JP4516879B2 - 突張装置 - Google Patents
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Description
また、このような突張装置は、ネジの推力により天井面等に圧着させるため、強い圧着力を得やすい反面、過大な推力により天井面等を傷つけ易いという問題があった。
さらに、これら従来の突張装置は、高さを調整できる範囲が比較的限られており、天井用に用意した突張装置を梁下等に移動した場合、調整が不可能な場合があった。しかも、突張装置自体が比較的大きく、家具等に取り付けたまま移動する場合はその器具が障害となることがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、設置及び調整が簡単で、家具等の転倒や移動防止に関し、信頼性・安全性の高い突張装置を提供することを目的としている。
棒状部材と、
前記棒状部材を軸方向に移動可能に支持したベースと、
前記棒状部材が挿入された第1挿入孔を有し、前記棒状部材に対して垂直な支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持され、前記第1挿入孔の縁が前記棒状部材に食い込んだ食い込み状態と、前記第1挿入孔に対して前記棒状部材が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能とされたストッパ機構と、
前記棒状部材に食い込み自在に設けられ、てこの原理を利用して押圧力を作用させることによって、前記棒状部材に食い込み、食い込んだ状態で前記棒状部材を前記ベースに対して押圧方向に移動可能とする倍力機構とを備えていることを特徴とする。
前記倍力機構は、前記棒状部材が遊んだ状態で挿入された第2挿入孔を有した板状の第2ストッパ部と、
前記棒状部材の軸方向に対して交わる支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持された操作部とを備え、
前記操作部の作用点が、前記押圧方向の反対側の前記第2ストッパ部に当接する部分であり、
前記作用点と支点との長さが、前記支点と前記操作部の端部との長さよりも短いことを特徴とする。
前記倍力機構は、前記第2ストッパ部を、前記棒状部材の押圧方向の反対側で受けて、前記第2ストッパ部を略水平状態にする受け部を備えていることを特徴とする。
前記倍力機構は、前記第2ストッパ部を前記受け部側に付勢する第2弾性部材を備えていることを特徴とする。
前記ストッパ機構は、前記棒状部材が遊んだ状態で挿入された第1挿入孔を有し、前記棒状部材に対して垂直な支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持され、前記第1挿入孔の縁が前記棒状部材に食い込んだ食い込み状態と、前記第1挿入孔に対して前記棒状部材が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能とされた板状の第1ストッパ部と、
前記第1ストッパ部の前記第1挿入孔の縁を、前記棒状部材に食い込ませる方向に付勢する第1弾性部材とを備えていることを特徴とする。
前記棒状部材の先端部には圧着部材が設けられていることを特徴とする。
前記ベースは、互いに隣接する家具等のうち、一方の家具等に取り付けられる第1ベースと、他方の家具等に取り付けられる第2ベースとを備えていることを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る突張装置を示した図であり、(a)は左側断面図、(b)は突張装置の正面図、(c)は突張装置の背面図である。
本発明に係る突張装置は、例えば、床面に設置された家具等の上端部と天井面や梁等の被固定部との間に設けられて、家具等の転倒を防止するためのものである。
なお、家具等の例としては、例えば、移動を行う機会の多い比較的小型軽量の家具・縦型オーディオラックや簡易間仕切り等が挙げられる。以下の実施の形態では、後述するように、簡易間仕切りに使用して天井面に固定している。
以下、各構成部材について説明する。
固定部11には、家具Kに固定するための木ネジN(図2参照)が挿入される取付穴13が左右に一対形成されており、この一対の取付穴13が上下に2箇所形成されている。また、上側の一対の取付穴13の上方には、固定部11の左右側面を切り欠いて形成された係止溝14aがそれぞれ設けられ、下側の一対の取付穴13の上方にも同様の係止溝14bがそれぞれ設けられている。係止溝14a、14bは、略矩形状をなしている。
