JP4526960B2 - 中空糸型膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸型膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、中空糸型膜モジュールの製造方法に関する。
一般に中空糸型膜モジュールは、一定容積内の濾過膜面積が大きくとれ、装置を小型化できるため、種々の膜分離用途に利用されている。中空糸型膜モジュールは、通常複数の中空糸膜からなる中空糸膜束をケースハウジングに収容し、中空糸膜相互間とケースハウジングとを樹脂などにより接着封止させ、中空糸膜の少なくとも片端部面を開口させることで製造される。
特許文献1、2には中空糸状膜モジュールの製造方法が開示されているが、2回の接着工程が必要であるため、工数の増加及びハウジングとは異なる容器が必要であることによる作業時間及び製造コストの増加の点で満足できないものである。
特許文献3には、分岐状支持体により、4分割状に中空糸束が収納された容器の両端を接着する方法が開示されている。
特開平6−55040号公報 特開2002−126465号公報 特開昭50−73882号公報
従来技術において、ケースハウジング及び中空糸膜を接着固定する際、ポリウレタン接着剤等の熱硬化性接着剤を注入したとき、硬化反応時における発熱ピーク温度が高くなり過ぎ、これが中空糸膜の分離性能に悪影響を及ぼしたり、接着剤の量が多い場合は温度差により接着剤に歪みを生じたりする恐れがある。また、複数束がケースハウジングに収納されたモジュールを製造するには、接着を2回に分けて行う必要があり、作業時間が長く掛かってしまう。
本発明の課題は、製造工程を簡略化すると共に、製造工程において中空糸膜の分離性能に悪影響を及ぼすことがない中空糸型膜モジュールの製造方法を提供する。
本発明は、課題の解決手段として、
少なくとも1つのポートを側面に有する、少なくとも一端側が開口したケースハウジング内に、1又は2以上の液体透過性の保護筒を装入する第1工程、
多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を保護筒内に装入する第2工程、並びに
少なくとも一端側に熱硬化性接着剤を注入し、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束の端部を接着する第3工程、
を有する中空糸型膜モジュールの製造方法を提供する。
なお、本発明においては、第1工程において保護筒内に中空糸膜束を装入し、第2工程において中空糸膜束を装入した保護筒をケースハウジング内に挿入することもできる。
本発明は、課題の他の解決手段として、
少なくとも1つのポートを側面に有する、少なくとも一端側が開口したケースハウジング内に、多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を装入する工程、並びに
少なくとも一端側に熱硬化性接着剤を2段以上に分けて注入し、熱硬化性接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度を抑制しながら、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束の端部を接着する工程、
を有する中空糸型膜モジュールの製造方法を提供する。
本発明において、熱硬化性接着剤を2段以上に分けて注入するとは、熱硬化性接着剤の全使用量を2回以上に分けて注入することである。
本発明の中空糸型膜モジュールの製造方法において、接着剤を2段以上に分割して注入するとき、各段の接着剤の注入は、前段の接着剤注入後、接着剤硬化時の発熱ピーク温度を経過した後、次段の接着剤を注入することで接着剤硬化時の発熱ピーク温度を抑制することが好ましい。
この接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度は、使用する熱硬化性接着剤の種類により異なるものであるが、中空糸膜に熱による悪影響を及ぼさないため、発熱ピーク温度を110℃以下に抑制することが好ましい。
本発明の中空糸型膜モジュールの製造方法は、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束を同時に接着固定する方法であるため、製造工程の簡略化による工数の削減、製造時間の短縮ができるため、製造コストの低減ができるようになる。
更に本発明の中空糸型膜モジュールの製造方法において、接着時に熱硬化性接着剤を2段以上に分けて注入する方法を適用し、接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度を抑制するようにした場合には、製造過程において熱による中空糸膜の濾過性能の低下や接着剤層の歪みが生じないため、耐熱性の低い材質からなる中空糸膜も使用することができ、設計どおりの濾過性能を有する中空糸型膜モジュールを得ることができる。
