JP4525330B2 - 導電性ガスバリア積層体の製造方法 - Google Patents

導電性ガスバリア積層体の製造方法 Download PDF

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本発明は、主にディスプレイ用バリアフィルムとして用いられる、導電性ガスバリア積層体の製造方法に関するものである。
従来のディスプレイは表示用導電体の基板としてガラスが用いられてきたが、近年、大型化あるいは携帯化が進み、軽量性・耐衝撃性・可とう性・大型化に優れたプラスチックフィルムを用いることが提案されている。しかしながら、プラスチックフィルムを用いた場合、フィルムを透過する水蒸気および酸素により、表示素子が劣化することが知られている。
これまでも多くのガスバリア膜の研究がなされてきた。食品等の包装材としては、酸素及び/又は水蒸気透過性の低いプラスチックフィルムの使用、プラスチックフィルム上に酸素及び/又は水蒸気透過性の低いポリマーを塗工、あるいはSiOxやAlOx等の無機酸化物を真空蒸着法で形成することなどが代表的な例として挙げられる。また、必要に応じて、有機層や無機層の積層を行い、さらに高いバリア性能を実現している。
一方で、表示用基板には導電膜の形成が必須となる。プラスチックフィルム上にガスバリア膜および導電膜を形成したものとしては、基材上にプラズマCVD法により酸化珪素を形成し、透明導電膜を成膜したもの(例えば、特許文献1参照。)や、基材上に酸化珪素あるいは窒化珪素を形成し、インジウム酸化物系の透明導電膜を成膜したもの(例えば、特許文献2参照。)などが挙げられる。
以下に先行技術文献を示す。
特許第3118339号公報 特許第3489844号公報
また、生産性を上げるために真空装置内に複数設置されている成膜ユニットを全て使ってインラインで積層する試みが行われているが、真空圧力、導入ガスが異なると、互いのガスのコンタミが起こり、特性の良好な薄膜が得られない問題もあった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ガスバリア積層体表面に均一な導電性薄膜を長時間に渡って成膜でき、且つ、液晶や有機EL等の表示デバイスに十分な酸素および/又は水蒸気バリア性を保てるような導電性ガスバリア積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、基材となるロール状プラスチックフィルムを巻き出し、成膜された積層体を巻き取る作業を行なう巻き出し・巻き取り室と、仕切りにより区切られ、巻き出された前記ロール状プラスチックフィルムに成膜を行う複数の成膜室と、前記巻き出し・巻き取り室と前記成膜室の中間に真空バルブを介して独立した真空槽からなる中間室とを備え、
前記中間室を真空排気する手段と、成膜室の圧力を調整するガスを導入して、各成膜室間の圧力差が100倍以上になるように、前記仕切りの位置を調整する手段とを有することを特徴とする巻取式積層体製造装置である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記複数の成膜室のうち、少なくとも2つの成膜室が、ガスバリア膜を成膜するガスバリア膜成膜室および導電性薄膜を成膜する導電性薄膜成膜室であることを特徴とする請求項1に記載の巻取式積層体製造装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記複数の成膜室が、3つの成膜室からなり、前記基材の流れ方向から順に、前記ガスバリア膜成膜室、有機化合物からなる保護膜を成膜する保護膜成膜室、前記導電性薄膜成膜室からなることを特徴とする請求項2に記載の巻取式積層体製造装置である。
本発明の導電性ガスバリア積層体の製造方法は、真空装置内で、ロール状プラスチックフィルムを巻き出す工程、巻き出されたロール状プラスチックフィルムの少なくとも一方の面にガスバリア膜を成膜する工程、その上に導電性薄膜を成膜する工程、成膜されたロール状プラスチックフィルムを巻き取る工程、を有する導電性ガスバリア積層体の製造方法であって、該ガスバリア膜を成膜する工程、導電性薄膜を成膜する工程が、仕切りにより区切られた異なる成膜室で成膜され、各成膜室が一方の成膜室ともう一方の成膜室の圧力差が100倍以上である状態を保てる成膜室を用いて成膜することにより、各成膜室間のガスの流出が防げ、他の成膜室からのガスの流入によるコンタミや、全圧のずれによる膜質の低下がなく、バリア性能、光学特性が向上する。また、表面抵抗値の劣化が抑えられる。
