JP4522806B2 - 排気ガス浄化フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、排気管内部に封入され、マイクロ波によって昇温した金属酸化物の触媒作用で、自動車の内燃機関等からの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタに関する。
自動車の内燃機関等からの排気ガスには、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質が含まれており、これら排気ガス中の有害物質を浄化する方法として、一般に、触媒による後処理方式が用いられている。この後処理方式とは、触媒を備えた排気ガス浄化手段に排気ガスを通過させ、排気ガスと触媒とを接触させることによって、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の排気ガス中の有害物質を酸化又は還元させて、無害な炭酸ガス、水蒸気、窒素等として大気中に排出するものである。
ここで、この後処理方式で使用される触媒は、約300℃〜400℃以上の高温状態でないと、その有効な浄化能力を発揮することができないものである。このため、排気ガスの浄化に当たっては、まず触媒を加熱して、触媒を浄化能力を発揮できる温度にまで昇温させる必要がある。そして、この触媒の加熱には、一般に、内燃機関等から排出される排気ガス自体の熱が利用され、高温の排気ガスを排気ガス浄化手段に通過させることにより行われている。
しかしながら、かかる方法にあっては、内燃機関等の冷間始動直後において、排出される排気ガスの温度がまだ低温状態であることから、触媒の加熱が充分に行われず、排気ガスを浄化することができない。したがって、内燃機関等から排出される排気ガスの温度が上昇し、触媒がその有効な排気ガス浄化能力を発揮できる温度に昇温するまでの、内燃機関等の冷間始動直後から数分の間は、有害物質を多く含んだ排気ガスがそのまま大気中に排出されてしまうこととなっている。
そこで、かかる問題を解決するために、特許文献1から特許文献4に記載の排気ガス浄化フィルタが提案されている。かかる構成にあっては、排気ガス浄化手段が、浸漬や乾燥等によって表面にマイクロ波吸収体と触媒とを担持し、セラミックやメタルの隔壁により形成された無数の通気連通路を有するハニカム構造体又はそれに類似する多孔性構造体等の担体からなるものである。そして、内燃機関の始動と同時に排気ガス浄化手段にマイクロ波を放射して、マイクロ波吸収体にマイクロ波を吸収させ、これによりマイクロ波吸収体を昇温させると共に、マイクロ波吸収体と同じく排気ガス浄化手段の表面に担持された触媒を、かかる昇温したマイクロ波からの熱により高温化させるものである。これにより、排気ガス浄化手段は、触媒が浄化能力を発揮できる温度にまで短時間に昇温し、内燃機関の冷間始動直後においても、排気ガス中に含まれる有害物質を効果的に浄化することができる。
また、特許文献5においては、マイクロ波を吸収して昇温し、かつそれ自身優れた排気ガス浄化能力を有する金属酸化物を、マイクロ波吸収体と触媒とを兼用するものとして排気ガス浄化手段に担持することが提案されており、これにより、内燃機関の冷間始動直後の排気ガス中に含まれる有害物質を有効に低減できることが示されている。
特開2002−349229号公報 特開平07−127436号公報 特開平05−340235号公報 特開平05−68894号公報 特開平05−76727号公報
ところで、アンテナから放射されるマイクロ波は、排気ガス浄化手段の全領域に均等に供給されるものではなく、アンテナの近傍ではマイクロ波の供給が良好であるが、アンテナから離れた領域では、マイクロ波がかかる領域まで伝播する間に、マイクロ波吸収体に吸収されたり、担体等に遮蔽されたりして、マイクロ波供給量が減少することとなる。このため、排気ガス浄化手段の各領域は、アンテナからの距離の違いによって昇温の程度が異なり、これにより温度差が生じることとなっている。ここで、従来の排気ガス浄化手段は、マイクロ波吸収体と触媒とを表面に担持した担体からなるものであるため、マイクロ波吸収体が昇温することにより、これを担持する担体もが昇温することとなる。このため、従来の排気ガス浄化手段にあっては、アンテナからマイクロ波が放射されることによって、各領域の昇温の程度の違いにより、担体の各部分間には温度差が生じ、これにより担体の各部分間では熱膨張量が異なることとなって、亀裂や破損が生じ易いものとなっている。
また、従来の排気ガス浄化手段にあっては、排気ガスが、隔壁により形成されたハニカム構造体の目等の小さな通気連通路を通過するものであるため、排気ガス中のすす等により排気ガス浄化手段は目詰まりが生じ易く、メンテナンスを充分にする必要がある。さらに、交換する際には、部分的な交換が難しく、排気ガス浄化手段そのもの全てを交換する必要があって、コストや使用耐久性の面で問題となっている。
また、自動車の内燃機関等からの排気ガス中には、除去するために約600℃〜700℃以上の高温状態で完全燃焼させる必要のあるダイオキシン等の有害物質も含まれており、従来の排気ガス浄化手段にあっては、触媒が約600℃〜700℃以上の高温状態に昇温するまでに時間を要することから、かかる有害物質が、内燃機関等の冷間始動直後において排出されることとなっている。
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、熱応力による亀裂、破損の発生や、排気ガスの流路に目詰まりの生じる恐れがなく、かつ従来構成に比べて触媒をより早く昇温させることのできる排気ガス浄化フィルタを提案するものである。
本発明は、排気管内部に封入され、マイクロ波によって昇温した金属酸化物の触媒作用で、自動車の内燃機関等からの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタにおいて、筒状外周壁の両端開口を前面壁と後面壁とで覆って、その内部を通気性充填室とする、排気管に内装される筒状充填筐体を備え、通気性充填室の中心に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通され、通気性充填室内に、マイクロ波により昇温する金属酸化物粒子が充填され、さらに通気性充填室を区画する壁部には、排気管の上流側と連通する流入孔と、金属酸化物粒子間を流通した排気ガスを排気管の下流側へ排出する排気孔とが夫々形成されてなることを特徴とする排気ガス浄化フィルタ(請求項1)である。
本発明にあっては、マイクロ波を吸収して昇温し、かつそれ自身優れた排気ガス浄化能力を有する金属酸化物を、マイクロ波吸収体と触媒とを兼用するものとして用いている。また、かかる金属酸化物は、通気性充填室内を通過する排気ガスと良好に接触するように、表面積の広い粒子状のものとしている。金属酸化物粒子は、充填筐体の筒状外周壁と、前面壁と、後面壁とで区画された通気性充填室に充填されており、かかる金属酸化物粒子は個々に独立しているため、排気ガスとの接触により、多少の遊動をなし得るものである。
