JP4528372B2 - ライブラリ・コンピュータの構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はモジュール式ハウジングを有する新しいコンピュータ・フレーム構造に関する。この構造は複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムに特に適したものである。本発明のモジュール式ハウジングを有するフレーム構造を用いると、ライブラリ・システムの故障した駆動装置の修理を装置内の1つあるいは複数の正常な駆動装置をオンライン状態に維持したままで実行することができる。その結果、ホストはライブラリに記憶された情報に継続的に中断することなくアクセスすることができる。
【0002】
【従来の技術】
本明細書で開示するモジュール式ハウジングを有するフレーム構造は、媒体の取り出しが可能なタイプの複数駆動装置ライブラリ・コンピュータシステムにおいて特に有効であるが、他の多数の構成要素からなるコンピュータ・システムにも適用することができる。
【0003】
複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムにおいて、過剰使用によって最初に故障する構成要素はストレージ駆動装置であることが多い。通常、ストレージ駆動装置が故障すると、ライブラリは、その駆動装置の修理または交換が行なわれるダウン時間に入る。このダウン時間中、ホスト(UNIXワークステーションであるかPCネットワークサーバであるかまたそれ以外であるかを問わない)はライブラリに記憶されたいかなる情報にもアクセスすることができない。
【0004】
情報へのアクセスが失われることは許されないため、ライブラリのダウン時間を最小限にするための試みが行なわれてきた。その試みの中には、低コストディスクの予備アレー(Redundant Array of Inexpensive Disks, 略称RAID)およびホット・リペア(hot repair)技術が含まれる。
【0005】
RAID技術には駆動装置が故障したために失われたデータを再構築する方法が含まれる。データは媒体の取り出しができないタイプの駆動装置の予備アレーに格納され、故障した駆動装置を交換したとき予備アレー内の残りのストレージ駆動装置のデータ・ブロックに誤り修正動作を行なえるようにして失われたデータの再構築を可能にする。RAID法はライブラリのダウン時間を最小限にすることはできるが、この方法は媒体の取り出し可能なタイプのライブラリには適用することができない。媒体の取り出し可能なタイプのライブラリにおいては、駆動装置の故障はデータの損失にはつながらない。ただ単にデータへのアクセスができなくなるだけである。
【0006】
ホット・リペアの可能なシステムでは、ストレージ駆動装置はレールにガイドされてホット・リペア・ソケットに入る。故障した駆動装置はライブラリあるいはホストへの通知を行なうことなくそのソケットから取り出すことができる。故障した装置がそのソケットから取り出されるとき、長いピンと短いピンからなる装置を用いてこの駆動装置への電力を漸減させて、ライブラリ・システムとホスト・コンピュータにその駆動装置が利用不能となったことを知らせ、ライブラリ・システムをオンライン状態に保つためにシステム・パラメータに必要な変更を加えることができる。しかし、媒体の取り出しの可能なタイプのライブラリにおいてホット・リペア技術を実施するには障害がある。その障害とは、媒体の取り出しが可能なタイプのライブラリではそのストレージ駆動装置の媒体挿入面がロボット式媒体挿入装置に対向しなければならないことである。かかるシステムをオンライン状態にしておくためには、ストレージ駆動装置をロボット式挿入装置から引き出して取り出さなければならない。そのためには、ストレージ駆動装置の電気接続面(標準的な駆動装置では媒体挿入面の反対側にある)には妨害物(ソケット、回路基板、ピンその他)があってはならない。媒体の取り出し可能なタイプのストレージ駆動装置のホット・リペアを行なうには、ストレージ駆動装置は、その媒体挿入面と電気接続面が反対の側面ではなく隣り合う側面に設けられるように構成しなければならない。これには、ここに開示するオンライン修理の可能なシステムおよびオンライン駆動装置修理法では不要となるようなコストがかかってしまう。
【0007】
従って、本発明の主たる目的は、複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムにおいて、そのライブラリの1つあるいは複数の駆動装置が故障した際のダウン時間を大幅に低減することである。媒体の取り外し可能なタイプのライブラリの場合、ライブラリのダウン時間をなくすことができる。
【0008】
