン210と、デジタルテレビ放送のチャンネル変更と音声出力の音量を増減するための十字ボタン214を備える。また、電子番組表の表示といった、映像以外の情報を表示させる指示を行うINFOボタン211を備える。また、音量を遮断、または元の音量に回復させる指示を行うMUTEボタン212を備える。213は所定の入力を指示するINPUTボタンである。これら、裏面に備えられた操作部を第2の操作部と称する。
図2の208はリモコン送信装置の表面に備えるボタンの操作に応じて赤外信号を出力する赤外送信部A(第1の信号送信部)である。この送信部Aから送出される赤外信号の方向は図2(a)における紙面と略鉛直の方向である。また、209はリモコン送信装置の裏面に備えるボタンの操作に応じて赤外信号を出力する赤外送信部B(第2の信号送信部)である。この送信部Bから送出される赤外信号の方向は図2(c)の矢印に示すように、リモコン送信装置200の略長手方向である。
このように、リモコン送信装置200には複数の制御信号送信部を備えており、筐体の複数の面に設けられた操作部に夫々対応して信号を送出するように構成されている。
図3は、デジタルテレビ100においてテレビ放送の視聴を行う場合に表示器101に表示される表示画面の一例を示す図である。テレビ放送視聴の際には、受信可能な複数のテレビ放送信号の中から選択されたテレビ放送信号に基づく映像が表示器101に表示される。111は受信中の放送のチャンネルをユーザに示すチャンネル表示である。ユーザがチャンネルを変更するには、リモコン送信装置200の十字ボタン214の右または左側を操作(押下)する。それにより、リモコン送信装置からボタンに対応した赤外信号が送信される。デジタルテレビ100は、リモコン受信部103で受信した信号に従って受信チャンネルが変更される。一般的には、チャンネルの変更後一定の時間こうしたチャンネル表示が表示器101に表示される。
112は音量レベル表示である。チャンネルの変更と同様、ユーザによるリモコン送信装置200の十字ボタン213の上または下側を操作する。それにより、デジタルテレビの音量出力のレベルが増大、または減少する。それとともに音声レベルの表示がユーザの操作後一定時間行われる。図3においてはチャンネル表示111、音量レベル表示112が同時に表示されるように図示されているが、必ずしも同時に表示される訳ではない。
こうしたテレビ放送視聴に関わる操作は、リモコン送信装置200の長手方向をテレビに向けるように片手で把持し、図2(d)に示すリモコン送信装置200の裏面に設けられたボタンを操作することで実行される。即ち、ユーザは従来のテレビの操作方法と変わりない方法でチャンネルの切り替えや音量の調整を行うことができる。なお、リモコン送信装置200の長手方向がデジタルテレビ100の方向に向けられて操作されるため、図2に示す通り、リモコン送信装置200の長手方向の端部に設けられた赤外送信部B209から赤外信号が送出される。
一方、図4はデジタルカメラ等で撮影した画像データをデジタルテレビで視聴する場合に表示器101に表示される表示画面の様子を示す図である。デジタルテレビ100における画像データの表示動作は、リモコン送信装置200のPhotoボタン205の操作によって起動される。具体的には、Photoボタン205の押下により、デジタルテレビに設けられた画像再生用アプリケーションプログラムが動作することになる。このアプリケーションプログラムは予めリモコン送信装置200の各操作ボタンやホイールなどに関連付けて動作するように設計されている。
画像データ表示動作が開始されるとき、カードスロット102に接続されたメモリカードに格納された画像データは、画像データの付加情報に含まれる撮影日付時刻データに基づいて、カレンダーメタファーを用いて表示される。即ち、図4(a)は8月のカレンダー121を画面に表示すると同時に、カレンダー上の日付ごとに、その日の撮影日付時刻情報をもつ画像データがあるかどうかが示される。図の122は、該当する日の撮影日付情報をもった画像データがあることを示す表示である。123はカーソル表示であり、カレンダー上の任意の日を選択することができる。ユーザはリモコン送信装置200の方向指示スティック202を上下あるいは左右に倒してカーソル123の表示位置を希望する日へ移動させる。あるいは、ホイール201を時計方向に回転操作することによりカーソル123を日付が進む方向に高速に移動させることができる。またホイール201を反時計方向に回転操作することによりカーソル123を過去の日付に向かって順次高速に移動させることができる。カーソル123で希望の日付を選択した状態で、SETボタン207を押下することにより、カーソル123で選択された日に撮影日付時刻情報を持つ画像の一覧表示へ遷移することができる。