通気性充填室の中心には、充填筐体の前面壁から後面壁に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通されている。かかるアンテナは、通気性充填室内の金属酸化物粒子に向けて、径方向に放射状にマイクロ波を放射するものである。アンテナの放射するマイクロ波は、通気性充填室内を径方向に進行するにつれて、金属酸化物粒子に徐々に吸収されるため、金属酸化物粒子に供給されるマイクロ波は、アンテナ近傍で最も多くなり、充填筐体の筒状外周壁近傍で最も少なくなる。すなわち、金属酸化物粒子は、アンテナ近傍で最も高温化し易く、充填筐体の外周壁近傍で最も昇温し難いこととなる。したがって、アンテナを通気性充填室の中心に挿通することにより、最も高温化し難い充填筐体の外周壁近傍と、アンテナとの距離が最短となり、通気性充填室の全領域がより早く昇温することとなる。
通気性充填室を区画する壁部のうち、排気管の上流側と通気性充填室とを隔す壁部(具体的には、前面壁)には、内燃機関等からの排気ガスを通気性充填室に流入させるために、排気管の上流側と通気性充填室とを連通する流入孔が形成される。また、通気性充填室内で金属酸化物粒子間を流通して浄化された排気ガスを排気管の下流側へ排出するために、通気性充填室と排気管の下流側とを隔す壁部(具体的には、後面壁)には、通気性充填室と排気管の下流側とを連通する排気孔が形成される。かかる流入孔と排気孔とは、通気性充填室から金属酸化物粒子が漏洩しないよう、充填する最小の金属酸化物粒子の粒径よりも小さな孔径のものであり、通気性充填室を区画する壁部に所定の開口率で無数形成されるものである。
かかる構成にあっては、充填筐体内部の通気性充填室の中心に挿通されたアンテナの放射するマイクロ波によって、通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子が、マイクロ波を吸収して短時間に浄化能力を発揮できる温度にまで昇温する。内燃機関等から排出された排気ガスは、通気性充填室を区画する壁部に形成された流入孔を介して通気性充填室へ流入する。そして、通気性充填室内で金属酸化物粒子と接触して浄化され、通気性充填室の他の壁部に形成された排気孔を介して通気性充填室から排出されることとなる。
また、本発明は、排気管内部に封入され、マイクロ波によって昇温した金属酸化物の触媒作用で、自動車の内燃機関等からの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタにおいて、径方向では外壁部と内壁部とにより、周方向では隔壁により、長手方向では前壁部と後壁部とにより夫々区画してなる単位通気性充填室が周方向に複数連設されてなり、排気管に内装される充填筐体を備え、その中心に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通され、各単位通気性充填室内に、マイクロ波により昇温する金属酸化物粒子が充填され、さらに各単位通気性充填室を区画する壁部には、排気管の上流側と連通する流入孔と、金属酸化物粒子間を流通した排気ガスを排気管の下流側へ排出する排気孔とが夫々形成されてなることを特徴とする排気ガス浄化フィルタ(請求項2)である。
かかる構成にあっては、マイクロ波を吸収して昇温し、かつそれ自身優れた排気ガス浄化能力を有する金属酸化物が表面積の広い粒子状で用いられ、径方向では外壁部と内壁部とにより、周方向では隔壁により、長手方向では前壁部と後壁部とにより区画した単位通気性充填室内に充填されている。充填された金属酸化物粒子は個々に独立しているため、排気ガスとの接触により、多少の遊動をなし得るものとなっている。また、金属酸化物粒子を充填する充填領域が、複数の単位通気性充填室に分割されているため、金属酸化物粒子の粒径や質量の差異や、内燃機関からの振動等によって生じる充填領域内における金属酸化物粒子の偏在の程度が低減される。
充填筐体の中央には、複数の単位通気性充填室が周方向に連設されることにより、各単位通気性充填室の内壁部が連成されて、内側をアンテナが挿通されるアンテナ挿通孔とする筒状のアンテナ隔周壁が形成される。また、充填筐体の外周縁には、各単位通気性充填室の隔壁同士が周方向に接触している場合には、各単位通気性充填室の外壁部が連成されて、一方、各単位通気性充填室の隔壁同士が接触していない場合には、各単位通気性充填室の外壁部及び隔壁が連成されて、充填筐体の外周壁が形成される。また、充填筐体の長手方向の両端には、各単位通気性充填室の長手方向の両端開口を覆う前壁部と後壁部とが連成されて、充填筐体の前面壁と後面壁とが夫々形成される。ここで、充填筐体の各壁部は、例えば、前面壁と後面壁とにあっては全ての単位通気性充填室の長手方向の両端開口を一括して覆う構成のように、各単位通気性充填室を区画する壁部を一体的に形成して設けることもできる。
アンテナ隔周壁の内側のアンテナ挿通孔には、充填筐体の中心となる位置に、充填筐体の前面壁から後面壁に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通されている。かかるアンテナは、各単位通気性充填室内の金属酸化物粒子に向けて、径方向に放射状にマイクロ波を放射するものである。アンテナの放射するマイクロ波は、各単位通気性充填室内を径方向に進行するにつれて、金属酸化物粒子に徐々に吸収されるため、金属酸化物粒子に供給されるマイクロ波は、アンテナ近傍で最も多くなり、充填筐体の外周壁近傍で最も少なくなる。すなわち、金属酸化物粒子は、アンテナ近傍で最も高温化し易く、充填筐体の外周壁近傍で最も昇温し難いこととなる。したがって、アンテナを充填筐体の中心に挿通することにより、最も高温化し難い充填筐体の外周壁近傍と、アンテナとの距離が最短となり、各単位通気性充填室の全領域がより早く昇温することとなる。
各単位通気性充填室を区画する壁部のうち、排気管の上流側と各単位通気性充填室とを隔す壁部(具体的には、前壁部)には、内燃機関等からの排気ガスを各単位通気性充填室に流入させるために、排気管の上流側と各単位通気性充填室とを連通する流入孔が形成される。また、各単位通気性充填室内で金属酸化物粒子間を流通して浄化された排気ガスを排気管の下流側へ排出するために、各単位通気性充填室と排気管の下流側とを隔す壁部(具体的には、後壁部)には、各単位通気性充填室と排気管の下流側とを連通する排気孔が形成される。かかる流入孔と排気孔とは、各単位通気性充填室から金属酸化物粒子が漏洩しないよう、充填する最小の金属酸化物粒子の粒径よりも小さな孔径のものであり、各単位通気性充填室を区画する壁部に所定の開口率で無数形成されるものである。
かかる構成にあっては、複数の単位通気性充填室が周方向に連設されてなる充填筐体の中心に挿通されたアンテナから放射されるマイクロ波によって、各単位通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子が、マイクロ波を吸収して短時間に浄化能力を発揮できる温度にまで昇温する。内燃機関等から排出された排気ガスは、各単位通気性充填室を区画する壁部に形成された流入孔を介して各単位通気性充填室へ流入する。そして、各単位通気性充填室内で金属酸化物粒子と接触して浄化され、他の壁部に形成された排気孔を介して各単位通気性充填室から排出されることとなる。
