JP4530611B2 - レジノイド研削砥石 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の砥粒及び充填材である多数の中空体が合成樹脂結合剤により相互に結合して形成されたレジノイド研削砥石の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数の砥粒及び充填材である多数の中空体が合成樹脂結合剤により相互に結合して形成されたレジノイド研削砥石が知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかるレジノイド研削砥石は、充填材として例えば有機バルーン等の多数の中空体を含んでいることにより、砥石組織内に多数の空間を有して形成されており、その空間が砥粒の相互間隔を好適に広げたり、研削加工に際してチップポケットとして機能したりすることで、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示すものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−127049号公報
【0004】
ところで、一般に、レジノイド研削砥石では、砥石組織の密度が研削加工に際しての摩耗に密接に関わってくる。すなわち、砥石組織の密度が高いほど研削加工に際して摩耗し難くなる。また、比較的高密度の砥石組織を備えたレジノイド研削砥石を製造するためには、混合した砥石原料を成形する成形工程において比較的高い成形圧力をかける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、充填材として多数の中空体を含むレジノイド研削砥石の製造では、比較的高い成形圧力をかけることにより、その多数の中空体の一部乃至全部が破裂してしまい、所望の体積を有する空間が形成されなくなるので、緻密な砥石組織を形成するのは困難であるという弊害があった。従って、充填材として多数の中空体を含むレジノイド研削砥石は、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示すという特長を備えている反面、研削加工に際して摩耗し易いという不具合を有していた。かかる不具合を解消するため、例えば合成樹脂結合剤を増量する等の対策が取られてきたが、却って成形圧力が高くなってしまうために前記中空体の量を制限しなければならず、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示すという特長が損なわれる結果となっていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示し、且つ研削加工に際して摩耗し難いレジノイド研削砥石を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の砥粒及び充填材である多数の中空体が合成樹脂結合剤により相互に結合して円筒状に形成された、ステンレス生材から成る中空金属管先端部研削加工に専ら用いられるレジノイド研削砥石であって、その中空体の耐圧縮強さは、15MPa以上100MPa以下の範囲内であり、砥石全体に対する前記砥粒の体積割合は、25%以上41%以下の範囲内であり、前記レジノイド研削砥石に含まれる中空体の体積割合は、そのレジノイド研削砥石に含まれる前記砥粒の体積を1としたとき、0.2以上1.0以下の範囲内であり、前記中空体の径寸法は、30μmφ以上250μmφ以下の範囲内であり、前記砥粒は、その平均粒径が4μm以上22μm以下の範囲内であり、無機体から成る骨材を1%以上3%以下の体積割合で含むものであり、砥石全体に対する前記中空体の体積割合は、16%以上20%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、前記中空体の耐圧縮強さは、15MPa以上100MPa以下の範囲内であり、砥石全体に対する前記砥粒の体積割合は、25%以上41%以下の範囲内であり、前記レジノイド研削砥石に含まれる中空体の体積割合は、そのレジノイド研削砥石に含まれる前記砥粒の体積を1としたとき、0.2以上1.0以下の範囲内であり、前記中空体の径寸法は、30μmφ以上250μmφ以下の範囲内であり、前記砥粒は、その平均粒径が4μm以上22μm以下の範囲内であり、無機体から成る骨材を1%以上3%以下の体積割合で含むものであり、砥石全体に対する前記中空体の体積割合は、16%以上20%以下の範囲内であることから、混合した砥石原料を成形する成形工程において比較的高い成形圧力をかけても、前記中空体が破裂することなく、比較的高密度の砥石組織が何ら不具合を生じさせることなく形成される。すなわち、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示し、且つ研削加工に際して摩耗し難いレジノイド研削砥石を提供することができる。斯かるレジノイド研削砥石は、バリが発生し易いステンレス生材から成る中空金属管の先端に所定の傾斜角度で摺接させることによりその先端を尖鋭状とするための先端部研削加工において、とりわけ顕著な研削性能を示すものである。
