JP4515047B2 - 弾性膜、基板保持装置、研磨装置、及び研磨方法 - Google Patents

弾性膜、基板保持装置、研磨装置、及び研磨方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置、特に、半導体ウェハ等の基板を研磨して平坦化する研磨装置において該基板を保持する基板保持装置および該基板保持装置に使用される弾性膜に関するものである。また、本発明は、かかる基板保持装置を備えた研磨装置および該基板保持装置を用いた研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスがますます微細化され素子構造が複雑になり、またロジック系の多層配線の層数が増えるに伴い、半導体デバイスの表面の凹凸はますます増え、段差が大きくなる傾向にある。半導体デバイスの製造では薄膜を形成し、パターンニングや開孔を行う微細加工の後、次の薄膜を形成するという工程を何回も繰り返すためである。
【0003】
半導体デバイスの表面の凹凸が増えると、薄膜形成時に段差部での膜厚が薄くなったり、配線の断線によるオープンや配線層間の絶縁不良によるショートが起こったりするため、良品が取れなかったり、歩留まりが低下したりする傾向がある。また、初期的に正常動作をするものであっても、長時間の使用に対しては信頼性の問題が生じる。更に、リソグラフィ工程における露光時に、照射表面に凹凸があると露光系のレンズ焦点が部分的に合わなくなるため、半導体デバイスの表面の凹凸が増えると微細パターンの形成そのものが難しくなるという問題が生ずる。
【0004】
従って、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学的機械的研磨(CMP(Chemical Mechanical Polishing))である。この化学的機械的研磨は、研磨装置を用いて、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド等の研磨面上に供給しつつ半導体ウェハなどの基板を研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
【0005】
この種の研磨装置は、研磨パッドからなる研磨面を有する研磨テーブルと、半導体ウェハを保持するためのトップリング又はキャリアヘッド等と称される基板保持装置とを備えている。このような研磨装置を用いて半導体ウェハの研磨を行う場合には、基板保持装置により半導体ウェハを保持しつつ、この半導体ウェハを研磨面に対して所定の圧力で押圧する。このとき、研磨テーブルと基板保持装置とを相対運動させることにより半導体ウェハが研磨面に摺接し、半導体ウェハの表面が平坦かつ鏡面に研磨される。
【0006】
このような研磨装置において、研磨中の半導体ウェハと研磨パッドの研磨面との間の相対的な押圧力が半導体ウェハの全面に亘って均一でない場合には、半導体ウェハの各部分に与えられる押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。例えば、上記研磨パッドは弾性を有するため、研磨中の半導体ウェハの外周縁部に加わる押圧力が大きくなり、半導体ウェハの外周縁部のみが多く研磨される、いわゆる「縁だれ」を起こしてしまう場合がある。
【0007】
このような縁だれを防止するため、半導体ウェハの外周縁をガイドリング又はリテーナリングによって保持すると共に、ガイドリング又はリテーナリングによって半導体ウェハの外周縁側に位置する研磨面を押圧する構造を備えた基板保持装置が用いられている。また、半導体ウェハに対する押圧力を均一化するために、基板保持装置の下部に弾性膜から形成される圧力室を設け、この圧力室に空気などの流体を供給することで弾性膜を介して流体圧により半導体ウェハを押圧することが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した基板保持装置では、弾性膜から形成される圧力室は流体圧を受けて変形することになるため、圧力室に流体を供給するに従って弾性膜が半導体ウェハから局所的に離れてしまう。このため、半導体ウェハに対する押圧力が局所的に低下し、半導体ウェハの被研磨面全体に亘って均一な研磨レートが得られないという問題が生じていた。
【0009】
このような問題は弾性膜の硬度が高いほど顕著に現れるため、硬度の低い弾性膜を用いることによって弾性膜と半導体ウェハとの接触範囲を保持しようとする試みもなされている。しかしながら、硬度の低い弾性膜は機械的強度が弱いため、弾性膜に亀裂が生じやすく、弾性膜を頻繁に交換する必要が生じるという問題があった。