ここで、上記排気ガス浄化フィルタにおいて、充填筐体には中央長手方向に沿って筒状内周壁が配設され、該内周壁の内側を、アンテナが挿通され、かつ排気管の上流側と連通する通気孔路とし、さらに充填筐体の外面と排気管の内面との間に、排気管の下流側と連通する排気路が形成され、充填筐体の内周壁には通気孔路と連通する流入孔が、外周壁には排気路と連通する排気孔が夫々形成されている構成(請求項3)が提案される。
かかる構成にあっては、充填筐体には中央長手方向に沿って、前面壁から後面壁まで内側を通気孔路とする筒状内周壁が配設されている。この筒状内周壁の前方開口は、充填筐体の前面壁によって遮蔽されず、排気管の上流側と通気孔路とが連通するようになっている。一方、筒状内周壁の後方開口は、排気管の上流側から通気孔路へと流入した排気ガスが、排気管の下流側へと流出しないよう、充填筐体の後面壁により遮蔽される。したがって、充填筐体の前面壁は、筒状外周壁と筒状内周壁との環状の前方開口を覆うものとなり、環状をなしている。ここで、充填筐体が複数の単位通気性充填室を周方向に連設してなる場合には、内側を通気孔路とする筒状内周壁は、各単位通気性充填室の内壁部が連成されて形成される。
また、かかる構成にあっては、排気管に内装された充填筐体の外面と排気管の内面との間に空隙が画成され、該空隙を排気路とする。この排気路は、排気管の下流側のみと連通するものであり、排気管の上流側から排気ガスが直接流入しないように、排気路の前方には遮断壁が設けられる。この遮断壁は、充填筐体の前面壁と一体的に形成するのが好適である。
筒状内周壁の内側の通気孔路には、充填筐体の中心となる位置に、充填筐体の前面壁から後面壁に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通されている。かかるアンテナは、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内の金属酸化物粒子に向けて、径方向に放射状にマイクロ波を放射するものである。アンテナの放射するマイクロ波は、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内を径方向に進行するにつれて、金属酸化物粒子に徐々に吸収されるため、金属酸化物粒子に供給されるマイクロ波は、アンテナ近傍、すなわち充填筐体の筒状内周壁近傍で最も多くなり、筒状外周壁近傍で最も少なくなる。したがって、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内の金属酸化物粒子は、内周壁近傍で最も早く高温化して、その有効な排気ガス浄化能力を発揮することとなる。
また、充填筐体の筒状内周壁には、通気孔路と、通気性充填室又は各単位通気性充填室とを連通する流入孔が無数に形成されている。排気管の上流側から通気孔路に流入した排気ガスは、かかる流入孔を介して、通気孔路から通気性充填室又は各単位通気性充填室へと径方向に流入する。また、充填筐体の筒状外周壁には、通気性充填室又は各単位通気性充填室と、排気路とを連通する排気孔が無数に形成されており、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内で金属酸化物粒子と接触して浄化された排気ガスが、通気性充填室又は各単位通気性充填室から排気路へと径方向に流出する。
かかる構成にあっては、充填筐体の中央の通気孔路に挿通されたアンテナから径方向に放射状に放射されるマイクロ波によって、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子が、短時間に浄化能力を発揮できる温度にまで昇温する。そして、内燃機関等から排出された全ての排気ガスは、排気管の上流側から通気孔路に流入した後に、内周壁に形成された流入孔を介して通気孔路から通気性充填室又は各単位通気性充填室へと径方向に流入する。ここで、排気ガスが通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に流入した際に接触する、筒状内周壁近傍の金属酸化物粒子は、アンテナからのマイクロ波供給が良好であり、最も早く高温化して浄化能力を発揮するものであるため、全ての排気ガスが効果的に浄化されることとなる。そして、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内で浄化された排気ガスは、充填筐体の筒状外周壁に形成された排気孔を介して通気性充填室又は各単位通気性充填室から排気路へと径方向に流出し、排気管の下流側へ排出される。このように、かかる構成にあっては、アンテナの放射するマイクロ波の方向と、通気性充填室又は各単位通気性充填室を流通する排気ガスの方向とが同一となることから、全ての排気ガスを、最も早く高温化して浄化能力を発揮する金属酸化物粒子と接触させることができる。
また、かかる構成にあっては、長手方向の周壁である筒状内周壁と筒状外周壁とに流入孔と排気孔とが夫々形成されており、充填筐体の前面壁と後面壁とに流入孔と排気孔とを夫々形成した場合に比べて、排気ガスの流入領域及び流出領域が広範となっていることから、通気性充填室又は各単位通気性充填室を通過する排気ガスの流速が低下することとなる。
また、上記排気ガス浄化フィルタの構成において、充填筐体の外周壁が非円筒形であり、円筒形排気管に内嵌された充填筐体の外面と排気管の内面との間に、排気管の下流側と連通する排気路が形成され、充填筐体の外周壁には排気路と連通する排気孔が形成されている構成(請求項4)が提案される。
充填筐体の外周壁が非円筒形である場合には、充填筐体を円筒形排気管に内嵌することで、充填筐体の外面と排気管の内面との間に排気路が画成されると共に、充填筐体の外面と排気管の内面とが接触する部分が生じる。このため、充填筐体の外面と排気管の内面との間に排気路を形成した場合であっても、充填筐体の外面と排気管の内面との接触部分を螺子留め等することで、排気ガス浄化フィルタを排気管内に容易に固定することができる。
また、上記排気ガス浄化フィルタの構成において、充填筐体には突湾部を所定角度間隔で連成してなる非円筒形外周壁と、内側をアンテナが挿通される通気孔路とする筒状内周壁と、各突湾部間と内周壁とに径方向へ差し渡された複数の隔壁とが備えられ、円筒形排気管に内嵌された充填筐体の外面と排気管の内面との間に、排気管の下流側と連通する排気路が形成され、さらに各突湾部と隔壁と内周壁とにより区画された単位通気性充填室が周方向に複数連設され、各単位通気性充填室の内周壁には通気孔路から連通する流入孔が、突湾部には排気路と連通する排気孔が夫々形成されている構成(請求項5)が提案される。
かかる構成にあっては、充填筐体の中央長手方向に沿って、前面壁から後面壁にかけて内側を通気孔路とする筒状内周壁が配設されている。この筒状内周壁の前方開口は、充填筐体の前面壁によって遮蔽されておらず、排気管の上流側と通気孔路とが連通するようになっている。一方、筒状内周壁の後方開口は、排気管の上流側から通気孔路へと流入した排気ガスが排気管の下流側へと流出しないように、充填筐体の後面壁により遮蔽されている。したがって、充填筐体の前面壁は、非円筒形外周壁と筒状内周壁との間の環状の前方開口を覆うものであり、略環状をなしている。ここで、内側を通気孔路とする筒状内周壁は、各単位通気性充填室の内壁部が周方向に連成されて形成されるものである。また、充填筐体の非円筒形外周壁は、各単位通気性充填室の突湾状の外壁部、すなわち突湾部が周方向に連成されて形成されるものである。