【0011】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記中空体は、セラミック材料から成るものである。このようにすれば、混合した砥石原料を成形する成形工程において、前記中空体が更に破裂し難くなるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記合成樹脂結合剤は、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂のうち少なくとも1つから成るものである。また、前記砥粒は、炭化ケイ素から成るものであり、その平均粒径は、4μm以上22μm以下の範囲内である。このようにすれば、例えば金属材料の精密研削加工から粗研削加工までに広く用いられる、実用的なレジノイド研削砥石を提供することができるという利点がある。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
【0019】
図1は、本発明の一実施例であるレジノイド研削砥石10の斜視図である。この図1に示すように、かかるレジノイド研削砥石10は、例えば外径405mmφ×内径127mmφ×厚さ25mmt程度の寸法を備えた穴あき円筒状を成すものであり、その中央部に設けられた取付穴12において図示しない研削装置の回転軸心に同軸となるように取り付けられ、軸心Sまわりに回転させられることにより専らその外周面14にて被削材の研削加工を行う円筒研削型の研削砥石である。
【0020】
図2は、上記レジノイド研削砥石10の砥石組織を拡大して示す模式図である。この図に示すように、上記レジノイド研削砥石10の砥石組織は、例えば炭化ケイ素又は酸化アルミニウム等から成る一般砥粒、あるいはCBN又はダイヤモンド等から成る超砥粒である多数の砥粒16と、例えば石英ガラス等のセラミック材料から成る充填材である多数の中空体(以下、バルーンと称する)18とが、例えばフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂のうち少なくとも1つから成る合成樹脂結合剤20により相互に結合して構成された多孔質組織である。
【0021】
上記砥粒16は、好適には、その硬さがJIS Z2251に規定されたヌープ硬さで2000以上であり、その平均粒径が4μm以上22μm以下すなわちJIS R6001に規定された粒度で#400乃至#2000であって、前記レジノイド研削砥石10に対して29%以上49%以下、更に好適には31%以上35%以下の体積割合で含まれている。また、上記合成樹脂結合剤20は、上記レジノイド研削砥石10に対して5%以上35%以下、更に好適には10%以上30%以下の体積割合で含まれている。
【0022】
前記レジノイド研削砥石10には、好適には、例えば滑石、氷晶石、長石、二酸化ケイ素、又は人工マイカ等から成る無機体である多数の骨材22が含まれている。この骨材22は、砥石組織の骨格を強化すると共に、前記砥粒16の相互間隔を好適に広げて砥石組織内に分散させる作用を有する。この骨材22は、前記レジノイド研削砥石10に対して0.5%以上5%以下、更に好適には1.0%以上2.0%以下の体積割合で含まれている。
【0023】
前記バルーン18は、好適には、その径寸法が30μmφ以上250μmφ以下、更に好適には50μmφ以上100μmφ以下、その膜厚が0.3μmt以上30μmt以下、更に好適には1μmt以上5μmt以下である中空球体状を成すものであり、すなわち前記バルーン18の膜厚は、そのバルーン18の径寸法の3%以上15%以下、更に好適には5%以上10%以下の範囲内である。かかる寸法を備えたバルーン18は、JIS Z0238に規定された耐圧縮強さで15MPa以上100MPa以下、更に好適には20MPa以上50MPa以下の高耐圧中空体とされる。この耐圧縮強さが15MPaより小さい場合には、例えば図3に示すような前記レジノイド研削砥石10の製造に際して、後述する成形工程P3において例えば15MPaといった比較的高い成形圧力をかけることにより、前記バルーン18が破裂する可能性が高くなる。また、耐圧縮強さが100MPaより大きい前記バルーン18の製造は困難であり、比較的高価であるため実用に適さない。
【0024】
