JP4517638B2 - 固体撮像装置、画像入力装置、および、固体撮像装置のノイズ除去方法 - Google Patents
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Description
また、画素には読み出し用のトランジスタが存在するが、そのしきい値は製造プロセスの条件やトランジスタの位置によってばらつく。したがって、近いトランジスタではしきい値差は小さいが水平方向(行方向)に離れた位置では、そのしきい値差も大きくなる。そのため、水平方向のしきい値差が固定パターンノイズを決める要素の一つとなる。しかし、特許文献1のようにダミーラインを設け、そこから信号を読み出すだけでは、画素の読み出しトランジスタのしきい値差を、固定パターンノイズの測定信号に反映させることができない。
その後、複数の画素列から出力された測定信号から、固定パターンノイズ成分のレベルが垂直信号線ごとに検出され、この固定パターンノイズ成分のレベルを、撮像時に入力光に応じて画素部より出力される有効画素信号から差し引く。その結果、有効画素信号から固定パターンノイズが除去される。
また、測定信号の全ノイズ成分に対するランダムノイズを有効に低減でき、その分、固定パターンノイズ成分レベルの検出精度を向上させることができる。
実施の形態にかかるCMOSイメージセンサに関し、図1に全体の構成図を示し、図2に画素部の回路図を示す。
図1に示すCMOSイメージセンサ1は、画素がマトリクス状に配置された画素部2、カラム処理回路3、垂直駆動回路4、水平駆動回路5、タイミング制御回路6および信号処理回路7を有している。
図示を省略しているが、カラム処理回路3内にCDS(Correlated Double Sampling)回路、電流源となるトランジスタ、水平駆動回路5により点順次で駆動されるサンプリング回路などを備えている。
また、転送トランジスタ213のゲートに、同一行内の画素に共通な転送制御線27が接続されている。これらの電源電圧供給線24およびリセット電圧供給線26、ならびに、リセット制御線25および転送制御線27のそれぞれに各種信号または電圧を供給する垂直駆動回路4が接続されている。
なお、電圧供給線28は有効画素部21のリセット電圧供給線26と同じパターンを有し同一の条件で一括して形成される配線層であるが、その供給電圧はリセット電圧と同じであってもよいし、任意に変更した電圧であってもよい。また、制御線29は有効画素部21のリセット制御線25と同じパターンを有し同一の条件で一括して形成される配線層であるが、その供給電圧はリセット制御電圧と同じであってもよいし、任意に変更した電圧であってもよい。
また、図2では非有効画素部22が有効画素部21の垂直方向の一方のみに配置されているが、非有効画素部22を有効画素部21の垂直方向の両側に配置することもできる。
非有効画素部22は、固定パターンノイズのレベルを測定する際に用いる。その測定方法は後述する。
このCMOSイメージセンサは、非有効画素部22のみアクセスすることによって、所定数のフレーム分の測定信号を出力させるノイズ測定信号の読み出しモードを備える。このノイズ測定信号の読み出しモードは、通常の画素信号の出力モードに先立って実行される。その測定信号の読み出しは1フレームで行ってもよいが、より測定精度を上げるには数フレームで行うことが望ましい。
この測定信号の読み出し動作を非有効画素部22の画素行(ライン)ごとに順次行う。
上述したランダムノイズ抑圧部743で、測定信号に一様に重畳したランダムノイズ成分を全ノイズ成分の1/M倍以下に抑圧するとしたときに、当該非有効画素部22のライン数がMの2乗以上に設定されている。経験則によれば、ランダムノイズ成分が全ノイズ成分の1/4以下になればランダムノイズは表示画面上で認識できないレベルに抑圧できる。以下、1/4以下にランダムノイズ成分を抑圧する場合について説明する。
=(1/n2){σx 2(x1)+σx 2(x2)+…+σx 2(xn)}
=(1/n2){σ1 2+σ2 2+…+σn 2}
=(1/n2)・nσ2
=σ2/n
このライン数nは、固定パターンノイズ成分の検出を複数のフレームで行う場合、16未満でもランダムノイズを1/4以下にすることは可能である。つまり、たとえば4フレームで行う場合は1フレームあたり4ライン以上であれば、全体で16ライン分の測定信号が得られ、その結果、ランダムノイズを1/4以下にすることができる。ただし、このCMOSイメージセンサを用いたカメラのゲインが調整されたとき、たとえばフラッシュをたいたときなどに、複数フレームを取り込んでいる時間がないことから1フレーム分で固定パターンノイズを抽出する必要がある。そのような場合にも有効にランダムノイズを抑圧したデータから固定パターンノイズ成分の検出を行うためには、1フレームごとに16ライン以上の非有効画素220を備えていることが望ましい。
