JP4518903B2 - 可変ギャップ電気機及び電気動力車両 - Google Patents

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Description

この発明は、磁束量を調整することができる可変ギャップ電気機及び電気動力車両に関するものである。
従来、車両用発電機の制御装置に関するものとして特許文献1がある。この発明では、ラジアルギャップモータにおいて、ステータとロータの間のギャップを調整する軸方向変位機構を備えている。この軸方向変位機構は、ソレノイドを備え、このソレノイドが励磁されると、ロータないしステータを軸方向に変位させてギャップを調整することで発電特性を変えている。
しかし、特許文献1では、ソレノイドによってロータを変位させているため精密な制御ができない。このため、駆動力や車両速度によって精密な制御を必要とする電動車両のモータに応用することは難しい。また、特許文献1の実施例として、ステータをモータと螺子によって動かす例が示されているが、この構成では回転しているロータを動かすことはできない。
よって、車両用発電機としては、特許文献1で用いたラジアルギャップモータに対して、より安価で、薄くすることができ、且つ、ギャップ調整の点で、ラジアルギャップモータより発電特性の変化が顕著なアキシャルギャップモータを用いることが望ましい。
そのアキシャルギャップモータにおいて、ステータのティースとロータのマグネットの間隙(ギャップ)を調整する技術としては、例えば、特許文献2に開示の技術が知られている。
図15は、特許文献2に開示のギャップ調整可能な従来のモータを示す要部断面図である。
この図15に示すモータ1では、回転ドラム2を内蔵するドラム固定部3上面の中央部に開口部4が形成され、この開口部4の周囲にコイルを有するモータ固定子5が配置されている。
このモータ固定子5に対向して、マグネット6が配置され、このマグネット6は、ドラム固定部3上方に配置されたモータ回転子7に設けられている。
このモータ回転子7は、ドラム固定部3の開口部4に配置された締結及び調整部材8を介して、回転ドラム2に接続されている。
締結及び調整部材8は、先端部9に雄ねじ部が形成されたネジ状のものであり、上方からモータ回転子7に挿入され、頭部10が、モータ回転子7の上面に係止されている。また、軸部11はモータ回転子7および圧縮コイルバネ12に挿通されて、先端部9が回転ドラム2上面の雌ねじ溝に螺合されている。圧縮コイルバネ12は、モータ回転子7と回転ドラム2との間に配置され、回転ドラム2上面と、モータ回転子7とを離間させる方向に付勢している。
この構成により、締結及び調整部材8の頭部10に対する操作により締結及び調節部材8を緩める方向に回動させることにより、圧縮コイルバネ12の復元力にてモータ回転子7と回転ドラム2が相対的に遠ざかるり、モータ回転子7のマグネット6とモータ固定子5との間隙Gが大きくなる。また、締結及び調節部材8を締める方向に回動させることにより、ブッシュ13と回転ドラム2が相対的に近くなり、よって間隙Gが小さくなる。
特開平9−37598号公報 特許第2749560号公報
しかしながら、このような従来のものにあっては、ギャップを可変することにより磁束量を変えることができるが、ギャップ変化量に対して磁束の変化量が少なく、ギャップ調整量を多く取らないと磁束を制御できない。従って、ギャップ変動量が大きく、装置全体が大型になってしまうと共に、磁束量を変化させるために必要なギャップ動作幅が大きく、作動時間が掛かってしまう。しかも、高速化を考えると動作に要する電力が必要となり、システム全体の効率が下がる。
そこで、この発明は、作動電力が小さく、作動時間が短く、磁束の変化量を大きくできると共に、装置の小型化を図ることができる可変ギャップ電気機及び電気動力車両を提供することを課題としている。
