JP4524841B2 - 光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドおよびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドは医薬や農薬原料として有用な化合物である。また、これらの光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドは不斉炭素が複数あり、且つ芳香環を有する化合物であることから、通常の分析用カラムを使用するHPLCで光学純度を正確に求めることができる。
【0002】
【従来の技術】
一般式(1)で示される光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドは新規化合物である。更に、これらの化合物を製造する方法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は高い光学純度のアミノ酸エステル酒石酸アミドおよびその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは高い光学純度のアミノ酸エステル酒石酸アミド、およびその製造法について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)
【0005】
【化8】
(ここでR1は、(i)低級アルキル基、(ii)無置換または低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基のいずれかにより置換されたベンジル基から選ばれる基を示す。R2はα−アミノ酸残基を示す。R3は水素、メチル、メトキシ基から選ばれる基を示す。また、*は光学活性体であることを意味する。)で表される光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドである。また、一般式(2)
【0006】
【化9】
(ここでR1は、(i)低級アルキル基、(ii)無置換または低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基のいずれかにより置換されたベンジル基から選ばれる基を示す。R2はα−アミノ酸残基を示す。また、*は光学活性体であることを意味する。)で表される光学活性アミノ酸エステルと、一般式(3)
【0007】
【化10】
(ここで R3は水素、メチル、メトキシ基を示す。また、*は光学活性体であることを意味する。)で表される光学活性ジアシル酒石酸無水物を反応させる事で、一般式(1)
【0008】
【化11】
(ここでR1は、(i)低級アルキル基、(ii)無置換または低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基のいずれかにより置換されたベンジル基から選ばれる基を示す。R2はα−アミノ酸残基を示す。R3は水素、メチル、メトキシ基から選ばれる基を示す。また、*は光学活性体であることを意味する。)で表される光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドが製造法できる。更に、アミノ酸エステルが一般式(4)
【0009】
【化12】
(ここでR1は、(i)低級アルキル基、(ii)無置換または低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基のいずれかにより置換されたベンジル基から選ばれる基を示す。R2はα−アミノ酸残基を示す。)で表されるラセミアミノ酸エステルの場合には、一般式(4)と一般式(3)で示される光学活性ジアシル酒石酸無水物を反応させた後、光学分割して一般式(1)で示される光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドを製造することで達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の原料として一般式(2)、或いは一般式(4)で示されるアミノ酸エステルを使用する。ここで、アミノ酸エステルは安定に保存するために酸付加塩の形態を取られている場合が多いが、遊離状態でも、酸付加塩の形態の何れも使用することができる。酸付加塩としては、塩酸、硫酸等の無機酸塩、ベンゼンスルホン酸やトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸塩、酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸塩が使用できる。一般式(2)の光学活性アミノ酸エステルとしてはL体、D体の何れも使用できる。また、一般式(4)のラセミアミノ酸エステルも使用できる。ここでラセミ体とは、L体とD体の混合物を意味し、混合割合は如何なる割合でも構わない。また、一般式(2)、(4)に於いてエステル残基は低級アルコールのエステルでも、ベンジルアルコール等の芳香族エステルの何れも使用することができる。芳香族エステルとしては、芳香核が置換されていても良い。例えば4−メチルベンジルアルコール、2、4−ジメチルベンジルアルコール等の低級アルキル基で置換されたベンジルアルコール類、4−メトキシベンジルアルコール等の低級アルコキシで置換されたベンジルアルコール類、3−クロロベンジルアルコール等のハロゲンで置換されたベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール類のエステルが使用できる。
【0011】
もう一方の原料である光学活性酒石酸誘導体無水物は、一般式(3)で表される、酒石酸の2つの水酸基がカルボン酸のエステルである。ここで、エステルを形成するためのカルボン酸とは、安息香酸、パラトルイル酸、2、4−ジメチル安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸等の芳香族カルボン酸、或いはフェニル酢酸等のアラルキルカルボン酸等が使用できる。好ましくは、一般式(3)で表されるものであり、L体またはD体のいずれの光学活性酒石酸誘導体を使用することが可能であるが、光学純度は99.5%ee以上であることが好ましい。
