JP4516338B2 - トレッドベルトを組み立てる方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トレッドまたはトレッドベルト補強構造を組み立て、組立てドラム上に移す方法および装置に関する。
空気入りタイヤを製造する際、いくつかの部材が織物またはワイヤのコードで補強されている弾性部材は、長いストリップとして形成される。これらのストリップは、第1の組立て段階においてカーカス部分組立体を形成するように1つに組み立てられる。このカーカスは、通常は、コードで補強された1つまたは2つ以上のプライと、一対のビードコアと、空気不浸透性のライナとを有している。エイペックス、ショルダーゴムストリップ、チッパー、およびチェーファーのような他の材料からなるストリップも、この第1のタイヤ組立て段階で使用することができる。
第2の段階において、カーカスがタイヤ組立てドラム上に環状に形成された後、通常は、トレッドゴムとベルト、すなわちブレーカ補強構造がカーカスに取り付けられる。トレッドゴムは、1つまたは2つ以上の均質な化合物で構成することができる。通常、トレッドは、トレッドストリップを形成するように共有押し出し成形された多数の異なるゴム材料からなる複雑な複合物である。ベルト、すなわちブレーカ補強層は、一般に、ナイロンやアラミドなどの織物または鋼などのワイヤからなる、互いに等しいが逆方向に向けられたコードで補強されたクロスプライの2つまたは3つ以上の層を含んでいる。さらに、概ね周方向に向けられたコードからなるオーバーレイまたはアンダーレイを追加の層として付加することが可能である。
タイヤは通常はこの2段階組立てを用いて組み立てられている。組立て後、各部材のこの未硬化の組立体は、完成品のタイヤを形成するように加硫される型内に入れられる。
タイヤを迅速にかつ効率的に製造するには、各プロセスが信頼できる高速のプロセスである必要がある。したがって、タイヤの製造業者は、多数の方法を実験して改善を図り、タイヤの基本的な2段階組立てに改良を加えている。
特許文献1に記載された1つの方法は、ブレーカトレッド組立体を、拡大・収縮可能な移送リングを用いて、タイヤ組立機の組立てドラムからタイヤ成形機上に取り付けられたタイヤカーカスに運ぶことを教示している。
特許文献1と比べて改良されているがいくらか類似している特許文献2も、様々なサイズのタイヤに対処するようにサイズを変えるように構成された別個のトレッドブレーカ組立てドラムを開示している。
同様に、Charles E.Toddの特許文献3も、ブレーカ−トレッド組立体を運ぶ拡大・収縮可能な移送リングを開示している。
これらの従来技術の特許の各々では、トレッドベルトのタイヤカーカスへの組立てを、カーカス組立機に対してオフラインで、すなわちカーカス組立機とは別個に行うことができることが認識されている。これらのトレッドブレーカ組立体は、リング状に形成された後にタイヤカーカスを囲むように移動可能であり、カーカスは、拡大させてトレッドブレーカ組立体の内側表面に接触させ、次に、型内に入れられるグリーンタイヤ組立体、すなわち未硬化のタイヤ組立体を形成するようにローラ機構によって縫い合わされる。
米国特許第3865670号明細書 米国特許第3888720号明細書 米国特許第3865669号明細書
これらの組み立て技術はタイヤを効率的に製造できるようにしたが、タイヤ組立体を実際に形成する方法を実際に変えた技術は無い。
従来のタイヤの型は、ツーピースの型であるか、セグメント化された型であるかにかかわらず、タイヤが成形される際に溝形成リブおよびサイプ形成ブレードをトレッドゴムに押し込むことによってトレッド表面を形成する。これが行われる際、ベルトコード、特に溝形成リブの真下にあるベルトコードは撓み、小さいが目立つ凹凸を形成する。このような凹凸は、他の点では異常がないように見えるタイヤ全体にわたって実際に表面を変化させるか、またはトレッドゴムの量を変化させる可能性のある、トレッド全体にわたる様々な変化を生じさせる。このような非一様性は、質量不均衡問題、不規則な磨耗、および乗り心地およびハンドリング性能に関する様々な問題を生じさせる可能性がある。タイヤ製造の目標は、製造において予測できない非一様性を最小限に抑える一方で、タイヤを非常に費用効率的に組み立てることである。
本発明の目的は、タイヤが成形される際のトレッド形成型の表面の影響を最小限に抑えるかまたは無くす方法を提供することである。
本発明の他の目的は、トレッドベルト、すなわちブレーカ補強構造をカーカスに組み付ける、より生産的な方法を提供することである。
他の目的は、トレッド形成面をトレッドゴムに結合させる方法を変更することである。