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転軸と、該回転軸に接続されたロータと、該ロータに対向して配置されたステータと、前記ロータの近傍に配置された磁性部材とを有し、前記ロータは前記回転軸の軸方向に移動可能に構成されて、前記ロータと前記磁性部材とでバイパス磁路が形成され、前記ロータを一方向に移動させることにより、前記ロータと前記ステータとの間隔が広くなると、前記ロータと前記磁性部材との間隔が狭くなり、前記ロータを他方向に移動させることにより、前記ロータと前記ステータとの間隔が狭くなると、前記ロータと前記磁性部材との間隔が広くなるように構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成に加え、前記磁性部材は略環状を呈し、略円形を呈する前記ステータの外側に配置されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記磁性部材は略環状を呈し、略円形を呈する前記ステータの外側に配置されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一つに記載の構成に加え、前記磁性部材は鉄製の板材から断面が略L字状に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一つに記載の可変ギャップ電気機を、車輪を駆動する電動モータとして装備した電気動力車両としたことを特徴とする。
上記請求項1に記載の発明によれば、ロータの近傍に磁性部材を設け、ロータと磁性部材とでバイパス磁路を形成し、ロータと磁性部材との間隔を可変可能に構成することにより、正規磁路の有効鎖交磁束を大きく変化させることができるため、作動電力が小さく、作動時間が短く、磁束の変化量を大きくでき、装置の小型化を図ることができると共に、より大きなトルクを得ることができ、又、回転速度を速くすることができる。
請求項に記載の発明によれば、ロータが移動可能に配設され、ロータを移動させることにより、ロータとステータとの間隔、ロータと磁性部材との間隔を可変可能としたため、ロータを移動させる簡単な構成で、両方の間隔を可変できる。
請求項に記載の発明によれば、磁性部材は環状を呈する形状とすることにより、重量をそれ程増加させることなく、容易に成形できる。
請求項に記載の発明によれば、磁性部材は鉄製の板材から断面が略L字状に形成されているため、プレス等により安価に成形できる。
請求項に記載の発明は、磁性部材は渦電流を断絶するように分断されているため、高速回転時の損失を低減することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の何れか一つに記載の可変ギャップ電気機を、車輪を駆動する電動モータとして装備した電気動力車両としたため、上述のような効果を有する電気動力車両を提供できる。
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図11は、この発明の実施の形態1に係る図である。この実施の形態1は、「電気動力車両」としての電動二輪車に可変ギャップ電気機を搭載したものである。
まず構成を説明すると、図1に示す電動二輪車100は、その車体前方上部にヘッドパイプ102を備え、このヘッドパイプ102内には不図示のステアリング軸が回動自在に挿通されている。このステアリング軸の上端には、ハンドル103が取り付けられ、下端には、左右一対のフロントフォーク104の上部が接続されている。これらフロントフォーク104の下端には、前輪105が前車軸106によって回動自在に軸支されている。
また、ヘッドパイプ102には、車体後方に向かって延びる左右一対の車体フレーム107が接合されている。この車体フレーム107は、丸パイプ状で、ヘッドパイプ102から車体後方に向かって斜め下方に延びた後、後方に向かって円弧状に曲げられて車体後方に略水平に延長されている。この略水平な部分が、ステップフロア107aとなっている。
また、各車体フレーム107の後端部には、斜め上方に向けて左右一対のシートピラー108が設けられ、上端部でシート109を支持している。これら左右一対のシートピラー108間には、バッテリ110が配置されている。さらに、車体フレーム107の後端部には、左右一対のリヤアームブラケット111(一方のみ図示)がそれぞれ溶着されている。
これらリヤアームブラケット111には、スウィングアームユニット120の前端がピボット軸112にて上下揺動自在に支持され、このスウィングアームユニット120は、後端部に、駆動輪である後輪113が回転自在に軸支され、リヤクッション114を介してシートピラー108に懸架されている。
このスウィングアームユニット120は、前端がピボット軸112に軸支され、後方に延びるリアアーム部121と、このリアアーム部121の後端に設けられ、後輪113を側方で支持する略円形の円形部122とを有している。