本発明の他の目的は、複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムの1つあるいは複数の駆動装置の修理中に、ホストが1つあるいは複数の正常な駆動装置に継続的にアクセスすることができるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の発明者は、複数のストレージ駆動装置と多数の電子的・機械的サブシステムを有し、それぞれの駆動装置はロボット式媒体挿入装置と当接する媒体挿入面と前記の媒体挿入面の反対側の電気接続面を有する複数駆動装置ライブラリ・コンピュータシステムのための新しいフレーム構造を考案した。このフレーム構造は多数の前記のサブシステムが収容された主フレーム構造と、前記の主フレーム構造に取り付けることができ、1つあるいは複数の前記のストレージ駆動装置が収容された1つあるいは複数のモジュール式駆動装置ハウジングからなり、前記のモジュール式駆動装置ハウジングのそれぞれとその内部に収容された駆動装置は前記の主ハウジングから1つのユニットとして取り出すことができる。
【0010】
このモジュール式ハウジングを有する新しいフレーム構造は複数駆動装置ライブラリ・コンピュータシステム内の1つあるいは複数の故障した駆動装置の修理中に正常な駆動装置をオンライン状態に保ち、ホストにアクセスできるようにする。
【0011】
これによってライブラリのダウン時間が大幅に低減され、また媒体の取り出しが可能なタイプのライブラリの場合にはライブラリのダウン時間をなくすことができる。
【0012】
本発明の以上の利点および目的、またその他の利点および目的は以下の説明、図面、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
【実施例】
図1、図2および図4に複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システム44を示す。このシステムは、SCSIプロトコルに従って動作する入出力バス122を有し、入出力バス122は一次入出力バス94、前記一次入出力バス122にピグテール接続された複数の二次入出力バス96、98、100、102、104、106、前記複数の二次入出力バス(96、98、…)に接続された複数のストレージ駆動装置50、52、54、56、58、60、および前記一次入出力94に接続されたライブラリ・コントローラ36を備え、前記のコントローラ36は、前記入出力バス122を介してホスト・コンピュータ48と通信するためのファームウエアと、汎用バス62を介して前記のストレージ駆動装置(50、52、…)と通信するためのファームウエアとを備える。
【0014】
以上がこの複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムの概要であるが、次にその詳細を説明する。
【0015】
第1の実施例では、ライブラリ・システム44は6つのコンピュータ・ストレージ駆動装置(50、52、…)を備える。これらのストレージ駆動装置は、フルサイズの高さの駆動装置(50、52、…)を1つ保持することのできる6つのモジュール式駆動装置ハウジング20、22、24、26、28、30のそれぞれに収容されている。
【0016】
駆動装置(50、52、…)は内部入出力バス122を介してライブラリ・システムの他の構成要素に接続されている。このバス122は一般的にはSCSIプロトコルに従って動作する。図2に示すように、内部の入出力バス122は、一次入出力バス94と該一次入出力バス94にピグテール接続された複数の二次入出力バス(96、98、…)を備える。ストレージ駆動装置(50、52、…)は全て、ピグテール接続された二次入出力バス(96、98、…)を介して入出力バス122に接続されている。
【0017】
図2では、一次入出力バス94を上部に介在するPCボード32と下部に介在するPCボード34上のコネクタ78、80、82、84、86、88の間に設けられたものとして示している。また、一次入出力バス94の一部は、介在するPCボード32、34にエッチングされたトレース112、114、118、120としてもよい。一次入出力バス94の他の部分108、110、116は標準的なSCSIケーブルとすることができる。
【0018】
汎用バス62はストレージ駆動装置(50、52、…)とライブラリ・コントローラ36の間に接続されている。SCSIプロトコル入出力バス122の主要な機能はデータ転送である一方、汎用バスの主要な機能はストレージ駆動装置(50、52、…)とライブラリ・コントローラ36の間の通信である。
【0019】