さらに他の目的は、トレッドベルト、すなわちブレーカ組立体を形成する新規の装置を提供し、この装置を他に例のないタイヤ組立てシステムに用いることである。
トレッドまたはトレッドベルト補強組立体を組み立て、タイヤ組立てドラム上に移す方法を開示する。各ステップは、少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を、半径方向に折畳み可能な組立てドラム上に張り付けることと、少なくとも1つの未硬化のトレッド部材および半径方向に折畳み可能な組立てドラムを、複数のトレッド形成セグメントが半径方向に拡張させられる、開いたセグメント化された型内に挿入することと、複数のトレッド形成セグメントを収縮させ、少なくとも1つの未硬化のトレッド部材に押し込むことと、組立てドラムを折り畳むことと、組立てドラムを取り外し、それによって少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を型内に移すこととを含んでいる。
本方法は、タイヤカーカスを型内に挿入することと、型を閉じることと、カーカスを加圧下で膨張させ、カーカスを少なくとも1つの未硬化のトレッド部材に接触させ、タイヤ組立体を形成することと、組立体を硬化させることとをさらに含む。
本方法は、各セグメントを閉じる前に少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を周囲温度よりも高い温度、最も好ましくは110℃以上に加熱し、各セグメントがトレッドに押し込まれる際に少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を加熱して柔らかくする他のステップを含んでいることが好ましい。
少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を張り付けるステップは、未硬化のトレッドゴムの1つまたは2つ以上の層またはストリップを張り付けてトレッド−ベルト補強組立体を形成する前に、コードで補強された1つまたは2つ以上のベルト層、ブレーカ層、オーバーレイ層、またはアンダーレイ層を組立てドラム上に張り付けることを含んでいてもよい。
トレッドまたはトレッドベルト補強組立体を組み立てて移す装置は、半径方向に拡大可能で軸方向に回転可能な支持手段と、支持手段を軸を中心として回転させる駆動手段と、支持手段上に滑動可能に取り付けられ、環状の組立て面を形成する複数の弧状または直線状のセグメントと、複数の弧状または直線状のセグメントを支持手段から取り外し、支持手段が収縮したときに複数の弧状または直線状のセグメントを半径方向に支持する移送手段とを有している。
本装置は、半径方向に拡大可能で軸方向に回転可能な支持手段を半径方向に拡大させ収縮させる手段をさらに含む。
好ましい装置は、半径方向に拡大可能で軸方向に回転可能な可搬の支持手段と、支持手段を軸を中心として回転させる駆動手段と、支持手段上に滑動可能に取り付けられ、環状の組立て面を形成する複数の弧状または直線状のセグメントと、半径方向に拡大可能で軸方向に回転可能な支持手段を半径方向に拡大させ収縮させる手段と、トレッドまたはトレッドベルト組立体が、可搬の支持手段上に取り付けられた複数の弧状または直線状のセグメント上に取り付けられている間、トレッドまたはトレッドベルト組立体を受け入れる手段とを有しており、該手段は半径方向に移動可能なトレッド形成セグメントを備えたセグメント化された型である。
この好ましい装置は、互いに隣接する一対の弧状または直線状のセグメント間に挿入された複数の弧状または直線状のギャップスパナをさらに有し、各一対の互いに隣接する弧状または直線状のセグメントは、半径方向に拡大した位置において少なくとも0.50インチ(1.25mm)の隙間を有し、ギャップスパナは、一対の互いに隣接するセグメントを跨ぎ、かつこれらのセグメントと重なり合う半径方向外側の表面を形成する。弧状または直線状のセグメントは、半径方向に収縮すると、周方向の隙間を小さくし、それによってトレッドまたはトレッドベルト補強組立体を支持している表面の長さを周方向に短くし、それによってトレッドまたはトレッドベルト組立体を開放する。
