JP4526772B2 - 半導体装置及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光で結晶化させることにより絶縁表面上に得られる結晶質半導体膜を用いた、半導体装置、その作製方法及び設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の1つである半導体表示装置は、その駆動回路がシリコン基板上に形成されており、FPC等を介してガラス基板上の画素部と接続されていた。しかしICと、画素部が形成されたガラス基板とをFPC等で接続した場合、接続している部分が物理的な衝撃に弱いという問題があった。特にFPCのピン数が多ければ多いほど、この傾向は強い。
【0003】
そこで、半導体表示装置の駆動回路やコントローラを、画素部と同じガラス基板上に集積する技術(システムオングラス)が盛んに研究開発されている。システムオングラスの実現により、FPCのピン数を抑えて上述した問題を回避することができ、なおかつ、半導体表示装置自体の大きさを抑えることができる。また、ガラス基板は単結晶シリコン基板よりも単価が低いので、半導体装置のコストをも抑えることができる。
【0004】
例えば半導体表示装置の1つであるアクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合、画素部に設けられた複数の画素のうちの1つまたは幾つかを順に選択する走査線駆動回路と、選択された画素に画像情報を有する信号(ビデオ信号)を入力する信号線駆動回路とを同じガラス基板上に形成することで、液晶表示装置の物理的衝撃に対する耐性を高めることができ、液晶表示装置自体の大きさを抑えることができる。
【0005】
さらに近年では、今までシリコン基板上に形成されてきたコントローラやCPU等も、駆動回路に加えて、ガラス基板上に一体形成することが試みられている。コントローラと駆動回路を、共に画素部と同じガラス基板上に一体形成することが可能になれば、半導体装置の大きさを飛躍的に抑えることができ、物理的衝撃に対する耐性をより高めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガラス基板は耐熱性に劣り、熱変形しやすい。そのため、ガラス基板上に結晶質TFTを形成する場合において、半導体膜の結晶化にレーザーアニールを用いることは、ガラス基板の熱変形を避けるのに非常に有効である。レーザーアニールの特徴は、輻射加熱或いは伝導加熱を利用するアニール法と比較して処理時間を大幅に短縮できることや、半導体又は半導体膜を選択的、局所的に加熱して、基板に殆ど熱的損傷を与えないことなどが挙げられる。
【0007】
なお、ここでいうレーザーアニール法とは、半導体基板又は半導体膜に形成された損傷層を再結晶化する技術や、非晶質半導体膜を結晶化させる技術を指している。また、半導体基板又は半導体膜の平坦化や表面改質に適用される技術も含んでいる。適用されるレーザー発振装置は、エキシマレーザーに代表される気体レーザー発振装置、YAGレーザーに代表される固体レーザー発振装置であり、レーザー光の照射によって半導体の表面層を数十ナノ〜数十マイクロ秒程度のごく短時間加熱して結晶化させるものとして知られている。
【0008】
レーザーアニール法を用いて形成された結晶質半導体膜は、一般的に複数の結晶粒が集合して形成される。その結晶粒の位置と大きさはランダムなものであり、結晶粒の位置や大きさを指定して結晶質半導体膜を形成する事は難しい。そのため前記結晶質半導体膜を島状にパターニングすることで形成された活性層中には、結晶粒の界面(粒界)が存在することがある。
【0009】
なお粒界とは、結晶粒界とも呼ばれる、面欠陥に分類される格子欠陥の1つである。面欠陥には粒界の他に、双晶面や積層欠陥などが含まれるが、本明細書ではダングリングボンドを有する電気的に活性な面欠陥、つまり粒界と積層欠陥をまとめて粒界と総称する。
【0010】
結晶粒内と異なり、粒界には非晶質構造や結晶欠陥などに起因する再結合中心や捕獲中心が無数に存在している。この捕獲中心にキャリアがトラップされると、粒界のポテンシャルが上昇し、キャリアに対して障壁となるため、キャリアの電流輸送特性が低下することが知られている。よって、例えば半導体素子としてTFTを形成する場合に、粒界が活性層、特にチャネル形成領域中に存在すると、TFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、また粒界において電流が流れるためにオフ電流が増加したりと、TFTの特性に重大な影響を及ぼす。また同じ特性が得られることを前提に作製された複数のTFTにおいて、活性層中の粒界の有無によって特性がばらついたりする。
【0011】
半導体膜にレーザー光を照射したときに、得られる結晶粒の位置と大きさがランダムになるのは、以下の理由による。レーザー光の照射によって完全溶融した液相の半導体膜中に固相核生成が発生するまでには、ある程度の時間が掛かる。そして時間の経過と共に、完全溶融領域において無数の結晶核が発生し、該結晶核からそれぞれ結晶が成長する。この結晶核の発生する位置は無作為であるため、不均一に結晶核が分布する。そして、互いの結晶粒がぶつかり合ったところで結晶成長が終了するため、結晶粒の位置と大きさは、ランダムなものとなる。
【0012】
駆動回路やコントローラ、CPU等の集積回路に用いるトランジスタには高速動作が要求されるが、上述したように粒界の存在しない単結晶珪素膜をレーザーアニール法で形成するのは難しく、レーザーアニール法を用いて結晶化された結晶質半導体膜を活性層とするTFTで、単結晶シリコン基板に作製されるMOSトランジスタの特性と同等なものは、今日まで得られていない。
【0013】
本発明は上述した問題に鑑み、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぎ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことができるレーザー結晶化法を用いた、半導体装置の作製方法及び該作製方法を用いて作製された半導体装置の提供を課題とする。さらには、上記結晶化法を用いた半導体装置の設計方法の提供を課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、凹凸を有する絶縁膜上に半導体膜を形成し、該半導体膜にレーザー光を照射すると、結晶化された半導体膜の、絶縁膜の凸部上に位置する部分において選択的に粒界が形成されることを見出した。
【0015】
図19に、凹凸を有する下地膜上に形成された150nmの非晶質半導体膜に、凸部の長手方向に沿って、連続発振の出力エネルギー5.5Wのレーザー光を、走査速度が50cm/secとなるように照射したときの試料を、上面から観たTEMの像を示す。また、説明を分かり易くするために、図20に、図19に示したTEMの像を模式的に示す。
【0016】
図19、図20において、8001に示す領域は、半導体膜のうち、凸部上に位置する部分に相当し、8002に示す領域は、凹部上に位置する部分に相当する。凹部は、凸部が形成されていない窪んだ領域を意味する。凸部の幅は0.5μm、凹部の幅は0.5μm、凸部の厚さは250nmである。図20に示すとおり、凸部上の半導体膜8001において、粒界8003が形成されている。
【0017】
図21は、図19において示した試料と同じ条件で作製された試料を、セコエッチした後の、レーザー光の走査方向に対して垂直な方向における断面の、TEM像である。凹凸を有する下地膜は3層の絶縁膜から構成されており、窒化珪素からなる第1の絶縁膜上に、ストライプ状の酸化珪素からなる第2の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜を覆って酸化珪素からなる第3の絶縁膜が形成されている。
【0018】
なおセコエッチは、K2Cr27とHFを混合した水溶液を用い、室温で75秒行なった。
【0019】
図21に示すとおり、セコエッチにより凸部8009上の粒界8005が広がり、その位置がより明確になってる。なお、凸部8009 内に見える白い部分は、セコエッチにより、半導体膜の粒界が広がり、該粒界を通して酸化珪素がエッチングされてしまっている領域を示している。またレーザー光の照射により、半導体膜8006の表面が平坦化されている。
【0020】
図22は、図19、図21において示した試料と同じ条件で作製された試料をセコエッチした後、上面から見たTEM像である。セコエッチの条件は図21の場合と同じである。8501に示す領域は凸部上に位置する半導体膜に相当し、8502に示す領域は凹部上に位置する部分に相当する。凸部8501の上部に位置する部分において見える白い部分8503は、セコエッチにより、半導体膜の粒界がエッチングされて広がっている部分を示しており、粒界が凸部8501の上部に選択的に形成されていることが明確になっている。
【0021】
このことから本発明者らは、レーザー光の照射により一時的に半導体膜が溶融することで、絶縁膜の上部に位置していた半導体膜が凹部の底部方向に向かって体積移動し、そのため凸部の上に位置する半導体膜が薄くなり、応力に耐えられなくなったことが、凸部上に粒界が生じた要因の1つではないかと考えた。
【0022】
また図23(A)〜(F)に、凹凸を有する絶縁膜上に形成された半導体膜にレーザー光を照射した際の、半導体膜における温度分布の経時変化のシミュレーション結果を示す。グラフで下側の凹凸で示すライン8008が、酸化膜で形成した下地膜とシリコンとの境界を表している。また、上側のライン8009がシリコンと空気層の境界であり、レーザー光がライン8009で示されるシリコンの表面に向かって照射される。酸化膜厚、シリコン凸部の厚さは、ともに200nmで、凹凸間隔は1μmとなっている。レーザー光照射の条件はガウシアンでピークエネルギー密度45000W/cm2で、σ=7×10-5secで設定した。
【0023】
図23(A)がレーザー光の照射直後の温度分布を示しており、以下図23(B)〜図23(F)は、それぞれ2.5μsec後毎の温度分布を示している。
【0024】