挿入部12は、平板状をなしており、正面側の端面が面取されて湾曲している(図1(b)参照)。また、挿入部12には、挿入部12を上下に貫通する略円形状の挿入孔15が形成されており、この挿入孔15に棒状部材2が挿入されている。挿入孔15は、棒状部材2が挿入孔15に対して上下に移動可能となるよう棒状部材2の径よりも若干大きく形成されている。
この第1挿入孔31は、棒状部材2の径よりも大きく形成されており、第1挿入孔31の縁が棒状部材2に食い込んだ食い込み状態と、第1挿入孔31に対して棒状部材2が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能となっている。ここで、食い込み状態では、第1ストッパ部3が棒状部材2に対して例えば15°の傾斜角度で傾斜し、食い込みが解除された状態で第1ストッパ部3が略水平な状態で保持される。
また、第1ストッパ部3の背面側の側端面には、固定部11の係止溝14aに係止される突起部32が左右両側に形成されている(図1(b)参照)。これら突起部32は、係止溝14aと同様の矩形状に形成されている。突起部32は、係止溝14aに係止した際に、高さ方向において突起部32と係止溝14aとの間に隙間Sが生じる程度の大きさである。そして、突起部32が係止溝14aに係止することにより、係止した部分(支点X)を中心に、固定部11の左右の幅方向を軸として回転可能とされている。
第2ストッパ部4は、ステンレス等の金属からなり、第1ストッパ部3と同様に平板状をなし、正面側の端面が面取されて湾曲している(図1(b)参照)。また、第2ストッパ部4にも、第2ストッパ部4を上下に貫通する略円形状の第2挿入孔41が形成されている。
この第2挿入孔41は、棒状部材2の径よりも大きく形成されており、第2挿入孔41の縁が棒状部材2に食い込んだ食い込み状態と、第2挿入孔41に対して棒状部材2が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能となっている。ここで、食い込み状態では、第2ストッパ部4が棒状部材2に対して例えば15°の傾斜角度で傾斜する。
また、第2ストッパ部4の長さは、第1ストッパ部3の長さよりも短く形成されている。詳細には、第2ストッパ部4が、略水平に支持された状態で、第2ストッパ部4の背面側の端部と固定部11との間に若干の隙間S’が形成され、傾斜した状態で、第2ストッパ部4の背面側の端部が固定部11に当接可能となる長さである。また、第2ストッパ部4の左右の幅も第1ストッパ部3に比べて短くなっている。
一方、第2ストッパ部4は、第2バネ部材8によって下方に付勢されているが、第2ストッパ部4の下側に設けられたパイプ9で受けられて、略水平となるように保持されている。
レバー部5は、正面側の端面が面取されて湾曲している(図1(b)参照)。レバー部5には、レバー部5を上下に貫通する略円形状の挿入孔51が形成されている。
この挿入孔51は、パイプ9の径よりも大きく形成されており、挿入孔51にパイプ9が挿入された状態で、レバー部5は棒状部材2に対して上下に回転可能となっている。ここで、レバー部5の正面側の端部が下方となるように傾斜した状態では、例えば30°の傾斜角度となる。
また、レバー部5の背面側の側端面には、固定部11の係止溝14bに係止される突起部52が左右両側に形成されている(図1(b)参照)。これら突起部52は、係止溝14bと同様の矩形状に形成されている。突起部52は、係止溝14bに係止した際に、高さ方向において突起部52と係止溝14bとの間に隙間Sが生じる程度の大きさである。そして、突起部52が係止溝14bに係止することにより、係止した部分(支点Y)を中心に、固定部11の左右の幅方向を軸として回転可能とされている。
このようにレバー部5は、係止溝14bに係止されるとともに、レバー部5の挿入孔51にパイプ9が挿入されることによって、レバー部5の正面側の端部は下方に向けて傾斜した状態となる。
図2(a)〜(f)は、突張装置100の操作方法及び動作を示すための側断面図である。
まず、図2(a)に示すように、家具K等の側面にベース1の固定部11を当接して、固定部11の取付穴13から木ネジN等を使用して突張装置100を取り付ける。この状態では、第1ストッパ部3が第2バネ部材8よりも付勢力の強い第1バネ部材7により下方に付勢されて、挿入孔31の縁が棒状部材2に食い込むため、第1ストッパ部3の正面側の端部が下方に傾斜する。したがって、棒状部材2を下方に押し下げる力は、第1ストッパ部3の傾斜角が増大する方向に作用するので、第1ストッパ部3が棒状部材2に強く食い込むため下方に動くことができない。反対に、棒状部材2を上方に押し上げる力は、第1ストッパ部3の傾斜角が減少する方向に作用するので、第1ストッパ部3の棒状部材2への食い込み効果が無くなるため上方に容易に移動することができる。