前記レジノイド研削砥石10に含まれる前記バルーン18の体積割合は、そのレジノイド研削砥石10に含まれる前記砥粒16の体積を1としたとき、0.2以上1.0以下の範囲内である。この体積割合が0.2より小さい場合には、砥石組織内に必要十分な体積を有する空間が形成されないため、その砥石組織内に前記バルーン18が含まれていることによる効果が十分に得られず、1.0より大きい場合には、研削加工に際して前記レジノイド研削砥石10の摩耗が比較的大きくなる。すなわち、前記バルーン18は、前記レジノイド研削砥石10に対して6%以上49%以下、更に好適には10%以上30%以下の体積割合で含まれているのが好ましい。このバルーン18が砥石組織内に散在していることで、その砥石組織内に所定の体積を有する多数の空間24が形成されており、その空間24が前記砥粒16の相互間隔を好適に広げたり、研削加工に際してチップポケットとして機能したりすることで、前記レジノイド研削砥石10の切れ味が高められると共に、研削焼け、切粉の目詰まり、及び熔着等の不具合の発生が抑制される。すなわち、前記バルーン18は、気孔形成剤として機能するものである。ここで、前記バルーン18の径寸法が30μmφより小さい場合には、砥石組織内に形成される個々の空間の体積が過小となり、そのような特長を十分に示さない。
【0025】
以上のように構成された前記レジノイド研削砥石10は、例えば、図3に示すような工程に従って製造される。先ず、第1混合工程P1において、39体積部の前記砥粒16と、前記合成樹脂結合剤20の原料の粘着剤である2体積部の液状レジンとが混合される。次に、第2混合工程P2において、上記第1混合工程P1にて混合された原料中に、12体積部の前記バルーン18と、前記合成樹脂結合剤20の原料である17体積部の粉状レジンと、2体積部の前記骨材22とが混合されて砥石原料が調合される。次に、成形工程P3において、上記第2混合工程P2にて調合された砥石原料が所定の金型内に充填された後、15MPa程度の成形圧力でプレス成形される。次に、熟成工程P4において、上記成形工程P3にてプレス成形された成形品が、200℃程度の温度雰囲気にて6乃至8時間程度維持されることにより、砥石原料に含まれる粉状レジン及び液状レジンが溶融させられた後に硬化させられ、上記成型品が熟成・硬化させられる。次に、仕上工程P5において、形状を整えるために切削加工等の仕上加工が施された後、検査工程P6において、所定の製品検査を経ることにより、例えば前記砥粒16を39%、前記バルーン18を12%、前記合成樹脂結合剤20を19%、前記骨材22を2%の体積割合で含有するレジノイド研削砥石10が製造される。
【0026】
図4は、前記レジノイド研削砥石10が注射針の先端部研削加工に用いられる様子を示す斜視図である。この図4に示すように、注射針の先端部研削加工では、例えば焼き入れの施されていないステンレス生材等から成る複数本の中空金属管26が相互に平行に略隙間なく配列され、前記レジノイド研削砥石10の回転軸心Sに平行な方向に往復移動させられつつ、そのレジノイド研削砥石10の外周面14に所定の傾斜角度で摺接させられることにより、その先端が研削されて尖鋭状の注射針28に加工される。前記レジノイド研削砥石10は、好適には、専ら注射針の先端部研削加工に用いられるものである。上述のような注射針の先端部研削加工では、図5に示すように、研削加工の施された上記中空金属管26の先端部すなわち注射針28の尖鋭部において縁から延び出た余分な部分であるバリ30が生じがちであり、このバリ30が比較的大きい場合にはその除去が困難であるため不良とされる。前記レジノイド研削砥石10は、前述のように研削性能に優れていることから、注射針の先端部研削加工に際して、上記バリ30の発生を好適に抑制することができるのである。
【0027】
[実験例1]
以下、本発明の効果を検証するために、本発明者が行った試験について説明する。本第1試験では、先ず、前述した図3に示す工程に従い、本発明の一実施例である実施例試料1と、従来技術である比較例試料1及び2を製造した。すなわち、39.0体積部の粒度#1000であるGC砥粒と、17.0体積部の粉フェノールレジンと、2.0体積部の液フェノールレジンと、12.0体積部の高耐圧バルーン(Poters-Ballotini社製 耐圧縮強さ27MPa程度)とから実施例試料1を、39.0体積部の粒度#1000であるGC砥粒と、17.0体積部の粉フェノールレジンと、2.0体積部の液フェノールレジンと、12.0体積部の低耐圧バルーン(耐圧縮強さ5MPa程度)とから比較例試料1を、39.0体積部の粒度#1000であるGC砥粒と、17.0体積部の粉フェノールレジンと、2.0体積部の液フェノールレジンととから比較例試料2をそれぞれ製造した。なお、前記成形工程P3における成形圧力は15MPa程度であり、製造された試料は何れも外径405mmφ×内径127mmφ×厚み25mmtの寸法を備えたものである。それ等の試料を用いて行った研削試験の試験条件及び試験結果を以下に示す。
【0028】
Figure 0004530611
