JP4516397B2 - レイヤ2スイッチ - Google Patents
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Description
また、同じくブロードバンド化に伴い注目を集めているのが、放送などのコンテンツを配信するためのマルチキャスト技術である。従来のIPを使ったマルチキャスト技術にはIPマルチキャスト方法とPPPマルチキャスト方法がある。通信用として構築されたIPネットワーク上で放送サービスを実現するためにIPマルチキャスト対応のルータやアクセスサーバを用いることによって効率的な情報配信を行うことが可能となる。特定の複数宛先にデータを配信するマルチキャスト通信に関する技術として、IETF(Internet Engineering Task Force)にて、IPv4ではIGMP(Internet Group Membership Protocol:RFC1112(非特許文献1)、RFC2236(非特許文献2))、IPv6ではMLD(Multicast Listener Discovery:RFC2710(非特許文献3))がTCP/IPの標準となっている。
上記IGMPやMLDは、ユーザ端末とパケット転送装置(ゲートウェイ、ルータ等)との間で使用され、同一のデータを複数のユーザ端末に効率よく配信するマルチキャストで、配信を受けるために構成されるユーザ端末のグループ(マルチキャストグループ)を制御するためのプロトコルである。ユーザ端末がマルチキャストグループに参加要求を(マルチキャストデータの配信要求)したり、そのマルチキャストグループから離脱要求(マルチキャストデータの配信停止要求)をしたりする際に、IGMPやMLDが使用される。あるマルチキャストグループに登録されているユーザ端末からの要求により、コンテンツ配信サーバから情報がパケット形式で配信されると、下位のパケット転送装置(ゲートウェイ、ルータ等)がそのパケットを受信し、そのパケットを要求のあったマルチキャストグループに属するユーザ端末数分コピーし、それらのユーザ端末に転送することにより、コンテンツ配信サービスが行われる。マルチキャストを行う上でネットワークの負荷を抑えるためには、マルチキャストパケットのコピーを極力ユーザ端末に近い装置で行うのが理想である。特開2003−69639号の公報(特許文献1)では、xDSL(x Digital Subscriber Line)装置にキャッシュサーバを持たせ、xDSL装置が配下のクライアントに代わって受信したコンテンツデータをキャッシュサーバに蓄積し、xDSL装置でコピーして各クライアントに配信する方法が開示されているが、動画などのデータを格納するための大容量キャッシュを備える必要があるという課題がある。その他の公知例としては、特開2003−32287(特許文献2)、特開2003−348148(特許文献3)、特開2003−152796(特許文献4)などがあげられる。
一方、前述のネットワークにおいて、使用するパケット転送装置のポート数が少ない場合には、一旦レイヤ2スイッチによりユーザ端末を集約し、ユーザ端末−パケット転送装置間をPPPoEやVLANなどで接続する場合がある。この場合も同様、IGMPやMLDを使用してユーザ端末の把握を行うことになるが、IGMPやMLDはIP以上のレイヤ情報であるため、IP以上のパケット処理をサポートしないレイヤ2スイッチでは、配下のユーザ端末情報を把握することが不可能である。従って、ユーザ端末の管理は必然的にレイヤ3以上をサポートしたパケット転送装置で行い、配下のユーザ端末に配信する形となるが、ユーザ端末−パケット転送装置間はP2P(Point to Point)であるため、ユニキャスト通信となり、n倍の帯域を消費してしまう。従ってレイヤ2スイッチ−BAS間には十分な帯域を確保することが必要となりコスト面で不利となってしまう。
本発明は、ユーザ端末からのIGMP/MLDパケットをPPPコネクションから選択的に取り出すことにより、レイヤ2スイッチでのマルチキャストパケットの配布先管理を伴ったマルチキャストパケット配信機能を実現することを目的とする。また、本発明は、レイヤ2スイッチとパケット転送装置間にマルチキャスト専用のコネクションを動的(ダイナミック)又は静的(スタティック)に張り、配下に接続されている複数のマルチキャストユーザ端末を代表してマルチキャストパケットを受信することにより、アクセスキャリアネットワーク内の負荷を小さくすることができ、設備面のコストを抑えることを可能とすることを目的とする。
図1に本発明を適用するネットワーク構成例の図を示す。
ユーザ端末(H1−i、H2−i)は、一旦レイヤ2スイッチ(100、101)に収容され、それぞれアクセスキャリアネットワーク(NW1、NW2)を介してパケット転送装置(200)に接続される。パケット転送装置としては、BASやLAC−LNSの構成が一般的である。さらにパケット転送装置はISP網(NW3)内にあるルータ(Router)(300)等を介してインターネット(400)やコンテンツ配信サーバ(S1)に接続される。なお、ユーザ端末(H1−i、H2−i)とパケット転送装置の間は、PPPoEやPPPoA、VLAN等で接続される。
図2はIGMPパケット及びマルチキャストパケットの流れを示した図である。