図4(b)は画像の一覧表示を行う画面表示の様子を示す図である。図4(a)のカレンダー上で指定した日の撮影日付時刻情報を持つ画像データのサムネイル画像131が撮影日付時刻情報の昇順に並べて表示される。132はこの画面におけるカーソルであり、一覧表示されたサムネイル画像の中から単独で表示すべき画像データを選択する。ユーザはリモコン送信装置200の方向指示スティック202を上下あるいは左右に倒してカーソ132の表示位置を希望するサムネイル画像へ移動させることができる。あるいはホイール201を時計方向に回転操作することによりカーソル132を撮影時刻を進める方向に高速に移動させることができる。または、ホイール201を反時計方向に回転操作することによりカーソル132を撮影時刻を過去に遡る標高に順次高速に移動させることができる。希望のサムネイル画像をカーソル132で選択した状態で、SETボタンを押下することにより、選択された画像データの全画面表示状態へ遷移することができる。
図4(c)は全画面表示を行う画面表示の様子を示す図である。図4(b)の一覧表示画面で選択したサムネイル画像に対応する画像データが略画面全体に表示される。
ユーザはリモコン送信装置200のBACKボタン206を押下することにより、一覧表示画面へ遷移することができる。また一覧表示画面においてリモコン送信装置200のBACKボタン206を押下することにより、同様にカレンダー表示画面へ遷移することができる。
図4(d)は図4(b)とは異なる一覧表示を行う画面表示の様子を示す図である。図4(a)のカレンダー上で指定した日の撮影日付時刻情報を持つ画像データのサムネイル画像141が撮影時刻情報に基づいて環状に表示される。142はカーソルであり、環状に一覧表示されたサムネイル画像の中から単独で表示すべき画像データを選択する。ユーザはリモコン送信装置200のホイール201を回転操作することにより、一覧表示されたサムネイル画像のリングを、ホイールの回転操作速度に応じた速度で回転させて表示させることができる。ホイール201の回転方向とリングの回転方向が合致させるように制御されるのはもちろんである。
また、リモコン送信装置200の方向指示スティック202を右、または左へ倒して、サムネイル画像のリングを一画像分ずつ右または左に回転させることができる。そして、図4(b)の一覧表示と同様、SETボタン206を押下することにより、カーソル1142で選択されたサムネイル画像の画像データによる全画面表示状態へ遷移することができる。またBACKボタンの押下によりカレンダー表示画面へ遷移することができる。さらに、Dispボタンの押下により、図4(b)の一覧表示状態と図4(d)の環状一覧表示状態とを相互に切り替えることが可能である。
こうした画像データ視聴に関わる操作は、図2(b)に示したリモコン送信装置200の表面に設けられたボタンを、リモコン送信装置200の長手方向の両側から両手で把持して行うように設計されている。ユーザは左手で方向指示スティック202およびホイール201を操作し、右手でSETボタン206とBACKボタン207などを操作する。方向指示スティック202とホイール201によるカーソル移動操作によって、表示対象に対して直感に応じた思い通りの移動を可能とすると同時に、移動操作と決定操作を左右の手に分けることによってストレスのない素早い操作が可能となる。なお、リモコン送信装置200の短手方向がデジタルテレビ100の方向に向けられて操作されるため、図2に示すとおり、リモコン送信装置200の長手方向の側面に設けられた赤外送信部A208から赤外信号が送出される。