色が濃く示されている領域が、最も温度が高いと考えられる部分であり、図23(A)から図23(F)へ状態が移行するにつれて、色の濃い部分が少なくなっているのがわかる。特に、ライン8008と8009の間に示されているシリコンの温度は、ライン8008で示される下地膜表面の凹部上の方が、凸部上よりも、時間の経過と共に先に温度が低下しているのがわかる。
【0025】
図24に、凹凸を有する絶縁膜上に形成された半導体膜にレーザー光を照射した際の、半導体膜の位置による温度の経時変化のシミュレーション結果を示す。
【0026】
図24に示すグラフは、縦軸が半導体膜の温度(K)を示しており、横軸が時間(秒)を示している。実線は凸部上に位置する半導体膜の温度を示しており、破線が凹部上に位置する半導体膜の温度を示している。図24のシミュレーションでは、1600Kにおいて相転移にともない温度降下が一次停止しているが、相転移の後、破線で示した凹部上の半導体膜が、凸部上の半導体膜に比べて先に温度降下が開始されており、早く相転移しているのがわかる。
【0027】
凹部の方が凸部よりも、半導体膜に接する面積あたりの、所定の範囲内における絶縁膜の体積が大きいため、熱容量が大きい。そのため、逃げた熱がこもりにくく、効率的に放熱が行われるからだと考えられる。よって、レーザー光の照射により半導体膜が溶融した後、該半導体膜内の熱が絶縁膜に放熱されて固化する過程において、凹部近傍の方が凸部近傍よりも早く結晶核が出来やすい。
【0028】
そして時間の経過と共に、凹部近傍において生成された結晶核から、凸部上に向かって結晶成長が進む。そして隣り合う凹部近傍から進んだ結晶成長が、互いにその中間付近である凸部上においてぶつかり合うことが、凸部上に粒界が生じた要因の1つではないかと考えた。
【0029】
いずれにしろ、このように結晶化された半導体膜は、凸部上において粒界が選択的に形成される一方、凹部(点線で示す領域)上には比較的粒界が形成されにくく、結晶性が優れている。
【0030】
そこで本発明者らは、レーザー光で結晶化された半導体膜のうち、粒界の比較的少ない凹部上の半導体膜を、TFTのチャネル形成領域に用いることを考えた。
【0031】
レーザー光は、連続発振であることが最も好ましいが、パルス発振のレーザー光を用いても良い。なおレーザー光の走査方向に対して垂直な方向における凸部の断面は、矩形を含む四角形が好ましく、または三角形であっても良い。
【0032】
上記構成により、レーザー光の照射による結晶化の際、半導体膜の凸部上において粒界が選択的に形成される。凹部上の半導体膜は比較的粒界が形成されにくく、結晶性が優れているが、必ずしも粒界を含まないわけではない。しかし、たとえ粒界が存在したとしても絶縁膜の凸部上に位置する半導体膜に比較すると、その結晶粒は大きく、結晶性が比較的優れたものであると言える。よって、絶縁膜の形状を設計した段階で、半導体膜の粒界の形成される位置をある程度予測することができる。つまり本発明では粒界が形成される位置を選択的に定めることができるので、活性層、より望ましくはチャネル形成領域に粒界がなるべく含まれないように、活性層をレイアウトすることが可能になる。
【0033】
本発明では、絶縁膜の凹部上に位置する半導体膜を、TFTの活性層として積極的に用いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことができる。
【0034】
また、活性層の結晶性が高められることで、活性層の大きさを抑えても所望の値のオン電流を得ることができるので、回路全体の面積を抑えることができ、よって半導体装置の大きさを抑えることができる。
【0035】
なお、上述した方法によって結晶化された半導体膜を、半導体装置の1つである集積回路に用いる場合、設計上の制約事項が生じる。以下にその制約事項を示す。
▲1▼ レーザー光の走査方向と、各TFTが有するチャネル形成領域のキャリアの移動方向(チャネル長方向)とを揃える。
▲2▼ レーザー光のエッジと各TFTの活性層とが重ならないようにする。
▲3▼ 下地膜の凹部に活性層或いはチャネル形成領域をレイアウトする。
【0036】
上記3つの制約事項を取り込みつつ、集積回路のレイアウトの煩雑さを軽減させるために、本発明では以下の設計方法を用いて集積回路を作製する。
【0037】
まず本発明では、集積回路を設計する際に、論理計算の段階において、集積回路を構成する種々の論理素子(以下、セルと呼ぶ)と、その個数を割り出しておく。
【0038】
そして、各セル内のマスクのレイアウトを決める。このとき、全てのTFTのチャネル長方向を、レーザー光の走査方向に揃えるために、全て同じ方向に揃えることが肝要である。さらに、各セルにおいて、TFTの活性層或いはチャネル形成領域が、下地膜の凹部上に位置する半導体膜を用いて形成されるようにする。チャネル長方向を揃えることで、セル内のTFTの特性のバラツキを抑えることができる。また凹部上の半導体膜を用いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことができる。
【0039】
そして、既にレイアウトが決まっている種々のセルを所望の数だけ組み合わせ、各セル間の電気的な接続を定めることで、目的とする集積回路のレイアウトを完成させることができる。このとき、集積回路を構成する種々のセルを、下地膜の凹凸の長手方向或いはレーザー光の走査方向に沿って、ストライプ状に列を成すように配置する。以下本明細書では、一列に配置されたセル群をセル列と呼び、セルが連なっている方向をセル列方向と呼ぶ。つまり、下地膜の凹凸の長手方向及びレーザー光の走査方向と、セル列方向とを同じ方向に設定する。そしてさらに、各セル内のチャネル長方向が、下地膜の凹凸の長手方向、レーザー光の走査方向及びセル列方向と同じ方向になるように、各セルを配置することが重要である。
【0040】
同じセル列に配置されている各セルは、セル列方向に対して垂直な方向における幅(以下、セル幅と呼ぶ)が、全て一定の範囲内に収まるようにする。同じセル列に配置されている全てのセルは、供給される電源の電圧を全て共通にしても良いし、共通にしなくとも良い。
【0041】
そして該セル幅は、レーザー光の、走査方向に対して垂直な方向における幅よりも、小さくなるように設計することが肝要である。より厳密には、レーザー光が照射されている領域のうち、均一なエネルギー密度を有する領域の、走査方向に対して垂直な方向における幅が、該セル幅よりも小さくなるように設計する必要がある。
【0042】
レーザー光のエッジ近傍は、中央付近に比べて一般的にエネルギー密度が低く、結晶化された半導体膜の結晶性が、中央付近と比較して劣っている。そのためレーザー光を走査する際に、後にTFTのチャネル形成領域、より望ましくは活性層となる部分と、その軌跡のエッジとが重ならないようにするのが望ましい。セル幅を、レーザー光の均一なエネルギー密度を有する領域の、走査方向に対して垂直な方向における幅に収まるように設計することで、セル内及びセル間において、半導体膜の結晶性を均一にすることができ、TFTの特性のバラツキを抑えることができる。
【0043】
なお、エネルギー密度が均一である領域の、走査方向に対して垂直な方向における幅が広ければ広いほど、セル幅を広く確保することができ、セル内に配置されるTFTのレイアウト上の制約が少なくなり、設計上の煩雑さを回避することができる。そのためには、レーザー光の断面形状を、矩形または線形等にすることが望ましい。
【0044】
そして、全てのセルのレイアウトを決めてから、各セル列間に、各セルどうしを電気的に接続するための配線をレイアウトする。半導体膜をレーザー光で結晶化するときに、配線がレイアウトされる領域と、レーザー光のエッジが重なっていても、該領域における半導体膜は後の工程において除去され、回路素子として用いないので、何ら問題はない。
【0045】
上記構成により、レーザー光のエッジ(継ぎ目)と、セルとが、重ならないようにするのを容易に成し遂げることができ、レイアウトの煩雑さを回避することができる。また、セル列を含む領域のみレーザー光を照射すれば良いので、セル列が形成されていない領域にレーザー光を照射する必要がない。つまり、必要不可欠な部分を最低限結晶化できるようにレーザー光を走査するのが容易になるので、レーザー光照射にかかる時間を短縮化することができ、よって基板の処理速度を向上させることができる。
【0046】
このように、レイアウトが既に決まっている各種のセルを、所望の数だけ組み合わせてセル列を形成し、各セルどうしの接続を決め、目的とする集積回路を形成することで、上記▲1▼〜▲3▼の制約事項を取り込みつつ、集積回路の設計上の煩雑さを軽減し、効率の良くレイアウトすることができる。
【0047】
なお、スリットを介し、レーザー光のうちエネルギー密度の低い部分を遮蔽するようにしても良い。スリットを用いることで、比較的均一なエネルギー密度のレーザー光をセル列に照射することができ、結晶化を均一に行うことができる。またスリットを設けることで、セル幅によって部分的にレーザー光の幅を変えることができ、チャネル形成領域、さらにはTFTの活性層のレイアウトにおける制約を小さくすることができる。なおレーザー光の幅とは、走査方向と垂直な方向におけるレーザー光の照射領域の長さを意味する。
【0048】
また複数のレーザー発振装置から発振されたレーザー光を合成することで得られた1つのレーザー光を、レーザー結晶化に用いても良い。上記構成により、各レーザー光のエネルギー密度の弱い部分を補い合うことができ、容易に線状または矩形状のレーザー光を得ることができる。
【0049】
また半導体膜を成膜した後、大気に曝さないように(例えば希ガス、窒素、酸素等の特定されたガス雰囲気または減圧雰囲気にする)レーザー光の照射を行い、半導体膜を結晶化させても良い。上記構成により、クリーンルーム内における分子レベルでの汚染物質、例えば空気の清浄度を高めるためのフィルター内に含まれるボロン等が、レーザー光による結晶化の際に半導体膜に混入するのを防ぐことができる。
【0050】
また、可撓性を有する基板を用いて半導体装置を形成する場合、下地膜の凸部の長手方向と、湾曲させた基板の母線の方向とを一致させることで、基板の曲率を高めていったときに下地膜に生じる応力を、ある程度分散させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の半導体表示装置の作製方法について説明する。
【0052】