ユーザ端末(H1−1、H1−2)は、あらかじめコンテンツ配信業者と契約しており、マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加する資格を有している。一方、ユーザ端末(H1−3)は未契約であるため、マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加する資格を有していない。マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加する資格を有しているユーザ端末(H1−1、H1−2)は、それぞれマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)への参加、離脱の意思表示するために、IGMPパケット(600−1、600−2)をレイヤ2スイッチに対して送信する。レイヤ2スイッチは、アクセスキャリアネットワーク(NW1)上にマルチキャスト専用のコネクション(500)を確立し、ユーザ端末(H1−1、H1−2)に代わって、パケット転送装置に対しIGMPパケット(600−3)を送信する。その後、Router(300)を介してコンテンツ配信サーバ(S1)に、マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)への参加、離脱の意思が伝わる。
また、コンテンツ配信サーバ(S1)から配信されたマルチキャストパケットは逆のルートをたどる。コンテンツ配信サーバ(S1)は、Router(300)、パケット転送装置(200)を介して、レイヤ2スイッチに対しマルチキャストパケット(600−4)を送信する。マルチキャストパケットは、レイヤ2スイッチでコピーされ(600−5、600−6)、配下のユーザ端末(H1−1、H1−2)に配信される。
図3に示すレイヤ2スイッチは、複数の入出力回線の回線インタフェース(100−1−i)と回線インタフェース(100−1−i)の制御を行う回線インタフェース制御部(100−2)、パケットの解析、編集など処理を行うプロセッサ(100−3)、プロセッサ(100−3)が処理を行うために使用するメモリ(100−4)、外付けの制御端末(100−6)とのインタフェースを行う制御端末インタフェース(100−5)、回線インタフェース(100−1−i)を経由して送受信するパケットを一時的に格納する送受信バッファ(100−7)を備える。さらに、メモリ(100−4)には、プロセッサが実行するプログラム(100−4−3)、配下に接続されているマルチキャストユーザを管理するためのユーザ管理テーブル(100−4−1)、パケット転送装置(200)との間に張られるマルチキャスト用コネクションを管理するためのマルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)が格納されている。また、送受信バッファ(100−7)は、送信バッファ(100−7−1)と受信バッファ(100−7−2)を備える。
回線インタフェース(100−1−i)は、IP網の受信信号からIPパケットを再生し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送すると共に、回線インタフェース制御部から受信した出力IPパケットを入出力回線上の通信プロトコル、例えば、イーサネット(登録商標)やATM等に従った通信フレーム形式に変換してIP網に送出する。回線インタフェース(100−1−i)には、それぞれに対し個別のMACアドレスが割り付けれている。本例では、回線インタフェース#1(100−1−1)には、MACアドレス00−00−87−11−11−11が、回線インタフェース#2(100−1−2)には、MACアドレス00−00−87−22−22−22が、回線インタフェース#3(100−1−3)には、MACアドレス00−00−87−33−33−33がそれぞれ割り付けられているものとして説明する。
ユーザ管理テーブル(100−4−1)は、レイヤ2スイッチ(100)配下に接続されているユーザ端末(H1−i)が、どのマルチキャストグループに属しているか、またその回線種などの接続情報を管理するものであり、マルチキャストグループアドレス(100−4−1−1)、回線インタフェース番号(100−4−1−2)、回線種(100−4−1−3)、SessionID(100−4−1−4)、VPI(100−4−1−5)、VCI(100−4−1−6)、tagID(100−4−1−7)、端末MACアドレス(100−4−1−8)を含む。SessionID(100−4−1−4)は回線種(100−4−1−3)がPPPoEの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。VPI(100−4−1−5)、VCI(100−4−1−6)は回線種(100−4−1−3)がPPPoAの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。またtagID(100−4−1−7)は回線種(100−4−1−3)がVLANの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。なお、ユーザ管理テーブル(100−4−1)に1件のデータも登録されていない場合は、レイヤ2スイッチ(100)の配下にマルチキャストに参加しているユーザ端末が存在しない状態を示す。
なお、図4はPPPoEで接続しているユーザ端末が1台存在する場合を示す例であり、図5はさらにマルチキャストグループに参加するユーザ端末が増えた場合の例を示している。