【0010】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、基板の被研磨面の全体に亘って均一な研磨レートを得ることができる弾性膜、基板保持装置及びこのような基板保持装置を用いた研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、基板に当接する当接部と、前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部から構成され、前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続されており、前記径方向外側に延びて前記当接部に接続される部位の径方向の寸法は、前記第2の折り返し部の径方向の寸法よりも大きく、前記第2の周壁部の径方向外側には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成されることを特徴とする。
本発明の他の態様は、基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、前記研磨面に対して垂直方向に移動可能な可動部材と、弾性膜により形成された圧力室とを備え、前記弾性膜は、前記基板に当接する当接部と、前記当接部を前記可動部材に接続する周壁部とを備え、前記周壁部は、前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部から構成され、前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続されており、前記径方向外側に延びて前記当接部に接続される部位の径方向の寸法は、前記第2の折り返し部の径方向の寸法よりも大きく、前記第2の周壁部の径方向外側には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成され、前記伸縮部は前記研磨面に対して垂直方向に伸縮自在であり、前記弾性膜は一体的構成を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、流体の圧力室への供給に伴って伸縮部が研磨面に対して垂直方向に伸びるため、弾性膜の当接部の形状を保持することができる。従って、弾性膜(当接部)と基板との接触範囲を一定に保つことが可能になり、基板の被研磨面の全体に亘って均一な研磨レートを得ることが可能となる。また、伸縮部によって弾性膜と基板との接触を良好に維持できるので硬度の高い弾性膜を用いることが可能となり、弾性膜の耐久性を高めることができる。この場合において、硬度の高い弾性膜は、硬度の低い弾性膜に比べて基板と弾性膜(当接部)との接触範囲を良好に維持することができ、安定した研磨レートを得ることが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記弾性膜は一体的構成を有することを特徴とする。
本発明によれば、圧力室から流体が漏洩してしまうことを防止することができる。また、研磨終了後において当接部から基板を容易にリリースすることができる。すなわち、複数の分割体に分割された弾性膜を用いた場合、一部の分割体が基板に密着して基板のリリースがスムーズに行われない場合があるが、一体的に形成された(一体型の)弾性膜では、基板を当接部からスムーズにリリースすることができる。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記当接部の外縁部には、略上方に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記傾斜部は曲線状の断面形状を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記傾斜部は直線状の断面形状を有することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、基板の外周縁部と弾性膜とが非接触に維持されるので、基板の外周縁部において押圧力は加えられず、これによって基板の外周縁部が過剰に研磨されてしまうことが防止できる。
【0016】
本発明の好ましい態様は、前記傾斜部は薄肉に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、流体圧により傾斜部が変形しやすくなるので、傾斜部を基板の外周縁部に所望の押圧力で接触させることができる。従って、基板の外周縁部における研磨レートを独立に制御することが可能となる。
【0017】
本発明の他の態様は、研磨面を有する研磨テーブルと、上記基板保持装置とを備えたことを特徴とする研磨装置である。
また、本発明の他の態様は、上記基板保持装置で基板を保持し、前記基板を研磨テーブルの研磨面の上方に移動させ、前記基板保持装置の可動部材を下降させ、前記基板保持装置の第1の圧力室および第2の圧力室に加圧流体を供給して前記可動部材を上昇させるとともに、前記基板保持装置の弾性膜の当接部により前記基板を前記研磨面に対して押圧し、前記研磨面に研磨液を供給しながら、前記基板保持装置と前記研磨テーブルとを回転させて前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す断面図である。ここで、基板保持装置は、研磨対象物である半導体ウェハ等の基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧する装置である。図1に示すように、本発明に係る基板保持装置としてのトップリング1の下方には、上面に研磨パッド101を貼付した研磨テーブル100が設置されている。また、研磨テーブル100の上方には研磨液供給ノズル102が設置されており、この研磨液供給ノズル102から研磨パッド101上に形成される研磨面101aに研磨液Qが供給されるようになっている。