まず、図1(A)に示すように、矩形またはストライプ形状の凸部101aを有する下地膜101を基板上に形成する。図1(A)のA−A’における断面図が図1(B)に相当する。
【0053】
基板(図示せず)は、後の工程の処理温度に耐えうる材質であれば良く、例えば石英基板、シリコン基板、バリウムホウケイ酸ガラスまたはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成した基板を用いることができる。また、処理温度に耐えうる程度に耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0054】
下地膜101の材料は、後の工程における熱処理に耐え得る材料で、なおかつTFTの特性に悪影響を与えうるアルカリ金属が、後に形成される半導体膜に混入するのを防ぐことができ、凹凸を形成することができる絶縁膜であれば良い。また、後の工程において凸部のみを除去する必要がある場合は、下地膜の凸部とその他の部分とを、エッチングの際に選択比の取れる材料で形成することが重要である。なお、この凹凸の形成の仕方については、後段において詳しく説明する。また、単一の層からなる絶縁膜ではなく2層以上の絶縁膜の積層構造であってもよい。
【0055】
次に、下地膜101を覆うように、半導体膜102を形成する。半導体膜102は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)により成膜することができる。なお、半導体膜は非晶質半導体膜であっても良いし、微結晶半導体膜、結晶質半導体膜であっても良い。また珪素だけではなくシリコンゲルマニウムを用いるようにしても良い。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。また、下地膜101を成膜した後、大気開放せずに連続的に成膜することで、半導体膜と下地膜との間に不純物が混入するのを防ぐことができる。
【0056】
なお、凸部間の幅が大きすぎたり小さすぎたりすると、本発明の効果は得られない。また凸部の高さが高すぎると、後に形成される半導体膜が凸部のエッジ近傍において膜切れを起こす可能性が高くなる。また、低すぎても本発明の効果は得られない。凸部101aの断面形状及びそのサイズついては、半導体膜の厚さと、レーザー光の照射条件との兼ね合いを考慮し、設計者が適宜設定することができる。凸部間の幅Wsは0.01μm〜2μm、より望ましくは0.1μm〜1μm程度にするのが好ましい。また、凸部の高さWhは0.01μm〜3μm、より望ましくは0.1μm〜2μm程度にするのが好ましい。または凸部の高さを小さくし、Whを0.01μm〜1μm、より望ましくは0.05μm〜0.2μm程度にしても良い。
【0057】
次に、図2(A)に示すように、半導体膜102にレーザー光を照射する。なお、図2(B)は、図2(A)の破線A−A’における断面図に相当する。
【0058】
本実施の形態では、図2(A)において矢印で示したように、走査方向を矩形状またはストライプ形状の凸部101aの長手方向に揃えてレーザー光を照射する。レーザー光の照射により、半導体膜102は一次的に溶融し、図2(B)において示すように、凸部の上部から凹部に向かってその体積が移動する。そして表面が平坦化され、なおかつ結晶性が高められた半導体膜103が形成される。
【0059】
本発明では公知のレーザーを用いることができる。レーザー光は連続発振であることが望ましいが、パルス発振であってもエネルギー密度や走査速度などの照射条件によって、ある程度本発明の効果を得ることができると考えられる。レーザーは、気体レーザーもしくは固体レーザーを用いることができる。気体レーザーとして、エキシマレーザー、Arレーザー、Krレーザーなどがあり、固体レーザーとして、YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイアレーザーなどが挙げられる。固体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザーが適用される。当該レーザーの基本波はドーピングする材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形光学素子を用いることで得ることができる。
【0060】
またさらに、固体レーザーから発せられらた赤外レーザー光を非線形光学素子でグリーンレーザー光に変換後、さらに別の非線形光学素子によって得られる紫外レーザー光を用いることもできる。
【0061】
半導体膜103は、レーザー光の照射による体積移動により、下地膜101の凹部上において膜厚が厚くなり、逆に凸部101a上において膜厚が薄くなっている。そのため応力によって凸部101a上に粒界104が発生しやすく、逆に凹部上においては結晶性の良い状態が得られる。なお、凹部上において半導体膜103が必ずしも粒界を含まないわけではない。しかし、たとえ粒界が存在したとしても結晶粒が大きいので、結晶性は比較的優れている。
【0062】
なお、半導体膜の結晶化に際し、レーザー光の照射の工程と、触媒を用いて半導体膜を結晶化させる工程とを組み合わせていても良い。触媒元素を用いる場合、特開平7−130652号公報、特開平8−78329号公報で開示された技術を用いることができる。
【0063】
次に、図3(A)に示すように、半導体膜103の表面をエッチングしていき、下地膜101の凸部101aの上面を露出させる。本実施の形態では、半導体膜のうち、TFTのソース領域またはドレイン領域となる部分はエッチングしないように、マスク105で覆ってエッチングを行なう。
【0064】
図3(B)は、図3(A)の破線A−A’における断面図に相当する。また図3(C)は、図3(A)の破線B−B’における断面図、図3(D)は、図3(A)の破線C−C’における断面図に相当する。上記工程により、凸部101aの上面が露出することで、部分的に凹部上に分離されている半導体膜106が形成される。
【0065】
この上面からの除去により、TFTのチャネル形成領域となる部分において、凸部101a上の粒界が存在する部分が除去され、凸部101a間に相当する凹部の上には、後にチャネル形成領域となる結晶性の良い半導体膜が残される。
【0066】
次に、図4(A)に示すように半導体膜106をパターニングすることで、活性層となる島状の半導体膜107を形成する。なお、図4(B)は、図4(A)の破線A−A’における断面図に相当する。また図4(C)は、図4(A)の破線B−B’における断面図、図4(D)は、図4(A)の破線C−C’における断面図に相当する。本実施の形態で形成されるTFTは、所謂マルチチャネル型を有しており、チャネル形成領域の部分のみ分離したスリット状の島状の半導体膜107が形成される。具体的には、島状の半導体膜107のソース領域またはドレイン領域となる部分が、マスク105で覆われてエッチングされていない部分を用いており、凸部101a上に重なっている。さらに、互いに分離した複数のチャネル形成領域と、全ての複数のチャネル形成領域を間に挟んでいるソース領域及びドレイン領域とを有しており、全ての複数のチャネル形成領域が凸部101aと重なっておらず、凹部上に存在している。なお、ソース領域またはドレイン領域となる部分はチャネル形成領域ほど半導体膜の結晶性によるTFTの特性への影響が大きくない。そのため、ソース領域またはドレイン領域となる部分が、チャネル形成領域となる部分に比べて結晶性が芳しくなくても然程問題にはならない。
【0067】
なお、本実施の形態ではマルチチャネル型のTFTを示したが、本発明はこの構成に限定されず、チャネル形成領域を1つのみ有する単チャネル型のTFTであっても良い。
【0068】
凸部101aのレイアウトは、TFTのチャネル形成領域のチャネル長、チャネル幅を考慮して定めるのが望ましい。
【0069】
次に、図5(A)に示すように、下地膜101の凸部101aの一部を除去し、島状の半導体膜107のチャネル形成領域となる部分を露出する。なお、図5(B)は、図5(A)の破線A−A’における断面図に相当する。また図5(C)は、図5(A)の破線B−B’における断面図、図5(D)は、図5(A)の破線C−C’における断面図に相当する。この凸部101aの除去は、ドライエッチングでもウェットエッチングでも良く、凸部のみを除去できるように、下地膜の構成に適した方法を用いるのが望ましい。エッチングに際し、島状の半導体膜107の一部が除去されることもあり得るし、凸部の一部が残存することもあり得る。
【0070】
なお、下地膜の凸部と、島状の半導体膜107とは、エッチングの際に選択比が取れる材料であることが重要である。例えば、下地膜を三つの下地膜で形成していて、窒化珪素からなる第1の下地膜上に矩形状の酸化珪素からなる第2の下地膜を形成し、第1及び第2の下地膜を覆うように、酸化珪素膜からなる第3の下地膜が形成されている場合、第2及び第3の下地膜を除去するために、CHF3、CF3ガスを用いたドライエッチングか、またはフッ酸系のエッチャントを用いたウェットエッチングを用いるのが好ましい。ドライエッチングを用いた場合、島状の半導体膜の下に位置する下地膜が回り込みによりエッチングされることなく、なおかつ島状の半導体膜の側面をテーパー形状にすることができる。島状の半導体膜の側面がテーパー形状だと、後の工程において形成される絶縁膜やゲート電極が膜切れを起こすのを防ぐことができる。またウェットエッチングを用いた場合、島状の半導体膜の上面がエッチングされることなく下地膜の凸部を除去することができる。
【0071】
凸部を除去した場合、マルチチャネル型のTFTは、凹部上の結晶性の優れている部分のみをチャネル形成領域として用いることができ、なおかつチャネル形成領域のうち、ゲート絶縁膜を間に挟んでゲート電極と重なっている領域を広く取ることができるので、チャネル幅を長くすることができる。チャネル幅を長くすることでオン電流を確保しつつ、TFTを駆動させることで発生した熱を効率的に放熱することができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、下地膜の凸部のうち、島状の半導体膜107のソース領域又はドレイン領域となる部分に覆われている部分は、除去されずに残る。
【0073】