図4には、ストレージ駆動装置60の背面を示す。ここに図示するストレージ駆動装置(50、52、…)は取り外し可能な光学媒体を用いるタイプの駆動装置である。図5に示すように、各駆動装置(50、52、…)はロボット式媒体挿入装置40と当接する媒体挿入面300を有する。図5には駆動装置60の媒体挿入面300を示す。ロボット式媒体挿入装置40の典型的な配置は図4に最もわかりやすく示されている。取り出し可能な光学媒体を用いるタイプの駆動装置用のロボット式媒体挿入装置については、米国特許第5,010,536号及び特願平7-211791に説明されている。駆動装置(50、52、…)は前記媒体挿入面300の反対側に電気接続面302を有する。各電気接続面302は、二次入出力バス(96、98、…)に接続するためのコネクタ(図4に示すような駆動装置60上のコネクタ304等)と、パワー・ケーブルを取り付けることのできるコネクタ(図示せず)を備える。
【0020】
一次入出力バス94はコネクタ76でライブラリ・コントローラ36(あるいはオートチェンジャー・コントローラ)に取り付けられている。前述したように、このコントローラには汎用バス62も取り付けられている。コントローラ36は、汎用バス62を介してストレージ駆動装置(50、52、…)との通信を行なうためのファームウエアを備える。コントローラ36はまた、SCSIプロトコル入出力バス122を介してホスト48(UNIXワークステーション、PCネットワーク・サーバ、またはその他)と通信するためのファームウエアも備える。
【0021】
コントローラ36はホスト・コマンドに応答し、取り出し可能な媒体カートリッジの位置の追跡、取り出し可能な媒体カートリッジの移動、およびその成功または失敗をホスト48に知らせるといった動作を実行する。コントローラ36はまた、ライブラリコマンドを処理および実行することもできる。また、コントローラ36が駆動装置の状態を変える働きをするようにすることもできるが、本実施例では、これをホスト48の役割とする。コントローラ36はマイクロプロセッサを有するが、このコントローラは「話し掛けられたときにのみ話す」、すなわち自ら動作を起こすことのできない構成要素である。
【0022】
また、コントローラ36には1つあるいは複数のストレージ駆動装置(50、52、…)への電力を使用可能あるいは不可にするためのファームウエアを設けることもできる。電力を使用可能あるいは不能にするに際して、電力の過渡変動を抑制するシステムが用いられる。あるいは、スイッチ(図示せず)を用いて駆動装置(50、52、…)への電力を使用可能あるいは不可とすることもできる。
【0023】
それぞれの駆動装置(50、52、…)に隣接してLED 64、66、68、70、72、74が取り付けられている。LED(64、66、…)は介在するPCボード32、34上に取り付けられている。LED(64、66、…)は、ライブラリ・システム44あるいはホスト48のどちらかによって、駆動装置(50、52、…)の状態をサービスマンが視覚的に認識できるように制御される。例えば、LED(64、66、…)が点灯している場合は「パワー・オン」状態、LED(64、66、…)が点灯していない場合は「パワー・オフ」状態、LED(64、66、…)が点滅している場合は給電された状態で「オフライン故障」の状態(この状態については後に詳細に説明する)を表わすようにすることができる。
【0024】
また、一次入出力バス94にはコネクタ90を介してSCSIリピータ・ボード46が接続される。図2に示すように、リピータ・ボード46はリピータ・ボード外囲器38に収容されている。リピータ・ボード46は入出力バス122を外部から電気的に絶縁する働きをする。このボードは、バス122上で用いられるプロトコルがホスト48等の、ライブラリ・システム44の外部にある要素によって再構成されることを防止する。リピータ・ボード46は、ライブラリ・システム44をホスト48に接続する外部SCSIバス92用に入力128を備える。ホスト48は前述したようにUNIXワークステーションでも、PCネットワークサーバでもよく、またそれ以外のホスト装置であってもよい。
【0025】
リピータ・ボード46は入出力バス122の構成からみて上述したようなライブラリ・システム44においては特に重要である。通常のSCSIシステムはデイジー・チェーン接続されたいくつかの構成要素からなる。従って、かかるシステムからある構成要素を取り出すと、バスに中断が発生し、それによって多数の構成要素との通信が不能になる可能性がある。本発明の目的はオンライン修理の可能なシステムの提供であるため、バス全体を不能にすることなく1つの構成要素を取り出すことを可能にするケーブルを構成する必要がある。そのために、ストレージ駆動装置(50、52、…)は二次入出力バス(96、98、…)を介して一次入出力バス94にピグテール接続される。一次入出力バス94に中断を発生させることなく、また一次入出力バス94を介した他のシステム構成要素との通信を妨げることなく、任意の二次入出力バス(96、98、…)をシステムから取り出すことができる。しかし、SCSIプロトコルでは、バス122はケーブルの長さは約180cm(6フィート)以下、一次入出力バス94からのスタブ(ピグテール96、98、…等)の長さは100mm以下でなければならない。上述した実施例では、一次入出力バス94は約160cm(約62インチ)のケーブルからなり、それぞれのピグテール(96、98、…)は約30cm(約12インチ)のケーブルからなる。ケーブルの全体の長さは本発明のバス・ケーブル上でSCSIプロトコルを適正に用いるには、入出力バス122を外部から絶縁し、また再構成されることのないようにしなければならない。リピータ・ボード46がこの重要な機能を実行する。
