JP4524436B2 - 余長光ケーブル処理構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、余長光ケーブル処理構造に関し、特に、通信機器を搭載する多段ラック(キャビネット)に、光通信装置(シェルフ)を実装して光ケーブルを接続した際に生じる光ケーブルの余長を効率良く収納する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、架と呼ばれるキャビネット筐体に複数の電気通信機械器具、及び電子機器等の多様な機能ブロックを実装して、一つの大きな纏まりを持った装置を構築することがなされている。ここでは、上述の架と呼ばれるキャビネット筐体を多段ラックと示し、この多段ラックに実装される複数の電気通信機械器具、及び電子機器等の棚段をシェルフと示して、以下に説明する。
【0003】
多段ラックに実装される各シェルフは、主に通信機器であって、これに付随する放熱冷却部や電源部等も同様に実装される。通信機器は、有線或いは無線の伝送路を用いるが、伝送路(信号線)の他にも、電源線やアンテナ線などの様々なケーブルの接続がなされるため、多段ラック内には配線が敷設される。
この配線において、特に、気を配る必要があるのは光ケーブルであり、光ケーブルは、曲げ強度や引っ張り強度など物理的な耐力が低いのが一般的である。そのため機器への接続端付近では、余長を充分に設けて配線がなされ、光ケーブルの余長部分は無理のない弧にて円描くように束ねられることが多い。
このため、従来は、光ケーブルの余長部分を収納するための“余長処理ユニット”(シェルフ)を当該通信機器に隣接して多段ラックに設けることがなされていた。
【0004】
図6は従来の余長処理ユニットの構成例を示す図であり、図7は従来の余長処理ユニットを用いた余長光ケーブル処理構造による多段ラック実装構成例を示す図である。なお、図中の“U”とは多段ラック内の高さ方向の単位を示す。
まず、図6に示す余長処理ユニット100は、“2U”の高さを有するシェルフであり、前面端がL字状に立ち上げられた底板140と、該底板140にコの字状の壁を形成するように設けられた、側板110、120及び背面板130とからなっている。
そして、側版110、120は、それぞれ、多段ラックへ取り付けるための取付穴111、112及び121、122を有している。
【0005】
底板140の前面部付近には、複数の支柱101a〜nが設けられ、これらは、2列に並べられている。
つまり、光ケーブル150は、底板140の前面部と側板の取付穴までの間を出入り口として通され、光プラグ端子160までの余長部分は、複数の支柱101を利用して円を描くよう巻き付けて収納するのである。
【0006】
上述した余長処理ユニット100と、通信機器の組み合わせ実装により多段ラックを構成した場合が、図7に示され、この図において、例えば、多段ラック90は、“31U”の搭載容量を持つものとし、ここへ、“3U”の光通信装置80と、“2U”の余長処理ユニット100を実装した場合、最大で6組((3U+2U)×6=30U)ということになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の余長光ケーブル処理構造においては、以下に示すような問題点があった。つまり、光ケーブルの余長処理のために余長処理ユニットを設けていたので、余長処理ユニット実装のために一ユニット当り“2U”のスペースを消費してしまい、光通信装置の実装可能台数が少なくなってしまう。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、光ケーブルの余長処理のために多段ユニット内スペースを消費しないようにすることで、光通信装置の実装効率を高めることができる余長光ケーブル処理構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わる余長光ケーブル処理構造の請求項1の発明は、光通信装置を多段ラックに搭載する場合の光ケーブルの余長を収納する構造において、光ケーブルの余長部分を絡げるための複数の支柱を有するトレーと、前記トレーの両側に設けられ、少なくとも1つの係合凸部を有する一対のブラケットと、前記係合凸部に対応し、位置を違えた少なくとも2つの溝を設けた係合穴を有する一対の支持金具とを備えたケーブルサポートを、前記光通信装置の前方に配置したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施の形態例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる余長光ケーブル処理構造の実施の形態例を示す3面図(正面、上面、側面)である。
【0011】
この例に示す余長光ケーブル処理構造は、光通信装置80の前面部にケーブルサポート1を配置し、このケーブルサポート1に光ケーブル150の余長部分を収納するようにしている。
前記光通信装置80は、例えば、TCP/IPネットワークにおいて、ルータやコンピュータ端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルを備えた警報転送収集パッケージ(SNMP;Simple Network Management Protocol)や、光ファイバケーブルを介して送受される光信号を電気信号に変換する電気/光変換パッケージ(E/O CONV)などの各種パッケージを挿入して構成される。
【0012】
次に、図2は本発明の余長光ケーブル処理構造に用いるケーブルサポートの構成例を示す3面図(正面、上面、側面)である。
この例に示すケーブルサポート1は、大きく分けて、トレー2と、該トレー2の両側に取り付けられた一対のブラケット4a、4bと、ブラケット4a、4bのそれぞれに対応する支持金具3a、3bとを有する。
前記トレー2は、前面端部がL字状に曲げられており、このトレー上には、複数の支柱9aから9nを横2列に並べて設けている。この支柱9a乃至9nは、上述の従来技術に示した支柱101a〜101nと同様の用途に用いられ、光ファイバ150の余長部分を円を描くように絡げるためのものである。更に、トレー2には、ケーブルクランプ11a、11bを両側に設け、このケーブルクランプにより光ファイバを挟み込んで固定(ずれ防止のための軽い固定)するようになっている。
【0013】