【0019】
なお、市場で入手できる研磨パッドとしては種々のものがあり、例えば、ロデール社製のSUBA800、IC−1000、IC−1000/SUBA400(二層クロス)、フジミインコーポレイテッド社製のSurfin xxx−5、Surfin 000等がある。SUBA800、Surfin xxx−5、Surfin 000は繊維をウレタン樹脂で固めた不織布であり、IC−1000は硬質の発泡ポリウレタン(単層)である。発泡ポリウレタンは、ポーラス(多孔質状)になっており、その表面に多数の微細なへこみ又は孔を有している。
【0020】
トップリング1は、自在継手部10を介してトップリング駆動軸11に接続されており、トップリング駆動軸11はトップリングヘッド110に固定されたトップリング用エアシリンダ111に連結されている。このトップリング用エアシリンダ111によってトップリング駆動軸11は上下動し、トップリング1の全体を昇降させると共にトップリング本体2の下端に固定されたリテーナリング3を研磨パッド101に押圧するようになっている。トップリング用エアシリンダ111はレギュレータR1を介して圧力調整部120に接続されている。この圧力調整部120は、加圧流体源から加圧空気等の加圧流体を供給することによって、あるいは真空ポンプ等により真空引きすることによって圧力の調整を行うものである。この圧力調整部120によってトップリング用エアシリンダ111に供給される加圧流体の圧力をレギュレータR1を介して調整することができる。これにより、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を調整することができる。
【0021】
また、トップリング駆動軸11はキー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。この回転筒112はその外周部にタイミングプーリ113を備えている。トップリングヘッド110にはトップリング用モータ114が固定されており、上記タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してトップリング用モータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。従って、トップリング用モータ114を回転駆動することによってタイミングプーリ116、タイミングベルト115、及びタイミングプーリ113を介して回転筒112及びトップリング駆動軸11が一体に回転し、トップリング1が回転する。なお、トップリングヘッド110は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたトップリングヘッドシャフト117によって支持されている。
【0022】
以下、本発明に係る基板保持装置を構成するトップリング1についてより詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施形態におけるトップリングを示す縦断面図である。
図2に示すように、基板保持装置を構成するトップリング1は、内部に収容空間を有する円筒容器状のトップリング本体2と、トップリング本体2の下端に固定された環状のリテーナリング3とを備えている。トップリング本体2は金属やセラミックス等の強度及び剛性が高い材料から形成されている。また、リテーナリング3は、剛性の高い樹脂材又はセラミックス等から形成されている。
【0023】
トップリング本体2は、円筒容器状のハウジング部2aと、ハウジング部2aの内周面に嵌合される環状の加圧シート支持部2bと、ハウジング部2aの上部に配置される環状のシール部2cとを備えている。ハウジング部2aの下端にはリテーナリング3が固定されている。このリテーナリング3の下部は内方に突出している。なお、リテーナリング3をトップリング本体2と一体的に形成することとしてもよい。
【0024】
トップリング本体2のハウジング部2aの中央部の上方には、上述したトップリング駆動軸11が配設されており、トップリング本体2とトップリング駆動軸11とは自在継手部10により連結されている。この自在継手部10は、トップリング本体2及びトップリング駆動軸11とを互いに傾動可能とする球面軸受機構と、トップリング駆動軸11の回転をトップリング本体2に伝達する回転伝達機構とを備えており、トップリング駆動軸11からトップリング本体2に対して互いの傾動を許容しつつ押圧力及び回転力を伝達する。
【0025】