図6は、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)の説明図を示す。
マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)は、パケット転送装置からどのマルチキャストグループのデータをどのコネクションを介して受信するかを管理するためのテーブルであり、マルチキャストグループアドレス(100−4−2−1)、回線インタフェース番号(100−4−2−2)、回線種(100−4−2−3)、SessionID(100−4−2−4)、VPI(100−4−2−5)、VCI(100−4−2−6)、tagID(100−4−2−7)、パケット転送装置MACアドレス(100−4−2−8)を含む。SessionID(100−4−2−4)は回線種(100−4−2−3)がPPPoEの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。VPI(100−4−2−5)、VCI(100−4−2−6)は回線種(100−4−2−3)がPPPoAの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。またtagID(100−4−2−7)は回線種(100−4−2−3)がVLANの場合にのみ使用され、それ以外の場合はdon’t careとなる。なお、マルチキャスト用コネクションテーブル(100−4−2)に1件のデータも登録されていない場合は、パケット転送装置(200)との間にマルチキャスト用コネクションが一本も張られていないことを示す。
ユーザ端末(H1−i)とパケット転送装置(200)との間で送受信されるパケット(600−i)は、送信先物理アドレスであるMAC DA(700)、送信元物理アドレスであるMAC SA(701)、PPPoEヘッダ情報(702)、PPPヘッダ情報(703)、送信元IPアドレスであるIP SA(704)、送信先IPアドレスであるIP DA(705)、及びデータ(706)を含む。
図8は、パケット転送装置からレイヤ2スイッチに転送されるマルチキャストパケット(600−4)の例である。
図9は、レイヤ2スイッチでコピーされ端末(H1−1)に転送されるマルチキャストパケット(600−6)の例である。
図10は、レイヤ2スイッチでコピーされ端末(H1−2)に転送されるマルチキャストパケット(600−5)の例である。
図8〜図10において、IP DA(705)にはマルチキャストグループアドレス(224.10.10.10)が含まれる。
図11は、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)がマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加するための意思表示からマルチキャストパケットを受信するまでのシーケンス図を示している。
図12は、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)がマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)から離脱するための意思表示からマルチキャストパケットの受信停止に至るまでのシーケンス図を示している。
図13はユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)が例えば端末の故障などの場合のように、マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)から離脱するための意思表示をすることなくマルチキャストグループから離脱した場合に、レイヤ2スイッチ(100)がユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)の離脱を認識し、マルチキャストパケットの転送を停止するまでのシーケンス図を示している。
図14は、ユーザ管理テーブル(100−4−1)の登録/削除の判定フローチャートを示しており、さらに図15は、ユーザ管理テーブル(100−4−1)にユーザ情報を登録する際の詳細フローチャートを示している。
図16は、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)にマルチキャスト用コネクションの情報を登録する際の詳細フローチャートを示している。
まず、図11を用いて、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)がマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)のコンテンツ配信サーバ(S1)に参加する場合のレイヤ2スイッチ(100)の動作について説明する。本例では、ユーザ端末(H1−1)は、レイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#1(100−1−1)に、またユーザ端末(H1−2)はレイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#2(100−1−2)に、パケット転送装置(200)はレイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#3(100−1−3)にそれぞれ接続されているものとする。マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加したいユーザ端末(H1−1)は、参加の意思を伝えるために、IGMP joinパケット(600−1)を送信する(SQ1−1)。IGMP joinパケット(600−1)は、レイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#1に到着し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送される。回線インタフェース制御部(100−2)は、受信したパケットを受信バッファ(100−7−2)に転送するとともに、プロセッサ(100−3)に対しパケットを受信したことを通知するための割り込みを上げる。割り込みを受け取ったプロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)からパケットを読み出し、ユーザ管理テーブル更新処理を実行する。(SQ1−2)。
さらに、ここで、ユーザ情報登録(5004)は、図15のフローチャートに従い実施される。まず、プロセッサ(100−3)は、受信したパケットから回線種を判定した後(5004−1)、パケットの内容から順次必要な情報を取り出し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)に格納する。プロセッサ(100−3)は、回線種がPPPoEの場合は、グループアドレス、回線インタフェース番号、回線種、SessionID、端末MACアドレスをそれぞれパケットから取り出し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)のグループアドレス欄(100−4−1−1)、回線インタフェース番号欄(100−4−1−2)、回線種欄(100−4−1−3)、SessionID欄(100−4−1−4)、端末MACアドレス欄(100−4−1−8)にそれぞれ設定する(5004−2)。この状態を示しているのが図4の例である。本例では、ユーザ端末(H1−1)はグループアドレス224.10.10.10に参加するため、グループアドレス欄(100−4−1−1)に224.10.10.10が格納され、ユーザ端末(H1−1)はレイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#1(100−1−1)に接続されているため、回線インタフェース番号欄(100−4−1−2)には1が格納されている。さらに、回線種はPPPoE、SessionIDが10で接続されており、ユーザ端末(H1−1)のMACアドレスは00−00−87−00−00−01であることが登録されている。
ここで、マルチキャスト用管理テーブル更新処理は、図16に示すフローチャートに従い実行される。確立したコネクションの回線種がPPPoEの場合は、グループアドレス、回線インタフェース番号、回線種、SessionID、パケット転送装置のMACアドレスをそれぞれ、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)のグループアドレス欄(100−4−2−1)、回線インタフェース番号欄(100−4−2−2)、回線種欄(100−4−2−3)、SessionID欄(100−4−2−4)、パケット転送装置MACアドレス(100−4−2−8)にそれぞれ設定する。この状態を示しているのが、図6の例である。
プロセッサ(100−3)は、このパケットをユーザ端末(H1−1)に転送するため、送信先MACアドレスMAC DA(700)及びユーザ端末(H1−1)とレイヤ2スイッチ(100)の間のSessionIDをそれぞれユーザ管理テーブル(100−4−1)の端末MACアドレス欄(100−4−1−8)及びSessionID欄(100−4−1−4)から取得し、パケット転送装置から受信したマルチキャストパケットのものと置き換える。また、送信元MACアドレスMAC SA(701)には、ユーザ端末(H1−1)と接続される回線インタフェース(100−1−1)に割り当てられたMACアドレス00−00−87−11−11−11を入れる。この状態を示した例が図9である。
この状態で、ユーザ端末(H1−2)が、グループアドレス(224.10.10.10)への参加意思を表示するために、レイヤ2スイッチ(100)に対してIGMP joinパケット(600−2)を送信したとする(SQ1−11)。IGMP joinパケット(600−2)は、レイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#2に到着し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送される。回線インタフェース制御部(100−2)は、受信したパケットを受信バッファ(100−7−2)に転送するとともに、プロセッサ(100−3)に対しパケットを受信したことを通知するための割り込みを上げる。割り込みを受け取ったプロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)からパケットを読み出し、ユーザ管理テーブル更新処理を実行する(SQ1−12)。