以下、図面により、本発明の製造法を工程ごとに説明する。図1は、中空糸型膜モジュールの斜視図で、正面壁の一部を切り欠いている。図2は、ネットからなる、横断面が扇形状の保護筒の斜視図である。図3は、保護筒4つを用い、全体が円柱状になるように組み合わせたものの斜視図である。図4(a)、(b)は、保護筒間に配置する、異なる形態のスペーサーである。図5は、保護筒を押圧固定してずれを防ぐためのずれ防止治具の斜視図、図6は、図5のずれ防止治具の取り付け説明図、図7は、図1におけるスペーサー、接着剤層及び中空糸膜との位置関係を示す概念図であり、接着剤層の一部を取り除いている。
本発明の製造方法は、上記の第1工程、第2工程及び第3工程に限定されるものではなく、必要に応じて各工程の前後に他の工程を付加することができる。更に、第1工程、第2工程及び第3工程は、それぞれが分離した工程でも良く、2つの工程又は3つの工程を一つの工程としても良く、更に1つの工程を2以上の工程に分離しても良い。
図1に示すとおり、中空糸型膜モジュール10は、ケースハウジング11内に、4つの保護筒21a〜21dが装入されており、更に4つの保護筒21a〜21d内に所要数の中空糸膜からなる中空糸膜束15が装入されたものであり、以下の第1〜第3工程を有する方法により製造する。
(第1工程)
第1工程は、少なくとも1つのポートを側面に有するケースハウジング内に、1又は2以上の液体透過性の保護筒を装入する工程である。
ケースハウジング11は、一端側又は両端側が開口しており、側面に原水入口、透過液出口又は濃縮液出口となるポート12、13を備えている。ケースハウジング11の形状、大きさ及び高さは、設置場所や濾過性能等を考慮して決定されるものであり、図1に示すような円筒状のケースハウジング11が一般的である。
ケースハウジング11の材質は特に制限はなく、供給原水等の処理対象液や設置環境等により適宜選択することができる。ケースハウジング11の材質は、ポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、AS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂、鉄、ステンレススチール、セラミックス、ガラス等を挙げることができ、これらを組み合わせた多層構造であっても良い。
保護筒21(21a〜21d)は図2に示すようなものであり、液体透過性のネット22から形成されている。図2の保護筒21は横断面が扇形のものであるが、保護筒21の横断面形状、大きさ及び高さは、ケースハウジングの横断面形状、大きさ(内径の大きさ)及び高さと関連して設定することが好ましい。
保護筒21は、原水又は透過水等の液体に対する透過性を有するものであり、その透過性は使用する中空糸膜の濾過性能を損なわない程度であることが好ましい。保護筒21が液体透過性を有することにより、原水又は透過水がケースハウジング内を自由に移動することができる。
保護筒21は、図示したネットのほか液体透過性を有するものであれば良く、表面に細孔を有する多孔体等からなるものでも良い。保護筒21の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素含有樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ステンレス等の金属、セラミックス等を使用することができる。保護筒21は、ポリオレフォン系樹脂製のものが安価で加工性も良いため好ましく、厚さが0.5〜8mm程度のネット状のものが保護筒として適度な強度を有するので好ましい。
保護筒21をケースハウジング11に装入する際、横断面が扇形の保護筒(扇形保護筒)21を用いたときは、図3のとおり、4つの扇形保護筒21a〜21d(いずれも1/4円弧の扇形)を組み合わせて全体を円柱状にすると、円筒状のケースハウジング11に装入する場合に適している。横断面が半円の保護筒を用いたときは、2つの保護筒を組み合わせれば良い。その他、特許文献2の図2、図5に示す5つ又は6つの扇形保護筒を組み合わせるようにしても良いし、特許文献2の図6、図7に示す横断面形状が円形の保護筒にすることができるほか、ケースハウジングが直方体であれば、横断面形状が正方形又は長方形の保護筒にすることもできる。
また、第1工程においては、図3に示すとおり、保護筒21a〜21dを装入する際、保護筒21a〜21dの端部間にスペーサー30を配置した状態でケースハウジング11内に装入することができる。このように保護筒21a〜21d間にスペーサー30を配置して、各保護筒の間に間隙を設けることで、原水又は透過水の移動をより円滑にすることができるので、濾過性能が向上する。
図3では、保護筒1の一端部にのみスペーサー30を配置しているが、他端部にも配置することができる。また、4つの保護筒21とスペーサー30が一体になるように、着脱自在の結束手段(ゴムバンド、4つの保護筒全体を包むことができる大きさの他の保護筒等)で結束することもできる。