球面軸受機構は、トップリング駆動軸11の下面の中央に形成された球面状凹部11aと、ハウジング部2aの上面の中央に形成された球面状凹部2dと、両凹部11a,2d間に介装されたセラミックスのような高硬度材料からなるベアリングボール12とから構成されている。一方、回転伝達機構は、トップリング駆動軸11に固定された駆動ピン(図示せず)とハウジング部2aに固定された被駆動ピン(図示せず)とから構成される。トップリング本体2が傾いても被駆動ピンと駆動ピンは相対的に上下方向に移動可能であるため、これらは互いの接触点をずらして係合し、回転伝達機構がトップリング駆動軸11の回転トルクをトップリング本体2に確実に伝達する。
【0026】
トップリング本体2とトップリング本体2に一体に固定されたリテーナリング3との内部に画成された空間内には、環状のホルダーリング5と、トップリング本体2内部の収容空間内で上下方向に移動可能な概略円盤状のチャッキングプレート(可動部材)6とが収容されている。ここで、上下方向とは、研磨面101aに対して垂直な方向を意味する。このチャッキングプレート6は金属材料から形成されていてもよいが、研磨すべき半導体ウェハがトップリングに保持された状態で、渦電流を用いた膜厚測定方法でその表面に形成された薄膜の膜厚を測定する場合などにおいては、磁性を持たない材料、例えば、PPS、PEEK、フッ素系樹脂やセラミックスなどの絶縁性の材料から形成されていることが好ましい。
【0027】
ホルダーリング5とトップリング本体2との間には弾性を有する加圧シート13が張設されている。この加圧シート13は、一端をトップリング本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込み、他端をホルダーリング5とチャッキングプレート6との間に挟み込んで固定されている。トップリング本体2、チャッキングプレート6、ホルダーリング5、及び加圧シート13によってトップリング本体2の内部に圧力室21が形成されている。図2に示すように、圧力室21にはチューブ、コネクタ等からなる流体路32が連通されており、圧力室21は流体路32上に配置されたレギュレータR2を介して圧力調整部120に接続されている。流体路32は、トップリング駆動軸11の内部を通り、トップリング駆動軸11の上端に取り付けられたロータリージョイント121を経由して圧力調整部120に接続されている。なお、加圧シート13は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0028】
なお、加圧シート13がゴムなどの弾性体である場合に、加圧シート13をリテーナリング3とトップリング本体2との間に挟み込んで固定した場合には、弾性体としての加圧シート13の弾性変形によってリテーナリング3の下面において好ましい平面が得られなくなってしまう。従って、これを防止するため、本実施形態では、別部材として加圧シート支持部2bを設けて、これをトップリング本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込んで固定している。なお、リテーナリング3をトップリング本体2に対して上下動可能としたり、リテーナリング3をトップリング本体2とは独立に押圧可能な構造としたりすることもでき、このような場合には、必ずしも上述した加圧シート13の固定方法が用いられるとは限らない。
【0029】
チャッキングプレート6の下部には、半導体ウェハWに当接する弾性膜(メンブレン)7が取付けられている。弾性膜7は、半導体ウェハWの上面全体に当接する円形の当接部8と、この当接部8から上方に延びてチャッキングプレート6に接続される環状の周壁部、すなわち、第1の周壁部9a、第2の周壁部9b、第3の周壁部9c、及び第4の周壁部9d(以下、総称するときは周壁部9a〜9dという)とを備えている。弾性膜7は1ピース部材として一体的構成を有している。
【0030】
第1の周壁部9aは当接部8の外周端に配置されている。第2の周壁部9bは、第1の周壁部9aと所定の距離を介して第1の周壁部9aの径方向内側に配置されている。第3の周壁部9cは、第2の周壁部9bと所定の距離を介して第2の周壁部9bの径方向内側に配置されている。第4の周壁部9dは、第3の周壁部9cと所定の距離を介して第3の周壁部9cの径方向内側に配置されている。第1の周壁部9a、第2の周壁部9b、第3の周壁部9c、及び第4の周壁部9dは、同心上に配列されている。
【0031】
第1の周壁部9a及び第2の周壁部9bのそれぞれの上端は、チャッキングプレート6と環状のエッジリング4との間に挟み込まれている。また、第3の周壁部9c及び第4の周壁部9dのそれぞれの上端は、チャッキングプレート6と環状のホルダー15との間に挟み込まれている。エッジリング4及びホルダー15は、それぞれ図示しないボルトを介してチャッキングプレート6に固定されており、これにより弾性膜7がチャッキングプレート6に着脱可能に取付けられる。
【0032】