この円形部122には、車幅方向に扁平な薄型の電動モータである可変ギャップ電気機200が収容されている。
この可変ギャップ電気機200は、この実施の形態では、図1のA−A線に沿う断面図である図2及び分解斜視図である図3等に示すように構成されている。
すなわち、リアアーム部121の後端部にカバー124が設けられて、可変ギャップ電気機200を収容するハウジング123が形成されている。
このハウジング123は、スウィングアームユニット120の後端部、つまり、リアアーム部121の後端部及び円形部122を形成する。このリヤアーム部121には軸受125が設けられ、カバー124には各軸受126が設けられ、これら軸受125,126により、後輪113を回転させる車軸(出力軸)210とロータ軸221とからなる回転軸230がそれぞれ回転可能に軸支されている。そして、その車軸210に、後輪113のホイル113aがスプライン結合され、外側からナット113bが螺合されることにより、車軸210に対してホイル113aが一体的に固定されている。
これにより、ホイル113aは、車軸210と共に、カバー124に対して回転可能に支持されている。また、このホイル113aの外周部には、タイヤ113cが取り付けられている。
一方、可変ギャップ電気機200は、図3に示すように、ステータ240とロータ220とで主に構成されており、そのステータ240は、ハウジング123に収納されてボルトなどで固定されている。
そのステータ240は、円板状(略リング状)を呈したステータヨーク241とコイル242等を有している。
そのステータヨーク241には、車軸210周りに略円形に施された複数の嵌合孔に、それぞれ複数のティース243が挿入固定され、これら各ティース243の各々にボビン(インシュレータ)244を介してコイル242が巻回されている。これらコイル242とティース243とステータヨーク241は、樹脂等でモールドされている。
また、ロータ220は、ロータ軸221と一体となって回転するように取り付けられている。このロータ軸221は、一方の端部(図2中下方部位)が、ハウジング123に固定された軸受125により回転自在に、且つ、軸方向には不動状態に軸支され、又、ロータ軸221の他方の端部(図2中上方部位)が、軸受208を介して車軸210の下部に、回転自在で、且つ、軸方向に不動状態で支持されている。
そのロータ軸221の駆動力が減速機250を介して車軸210に伝達されるように、ロータ軸221が、この減速機250を介して、車軸210に接続されている。
この減速機250は、カバー124に収納されるとともに、ロータ軸221の車軸側端部の周囲を覆う筐体250a内側に設けたリングギア250b、ロータ軸221の外周部に形成されたサンギア221a、遊星ギア250c、支持板250dを有している。
その遊星ギア250cは、サンギア221aとリングギア250bとの間に配置され、それぞれに噛み合って自転および公転する。
また、支持板250dは、遊星ギア250cを支持し、車軸210の下部に一体的に形成されている。なお、遊星ギア250cの公転の中心とロータ軸221の回転中心とは同軸上に存在する。
一方、ロータ220は、円盤状のヨーク222を備えており、このヨーク222は、パンチ加工でリング状にした金属板を2段階絞り加工することにより形成されている。
さらにまた、ヨーク222の片方の面の外周部には、マグネット223がステータ240に対向する位置に固定されており、このマグネット223は、ヨーク222の片方の面に交互に異なる極性が形成されるように着磁されている。
また、このマグネット223は、ロータ軸221の軸方向(以下、単に軸方向という)において、ステータ240との間に間隙(ギャップ)Gを有している。
さらに、このヨーク222の中心部分には、開口が形成され、この開口には、ブラケット226の上部がボルトにより固定され、このブラケット226には、下部の内周側に、軸方向に伸びた溝(スリット)226aが形成され、このスリット226aが、ロータ軸221の外周部に形成された突出部221bにスプライン結合され、ブラケット226がロータ軸221に対して軸方向に移動可能に接続されている。
従って、ブラケット226に接続されたヨーク222は、ロータ軸221とともに回転可能で、且つ、ロータ軸221に対して軸方向に摺動可能になっている。
そして、このブラケット226の後輪113と逆側の部分に、軸受227を介して可動部材(スライダ)260が回転自在に配設されている。