【0026】
ストレージ駆動装置(50、52、…)はモジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)を介してライブラリ・システムフレーム構造42に取り付けられている。一代替実施例(図示せず)では、駆動装置(50、52、…)はライブラリ・システムフレーム構造42に個々に直接取り付けることができる。しかし、この構成はライブラリ・システム44をオンライン状態に維持しながら駆動装置(50、52、…)にアクセスすることが困難であるため好適であるとはいえない。
【0027】
図5には、ライブラリ・システム44から取り出されたモジュール式駆動装置ハウジング30を示す。モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)はそれぞれの冷却ファン310、312、314、316、318、320、およびライブラリ・システム44からの取り出しのための取手330、332、334、336、338、340を有する。図4を参照されたい。
【0028】
モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)の取り出しは、まず前記のモジュール式駆動装置ハウジングから伸張する全てのケーブル(入出力バスケーブル(96、98、…)等)および全ての電力ケーブル(図示せず)の切り離しから始まる。駆動装置(50、52、…)がモジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)内に設置されている間は、駆動装置(50、52、…)の電気接続面302に簡単には手を加えることができないため、ケーブルは介在するPCボード32および34で切り離される。その結果、二次入出力バス(96、98、…)と電力ケーブルの一部がモジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)とともに取り出される。ケーブルが切り離されると、モジュール式駆動装置ハウジング30をライブラリ・システム44から取り出すことができる。図5には冷却ファン320と取っ手340を見やすくするためにケーブルは示されていない。モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)は、モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)をロボット式媒体挿入装置40から引き離すことによって取り出される。モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)の取っ手(330、332、…)はその取り出しを容易にする。例えば、モジュール式駆動装置ハウジング30とその内部に取り付けられた駆動装置60は、図5に示すユニットとしてライブラリ・システム44から取り出される。
【0029】
第2の実施例では、ライブラリ・システム44は12個のコンピュータ・ストレージ駆動装置150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161を備える。これら12個のストレージ駆動装置(150、151、…)は上述したものと同じ6つのモジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)に収容されている。各モジュール式駆動装置ハウジング(20、22、…)はなんら変更を加えることなく、フルサイズの高さの駆動装置(50、52、…)を1つあるいはハーフサイズの高さの駆動装置(150、151、…)を2つ保持できるように設計されている。
【0030】
駆動装置(150、151、…)は2つの内部入出力バス222、223を介して他のシステム構成要素に接続されている。バス222、223はそれぞれSCSIプロトコルに従って動作する(図3を参照)。12個の駆動装置を有する実施例に2つの内部入出力バス222、223が必要な理由は、SCSIでは一つのバス上の構成要素アドレスは8つまでと制限されているためである。第1のSCSI入出力バス223は、多数のコネクタ176、178、180、182、191の間に設けられたいくつかのケーブル部分208、210、212、214を含む一次バス194と、二次バス196、198、200を備える。第2のSCSI入出力バス222は同様に、多数のコネクタ184、186、188、190の間に設けられたいくつかのケーブル部分209、213、215を含む一次バス195と、二次バス202、204、206を備える。12個の駆動装置のうちの6つ、すなわち駆動装置150、152、154、156、158、160は二次バス196、198、200、202、204、206に直接接続されている。残りの6つの駆動装置151、153、155、157、159、161は、デイジー・チェーン接続されたいくつかの入出力バス197、199、201、203、205、207を経由し、最初の6つの駆動装置150、152、154、156、158、160を介してSCSI入出力バス222、223に接続されている。