弧状または直線状のセグメントおよび互いに重なり合うギャップスパナは、支持手段上に取り付けられ完全に拡大させられると、型トレッド形成セグメントが閉じられるときにトレッドまたはトレッドベルト組立体が局所的に歪むのを防止する堅い内側表面を形成する。各セグメントが閉じられると、トレッドゴムがトレッド成形面に押し込まれ、トレッドまたはトレッドベルト補強組立体を固定する。トレッドまたはトレッドベルト補強組立体が固定されると、支持手段の弧状または直線状のセグメントが収縮し、トレッドまたはトレッドベルト組立体の内側表面を開放する。収縮後、型のトレッド形成セグメントが閉位置にありトレッドまたはトレッドベルト組立体を保持している間、収縮した弧状または直線状のセグメントを備えた可搬の支持手段全体を型から取り外すことができる。次に、未硬化のカーカスを型に入れ、型を閉じ、硬化プロセスを開始することができる。
定義
「エイペックス」は、ビードの半径方向上方に位置し、プライとプライ折り返しとの間に挿入された弾性フィラーを意味する。
「軸方向」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を意味する。
「ビード」は、プライコードで被覆され、構造リムに嵌るように、フリッパ、チッパ、エイペックス、トウガード、およびチェーファーのような他の補強部材と一緒にまたはそのような部材なしに形成された環状の引張り部材を有する、タイヤの部分を意味する。
「ブレーカ構造」は、互いに逆方向に向けられ、カーカスのプライ内の互いに平行な補強コードと同じであるかまたはそれより5°小さい角度、一般にはタイヤの赤道面に対して約20°から50°未満の角度を有する、互いに平行な補強コードの少なくとも2つの環状の層またはプライを指す。
「ベルト構造」は、トレッドの下に存在し、ビードに固定されておらず、タイヤの赤道面に対して17°から27°の範囲の左および右のコード角を有する、織り合わされたまたは織り合わされていない平行なコードの少なくとも2つの環状の層またはプライを意味する。
「カーカス」は、円筒形または環状にするのに適した長さで切断された、継ぎ合わされる、または既に継ぎ合わされたタイヤプライ材料および他のタイヤ部材の未加硫の薄層を意味する。成形タイヤを作るための加硫前にカーカスに追加の部材を付加してもよい。
「ケーシング」は、カーカス、ベルト補強部材、およびトレッドを除くタイヤの他の部材を意味する。
「チェーファー」は、ビードの外側に配置され、コードプライをリムから保護し、たわみをリムの上に分散させ、タイヤを密封する材料からなる細いストリップを指す。
「周方向」は、軸方向に垂直な環状トレッドの周囲表面に沿って延びている線または方向を意味する。
「コード」は、タイヤ内のプライを構成する補強フィラメント、ケーブル、またはストランドのうちの1つを意味する。
「赤道面(EP)」は、タイヤ内の回転軸に垂直であり、タイヤのトレッドの中心を通る平面を意味する。
「インナーライナまたはライナ」は、チューブレスタイヤの内側表面を形成し、タイヤ内に膨張流体を含む、エラストマまたは他の材料からなる層を意味する。
「オーバーレイ」は、ベルト構造よりも上のトレッドの下方に位置し、タイヤの赤道面に対して通常は0°から15°のコード角を有する、互いに平行なコードの1つまたは2つ以上の層を意味する。
「プライ」は、ゴムで被覆された互いに平行なコードの連続する層を意味する。
「ラジアル(半径方向)」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に半径方向に向かうかタイヤの回転軸から半径方向に離れる方向を意味する。
「ラジアルプライタイヤ」は、ビードからビードへ延びるプライコードがタイヤの赤道面に対して65°から90°の間のコード角で配置された、ベルトが巻かれた、すなわち周方向に制限された空気入りタイヤを意味する。
「断面高さ」は、タイヤの赤道面におけるタイヤの標準リム直径から外径までの半径方向距離を意味する。
「断面幅」は、ラベル付け、装飾、または保護バンドによるサイドウォールの高さを除く、タイヤが標準空気圧で24時間荷重なしで膨張させられているときおよび膨張させられた後の、タイヤの軸に平行な、タイヤのサイドウォールの外側間の最大直線距離を意味する。
「ショルダ」は、トレッド縁部のすぐ下の、サイドウォールの上部を意味する。
「ショルダゴムストリップ」は、カーカスのショルダ領域内に配置された弾性補強部材を意味する。
「サイドウォール」は、トレッドとビードとの間の、タイヤの弾性部分を意味する。
「部分組立体」は、コードで補強されたプライおよび他のタイヤ部材をケーシングを形成するために追加することのできる、薄層の補強されていないタイヤ部材からなる未加硫の組立体を意味する。
「トレッド」は、タイヤカーカスに結合されたときに、タイヤが標準荷重で標準的に膨張させられたときに道路に接触するタイヤの部分を含むゴム部材を意味する。
「トレッド幅」は、軸方向のトレッド面、すなわちタイヤの回転軸に平行な平面のアーク長を意味する。