上述した一連の工程によって得られた島状の半導体膜を、活性層として用い、TFTを作製する。互いに分離した複数のチャネル形成領域を有するTFTの作製工程及びその具体的な構造は様々である。代表的には、島状の半導体膜に不純物を添加し、ソース領域とドレイン領域を形成する工程と、ゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極を形成する工程とが行われる。
【0074】
なお、本実施の形態ではレーザー光で結晶化した半導体膜の表面を、凸部が露出する程度に除去する工程の後に、パターニングにより島状の半導体膜を形成する工程を行なっているが、本発明はこの構成に限定されない。パターニングにより島状の半導体膜を形成する工程の後に、凸部が露出する程度に島状の半導体膜の表面を除去する工程を行なっても良い。また、半導体膜をパターニングしてからレーザーで結晶化するようにしても良い。
【0075】
本発明では、絶縁膜の凹部上に位置する半導体膜を、TFTの活性層またはチャネル形成領域として積極的に用いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことができ、TFTの特性のバラツキを抑えることができる。
【0076】
そして、TFTを作製した後、目的とする回路の仕様に合わせて、各TFTのゲート電極、ソース領域、ドレイン領域を、配線で電気的に接続し、セルを形成する。図6に、上記TFTを用いてセルの1つであるインバーターを作製した例について説明する。
【0077】
図6(A)に、図5に示した島状の半導体膜107を用いて形成されたインバーターの上面図を示す。なお、図6(B)は、図6(A)の破線A−A’における断面図に相当する。また図6(C)は、図6(A)の破線B−B’における断面図、図6(D)は、図6(A)の破線C−C’における断面図に相当する。
【0078】
本実施の形態では、上述した一連の作製方法を用いて形成された島状の半導体膜107を用いて、pチャネル型TFT110、nチャネル型TFT111を形成する。これらのTFT110、111はそれぞれ、島状の半導体膜107に不純物を添加することで得られる活性層113、112と、ゲート絶縁膜114と、ゲート電極115とを少なくとも有している。そして各活性層113、112には、チャネル形成領域116と、該チャネル形成領域116を挟んでいるソース領域とドレイン領域117とが少なくとも設けられている。
【0079】
なお、ソース領域またはドレイン領域となる不純物領域と、チャネル形成領域との間にLDD領域やオフセット領域を有していてもよい。
【0080】
各TFTは、チャネル形成領域が凹部上にのみ存在してる。そして、配線120〜123によって、各TFTのソース領域、ドレイン領域またはゲート電極が接続されることで、インバーターを形成することができる。具体的には、nチャネル型TFT111のソース領域に接続された配線122に電圧Vssが印加されており、pチャネル型TFT110のソース領域に接続された配線121に電圧Vddが印加されている。ただし、Vss<Vddである。そして、ゲート電極115に入力された信号に同期して、該信号の逆の極性の電圧を有する信号が、pチャネル型TFT110のドレイン領域及びnチャネル型TFT111のドレイン領域に接続された配線122を介して配線123から出力される。
【0081】
なお、本明細書において電圧とは、特に記載のない限り、グラウンドの電位との電位差を意味する。
【0082】
なお、本発明で用いるセルは、上記回路に限定されないことは言うまでもない。また、セル内の配線120〜123が形成される層は、図5に示した構成に限定されない。セル内の各TFTを接続する配線が形成される層は、設計者が適宜設定することが可能である。ただし、同じセル列内の全てのセルは、同じ電源電圧が供給されていることが重要であるため、共通の電源電圧を供給するための配線、図6では、配線120、121を、同じセル列内の全てのセルで共有する。
【0083】
なお、上記工程において、レーザー光の照射後または結晶化後の半導体膜を下地膜の凸部が露出する程度にエッチングした後において、500〜600℃で1分から60分程度加熱することで、半導体膜内において生じている応力を緩和することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、凸部を除去する例について説明したが、凸部をエッチングせずに残しても良い。
【0085】
また、電熱炉を使用した熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法を用いて半導体膜を結晶化した後、レーザー光を用いてより結晶性が高められるように結晶化させても良い。また、膜厚方向において完全に溶解しないような低いエネルギーのレーザー光を半導体膜に照射して結晶化した後、膜厚方向において完全に溶解するような高いエネルギーのレーザー光を照射するようにしても良い。
【0086】
次に、各セルの構造と、セル列の配置について説明する。
【0087】
本発明で用いるセルは、その一例を図6に示したが、レーザー光の走査方向と、セル内の全てのTFTのチャネル長方向とが一致していることが肝要である。
【0088】
図7に本発明で用いるセルのブロック図を示す。本発明で用いるセル130は、各種の信号(In1〜Ink)が入力される配線と、信号(Out)が出力される配線とを有している。さらに、セル130は電源電圧Vdd、Vssが供給される配線を有している。なお、図7においてセル130は、出力Out用の配線を1本有しているが、出力用の配線を複数本有していても良い。また図7に示したセル130は、電源電圧としてVdd、Vssをそれぞれ供給する配線2本を有している例を示しているが、電源電圧を供給するための配線はこの数に限定されない。電源電圧を供給する配線の数、及び供給する電源電圧の高さは、セルの種類によって異なっていても良い。しかし、同じセル列内に含まれるセルは、全て同じ電源電圧が供給される配線を有していることが望ましい。
【0089】
セル130内の破線131で示す領域に、TFTやその他の素子に用いられる島状の半導体膜がレイアウトされている。同一セル内の全ての島状の半導体膜は、後にTFTとして完成したときに、そのチャネル長方向と、レーザー光の走査方向とが必ず一致している必要がある。
【0090】
また、レーザー光の走査方向及びチャネル長方向に対し、垂直の方向におけるセル130の幅(セル幅:Hc)は、レーザー光の幅に収まるサイズにする。なおセル幅Hcは、図7では電源電圧Vdd、Vssを供給する配線がレイアウトされている領域まで含めて定義しているが、必ずしも含めて設計する必要はない。セル幅Hcは、レーザー光のエッジが、後に島状の半導体膜となる部分と重ならないようにするための目安であり、最低限島状の半導体膜となる部分がセル内に含まれるように定義しておけば良い。
【0091】
セル幅は、典型的には100μm程度であり、好ましくは30〜200μm程度であるが、サブミクロン単位での微細加工が可能になった場合は、セル幅がより小さくなる可能性はある。またレーザー光の幅が大きい場合は、セル幅をより大きくすることも可能である。
【0092】
なお、図7では示していないが、下地膜の凸部の長手方向と、レーザー光の走査方向及びセル内のTFTのチャネル長方向とは、一致している。
【0093】
そして各セルを、レーザー光の走査方向とセル内のチャネル長方向とが一致するように、レーザー光の走査方向に沿って、ストライプ状に列を成すように配置する。図8(A)に、セルをセル列ごとにレイアウトした様子を示す。図8(A)では、複数のセル130をセル列方向に沿って列をなすようにレイアウトされている。なお図8(A)では、レイアウトされている全てのセル列1〜hにおいて、共通の電源電圧Vdd、Vssが供給されているが、本発明はこの構成に限定されない。
【0094】
また同じセル列内に、必ずしも同じ種類のセルをレイアウトする必要はなく、セル幅が一定の範囲、より厳密に言うとレーザー光の幅に収まる範囲であるセルであれば良い。
【0095】
そして各セル列間には、各セルの電気的な接続をするための配線がレイアウトされている。具体的には各セルへ信号(In1〜Ink)が入力される配線や、各セルからの信号(Out)が出力配線が行き来している。
【0096】
このセル間を電気的に接続する配線のレイアウトは、セル列内に含まれるセルの配置順序や、各セル列の配置される位置によっても変わってくる。これらは設計者が適宜設定することができる。配線抵抗や、配線を形成する層の数を考慮に入れ、配線のレイアウトと、セル及びセル列のレイアウトとが共に最適になるように、シミュレーション等により設計することが肝要である。
【0097】
なおセル列間の間隔は、配線のレイアウトを考慮に入れるだけではなく、レーザー光の幅も考慮する必要がある。図8(B)を用いて、セル列の間隔とレーザ光の幅の関係について説明する。なお、図8(B)に、複数のセル列がレイアウトされている基板に対して、レーザー光を走査している様子を示しているが、実際にはレーザー光を照射している時点ではセルは完成しておらず、図8(B)では、後の工程においてセルとなる領域を便宜的に示している。
【0098】
レーザー光は、そのエッジがセル列と重ならないように走査することが肝要である。よってレーザー光の幅をHbとすると、セル幅Hcはレーザー光の幅Hbに収まる範囲であることが重要である。さらに1つのセル列に対してレーザー光を走査しているときに、隣接するセル列に、レーザー光のエッジが重なることのないように配慮する必要がある。よって、レーザー光のエッジが、必ずセル列間に存在するように、セル列間の幅をレーザー光の幅Hbに合わせて設計する必要がある。
【0099】
次に、基板全体のレーザー光の走査方向について説明する。図9(A)に、本発明の設計方法または作製方法を用いて作製された集積回路の一例である、マイクロプロセッサ3200の構成を示す。マイクロプロセッサ3200はさまざまな回路で構成されている。図9(A)では、CPUコア3201、フラッシュメモリ3204、クロックコントローラ3203、キャッシュメモリ3202、キャッシュコントローラ3205、シリアルインターフェース3206、I/Oポート3207等から構成される。勿論、図9(A)に示すマイクロプロセッサは簡略化した一例であり、実際のマイクロプロセッサはその用途によって多種多様な回路設計が行われる。
【0100】