【0031】
第1の実施例と同様に、汎用バス162がストレージ駆動装置(150、151、…)とライブラリ・コントローラ36の間に設けられている。上部に介在するPCボード132と下部に介在するPCボード134に、バス・コネクタ178、180、182、184、186、188および電力の状態を示すLED 164〜175が取り付けられている。
【0032】
2つのSCSI入出力バス222、223が設けられているため、それぞれのSCSIバス部分に対応する2つのSCSIリピータ・ボード144、146が必要である。ホスト48はSCSIコンパチブルのケーブルを介してリピータ・ボード144、146のそれぞれに接続されている。
【0033】
図6には、図5のモジュール式駆動装置ハウジング30の背面図を示す。同図では、1つのフルサイズの駆動装置60が2つのハーフサイズの駆動装置160、161に置き換えられている。2つのハーフサイズの駆動装置160、161の媒体挿入面340はハウジング30の背面から伸張している。図7には図6の各構成要素の前方からの斜視図を示す。図8には図6に示す2つのハーフサイズの駆動装置160、162とモジュール式駆動装置ハウジング30の分解図を示す。また、図8にはストレージ駆動装置160、161を一次入出力バス195に接続する二次入出力バス206と、デイジー・チェーンされた入出力バス207を示す。前述したように、これらの入出力バス206、207はそのストレージ駆動装置160、161およびモジュール式駆動装置ハウジング30とともに1つのユニットとして取り出される。本実施例では、二次入出力バス(196、198、…)の長さは約35cm(約14インチ)である。最後に、図8にはモジュール式駆動装置ハウジング30を構成する3つの部分31、33および35を示す。
【0034】
上述した複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システム内の1つあるいは複数の駆動装置を修理する方法は次の通りである。ここでは、故障した装置は、上述した第2の実施例のものと同様のシステム内の1つのハウジング中に他のハーフサイズの駆動装置161と対をなして収容されたハーフサイズの駆動装置160であるものと仮定する。しかし、この方法はフルサイズの駆動装置の修理あるいは1つのモジュール式駆動装置ハウジングに3つ以上の駆動装置が収容されたライブラリ・システム内の駆動装置にも適用できることに留意しなければならない。また、この方法は2つ以上の駆動装置を同時に修理する場合にも適用することができる。
【0035】
まず、装置の故障の検出あるいは通知が行なわなければならない。図9のフローチャートを参照されたい。これは、ライブラリ・コントローラ36またはホスト48によって行なうことができる。本実施例の方法では、ホストのソフトウエアが駆動装置160の故障を検出する手段を備える。ホスト48は駆動装置160の故障をいくつかの方法で検出することができる。ホスト48がライブラリに駆動装置160への媒体の排出あるいは装填のコマンドを出し、ライブラリ・コントローラ36から移動動作が正常に行なわれなかったことを示す状態コードを受け取ると、ホスト48は駆動装置160が故障しており修理を要するものとみなす。ホスト48はまた、駆動装置160が適正に機能していないことを示すシステムレベル・エラーから駆動装置の故障を検出することもできる。
【0036】
駆動装置の故障が検出されると、ホスト48は故障した駆動装置に媒体が入っていればそれを取り出そうとする。媒体を取り出した後、ホスト48はライブラリ・コントローラ36に駆動装置の故障を通知し、駆動装置160を“オフライン_故障”状態にする。(図10にはさまざまな駆動装置の状態が全て説明をされている。)ライブラリ・コントローラ36はこの駆動装置の状態情報を記憶し、その状態が“オンライン_正常”に戻るまで駆動装置160へのアクセスを許可しない。
【0037】
ライブラリ・システム44がオンライン状態であるときにも、故障した駆動装置160はサービスを受けることができる。従って、ホスト48は、故障した駆動装置160が修理されている間に“オンライン_正常”状態にある1つあるいは複数の正常な駆動装置150、151、152、153、154、155、156、157、158、159へのアクセスを継続し、これらの駆動装置に挿入された媒体から情報を引き出すことができる。