「アンダーレイ」は、ベルト構造またはベルト構造の少なくとも1つの層の下に位置し、タイヤの赤道面に対して通常は0°から15°のコード角を有する、互いに平行なコードの1つまたは2つ以上の層を意味する。
図1を参照すると、本発明のトレッドまたはトレッドベルト組立体の組立てドラムの斜視図が示されている。図示のように、組立てドラム10は、半径方向に拡大・収縮可能な支持手段20を有している。支持手段20は、トレッドまたはトレッドベルト補強構造を表面24上に組み立てるための半径方向外側表面24を有している。この表面24は、トレッド組立て支持手段の周囲表面の周りにギャップスパナセグメント21によって連結された複数の弧状または直線状のセグメント22を有している。弧状または直線状のセグメント22およびギャップスパナセグメント21は、組立てドラム支持手段20上に滑動可能に取り付けられている。弧状のセグメント22の各々は、移送手段50上に配置された複数のピン54を受け入れる穴または開口55を有している。ピン54は、開口55内に押し込まれ、弧状または直線状のセグメント22およびギャップスパナセグメント21を組立体として支持手段20上に移し、かつ支持手段20から移す手段50を構成することができる。
本明細書では、セグメント22およびギャップスパナセグメント21の各々は、周方向または横方向に延びる平坦なまたは直線状の表面、あるいは弧状の表面を有していてもよい。以下では、各セグメントを全般的に弧状セグメントと呼ぶが、この表面が周方向または横方向に直線状であってもよいことを理解されたい。
図示のように、図1では、移送手段50は環状の移送リング51と案内リング52とを有している。図示のように、案内リング52はピン54上に滑動可能に挿入され、ピン54は移送リング51にしっかりと取り付けられている。移送手段50の外側の表面上に3つのノブ53が示されている。
図2を参照すると、組立てドラム10の断面図が移送手段50と一緒に示されている。移送手段50は、組立てドラム10にも弧状または直線状のセグメント22にも固定されていない状態で示されている。弧状または直線状のセグメント22とギャップスパナセグメント21との組合せは、一般にデッキと呼ばれる部分組立体を形成する。「デッキ」の用語は、一般的に船のデッキと同様の意味で用いられる。デッキは、トレッド組立体を立てるかまたは組み立てることのできる外側の表面である。本発明では、組立て面24を全般的にデッキ24と呼ぶ。弧状または直線状のセグメント22とギャップスパナセグメント21との組立体であるこのデッキ24は、デッキセグメントガイド116および117上に滑動可能に取り付けられている。デッキ24がこれらのガイド116,117上を滑動すると、図示のように、デッキセグメントロックピン115と呼ばれる戻り止め組立体がデッキ24に結合され、戻り止め組立体はデッキ24をドラム拡大セグメント114に固定する。デッキ組立体24を半径方向に拡大・収縮可能なトレッド組立てドラムから取り外す場合、移送手段50は、穴55に押し込まれ、ピン54がデッキセグメントロックピン115に係合し、それによってピン54が完全に係合したときにデッキ組立体24と組立てドラムを解放する。このことは図3および図4に示されている。移送手段50は、固定された後、図5に示されているようにデッキ組立体24を滑動可能に取り外すのに用いることができる。ピン54は、デッキ組立体24を半径方向に支持し、組立体24を取り外せるように図示の位置に保持する。取り外されたデッキ組立体24のこの斜視図は、デッキセグメントガイド116および117とドラム拡大セグメント114をより良く示している。図示のように、弧状または直線状のセグメント22のデッキセグメントロックピン115はピン54で固定されている。ばね129は、図6に示されているようにピン54が挿入されたときに収縮位置で使用される。ピン54が取り外されると、ばね129は自由になってロックピン115を解放し、ロックピン115が半径方向内側に延びて機構をロックすることが可能になる。このことは図6の断面図に示されている。