ここで、ユーザ情報登録(5004)は、上述と同様に、図15のフローチャートに従い実施される。まず、受信したパケットから回線種を判定した後(5004−1)、パケットの内容から順次必要な情報を取り出し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)に格納する。プロセッサ(100−3)は、回線種がPPPoEの場合は、グループアドレス、回線インタフェース番号、回線種、SessionID、端末MACアドレスをそれぞれパケットから取り出し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)のグループアドレス欄(100−4−1−1)、回線インタフェース番号欄(100−4−1−2)、回線種欄(100−4−1−3)、tagID欄(100−4−1−7)、端末MACアドレス欄(100−4−1−8)にそれぞれ設定する(5004−2)。この状態を示しているのが図5の例である。
図5に示すとおり、この時点では既にユーザ端末(H1−1)がマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)に参加しており、レイヤ2スイッチ(100)はコンテンツ配信サーバ(S1)からマルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)のマルチキャストパケットを受信している。そのため、レイヤ2スイッチ(100)は新たにマルチキャスト用コネクション(500)を張ることはせず、またパケット転送装置(200)に対して、新たなIGMP joinパケットを送信することもない。
図11に戻り、この時点で、レイヤ2スイッチ(100)が、コンテンツ配信サーバ(S1)からグループアドレス224.10.10.10のマルチキャストパケットを受信したとする(SQ1−13)。前述の通り、マルチキャストパケットはレイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#3(100−1−3)に到着し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送される。回線インタフェース制御部(100−2)は、受信したマルチキャストパケットを受信バッファ(100−7−2)に格納するとともに、プロセッサ(100−3)に対してマルチキャストパケットを受信したことを通知ための割り込みをあげる。プロセッサ(100−3)は、受信したパケットのIP DA領域(705)に格納されているグループアドレス、PPPoE領域(702)に格納されているSessionID、MAC SA領域(701)に格納されている送信元MACアドレスをキーに、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)を検索し、全て一致するコネクションが存在した場合はさらにそのグループアドレスを検索キーとしてユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索する。図5に示す通り、グループアドレス224.10.10.10に参加しているユーザ端末は2台登録されているため、レイヤ2スイッチ(100)は、マルチキャストパケットをコピーし(SQ1−14)、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)それぞれに対して、マルチキャストパケットを転送する(SQ1−15、SQ1−16)。パケットの編集方法は、前述したユーザ端末(H1−1)に転送するときと同様であり、ユーザ端末(H1−2)に転送するパケットの例を示したのが、図10である。編集したパケットをユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)にそれぞれに転送することにより、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)がマルチキャストパケットを受信可能となる。
次にマルチキャストグループからの離脱について説明する。マルチキャストグループからの離脱シーケンスとしては、ユーザ端末が明示的に離脱要求を出す場合と、出さない場合の2通りがある。ユーザ端末が明示的に離脱要求を出さないのは、例えばユーザ端末の故障などによる場合が考えれる。
まず、図12に示すシーケンス図を用いてユーザ端末(H1−1)、ユーザ端末(H1−2)が明示的に離脱要求を出す場合について説明する。
マルチキャストグループ(グループアドレス224.10.10.10)から離脱したいユーザ端末(H1−2)は、離脱の意思を伝えるためIGMP leaveパケットを送信する(SQ2−1)。IGMP leaveパケットは、レイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#2に到着し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送される。回線インタフェース制御部(100−2)は、受信したパケットを受信バッファ(100−7−2)に転送するとともに、プロセッサ(100−3)に対しパケットを受信したことを通知するための割り込みを上げる。割り込みを受け取ったプロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)からパケットを読み出し、ユーザ管理テーブル更新処理を実行する(SQ2−2)。