【0038】
ライブラリ・システム44が動作可能な状態で、サービスマンがライブラリの内部の動作を調べる。サービスマンは駆動装置160の近傍のLED 174の点滅から、どの駆動装置が“オフライン_故障”状態であるかを知ることができる。前述したように、故障した駆動装置が2つのハーフサイズの駆動装置160、161を収容するモジュール式駆動装置ハウジング内にある場合、駆動装置160、161の両方をオフライン状態にしなければならない。しかし、実際に交換されるのは故障した駆動装置160だけである。
【0039】
本実施例では、ホスト48は故障した駆動装置160と同じハウジングに収容された正常な駆動装置を“オフライン_正常_保留”状態とする。その後ホスト48は、この同じハウジングに収容された正常な駆動装置を“オフライン_正常”状態にする前に、この駆動装置から媒体を取り出すことができる。
【0040】
駆動装置対の両方の駆動装置160、161がオフライン状態であるとき、ライブラリ・コントローラ36はこの駆動装置対への給電を停止する。駆動装置対160、161のLED 174、175は、駆動装置160、161への給電が停止されたことを示す。この段階で、二次入出力バス・ケーブル206を一次入出力バス195から安全に切り離すことができる。これらの駆動装置への電力ケーブル(図示せず)もまた、取り出すべき駆動装置160、161に対応する介在PCボード134において切り離すことができる。このようにすることによって、システム44の他の部分あるいはホスト48の中断が発生しないようにすることができる。
【0041】
この状態で故障した駆動装置160を収容したモジュール式駆動装置ハウジング30を取り出すことができる。モジュール式駆動装置ハウジング30はそれをロボット式媒体挿入装置40から引き離すことによって取り出すことができる。この従来にない方法で駆動装置160、161の取り出しを行なうことによって、ロボット式媒体挿入装置40がライブラリの正常な駆動装置150、151、152、153、154、155、156、157、158、159への媒体の挿入を続ける際に中断されることがない。
【0042】
故障した駆動装置160が交換された後、取り出されたモジュール式駆動装置ハウジング30はもとの場所に取り付けられ、取り出された160、161にケーブルが再び接続され、サービスマンはこの駆動装置対の状態を、コントローラ36に警報を発する対応する介在PCボード134上のスイッチ(図示せず)をによって“オンライン_保留”にセットする。ライブラリ・コントローラ36は次に駆動装置対160、161に電力を与え、またホスト48に駆動装置の状態の変化を知らせる。ホスト48は駆動装置の状態を“オンライン_保留”から“オンライン_正常”に変更する。これでライブラリの駆動装置(150、151、…)のすべてがホスト48にアクセスすることができる。
【0043】
ホスト48は駆動装置(150、151、…)が“オンライン_正常”あるいは“オフライン_正常_保留”状態にあるときにのみ駆動装置にアクセスすることができる。これ以外のときは、ライブラリ・コントローラ36は駆動装置(150、151、…)へのアクセスを拒否する。
【0044】
ホスト48はSCSI“バッファ書き込み”コマンドを用いて駆動装置(150、151、…)の駆動装置状態を変更する。ホスト48は駆動装置の状態を変更したいときはいつでも、適当な“バッファ書き込み”コマンドを送りさえすればよい。SCSI“バッファ書き込み”コマンドの仕様については図11を参照されたい。
【0045】
ライブラリ・コントローラ36はSCSIの“ユニット・アテンション(Unit Attention)”条件を用いてホスト48と通信する。ライブラリ・コントローラ36がホスト48に駆動装置の状態の変化を知らせたいときは常に、ライブラリ・コントローラ36はホスト48によって送られる次のSCSIコマンド上に“ユニット・アテンション”条件を発する。“ユニット・アテンション”条件を受け取ると、ホスト48はSCSIの“バッファ読み出し”コマンドを送って駆動装置の状態変化を判定する。SCSIの“バッファ読み出し”の仕様については図12を参照されたい。“ユニット・アテンション”条件の仕様は次の通りである。
SCSIの“ユニット・アテンション”条件に対する“センス要求”データ
センス・キー = 6 (ユニット・アテンション)
ASC = 0x2A (変更パラメータ)
ASCQ = 0x80 (HPライブラリ固有)
【0046】
ライブラリ・コントローラ36はライブラリのストレージ駆動装置(150、151、…)のうちの1つあるいは複数に対する未処理の状態変更がある場合、ホスト48からの(照会を除く)あらゆるコマンドに“ユニット・アテンション”条件で応答する。すると、ホスト48は“バッファ読み出し”コマンドを送ってその状態変化を判定しなければならない。“ユニット・アテンション”条件は1つの状態変化について一度だけ報告される。ホスト48は必要であれば“バッファ読み出し”コマンドを用いてライブラリ・コントローラ36をポーリングすることができる。