スペーサー30は、使用する保護筒21の数に応じて好適なものを選択する。図3のように4つの保護筒21a〜21dを円柱状になるように組み合わせて使用するときは、図4(a)に示すような十字状のスペーサー30を用いる。
図4(a)のスペーサー30は、平板状部31と、平板状部31に設けられた複数の貫通孔32とからなっている。この貫通孔32は、接着剤を注入した際、貫通孔32を通って接着剤が移動できるようにするためのものである。
2つの保護筒(横断面が半円形)を使用するときは、図4(b)に示すようなスペーサー35を使用する。スペーサー35は、平板状部36、貫通孔37、貫通孔37と同じ作用をする溝38からなっている。5又は6以上の扇形保護筒を円柱状に組み合わせて使用するときは、放射状のスペーサーを使用することができる。
スペーサーの材質は特に制限されないが、接着強度を高める観点から、第3工程で使用する熱硬化性接着剤と同じ樹脂を使用することが好ましい。
(第2工程)
第2工程は、多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を保護筒内に装入する工程である。なお、第2工程において、中空糸膜束15の装入後、中空糸膜束15(好ましくは、中空糸膜束の端部を切り揃える)及びスペーサー30の端部を熱硬化性接着剤で接着封止する仮止めをすることもできる。このとき、必要に応じて、ケースハウジング11の内壁面にずれ防止治具を取り付けて、保護筒21a〜21dがずれることを防止しても良い。ずれ防止治具は、ケースハウジング11の内壁面と保護筒21a〜21dの外周面との間に挿入でき、保護筒21a〜21dを押圧固定できるようなものである。
ずれ防止治具としては、図5に示すようなものを使用できる。図5のずれ防止治具40は、曲面部41、曲面部41の一端縁から一方向(下方)に延ばされた押さえ部42、曲面部41の他端縁から上方に延ばされた2本の係止部43、44を有している。曲面部41は、ポート12、13の曲面形状と一致する形状にされている。
ずれ防止治具40は、図6に示すように、ポート12のフランジ12bに押さえ部42を当接させた状態で、ポート12の筒部12a上に曲面部41を置く。このとき、2本の係止部43、44が保護筒21(21a〜21dのいずれか)のネットの網目23内に挿入されるようにする。このようにしてずれ防止治具40を取り付けることにより、保護筒21のずれが防止される。このずれ防止効果は、ずれ防止治具40と上記の結束手段を併用するとより高められる。なお、ずれ防止治具40は、ポート12、13のいずれか一方又は両方に取り付けることができ、第1工程において、保護筒21をケースハウジング11に挿入した後に取り付けても良い。
中空糸膜は、通常使用されているものでよく、材質にも特に制限はない。例えば、酢酸セルロース系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、フッ素系含有樹脂等を挙げることができる。
中空糸膜束15の大きさには特に制限はない。一般的には、各中空糸膜の外径にも依存するが、100〜100,000本程度の中空糸膜から構成されることが好ましい。また、中空糸膜束の長さは10〜200cmが好ましい。中空糸膜束15の太さは特に制限はなく、上記した中空糸膜の使用本数により決定されるが、膜断面積が3〜3000cmであれば中空糸膜束の封止において操作性がよく、より好ましくは10〜1000cmの範囲である。
なお、第1工程における保護筒の装入を行わず、第2工程を最初の工程として、ケースハウジング11内に、多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束15を装入する工程(以下「第1a工程」という)にすることもできる。
(第3工程)
第3工程(第1a工程を経た場合には第2工程となる)は、少なくとも一端側に熱硬化性接着剤を注入し、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束の端部を接着する工程である。
熱硬化性接着剤は、1段又は2段以上に分けて注入することができる。第1工程及び第2工程を経た場合には、1段又は2段以上に分けて熱硬化性接着剤を注入することができるが(望ましくは2段以上)、第1a工程を経た場合には、2段以上に分けて熱硬化性接着剤を注入する。
2段以上に分けて熱硬化性接着剤を注入するときは、熱硬化性接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度を抑制しながら接着する。具体的には、第3工程において、熱硬化性接着剤を2段以上に分割して注入するとき、各段の接着剤の注入は、前段の接着剤注入後、接着剤の硬化反応時の発熱ピーク温度を経過した後、次段の接着剤を注入することで接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度を抑制する方法を適用することが好ましい。