図5は操作されたボタンに応じて二つの赤外送信部A、Bから赤外信号を送出する動作を行うリモコン送信装置200のブロック図である。リモコン送信装置200の表面に設けられたホイール、方向指示スティックからなる操作部231及び表面の他の操作部232を用いて実行された操作に応じた入力信号は1チップマイコンで構成される制御部234に入力される。制御手段としての制御部234では、操作に応じた赤外線を送出するため、入力信号に基づいて生成された制御信号を赤外送信部A208へ送信する。制御信号が入力された赤外送信部A208はLEDから制御信号に対応した赤外線を送出する。
また、リモコン送信装置200の裏面に設けられたボタンからなる操作部233を用いて実行された操作に応じた入力信号も同様に制御部234に入力される。そして、制御部234では、操作に応じた赤外線を送出するため、入力信号に基づいて生成された制御信号を赤外送信部B209へ送信する。制御信号が入力された赤外送信部B209はLEDから制御信号に対応した赤外線を送出する。
即ち、制御部234は、操作部に応じて、複数設けられた送信部のいずれを用いて送信処理を実行するかを選択する処理を実行する。これは予め制御部234に操作部の種別や入力信号の種別と当該操作部または入力信号に対応する送信部とを関連付けたデータを記憶させておくことで実行可能である。これによって、送信部を切り換えるためのスイッチなどを用いることなく、被制御装置に対する操作指示によって送信部を選択的に動作させることが可能である。
ユーザは実行したい処理に適した把持形態でリモコン送信装置200を把持し、必要なボタンなどを操作するだけで、複数存在する送信部のうち、適切な送信部を自動的に選択して信号の送出を制御することができる。ユーザにとっては、信号の送出が適切に行われているか否かという点や、信号の指向を考慮する必要がなくなり、より操作性が向上する。また、必要な送信部のみ動作させることにより、無駄な電力消費を抑制し、電池寿命を延ばすことができる。
続いて、本発明の実施例2について図面を用いて説明する。本実施例は、実施例1と同様、受信した放送番組の視聴とデジタルカメラ等で撮影した画像データの視聴とが可能なデジタルテレビを制御するリモコン送信装置に関するものである。そのため、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同様の構成、同様の動作を行うものは同一の符号を付与して示し、改めての説明は行わないものとする。なお、本実施例でもリモコン送信装置はデジタルテレビのリモコン送信装置に限定されるものではない。
図6は実施例2におけるリモコン送信装置300の構成を示した図である。リモコン送信装置300は実施例1で説明した構成に加えて、裏面に設けたスライド扉301の内側にチャンネル選択および文字入力のための操作ボタンを備え、長尺方向端部の赤外送信部C306から二つの方向に赤外信号を送出するものである。
図7はリモコン送信装置300のスライド扉301を開けて、内部に設けられたボタンを操作する状態を示したものである。図7(b)の302は数字ボタンであり、0から12までのボタンの押下により予め設定された放送チャンネルが選択されるプリセット選局ボタンである。303は受信する放送メディアを選択して切り替えるボタンであり、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送等を選択するボタンで構成される。304は3桁選局ボタンであり、このボタンの押下に続いて数字ボタンを押下することによって3桁のチャンネル番号を入力してチャンネルを指定するものである。また、数字ボタン302は文字入力ボタンを兼ねている。画像データの名称変更などをデジタルテレビのアプリケーション上で実行したい場合には、数字ボタンを利用して文字入力を行うことが可能となっている。