一方、第2ストッパ部4は、第2バネ部材8により下方に付勢されるとともに、パイプ9によって受けられてパイプ9の上端面で略水平な状態に保持されている。また、パイプ9は棒状部材2に移動可能とされ、レバー部5は、正面側の端部が下方に傾斜した状態で支点Yを中心に回転可能に保持されている。したがって、これら第2ストッパ部4、パイプ9及びレバー部5によっては、棒状部材2の移動は規制されていない。
さらに、図2(c)の矢印IIの状態までレバー部5を回転させると、ボス部6の作用点Zで第2ストッパ部4が押圧されて、第2ストッパ部4は棒状部材2に食い込んだ状態で、第2ストッパ部4とともに棒状部材2も上方に移動する。
この場合の棒状部材2の上昇推力は、操作力に対して図2(f)に示すように、b:aの比率で数倍に拡大され、上昇距離は数分の1に縮小される。
ボス部6に押圧されて上方に移動した第2ストッパ部4は、図2(d)に示すように、レバー部5を元の状態に下げることによって、ボス部6による押圧力が作用しなくなるので、第2バネ部材8の付勢力によってパイプ9の上端面に略水平となるように付勢される。
なお、このようなレバー部5の操作によって、大きな力で上方に移動した棒状部材2は、第1ストッパ部3の作用で下方に移動できないので、図2(d)のようにレバー部5を下げた際も下がることがない。
また、ベース1を家具Kに取り付けて、レバー部5を操作するだけで、棒状部材2の高さを調整でき、簡単に家具K等の転倒防止を行うことができるとともに、設置に要する時間も大幅に短縮できる。
また、従来のようにネジ等を用いて高さ調整する場合に比べて、レバー部5の操作力により得られる上昇推力が数倍と低く、設計時にレバー比による倍率の設定を行い易い。その結果、天井面Mや家具Kへの適切な圧着力を得ることができるとともに、過度の圧着により天井面Mや家具K、突張装置100自身の破損も容易に防止できる。
また、第1ストッパ部3を第1バネ部材7の付勢力に抗して水平位置に持ち上げて、第1ストッパ部3の棒状部材2への食い込みを解除することにより、棒状部材2を下方に移動させることができ、この点においも棒状部材2の高さを容易に調整でき、設置に要する時間を短縮できる。このように、本発明に係る突張装置100は、ストッパ機構30と倍力機構40とを備えているので、設置及び調整が簡単で、設置後の信頼性・安全性を向上させることができる。
しかも、第1ストッパ部3、第2ストッパ部4、レバー部50等は平板状であり、ベース1も平板を組み付けて構成したものであるので、製作が容易で、コストを低減できる。
さらに、棒状部材2の長さを長くすることにより、設置高さの大幅な調整も可能であり、設置場所の天井面M等の高さが変わったために調整できない場合にも容易に対応することができる。
簡易間仕切り300は、2つの矩形板状の面材301が山形状となるように組み付けられたものであり、一方の面材301の側面上端部に、ベース1の固定部11を当接させて、取付穴13に木ネジ等がねじ込まれることによって固定されている。突張装置100の具体的な操作方法及び動作は上述した通りであるので、その説明は省略する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る突張装置200を、互いに隣接する家具K間に取り付けた際の左側断面図である。
図4に示すように、第2の実施の形態の突張装置200は、互いに隣接する家具K間に設けられるものである。この突張装置200は、第1の実施の形態の突張装置100において、ベース1A(第2ベース)が1つ増えたものであり、第1の実施の形態のベース1(第1ベース)と、ベース1Aの各開口部を互いに対向させ、一方のベース1の各挿入部12と他方のベース1Aの各挿入部12Aとを互い違いとなるように組み付けた上で、各挿入部12、12Aに棒状部材2が挿入されている。
その他は同様の構成をなしているので、同様の構成部分については同様の符号を付して、その説明を省略する。
その後、第1の実施の形態と同様の操作を行い、棒状部材2の上端部の圧着部材21が天井面Mに当接するまで棒状部材2を押し上げてき、棒状部材2の上方への動きが重くなるまでレバー部5を複数回上下させて、天井面M等に支持させる。この突張装置200の使用例は、図3に示した通りである。
例えば、突張装置100は、棒状部材2、ベース1、第1及び第2ストッパ部3、4、第1及び第2バネ部材7、8、レバー部5、ボス部6、パイプ9から構成するとしたが、第2バネ部材8は、第2ストッパ部4を下方に付勢して第2ストッパ部4の遊びを減らすことで、例えば振動等が生じた場合に、第2ストッパ部4が自在に移動することによる振動音を低減させることができるためのものであり、特に第2バネ部材8を設けなくとも、本発明の効果を得ることができるため、これを設けない構成としても良い。