前記ブラケット4a、4bは、互いに対称な構成である。ここでは片方のブラケット4aについて説明し、4bの説明を省略する。つまり、ブラケット4aは、二つの係合凸部5a、5bと爪部6aを有している。ここで係合凸部は下向きの鍵状突起を持つよう形成されている。この係合凸部5a、5bの位置関係は特に制約はないが、高さ方向および奥行き方向においてずれている方が好ましい。本発明においては、必ずしも係合凸部を二つ備える必要はなく、ここでは、トレー2とブラケット4a、4bの一体化したものを安定した設置とするために、2点固定をした場合を示しているのである。なお、爪部6aは、トレー2に重量が加わった場合にトレー2が傾くことを防止するための押えであって、支持金具3aの縁に当接するようになっている。
【0014】
前記支持金具3a、3bは、互いに対称な構成である。ここでは片方の支持金具3aについて説明し、3bの説明を省略する。この支持金具3aは、係合穴7aを有し、この係合穴7aは、三つの溝8a、8b、8cを備えている。
【0015】
前記ブラケット4aの係合凸部5aは、係合穴7aの溝8aまたは溝8bに引っ掛かるように対応し、係合凸部5bは、係合穴7aの溝8bまたは溝8cに引っ掛かるように対応している。この図にあっては、係合凸部5aを溝8aに、係合凸部5bを溝8bに引っ掛けて固定されている様子が示されている。
【0016】
上述の如く、ケーブルサポート1を用いて光ケーブル150の余長処理を光通信装置80の前面手前(前方)において収納することにより、光ケーブルの余長処理のために多段ユニット内スペースを消費しないようになり、光通信装置80の実装台数を増やすことができる。
【0017】
図3は、本発明に係る余長光ケーブル処理構造を適用した場合の多段ラック実装例を示す図であり、上述の図7に示したものと同様のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
つまり、“3U”の光通信装置80を10台搭載することができる。
【0018】
この時、光通信装置80の前方にケーブルサポート1を配置したままだと、光通信装置80のパッケージを挿抜する際に邪魔になってしまう。そこで、パッケージを挿抜する際には、ケーブルサポート1を次のように操作するのである。
まず、トレー2とブラケット4a、4bの一体化したものを、押し上げる。次に、それを手前にスライドさせる。そして、下ろすのである。このような簡素な操作を行なうだけで、パッケージ挿抜の邪魔となるトレー2及びブラケット4a、4bの位置を移動することができ、パッケージ挿抜が可能となる。
【0019】
この様子を、次の図4に示す。
図4(a)は、光通信装置が運用されている通常時のケーブルサポート位置を示す図であり、図4(b)は、光通信装置の保守時のケーブルサポート位置を示す図である。このようにして、パッケージ挿抜を行なうことが可能となる。
【0020】
更に、ブラケット4aと、支持金具3aの構成を明確にするためにそれぞれを分離した際のイメージを次の図に示す。
図5は、ブラケット4aと、支持金具3aの構成を示す図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は側面図である。
【0021】
以上のように、本発明に係わる余長光ケーブル処理構造は、ケーブルサポート1を光通信装置80の前方に配置し、パッケージ挿抜の際には、位置をずらすことができるようにしたので、多段ラックに光通信装置80を効率よく(多く)実装することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明に係わる余長光ケーブル処理構造は、光通信装置を多段ラックに搭載する場合の光ケーブルの余長を収納する構造において、光ケーブルの余長部分を絡げるための複数の支柱を有するトレーと、前記トレーの両側に設けられ、少なくとも1つの係合凸部を有する一対のブラケットと、前記係合凸部に対応し、位置を違えた少なくとも2つの溝を設けた係合穴を有する一対の支持金具とを備えたケーブルサポートを、前記光通信装置の前方に配置して構成したので、光ケーブルの余長処理のためにスペースを消費することがなくなり、光通信装置を効率よく実装可能とすることができる。
また、ケーブルサポートの位置をずらすことができるようにしたので、パッケージ挿抜の際にも、ケーブルサポートが邪魔となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る余長光ケーブル処理構造の実施の形態例を示す3面図である。
【図2】本発明に係る余長光ケーブル処理構造に用いるケーブルサポートの構成例を示す3面図である。
【図3】本発明に係る余長光ケーブル処理構造を適用した場合の多段ラック実装例を示す図である。
【図4】図4(a)は、光通信装置が運用されている通常時のケーブルサポート位置を示す図であり、図4(b)は、光通信装置の保守時のケーブルサポート位置を示す図である。
【図5】本発明に係るブラケット4aと支持金具3aを分離した際のイメージを示す図であり、(a)は、正面図、(b)は側面図である。
【図6】従来の余長処理ユニットの構成例を示す図である。
【図7】従来の余長ケーブル処理構造による多段ラック実装構成例を示すずである。
【符号の説明】
1・・・ケーブルサポート
2・・・トレー
3a、b・・・支持金具
4a、b・・・ブラケット
5a〜5d・・・係合凸部
6a、b・・・爪部
7a、b・・・係合穴
8a〜8c・・・溝
9a〜9n・・・支柱
10a〜10d・・・取付穴
11a、b・・・ケーブルクランプ
80・・・光通信装置
90・・・多段ラック
100・・・余長処理ユニット
101a〜n・・・支柱
110・・・側板
111、112・・・取付穴
120・・・側板
121、122・・・取付穴
130・・・背面板
140・・・底板
150・・・光ケーブル
160a、b・・・光プラグ端子

Claims (1)

  1. 光通信装置を多段ラックに搭載する場合の光ケーブルの余長を収納する構造において、
    光ケーブルの余長部分を絡げるための複数の支柱を有するトレーと、
    前記トレーの両側に設けられ、少なくとも1つの係合凸部を有する一対のブラケットと、
    前記係合凸部に対応し、位置を違えた少なくとも2つの溝を設けた係合穴を有する一対の支持金具とを備えたケーブルサポートを、
    前記光通信装置の前方に配置したことを特徴とする余長光ケーブル処理構造。
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