弾性膜7は、加圧シート13と同様に、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。また、弾性膜7を形成するゴム材としては、硬度(duro)が20〜60のものが好適に使用される。なお、弾性膜7が備える周壁部は1つでもよく、また、本実施形態のように複数の周壁部を備えてもよい。
【0033】
弾性膜7の裏側(上側)には4つの圧力室22,23,24,25が形成されている。すなわち、当接部8、第1の周壁部9a、第2の周壁部9b、及びエッジリング4によって画成される環状の空間は、圧力室22として構成されている。この圧力室22にはチューブ、コネクタ等からなる流体路33が連通しており、圧力室22はこの流体路33上に配置されたレギュレータR3を介して圧力調整部120に接続されている。
【0034】
当接部8、第2の周壁部9b、第3の周壁部9c、及びチャッキングプレート6によって画成される環状の空間は、圧力室23として構成されている。この圧力室23にはチューブ、コネクタ等からなる流体路34が連通しており、圧力室23はこの流体路34上に配置されたレギュレータR4を介して圧力調整部120に接続されている。
【0035】
当接部8、第3の周壁部9c、第4の周壁部9d、及びチャッキングプレート6によって画成される環状の空間は、圧力室24として構成されている。この圧力室24にはチューブ、コネクタ等からなる流体路35が連通しており、圧力室24はこの流体路35上に配置されたレギュレータR5を介して圧力調整部120に接続されている。
【0036】
当接部8、第4の周壁部9d、及びチャッキングプレート6によって画成される環状の空間は、圧力室25として構成されている。この圧力室25にはチューブ、コネクタ等からなる流体路36が連通しており、圧力室25はこの流体路36上に配置されたレギュレータR6を介して圧力調整部120に接続されている。なお、上記流体路32,33,34,35,36はトップリング駆動軸11の内部を通り、ロータリージョイント121を介して各レギュレータR2〜R6に接続されている。
【0037】
チャッキングプレート6の上方に形成される圧力室21及び上記圧力室22,23,24,25には、各圧力室に連通する流体路32,33,34,35,36を介して加圧空気等の加圧流体を供給する、あるいは大気圧や真空にすることができるようになっている。即ち、流体路32〜36上に配置されたレギュレータR2〜R6によってそれぞれの圧力室21〜25に供給される加圧流体の圧力を調整することができる。これにより各圧力室21〜25の内部の圧力を各々独立に制御する又は大気圧や真空にすることができるようになっている。
【0038】
また、各圧力室22,23,24,25の内部の圧力は、研磨テーブル100に1つ又は複数埋め込まれた、半導体ウェハWの被研磨面上の膜厚を測定する膜厚測定装置の測定結果によって各々独立に制御される。ここで、膜厚測定装置としては、光の干渉や反射を利用した光学式膜厚測定装置や、渦電流式膜厚測定装置などが挙げられる。膜厚測定装置からの信号を半導体ウェハWの半径方向の位置に基づいて解析し、同心円状に形成された各圧力室22,23,24,25の内部圧力を制御する。
【0039】
この場合において、各圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体や大気圧開放時に各圧力室に流入する空気の温度をそれぞれ制御することとしてもよい。このようにすれば、半導体ウェハ等の研磨対象物の被研磨面の裏側から研磨対象物の温度を直接制御することができる。特に、各圧力室の温度を独立に制御することとすれば、CMPにおける化学的研磨の化学反応速度を制御することが可能となる。ここで、各圧力室22,23,24,25の温度制御は、上述した各圧力室の圧力制御と同様に、上述した膜厚測定装置からの信号を基に制御することが多い。
【0040】
ハウジング部2aの上面の外周縁付近には、環状の溝からなる洗浄液路51が形成されており、この洗浄液路51にシール部2cが嵌合されている。洗浄液路51は流体路30に連通されており、この流体路30を介して洗浄液(純水)が供給される。また、洗浄液路51から延びハウジング部2a及び加圧シート支持部2bを貫通する連通孔53が複数箇所設けられており、この連通孔53は弾性膜7の外周面(第1の周壁部9a)とリテーナリング3との間のわずかな間隙G及び空気抜き孔54へ連通されている。
【0041】
弾性膜7の外周面とリテーナリング3との間には、わずかな間隙Gがあるので、ホルダーリング5、チャッキングプレート6、及び弾性膜7等の部材は、トップリング本体2及びリテーナリング3に対して上下方向に移動可能で、フローティングする構造となっている。チャッキングプレート6には、その外周縁部から外方に突出する突起6cが複数箇所に設けられており、この突起6cがリテーナリング3の内方に突出している部分の上面に係合することにより、上記チャッキングプレート6等の部材の下方への移動が所定の位置までに制限される。
【0042】