また、かかる構成にあっては、充填筐体の外周壁の各突湾部間に、排気管に内嵌された充填筐体の外面と排気管の内面とで排気路が画成される。この排気路は、排気管の下流側とのみ連通するものであり、排気管の上流側から排気ガスが直接流入しないように、排気路の前方には遮断壁が設けられる。この遮断壁は、充填筐体の前面壁と一体的に形成するのが好適である。また、外周壁の各突湾部には、充填筐体の外面と排気管の内面との接触部分が生じる。これにより、充填筐体の外面と排気管の内面との間に排気路を形成した場合であっても、かかる接触部分を螺子留め等することで、排気ガス浄化フィルタを排気管内に容易に固定することができる。
筒状内周壁の内側の通気孔路には、充填筐体の中心となる位置に、充填筐体の前面壁から後面壁に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通されている。かかるアンテナは、各単位通気性充填室内の金属酸化物粒子に向けて、径方向に放射状にマイクロ波を放射するものである。アンテナの放射するマイクロ波は、各単位通気性充填室内を径方向に進行するにつれて、金属酸化物粒子に徐々に吸収されるため、金属酸化物粒子に供給されるマイクロ波は、アンテナ近傍、すなわち充填筐体の内周壁近傍で最も多くなり、外周壁近傍で最も少なくなる。したがって、各単位通気性充填室の金属酸化物粒子は、内周壁近傍で最も早く高温化して、その有効な排気ガス浄化能力を発揮することとなる。
また、充填筐体の筒状内周壁には、通気孔路と各単位通気性充填室とを連通する無数の流入孔が形成されており、排気管の上流側から通気孔路に流入した排気ガスが、かかる流入孔を介して、通気孔路から各単位通気性充填室へと径方向に流入する。また、充填筐体の外周壁には、各単位通気性充填室と排気路とを連通する無数の排気孔が形成されており、各単位通気性充填室内で金属酸化物粒子と接触して浄化された排気ガスが、各単位通気性充填室から排気路へと径方向に流出する。
かかる構成にあっては、充填筐体の中央の通気孔路に挿通されたアンテナから径方向に放射状に放射されるマイクロ波によって、各単位通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子が、短時間に浄化能力を発揮できる温度にまで昇温する。そして、内燃機関等から排出された全ての排気ガスが、排気管の上流側から通気孔路に流入した後に、筒状内周壁に形成された流入孔を介して通気孔路から各単位通気性充填室へと径方向に流入する。ここで、排気ガスが各単位通気性充填室内に流入した際に接触する、内周壁近傍の金属酸化物粒子は、アンテナからのマイクロ波供給が良好であり、最も早く高温化して浄化能力を発揮するものであるため、全ての排気ガスが効果的に浄化されることとなる。そして、各単位通気性充填室内で浄化された排気ガスは、充填筐体の外周壁に形成された排気孔を介して各単位通気性充填室から排気路へ径方向に流出し、排気管の下流側へ排出される。このように、かかる構成にあっては、アンテナの放射するマイクロ波の方向と、単位通気性充填室を流通する排気ガスの方向とが同一となることから、全ての排気ガスを、最も早く高温化して浄化能力を発揮する金属酸化物粒子と接触させることができる。
また、かかる構成にあっては、長手方向の周壁である筒状内周壁と非円筒形外周壁とに流入孔と排気孔とが夫々形成されており、充填筐体の前面壁と後面壁とに流入孔と排気孔とを夫々形成した場合に比べて、排気ガスの流入領域及び流出領域が広範となっていることから、各単位通気性充填室を通過する排気ガスの流速が低下することとなる。
さらに、上記排気ガス浄化フィルタにおいて、金属酸化物粒子の平均粒径が略5μm〜略15mmである構成(請求項6)が提案される。
通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填される金属酸化物粒子は、その粒径が大きすぎると粒子間に生じる空隙部が増大して、排気ガスと金属酸化物粒子とが接触し難くなり、かつ金属酸化物粒子の表面積も減少して触媒能力が低下することが懸念される。このため、金属酸化物粒子の平均粒径は、略15mm以下とすることが好適である。また、金属酸化物粒子の粒径が小さすぎる場合には、区画する壁部に流入孔と排気孔とを備えた通気性充填室内又は単位通気性充填室内において、金属酸化物粒子を保持することが困難となることが懸念されるため、金属酸化物粒子の平均粒径は略5μm以上とすることが好適である。
また、上記排気ガス浄化フィルタにおいて、金属酸化物粒子が酸化鉄からなる構成(請求項7)も提案される。
本発明の排気ガス浄化フィルタでは、マイクロ波吸収体と排気ガス浄化触媒とを兼用するものとして、金属酸化物を粒子状で用いる。この金属酸化物としては、ペロブスカイト型複合酸化物、酸化マンガン、及び酸化コバルト等も好適に用いることができるが、安価で入手の容易な酸化鉄を用いることが、製造やコスト面で最適である。
本発明にあっては、触媒である金属酸化物が、表面積の広い粒子状で通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填されているため、触媒を表面に担持したハニカム構造体等の担体からなる従来構成のものと比べて、排気ガスと触媒との接触面積が広く、排気ガスの浄化能力に優れる。また、マイクロ波を径方向に放射状に放射するアンテナが充填筐体の中心に挿通されているため、通気性充填室又は各単位通気性充填室の全領域がより早く高温化して、その有効な排気ガス浄化能力を発揮することができる。さらに、従来構成においては、アンテナから供給されるマイクロ波により、マイクロ波吸収体と、触媒と、これらを担持する担体とが昇温することとなっているが、本発明にあっては、金属酸化物粒子のみが昇温するものであるため、従来構成に比べてより早く触媒が高温化することとなる。したがって、本発明では、触媒である金属酸化物粒子がより早く約600℃〜700℃以上の高温状態まで昇温し、優れた浄化能力を発揮することができるため、内燃機関等からの排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質に加えて、除去するために高温状態で完全燃焼させる必要のあるダイオキシン等の有害物質をも、内燃機関等の冷間始動直後のより早い時点から効果的に削減することができる。
また、本発明にあっては、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填された夫々の金属酸化物粒子が、排気ガスの流通により多少の遊動をなし得るものであるため、金属酸化物粒子間に形成される排気ガスの流路は、一定なものとはならず、排気ガスの流速等により変化するものとなる。このため、本発明の充填筐体においては、排気ガス中に含まれるすす等により、排気ガスの流路に目詰まりが生じることはなく、メンテナンスなしに長期間使用することが可能である。また、本発明にあっては、充填筐体を交換する際にも、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子のみを交換すれば、新品と同様の効果を奏するものとして使用することができ、交換時の材料費を低減させることができる。