また、パイプ9も、第2ストッパ部4をその上端部で支持して略水平状態に保持して、ボス部6によって第2ストッパ部4を確実に押圧できるようにしたものであるので、パイプ9を設けない構成としても良い。
さらに、ボス部6としてネジを使用したが、レバー部5に突出して設けられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、レバー部5に予め凸状のものを一体に形成したものであっても良い。
また、上記実施の形態では、突張装置100を家具K等と天井面Mとの間に設け、棒状部材2を上下方向に押圧することによって、家具K等を天井面Mに固定する場合を例に挙げたが、これに限らず、本発明の突張装置100を左右方向に配置して、棒状部材2を左右方向に押圧することによって左右に隣接する部材同士を固定するように使用しても構わない。この場合は、棒状部材2の両端部に圧着部材21を設けることが好ましい。
1A ベース(第2ベース)
2 棒状部材
3 第1ストッパ部
4 第2ストッパ部
5 レバー部
6 ボス部
7 第1バネ部材(第1弾性部材)
8 第2バネ部材(第2弾性部材)
9 パイプ(受け部)
21 圧着部材
30 ストッパ機構
40 倍力機構
50 操作部
100、200 突張装置
X、Y 支点
Z 作用点
Claims (7)
- 棒状部材と、
前記棒状部材を軸方向に移動可能に支持したベースと、
前記棒状部材が挿入された第1挿入孔を有し、前記棒状部材に対して垂直な支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持され、前記第1挿入孔の縁が前記棒状部材に食い込んだ食い込み状態と、前記第1挿入孔に対して前記棒状部材が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能とされたストッパ機構と、
前記棒状部材に食い込み自在に設けられ、てこの原理を利用して押圧力を作用させることによって、前記棒状部材に食い込み、食い込んだ状態で前記棒状部材を前記ベースに対して押圧方向に移動可能とする倍力機構とを備えていることを特徴とする突張装置。 - 前記倍力機構は、前記棒状部材が遊んだ状態で挿入された第2挿入孔を有した板状の第2ストッパ部と、
前記棒状部材の軸方向に対して交わる支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持された操作部とを備え、
前記操作部の作用点が、前記押圧方向の反対側の前記第2ストッパ部に当接する部分であり、
前記作用点と支点との長さが、前記支点と前記操作部の端部との長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の突張装置。 - 前記倍力機構は、前記第2ストッパ部を、前記棒状部材の押圧方向の反対側で受けて、前記第2ストッパ部を略水平状態にする受け部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の突張装置。
- 前記倍力機構は、前記第2ストッパ部を前記受け部側に付勢する第2弾性部材を備えていることを特徴とする請求項3に記載の突張装置。
- 前記ストッパ機構は、前記棒状部材が遊んだ状態で挿入された第1挿入孔を有し、前記棒状部材に対して垂直な支点軸回りに回転可能となって前記ベースに支持され、前記第1挿入孔の縁が前記棒状部材に食い込んだ食い込み状態と、前記第1挿入孔に対して前記棒状部材が遊ぶことで食い込みが解除された状態とに回転可能とされた板状の第1ストッパ部と、
前記第1ストッパ部の前記第1挿入孔の縁を、前記棒状部材に食い込ませる方向に付勢する第1弾性部材とを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の突張装置。 - 前記棒状部材の先端部には圧着部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の突張装置。
- 前記ベースは、互いに隣接する家具等のうち、一方の家具等に取り付けられる第1ベースと、他方の家具等に取り付けられる第2ベースとを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の突張装置。
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