各回路には、それぞれ複数のセル列が配置されており、全てレーザー光の走査方向と、セル列の方向とが、一致するようにレイアウトされている。各回路が有するセルの種類は様々であり、各回路にレイアウトされているセル列は、必ずしも同じセル幅を有しているとは限らない。しかし、全ての回路において、セル列のセル幅が、レーザー光の幅以下に収められていて、なおかつ、レーザー光の経路に合わせて、レーザー光のエッジが各回路のセル列と重ならないように、各回路においてセル列を配置する必要がある。
【0101】
図9(B)に、図9(A)に示したマイクロプロセッサ3200が形成されている基板に対する、レーザー光の走査経路を示す。実線で示す矢印が、レーザー光の走査経路であり、該経路に従って、各回路のセル列が、レーザー光のエッジに重ならないようにレイアウトされている。
【0102】
なお図9(B)では、基板に対して、単一の方向にレーザー光を走査している例について示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば基板上に形成されている回路ごとにレーザー光の走査方向を変えるようにしても良い。その場合においても、必ず各回路においてレーザー光の走査方向と、セル列方向とを一致させる必要がある。
【0103】
また、図9(A)では、各回路が有するセル列が、互いに独立している例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。複数の回路で1つのセル列を共有していても良い。
【0104】
本発明では上述したように、セル内において、レーザー光の走査方向と、各TFTが有するチャネル長方向とを揃え、下地膜の凹部上の半導体膜を活性層或いはチャネル形成領域として用いるように、セルの種類ごとにレイアウトを決めておき、各種のセルを所望の数だけセル列方向に列を成すよう配置する。そして、セル列間の間隔をレーザー光の幅に合わせて設定する。上記構成により、半導体装置、特に集積回路を設計する上での制約事項を取り込みつつ、レイアウトの煩雑さを軽減させることができる。
【0105】
本発明の作製方法で、マイクロプロセッサの他に、例えばLSIを用いたCPU、各種ロジック回路の記憶素子(例えばSRAM)、カウンタ回路、分周回路、半導体表示装置の駆動回路等を形成することができる。本発明は、様々な半導体装置に適用させることが可能である。
【0106】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0107】
(実施例1)
本実施例では、島状の半導体膜全体が、凹部にのみ存在するようにする例について説明する。
【0108】
まず、実施の形態の図2に示した状態まで作製する。
【0109】
次に、半導体膜103の表面全体をエッチングしていき、下地膜101の凸部101aの上面を露出させる。上記工程により、下地膜101の凹部にのみ存在する半導体膜が形成される。半導体膜103の上面からの除去は、どのような方法を用いて行っても良く、例えばエッチングにより行っても良いし、CMP法により行っても良い。
【0110】
この上面からの除去により、凸部101a上の粒界が存在する部分が除去され、凸部101a間に相当する凹部の上には、後にチャネル形成領域となる結晶性の良い半導体膜が残される。
【0111】
次に、図10(A)に示すように、表面をエッチングされた半導体膜をパターニングすることで、活性層となる島状の半導体膜172を形成する。なお、図10(B)は、図10(A)の破線A−A’における断面図に相当する。島状の半導体膜172は、凹部上にのみ存在しており、その一部が凸部101aと接している。凸部101aは、TFTのチャネル長、チャネル幅を考慮して、そのレイアウトを定めるのが望ましい。なお、ソース領域またはドレイン領域となる部分をも凹部上に存在する半導体膜で形成することで、ソース領域とドレイン領域の抵抗を下げることができる。
【0112】
この島状の半導体膜172を用いて、TFTを作製することができる。
【0113】
なお、平坦な下地膜上に島状の半導体膜を形成し、該島状の半導体膜の上に形成された絶縁膜にコンタクトホールを形成する際に、コンタクトホールのマスクがずれると、島状の半導体膜の下に位置する下地膜がエッチングされて、該島状の半導体膜に接するように形成された電極が断切れを起こすことがある。本発明では島状の半導体膜の、特にソース領域とドレイン領域となる部分が、凸部と接するようにすることで、島状の半導体膜の下に位置する下地膜の代わりに、凸部の一部がエッチングされるので、ソース領域またはドレイン領域に接する配線の断切れを防ぐことができる。よって、配線を形成する際のデザインルールが緩くなり、さらに島状の半導体膜と配線との接続部における抵抗を下げることができる。
【0114】
なお、図10に示した状態から、凸部101aを除去しても良い。図11(A)、図10に示した状態から凸部101aを除去した様子を示す。なお図11(B)は、図11(A)の破線A−A’における断面図に相当する。凸部101aを除去することで、後に表面を平坦化させるための絶縁膜の厚さを薄くすることができ、また平坦化用の絶縁膜の厚さが足りなくとも、平坦化用の絶縁膜状に形成される配線や画素電極が凹凸によってうねったり、断切れを起こしたりするのを防ぐことができる。
【0115】
(実施例2)
本実施例では、凹凸を有する下地膜の形成の仕方について説明する。なお本実施例で示す下地膜はほんの一例であり、本発明で用いられる下地膜は、本実施例で示す構成に限定されない。
【0116】
まず、図12(A)に示すように、基板250上に絶縁膜からなる第1の下地膜251を成膜する。第1の下地膜251は本実施例では酸化窒化珪素を用いるがこれに限定されず、第2の下地膜とエッチングにおける選択比が大きい絶縁膜であれば良い。本実施例では第1の下地膜251をCVD装置でSiH4とN2Oを用いて50〜200nmの厚さになるように形成した。なお第1の下地膜は単層であっても、複数の絶縁膜を積層した構造であってもよい。
【0117】
次に、図12(B)に示すように、第1の下地膜251に接するように絶縁膜からなる第2の下地膜252を形成する。第2の下地膜252は後の工程においてパターニングし、凹凸を形成したときに、その後に成膜される半導体膜の表面に凹凸が現れる程度の膜厚にする必要がある。本実施例では第2の下地膜252として、プラズマCVD法を用いて30nm〜300nmの酸化珪素を形成する。
【0118】
次に、図12(C)に示すようにマスク253を形成し、第2の下地膜252をエッチングする。なお本実施例では、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)をエッチャントとし、20℃においてウエットエッチングを行う。このエッチングにより、矩形状の凸部254が形成される。本明細書では、第1の下地膜251と凸部254とを合わせて1つの下地膜とみなす。
【0119】
なお、第1の下地膜251として窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムまたは窒化珪素を用い、第2の下地膜252として酸化珪素膜を用いる場合、RFスパッタ法を用いて第2の下地膜252をパターニングすることが望ましい。第1の下地膜251として窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムまたは窒化珪素は熱伝導度が高いので、発生した熱をすばやく拡散することができ、TFTの劣化を防ぐことができる。
【0120】
次に、第1の下地膜251と凸部253を覆うように半導体膜を形成する。本実施例では凸部の厚さが30nm〜300nmであるので、半導体膜の膜厚を50〜200nmとするのが望ましく、ここでは60nmとする。なお、半導体膜と下地膜との間に不純物が混入すると、半導体膜の結晶性に悪影響を与え、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を増大させる可能性があるため、下地膜と半導体膜とは連続して成膜するのが望ましい。そこで本実施例では、第1の下地膜251と凸部253とからなる下地膜を形成した後は、酸化珪素膜255を薄く該下地膜上に成膜し、その後大気にさらさないように連続して半導体膜256を成膜する。酸化珪素膜の厚さは設計者が適宜設定することができるが、本実施例では5nm〜30nm程度とした。
【0121】
次に、図12とは異なる下地膜の形成の仕方について説明する。まず図13(A)に示すように基板260上に絶縁膜からなる第1の下地膜を形成する。第1の下地膜は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などで形成する。
【0122】
酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。酸化窒化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化珪素膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化珪素膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化珪素膜を適用しても良い。窒化珪素膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。
【0123】
第1の下地膜は20〜200nm(好ましくは30〜60nm)の厚さに基板の全面に形成した後、図13(B)に示すように、フォトリソグラフィーの技術を用いマスク262を形成する。そして、エッチングにより不要な部分を除去して、矩形状の凸部263を形成する。第1の下地膜261に対してはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。後者の方法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングすると良い。
【0124】
次いで、凸部263及び基板260を覆うように、絶縁膜からなる第2の下地膜264を形成する。この層は第1の下地膜261と同様に酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などで50〜300nm(好ましくは100〜200nm)の厚さに形成する。
