JP4533094B2 - 樽状容器用吊り下げ搬送装置 - Google Patents
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Description
しかし、口部5を挟持して吊り下げ搬送する構成では、樽1内にビールなどの飲料が入れられた実樽1の場合、かなりの重量が口部5に作用するため、口部5を正確に挟持して搬送しないと、口部5の変形や口部5に被せられたキャップシールの破損などのトラブルの発生が懸念される。
それに加えて、図1においてAで示す溶接箇所、つまり、後に詳しく説明する3ピース構造の樽1では、かなりの重量が鏡板2と側板4との溶接箇所Aに作用するため、繰り返し使用する間に溶接部分に亀裂などが入り、液漏れ発生の原因となるおそれがある。
上端カール部6aが変形すると、その変形した上端カール部6aの内側に係合爪を係合させて吊り下げ搬送した後、係合爪を上端カール部6aから外す際に、係合爪が上端カール部6aに引っ掛かって外れず、樽1が所定の載置位置からズレたり、転倒することがあり、極端な場合には、上端カール部6aに引っ掛かったまま係合爪が移動することによって、樽1が放り投げられる事態の発生も考えられる。
そして、その上端カール部の内側に当接する当接部材が、係合爪の解除方向への移動時に、その係合爪の移動に対して相対的に係合方向へ移動するように設けられているので、例えば、上端カール部の変形によって、係合爪が上端カール部から外れ難い場合であっても、係合爪に対して相対的に係合方向へ移動する当接部材の作用により、係合爪は上端カール部から確実に外され、したがって、樽状容器が所定の載置位置からズレたり、転倒したり、あるいは、放り投げられるような事態の発生が防止される。
この吊り下げ搬送装置は、ビールなどを収納するための樽状容器を対象とするもので、その一例である3ピース構造の樽1は、図1に示すように、主としてステンレス製の板材により形成されていて、通常、上方の鏡板2、下方の底板3、周囲の側板4からなる3つの部品により構成され、鏡板2の中央には口部5が溶接により取り付けられている。
円筒状の側板4は、上下に分割されていて、その上方の側板4は、円筒状の上方スカート部6を一体的に備え、その上端に上端カール部6aが形成され、同様に、下方の側板4は、円筒状の下方スカート部7を一体的に備えて、その下端に下端カール部7aが形成されている。そして、上方スカート部6を備えた上方の側板4と鏡板2が溶接箇所Aで、下方スカート部7を備えた下方の側板4と底板3が溶接箇所Bで、さらに、上下の側板4が溶接箇所Cでそれぞれ溶接されて接続されている。
合計4個の係合爪9は、図6に示すように、上面視において円形の樽1の中心部を挟んで互いに対向する2個ずつが対をなす状態で、かつ、上端カール部6aの内側において樽1の周部にほぼ等間隔に位置して、上端カール部6aに対して遠近方向に移動可能に構成されている。
そして、各係合爪9の横側方の近傍には、各係合爪9の解除方向Yへの移動時に、各係合爪9と協働するべく各係合爪9の移動に対して相対的に係合方向Xへ移動して、上端カール部6aの内側に当接する当接部材10aが各別に設けられ、さらに、各係合爪9の上方には、シリンダ11により上下昇降する押え部材12が設けられている。
すなわち、互いに対をなす2個の係合爪9において、一方の係合爪9と協働する当接部材10aは、その金属板10の基端部が他方の係合爪9の上方部位に固定され、その他方の係合爪9と協働する当接部材10aは、その金属板10の基端部が一方の係合爪9の上方部位に固定されている。
要するに、各係合爪9の上方部位に固定された金属板10が、対をなす係合爪9側に向けて斜め下方に延出して、その先端の当接部材10aが、対をなす係合爪9の横側方の近傍に位置するように構成されている。
例えば、ビールの入った実樽1をコンベヤC上からパレットP上へ吊り下げ搬送する場合であれば、図2および図5の(イ)に示すように、各係合爪9が中心側へ寄った状態、つまり、解除方向Yへ移動した状態で装置本体8が上方から下降し、各係合爪9が、上面視において円形の上端カール部6aの内側に位置して停止する。
つぎに、図5の(ロ)に示すように、各係合爪9が係合方向Xへ移動して、各係合爪9が上端カール部6aの内側下方に係合するとともに、図3に示すように、各押え部材12が下降して上端カール部6aを上方から押えつける。
つぎに、図4および図5の(ハ)に示すように、各押え部材12が上昇し、さらに、各係合爪9が解除方向Yへ移動して上端カール部6aへの係合を解除する。この係合爪9の解除方向Yへの移動時において、その係合爪9と協働する当接部材10aは、その金属板10の基端部が対向する係合爪9に固定されているので、図6の(ロ)から明らかなように、解除方向Yとは逆の係合方向Xへ移動することになる。
その後、装置本体8は上昇し、再びコンベヤC上の樽1の上方にまで戻って、同じ吊り下げ搬送を繰り返すことになる。
(1)先の実施形態では、ひとつの装置本体8に対して4個の係合爪9を設けた例を示したが、装置本体8に設ける係合爪9の個数は任意であり、対象とする樽1の大きさや重さなどに応じて自由に変更することができる。
例えば、2個の係合爪9が互いに対をなすように配置して、装置本体8に係合爪9を2個または6個設けることもできる。さらに、必ずしも2個の係合爪9が互いに対をなすように配置する必要はなく、したがって、係合爪9は偶数個である必要はなく、5個あるいは3個設けることも、また、1個だけ設けて実施することもできる。
例えば、当接部材10aを装置本体8に対して固定し、係合爪9の解除方向Yへの移動に伴って、当接部材10aがその係合爪9に対し相対的に係合方向Xへ移動するように構成して実施することもできる。
6a 上端カール部
9 係合爪
10a 当接部材
X 係合方向
Y 解除方向
Claims (4)
- 上面視において樽状容器の上端カール部の内側でその上端カール部に対して遠近方向に移動する係合爪を備え、その係合爪が、前記上端カール部に近接する係合方向へ移動し前記上端カール部の内側に係合して前記樽状容器を吊り下げ搬送し、前記上端カール部から遠ざかる解除方向へ移動して前記上端カール部への係合を解除するように構成されている樽状容器用吊り下げ搬送装置であって、
前記上端カール部の内側に当接する当接部材が、前記係合爪の前記解除方向への移動時に、その係合爪の移動に対して相対的に前記係合方向へ移動するように設けられている樽状容器用吊り下げ搬送装置。 - 前記係合爪が、複数個設けられ、前記当接部材が、それら複数個の係合爪のそれぞれと協働するように各係合爪の横側方に各別に設けられている請求項1に記載の樽状容器用吊り下げ搬送装置。
- 前記係合爪が、上面視において前記樽状容器の中心部を挟んで互いに対をなす状態で偶数個設けられ、その対をなす2個の係合爪において、一方の係合爪と協働する前記当接部材が他方の係合爪から延出され、前記他方の係合爪と協働する前記当接部材が前記一方の係合爪から延出されている請求項2に記載の樽状容器用吊り下げ搬送装置。
- 前記係合爪が、上面視において前記樽状容器の周部に等間隔に設けられている請求項2または3に記載の樽状容器用吊り下げ搬送装置。
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Family Applications (1)
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2004
- 2004-11-10 JP JP2004326369A patent/JP4533094B2/ja not_active Expired - Fee Related
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