この可動部材260は、図3において、ブラケット226の下端部が軸受227を介して接続される接続部261と、この接続部261から下方に延びる本体部262とを有する。
この接続部261は、本体部262の上端縁から径方向に伸延されたフランジ部と、このフランジ部の外周から上方に立ち上げられた周壁部とを有しており、この周壁部内に軸受227及びブラケット226の下部が配設されると共に、このブラケット226の下部に、ロータ軸221が挿通されている。
また、本体部262は、ハウジング123に固定された回止め部材127に挿通され、この回止め部材127により、本体部262の回転が阻止され、軸方向にのみ移動可能となっている。
この回止め部材127には、可動部材260が挿通される挿通孔128が形成される一方、前記可動部材260の本体部262の外周には、その挿通孔128内に嵌合し、この挿通孔128の内面に沿って軸方向にのみ摺動する摺動部262aが設けられている。
また、その摺動部262aは断面円筒状をなし、その一部の外周部を切り欠くことで平面部が形成され、これに外嵌する挿通孔128の内周面は、一部に摺動部262aの平面に当接する平面が形成されている。これら平面同士が当接することにより、回止め部材127と可動部材260の摺動部262aは相対的な回転を抑止している。
図4は、可動部材260と回止め部材127との関係を示す断面図である。可動部材260の摺動部262aと回止め部材127の係合部の軸方向断面形状は、例えば、図4(a)に示すように、円形状の少なくとも一箇所を直線としたものでもよいし、図4(b)に示すように、多角形でもよい。
さらに、摺動部262aと回止め部材127の形状が略相似形である必要はなく相互に噛み合い相対的に回転しなければよい。
また、本体部262の基端部(図2上では下端部)、つまり、可動部材260の下端部の外周には、雄ねじ部262bが形成され、この雄ねじ部262bが、回転部材270の雌ねじ部271aに螺合されている。
この回転部材270は、ロータ軸221が挿通されると共に、可動部材260の基端部が挿入される筒状の円筒部271と、この円筒部271の外周の中央から放射方向に張り出して設けられたウォームホイル部272とを有している。
この円筒部271内には、上述のように、可動部材260の本体部262が挿入され、この円筒部271の内周面には、雌ねじ部271aが形成され、この雌ねじ部271aは、本体部262の下端部の外周の雄ねじ部262bが螺合されている。
なお、雄ねじ部262b及び雌ねじ部271aによる可動部材260と回転部材270との接続は、雄ねじ部262b及び雌ねじ部271aに代えて、螺旋状の凹凸部として、これら凹凸部同士を係合することで構成してもよい。
また、円筒部271及び本体部262の下端部の一方に螺旋状の長孔を設け他方には長孔に係合するピンを配置してもよい。
つまり、これら本体部262及び円筒部271との接続構造、ここでは、回止め部材127により回転が防止された雄ねじ部262bと雌ねじ部271aとの螺合構造により、回転部材270の回転を、可動部材260の軸方向の移動に変換する。
また、円筒部271は、その上下において、ハウジング123及び回止め部材127に嵌合された各軸受273に回転可能に軸支されていると共に、この円筒部271は、ロータ軸221上で、ロータ軸221の一方の端部が挿入される軸受125に隣接配置されている。
さらに、ウォームホイル部272は、軸受125の図2中上側近傍に配置され、このウォームホイル部272の外周のギアに、回転軸230に対して直交配置された調整用モータ280のウォーム281が歯合されている。
この調整用モータ280は、ロータ220とステータ240の回転軸方向の相対位置(ギャップG)を調整するモータであり、例えば、ACモータやステッピングモータ等により構成される。
この調整用モータ280は、ハウジング123内にボルト等により固定され、出力軸282がリアアーム部121の長手方向と略平行に配置して設けられている。つまり、調整用モータ280の軸方向は、スウィングアームユニット120の長手方向に向いており、調整用モータ280の出力軸282は、車体の前後方向を向いている。
その調整用モータ280の出力軸282の端部は、図2に示すように、含油軸受284でハウジング123に軸支されており、この出力軸282の外周部にウォーム281が形成されている。その調整用モータ280は、図示しない制御装置に電気的に接続され、その制御装置により駆動が制御されるように構成されている。