ここで、本実施形態に係る弾性膜7について図3(a)及び図3(b)を参照して詳細に説明する。図3(a)は本発明の第1の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図3(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。なお、図3(a)及び図3(b)では、簡略化のために弾性膜以外の構成については模式化する。
【0043】
図3(a)に示すように、第1の周壁部9aは上下方向に、即ち、研磨面101aに対して垂直方向に伸縮自在な伸縮部40aを有している。この伸縮部40aは、第1の周壁部9aの当接部8に影響を及ぼさない略中央部において径方向内側に突出する折り返し部から構成されている。また、第2の周壁部9bにも上下方向に伸縮自在な伸縮部40bが設けられている。この伸縮部40bは、第2の周壁部9bの下端近傍において径方向内側に延びる水平部40b−1と、この水平部40b−1に設けられた上方に突出する折り返し部40b−2とから構成されている。この折り返し部40b−2は研磨面101aに対して水平方向に伸びるようになっている。
【0044】
第3の周壁部9cは、上下方向に伸縮自在な伸縮部40cを有している。この伸縮部40cは、第3の周壁部9cの下端近傍において径方向外側に延びる水平部40c−1と、この水平部40c−1に設けられた上方に突出する折り返し部40c−2とから構成されている。また、第4の周壁部9dにも上下方向に伸縮自在な伸縮部40dが設けられている。この伸縮部40dは、第4の周壁部9dの下端近傍において径方向内側に延びる水平部40d−1と、この水平部40d−1に設けられた上方に突出する折り返し部40d−2とから構成されている。折り返し部40c−2及び折り返し部40d−2は、いずれも研磨面101aに対して水平方向に伸びるようになっている。
【0045】
このような伸縮部40a,40b,40c,40dを周壁部9a〜9dにそれぞれ設けたことにより、当接部8の形状を保持した状態で周壁部9a〜9dを伸縮させることができる。すなわち、伸縮部40a,40b,40c,40dを含む周壁部9a〜9dの上下方向の伸び量を均一にすることができる。従って、図3(b)に示すように、圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給してチャッキングプレート6(図2参照)が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,40b,40c,40dが追従して伸張し、弾性膜7(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0046】
次に、上述のように構成されたトップリング1の動作について詳細に説明する。
上記構成の研磨装置において、半導体ウェハWの搬送時には、トップリング1の全体を半導体ウェハWの移送位置に位置させる。研磨対象となる半導体ウェハWの直径が200mmの場合は圧力室23を、300mmの場合は圧力室24を流体路34又は流体路35を介して圧力調整部120に連通させ、圧力調整部120を介して圧力室23又は圧力室24を真空引きする。圧力室23及び圧力室24を構成する当接部8には孔若しくは切欠き(図示しない)が形成されており、この孔若しくは切欠きを介してトップリング1の下端面に半導体ウェハWが直接吸着され保持される。そして、半導体ウェハWを保持した状態でトップリング1を移動させ、トップリング1の全体を研磨面101aを有する研磨テーブル100の上方に位置させる。なお、半導体ウェハWの側端部はリテーナリング3によって保持され、半導体ウェハWがトップリング1から飛び出さないように、若しくは半導体ウェハWが横ズレしないようになっている。
【0047】
次いで、半導体ウェハWの吸着を解除し、それとほぼ同時に、トップリング駆動軸11に連結されたトップリング用エアシリンダ111を作動させてトップリング1の下端に固定されたリテーナリング3を所定の押圧力で研磨面101aに押圧する。この状態で圧力室21に加圧流体を供給してチャッキングプレート6を下降させ、弾性膜7の当接部8を半導体ウェハWの上面に均一に接触させる。その後、圧力室22,23,24,25にそれぞれ所定の圧力の加圧流体を供給し、チャッキングプレート6を上昇させると共に、半導体ウェハWを研磨面101aに押圧する。この時、チャッキングプレート6の上昇に追従して弾性膜7の伸縮部40a,40b,40c,40dが伸張するため、弾性膜7の下面(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲が一定に維持される。その後、研磨液供給ノズル102から研磨液Qを研磨面101aに流しながらトップリング1と研磨テーブル100とをそれぞれ回転させる。これにより、研磨パッド101の研磨面101aに研磨液Qが保持され、半導体ウェハWの研磨される面(下面)と研磨パッド101との間に研磨液Qが存在した状態で研磨が行われる。
【0048】