こうしたボタンの操作は、リモコン送信装置300の長手方向に主に片手で把持して行われる。しかしながら、数字入力や文字入力といった作業は、リモコン送信装置300の裏面中央部に備えられたテレビ放送視聴に関わる操作ボタン群の操作に比べ、リモコン送信装置をやや立てた状態に把持して行われることが多い。音量レベルの調節などはシンプルなボタン操作のため、ユーザは特に手元を見ることなく感覚的に操作することが可能である。しかし、数字入力や文字入力はボタンが小さい上、正しく押下しているかを確認しながら行うことが一般的である。それにより、必然的にユーザの視線は操作面に対して略鉛直方向線上となる。結果としてユーザは把持したリモコン送信装置を視線に対して直交する位置に傾け、その状態で入力を実行する。
このような状態では、実施例1の赤外送信部B209から送出される信号は上方に送出されることになるため、被制御装置に対する指向性が低下することが考えられる。
そこで、実施例2のリモコン送信装置300では、図7(a)の矢印に示すように赤外送信部C306がリモコン送信装置300の長手方向で、かつ略斜め後ろ(表面の方向)へ赤外線信号を送出するように構成した。これにより、ユーザが把持したリモコン送信装置300を傾けて利用した場合であっても、被制御装置に対して確実に信号を送出することが可能となる。なお、本実施例では、赤外送信部を上述したC306のほかに、実施例1で記載した送信部A208、B209も同様に備える構成を採用している。なお、図6では送信部Bは示されていないが、送信部C306の近傍に配置されているものとする。
図8は操作されたボタンに応じて3つの赤外送信部A、B、Cから3つの方向に赤外線信号を送出する動作を行うリモコン送信装置300のブロック図である。制御部332は、リモコン送信装置300の表面に設けられたホイール201、方向指示スティック202からなる操作部231、および他のボタンによる表面の操作部232が操作されたことを認識し、リモコン送信装置300の側面に設けられた赤外送信部A208のLED235を駆動するように制御する。これにより、図6(a)に示す赤外送信部A208から紙面の鉛直方向に赤外線信号を送出する。これは実施例1と同様の処理である。
また、実施例1と同様にリモコン送信装置300の裏面に設けられた各ボタン群(210、211、212、213、214)からなる操作部233で操作された場合は、制御部332がLED236を有する赤外送信部B209を駆動するように制御する。
さらに、リモコン送信装置300のスライド扉301内に配置された各ボタン群(302、303、304)からなる操作部331が操作された場合には、赤外送信部C306のLED335を駆動するように制御部332が制御する。これにより、図6(a)に示す赤外送信部C306から長手方向に対して斜め方向に赤外線信号が送出される。
即ち、制御部332は、操作部に応じて、複数設けられた送信部のいずれを用いて送信処理を実行するかを選択する処理を実行する。これは予め制御部332に操作部の種別や入力信号の種別と当該操作部または入力信号に対応する送信部とを関連付けたデータを記憶させておくことで実行可能である。これによって、送信部を切り換えるためのスイッチなどを用いることなく、被制御装置に対する操作指示によって送信部を選択的に動作させることが可能である。
ユーザは実行したい処理に適した把持形態でリモコン送信装置300を把持し、必要なボタンなどを操作するだけで、複数存在する送信部のうち、適切な送信部を自動的に選択して信号の送出を制御することができる。ユーザにとっては、信号の送出が適切に行われているか否かという点や、信号の指向を考慮する必要がなくなり、より操作性が向上する。また、必要な送信部のみ動作させることにより、無駄な電力消費を抑制し、電池寿命を延ばすことができる。
続いて、本発明の実施例3について図面を用いて説明する。本実施例は、実施例1と同様、受信した放送番組の視聴とデジタルカメラ等で撮影した画像データの視聴とが可能なデジタルテレビを制御するリモコン送信装置に関するものである。そのため、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同様の構成、同様の動作を行うものは同一の符号を付与して示し、改めての説明は行わないものとする。
本実施例のリモコン送信装置400は実施例1のリモコン送信装置200と外観形状は同一とするため改めて図示しないが、リモコン送信装置400内に重力センサー(不図示)を備えている点で異なっている。