本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る導電性ガスバリア積層体(2)の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る導電性ガスバリア積層体(2)の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図3は本発明に係る導電性ガスバリア積層体(2)の層構成のまたその他の実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係る導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法を説明する巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)の側断面図である。
本発明に係る導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法は、真空装置内で、ロール状プラスチックフィルム(3)を巻き出す工程、巻き出されたロール状プラスチックフィルム(3)の少なくとも一方の面にガスバリア膜(4)を成膜する工程、その上に導電性薄膜(5)を成膜する工程、成膜されたロール状プラスチックフィルム(3)を巻き取る工程、を有する導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法であって、該ガスバリア膜(4)を成膜する工程、導電性薄膜(5)を成膜する工程が、仕切りにより区切られた異なる成膜室で成膜され、各成膜室が一方の成膜室ともう一方の成膜室の圧力差が100倍以上である状態を保てるものであり、かつ該導電性ガスバリア積層体(2)の水蒸気透過度が1×10-1g/m2・day・atm以下及び/又は酸素透過度が1×10-1cc/m2・day・atm以下であることを特徴とする導電性ガスバリア積層体の製造方法である。
このような導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法により、図1に示すように、プラスチックフィルム(3)の少なくとも一方の面にガスバリア膜(4)を設けたガスバリア積層体(1)の該ガスバリア膜(4)上に、導電性薄膜(5)を積層した層構成の導電性ガスバリア積層体(2)が得られる。
このようにプラスチックフィルム(3)の一方の面に金属酸化物、金属窒化物、あるいは金属酸窒化物の何れかのガスバリア膜(4)をプラズマCVD法により形成することで、従来の真空蒸着法による膜に比べて緻密なものが得られ、バリア性能が向上する。また、表面平滑性も良好なので、この膜上に導電性薄膜(5)を形成した場合、表面抵抗値の劣化が抑えられる。
該導電性薄膜(5)の成膜手段としてスパッタリング法を用いることにより、導電性・光学性の均一な導電性薄膜(5)が得られる。酸化亜鉛を主体とする材料はITOに比べパターニング時のエッチングレートが高いため、エッチャーとしてより弱い酸を用いることが可能で、バリア膜への影響が小さくなり、バリア性能の劣化が抑えられる。また、ITOターゲットを用いる場合と比べ、ターゲット表面へのノジュールの発生が抑えられ、異常放電の発生による薄膜の欠陥がなくなる。さらに長時間メンテナンスを行う必要がなくなるため機械の稼働率を上げることが可能となる。
また、導電性ガスバリア積層体(2)の水蒸気透過率が1×10-1g/m2・day・atm以下及び/又は酸素透過度が1×10-1cc/m2・day・atm以下であれば、従来のガスバリア性能(0.5g/m2・day・atm程度)では適用できなかったエレクトロニクス機器、例えば電子ペーパー用表示基板への適用が可能となる。
さらに、前記ガスバリア膜(4)をロール状プラスチックフィルム(3)の両面に設け、且つ少なくとも一方のガスバリア膜(4)上に導電性薄膜(5)を設けてなり、かつ水蒸気透過度が5×10-3g/m2・day・atm以下及び/又は酸素透過度が5×10-3cc/m2・day・atm以下であれば、さらに高いバリア性能が求められるエレクトロニクス機器、例えば有機EL用表示基板への適用が可能となる。
尚、前記ガスの透過率は、MOCON法により、水蒸気に関しては40℃90%Rh、酸素に関しては温度23℃、湿度ドライの環境下で測定を行うことにより得られる。
ここで、該導電性ガスバリア積層体(2)を構成する使用材料について、詳細に説明する。先ず、本発明に用いる前記プラスチックフィルム(3)としては、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、ポリイミド等が挙げられる。特に表示装置前面板に適用する場合は、透明性と耐熱性に優れたポリカーボネートフィルムやポリエーテルスルホンフィルムが好適に用いられる。その厚さは、部材の薄型化と基材であるプラスチックフィルム(3)の可撓性とを考慮し、10〜200μm程度のものが用いられる。これら基材の表面に周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されてもよい。またガスバリア膜(4)との密着性を改善するため、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを施してもよい。