一方、その可動するロータ220の近傍には、鉄製の板材から円環状に形成された磁性部材290が配設されている。この磁性部材290は、略円筒形に形成された円筒部290aと、この円筒部290aと連続するリング形状のリング状部290bとから構成され、断面が略L字形状を呈している。そして、このリング状部290bは、カバー124に固定されてマグネット223と略平行に配設されていると共に、円筒部290aがロータ220の外周縁の周囲を囲むように配置されている。
これで、図11に示す概略図のように、マグネット223と磁性部材290とでバイパス磁路Bが形成され、このバイパス磁路Bは、ステータ240とロータ220とで形成される正規磁路Aに隣接して形成されている。なお、図11中(イ)は磁束が紙面の垂直下方に向けて流れ、(ロ)は磁束が紙面の垂直上方に向けて流れることを表している。
そして、上記のようにロータ220を移動させることにより、このロータ220とステータ240との間隔、又、ロータ220と磁性部材290との間隔を可変可能としている。
次に、このように構成されたスウィングアームユニット120における可変ギャップ電気機200の作用について説明する。
図示しない制御装置により、調整用モータ280が駆動されることにより、出力軸282、つまりウォーム281が回転すると、ウォーム281とウォームホイル部272の外周のギアとの噛み合いにより回転部材270がロータ軸221回りに回転する。
この回転により円筒部271が回転する一方、可動部材260は、回止め部材127により自転が阻止されているため、円筒部271に下端部で螺合されている可動部材260は、後輪113方向(図2では図面上方向)に移動する。このように、調整用モータ280の駆動力が、可動部材260の軸方向の変位に変換される。
この可動部材260の後輪113側への移動により、可動部材260の接続部261は、ブラケット226を介してヨーク222をステータ240から離間する方向(図2では図面上方向)に押圧する。これにより、ヨーク222は、ステータ240から離間する方向に移動する。
従って、ヨーク222のマグネット223と、ステータ240との間の間隔(ギャップG)は広くなる。このとき、可動部材260とヨーク222とは軸受227を介して接続されているため、ヨーク222を回転させた状態で、移動させることができる。
つまり、車軸(駆動軸)210を回転させた状態で、調整用モータ280によりギャップGを調節して、車軸210の回転トルク、回転数を調節することができる。
ギャップGが広がる方向にヨーク222を移動させると、マグネット223は、ステータ240から離間すると同時に、磁性部材290に接近する。これにより、図11に示すように、マグネット223と磁性部材290とで形成されるバイパス磁路Bに磁束が流れ込み、正規磁路A側の電気機200としての有効鎖交磁束が急峻に減少する。してみれば、ギャップGを大きくすると、正規磁路Aの鎖交磁束を大幅に減少させることができる。これに対して、図12に示すように、磁性部材290が配設されていないものにおいては、ギャップGを広げたとしても、正規磁路Aの磁束は急峻には減少しないものである。
一方、逆に図示しない制御装置により、調整用モータ280が前記回転の方向とは逆方向に回転させられると、回転部材270の回転により可動部材260は、図2中下方向に移動する。
そして、可動部材260の動作に伴いヨーク222は、ステータ240に近づく方向(図2では図面下方向)に移動する。この動作により、ヨーク222のマグネット223と、ステータ240との間のギャップGは狭くなる。
このときも、可動部材260とヨーク222は軸受227を介して接続されているため、ヨーク222を回転させたまま移動させることができる。
ギャップGが狭まる方向にヨーク222を移動させると、マグネット223は、ステータ240に接近すると同時に、磁性部材290から離間する。これにより、ギャップGを狭めて行くと、バイパス磁路Bに対して、正規磁路Aの磁気抵抗が小となるため、ギャップGが小さいときには、バイパス磁路Bが設けられていないのと等しくなり、大きな有効鎖交磁束が得られる。
このように、本実施の形態の電動二輪車100によれば、駆動中でも常に変化する走行状態に合わせ、所望のトルクと回転数を得るのに最適な吸引力と反発力が発生するように、ロータ220とステータ240の相対位置(ギャップG)を制御できる。