トレッドベルト組立てドラム10が半径方向に拡大しかつ半径方向に収縮して、トレッドベルト組立体を組み立てることのできる表面24を形成するには、組立てドラム10は、図7に示されているように組立てドラム組立体10全体を回転移動させる駆動手段30を受け入れなければならない。駆動手段30は、タイヤ組立てドラム組立体10を回転移動させることのできるモータ(不図示)に連結されている。駆動手段30は、図示のように、ねじ駆動軸101に連結され、ドラム高速取付け取付けコーン102の内側に埋め込まれた駆動スプライン100を含んでいる。高速取付け取付けコーン102は、ドラム組立体10を高速に着脱することを可能にする。ドラム高速取付け取付けコーン102は、図示のようにキー位置決めピン103を有するキー104と、図示のように長手方向に延びているキー溝105とを有している。ドラムの中央寄りハウジング106が図7の左側に示され、対応するドラムの外側寄りハウジング107が図7の右側に示されている。駆動手段30およびドラム組立体10の反対側に外側寄り支持コーン108がある。外側寄り支持コーン108はライブセンターリセプタクル109を有している。ライブセンターは、組立体全体が回転している間ドラム組立体を容易に回転させるのを可能にする。機構または装置10の内側中心を見ると、ボールねじまたはアクメねじのねじ組立体110がある。図示のように、ねじ組立体110は、一方が左ねじを有し、反対側が右ねじを有する2つの部材で構成されている。この2つの部材は、互いにピン止めされており、機構を同時に回転させる。左側は、ねじ110の一方の端部に連結された内側寄りのボールナットまたはアクメナット111であり、反対側すなわち外側寄りに、別のボールナットまたはアクメナット112が示されている。ボールねじ過荷重クラッチ機構が符号113で示されている。この機構113は、圧力がクラッチ113の能力を超えた場合に、軸110との係合を解除し、ドラム組立体10を折り畳むのを可能にする。このオーバライドクラッチ保護システム113によって、型が閉じるかまたは圧力がデッキ24の半径方向外側表面にかけられたときに、クラッチ113が解除されたときにデッキ24を折り畳むことができ、ユニットまたはドラムの全体をわずかに折り畳むのが可能になり、過荷重によって型または機構10の内部の動作を損なうことが防止される。デッキ24またはその弧状または直線状のセグメント22の半径方向のすぐ内側にドラム拡大セグメント114が示されている。ドラム拡大セグメント114は、図示のように、ねじ付き留め具125によって拡大セグメントベース123にねじ込み可能に結合されている。ドラム拡大セグメント114はまた、図示のようにピン122によって位置決めされている。拡大セグメントベース114の半径方向内側に、図示のように、ねじまたはねじ付き留め具126を用いて拡大セグメントベース123にねじ込んで取り付けられた、外側寄りのセグメントコーンブッシング121および内側寄りのセグメントコーンブッシング120がある。内側寄りのセグメントブッシング120の半径方向内側に、内側寄りの拡大コーン118がある。同様に、外側寄りのセグメントコーンブッシング121の外側寄りは、外側寄りの拡大コーン119の半径方向外側に位置している。ブッシング120および121は、それぞれ、内側寄りの拡大コーン118および外側寄りの拡大コーン119のコーン面に沿って滑動するように構成されている。図示のように、組立てドラム10は、半径方向外側のデッキ、すなわち組立て面24が半径方向に拡大しているような拡大位置にある。駆動軸101がベアリング127,128の内側で回転させられると、内側寄りのボールナット111および外側寄りのボールナット112が、それぞれ、内側寄りおよび外側寄りの両方の拡張コーン118,119を、組立てドラム10の中央平面に対して半径方向に押す。これらのコーン118,119が中央平面に対して押されると、その円錐状表面は、拡大するセグメントベース123およびそのブッシング120および119が円錐状表面に沿って滑動し、半径方向内側に収縮するのを可能にする。
完全に拡大した位置の図8Aを参照すると、弧状または直線状のセグメント22は、半径方向に完全に拡大した位置において各セグメント間に隙間Gが生じた状態で示されている。隙間Gは、互いに隣接するセグメント間で測定したときに少なくとも0.50インチ(1.25mm)であることが好ましい。ギャップスパナセグメント21は溝25内に拘束されている。ギャップスパナセグメント21の各々は、これらの溝25内に拘束されるローブ26を有している。ローブ26は、横方向に滑動してセグメント21,22を取り外すことができるが、弧状または直線状のセグメント22が図示のようにローブ26に係合するまで周方向にある程度移動できるように拘束されている。これによって、組立体10は径方向に数ミリメートルだけ拡大することができる。セグメント22の端部は、トレッドベルトの組立てのために適切な直径である場合にギャップスパナセグメント21が占める空間を形成する、面取りされた表面27を有している。収縮時には、図8Bに示されているように、弧状または直線状のセグメント22は互いに閉じられ、ギャップスパニングセグメント21は、図8Bに示されているように、ローブ26が弧状または直線状のセグメント22の内側表面に接触するように溝25内を移動させられる。これが行われると、互いに隣接する弧状または直線状セグメント22の間の隙間Gが閉じられ、各セグメント22は半径方向内側に収縮することが可能になる。この機能は、トレッドまたはトレッドベルト組立体が組立体24に組み付けられた後にトレッドまたはトレッドベルト組立体を容易に取り外せるように、トレッドまたはトレッドベルト組立体を組み立てることを可能にする。これについて以下に詳しく説明する。