【0012】
反応方法はアミノ酸エステルと酒石酸誘導体無水物を溶媒中で反応させる。アミノ酸エステルが酸付加塩の場合には、予め水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、重曹や炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩で中和し、遊離状態にしてから使用する。反応溶媒は、反応を阻害しないものであれば何れでも使用できる。例えばトルエン等の炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が使用できるが、これらを混合して使用しても、また水が共存していても問題ない。但し、酸付加塩を中和する為に使用した塩基が過剰にあるとアミノ酸エステルや酒石酸誘導体無水物が加水分解するので、中和に使用する塩基は当量使用するのが好ましい。
反応温度は0℃〜100℃が好ましく、さらに好ましくは室温〜40℃である。反応時間は反応温度や光学活性酒石酸誘導体無水物の使用量にもよるが、通常は0.1〜5.0時間で終了する。この条件であれば、光学活性酒石酸誘導体の光学純度は低下しない。同時に、原料として使用したアミノ酸エステルの光学純度も低下しない。反応終了後、通常の方法で単離するが、アミノ酸エステルの種類や酒石酸誘導体無水物の種類によって単離法は異なる。例えば、アスパラギン酸ジベンジルエステルとジベンゾイル−L−酒石酸無水物をクロロホルム中で反応させた場合、反応液を塩酸等の酸性水溶液で洗浄し、未反応のアスパラギン酸ジエステルを除去した後にクロロホルム層を濃縮・晶析することで、アスパラギン酸ジベンジルエステル酒石酸アミドを単離する事ができる。原料にラセミ体のアミノ酸エステルを使用した場合には、得られたアミノ酸エステル酒石酸アミドを光学分割する。光学分割法は通常の方法が採用できる。例えば、カラムで分取する方法、或いは再結晶する方法等が採用できる。
【0013】
【実施例】
以下、詳細は実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、光学純度はHPLCのピークカウントにより下式により求めた。
【0014】
【数1】
X:前方に検出された光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドのカウント
Y:後方に検出された光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドのカウント
HPLC分析条件はアミノ酸エステル酒石酸アミドの種類によって異なるが、基本条件を下記する。
【0015】
カラム:CAPCELL PAC SG120(ODS)
展開液:0.05%リン酸水溶液/メタノール=50/50〜30/70
検 出:UV215nm〜254nm
また、実施例で使用したアミノ酸類、アルコール類、酒石酸、有機酸、溶媒類は市販の試薬1級グレードを使用した。また、酒石酸誘導体無水物は特許公報2773587公報、2773627公報に記載の方法で製造した化合物を使用した。
【0016】
実施例1
500mlのディーン・スターク共沸脱水装置にL−アスパラギン酸(99.5%ee)13.3g(0.1モル)、精製ベンジルアルコール32.4g(0.30モル)、パラトルエンスルホン酸1水和物22.8g(0.12モル)、およびトルエン250mlを仕込み、攪拌しながら常圧下にて10時間加熱還流して生成した水を共沸脱水除去した。留去した水は約5.1gであった。次いで、攪拌しながら70℃まで冷却した後、水80gで2回洗浄した。トルエン層に溶解していた水を共沸脱水で留去した後、攪拌しながら室温まで冷却した。析出した結晶を濾過・乾燥してD−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩40.3g得た。収率83.0%、化学純度は99.6%であった。 得られたL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩19.4gをクロロホルム150mlに懸濁し、10%水酸化ナトリウム水溶液16g(0.04モル)を添加して室温下、1時間攪拌した。次いでクロロホルム層を分離し、O,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸無水物14.7g(0.04モル)を添加し、再度室温中で2時間攪拌した。クロロホルム層をHPLCで分析すると2つのピークが検出され、反応に使用したL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩の光学純度が59.0%eeであることが判った(図1 カラム CAPCELL PAC SG120 展開液 リン酸水溶液(pH2.2)/メタノール=38/62 v/v)。
【0017】
反応終了後、反応液を5%塩酸水溶液50mlで洗浄した後、クロロホルム層を濃縮して O,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸・モノ(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを27.8g得た。濃縮物10gをシリカゲル500mlを充填したカラムを使用し、トルエン/シクロヘキサンで展開・分取後、濃縮してO,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸・モノ−L−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミド 7.2gとO,O’−ジパラトルオイル−Lー酒石酸・モノ−D−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミド 1.9gを得た。
【0018】
実施例2