図9は本発明の実施例3におけるリモコン送信装置400の内部ブロック図である。リモコン送信装置400は実施例1で説明したように各操作部を備えている。ユーザは所望する操作に応じて異なる把持方法でリモコン送信装置を使用し、それに応じて異なる方向に向けて設けられた赤外送信部を選択的に使用するものである。実施例1では操作部のボタンやホイールなどが操作されることで発生する入力信号に基づいて、制御部234が選択的に赤外送信部を制御するように構成していた。
対して、本実施例ではリモコン送信装置400の表面、裏面のどちらが上方を向いているか、即ち、ユーザが現在どの面の操作部を操作しようとしているかを検出するため、装置の向きを特定する重力センサーを内部に備えている。そして、重力センサーの検知により、上面となる面を特定し、当該操作面に対応した赤外線送信部が制御部によって選択的に駆動される。
図9の432は重力センサーであり、リモコン送信装置400の表面が上面となっているか、あるいは裏面が上面となっているかを検出する。センサーの検出結果はリモコン送信装置400の制御部431に入力される。制御部431はは重力センサー432からの検出信号に応じて、赤外送信部A235または赤外送信部B236のいずれかを選択し、選択した送信部を駆動する。即ち、リモコン送信装置400の表面が上面となっている場合には、赤外送信部A235を駆動し、また、リモコン送信装置400の裏面が上面となっている場合には、赤外送信部B236を駆動する。
なお、本発明では重力センサー432の種類は特に問わない。例えばケース内の上下に電極を備え、可動する球状の導電性金属の自重による移動によっていずれかの電極のON/OFFFが切り替わるスイッチをリモコン送信装置内に実装して利用することが可能である。また、筒状の筐体の上下に電極を備え、筐体内に封入した水銀の移動によっていずれかの電極がON/OFFするセンサーを利用することが可能である。あるいは他の異なる原理による重力センサーを用いることも可能である。
また、本実施例では重力センサーを用いたが、必ずしも重力センサーに限定されるものではない。例えば、加速度センサーやジャイロセンサーといった動きや向きを検出するセンサーであれば同様の効果を有することが可能となる。即ち、リモコン送信装置において上方を向いている面を特定することが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーを用いてもよい。
本実施例によれば、送信部を切り換えるためのスイッチなどを用いることなく、被制御装置に対する操作指示によって送信部を選択的に動作させることが可能である。
ユーザは実行したい処理に適した把持形態でリモコン送信装置200を把持し、必要なボタンなどを操作するだけで、複数存在する送信部のうち、適切な送信部を自動的に選択して信号の送出を制御することができる。ユーザにとっては、信号の送出が適切に行われているか否かという点や、信号の指向を考慮する必要がなくなり、より操作性が向上する。また、必要な送信部のみ動作させることにより、無駄な電力消費を抑制し、電池寿命を延ばすことができる。
続いて、本発明の実施例4について図面を用いて説明する。本実施例は、実施例1と同様、受信した放送番組の視聴とデジタルカメラ等で撮影した画像データの視聴とが可能なデジタルテレビを制御するリモコン送信装置に関するものである。そのため、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同様の構成、同様の動作を行うものは同一の符号を付与して示し、改めての説明は行わないものとする。
図10は実施例4におけるリモコン送信装置500の構成を示した図である。リモコン送信装置500は実施例1で説明したように各操作部を備えている。ユーザは所望する操作に応じて異なる把持方法でリモコン送信装置を使用し、それに応じて異なる方向に向けて設けられた赤外送信部を選択的に使用するものである。実施例1では操作部のボタンやホイール等が操作されることで発生する入力信号に基づいて、制御部234が選択的に赤外送信部を制御するように構成していた。