【0047】
ホスト48からの“オンライン_正常”あるいは”オフライン_正常_保留”状態にない駆動装置に対する移動あるいは交換コマンドに対しては、ライブラリ・コントローラ36は“不当要求”条件を返す。SCSI“不当要求”状態の仕様は次の通りである。
“不当要求”条件に対する“センス要求”データ
センス・キー = 5 (不当要求)
ASC = 0x2A (不当機能)
ASCQ = 0x80 (HPライブラリ固有)
【0048】
以上、本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明の原理は他の様々な態様で実施および採用することができ、本明細書の特許請求の範囲には従来技術によって制限されるものを除く限り、かかる様々な変更態様が含まれるものである。
【0049】
〔実施態様〕
なお、本発明の実施態様の例を以下に示す。
【0050】
〔実施態様1〕 複数のストレージ駆動装置50、52、54、56、58、60といくつかの電子的または機械的サブシステム32、34、36、46を備え複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システム44のフレーム構造であって、
前記駆動装置50、52、54、56、58、60がそれぞれロボット式媒体挿入装置40に当接する媒体挿入面300と該媒体挿入面300の反対側の電気接続面302を備えていることと、
いくつかの前記サブシステム32、34、36、46が収容された主フレーム構造42と、
前記主フレーム構造42に取り付けることができ、1つあるいは複数の前記ストレージ駆動装置50、52、54、56、58、60が収容された1つあるいは複数のモジュール式駆動装置ハウジング20、22、24、26、28、30と
を備えていることと、
前記モジュール式駆動装置ハウジング20、22、24、26、28、30のそれぞれとその内部に収容された前記駆動装置50、52、54、56、58、60は前記主ハウジング42から1つのユニットとして取り出すことができること
を特徴とするフレーム構造。
【0051】
〔実施態様2〕 前記モジュール式駆動装置ハウジング20、22、24、26、28、30はそれぞれ、さらに冷却ファン310、312、314、316、318、320を備えることを特徴とする、実施態様1に記載の構造。
【0052】
〔実施態様3〕 前記モジュール式駆動装置ハウジング20、22、24、26、28、30はそれぞれ、前記ストレージ駆動装置50、52、54、56、58、60を1つあるいは2つ収容できる大きさと形状であることを特徴とする、実施態様1に記載の構造。
【0053】
〔実施態様4〕 いくつかのモジュール式構成要素50、52、54、56、58、60といくつかの電子的または機械的サブシステム32、34、36、46を有するシステム44のフレーム構造であって、
前記いくつかのサブシステム32、34、36、46が収容された主フレーム構造42と前記主フレーム構造42に対して着脱可能であり、1つあるいは複数の前記モジュール式構成要素50、52、54、56、58、60が収容された1つあるいは複数のモジュール式ハウジング20、22、24、26、28、30と
を設けて成るフレーム構造。
【0054】
〔実施態様5〕 前記モジュール式ハウジング20、22、24、26、28、30のそれぞれはさらに冷却ファン310、312、314、316、318、320を備えることを特徴とする、実施態様4に記載の構造。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数のドライブを有するライブラリ・コンピュータ・システムにおいて、そのライブラリの一つ或は複数のドライブが故障した場合のダウン時間を大幅に低減することができる。また、媒体が取外し可能なタイプのライブラリである場合は、ダウン時間をなくすことも可能である。従って、故障したドライブの修理中に正常なドライブに継続的にアクセスすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システムの斜視図である。
【図2】入出力バスを介してライブラリ・システムの他の構成要素に接続された図1の6つの駆動装置を示す図である。
【図3】 12個の駆動装置を含む、図1のシステムの変更態様を示す図である。
【図4】図1に図2の入出力バスを追加した改良された態様を示し、モジュール式駆動装置ハウジングの1つを省略して駆動装置/バス接続の詳細を示し、またライブラリのフレーム構造を省略してこのシステムのロボット式媒体挿入装置を示す図である。
【図5】図1のモジュール式駆動装置ハウジングの1つを後から見た斜視図であり、フルサイズの駆動装置を1個取り付けた状態を示す図である。