光学純度99.5%eeのD−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩4.9g(10ミリモル)をトルエン50mlに懸濁させ、室温下にて攪拌しながら1規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを滴下した。30分攪拌後、水層を分液除去した。トルエン層にO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸無水物3.5g(9.5ミリモル)を添加し、室温下にて1時間攪拌した。反応液をHPLCで分析した結果、単一ピークとしてO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−D−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドが検出され、反応でD−アスパラギン酸ジベンジルエステルが全くラセミ化されてないことが確認できた(図2 測定条件は図1と同様)。次いで、反応液に1規定塩酸5mlを添加し、室温下にて10分間攪拌し、未反応D−アスパラギン酸ジベンジルエステルを除去後、トルエン層を20mlまで濃縮し、5〜10℃で2時間攪拌した。析出結晶を濾過・乾燥してO,O’−ジパラトルオイル−Dー酒石酸・モノ−D−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを5.1g得た。単離収率は75%であった。
【0019】
実施例3
実施例1で製造したL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩19.4gをトルエン150mlに懸濁し、10%水酸化ナトリウム水溶液16g(0.04モル)を添加して室温下、1時間攪拌した。次いでトルエン層を分離し、O,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸無水物14.7g(0.04モル)を添加し、再度室温中で2時間攪拌した。トルエン層をHPLCで分析すると2つのピークが検出され、反応に使用したL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩の光学純度が59.0%eeであることが判った。
【0020】
反応終了後、反応液を5%塩酸水溶液50mlで洗浄した後、トルエン層を50mlまで濃縮した後、5〜10℃で2時間攪拌した。析出結晶を濾過・乾燥してO,O’−ジパラトルオイル−Lー酒石酸・モノーLー(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを5.1g得た。光学純度は99.1%eeであった。
【0021】
実施例4
実施例2のD−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩をL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩に変えた他は実施例2と同様にして式(5)で示されるO,O’−ジパラトルオイル−Dー酒石酸・モノ−L−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを得た。
【0022】
【化13】
融点 52〜54℃
1HNMR 2.2〜2.4ppm(6H)、2.7〜3.1ppm(4H)4.8〜5.0ppm(4H)、5.0〜5.1ppm(1H)5.8〜6.1ppm(2H)、7.0〜8.0ppm(20H)
13CNMR 21ppm、22ppm、36ppm、49ppm、67ppm 68ppm、71ppm、72ppm、125ppm、126ppm,127〜135ppm(12C)、134ppm
135ppm、144ppm、145ppm、164.5ppm 165ppm、166ppm、170.2ppm、170.4ppm、170.5ppm
IR 3600〜2700cm-1 、1800〜1650cm-1、1600cm-1、1550〜1500cm-1、1450cm-1、 1430cm-1、1400cm-1、1350〜1150cm-1、 1150〜1040cm-1、1010cm-1、920cm-1、850cm-1、760cm-1、700cm-1
実施例5
実施例1のO,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸無水物をO、O’−ジベンゾイル−D−酒石酸無水物に変えた他は実施例1と同様にして式(6)で示されるO,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸・モノ−L−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを得た。
【0023】
【化14】
融点 49〜51℃
1HNMR 2.7〜3.1ppm(2H)、4.6〜5.0ppm(5H)
5.9〜6.1ppm(2H)、7.1〜7.6ppm(18H)
8.0〜8.1ppm(4H)
13CNMR 36ppm、49ppm、67ppm、68ppm、71ppm 68ppm、71ppm、72ppm、128〜129ppm (8C)、130.0ppm、130.1ppm、133ppm、 135ppm、134.5ppm、135ppm、164.7ppm、165ppm、166ppm、169.5ppm、170.1ppm、170.4ppm
IR 3600〜2700cm-1 、1800〜1650cm-1、1602cm-1、1585cm-1、1529cm-1、1498cm-1、1453cm-1、1390cm-1、 1300〜1150cm-1、1140〜1030cm-1、1025cm-1、907cm-1、847cm-1、752cm-1
714cm-1、
実施例6
実施例1のO,O’−ジパラトルオイル−L−酒石酸無水物をO、O’−ジパラアニソイル−D−酒石酸無水物に変えた他は実施例1と同様にして式(7)で示されるO,O’−ジパラアニソイル−D−酒石酸・モノ−D−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドを得た。
【0024】
【化15】
融点 52〜54℃
1HNMR 2.8〜3.1ppm(2H)、3.7〜3.9ppm(6H)
4.6〜5.0ppm(5H)、5.9〜6.0ppm(2H)