熱硬化性接着剤を2段又は3段に分割して注入する場合は、前段(1段又は2段)の接着剤注入後、接着剤の硬化反応時の発熱ピーク温度を経過した後に次段(2段又は3段)の接着剤の注入を行う。接着剤の注入量は、各段において均等量でも良いし、各段ごとに減少させたり、増加させたりすることもできる。4段以上の場合も同様である。
第3工程の処理では、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束のそれぞれ一端部又は両端部を接着剤により封止固定する。
このように、第3工程において熱硬化性接着剤(図1中の16は、硬化後の接着剤層を示す)を2段以上に分けて注入することにより、全量を一度に注入した場合に比べて、接着剤の硬化反応時における発熱ピーク温度を抑制することができるため、中空糸膜の濾過性能に悪影響を及ぼすことがなく、接着剤層16の熱による歪みを防ぐこともできる。
発熱温度の制御は、接着工程において接着剤硬化時の温度を測定しながら行うこともできる。また、予備実験により、各段で注入する接着剤量を予め決定しておくことで、発熱温度を制御することもできる。
第3工程においては、中空糸膜の分離性能に悪影響を及ぼさない観点から、発熱ピーク温度を110℃以下に維持することが望ましい。
また、図4(a)に示すとおり、スペーサー30は貫通孔32を有しているため、注入した接着剤は、貫通孔32を通って隣接する保護筒21及び中空糸膜束15に移動するので、作業効率が向上する。
熱硬化性接着剤(常温硬化型又は加熱硬化型を含む)としては、尿素樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、レソルシノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリウレタン接着剤、ビニルウレタン接着剤を挙げることができ、これらの中でもポリウレタン接着剤が好ましい。
第3工程においては、公知の遠心接着法(遠心成型法)(特開昭51−93788号公報、特開昭52−38797号公報、特開昭61−171503号公報、特開昭61−171504号公報等)を適用して接着することができる。
第3工程の終了後、接着剤で封止された中空糸膜束15の端部を接着剤層16と共に切断して、開口させる。なお、開口のための切断方法は、スライサーのような刃物、エンドミルによる削り取り、回転盤による切断等を適用できる。スライサーは、削りかすが端面に残ることなく切断でき、エンドミルや回転盤では切断スピードが速いという利点があるため、これらを組み合わせて切断する方法が好ましい。
以上の方法により、図1で示す中空糸型膜モジュール10が得られる。なお、中空糸型膜モジュール10は、実用時においては、開放状態にあるケースハウジング11の端部がキャップ等で閉塞される。
中空糸型膜モジュール10では、図7に示すとおり、接着剤層16の厚みhに対するスペーサー30(平板状部31)の高さhは、60〜80%の範囲であることが、スペーサー30と保護筒21a〜21dとの結合力を高める点から好ましい。
図7において、18は中空糸膜を意味するが、これは中空糸膜18の位置関係を説明するためだけに示したものであり、端部18aは切断処理により開口している。また、図7の33は図1の33と同一である。
本発明により製造された中空糸型膜モジュールは、河川水、湖水の濾過、原子力発電、火力発電用水の濾過、復水の濾過、水の除菌、廃液の濾過回収、食品製造過程における濾過、有機溶剤の濾過や分離、液体の脱ガス、液液抽出等の用途に利用できる。これらの中では、膜の洗浄や、殺菌を定期的に行う必要のある用途、例えば河川水や湖水の濾過、水の除菌等に特に適している。
実施例により、本発明の中空糸型膜モジュールの製造方法を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(第1工程)
図2、図3に示すような、中心角約90°、半径方向14.6cm、厚さ4mm、高さ100cmのポリエチレン製ネットからなる4つの扇形保護筒の両端部に、図4(a)に示すようなウレタン樹脂製のスペーサーを、インシュロックタイ(タイトン社製)を用いて固定した後、外径31.8cm、内径29.8cm、長さ105cmの筒状ケースハウジング内へ装入した。
(第2工程)
次に、1つの扇形保護筒内に、内径800μm、外径1300μm、長さ126cmの酢酸セルロース製中空糸膜5580本からなる中空糸膜束を装入した。
(第3工程)
次に、ポリウレタン接着剤(商品名コロネード4428と商品名ニッポラン4221の混合品,日本ポリウレタン社製)を用いて、中空糸膜束の有効長さが95cmになるように、ケースハウジングの両端部、保護筒の両端部及び中空糸膜束の両端部を遠心接着法により、3段で遠心接着して封止固定した。接着剤は全量を1/3に分けて注入した。接着剤硬化時における発熱ピーク温度(1段目及び2段目注入後の硬化反応時の内の最高温度である)は109℃であった。