本実施形態では、加圧流体の圧力が小さい場合でも、各圧力室22,23,24,25を良好に膨らませることができるので、より少ない押圧力で半導体ウェハWを押圧することができる。従って、Cu配線の絶縁膜として硬度が低いlow−k材(低誘電率層間絶縁膜)が形成された半導体ウェハを研磨する場合において、このlow−k材を破壊することなく研磨することが可能となる。
【0049】
上述の構成では、リテーナリング3が研磨面101aに摺接されながら研磨が行われるため、リテーナリング3が経時的に磨耗する。このため、チャキングプレート6の下面と半導体ウェハWとの距離が短くなる。従来の基板保持装置では、チャッキングプレートと半導体ウェハとの距離が短くなると、弾性膜と半導体ウェハとの接触範囲が変化して研磨プロファイルが変化するという問題が生じていた。本実施形態では、このような場合でも、伸縮部40a,40b,40c,40dがリテーナリング3の磨耗に追従して上方に縮むので、半導体ウェハWと弾性膜7(当接部8)との接触範囲が一定に維持され、研磨プロファイルの変化を防止することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、一体的に形成された弾性膜を用いたが、これに限らず、当接部に周方向に延びる切れ目を設けることで複数の分割体に分割された弾性膜を用いてもよい。この場合でも、上述のような伸縮部を設けることにより、半導体ウェハと弾性膜(当接部)との接触範囲が一定に維持され、これにより半導体ウェハの被研磨面全体に亘って均一な研磨レートを得ることができる。
【0051】
半導体ウェハWの圧力室22,23,24,25の下方に位置する部分は、それぞれ圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体の圧力で研磨パッド101(研磨面101a)に押圧される。従って、圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体の圧力をそれぞれ制御することにより、半導体ウェハWの全面を均一な力で研磨パッド101に押圧することができ、半導体ウェハWの被研磨面全体に亘って均一な研磨レートを得ることができる。また、同様に、レギュレータR2によって圧力室21に供給される加圧流体の圧力を調整し、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を変更することができる。このように、研磨中に、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力と各圧力室22,23,24,25が半導体ウェハWを研磨パッド101に押圧する押圧力を適宜調整することにより、半導体ウェハWの研磨プロファイルを制御することができる。
【0052】
上述のようにして、トップリング用エアシリンダ111によるリテーナリング3の研磨パッド101への押圧力と、圧力室22,23,24,25に供給される加圧流体による半導体ウェハWの研磨パッド101への押圧力とを適宜調整して半導体ウェハWの研磨が行われる。そして、研磨が終了した際は、圧力室22,23,24,25への加圧流体の供給を止め、圧力室22,23,24,25を大気圧に開放する。次いで、圧力室21に加圧流体を供給してチャッキングプレート6を下降させ、当接部8を半導体ウェハWの上面に均一に密着させる。この状態で、半導体ウェハWをトップリング1の下端面に再び真空吸着させる。その後すぐに圧力室21内の圧力を大気圧に開放するか、もしくは負圧にする。これは、圧力室21の圧力を高いままにしておくと、チャッキングプレート6の下面によって半導体ウェハWが研磨面101aに局所的に押圧されることになってしまうためである。
【0053】
上述のように半導体ウェハWを吸着させた後、トップリング1の全体を半導体ウェハの移送位置に位置させ、圧力室23又は圧力室24の下部に形成された孔若しくは切欠き(図示せず)による真空吸着を解除する。そして、圧力室22,23,24,25に所定圧の加圧流体を供給し、上記孔若しくは切欠きから加圧流体を半導体ウェハWに噴射して半導体ウェハWをリリースする。
【0054】
ところで、弾性膜7の外周面とリテーナリング3との間のわずかな間隙Gには、研磨に用いられる研磨液Qが浸入してくるが、この研磨液Qが弾性膜7の外周面やリテーナリング3に固着すると、ホルダーリング5、チャッキングプレート6、及び弾性膜7などの部材のトップリング本体2及びリテーナリング3に対する円滑な上下動が妨げられる。そのため、流体路30を介して環状の洗浄液路51に洗浄液(純水)を供給する。これにより、複数の連通孔53より間隙Gの上方に洗浄液が供給され、洗浄液が間隙Gに存在する研磨液Qを洗い流して研磨液Qの固着が防止される。この洗浄液の供給は、研磨後の半導体ウェハがリリースされ、次に研磨される半導体ウェハが保持されるまでの間に行われるのが好ましい。
【0055】