また、マイクロ波吸収体である触媒が表面に担持されてなり、アンテナからのマイクロ波によって、触媒と担体とが一体的に昇温する従来構成のものとは異なり、本発明にあっては、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填された金属酸化物粒子のみがマイクロ波により個々に昇温するものである。このため、通気性充填室又は単位通気性充填室のアンテナ近傍とアンテナから離れた領域とにおいて、供給されるマイクロ波の差異により昇温の程度が異なって温度差が生じたとしても、従来構成の担体のような部分間の温度差により熱膨張量に差が生じることや、熱応力が作用することはなく、充填筐体には亀裂や破損が生じる恐れはない。
さらに、本発明にあっては、従来構成において必要であった、担体の表面に浸漬や乾燥等により触媒やマイクロ波吸収体を担持する工程が不要となるため、短時間かつ低コストでの製造が可能である。
また、本発明において、金属酸化物粒子を充填する充填領域が複数の単位通気性充填室に分割されて形成されている場合には、金属酸化物粒子の粒径や質量の差異や、内燃機関からの振動等によって生じる充填領域内での金属酸化物粒子の偏在の程度が低減され、かかる偏在に起因する、排気ガス浄化フィルタの通気性や浄化能力の低下を最小限に抑えることができる。
また、複数の単位通気性充填室が周方向に連設されてなる構成にあっては、各単位通気性充填室の内壁部が周方向に連成されることにより、充填筐体の中央長手方向に沿って、内側をアンテナ挿通孔とするアンテナ隔周壁が形成される。このため、アンテナと金属酸化物粒子との接触が生じなくなり、これにより、充填筐体の中心へのアンテナの挿通を容易に行うことができ、かつアンテナの耐久性も向上することとなる。
また、本発明において、充填筐体には中央長手方向に沿って内側を通気孔路とする筒状内周壁が配設され、さらに充填筐体の外面と排気管の内面との間に、排気管の下流側と連通する排気路が形成され、充填筐体の内周壁には通気孔路と連通する流入孔が、外周壁には排気路と連通する排気孔が夫々形成されている場合には、アンテナの放射するマイクロ波の方向と、通気性充填室又は各単位通気性充填室を流通する排気ガスの方向とが同一となることから、内燃機関等から排出される全ての排気ガスが、最も早く高温化して、その有効な排気ガス浄化能力を発揮する金属酸化物粒子と接触することとなる。このため、内燃機関等の冷間始動直後のより早い時点から、排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質に加えて、ダイオキシン等の有害物質をも効果的に削減することができる。ちなみに、従来構成のハニカム構造体等の担体にあっては、長手方向に沿った通気連通路が径方向へ平行に無数形成されているものであるため、内燃機関の冷間始動直後において、アンテナの近隣に位置し昇温の良好な領域の通気連通路を通過する排気ガスは浄化されるが、アンテナから離れて位置し高温化し難い領域の通気連通路を通過する排気ガスはほとんど浄化されないこととなっている。
また、かかる構成にあっては、流入孔と排気孔とが、長手方向の周壁である外周壁と内周壁とに形成されて、排気ガスの流入領域と流出領域とが広範となっていることから、通気性充填室又は各単位通気性充填室を通過する排気ガスの流速が低下し、排気ガスの通気性充填室内又は各単位通気性充填室内における滞留時間が長くなる。これにより、排気ガスはより金属酸化物粒子と接触することとなって、排気ガス浄化フィルタの浄化能力が向上することとなる。また、かかる構成にあっては、アンテナの挿通する位置が、筒状内周壁の内側の通気孔路という空隙であるため、これを容易に行うことができる。
また、本発明において、充填筐体の外周壁が非円筒形である場合には、充填筐体を円筒形排気管に内嵌することで、充填筐体の外面と排気管の内面との間に排気路が画成されると共に、充填筐体の外面と排気管の内面とが接触する部分が生じる。このため、充填筐体の外面と排気管の内面との間に排気路を形成した場合であっても、充填筐体の外面と排気管の内面との接触部分を螺子留め等することで、排気ガス浄化フィルタを排気管内に容易に固定することができる。
ここで、上記排気ガス浄化フィルタにおいて、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填する金属酸化物粒子の平均粒径を略5μm〜略15mmとすることにより、内燃機関等から排出される排気ガスが、表面積の広い金属酸化物粒子と良好に接触しながら円滑に通気性充填室又は各単位通気性充填室を通過することとなるため、排気ガスを効果的に浄化することができる。
また、通気性充填室内又は各単位通気性充填室内に充填する金属酸化物粒子として、安価で入手の容易な酸化鉄粒子を用いることにより、効果的な排気ガス浄化能力を備える本発明の排気ガス浄化フィルタを、低コスト、短時間、かつ効率よく製造することができる。
以下に、本発明の排気ガス浄化フィルタの実施形態を添付図面に沿って説明する。
まず、実施形態Aを図1〜図3に従って説明する。本実施形態Aの排気ガス浄化フィルタ1aでは、充填筐体2aが、略半円形の突湾部25を45度間隔で8つ連成してなる花形の筒状外周壁20aと、その両端開口を覆う前面壁21aと後面壁22aとからなるものであり、円筒形排気管10に内嵌されている。かかる充填筐体2aは、耐熱性を有するステンレス製のものである。外周壁20aの各突湾部25間には、充填筐体2aの外面と円筒形排気管10の内面とで空隙が画成され、該空隙を排気路12aとしている。充填筐体2aの前面壁21aは、周縁を排気管10の内面と接する円板状をなし、筒状外周壁20aの前方開口を覆うと共に、排気路12aを前方にて遮蔽するようにしている。また、前面壁21aの中心にはアンテナを充填筐体2aに嵌入するための装着孔27が形成されている。一方、充填筐体2aの後面壁22aは、外周壁20aの後方開口を整一に覆う花形板状をなしている。
充填筐体2aは、図1に示すように、その内部を通気性充填室3とする。そして、この通気性充填室3の中心には、マイクロ波を放射するアンテナが、充填筐体2aの前面壁21aに形成された装着孔27より長手方向に沿って充填筐体2aの後面壁22aまで挿通されている。このアンテナには、耐熱性を有するステンレス製の円形放射導波管15が使用されている。円形放射導波管15には、図4に示すように、幅1mm、長さ60mmのスリット16が20mmピッチで管壁に形成されており、通気性充填室3に向けてマイクロ波が径方向に放射状に放射されるようになっている。また、円形放射導波管15の終端位置には、マイクロ波が排気管10の下流側に漏洩したり、終端位置で反射しないように、マイクロ波吸収材であるフェライト体18が設けられている。マイクロ波は、内燃機関(図示省略)の始動と同時に起動するように制御されたマイクロ波発振器13により発生し、一端をマイクロ波発振器13に、他端を円形放射導波管15に接続された円形導波管17を介して、円形放射導波管15まで伝播する。そして、円形放射導波管15のスリット16を介して通気性充填室3に放射されつつ、円形放射導波管15の終端位置に備えられたフェライト体18まで伝播して、フェライト体18に吸収される。