ここで、ユーザ管理テーブル更新処理(SQ2−2)は、図14のフローチャートに従い実施される。まず、プロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)から読み出したパケットがPPPパケットであるか否かを判定し(5001)、PPPパケット以外ならば通常のパケット転送処理を行う。プロセッサ(100−3)は、受信したパケットがPPPパケットであった場合は、さらにIGMPパケットか否かを判定し(5002)、IGMPパケット以外ならば通常のパケット転送処理を行う。プロセッサ(100−3)は、受信したパケットがIGMPパケットであった場合は、さらにIGMP joinかIGMP leaveかを判定し(5003)、IGMP leaveであった場合は、ユーザ管理テーブル(100−4−1)からユーザ情報削除(5005)を行う。ユーザ情報削除(5005)では、まず、プロセッサ(100−3)は、受信したIGMP leaveパケットの内容から回線種を取り出し、PPPoEの場合はSessionID、端末MACアドレス、グループアドレスを抽出する。プロセッサ(100−3)は、抽出した情報をキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、該当するユーザ端末情報を削除する。ユーザ管理テーブル(100−4−1)から離脱するユーザ端末情報を削除した後、前記グループアドレスをキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、前記グループアドレスに参加しているユーザが存在するか否かの判定を行う(SQ2−2−1)。その結果、ユーザが存在していた場合は、前記グループアドレスに対応するマルチキャスト用コネクションは確立したままとする。本例で、ユーザ端末(H1−2)のユーザ情報が削除された状態を示しているのが図4であり、この時点でグループアドレス224.10.10.10に参加しているユーザ端末が存在しているそのため、グループアドレス224.10.10.10に対応するマルチキャスト用コネクションは図6のように確立したままの状態とする。
図12に戻り、続いて、ユーザ端末(H1−1)は、離脱の意思を伝えるためIGMP leaveパケットを送信する(SQ2−3)。IGMP leaveパケットは、レイヤ2スイッチ(100)の回線インタフェース#1に到着し、回線インタフェース制御部(100−2)に転送される。回線インタフェース制御部(100−2)は、受信したパケットを受信バッファ(100−7−2)に転送するとともに、プロセッサ(100−3)に対しパケットを受信したことを通知するための割り込みを上げる。割り込みを受け取ったプロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)からパケットを読み出し、ユーザ管理テーブル更新処理を実行する(SQ2−4)。
ここで、ユーザ管理テーブル更新処理(SQ2−4)は、図14のフローチャートに従い実施される。まず、プロセッサ(100−3)は、受信バッファ(100−7−2)から読み出したパケットがPPPパケットであるか否かを判定し(5001)、PPPパケット以外ならば通常のパケット転送処理を行う。プロセッサ(100−3)は、受信したパケットがPPPパケットであった場合は、さらにIGMPパケットか否かを判定し(5002)、IGMPパケット以外ならば通常のパケット転送処理を行う。受信したパケットがIGMPパケットであった場合は、さらにIGMP joinかIGMP leaveかを判定し(5003)、IGMP leaveであった場合は、ユーザ管理テーブル(100−4−1)からユーザ情報削除(5005)を行う。ユーザ情報削除(5005)では、まず、プロセッサ(100−3)は、受信したIGMP leaveパケットの内容から回線種を取り出し、PPPoEの場合はSessionID、端末MACアドレス、グループアドレスを抽出する。プロセッサ(100−3)は、抽出した情報をキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、該当するユーザ端末情報を削除する。ユーザ管理テーブル(100−4−1)から離脱するユーザ端末情報を削除した後、前記グループアドレスをキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、前記グループアドレスに参加しているユーザが存在するか否かの判定を行う(SQ2−4−1)。本例においては、この時点でユーザ端末(H1−1)、ユーザ端末(H1−2)の両方がマルチキャストグループから離脱したことになるため、ユーザ管理テーブル(100−4−1)にグループアドレス224.10.10.10に参加しているユーザは1件も登録されていない状態となっている。
以上により、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)へのマルチキャストパケット配信を停止することが可能となる。これによって、グループアドレス224.10.10.10に対応するマルチキャスト用コネクションは必要なくなるためコネクションのクローズを行うとともに(SQ2−8)、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)から、該当するグループアドレスに対応するコネクション情報を削除する。
次にユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)がマルチキャストグループ(グループアドレス244.10.10.10)からの離脱宣言を明示的に行わない場合、例えばユーザ端末の故障などの場合に、コンテンツ配信サーバ(S1)からの配信を停止するシーケンスについて、図13に示すシーケンス図を用いて説明する。
レイヤ2スイッチ(100)は、ユーザ管理テーブル(100−4−1)に登録されているユーザ端末に対し、順次、実際に接続されているか否かを確認する目的で、IGMP queryパケットを送信する(SQ3−1)。ユーザ端末(H1−2)が正常に動作している場合は、ユーザ端末(H1−2)からIGMP responseパケットが返信されるが(SQ3−2)、返信がない場合レイヤ2スイッチ(100)は、ユーザ端末(H1−2)が接続されていないと認識し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)から、ユーザ端末(H1−2)に関するユーザ情報を削除する(SQ3−3)。ユーザ管理テーブル(100−4−1)から離脱するユーザ端末情報を削除した後、前記グループアドレスをキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、前記グループアドレスに参加しているユーザが存在するか否かの判定を行う(SQ3−3−1)。その結果、ユーザが存在していた場合は、前記グループアドレスに対応するマルチキャスト用コネクションは確立したままとする。レイヤ2スイッチ(100)は、同様にユーザ端末(H1−1)に対してもIGMP queryを送信し(SQ3−4)、IGMP responseパケットによる返信がない場合は、ユーザ端末(H1−1)が接続されていないと認識し、ユーザ管理テーブル(100−4−1)から、ユーザ端末(H1−1)に関するユーザ情報を削除する(SQ3−6)。ユーザ管理テーブル(100−4−1)から離脱するユーザ端末情報を削除した後、前記グループアドレスをキーにユーザ管理テーブル(100−4−1)を検索し、前記グループアドレスに参加しているユーザが存在するか否かの判定を行う(SQ3−6−1)。本例においては、この時点でユーザ端末(H1−1)、ユーザ端末(H1−2)の両方がマルチキャストグループから離脱したことになるため、ユーザ管理テーブル(100−4−1)には1件のユーザ情報も登録されていない状態となる。
以上により、ユーザ端末(H1−1)及びユーザ端末(H1−2)へのマルチキャストパケット配信を停止することが可能となる。これによって、グループアドレス224.10.10.10に対応するマルチキャスト用コネクションは必要なくなるためコネクションのクローズを行うとともに(SQ3−10)、マルチキャスト用コネクション管理テーブル(100−4−2)から、該当するグループアドレスに対応するコネクション情報を削除する。
以上、本発明の実施例をソフト制御による方法で説明したが、本発明はソフト処理で行うことに限定するものではなく、ハードで実現してもよい。また、本例では、PPPoEを中心に説明しているが、PPPoEに限定するものではなく、VLAN、PPPoA、PPPoEoAなどのポイントツーポイント接続に適用することも可能である。
H2−1〜H2〜3:ユーザ端末
100:レイヤ2スイッチ
101:レイヤ2スイッチ
200:パケット転送装置
300:Router
400:インターネット
S1:コンテンツ配信サーバ
NW1:アクセスキャリアネットワーク
NW2:アクセスキャリアネットワーク
NW3:ISP網
500:マルチキャスト用コネクション
501:マルチキャスト以外のコネクション
600−1〜600−6:レイヤ2スイッチとパケット転送装置間で送受信されるパケット
100−1−1〜100−1−n:回線インタフェース
100−2:回線インタフェース制御部
100−3:プロセッサ
100−4:メモリ
100−4−1:ユーザ管理テーブル
100−4−2:マルチキャスト用コネクション管理テーブル
100−4−3:プログラム
100−5:制御端末インタフェース
100−6:制御端末
100−7:送受信バッファ
100−7−1:送信バッファ
100−7−2:受信バッファ
100−4−1−1:グループアドレス
100−4−1−2:回線インタフェース番号
100−4−1−3:回線種
100−4−1−4:SessionID
100−4−1−5:VPI
100−4−1−6:VCI
100−4−1−7:tagID
100−4−1−8:端末MACアドレス
100−4−2−1:グループアドレス
100−4−2−2:回線インタフェース番号
100−4−2−3:回線種
100−4−2−4:SessionID
100−4−2−5:VPI
100−4−2−6:VCI
100−4−2−7:tagID
100−4−2−8:パケット転送装置MACアドレス
700:送信先MACアドレス
701:送信元MACアドレス
702:PPPoEヘッダ情報
703:PPPヘッダ情報
704:送信元IPアドレス
705:送信先IPアドレス
706:データ
Claims (7)
- ユーザ端末とパケット転送装置の間に配置され、パケットの中継を行うレイヤ2スイッチにおいて、
ユーザ端末が参加しようとするマルチキャストグループアドレス、ユーザ端末が接続されている回線インタフェース番号、ユーザ端末のMACアドレスを記憶するユーザ管理テーブルと、