次に、封止された中空糸膜の端部をスライサー(自動トリミング装置、コムス社製)を組み合わせて用いて切断することにより、中空糸膜端部を開口させ、中空糸型膜大型モジュールを得た。得られたモジュールの作製に要した時間は7時間であった。
比較例1
内径800μm、外径1300μm、長さ126cmの酢酸セルロース製中空糸膜5580本からなる中空糸膜束を、実施例1と同じポリエチレン製ネットからなる扇形保護筒に装入した。
次に、実施例1と同じポリウレタン接着剤を同量用いて、中空糸膜束の有効長さが95cmになるように保護筒の両端部と中空糸膜束の両端部を1段で遠心接着し、扇形単位濾過エレメントである扇形筒カートリッジを得た。接着剤硬化時における発熱ピーク温度は120℃であった。
このような扇形筒カートリッジを更に3本作製し、これら4本を直径29.2cmの円筒内にカートリッジが互いに隣接するように束ねて入れた後、更にこの円筒を外径31.8cm、内径29.8cm、長さ105cmのケースハウジングに装入した。ケースハウジングの両端部から液漏れを生じないように、ポリウレタン接着剤でカートリッジ相互間及びケースハウジングを接着封止した。
次に、封止された中空糸膜の端部を実施例1と同様にして切断することにより、中空糸膜端部を開口させ、中空糸型膜大型モジュールを得た。得られたモジュールの作製に要した時間は10時間であった。
中空糸型膜モジュールの斜視図。 保護筒の斜視図。 図2の保護筒4つを組み合わせた状態の斜視図。 (a)、(b)ともスペーサの斜視図。 ずれ防止治具の斜視図。 ずれ防止治具の取り付け説明図。 図1における接着剤層、スペーサー及び中空糸膜の位置関係を示す概念図。
符号の説明
10 中空糸型膜モジュール
11 ケースハウジング
15 中空糸膜束
16 接着剤層
21a〜21d 保護筒
30 スペーサー

Claims (9)

  1. 透過液出口又は濃縮液出口となる少なくとも1つのポートを側面に有する、少なくとも一端側が開口したケースハウジング内に、1又は2以上の液体透過性の保護筒を装入した後、ずれ防止治具を用いて保護筒を固定する第1工程、
    多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を保護筒内に装入する第2工程、並びに
    少なくとも一端側に熱硬化性接着剤を注入し、ケースハウジング、保護筒及び中空糸膜束の端部を接着する第3工程、
    を有する、中空糸型膜モジュールの製造方法。
  2. 第1工程において、ケースハウジングの内壁面と保護筒の外周面との間にずれ防止治具を挿入して保護筒を固定する、請求項1記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  3. 第1工程において、透過液出口又は濃縮液出口となる少なくとも1つのポートからケースハウジング内にずれ防止治具を挿入して保護筒を固定する、請求項1記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  4. ずれ防止治具(40)が、曲面部(41)、曲面部(41)の一端縁から下方に延ばされた押さえ部(42)、曲面部(41)の他端縁から上方に延ばされた2本の係止部(43)、(44)を有しているものであり、
    ポート(12)の開口部に押さえ部(42)を当接させた状態で、ポート(12)の筒部(12a)上に曲面部(41)を置き、2本の係止部(43)、(44)を2以上の保護筒に係止させることで保護筒を固定する、請求項3記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  5. 第1工程において、2以上の保護筒の端部間にスペーサーを配置した状態でケースハウジング内に装入し、第3工程において、前記スペーサーが埋設されるように接着剤を注入する、請求項1〜4のいずれか1項記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  6. スペーサーが平板状部を有し、平板状部に貫通孔を有しているものである、請求項記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  7. 接着剤層の厚みに対するスペーサーの高さが60〜80%の範囲である、請求項5又は6記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  8. 第1工程において、2以上の保護筒とスペーサーが一体になるように結束手段により結束した状態でケースハウジング内に装入する、請求項5〜7のいずれか1項記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
  9. 第2工程において、装入された膜束の端部を熱硬化性接着剤を用いて仮接着する、請求項1〜8のいずれか1項記載の中空糸型膜モジュールの製造方法。
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