充填筐体2a内部の通気性充填室3には、マイクロ波を吸収して昇温し、かつそれ自身優れた排気ガス浄化能力を有する金属酸化物粒子が充填されている。この金属酸化物粒子として酸化鉄粒子8が用いられる。この酸化鉄粒子8は、粒径略1μmの酸化鉄を造粒してなる粒径5〜10mmのものである。酸化鉄粒子8は、マイクロ波によって良好に昇温し、350℃以上で効果的に排気ガスを浄化するものである。
また、通気性充填室3は、充填筐体2aの外周壁20aと前面壁21aと後面壁22aとで区画されるものである。充填筐体2aの前面壁21aには、排気ガスが通気性充填室3に流入するように、排気管10の上流側と連通する流入孔30aが形成されている。また、通気性充填室3内の酸化鉄粒子8間を流通した排気ガスが、該通気性充填室3から良好に流出するように、充填筐体2aの後面壁22aには、その全面に亘って、無数の排気孔31aが形成され、外周壁20aの後方終端付近にも、充填筐体2aの外面と排気管10の内面とで区画された排気路12aと連通する排気孔31bが無数形成されている。ここで、外周壁20aにおいて、排気孔31bを外周壁20aの後方終端付近にのみ形成したのは、通気性充填室3に流入した排気ガスが、通気性充填室3の通過距離の短い、すなわち排気ガスの流通に対する抵抗の少ない、流入孔30aの近くに形成された排気孔から即座に排気路12aへと流出することを防止し、通気性充填室3の全体を有効に活用して、排気ガスを効果的に浄化するためである。充填筐体2aの各壁部に無数形成された流入孔30a及び排気孔31a、31bは、φ2.0mmの貫通孔がピッチ3.2mm、開口率35.7%で形成されてなるものである。
本実施形態Aにあっては、通気性充填室3の中心に長手方向に沿って円形放射導波管15が挿通されており、該円形放射導波管15は通気性充填室3内に充填された酸化鉄粒子8に向けて径方向に放射状にマイクロ波を放射する。円形放射導波管15から放射されたマイクロ波は、通気性充填室3内を径方向に放射状に伝播して、通気性充填室3の全領域の酸化鉄粒子8に良好に吸収される。そして、酸化鉄粒子8に吸収されたマイクロ波は、該酸化鉄粒子8のみを高温化することに利用され、酸化鉄粒子8は従来構成に比べてより早く約600℃〜700℃以上の高温状態まで昇温し、その排気ガス浄化能力を発揮する。内燃機関から排出された排気ガスは、充填筐体2aの前面壁21aに形成された無数の流入孔30aを介して通気性充填室3に流入する(図1及び図3において矢印で示す。)。そして、排気ガスは、充填筐体2aの後方部分まで通気性充填室3の全領域を均等に通過して、排気ガスとの接触面積の広い粒子状で充填された酸化鉄粒子8と良好に接触する。そして、充填筐体2aの後方部分においては、排気ガスは、充填筐体2aの外周壁20aの後方終端付近に形成された排気孔31bを介して排気路12aへと流出し、又は充填筐体2aの後面壁22aまで流通して、該後面壁22aに形成された排気孔31aを介して排気管10の下流側へと流出し、後続する排気管10から大気中へ排気されることとなる。かかる構成にあっては、内燃機関からの排気ガスは、より早く約600℃〜700℃以上の高温状態まで昇温し、かつ表面積が広く触媒作用に優れた酸化鉄粒子8と通気性充填室3内において良好に接触することとなるため、排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質に加えて、除去するために高温状態で完全燃焼させる必要のあるダイオキシン等の有害物質をも、内燃機関の冷間始動直後のより早い時点から効果的に削減することができる。
また、本実施形態Aにあっては、夫々の酸化鉄粒子8が通気性充填室3内に、個々に独立した状態で充填されているため、排気ガスの流通により夫々の酸化鉄粒子8は多少の遊動をなし得る。このため、各酸化鉄粒子8間に形成される排気ガスの流路は常に一定なものとはならず、排気ガスの流路には、排気ガス中に含まれるすす等によって目詰まりが生じない。これにより、かかる排気ガス浄化フィルタ1aはメンテナンスなしに、長期間使用することができる。
さらに、本実施形態Aでは、酸化鉄粒子8が通気性充填室3内に夫々独立した状態で充填されていることから、酸化鉄粒子8はマイクロ波によって個々に昇温することとなる。このため、通気性充填室3のアンテナ近傍とアンテナから離れた領域とにおいて、円形放射導波管15から供給されるマイクロ波量の差異によって昇温の程度が異なり、通気性充填室3の各領域間において温度差が生じたとしても、従来構成の担体のように部分間に熱膨張量の差異が生じたり、熱応力が生じることはなく、充填筐体2aには亀裂や破損が生じる恐れはない。
本実施形態Aでは、通気性充填室3に流入した排気ガスを、良好に通気性充填室3から流出させるため、充填筐体2aの後面壁22aと外周壁20aとに夫々排気孔31a、31bを形成しているが、排気孔は、通気性充填室3を区画する一の壁部のみに形成するものであっても良い。また、充填筐体2aの中心のアンテナを挿通する位置に、内側をアンテナ挿通孔とする筒状のアンテナ隔周壁を設けて、通気性充填室3内に酸化鉄粒子8を充填した後であっても、容易にアンテナを充填筐体2aに挿通できる構成としても良い。かかる構成では、円形放射導波管15と酸化鉄粒子8とが接触しないことから、円形放射導波管15の耐久性が向上し、また、通気性充填室3内の酸化鉄粒子8の入換えも容易に行うことができる
次に、実施形態Bを図5及び図6に従って説明する。本実施形態Bの排気ガス浄化フィルタ1bでは、充填筐体2bの筒状外周壁20bが、単位通気性充填室4の外壁部をなす略半円形の突湾部26を45度間隔で8つ連成して形成され、花形筒状をなしている。また、充填筐体2bには中央長手方向に沿って円筒形内周壁23が配設され、該内周壁23は内側を、アンテナが挿通され、かつ円筒形排気管10の上流側と連通する通気孔路35としている。また、外周壁20bの各突湾部26間から内周壁23にかけては、外周壁20bと一体的に形成された8つの隔壁24が径方向に差し渡されている。そして、各突湾部26と隔壁24、24と内周壁23とにより区画される8つの単位通気性充填室4の長手方向の両端開口が、充填筐体2bに配設された前面壁21bと後面壁22bとにより一括して遮断されている。すなわち、本実施形態Bでは、充填筐体2bが、筒状外周壁20bと、円筒形内周壁23と、8つの径方向の隔壁24と、筒状外周壁20bと円筒形内周壁23との間の略環状の両端開口を覆う前面壁21bと後面壁22bとからなり、これら壁部に区画された8つの単位通気性充填室4がアンテナを中心として周方向に連設されている。そして、かかる充填筐体2bが円筒形排気管10に内嵌されている。ここで、この充填筐体2bは、耐熱性を有するステンレス製のものである。本実施形態Bでは、製造工程を容易とするために、充填筐体2bの外周壁20bと8つの隔壁24とを一体的に形成しているが、各壁部は夫々に形成されるものであっても良い。また、全ての単位通気性充填室4の長手方向の両端開口を一括に覆う前面壁21b及び後面壁22bを充填筐体2bに設けているが、夫々の単位通気性充填室4に長手方向の両端開口を覆う前壁部及び後壁部とを設けても良い。かかる場合には、充填筐体2bの前面壁21b及び後面壁22bは、単位通気性充填室4の前壁部及び後壁部が複数連成されることにより形成される。