【0029】
上記試験結果1から明らかなように、本発明の一実施例である実施例試料1は、従来技術である比較例試料1及び2に比べて研削比が約1.8倍であり、切れ味に優れていることに加え、研削焼けやバリ等の不具合の発生が抑制されていることが検証された。また、従来よりも低い消費電力にて研削加工が可能であることが判明した。
【0030】
[実験例2]
続いて、本発明者が行った第2試験について説明する。本第2試験では、前記砥粒16及びバルーン18の体積割合を様々に変化させて本発明の一実施例である実施例試料1乃至6を製造し、前記第1試験の試験条件1と同様の条件にて研削試験を行った。それぞれの試料に用いた原料の体積割合及びそれ等の試料を用いて行った研削試験の試験結果を以下に示す。なお、前記バルーン18には、耐圧縮強さ27MPa程度の高耐圧バルーンを用い、前記成形工程P3における成形圧力及び試料の寸法に関しては前記実験例1と同様とした。
【0031】
Figure 0004530611
【0032】
上記試験結果2から明らかなように、本発明の一実施例である実施例試料1乃至6は、前記実験例1において説明した従来技術である比較例試料1及び2に比べて研削比が約1.4倍乃至2.2倍であり、おしなべて切れ味に優れていることに加え、何れも研削焼けやバリ等の不具合の発生が抑制されていることが検証された。また、従来よりも低い消費電力にて研削加工が可能であることが判明した。更に、レジノイド研削砥石に対する前記砥粒16の体積割合が31%乃至35%、前記バルーン18の体積割合が16%乃至20%の範囲内において、とりわけ研削比が高くなることが判明した。
【0033】
[実験例3]
続いて、本発明者が行った第3試験について説明する。本第3試験では、前記骨材22の体積割合を様々に変化させて本発明の一実施例である実施例試料7乃至10を製造し、前記第1試験の試験条件1と同様の条件にて研削試験を行った。それぞれの試料に用いた原料の体積割合及びそれ等の試料を用いて行った研削試験の試験結果を以下に示す。なお、前記バルーン18には、耐圧縮強さ27MPa程度の高耐圧バルーンを用い、前記成形工程P3における成形圧力及び試料の寸法に関しては前記実験例1と同様とした。
【0034】
Figure 0004530611
【0035】
上記試験結果3から明らかなように、本発明の一実施例である実施例試料7乃至10は、前記実験例1において説明した従来技術である比較例試料1及び2に比べて研削比が約1.4倍乃至2.3倍であり、おしなべて切れ味に優れていることに加え、何れも研削焼けやバリ等の不具合の発生が抑制されていることが検証された。また、従来よりも低い消費電力にて研削加工が可能であることが判明した。更に、レジノイド研削砥石に対する前記骨材22の体積割合が1.0%乃至3.0%の範囲内において、とりわけ研削比が高く従来技術の2倍以上となることが判明した。
【0036】
このように、本実施例によれば、中空体である前記バルーン18の耐圧縮強さは、15MPa以上100MPa以下の範囲内であることから、混合した砥石原料を成形する前記成形工程P3において例えば15MPa以上といった比較的高い成形圧力をかけても、前記バルーン18が破裂することなく、比較的高密度の砥石組織が何ら不具合を生じさせることなく形成される。すなわち、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示し、且つ研削加工に際して摩耗し難いレジノイド研削砥石10を提供することができる。
【0037】
また、前記レジノイド研削砥石10に含まれる前記バルーン18の体積割合は、そのレジノイド研削砥石10に含まれる前記砥粒16の体積を1としたとき、0.2以上1.0以下の範囲内であるため、前記レジノイド研削砥石10の砥石組織内に必要十分な体積を有する空間24が形成されるという利点がある。
【0038】
また、前記バルーン18の径寸法は、30μmφ以上250μmφ以下の範囲内であるため、十分な耐圧縮強さを有するそのバルーン18により、前記レジノイド研削砥石10の砥石組織内に所望の体積を有する多数の空間24が形成されるという利点がある。
【0039】
また、前記バルーン18は、セラミック材料から成るものであるため、混合した砥石原料を成形する前記成形工程P3において、前記バルーン18が更に破裂し難くなるという利点がある。
【0040】
また、前記合成樹脂結合剤20は、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂のうち少なくとも1つから成るものであり、また、前記砥粒16は、炭化ケイ素から成るものであり、その平均粒径は、4μm以上22μm以下の範囲内であるため、例えば金属材料の精密研削加工から粗研削加工までに広く用いられる、実用的なレジノイド研削砥石10を提供することができるという利点がある。