具体的には、発進のために必要な大きなトルクを必要とする場合、調整用モータ280を駆動制御することにより、ロータ220とステータ240との間のギャップGを小さくする。ギャップGが小さくなることから、ロータ220とステータ240間においては大きな吸引力・反発力が発生する。
また、高速運転のために、高い回転軸230の回転速度を必要とする場合、調整用モータ280を駆動制御することにより、ロータ220とステータ240との間のギャップGを大きくする。ギャップGが大きくなることから、ロータ220とステータ240間においては小さな吸引力・反発力が発生することとなり、それに反比例する回転速度を高くすることができる。
しかも、磁性部材290を設けることにより、ギャップGが小さい時と大きい時とで、正規磁路Aの有効鎖交磁束を大きく変化させることができるため、ギャップG代を従来より小さくすることができる。従って、ロータ220を移動させる作動電力が小さく、作動時間が短く、又、可変ギャップ電気機200の小型化を図ることができると共に、より大きなトルクを得ることができ、又、回転速度を速くすることができる。
また、バイパス磁路Bにおいて渦電流路を形成し、その損失でブレーキ力を発生させることで、回生電流を多く流さずに発電ブレーキを実現できる。すなわち、ギャップGを変えることで、エンジンブレーキ効果が得られ、且つ、その時のエネルギーをバッテリ110へ回生することが無いため、電流過充電防止、電気機駆動用の電子素子への渦電流防止が可能で、電動二輪車100に好適である。
また、本実施の形態では、ロータ220を動かすことにより、ロータ220及びステータ240間のギャップGを調整する。このため、調整用モータ280は、鉄芯と銅線からなる重いステータ240を動かすより、小さなものを用いることができる。
さらに、電動二輪車100に設けられた可変ギャップ電気機200には大きな振動や衝撃荷重がかかるため、重いステータ240は大きな荷重に耐える必要がある。
そして、可変ギャップ電気機200を駆動源として用いることにより、電動二輪車100の駆動特性を自由に調整が可能となる。
[発明の実施の形態2]
図13には、この発明の実施の形態2を示す。
この発明の実施の形態2は、磁性部材290の構成が実施の形態1と異なっている。すなわち、この磁性部材290は筒形状を呈し、カバー124に固定されている。このようにすれば、極めて単純な構造の磁性部材290で、バイパス磁路Bを形成することができる。
他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
[発明の実施の形態3]
図14には、この発明の実施の形態3を示す。
この発明の実施の形態3は、磁性部材290の構成が実施の形態1と異なっている。すなわち、この磁性部材290は、複数枚の薄い鋼板290cが重ね合わされて形成されることにより、渦電流を断絶するように分断されている。このようにすれば、バイパス磁路Bに渦電流が流れ難いため、高速回転時における損失を低減することができる。
他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
なお、上記各実施の形態では、ロータ220を動かすようにしているが、これに限らず、ロータ220が固定で、磁性部材290を動かすことができ、又、ロータ220及び磁性部材290の両方を動かすこともできる。
また、磁性部材290は、上記各実施の形態では、鉄製であるが、これに限らず、磁気抵抗の低い物であれば、他の材料の物でも良く、複数の材質のものを組み合わせてもよい。例えば、銅を用いても良いし、環状の鉄板に、所定間隔で銅を設けることもできる。
さらに、磁性部材290の配設位置は、上記各実施の形態のものに限らず、ステータ240とロータ220との間に挿脱自在に配設して、正規磁路A又はバイパス磁路Bの磁束を変化させることもできる。
さらにまた、各実施の形態では、可変ギャップ電気機200を駆動用モータとして説明したが、これに限らず、可変ギャップ電気機200は、発電機として用いることもできるし、電動車両における回生ブレーキのように、モータと発電機の双方に使われるものとしてもよい。
従来、エンジンの発電機は、エンジンが高速回転となった場合、発電量が大きくなり過ぎるため、そのままバッテリの充電に充当すると、荷重電になって荷重伝に熱に変換して廃棄するようにしている。これに対して、この発明のように、高速回転となったときには、ギャップGを広げ、且つ、磁性部材290を設けてバイパス磁路Bを形成するようにすれば、発電量が小さくなるため、熱に変換して廃棄する必要がない。