6.8〜8.1ppm(20H)
13CNMR 36ppm、49ppm、55ppm(2C)、67ppm、68ppm、71ppm、72ppm、113.6ppm、114ppm、120ppm,121ppm、128〜129ppm(16C)、132ppm(2C)、135ppm(2C)、164ppm、164.5ppm 165ppm、166ppm、170ppm、170.5ppm
IR 3600〜2850cm-1、2842cm-1 、2584cm-1、 1800〜1650cm-1、1607cm-1、1581cm-1 、 1513cm-1、1457cm-1、1443cm-1、1400cm-1、1390〜1150cm-1、1094cm-1、 1026cm-1、970cm-1、847cm-1、758cm-1、 697cm-1
実施例7
DL−アラニンベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩3.5g(10ミリモル)をクロロホルム50mlに懸濁させ、室温下にて攪拌しながら1規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを滴下した。30分攪拌後、水層を分液除去した。クロロホルム層にO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸無水物3.5g(9.5ミリモル)を添加し、室温下にて1時間攪拌した。反応液をHPLCで分析した結果、式(8)で示される、O,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−L−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミド(D−L型)と式(9)で示される、O,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−D−(1,2−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミド(D−D型)に基づく2つのピークが検出された(図3 カラム MIGHTYSIL RP−18 GP、 展開液 0.03%アンモニア水を酢酸でpH4.7に調整した溶液/アセトニトリル = 67/33 v/v)。
【0025】
反応液を濃縮し、得られた結晶をトルエンで再結晶して光学分割した。結晶をHPLCで分析した結果、単一ピークとしてO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−D−(1−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミド(D−D型)が検出された。光学純度は99.5%ee以上であった(図4 測定条件は図3と同様)。
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
実施例18
光学純度99.6%eeのD−アラニンベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩3.2g(10ミリモル)をクロロホルム50mlに懸濁させ、室温下にて攪拌しながら1規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを滴下した。30分攪拌後、水層を分液除去した。クロロホルム層に99.9%eeの O,O’−ジアニソイル−D−酒石酸無水物3.8g(9.5ミリモル)を添加し、室温下にて1時間攪拌した。次いで1規定塩酸水溶液を15ml添加して2時間攪拌後、水層を分液除去した。クロロホルム層を20mlの水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを添加して脱水し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、析出結晶を濾過・乾燥して、式(10)で示されるO,O’−ジアニソイル−D−酒石酸・モノ−D−1−ベンジルオキシカルボニルエチルアミドを得た。
【0028】
【化18】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、工業的に有用な高光学純度アスパラギン酸ジエステル酒石酸アミドを簡単な操作で製造することができる。光学活性アスパラギン酸ジエステルを原料とした場合にはアスパラギン酸の光学純度低下を併発しないので、反応液を通常のカラムで分析する事で、原料のアスパラギン酸ジエステルの光学純度を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるL−アスパラギン酸ジベンジルエステル・パラトルエンスルホン酸塩のHPLCピークを示す図である。
【図2】実施例2におけるD−アスパラギン酸ジベンジルエステルのHPLCピークを示す図である。
【図3】実施例7におけるO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−L−(1−ベンジルオキシカルボニル)エチルアミド とO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−D−(1−ジベンジルオキシカルボニル)エチルアミドの混合物のHPLCピークを示す図である。
【図4】実施例7におけるO,O’−ジパラトルオイル−D−酒石酸・モノ−D−(1−ベンジルオキシカルボニル)エチルアミド のHPLCピークを示す図である。
Claims (5)
- 一般式(2)
- 一般式(4)
- 一般式(2)、一般式(4)で示されるα−アミノ酸が、アスパラギン酸またはアラニンであることを特徴とする請求項2または3記載の光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミドの製造法。
- 一般式(1)における、α−アミノ酸残基のR2が、アスパラギン酸またはアラニンの残基である事を特徴とする請求項1記載の光学活性アミノ酸エステル酒石酸アミド。
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