充填筐体2bの各突湾部26間には、充填筐体2bの外面と排気管10の内面とで空隙を画成して、該空隙を排気管10の下流側と連通する排気路12bとしている。また、充填筐体2bの円筒形内周壁23の内側には、通気孔路35が形成されている。かかる通気孔路35は、円筒形内周壁23の長手方向の前方開口を介して、排気管10の上流側と連通するものである。したがって、充填筐体2bの前面壁21bは、中央に通気孔路35と同形の孔部が形成され、かつ周縁を排気管10の内面と接する円環板状をなしており、排気路12bを前方にて遮蔽すると共に、通気孔路35と排気管10の上流側とを連通させるものとなっている。一方、充填筐体2bの後面壁22bは、略半円形の突湾部26を連成してなる充填筐体2bの筒状外周壁20bの後方開口を覆う花形板状をなしており、8つの単位通気性充填室4の後方開口を一括して覆うと共に、筒状内周壁23内側の通気孔路35が排気管10の下流側と連通しないように該内周壁23の後方開口をも遮断するものとなっている。ここで、充填筐体2bの内周壁23は、内側を通気孔路35とし、8つの単位通気性充填室4の径方向の内側開口を一括して覆う円筒形のものであるが、この内周壁23は、各単位通気性充填室4に各単位通気性充填室4の径方向の内側開口を覆う内壁部を夫々に設けて、かかる内壁部を複数連成してなるものであっても良い。
通気孔路35には、その中心に長手方向に沿って、マイクロ波を放射するアンテナが、充填筐体2bの前面壁21bから後面壁22bにかけて挿通されている。本実施形態Bで用いるアンテナは、実施形態Aと同様のものであり、導波管の管壁に幅1mm、長さ60mmのスリットを20mmピッチで形成したステンレス製の円形放射導波管15である。そして、その終端位置にはマイクロ波を吸収するフェライト体18が設けられている。マイクロ波は、内燃機関(図示省略)の始動と同時に起動するように制御されたマイクロ波発振器13により発生し、一端をマイクロ波発振器13に、他端を円形放射導波管15に接続された円形導波管17を介して、円形放射導波管15まで伝播する。そして、円形放射導波管15のスリット16を介して、各単位通気性充填室4に向けて径方向に放射状に放射されるものである。
また、充填筐体2bの内部に周方向に連設された8つ単位通気性充填室4内には、マイクロ波を吸収して昇温し、かつそれ自身優れた排気ガス浄化能力を有する金属酸化物粒子が充填されている。この金属酸化物粒子として酸化鉄粒子8が用いられ、この酸化鉄粒子8も、実施形態Aと同様のものであり、粒径略1μmの酸化鉄を造粒してなる粒径5〜10mmのものである。酸化鉄粒子8は、マイクロ波によって良好に昇温し、350℃以上で効果的に排気ガスを浄化するものである。
各単位通気性充填室4は、径方向では充填筐体2bの外周壁20bと内周壁23とに、周方向では隔壁24、24とに、さらに長手方向では前面壁21bと後面壁22bとにより夫々区画されてなるものである。内側を通気孔路35とする充填筐体2bの内周壁23には、その全長に亘って、通気孔路35と連通する流入孔30bが無数に形成されており、排気管10の上流側と連通した通気孔路35を介して、内燃機関からの排気ガスが各単位通気性充填室4に流入するようになっている。また、各単位通気性充填室4内の酸化鉄粒子8間を流通した排気ガスが、各単位通気性充填室4から良好に流出するように、充填筐体2bの外周壁20bには、その全長に亘って、充填筐体2bの外面と排気管10の内面とで区画された排気路12bと連通する排気孔31cが無数形成されている。排気ガスは、排気管10の下流側と連通する排気路12bを介して各単位通気性充填室4から排気管10の下流側へ流出するようになっている。ここで、充填筐体2bの内周壁23と外周壁20bとに夫々形成された流入孔30bと排気孔31cとは、実施形態Aと同様のものであり、φ2.0mmの貫通孔がピッチ3.2mm、開口率35.7%で形成されてなるものである。
本実施形態Bにあっては、充填筐体2bの円筒形内周壁23内側の中心位置に長手方向に沿って円形放射導波管15が挿通されており、該円形放射導波管15は各単位通気性充填室4内に充填された酸化鉄粒子8に向けて径方向に放射状にマイクロ波を放射する。円形放射導波管15から放射されたマイクロ波は、各単位通気性充填室4内を径方向に放射状に伝播して、各単位通気性充填室4の全領域の酸化鉄粒子8に良好に吸収される。そして、酸化鉄粒子8に吸収されたマイクロ波は、該酸化鉄粒子8のみを高温化することに利用され、酸化鉄粒子8は従来構成に比べてより早く約600℃〜700℃以上の高温状態まで昇温し、その排気ガス浄化能力を発揮する。内燃機関から排出された排気ガスは、排気管の上流側から筒状内周壁23の前方開口を介して、通気孔路35へと流入する(図5及び図6において矢印で示す。)。そして、充填筐体2bの内周壁23に形成された無数の流入孔30bを介して通気孔路35から各単位通気性充填室4に径方向に均等に流入する。各単位通気性充填室4内に流入した排気ガスは、円形放射導波管15からの距離が最も近く、最も早く高温化して排気ガス浄化能力を発揮する内周壁23近傍の酸化鉄粒子8と接触して、各単位通気性充填室4の全領域を径方向に均等に流通する。ここで、各単位通気性充填室4内の酸化鉄粒子8は、排気ガスとの接触面積の広い粒子状で充填されたおり排気ガスと良好に接触する。そして、排気ガスは、充填筐体2bの外周壁20bに形成された排気孔31cを介して排気路12bへと流出し、後続する排気管10の下流側から大気中へ排気されることとなる。以上より、かかる構成にあっては、内燃機関からの排気ガスは、より早く約600℃〜700℃以上の高温状態まで昇温し、かつ表面積が広く触媒作用に優れた酸化鉄粒子8と各単位通気性充填室4内において良好に接触することとなる。さらに、円形放射導波管15の放射するマイクロ波の方向と、各単位通気性充填室4を流通する排気ガスの方向とが同一となることから、内燃機関から排出される全ての排気ガスが、最も早く高温化して、その有効な排気ガス浄化能力を発揮する、充填筐体2bの内周壁23近傍の酸化物粒子8と接触することとなる。このため、排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質に加えて、除去するために高温状態で完全燃焼させる必要のあるダイオキシン等の有害物質をも、内燃機関の冷間始動直後のより早い時点から効果的に削減することができる。
また、本実施形態Bにあっては、夫々の酸化鉄粒子8が各単位通気性充填室4内に、個々に独立した状態で充填されているため、排気ガスの流通により夫々の酸化鉄粒子8は多少の遊動をなし得る。このため、各酸化鉄粒子8間に形成される排気ガスの流路は常に一定なものとはならず、排気ガスの流路には、排気ガス中に含まれるすす等によって目詰まりが生じない。これにより、かかる排気ガス浄化フィルタ1bはメンテナンスなしに、長期間使用することができる。