【0041】
また、無機体から成る前記骨材22を0.5%以上5%以下の体積割合で含むものであるため、前記レジノイド研削砥石10の砥石組織の骨格が強化されると共に、前記砥粒16の相互間隔が好適に広げられるという利点がある。
【0042】
また、前記レジノイド研削砥石10は、専ら注射針の先端部研削加工に用いられるものであるため、被削材である注射針28の先端部にバリ30を生じさせ難いレジノイド研削砥石10を提供することができるという利点がある。
【0043】
また、前記バルーン18の径寸法は、30μmφ以上250μmφ以下の範囲内であり、且つ前記バルーン18の膜厚は、0.3μmt以上30μmt以下の範囲内であることから、前記バルーン18が必要十分な耐圧縮強さを備えており、混合した砥石原料を成形する前記成形工程P3において比較的高い成形圧力をかけても、前記バルーン18が破裂することなく、比較的高密度の砥石組織が何ら不具合を生じさせることなく形成される。すなわち、研削焼けが発生し難く、優れた切れ味を示し、且つ研削加工に際して摩耗し難いレジノイド研削砥石10を提供することができる。
【0044】
また、前記バルーン18の膜厚は、そのバルーン18の径寸法の3%以上15%以下の範囲内であるため、十分な耐圧縮強さを有するそのバルーン18により、前記レジノイド研削砥石10の砥石組織内に所望の体積を有する多数の空間24が形成されるという利点がある。
【0045】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0046】
例えば、前述の実施例においては、前記外周面14にて研削を行う円筒研削型の前記レジノイド研削砥石10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば内周面にて研削を行う円筒研削型や、底面で研削を行う平面研削型のレジノイド研削砥石であってもよい。また、本発明のレジノイド研削砥石の形状は円筒状に限られず、例えばカップ状、皿状、又は角柱状を成すものであっても構わない。
【0047】
また、前述の実施例においては、前記バルーン18は、セラミック材料から成るものであったが、15MPa以上100MPa以下の耐圧縮強さを備えた中空体であれば、必ずしもセラミック材料から成るものでなくとも構わない。
【0048】
また、前述の実施例においては、前記レジノイド研削砥石10は、注射針の先端部研削加工に用いられていたが、本発明のレジノイド研削砥石の用途はこれに限られるものではなく、例えばベアリングの両頭研削をはじめとする様々な研削加工に広く用いられるものである。
【0049】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるレジノイド研削砥石10の斜視図である。
【図2】図1のレジノイド研削砥石の砥石組織を拡大して示す模式図である。
【図3】図1のレジノイド研削砥石の製造工程の一例を示す工程図である。
【図4】図1のレジノイド研削砥石が注射針の先端部研削加工に用いられる様子を示す斜視図である。
【図5】図4に示す先端部研削加工で注射針の尖鋭部に発生しがちなバリについて説明する斜視図である。
【符号の説明】
10:レジノイド研削砥石
16:砥粒
18:バルーン(中空体)
20:合成樹脂結合剤
22:骨材
28:注射針

Claims (3)

  1. 多数の砥粒及び充填材である多数の中空体が合成樹脂結合剤により相互に結合して円筒状に形成された、ステンレス生材から成る中空金属管先端部研削加工に専ら用いられるレジノイド研削砥石であって、
    該中空体の耐圧縮強さは、15MPa以上100MPa以下の範囲内であり、
    砥石全体に対する前記砥粒の体積割合は、25%以上41%以下の範囲内であり、
    前記レジノイド研削砥石に含まれる中空体の体積割合は、該レジノイド研削砥石に含まれる前記砥粒の体積を1としたとき、0.2以上1.0以下の範囲内であり、
    前記中空体の径寸法は、30μmφ以上250μmφ以下の範囲内であり、
    前記砥粒は、その平均粒径が4μm以上22μm以下の範囲内であり、
    無機体から成る骨材を1%以上3%以下の体積割合で含むものであり、
    砥石全体に対する前記中空体の体積割合は、16%以上20%以下の範囲内である
    ことを特徴とするレジノイド研削砥石。
  2. 前記中空体は、セラミック材料から成るものである請求項のレジノイド研削砥石。
  3. 前記合成樹脂結合剤は、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂のうち少なくとも1つから成るものである請求項1又は2のレジノイド研削砥石。
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