図9を参照すると、トレッドドラム組立体10が示されており、一般的なトレッドベルト補強構造14が、デッキ24の外側表面、すなわち周囲表面に組み付けられた状態で示されている。図示のように、第1のベルト層16は、表面24に隣接するように示されている。第1のベルト層16の横縁部に、2つのベルト縁弾性ストリップ17がある。弾性ストリップ17同士の間には、第1のベルト層16に対して逆方向に向けられたコードを有する第2のベルト層15が挿入されている。オプションで、オーバーレイ18が図示されている。オーバーレイ18は、第2のベルト層15と第1のベルト層16と下に位置するゴムストリップ17を覆う、周方向に延びたコードで補強された構造である。オーバーレイ18の半径方向内側にトレッドゴムの未加硫層12がある。図示のように、トレッドゴム12は、巻かれて互いに隣接して配置されたゴムのストリップとして設けても、単一の層として設けてもよい。
図10を参照すると、トレッドベルト組立体14が組立て面に張り付けられた後、組立てドラム組立体全体を型2の内側に入れることができる。図示の実施形態では、トレッド組立体14は、半径方向に拡大した位置にあり、開いて拡大させられた型2の内側に配置された組立てドラム10上に取り付けられた状態に示されている。型2は、各側面のトレッド形成セグメント4と、底部プレート6と、一対のビード形成リング11および9と、頂部プレート8と、頂部プレート8に取り付けられたトレッド形成セグメント5とを有している。図11Aのように組立てドラムが型2の内側に挿入された後、型2が閉じられ、図示の特定の実施形態では、型セグメントがトレッドベルトドラム組立体10上のトレッドベルト組立体に対して収縮する。この方法では、次にトレッドゴム12がトレッドに押し込まれ、セグメント4の溝を形成する。各セグメントが完全に収縮した後、トレッドゴム12はトレッド形成セグメント4に付着する。図示のように、型が閉じられたときに、ゴムが比較的柔らかくなり、その結果、ゴムがトレッド形成セグメント4を容易に受け入れ、それに適合するように、トレッドゴム12を加熱するか、または高温で組立てドラム10に張り付けることが好ましい。トレッド12は約110℃、好ましくは90℃から110℃の間の温度で加熱すべきであると考えられる。説明したように圧力がかけられると、圧力が所望の限界を超えないと仮定した場合、トレッドベルト組立体14全体がトレッド形成セグメント4の内側表面に十分に付着する。型2が依然として閉じられている間、次に、トレッドベルトドラム組立体10を半径方向に収縮した位置に収縮させることが望ましい。トレッドベルト14はトレッド形成セグメント4内に残るであろう。ドラム10は、完全に引き込まれると、完全にトレッドベルト組立体14から解放され、図10に示されているように、型8の頂部プレートを、関連する連結された部材と一緒に取り外すことができる。型の頂部プレート8が取り外された後、トレッドドラム組立体10を型2から取り外すことができる。トレッドドラム組立体10が取り外された後、トレッドベルト14はセグメント4が閉じられた型2内に残され、グリーンカーカス72が既に取り付けられたタイヤ組立てドラム組立体7を型2内に配置することができる。図12に示されているように、カーカス組立てドラム組立体7は、型の輪郭に合わせて形成され、かつロック戻り止め74を用いて型内にロックされるアクスル70を有している。型が閉じられた後、気体流体または気体流がアクスル70を通じて内側に挿入され、内圧がカーカスにかけられ、カーカスがトレッドベルト組立体に界面で付着する。次に、タイヤは、図12に示されているようにこの自己固定型2内で硬化される。
型2が最初閉じられており、トレッド組立てドラム組立体10が型の内側にあるとき、型が位置ずれしているか、またはトレッドゴム12がセグメント4を閉じるうえで適切に揃えられていない場合、前述したように、クラッチ機構113が外れ、組立体10全体を折り畳むことが可能になり、それによって型2に損傷が生じることが防止される。