次に、前記金属酸化物、金属窒化物、あるいは金属酸窒化物の何れかのガスバリア膜(4)に用いられる金属は、特に限定されないが、アルミニウム、珪素等が適用できる。透
明性・着色およびガスバリア性能は金属元素と酸素及び/又は窒素元素の組成比により調節する。
前記ガスバリア膜(4)をCVD法により形成するための材料としては、特に限定されないが、例えば珪素系の膜の形成にはSiH4、テトラエトキシシラン(TEOS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等が、アルミニウム系の膜の形成にはAlCl3、Al(CH33等が用いられる。また、必要に応じて、例えばH2の他Ar、He等の不活性ガスを加えてもよい。また、反応性ガスとしては、例えばO2、N2O、N2、NH3等が用いられる。
次に、前記導電性薄膜(5)を形成する材料としては、酸化亜鉛の他に1種類、あるいは2種類以上の元素が添加されていてもかまわない。例えば、添加される元素としてはインジウム、ガリウム、アルミニウム、ボロン等が挙げられるが、低抵抗率およびある程度の透明性が達成できればよく、それらの元素に限定されるものではない。
次に、図2に示すように、前記ガスバリア膜(4)と導電性薄膜(5)との間に有機化合物からなる保護膜(6)を形成することにより、ガスバリア膜(4)を機械的・化学的に保護し、過酷な使用環境に耐えうる性能が得られる。
前記保護膜(6)を形成する材料と方法としては、特に限定されないが、例えば、アクリレートもしくはメタクリレート、又はそれらの混合樹脂溶液を有機物蒸着装置で蒸発させ、コーティングドラム上のフィルム上に凝縮させる。その後、電子線照射装置にて硬化処理を行うことにより保護膜(6)を形成することができる。また、電子線硬化の替わりに紫外線硬化を用いてもよい。
尚、ガスバリア膜(4)と有機化合物からなる保護膜(6)及び/又は有機化合物からなる保護膜(6)と導電性薄膜(5)の間に光学、機械強度等の特性を向上させる目的でその他の層を形成してもかまわない。
次に、本発明に係る導電性ガスバリア積層体の製造は、図4に示すように、主として巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)を使用して行なわれる。この巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)は、基材となるロール状プラスチックフィルム(3)を巻き出し、成膜された積層体(2)を巻き取る作業を行なう巻き出し・巻き取り室(14)と、巻き出されたロール状プラスチックフィルム(3)に成膜を行う成膜室と、該巻き出し・巻き取り室(14)と成膜室の中間に真空バルブ(11)を介して独立した真空槽からなる中間室(10)を備えた構成の装置になっている。
前記巻き出し・巻き取り室(14)には、ロール状プラスチックフィルム(3)を巻き出す巻き出しロール(12)、該プラスチックフィルム(3)を搬送するガイドロール(15)、成膜された積層体(2)を巻き取る巻き取りロール(13)、真空バルブ(11)などが配置されている。
次に、成膜室は、ガスバリア膜成膜室(9a)と保護膜成膜室(9b)、及び導電性薄膜成膜室(9c)に区分されおり、各成膜室壁と密着した形でコーティングドラム(8)が配置されている。さらに前記巻き出し・巻き取り室(14)と成膜室の間には、中間室(10)が配置されている。
以上のように、巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)は、巻き出しロール(12)からロール状プラスチックフィルム(3)を上巻き出し、連続的に真空成膜を行い、最後に巻き取りロール(13)に巻き取る機構を有する装置である。各成膜室間にバルブ
がないため、各成膜室壁とコーティングドラム(8)間のコンダクタンスをできる限り小さくし、また中間室(10)を設けることにより、各成膜室間の差圧が1:100以上を実現できる。さらに、成膜室と巻き出し・巻き取り室(14)の間に真空バルブ(11)を設けることにより、該プラスチックフィルム(3)の搬入・搬出の際に、各成膜室を大気に開放することなく作業が行え、タクトタイムの短縮、薄膜の特性の再現性も良好になる効果がある。さらには、該ロール状プラスチックフィルム(3)の一方の面に成膜した後、巻き出し方向を下巻き出しに変更することにより、巻き替え工程や成膜ユニットの増設なしに、容易に該ロール状プラスチックフィルム(3)の反対の面への成膜が可能となる。
また、ガスバリア膜(4)および導電性薄膜(5)及び/又は有機化合物からなる保護膜(6)を成膜する成膜室が真空槽内に独立に存在し、インラインで連続的に形成することにより生産性が向上する。すなわち、それぞれの成膜室の雰囲気が混ざり合わないような構造を有することによりこれが実現できる。
また、ガスバリア膜(4)を成膜後、導電性薄膜(5)を成膜するまでの工程でガイドロールなどを成膜面に接触させないことで、ガスバリア膜(4)が保護され、ガスバリア性能の劣化を抑制することが可能となる。