【0125】
上記作製工程によって、凸部263及び第2の下地膜264からなる下地膜が形成される。なお、第2の下地膜264を形成した後、大気に曝さないように連続して半導体膜を成膜するようにすることで、半導体膜と下地膜の間に大気中の不純物が混入するのを防ぐことができる。
【0126】
本実施例は実施例1と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0127】
(実施例3)
本発明の作製方法を用いて形成されたTFTは、半導体表示装置の駆動回路及び半導体表示装置が有するその他の回路に用いることができる。本実施例では、本発明の作製方法を用いて形成されたTFTを用いた、コントローラの構成について説明する。なお、本実施例では半導体表示装置の1つである、OLED(Organic Light Emitting Device)を用いた発光装置のコントローラの構成について説明するが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置のコントローラであっても良いし、その他の半導体表示装置のコントローラであっても良い。また、コントローラ以外の駆動回路であっても良いし、表示装置以外の半導体装置であっても良い。
【0128】
図14に本実施例のコントローラの構成を示す。コントローラは、インターフェース(I/F)650と、パネルリンクレシーバー(Panel Link Receiver)651と、位相ロックドループ(PLL:Phase Locked Loop)652と、信号変換部(FPGA:Field Programmable Logic Device)653と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)654、655と、ROM(Read Only Memory)657と、電圧調整回路658と、電源659とを有している。なお本実施例ではSDRAMを用いているが、SDRAMの代わりに、高速のデータの書き込みや読み出しが可能であるならば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)や、SRAM(Static Random Access Memory)も用いることが可能である。
【0129】
インターフェース650を介して半導体表示装置に入力されたデジタルビデオ信号は、パネルリンクレシーバー651においてパラレル−シリアル変換されてR、G、Bの各色に対応するデジタルビデオ信号として信号変換部653に入力される。
【0130】
またインターフェース650を介して半導体表示装置に入力された各種信号をもとに、パネルリンクレシーバー651においてHsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)が生成され、信号変換部653に入力される
【0131】
位相ロックドループ652では、半導体表示装置に入力される各種信号の周波数と、信号変換部653の動作周波数の位相とを合わせる機能を有している。信号変換部653の動作周波数は半導体表示装置に入力される各種信号の周波数と必ずしも同じではないが、互いに同期するように信号変換部653の動作周波数を位相ロックドループ652において調整する。
【0132】
ROM657は、信号変換部653の動作を制御するプログラムが記憶されており、信号変換部653はこのプログラムに従って動作する。
【0133】
信号変換部653に入力されたデジタルビデオ信号は、一旦SDRAM654、655に書き込まれ、保持される。信号変換部653では、SDRAM654に保持されている全ビットのデジタルビデオ信号のうち、全画素に対応するデジタルビデオ信号を1ビット分づつ読み出し、信号線駆動回路に入力する。
【0134】
また信号変換部653では、各ビットに対応する、OLEDの発光期間の長さに関する情報を走査線駆動回路に入力する。
【0135】
また電圧調整回路658は各画素のOLEDの陽極と陰極の間の電圧を、信号変換部653から入力される信号に同期して調整する。電源659は一定の高さの電圧を、電圧調整回路658、信号線駆動回路660、走査線駆動回路661及び画素部662に供給している。
【0136】
コントローラが有する種々の回路のうち、TFTを用いて作製することができる回路、例えばCPU、メモリ、各種プロセッサ等に、本発明を用いることが可能である。
【0137】
本発明において用いられる駆動回路及びコントローラは、本実施例で示した構成に限定されない。本実施例は、実施例1または2と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0138】
(実施例4)
本実施例では、本発明の半導体装置の設計方法の流れについて説明する。
【0139】
図15に、半導体装置の設計方法の流れを示すフローチャートを示す。図15に示すように、まず目的とする半導体装置を論理計算レベルで設計する。このとき、目的とする半導体装置に用いる各種の論理素子(セル)や、その数、セルどうしの接続関係を把握することができる。
【0140】
ここで、論理計算レベルでのシミュレーションを行ない、回路が目的の動作をすることができるかどうかを確認しておいても良い。動作が確認できなければ、論理計算レベルでの設計を再び行なう。
【0141】
次に、各セルのマスクの設計を行なう。なお、セルは、入力条件とそれに対応した出力値が一定の素子であるならば、どのような素子であっても良い。
【0142】
セル内のマスク設計の際に重要なのは、レーザー光の走査方向と、全てのTFTのチャネル長方向とを一致させることと、セル幅がレーザー光の幅以内に納まるようにすることである。
【0143】
各セルのマスクを設計したら、各種類のセルを所望の数だけ組み合わせて半導体装置のレイアウトを決める。このとき、各セルは、レーザー光の走査方向に沿って、列を成すように配置する。セル列方向と、各セル内のチャネル長方向は、必ず一致している。そしてレーザー光の幅を考慮し、レーザー光のエッジが各セル列に重ならないように、セル列の間隔を決める。
【0144】
そして、また、各セルどうしを接続するための配線のレイアウトも行なう。配線のレイアウトは、セル列内に含まれるセルの配置順序や、各セル列の配置される位置によっても変わってくる。これらは設計者が適宜設定することができる。配線抵抗や、配線を形成する層の数を考慮に入れ、配線のレイアウトと、セル及びセル列のレイアウトとが共に最適になるように、シミュレーション等により設計することが肝要である。
【0145】
半導体装置のレイアウトが決まったら、再びシミュレーションを行ない、動作を確認する。このとき目的とする動作が行なわれないようなら、各セルのマスクの設計、セルの配置及びセル間の配線のレイアウトの設計を再び行なう。場合によっては、論理計算レベルまで戻って設計をやり直すこともできる。
【0146】
上記シミュレーションにより動作を確認することができたら、設計は完了である。本発明の設計方法により、本発明の作製方法に伴う設計上の制約事項を取りこみつつ、設計上の煩雑さを軽減させることができる。
【0147】
本実施例は、実施例1〜3と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0148】
(実施例5)
本実施例では、本発明の設計方法で用いられる各種のセルの構成について説明する。
【0149】
図16に、図6に示したインバータのセルとは異なる構成を有する、インバータのセルの構成を示す。図16(A)は本実施例のインバータセルの上面図であり、図16(B)はその等価回路図である。501はpチャネル型TFTであり、502はnチャネル型TFTである。pチャネル型TFT501とnチャネル型TFT502がそれぞれ有する島状の半導体膜503、504は、レーザー光の走査方向とチャネル長方向が一致している。
【0150】
そして図16(A)に示すセルは、電源電圧Vdd、Vssが供給される配線を、同じセル列に含まれる他のセルと共有している。そしてセル幅Hcは、レーザー光の幅よりも小さい。
【0151】
図16(A)に示したインバータは、図6(A)と異なり、島状の半導体膜503、504が凸部505間にのみ存在している。図16(A)では、pチャネル型TFT501とnチャネル型TFT502とで、オン電流のバランスを取るために、チャネル幅を変えており、それに合わせて凹部の幅も変えている。
【0152】
図16(A)では、TFTの活性層全体が凹部にのみ存在している例について示したが、本発明はこれに限定されない。マルチチャネル型のTFTを用いていても良いし、凸部を除去した状態であっても良い。
【0153】
次に、2入力NORのセルの構成について説明する。図17(A)に2入力NORのセルの上面図を示す。図17(B)に、図17(A)に示した2入力NORの等価回路図を示す。
【0154】
図17(A)では、2つのpチャネル型TFT511、512と、2つのnチャネル型TFT513、514とが形成されている。各TFT511〜514がそれぞれ有する島状の半導体膜515〜518は、レーザー光の走査方向とチャネル長方向が一致している。
【0155】
そして図17(A)に示すセルは、電源電圧Vdd、Vssが供給される配線を、同じセル列に含まれる他のセルと共有している。そしてセル幅Hcは、レーザー光の幅よりも小さい。
【0156】
図17(A)では、凸部を除去した場合について示しているが、本発明はこれに限定されない。マルチチャネル型のTFTを用いていても良いし、凸部が残存した状態であっても良い。
【0157】
なお、本発明のセルはインバータと2入力NORに限定されるものではなく、他の各種の論理素子を用いることができる。
【0158】
本実施例は、実施例1〜4と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0159】
(実施例6)
本発明を用いて作製されるTFTを搭載した半導体表示装置は、様々な電子機器への適用が可能である。その一例は、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ受像器、携帯電話、投影型表示装置等が挙げられる。それら電子機器の具体例を図14に示す。