また、各実施の形態では、ロータ220側にマグネット223を配置した構成としたが、これに限らず、ステータ240側にマグネットを配置し、ロータ220側にコイルを配置した構成としてもよい。
さらに、実施の形態3では、渦電流を断絶するため、複数枚の薄い鋼板290cが重ね合わされることで磁性部材290が分断されているが、これに限らず、環状の磁性部材290の放射方向にスリットを一定間隔で設ける等、他の形態でも良いことは勿論である。
この発明の実施の形態1に係る可変ギャップ電気機を適用した一例としての電動二輪車の側面図である。 同実施の形態1に係る図1の電動二輪車における可変ギャップ電気機の要部を示す図1のA−A線に沿う部分断面図である。 同実施の形態1に係る電動二輪車の可変ギャップ電気機の要部を示す分解斜視図である。 同実施の形態1に係る可動部材と回止め部材との関係を示す断面図である。 同実施の形態1に係る磁性部材を示す斜視図である。 同実施の形態1に係るステータとロータとを示す斜視図である。 同実施の形態1に係るステータとロータとを示す平面図である。 同実施の形態1に係るステータとロータとを示す正面図である。 同実施の形態1に係る図7のB−B線に沿う概略断面図で、ステータとロータとの間のギャップが小さい場合の図である。 同実施の形態1に係る図7のB−B線に沿う概略断面図で、ステータとロータとの間のギャップが大きい場合の図である。 同実施の形態1に係る図7のC−C線に沿う概略断面図で、ステータとロータとの間のギャップが大きい場合の図である。 磁性部材が設けられていない場合の、図11に相当する概略断面図である。 この発明の実施の形態2に係る図11に相当する概略断面図である。 この発明の実施の形態3に係る図11に相当する概略断面図である。 従来例を示す、ギャップ調整可能なモータの要部断面図である。
符号の説明
100 電動二輪車(電気動力車両)
112 ピボット軸
113 後輪(駆動輪)
120 スウィングアームユニット
121 リアアーム部
123 ハウジング
127 回止め部材
200 可変ギャップ電気機
210 車軸
220 ロータ
221 ロータ軸
230 回転軸
240 ステータ
260 可動部材
261 接続部
262 本体部
262a 摺動部
262b 雄ねじ部
270 回転部材
271 円筒部
271a 雌ねじ部
272 ウォームホイル部
280 調整用モータ
281 ウォーム
282 出力軸
290 磁性部材
290a 円筒部
290b リング状部
290c 鋼板
A 正規磁路
B バイパス磁路

Claims (5)

  1. 回転軸と、該回転軸に接続されたロータと、該ロータに対向して配置されたステータと、前記ロータの近傍に配置された磁性部材とを有し、
    前記ロータは前記回転軸の軸方向に移動可能に構成されて、
    前記ロータと前記磁性部材とでバイパス磁路が形成され
    前記ロータを一方向に移動させることにより、前記ロータと前記ステータとの間隔が広くなると、前記ロータと前記磁性部材との間隔が狭くなり、
    前記ロータを他方向に移動させることにより、前記ロータと前記ステータとの間隔が狭くなると、前記ロータと前記磁性部材との間隔が広くなるように構成されたことを特徴とする可変ギャップ電気機。
  2. 前記磁性部材は略環状を呈し、略円形を呈する前記ステータの外側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の可変ギャップ電気機。
  3. 前記磁性部材は鉄製の板材から断面が略L字状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2の何れか一つに記載の可変ギャップ電気機。
  4. 前記磁性部材は渦電流を断絶するように分断されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の可変ギャップ電気機。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の可変ギャップ電気機を、車輪を駆動する電動モータとして装備したことを特徴とする電気動力車両。
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