このような巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)を使用する、本発明の導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法としては、真空装置内で、ロール状プラスチックフィルム(3)を巻き出す工程、巻き出されたロール状プラスチックフィルム(3)の少なくとも一方の面にガスバリア膜(4)を成膜する工程、その上に導電性薄膜(5)を成膜する工程、成膜されたロール状プラスチックフィルム(3)を巻き取る工程、を有する導電性ガスバリア積層体(2)の製造方法であって、該ガスバリア膜(4)を成膜する工程、該導電性薄膜(5)を成膜する工程が、仕切りにより区切られた異なる成膜室で成膜され、各成膜室が一方の成膜室ともう一方の成膜室の圧力差が100倍以上である状態を保てるものである。
以上のような製造方法で得られた導電性ガスバリア積層体(2)のガスの透過率を、MOCON法により、水蒸気に関しては温度40℃、湿度90%Rhの条件で、酸素に関しては温度23℃、湿度ドライの環境下で測定を行った結果、水蒸気透過率が、1×10-1g/m2・day・atm以下及び/又は酸素透過度が1×10-1cc/m2・day・atm以下が見込まれ、従来のガスバリア性能(0.5g/m2・day・atm程度)では適用できなかったエレクトロニクス機器、例えば電子ペーパー用表示基板への適用が可能となる。
また、前記ガスバリア膜(4)をロール状プラスチックフィルム(3)の両面に設け、且つ少なくとも一方のガスバリア膜(4)上に導電性薄膜(5)を設けてなる導電性ガスバリア積層体(2)を同様に測定したところ、水蒸気透過度が5×10-3g/m2・day・atm以下及び/又は酸素透過度が5×10-3cc/m2・day・atm以下が見込まれ、さらに高いバリア性能が求められるエレクトロニクス機器、例えば有機EL用表示基板への適用が可能となる。
さらに、前記ガスバリア膜(4)と導電性薄膜(5)との間、または該ガスバリア膜(4)上に有機化合物からなる保護膜(6)を形成することにより、ガスバリア膜(4)を機械的・化学的に保護し、過酷な使用環境に耐えうる性能が得られる。
以下には、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明をするが、これらに限定される
ものではなくもっと広範囲に適用されるものである。
<実施例1>
5×10-4Paまで真空排気後、任意の成膜室へアルゴンガスを導入し、5×10-1Paとしたとき、他の何れの成膜室の圧力も、5×10-3Paを越えないように、隔壁の位置を調整した(差圧100:1以上を確保した)巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)を用い、図1に示すような導電性ガスバリア積層体(2)を作製した。プラスチックフィルム(3)として、200μm厚のポリエーテルスルホン(PES)を用い、巻き出しロール(12)から巻き出した後、ガスバリア膜(4)として、ガスバリア膜成膜室(9a)において2枚のSiターゲットを用い、ArおよびN2を導入後、全圧4×10-1Paで、MF電圧を交互に印加してスパッタリングを行い、膜厚20nmのSiNxを形成した。さらに成膜面に何も触れることなく、導電性薄膜成膜室(9c)において、ZnOにAlをドープしたターゲットを用い、ArおよびO2を導入し、全圧4×10-1Paで、DCスパッタリング法により膜厚140nmの導電性薄膜(5)を形成した。
該導電性ガスバリア積層体(2)の水蒸気透過率は、0.01g/m2・day・atm、光線透過率81%(波長550nm)および表面抵抗値80Ω/□と、良好な特性を示した。
<実施例2>
実施例1と同じ構造の巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置(7)を用い、図3に示すような導電性ガスバリア積層体(2)を作製した。プラスチックフィルム(3)として200μm厚のPESを用い、巻き出しロール(12)から上巻き出しにより供給し、ガスバリア膜(4)として、ガスバリア膜成膜室(9a)において、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)およびO2を混合させ、全圧5Paで、RFプラズマ放電により、膜厚20nmのSiOxを形成後、成膜面に何も触れることなく、保護膜成膜室(9b)において、アクリレートを用いて有機蒸着法により、圧力1×10-1Paで、1μmの保護膜(6)を形成した。さらに成膜面に何も触れることなく、導電性薄膜成膜室(9c)において、ZnOにGaをドープしたターゲットを用い、ArおよびO2を導入し、全圧4×10-1Paで、DCパワーを印加し、スパッタリング法により膜厚140nmの導電性薄膜(5)を形成し、その後、巻取りロール(13)に巻き取った。次に真空バルブ(11)を閉じ、各成膜室(9a〜c)および中間室(10)を真空に保ったまま、巻き出し・巻き取り室(14)を大気に開放し、巻き取ったロールを巻き出しロール(12)に下巻き出しに取り付け排気し、前述と同様にガスバリア膜成膜室(9a)および保護膜成膜室(9b)においてプラスチックフィルムの反対の面にガスバリア膜(4)および保護膜(6)を形成した。
