JP4524915B2

JP4524915B2 - 廃棄物処分場における集排水管の設置構造

Info

Publication number: JP4524915B2
Application number: JP2000394892A
Authority: JP
Inventors: 道彦石田
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 2000-12-26
Filing date: 2000-12-26
Publication date: 2010-08-18
Anticipated expiration: 2020-12-26
Also published as: JP2002192102A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場において、滲出水を外部に排出するための集排水管の設置構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
管埋設型廃棄物最終処分場において、滲出水集排水管が貯留堤内を貫通する部位では、従来、図５に示す接続構造が取られていた。同図において、１は貯留用の堤体、２は堤体１の内外を貫通して配管された無孔管からなる外部排水管である。処分場内において、排水管２の滲出水取入れ側端部は、有孔管からなる滲出水集排水管３に接続されており、集排水管３内に取入れられた滲出水は、排水管２を通じて処理場外に排出され、図示しない水処理施設により無害化処理を施した後、放流される。
【０００３】
この構造においては、堤体１の内側に沿って配置された遮水シート４を排水管２が貫通しており、この貫通位置における滲出水の漏洩を防止するために、従来では、排水管２回りにおいて、遮水シート４を巻き付け、その周囲を溶着バンド５などで固定することで、止水性を確保していた。なお、図において、符号６は処分場内の底面に撒き出され、かつ集排水管３の周囲を覆う砕石、砂利などの透水部材であり、この上部に図示しない廃棄物が順次堆積される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構造においては、遮水シート４の巻付しろを確保したり、溶着バンド５の巻付け作業性のために、排水管２の貫通位置を堤体１の最低部に位置させることができず、処分場内の最底面からやや上の位置に配置しており、この結果、集排水管３の配管位置も最底面からやや上に位置させなければならなかった。従って、このような構造であると、最低水位ＬＷＬは集排水管３の下部となるため、滲出水はたまり水となって透水部材６の間に滞留し、完全に排水できなかった。
【０００５】
本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、集排水管と外部連通箇所との取合い部における止水性を確保した上で処分場底面における停滞水の発生を防止し、完全に処分場内部の水を排出できるようにした廃棄物処分場における排水管の設置構造を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、廃棄物処分場内の底面に配管された有孔管からなる滲出水集排水管に接続し、貯留用堤体を貫通して前記滲出水を外部に排出する構造の廃棄物処分場において、前記堤体の内部に、両端が処分場内外に開口される中空ボックスを、その処分場側端部開口の下端が、処分場の内底面と同一高さもしくはこれより若干低い位置となるように埋設し、かつボックス内部に前記堤体から内底面にかけて敷設される遮水シートを内貼りし、前記ボックスの処分場側端部開口部に前記集排水管を挿通するとともに、その周囲を透水部材により蓋したことを特徴とする。従って、以上の設置構造では、集排水管の位置を低い位置にできるとともに、集排水管の周囲からの滲出水も排出出来る。また、この構造では集排水管と外部配管との接続の面倒がない。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図１、図２は、本発明の第一実施形態を示している。なお、図において従来と同一部分には同一符号を付し、異なる箇所にのみ異なる符号を用いて説明する。
【０００８】
図において、堤体１の底部には、両端を処分場内外に開口したコンクリート製の中空ボックス、すなわちボックスカルバート１０が貫通して配管されている。ボックスカルバート１０は、排出側に向けて勾配がつけられているとともに、処分場側端部の内底面は処分場の底面部と同一高さであって、処分場外の突出端に図示しない排水管を接続している。一方、処分場内に配管された集排水管３の端部は、ボックスカルバート１０の開口部を通じてその内部に挿通されている。また、集排水管３の挿通部周囲には、ゴミ止め用の透水部材、すなわち透水堰１２によって蓋されている。
【０００９】
また、堤体１および処分場底面に敷設された遮水シート４は前記ボックスカルバート１０との取合い位置において、ボックスカルバート１０の内面に折返されて内側全体に内貼りされ、これによってこの取合い部分における止水性を確保している。
【００１０】
なお、ボックスカルバート１０内の遮水シート４は実質的には予めボックスカルバート１０内にライニングしておき、堤体１および処分場底部から延長された遮水シート１０との接合部に熱融着などにより接合することで一体に延長される。
【００１１】
以上により、集排水管３内に集水された滲出水は、ボックスカルバート１０内に排出されるほか、底面側において透水部材５内に滲出した水も透水堰１２を通じてボックスカルバート１０内に排水され、いずれもこのボックスカルバート１０を通じて外部に放出される。
【００１２】
図３，図４は、本発明の第二実施形態を示す。図において堤体１の内側は切り欠かれ、この切欠面に沿ってコンクリート製の排水枡２０が配置されている。排水枡２０の底部は処分場の底面よりも深く設置され、処分場外側端部には外部排水管２が接続され、また処分場内側開口部には集排水管３が挿通され、その周囲に透水堰１２を充填している。堤体１の内側および処分場の底面に敷設される斜水シート４は、排水枡２０の内側に折返されて内側全体に内貼りされ、これによって以上の取合い部分の止水性を確保している。
【００１３】
なお、本例においても、排水枡２０内に内貼りされる遮水シート４は予め排水枡２０内部にライニングしておき、堤体１および処分場底部から延長された遮水シート１０との接合部に熱融着などにより一体に接合することができる。
【００１４】
以上により、集排水管３内に集水された滲出水は、排水枡２０内に排出されるほか、底面側において透水部材５内に滲出した水も透水堰１２を通じて排水枡２０内に排水され、排水管２を伝って外部に放出される。なお、以上の実施形態では排水枡としたが、Ｕ字溝でも良いことは勿論である。
【００１５】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による廃棄物処分場における集排水管の設置構造によれば、集排水管と外部連通箇所との取合い部における止水性を確保できる上に、底面部における停滞水の発生が無く、完全に処分場内部の水を排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施形態による集排水管と外部連通箇所との取合いを示す説明用断面図である。
【図２】図１のＡ部拡大断面図である。
【図３】本発明の第二実施形態による集排水管と外部連通箇所との取合いを示す説明用断面図である。
【図４】図３のＢ拡大断面図である。
【図５】従来の集排水管と外部連通箇所との取合いを示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
１貯留用堤体
２外部排水管
３集排水管
４遮水シート
１０，２０中空ボックス（１０ボックスカルバート、２０排水枡）
１２透水堰（透水部材）

Claims

廃棄物処分場内の底面に配管された有孔管からなる滲出水集排水管に接続し、貯留用堤体を貫通して前記滲出水を外部に排出する構造の廃棄物処分場において、
前記堤体の内部に、両端が処分場内外に開口される中空ボックスを、その処分場側端部開口の下端が、処分場の内底面と同一高さもしくはこれより若干低い位置となるように埋設し、かつボックス内部に前記堤体から内底面にかけて敷設される遮水シートを内貼りし、前記ボックスの処分場側端部開口部に前記集排水管を挿通するとともに、その周囲を透水部材により蓋したことを特徴とする廃棄物処分場における集排水管の設置構造。