【図6】図1のモジュール式駆動装置ハウジングの1つを後から見た斜視図であり、ハーフサイズの駆動装置を2個取り付けた状態を示す。
【図7】図6のモジュール式駆動装置ハウジングと駆動装置を示す、前方から見た斜視図である。
【図8】入出力バスが追加された状態の、図6の後方から見た分解斜視図である。
【図9】本発明のオンライン駆動装置修理方法のステップのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明のオンライン駆動装置修理方法に用いられる駆動装置の状態の定義を示す図表である。
【図11】本発明のオンライン駆動装置修理方法の実行時にホストコンピュータの用いるSCSI“バッファ書き込み”コマンドの仕様を示す図表である。
【図12】本発明のオンライン駆動装置修理法の実行時にホストコンピュータの用いるSCSI“バッファ読み出し”コマンドの仕様を示す図表である。
【符号の説明】
20、22、24、26、28、30:モジュール式駆動装置ハウジング
32:上部介在PCボード
31、33、35:モジュール式駆動装置ハウジング30の部分
34:下部介在PCボード
36:ライブラリ・コントローラ
38:リピータ・ボード外囲器
40:ロボット式媒体挿入装置
42:ライブラリ・システム・フレーム構造
44:複数駆動装置ライブラリ・コンピュータ・システム
46:SCSIリピータ・ボード
48:ホストコンピュータ
50、52、54、56、58、60:ストレージ駆動装置
62:汎用バス
64、66、68、70、72、74:LED
76、78、80、82、84、86、88:コネクタ
90:コネクタ
92:外部SCSIバス
94:一次入出力バス
96、98、100、102、104、106:二次入出力バス
108、110、116:一次入出力バス94の他の部分
112、114、118、120:一次入出力バス94のパターン
122:入出力バス
128:入力
132:上部介在PCボード
134:下部介在PCボード
144、146:SCSIリピータ・ボード
150、152、153、154、155、156、157、158、160、161:コンピュータ・ストレージ駆動装置
160、161:駆動装置
162:汎用バス
164〜175:電力の状態を示すLED
176、178、180、182、191:コネクタ
178、180、182、184、186、188:バスコネクタ
184、186、188、190:コネクタ
194、195:一次入出力バス
196、198、200:二次入出力バス
202、204、206:二次入出力バス
207:入出力バス
208、210、212、214:ケーブル部分
209、213、215:ケーブル部分
222、223:内部入出力バス
300:駆動装置の媒体挿入面
302:駆動装置の電気接続面
304:駆動装置60上のコネクタ
310、312、314、316、318、320:冷却ファン
330、332、334、336、338、340:取っ手
340:駆動装置160、161の媒体挿入面
Claims (2)
- a)いくつかの電子的で機械的なサブシステムが取り付けられ、前記サブシステムには媒体の挿入を行うロボット式媒体挿入装置を有する主フレーム構造と、
b)2つあるいはそれ以上のモジュール式駆動装置ハウジングであって、前記駆動装置ハウジングが取り出しできるように前記主フレーム構造に取り付けられ、各々の前記駆動装置ハウジングには冷却ファンが取り付けられ、各々の前記駆動装置ハウジング内には1つあるいは複数のストレージ駆動装置があって、前記複数のストレージ駆動装置は、一次入出力バスにピグテール接続されている複数の二次入出力バスを介して接続されており、夫々の前記ストレージ駆動装置には夫々の前記ストレージ駆動装置が接続されている電気接続面を媒体挿入面の反対側に備え、各々の前記駆動装置ハウジングで前記駆動装置の媒体挿入面を前記ロボット式媒体挿入装置に当接させるように保持している前記モジュール式駆動装置ハウジングと、
c)前記複数の駆動装置の内のいずれかの駆動装置への給電を停止するライブラリ・コントローラと、を有し、
取り出しできるように取り付けられている前記駆動装置ハウジングのそれぞれと前記駆動装置ハウジング内に収容された前記駆動装置が、前記コントローラが前記いずれかの駆動装置への給電を停止した後、前記二次入出力バスが前記一次入出力バスから切り離されて、1つの前記モジュール式駆動装置ハウジングとして前記ロボット式媒体挿入装置から引き離されるように前記主フレーム構造から取り出すことができることを特徴とする複数駆動装置ライブラリ・コンピュータの構造。 - 1つあるいは複数の前記ストレージ駆動装置の各々が光学媒体駆動装置であり、前記ロボット式媒体挿入装置が光学媒体挿入装置であることを特徴とする請求項1記載の構造。
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