該導電性ガスバリア積層体(2)の水蒸気透過率は、0.005g/m2・day・atm以下、光線透過率85%(波長550nm)および表面抵抗値60Ω/□と、良好な特性を示した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
成膜室と巻き出し・巻き取り室(14)を仕切る隔壁、真空バルブ(11)、中間室(10)を有しない巻取式成膜装置を用いて、図2に示すような、導電性ガスバリア積層体(2)を作製した。尚、5×10-4Paまで真空排気後、任意の成膜室へアルゴンガスを導入し、5×10-1Paとしたとき、他の何れの成膜室の圧力も、5×10-2Pa程度((差圧10:1程度)だった。プラスチックフィルム(3)として、200μm厚のポリエーテルスルホン(PES)を用い、巻き出しロール(12)から巻き出した後、ガスバ
リア膜(4)として、ガスバリア膜成膜室(9a)において2枚のSiターゲットを用い、ArおよびO2を導入後、全圧4×10-1Paで、MF電圧を交互に印加してスパッタリングを行い、膜厚20nmのSiOxを形成した。さらに、保護膜成膜室(9b)において、アクリレートを用いて有機蒸着法により、圧力1×10-1Paで、1μmの保護膜(6)を形成した。次に、導電性薄膜成膜室(9c)において、ZnOにGaをドープしたターゲットを用い、ArおよびO2を導入し、全圧4×10-1Paで、DCパワーを印加し、スパッタリング法により膜厚140nmの導電性薄膜(5)を形成した。
該導電性ガスバリア積層体(2)の水蒸気透過率は、0.1〜0.5g/m2・day・atm程度だった。さらに、波長550nmにおける光線透過率が成膜開始部から終了部にかけて84%から81%に、表面抵抗値は、400Ω/□から200Ω/□に次第に変化した。これはプラスチックフィルム(3)の交換時に成膜室を大気に開放したため、成膜室内に吸着した酸素や水蒸気が成膜中に脱離し、薄膜の組成に影響したことが原因であった。また、SiOxのガスバリア膜(4)およびZnOの導電性薄膜(5)中に有機蒸着由来と考えられる炭素成分が確認された。
本発明に係る導電性ガスバリア積層体の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る導電性ガスバリア積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る導電性ガスバリア積層体の層構成のまたその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る導電性ガスバリア積層体の製造方法を説明する巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置の側断面図である。
符号の説明
1・・・ガスバリア積層体
2・・・導電性ガスバリア積層体
3・・・ロール状プラスチックフィルム
4・・・ガスバリア膜
5・・・導電性薄膜
6・・・保護膜
7・・・巻取式導電性ガスバリア積層体製造装置
8・・・コーティングドラム
9a・・・ガスバリア膜成膜室 9b・・・保護膜成膜室 9c・・・導電性薄膜
成膜室
10・・・中間室
11・・・真空バルブ
12・・・巻き出しロール
13・・・巻き取りロール
14・・・巻き出し・巻き取り室
15・・・ガイドロール

Claims (3)

  1. 基材となるロール状プラスチックフィルムを巻き出し、成膜された積層体を巻き取る作業を行なう巻き出し・巻き取り室と、仕切りにより区切られ、巻き出された前記ロール状プラスチックフィルムに成膜を行う複数の成膜室と、前記巻き出し・巻き取り室と前記成膜室の中間に真空バルブを介して独立した真空槽からなる中間室とを備え、
    前記中間室を真空排気する手段と、成膜室の圧力を調整するガスを導入して、各成膜室間の圧力差が100倍以上になるように、前記仕切りの位置を調整する手段とを有することを特徴とする巻取式積層体製造装置。
  2. 前記複数の成膜室のうち、少なくとも2つの成膜室が、ガスバリア膜を成膜するガスバリア膜成膜室および導電性薄膜を成膜する導電性薄膜成膜室であることを特徴とする請求項1に記載の巻取式積層体製造装置。
  3. 前記複数の成膜室が、3つの成膜室からなり、前記基材の流れ方向から順に、前記ガスバリア膜成膜室、有機化合物からなる保護膜を成膜する保護膜成膜室、前記導電性薄膜成膜室からなることを特徴とする請求項2に記載の巻取式積層体製造装置。
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