本発明は、トレッドベルト組立体14の組立てを組立てドラム10上で行うのを可能にし、かつ説明したように、組立てドラム10は可搬で移送可能であるため、組立体全体を型の内側に配置させることができ、それによってトレッドベルト組立体14をカーカス72に張り付ける前に型2に直接移すことができる。次に、トレッドベルト組立体10を折り畳んで型2から取り外すことができ、組立てドラム組立体7上のグリーンカーカス72全体を型2内に挿入し、所定の位置に固定し、加圧し、硬化させて完成品のタイヤを形成することができる。
タイヤを成形するこの方法は、自己固定に関する、引用によって全体的に本明細書に組み込まれる、「タイヤを硬化させる方法および自己固定タイヤ型(The Method For Curing Tires and a Self-Locking Tire Mold)」という名称の、2003年4月17日に出願された同時係属特許出願である米国特許出願第10/417,849号明細書に記載されている。カーカスが直接取り付けられるコア組立てドラム組立体7は、内容が引用によって全体的に本明細書に組み込まれる、「半径方向に膨張可能なタイヤ組立体ドラムおよびタイヤを形成する方法(Radially Expansible Tire Assembly Drum and Method for Forming Tires)」という名称の、2003年3月14日に出願された米国特許出願第10/388,733号明細書に記載されている。
本発明を実施する他の方法では、デッキ24が、厳密に型閉位置に嵌めるのに必要な直径よりも小さい外径に設定されている場合に、トレッド12またはトレッドベルト組立体14をデッキ24に張り付けることができる。通常は、トレッドベルト14の所望の最終直径よりも少なくとも0.5mm小さい寸法が選択される。この組立て方法では、トレッド12またはトレッドベルト組立体14が開かれた型2内に配置され、型2が閉じられ、型セグメント4が収縮させられてトレッドゴム12内に埋め込まれた後、駆動手段30を回転させ、組立てドラム10をわずかに小さい組立て直径から厳密な必要な型直径に拡大させることができる。この追加的な拡大によって、トレッド12またはトレッドベルト組立体14は型トレッド形成セグメント4にしっかりと押し込まれ、トレッド12またはトレッドベルト組立体14に確実にわずかな張力がかかって型トレッド形成セグメント4に押し込まれ、トレッド12またはトレッドベルト組立体14に確実にわずかな張力がかかる。次に、前述のように、デッキ24を引き込み、トレッド12またはトレッドベルト組立体14からデッキ24を外すことができる。
本発明のトレッドまたはトレッドベルト組立体の組立てドラムの斜視図である。 本発明のトレッドまたはトレッドベルト組立体の組立てドラムの断面図である。 組立てドラムの支持手段に固定されている移送手段の斜視図である。 図3の装置の断面図である。 支持手段が取り付けられ、かつ組立てドラムから分離されている移送手段を支持手段と共に示す斜視図である。 図5の装置の断面図である。 ドラムを回転させる駆動手段に取り付けられたトレッドまたはトレッドベルト組立体の組立てドラムの断面図であり、支持手段と過荷重クラッチ手段を半径方向に拡大させ収縮させる手段を示している。 完全に開いた位置に拡大した状態に示されているギャプスパナを備えている、互いに隣接する弧状または直線状のセグメントの断面図である。 図8Aに示されているのと同じ構成であるが、完全に折り畳まれて収縮した位置にある状態を示す図である。 支持面に張り付けられたトレッドベルト組立体を示す組立てドラム組立体の斜視図である。 組立てドラム上に取り付けられ、開いた型内に入れられているトレッドまたはトレッドベルト組立体の断面図である。 型が組立体上で閉じられている状態の、組立てドラム上に取り付けられたトレッドまたはトレッドベルト組立体の断面図である。 組立てドラムが折り畳まれ、かつ型から取り外されている状態の、型内のトレッドベルト組立体の断面図である。 型および折畳み可能な組立てドラム組立体上に取り付けられたカーカス組立体に硬化されているトレッドまたはトレッドベルト組立体の断面図である。
符号の説明
2 型
4 トレッド形成セグメント
5 トレッド形成セグメント
6 底部プレート
8 頂点プレート
9,11 ビード形成リング
10 組立てドラム
12 トレッドゴム
14 トレッドベルト補強構造
15 第2のベルト層
16 第1のベルト層
17 弾性ばね
18 オーバーレイ
20 支持手段
21 ギャップスパナセグメント
22 弧状または直線状のセグメント
24 表面(デッキ)
25 溝
26 ローブ
27 面取りされた表面
30 駆動手段
50 移送手段
51 移送リング
52 ガイドリング
53 ノブ