つぎに、固定パターンノイズが抑圧された測定信号から固定パターンノイズ成分のレベルが検出される。この検出は、レベル検出部742がメモリから測定信号を読み出して実行する。レベル検出の仕方は任意であるが、最も簡単な方法では、測定信号を垂直信号線ごとに平均化することにより実行できる。なお、平均化の場合は、ランダムノイズと処理の内容が同じであり、レベル検出部742とランダムノイズ抑圧部743は共通化され、垂直信号線ごとに16以上の非有効画素に対応した測定信号で非有効画素データが平均化を1度だけ行い、その平均された非有効画素データがランダムのノイズが抑圧された固定パターンノイズ成分のレベルとなる。
検出された固定パターンノイズ成分のレベルは、メモリに格納されて保持される。
垂直駆動回路4が有効画素部21をアクセスし、有効画素ラインごとに全ての垂直信号線に画素信号が読み出され、カラム処理後に信号処理回路7でアナログ信号処理、AD変換がされた有効画素信号が、減算部75の「+」入力端子に順次供給される。このとき、この画素信号の供給に同期して、対応した垂直信号線の固定パターンノイズ成分のレベル信号がメモリ741から読み出されて減算部75の「−」入力端子に順次供給される。そのため、減算部75から出力される有効画素信号において垂直信号線ごとの固定パターンノイズが除去または抑圧される。この減算処理後の有効画素信号は図示を省略したディジタル信号処理に送られ、所定のディジタル信号処理が施された後、ディスプレイにおける画像表示に供せられる。
また、非有効画素220は、有効画素211の読み出しトランジスタと同じサイズとパターンを有し、同一の条件で一括して形成された第1のトランジスタ221を有し、その第1のトランジスタ221を介して測定信号を垂直信号線23に読み出すことから、読み出しトランジスタのライン内のばらつきが測定信号に反映され、その分、固定パターンノイズの検出精度が高い。
また、電圧供給線28および制御線29を垂直駆動回路4が制御することにより、非有効画素220から出力される測定信号のレベルを任意に調整でき、高精度な、あるいは、実際の有効画素部からの画素信号に適合した固定パターンノイズ成分のレベル検出が可能である。
さらに、非有効画素部22のライン数が、ランダムノイズを有効に抑圧できる数に設定されていることから固定パターンノイズ成分の検出レベルからランダムノイズの影響を排除して高精度な固定パターンノイズの除去が可能である。
以上に加えて、固定パターンノイズ成分を複数フレームから検出することもでき、その場合に、より高精度な固定パターンノイズの除去が可能である。
Claims (9)
- 入力光に応じた画素電荷を生成するダイオードと、画素電荷を受けたノードの電位に応じた信号を出力する第1トランジスタと、前記ノードの電位をリセットする第2トランジスタとを有する有効画素が行単位で複数行、配置されている有効画素部と、
前記第1および第2トランジスタを有し、ダイオードが省略された非有効画素が少なくとも1行、配置されている非有効画素部と、
前記有効画素部および前記非有効画素部の画素列ごとに配線され、前記信号を外部に送る複数の垂直信号線と、
前記非有効画素部にアクセスして数フレーム分の測定信号を出力させるノイズ測定信号の読み出しモードで、前記非有効画素において第2トランジスタがオンしたときに前記ノードの電荷量が、前記有効画素部の各画素で生成される信号電荷の平均電荷量となるように第2トランジスタのバイアスを制御し、当該制御に応答して各垂直信号線に出現する各信号を、信号経路の電気的特性のばらつきに起因した固定パターンノイズ成分の測定信号として出力し、その後の画素信号の出力モードで、前記有効画素部にアクセスして、前記入力光に応じて生成された信号を各垂直信号線に出力させる垂直駆動回路と、
を有する固体撮像装置。 - 複数行の非有効画素の前記測定信号から、前記固定パターンノイズ成分のレベルを垂直信号線ごとに検出するレベル検出部と、
固定パターンノイズ成分のレベルを記憶する記憶部と、
撮像時に入力光に応じて前記有効画素部から有効画素信号が出力されたときに、当該有効画素信号から記憶部に記憶された固定パターンノイズ成分のレベルを差し引く減算部と