対して、本実施例ではリモコン送信装置500の端部501及び502に近接センサーを夫々備え、当該センサーがユーザによる把持を検出することで、赤外送信部が選択的に駆動される。
図11は近接センサーによって2つの赤外送信部A、Bから赤外線信号を送出する動作を行うリモコン送信装置500のブロック図である。図の532と533は近接センサーであり、ユーザがリモコンを把持する掌の近接を検出するものである。近接センサー部L532は図10に示したリモコン送信装置500の端部502(破線で示された領域周辺)に設けられている。また、近接センサー部R533は図10に示したリモコン送信装置の端部501(破線で示された領域周辺)に設けられている。
リモコン送信装置500の制御部531は近接センサー532と533の出力に応じて、赤外送信部208、209のいずれを駆動するかを選択制御する。この選択は、図12に示す組み合わせテーブルを用いることで可能となる。
図12は、2つの近接センサーL532及びR533が共に何らかの近接を検出した場合(L及びRともに○の場合)は、ユーザがリモコン送信装置500の長尺方向端部を両手で把持しているとする。この場合、ユーザは表面を操作することを目的としていると捉え、赤外送信部A208のLED235を駆動するように制御部531が制御する。
また、2つの近接センサーのいずれか一方が何らかの近接を検出した場合(LまたはRのいずれかが○の場合)は、ユーザがリモコン送信装置500の長尺方向端部を片手で把持しているとする。この場合、ユーザは表面を操作することを目的としていると捉え、赤外送信部A208のLED235を駆動するように制御531が制御する。
対して、2つの近接センサーのいずれも何らかの近接を検出していない場合(LまたはRのいずれも×の場合)は、ユーザがリモコン送信装置500を少なくとも長尺方向端部を保持していないと捉える。つまり、ユーザが操作するであろうリモコン送信装置500の操作部は裏面の操作部であると考えられるので、赤外送信部B209のLED236を駆動するように制御部531が制御する。
なお、図12に示した制御は一つの例に過ぎない。従って、近接センサーのON/OFFと赤外送信部の選択の組み合わせは例示した組み合わせに限定されるものではない。
また、本実施例ではユーザが操作しようとする操作部を特定するために、筐体の短尺側の両端部に近接センサーを設けたが、本発明はこの構成のみに限定されることはない。例えば、一方の端部だけに近接センサーを設けることであっても操作部を特定することは可能となる。また、筐体の長尺側の両側面近傍に近接センサーを設けることで、片手で把持しているか否かを検出することが可能となる。従って、ユーザが操作しようとしている操作部を特定することが可能となる。
以上説明したように、本実施例によればユーザによるリモコン送信装置の把持の状態をセンサーで検出することで、被制御装置に対する操作指示によって送信部を選択的に動作させることが可能である。
ユーザは実行したい処理に適した把持形態でリモコン送信装置500を把持するだけで、複数存在する送信部のうち、適切な送信部を自動的に選択して信号の送出を制御することができる。ユーザにとっては、信号の送出が適切に行われているか否かという点や、信号の指向を考慮する必要がなくなり、より操作性が向上する。また、必要な送信部のみ動作させることにより、無駄な電力消費を抑制し、電池寿命を延ばすことができる。
本発明の各実施例におけるデジタルテレビの構成を示す図
本発明の実施例1におけるリモコン送信装置の外観図
テレビ放送視聴時の表示画面の一例を示す図
画像データ表示用の表示画面の一例を示す図
本発明の実施例1におけるリモコン送信装置の内部ブロック図
本発明の実施例2におけるリモコン送信装置の外観図
本発明の実施例2におけるリモコン送信装置の外観図
本発明の実施例2におけるリモコン送信装置の内部ブロック図
本発明の実施例3におけるリモコン送信装置の内部ブロック図
本発明の実施例4におけるリモコン送信装置の外観図
本発明の実施例4におけるリモコン送信装置の内部ブロック図
本発明の実施例4における制御部の判定テーブルの概要を示す図
従来技のデジタルテレビの構成を示す図
従来のリモコン送信装置の外観図