54 ピン
55 開口(穴)
70 アクスル
72 グリーンカーカス
74 ロック戻り止め
100 駆動スプライン
101 ねじ駆動軸
102 取付けコーン
103 キー位置合わせピン
104 キー
105 キー溝
106 中央寄りハウジング
107 外側寄りハウジング
108 外側寄り支持コーン
109 ライブセンターリセプタクル
110 ねじ組立体
111,112 ナット
113 ボールねじ過荷重クラッチ機構
114 ドラム拡大セグメント
115 デッキセグメントロックピン
116,117 デッキセグメントガイド
118 内側寄りの拡大コーン
119 外側寄りの拡大コーン
120 内側寄りのコーンブッシング
121 外側よりのコーンブッシング
122 ピン
123 拡張セグメント
125 ねじ付き留め具
127,128 ベアリング
129 ばね

Claims (3)

  1. タイヤ組立てドラム上のトレッドまたはトレッドベルト補強組立体の組立および移送方法であって、該方法を実行するための装置が、
    中心軸と、該中心軸に対して半径方向に拡大および収縮可能な部分とを有し、前記中心軸を中心に回転するように取り付けられる支持手段と、
    前記支持手段に接続し、該支持手段を前記中心軸を中心として回転させる駆動手段と、
    前記支持手段に取り外し可能に取り付けられ、前記中心軸を中心とした環状のタイヤ組立て面を形成し、前記支持手段に対する取り付けおよび取り外しの間は前記中心軸に平行な方向に滑動運動するように取り付けられた複数のタイヤ組立て面のセグメントと、
    複数の半径方向支持要素を有する移送手段であって、前記各半径方向支持要素が、前記中心軸に平行な方向への移動によって、前記複数のタイヤ組立て面のセグメントの対応する1つのセグメントと係合するようにされているとともに、前記支持手段が収縮したときに、前記複数のタイヤ組立て面のセグメントの前記対応する1つのセグメントを半径方向に支持するようになっている移送手段と、を有し、
    前記方法が、
    半径方向に収縮可能な前記組立てドラム上に、少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を張り付けることと、
    複数のトレッド形成セグメントが半径方向に拡げられた、セグメント化された開いた型内に、前記少なくとも1つの未硬化のトレッド部材と半径方向に収縮可能な前記組立てドラムとを挿入することと、
    前記複数のトレッド形成セグメントを収縮させ、前記少なくとも1つの未硬化のトレッド部材に前記複数のトレッド形成セグメントを押し込むことと、
    前記組立てドラムを収縮させることと、
    前記組立てドラムを取り外し、それによって前記少なくとも1つの未硬化のトレッド部材を前記型内に移すことと、
    を含む、タイヤ組立てドラム上のトレッドまたはトレッドベルト補強組立体の組立および移送方法。
  2. トレッドまたはトレッドベルト補強組立体の組立および移送装置であって、
    中心軸と、該中心軸に対して半径方向に拡大および収縮可能な部分とを有し、前記中心軸を中心に回転するように取り付けられる支持手段と、
    前記支持手段に接続し、該支持手段を前記中心軸を中心として回転させる駆動手段と、
    前記支持手段に取り外し可能に取り付けられ、前記中心軸を中心とした環状のタイヤ組立て面を形成し、前記支持手段に対する取り付けおよび取り外しの間は前記中心軸に平行な方向に滑動運動するように取り付けられた複数のタイヤ組立て面のセグメントと、
    複数の半径方向支持要素を有する移送手段であって、前記各半径方向支持要素が、前記中心軸に平行な方向への移動によって、前記複数のタイヤ組立て面のセグメントの対応する1つのセグメントと係合するようにされているとともに、前記支持手段が収縮したときに前記複数のタイヤ組立て面のセグメントの前記対応する1つのセグメントを半径方向に支持するようになっている移送手段と、
    を有する、トレッドまたはトレッドベルト補強組立体の組立および移送装置。
  3. 前記支持手段を半径方向に拡大させ収縮させる手段と、
    記支持手段上に取り付けられた前記複数のタイヤ組立て面のセグメント上に取り付けられたままの前記トレッドまたはトレッドベルト組立体を受け入れる手段であって、該手段は半径方向に移動可能なトレッド形成セグメントを備えたセグメント化された型である手段と、をさらに有する請求項2に記載のトレッドまたはトレッドベルト補強組立体の組立および移送装置。
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