【0160】
図18(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2003やその他の信号処理回路に用いることで、本発明の表示装置が完成する。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0161】
図18(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2102やその他の信号処理回路に用いることで、本発明のデジタルスチルカメラが完成する。
【0162】
図18(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2203やその他の信号処理回路に用いることで、本発明のノート型パーソナルコンピュータが完成する。
【0163】
図18(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2302やその他の信号処理回路に用いることで、本発明のモバイルコンピュータが完成する。
【0164】
図18(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部A2403、B、2404やその他の信号処理回路に用いることで、本発明の画像再生装置が完成する。
【0165】
図18(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2502やその他の信号処理回路に用いることで、本発明のゴーグル型ディスプレイが完成する。
【0166】
図18(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2602やその他の信号処理回路に用いることで、本発明のビデオカメラが完成する。
【0167】
ここで図18(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。本発明の作製方法により作製された、表示装置の駆動回路や、CPU、画像処理回路等の各種論理回路を、表示部2703やその他の信号処理回路に用いることで、本発明の携帯電話が完成する。
【0168】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例は実施例1〜5に示したいずれの構成とも組み合わせて実施することが可能である。
【0169】
(実施例7)
本実施例では、セルを用いて作製された半導体装置のマスク図面について説明する。
【0170】
図25(A)に、多数のセルが配列しているマスク図面を示す。本発明では、マスク図面は、セルが配列しているセル列310と、セル間の電気的な接続をするための配線が配置されている領域とに分類される。図25(A)の破線で囲んだ領域に示したセル300の拡大図を、図25(B)に示す。また図25(C)に、図25(B)に示したセル300の等価回路図を示す。
【0171】
セル300は、1つのインバータ301とNAND302とを有しており、NAND302は入力が3つ(IN1、IN2、IN3)であり、出力が1つ(OUT)である。そして、IN1のみがインバータ301で反転している。
【0172】
302aはNAND302が有する3つのnチャネル型TFTに相当し、302bは同じくNAND302が有する3つのpチャネル型TFTに相当する。また301aはインバータ301が有するnチャネル型TFTに相当し、301bは同じくインバータ301が有するpチャネル型TFTに相当する。
【0173】
(実施例8)
本実施例では、凹凸を有する下地膜を利用して形成されたTFTを、下地膜ごとプラスチック基板上に転写する作製方法について、図26を用いて説明する。なお本実施例では、半導体素子としてTFTを例に挙げて説明するが、半導体装置に含まれる半導体素子はこれに限定されず、あらゆる回路素子を用いることができる。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどが代表的に挙げられる。
【0174】
まずTFT705の作製工程における熱処理に、耐え得るような耐熱性を有する第1の基板701を用意する。そして該第1の基板701上に金属膜702を成膜し、該金属膜702の表面を酸化することで数nmの極薄い金属酸化膜703を成膜する。ここでは金属膜702にタングステンを用い、膜厚を10nm〜200nm、好ましくは50nm〜75nmとする。
【0175】
次に該金属酸化膜703上に凹凸を有する下地膜704、半導体膜を順に積層するように成膜する。下地膜704は1層で構成されていても、2層以上の複数の層で構成されていても良い。
【0176】
次に該半導体膜をレーザ光で結晶化し、パターニングすることで島状の半導体膜を形成する。このときチャネル形成領域となる部分のみ、表面をエッチングするようにしても良いし、また結晶化後に下地膜704の凸部をエッチングで除去するようにしても良い。
【0177】
そして該島状の半導体膜を用いて、TFT705を作製する。なお図26(A)は、チャネル長方向に対して垂直な方向における、TFT705のチャネル形成領域706を含む断面図に相当する。TFT705のチャネル形成領域706は、下地膜704の凸部間に存在している。そしてTFT705を各種層間絶縁膜708で覆う。
【0178】
そして層間絶縁膜708を覆うように保護層707を形成する。保護層707は、後に第2の基板を貼り合わせたり剥離したりする際に、TFT705の表面を保護する機能を有しており、第2の基板の剥離後に除去することが可能な材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコーン系の樹脂を全面に塗布し、焼成することで保護層707を形成することができる(図26(A))。
【0179】
次に、後の剥離を行ない易くするために、金属酸化膜703を結晶化させる。結晶化により、金属酸化膜703が粒界において割れやすくなり、脆性を高めることができる。本実施例では、420℃〜550℃、0.5〜5時間程度加熱処理を行ない、結晶化を行なった。なお、金属酸化膜を結晶化するための加熱処理は、第3の基板を貼り合わせる前であってもよいし、第2の基板を貼り合わせる前であってもよい。或いは、半導体素子を形成する工程において行なわれる熱処理が、この金属酸化膜の結晶化の工程を兼ねていても良い。
【0180】
次に、金属酸化膜703と下地膜704の間の密着性、または金属酸化膜703と金属膜702の間の密着性を部分的に低下させ、剥離開始のきっかけとなる部分を形成する処理を行う。具体的には、剥離しようとする領域の周縁に沿って外部から局所的に圧力を加えて金属酸化膜703の層内または界面近傍の一部に損傷を与える。このように、剥離を行う前に、剥離が開始されるきっかけとなるような、密着性の低下した部分を形成することで、後の剥離工程における不良を低減させることができ、歩留まり向上につながる。
【0181】
次いで、両面テープ709を用い、保護層707に第2の基板710を貼り付け、さらに両面テープ711を用い、第1の基板701に第3の基板712を貼り付ける(図26(B))。なお両面テープではなく接着剤を用いてもよい。例えば紫外線によって剥離する接着剤を用いることで、第2の基板剥離の際に半導体素子にかかる負担を軽減させることができる。第3の基板712を貼り付けることで、後の剥離工程で第1の基板701が破損するのを防ぐことができる。第2の基板710および第3の基板712としては、第1の基板701よりも剛性の高い基板、例えば石英基板、半導体基板を用いることが好ましい。
【0182】
次いで、金属膜702と下地膜704とを物理的に引き剥がす(図26(C))。引き剥がしは、先の工程において、金属酸化膜703の金属膜702または下地膜704に対する密着性が部分的に低下した領域から開始する。引き剥がしによって、金属膜702と金属酸化膜703の間で分離する部分と、下地膜704と金属酸化膜703の間で分離する部分と、金属酸化膜703自体が双方に分離する部分とが生じる。そして第2の基板710側にTFT705が、第3の基板712側に第1の基板701及び金属膜702が、それぞれ貼り付いたまま分離する。引き剥がしは比較的小さな力(例えば、人間の手、ノズルから吹付けられるガスの風圧、超音波等)で行なうことができる。
【0183】
次に接着剤713で、プラスチック基板714と、部分的に金属酸化膜703が付着している下地膜704とを接着する(図26(D))。この接着の際に、両面テープ709による第2の基板710と保護層707との間の密着力よりも、接着剤713による下地膜704とプラスチック基板714との間の密着力の方が高くなるように、接着剤713の材料を選択することが重要である。
【0184】
なお、金属酸化膜703が下地膜704の表面に残存していると、プラスチック基板714との密着性が悪くなる場合があるので、完全にエッチング等で除去してからプラスチック基板に接着させ、密着性を高めるようにしても良い。
【0185】
接着剤713としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤が挙げられる。さらに好ましくは、銀、ニッケル、アルミニウム、窒化アルミニウムからなる粉末、またはフィラーを含ませて接着剤713も高い熱伝導性を備えていることが好ましい。
【0186】
次に図26(D)に示すように、保護層707から両面テープ709と第2の基板710を順に、または同時に剥がす。なお、接着剤713として紫外線硬化型接着剤を用い、両面テープ709に紫外線によって剥離するテープまたは接着剤を用いることで、紫外線照射により両面テープ709の剥離と接着剤713の硬化を同時に行なうことができる。
【0187】
そして図26(E)に示すように保護層707を除去する。ここでは保護層707に水溶性の樹脂が使われているので、水に溶かして除去する。保護層707が残留していると不良の原因となる場合は、除去後の表面に洗浄処理やO2プラズマ処理を施し、残留している保護層707の一部を除去することが好ましい。
【0188】