をさらに有する請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記レベル検出部は、複数フレーム分の非有効画素の測定信号から、前記パターンノイズ成分のレベルを垂直信号線ごとに検出する
請求項2に記載の固体撮像装置。 - 前記非有効画素の行のみアクセスすることによって、所定数のフレーム分の測定信号を出力させるノイズ測定信号の読み出しモードを備える
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 各垂直信号線から順次出力される測定信号を垂直信号線ごとに平均化することにより、測定信号に一様に重畳したランダムノイズ成分を全ノイズ成分の1/M(Mは2以上の自然数)である倍以下に抑圧するランダムノイズ抑圧部をさらに有し、
前記非有効画素部内における非有効画素の行数がMの2乗以上に設定されている
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 固体撮像装置を有し、
前記固体撮像装置が、
入力光に応じた画素電荷を生成するダイオードと、画素電荷を受けたノードの電位に応じた信号を出力する第1トランジスタと、前記ノードの電位をリセットする第2トランジスタとを有する有効画素が行単位で複数行、配置されている有効画素部と、
前記第1および第2トランジスタを有し、ダイオードが省略された非有効画素が少なくとも1行、配置されている非有効画素部と、
前記有効画素部および前記非有効画素部の画素列ごとに配線され、前記信号を外部に送る複数の垂直信号線と、
前記非有効画素部にアクセスして数フレーム分の測定信号を出力させるノイズ測定信号の読み出しモードで、前記非有効画素において第2トランジスタがオンしたときに前記ノードの電荷量が、前記有効画素部の各画素で生成される信号電荷の平均電荷量となるように第2トランジスタのバイアスを制御し、当該制御に応答して各垂直信号線に出現する各信号を、信号経路の電気的特性のばらつきに起因した固定パターンノイズ成分の測定信号として出力し、その後の画素信号の出力モードで、前記有効画素部にアクセスして、前記入力光に応じて生成された信号を各垂直信号線に出力させる垂直駆動回路と、
を有する画像入力装置。 - 各垂直信号線から順次出力される測定信号を垂直信号線ごとに平均化することにより、測定信号に一様に重畳したランダムノイズ成分を全ノイズ成分の1/M(Mは2以上の自然数)倍以下に抑圧するランダムノイズ抑圧部をさらに有し、
前記非有効画素部内における非有効画素の行数がMの2乗以上に設定されている
請求項6に記載の画像入力装置。 - 入力光に応じた画素電荷を生成するダイオードと、画素電荷を受けたノードの電位に応じた信号を出力する第1トランジスタと、前記ノードの電位をリセットする第2トランジスタとを有する有効画素が行単位で複数行、配置されている有効画素部と、前記第1および第2トランジスタを有し、ダイオードが省略された非有効画素が少なくとも1行、配置されている非有効画素部と、前記有効画素部および前記非有効画素部の画素列ごとに配線され、前記信号を外部に送る複数の垂直信号線と、を備える固体撮像装置において、様々な明るさの画像を入力させたときに、前記有効画素部の各画素で生成される画素電荷量の平均値に応じて前記非有効画素の前記第2トランジスタのバイアスを設定するバイアス設定ステップと、
前記非有効画素部にアクセスして数フレーム分の測定信号を出力させる際に、前記バイアス設定ステップで設定したバイアスを前記非有効画素の第2トランジスタに印加した状態で非有効画素の前記第1トランジスタを動作させ、このときの各垂直信号線の信号を、固定パターンノイズ成分の測定信号として出力させる信号出力ステップと、
複数の画素列の測定信号から、固定パターンノイズ成分のレベルを垂直信号線ごとに検出するレベル検出ステップと、
固定パターンノイズ成分のレベルを、撮像時に入力光に応じて画素部より出力される有効画素信号から差し引いて当該固定パターンノイズを除去するノイズ除去ステップと、
を含む固体撮像装置のノイズ除去方法。 - 各垂直信号線から順次出力される測定信号を垂直信号線ごとに平均化することにより、測定信号に一様に重畳したランダムノイズ成分を全ノイズ成分の1/M(Mは2以上の自然数)倍以下に抑圧するランダムノイズ除去ステップをさらに有し、
当該ランダムノイズ除去時に、前記信号出力ステップで各垂直信号線に順次、前記測定信号を出力する非有効画素の行数がMの2乗以上に設定されている
請求項8に記載の固体撮像装置のノイズ除去方法。
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