ユーザ端末が参加しようとするマルチキャストグループアドレスに対応して、パケット転送装置との間に作成するマルチキャスト用コネクションの回線インタフェース番号、パケット転送装置のMACアドレスを記憶するマルチキャスト用コネクション管理テーブルと、
ネットワークに接続される回線インタフェースと、
各前記テーブルにアクセス可能で、前記回線インタフェースを介してユーザ端末とパケット転送装置との間でマルチキャストパケットを転送するためのプロセッサと、
を具備し、
前記プロッセッサは、
前記回線インタフェースを介してマルチキャストパケットの受信を希望するユーザ端末から、マルチキャストグループアドレスを含むマルチキャストグループに参加するためのマルチキャスト受信要求メッセージのパケットを受信する手段と、
ユーザ端末からのパケットがマルチキャスト受信要求メッセージを含むか否かを、ヘッダ又はデータ部から判断し、マルチキャスト受信要求メッセージを含むと判断した場合、上位パケット転送装置へのパケット転送は行わず、受信したパケットを終端する手段と、
前記マルチキャスト用コネクション管理テーブルを参照し、受信したマルチキャスト受信要求メッセージから得たマルチキャストグループアドレスに基づいて、マルチキャスト用コネクションが既に張られているか否かを判断する手段と、
マルチキャスト用コネクションが既に張られていた場合は、前記ユーザ管理テーブルに、マルチキャストグループアドレスと、マルチキャスト受信要求メッセージを送信したユーザ端末の回線インタフェース番号及びMACアドレスを登録する手段と、
パケット転送装置よりマルチキャストパケットを受信し、受信したパケットに含まれるマルチキャストグループアドレス、送信元MACアドレスに基づき、前記マルチキャスト用コネクション管理テーブルを参照し、受信したパケットがマルチキャスト用コネクションから受信したマルチキャストパケットか否かを判断する手段と、
受信したパケットがマルチキャストパケットであると判断した場合は、受信したパケットに含まれるグループアドレスを基に前記ユーザ管理テーブルを参照する手段と、
受信したパケットに含まれるグループアドレスと同一のクループアドレスに参加するユーザ端末が前記ユーザ管理テーブルに登録されていた場合は、登録された各ユーザ端末に対しマルチキャストパケットをコピーすると同時に、各ユーザ端末への回線インタフェース情報を前記ユーザ管理テーブルから求め、各ユーザ端末に対しマルチキャストパケットを配信する手段と、
を有するレイヤ2スイッチ。 - 請求項1に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
マルチキャスト用コネクションが張られていないと判断した場合は、受信したマルチキャストグループアドレスに対応したマルチキャスト用コネクションを新規に作成する手段と、
新規に作成したマルチキャスト用コネクションのマルチキャストグループアドレス、回線インタフェース番号、パケット転送装置のMACアドレスを前記マルチキャスト用コネクション管理テーブルに登録する手段と
を有するレイヤ2スイッチ。 - 請求項1に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
ユーザ端末から受信したパケットがマルチキャスト脱退メッセージを含むか否かを判断し、マルチキャスト脱退メッセージを含むパケットであると判断した場合は、パケットの転送は行わず終端する手段と、
前記ユーザ管理テーブルから脱退するユーザ端末のエントリを削除する手段と、
を備えたレイヤ2スイッチ。 - 請求項3に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
脱退したユーザ端末のマルチキャストグループアドレスに基づき、前記ユーザ管理テーブルを検索し、そのマルチキャストグループアドレスに参加しているユーザ端末が存在するか否か判定し、参加しているユーザ端末が存在する場合は、マルチキャスト用コネクションは確立したものとするレイヤ2スイッチ。 - 請求項3に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
脱退したユーザ端末のマルチキャストグループアドレスに基づき、前記ユーザ管理テーブルを検索し、そのマルチキャストグループアドレスに参加しているユーザ端末が存在するか否か判定し、参加しているユーザ端末が存在しない場合は、マルチキャストグループから脱退することをマルチキャスト脱退メッセージにてパケット転送装置に通知する手段と、
そのマルチキャスト用コネクションを開放する手段と、
を備えたレイヤ2スイッチ。 - 請求項1に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
パケット転送装置またはレイヤ2スイッチからマルチキャストの受信を希望するユーザ端末の有無を確認する場合、各ユーザ端末に向けてマルチキャスト受信問合せパケットを転送する手段と、
ユーザ端末から返信がない場合、前記ユーザ管理テーブルから、該ユーザに関するエントリを削除する手段と、
をさらに備えたレイヤ2スイッチ。 - 請求項1に記載のレイヤ2スイッチにおいて、
前記マルチキャスト用コネクション管理テーブルに基づき、複数のユーザ端末が参加するマルチキャストグループアドレスひとつに対し、ひとつのマルチキャスト用コネクションを動的又は静的に張り、マルチキャストパケットの転送経路を集約するレイヤ2スイッチ。
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