なお本実施例では、金属膜702としてタングステンを用いているが、本発明において金属膜はこの材料に限定されない。その表面に金属酸化膜703が形成され、該金属酸化膜703を結晶化することで基板を引き剥がすことができるような金属を含む材料であれば良い。例えば、TiN、WN、Mo等を用いることができる。またこれらの合金を金属膜として用いる場合、その組成比によって結晶化の際の加熱処理の最適な温度が異なる。よって組成比を調整することで、半導体素子の作製工程にとって妨げとならない温度で加熱処理を行なうことができ、半導体素子のプロセスの選択肢が制限されにくい。
【0189】
プラスチック基板としては、極性基のついたノルボルネン樹脂からなるARTON:JSR製を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミドなどのプラスチック基板を用いることができる。
【0190】
【発明の効果】
本発明では、絶縁膜の凹部上に位置する半導体膜を、TFTの活性層として積極的に用いることで、TFTのチャネル形成領域に粒界が形成されるのを防ぐことができ、粒界によってTFTの移動度が著しく低下したり、オン電流が低減したり、オフ電流が増加したりするのを防ぐことができる。
【0191】
また、活性層の結晶性が高められることで、活性層の大きさを抑えても所望の値のオン電流を得ることができるので、回路全体の面積を抑えることができ、よって半導体装置の大きさを抑えることができる。
【0192】
さらに本発明では、セル内において、レーザー光の走査方向と、各TFTが有するチャネル長方向とを揃え、下地膜の凹部上の半導体膜を活性層或いはチャネル形成領域として用いるように、セルの種類ごとにレイアウトを決めておき、各種のセルを所望の数だけセル列方向に列を成すよう配置する。そして、セル列間の間隔をレーザー光の幅に合わせて設定する。上記構成により、半導体装置、特に集積回路を設計する上での制約事項を取り込みつつ、レイアウトの煩雑さを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図2】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図3】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図4】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図5】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図6】 本発明の作製方法を用いて形成されたインバーターの上面図及び断面図。
【図7】 本発明で用いるセルのブロック図。
【図8】 本発明におけるセルの配置を示す図。
【図9】 セル列で構成されたマイクロプロセッサ内の回路の配置を示す図及びレーザー光の走査経路を示す図。
【図10】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図11】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。
【図12】 凸部を有する下地膜の作製方法を示す図。
【図13】 凸部を有する下地膜の作製方法を示す図。
【図14】 本発明の半導体装置の1つである発光装置の、コントローラの構成を示すブロック図。
【図15】 本発明の半導体装置の設計方法の流れを示すフローチャート。
【図16】 本発明で用いられるインバータセルの構成を示す図。
【図17】 本発明で用いられる2入力NORセルの構成を示す図。
【図18】 本発明の半導体表示装置を用いた電子機器の図。
【図19】 凸部を有する下地膜上に形成された半導体膜にレーザー光を照射して結晶化させた後の、上面から見たTEMの像。
【図20】 図19のTEMの像の模式図。
【図21】 凸部を有する下地膜上に形成された半導体膜にレーザー光を照射して結晶化させ、セコエッチした後の、断面から見たTEMの像。
【図22】 凸部を有する下地膜上に形成された半導体膜にレーザー光を照射して結晶化させ、セコエッチした後の、上面から見たTEMの像。
【図23】 凹凸を有する下地膜上に形成されたシリコンにレーザー光を照射したときの、温度分布の時間変化を示す図。
【図24】 凹凸を有する下地膜上に形成されたシリコンにレーザー光を照射したときの、温度の時間変化を示す図。
【図25】 セルのマスク図面。
【図26】 本発明の半導体表示装置の作製工程を示す図。

Claims (13)

  1. 複数のセルはそれぞれ複数の半導体膜を有し、
    前記半導体膜は、チャネル長方向に走査されたレーザー光によって結晶化されており、
    前記半導体膜の不純物領域は、矩形状またはストライプ状の凹凸を有する下地膜の複数の凹部及び凸部にわたって設けられ、
    前記半導体膜の一つのチャネル形成領域は、前記不純物領域よりも膜厚が薄く、前記凹部の長手方向と前記チャネル長方向とが一致するように、前記下地膜の複数の凹部上に設けられ、
    前記複数のセルは、前記チャネル長方向に沿って列を成しており、
    前記複数のセルどうしを電気的に接続する複数の配線は、前記複数のセルの列の間にそれぞれ設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記チャネル形成領域は、前記下地膜の凹部上のみに設けられ、且つ前記下地膜の凸部と接するように設けられていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項において、
    前記半導体膜は、前記下地膜の凹部上に設けられ、且つ前記凸部と一部重なるように設けられていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記セルの、前記チャネル長方向に対して垂直な方向における幅は、前記レーザー光の幅よりも短いことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記レーザー光は連続発振されたレーザー光であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記下地膜は窒化酸化アルミニウムからなることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記下地膜の凸部の高さは0.01μmから3μmであることを特徴とする半導体装置。
  8. 矩形またはストライプ状の凹凸を有する下地膜を形成し、
    前記下地膜上に半導体膜を形成し、
    レーザー光を、前記凹凸の長手方向に走査して前記半導体膜に照射することで、前記半導体膜を結晶化し、
    前記結晶化された半導体膜の上面を、前記凹凸の凸部の一部が露出されるようにエッチングし、
    前記エッチングされた半導体膜を、島状の半導体膜となるようにパターニングし、
    前記パターニングによって露出された前記凹凸の凸部を除去し、
    複数の前記島状の半導体膜を有するセルを複数形成する半導体装置の作製方法であって、
    複数の前記島状の半導体膜は不純物領域及びチャネル形成領域を有し、
    前記不純物領域は、前記下地膜の複数の凹部及び凸部にわたって形成し、
    前記チャネル形成領域は、前記不純物領域よりも膜厚が薄く、前記凹部の長手方向とチャネル長方向とが一致するように、前記下地膜の複数の凹部上に形成し、
    前記複数のセルは、前記チャネル長方向に沿って列を成し、
    前記複数のセルどうしを電気的に接続する複数の配線を、前記複数のセルの列の間に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 第1の基板の表側に金属膜と、金属酸化膜と、矩形またはストライプ状の凹凸を有する下地膜と、半導体膜とを順に積層するように形成し、
    レーザー光を、前記凹凸の長手方向に走査して前記半導体膜に照射することで、前記半導体膜を結晶化し、
    前記結晶化された半導体膜の上面を、前記凹凸の凸部の一部が露出されるようにエッチングし、
    前記エッチングされた半導体膜を、島状の半導体膜となるようにパターニングし、
    複数の前記島状の半導体膜を有するセルを複数形成し、
    前記複数のセルを間に挟んで前記第1の基板と向かい合うように、第1の接着剤を用いて第2の基板を貼り合わせ、
    加熱処理を施すことで前記金属酸化膜の脆性を高め、
    前記金属酸化膜を前記金属膜側と前記下地膜側とに分離させることで、前記第1の基板を取り除き、
    前記金属酸化膜の一部が付着した前記下地膜に第2の接着剤を用いてプラスチック基板を貼り合わせ、
    前記第1の接着剤を除去することで前記第2の基板を取り除く半導体装置の作製方法であって、
    複数の前記島状の半導体膜は不純物領域及びチャネル形成領域を有し、
    前記不純物領域は、前記下地膜の複数の凹部及び凸部にわたって形成し、
    前記チャネル形成領域は、前記不純物領域よりも膜厚が薄く、前記凹部の長手方向とチャネル長方向とが一致するように、前記下地膜の複数の凹部上に形成し、
    前記複数のセルは、前記チャネル長方向に沿って列を成し、
    前記複数のセルどうしを電気的に接続する複数の配線を、前記複数のセルの列の間に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項または請求項において、
    前記セルの、前記チャネル長方向に対して垂直な方向における幅は、前記レーザー光幅よりも短いことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項乃至請求項1のいずれか一において、前記レーザー光は連続発振されたレーザー光であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 請求項乃至請求項11のいずれか一において、
    前記下地膜は窒化酸化アルミニウムからなることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 請求項乃至請求項12のいずれか一において、
    前記下地膜の凸部の高さは0.01μmから3μmであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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