さらに、本実施形態Bでは、酸化鉄粒子8が各単位通気性充填室4内に夫々独立した状態で充填されていることから、酸化鉄粒子8はマイクロ波によって個々に昇温することとなる。このため、各単位通気性充填室4のアンテナ近傍とアンテナから離れた領域とにおいて、円形放射導波管15から供給されるマイクロ波量の差異によって昇温の程度が異なり、各単位通気性充填室4の各領域間において温度差が生じたとしても、従来構成の担体のように部分間に熱膨張量の差異が生じたり、熱応力が生じることはなく、充填筐体2bには亀裂や破損が生じる恐れはない。
また、本実施形態Bにあっては、酸化鉄粒子8を充填する充填領域が複数の単位通気性充填室4に分割して形成されているため、充填領域内での酸化鉄粒子8の偏在の程度が低減され、かかる偏在に起因する、排気ガス浄化フィルタ1bの通気性や浄化能力の低下を最小限に抑えることができる。
また、かかる構成にあっては、流入孔30bと排気孔31cとが、長手方向の周壁である外周壁20bと内周壁23とに夫々形成されて、排気ガスの流入領域と流出領域とが広範となっていることから、各単位通気性充填室4を流通する排気ガスの流速は低下して、排気ガスの各単位通気性充填室4内における滞留時間が長くなっている。このため、各単位通気性充填室4内において排気ガスと酸化鉄粒子8とが良好に接触し、排気ガスがより効果的に浄化されることとなっている。また、かかる構成にあっては、円形放射導波管15の挿通する位置が、通気孔路35という空隙であるため、これを容易に行うことができる。
また、本実施形態Bにあっては、充填筐体2bの外周壁20bの各突湾部26間に、充填筐体2bの外面と排気管10の内面とで排気路12bが画成されると共に、外周壁20bの各突湾部26において、充填筐体2bの外面と排気管10の内面との接触部分が生じている。このため、充填筐体2bの外面と排気管10の内面との間に排気路12bが形成された排気ガス浄化フィルタ1bを、かかる接触部分を螺子留め等することで、排気管10に容易に固定することができる。
本実施形態Bにおいては、内燃機関からの排気ガスを良好に単位通気性充填室4に流入させるために、充填筐体2bの内周壁23に加えて、前面壁21bにも流入孔を形成しても良い。ただし、かかる場合には、流入孔を前面壁21bの排気管10の中心付近にのみ形成し、各単位通気性充填室4に流入した排気ガスが、即座に排気路12bへと流出しないようにする必要がある。また、排気ガスを各単位通気性充填室4から良好に流出させるために、花形である充填筐体2bの後面壁22bの花弁部分に当たる外縁部に排気孔を形成するようにしても良い。ここで、後面壁22bの外縁部にのみ排気孔を形成するのは、通気孔路35と連通する流入孔30bから各単位通気性充填室4に流入した排気ガスが、即座に排気管10の下流側へと流出されないようにするためである。充填筐体において、流入孔から排気孔までの距離の短い領域がある場合には、かかる領域に排気ガスが偏って流通しないように考慮する必要がある。
本発明の排気ガス浄化フィルタは、自動車や二輪車等の内燃機関から排出される排気ガスに加えて、工場や処理場等から排出される排気ガスをも効果的に浄化することができるものである。かかる排気ガス浄化フィルタは、充填筐体、アンテナ及び金属酸化物粒子等の構成が上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、金属酸化物粒子に加え、必要に応じて、3元触媒体等の触媒を併用したり、充填筐体の外周壁を円筒状のものとしても良い。また、金属酸化物粒子を、粒径略1μmの酸化鉄を造粒してなる粒径2〜5mmの酸化鉄粒子とすることも好適であるが、この場合には、充填筐体の各壁部に形成される流入孔及び排気孔は、金属酸化物粒子が通気性充填室又は各単位通気性充填室から漏洩しないように、その孔径を考慮しなければならない。また、導波管に替わり同軸ケーブル等も好適に用いることができる。
また、金属酸化物粒子の充填率や平均粒径を変化させることも好適であり、例えば、平均粒径10μmの微細粒子を充填率60%程度で充填しても良い。かかる場合には、通気性充填室内又は単位通気性充填室内において、流通する排気ガスの流勢によって金属酸化物粒子が拡散し、かかる状態で排気ガスと金属酸化物粒子とが接触することとなるので、効果的に排気ガスの浄化がなされ得ることとなる。また、充填する金属酸化物粒子をポーラス状とすることにより、表面積が増え、かつ昇温し易くなるため浄化能力の向上が図られ、また排気ガス浄化フィルタを軽量化することもできる。
排気ガス浄化フィルタ1aの縦断側面図である。 実施形態Aに係り、充填筐体2aの後面壁22aを除去して、円筒形排気管10に充填筐体2aを内嵌した状態を示す後方から視た部分斜視図である。 排気孔31bが形成された外周壁20aの後方終端位置で縦断して示す、排気ガス浄化フィルタ1aの縦断正面図である。 実施形態A及び実施形態Bに係る円形放射導波管15の部分斜視図である。 排気ガス浄化フィルタ1bの縦断側面図である。 排気ガス浄化フィルタ1bの縦断正面図である。
符号の説明
1a、1b 排気ガス浄化フィルタ
2a、2b 充填筐体
3 通気性充填室
4 単位通気性充填室
8 酸化鉄粒子
10 円筒形排気管
12a、12b 排気路
13 マイクロ波発振器
15 円形放射導波管(アンテナ)
16 スリット
17 円形導波管
18 フェライト体
20a、20b 充填筐体の外周壁
21a、21b 充填筐体の前面壁
22a、22b 充填筐体の後面壁
23 充填筐体の内周壁
24 充填筐体の隔壁
25 外周壁の突湾部
26 単位通気性充填室の突湾部(外壁部)
27 装着孔
30a、30b 流入孔
31a、31b、31c 排気孔
35 通気孔路

Claims (1)

  1. 排気管内部に封入され、マイクロ波によって昇温した金属酸化物の触媒作用で、自動車の内燃機関等からの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタにおいて、
    径方向では外壁部と内壁部とにより、周方向では隔壁により、長手方向では前壁部と後壁部とにより夫々区画してなる単位通気性充填室が周方向に複数連設されてなり、排気管に内装される充填筐体を備え、その中心に長手方向に沿って、マイクロ波発振器からのマイクロ波を放射するアンテナが挿通され、各単位通気性充填室内に、マイクロ波により昇温する金属酸化物粒子が充填され、さらに各単位通気性充填室を区画する壁部には、排気管の上流側と連通する流入孔と、金属酸化物粒子間を流通した排気ガスを排気管の下流側へ排出する排気孔とが夫々形成されてなり、さらに
    充填筐体には突湾部を所定角度間隔で連成してなる非円筒形外周壁と、内側をアンテナが挿通される通気孔路とする筒状内周壁と、各突湾部間と内周壁とに径方向へ差し渡された複数の隔壁とが備えられ、円筒形排気管に内嵌された充填筐体の外面と排気管の内面との間に、排気管の下流側と連通する排気路が形成され、さらに各突湾部と隔壁と内周壁とにより区画された単位通気性充填室が周方向に複数連設され、各単位通気性充填室の内周壁には通気孔路から連通する流入孔が、突湾部には排気路と連通する排気孔が夫々形成されていることを特徴とする排気ガス浄化フィルタ。
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