次に、本発明の第2の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図4(a)及び図4(b)を参照して説明する。図4(a)は本発明の第2の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図4(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。なお、図4(a)及び図4(b)では、簡略化のために弾性膜以外の構成については模式化する。また、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0056】
図4(a)に示すように、第2の周壁部9bには上下方向に伸縮自在な伸縮部42bが設けられている。この伸縮部42bは、第2の周壁部9bの下端近傍において、径方向内側及び外側にそれぞれ突出する2つの折り返し部42b−1,42b−2から構成されている。また、第3の周壁部9c及び第4の周壁部9dにも、上下方向に伸縮自在な伸縮部42c,42dがそれぞれ設けられている。伸縮部42cは、第3の周壁部9cの下端近傍において、径方向外側及び内側にそれぞれ突出する2つの折り返し部42c−1,42c−2から構成されている。伸縮部42dは、第4の周壁部9dの下端近傍において、径方向内側及び外側にそれぞれ突出する2つの折り返し部42d−1,42d−2から構成されている。
【0057】
このような伸縮部40a,42b,42c,42dを周壁部9a〜9dにそれぞれ設けたことにより、当接部8の形状を保持した状態で周壁部9a〜9dを伸縮させることができる。すなわち、伸縮部40a,42b,42c,42dを含む周壁部9a〜9dの上下方向の伸び量を均一にすることができる。従って、図4(b)に示すように、圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給してチャッキングプレート6(図2参照)が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,42b,42c,42dが追従して伸張し、弾性膜7(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。図5(a)は本発明の第3の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図5(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。なお、図5(a)及び図5(b)では、簡略化のために弾性膜以外の構成については模式化する。また、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0059】
図5(a)に示すように、第2の周壁部9bには上下方向に伸縮自在な伸縮部43bが設けられている。この伸縮部43bは、第2の周壁部9bの下端近傍において径方向外側に延びる水平部43b−1と、この水平部43b−1の内側端部に連続的に形成された径方向内側に突出する折り返し部43b−2とから構成されている。また、第3の周壁部9c及び第4の周壁部9dにも、上下方向に伸縮自在な伸縮部43c,43dがそれぞれ設けられている。伸縮部43cは、第3の周壁部9cの下端近傍において径方向内側に延びる水平部43c−1と、この水平部43c−1の外側端部に連続的に形成された径方向外側に突出する折り返し部43c−2とから構成されている。伸縮部43dは、第4の周壁部9dの下端近傍において径方向外側に延びる水平部43d−1と、この水平部43d−1の内側端部に連続的に形成された径方向内側に突出する折り返し部43d−2とから構成されている。
【0060】
このような伸縮部40a,43b,43c,43dを周壁部9a〜9dにそれぞれ設けたことにより、当接部8の形状を保持した状態で周壁部9a〜9dを伸縮させることができる。すなわち、伸縮部40a,43b,43c,43dを含む周壁部9a〜9dの上下方向の伸び量を均一にすることができる。従って、図5(b)に示すように、圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給してチャッキングプレート6(図2参照)が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,43b,43c,43dが追従して伸張し、弾性膜7(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0061】
次に、本発明の第4の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図6(a)及び図6(b)を参照して説明する。図6(a)は本発明の第4の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図6(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。なお、図6(a)及び図6(b)では、簡略化のために弾性膜以外の構成については模式化する。また、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0062】
図6(a)に示すように、第2の周壁部9bには上下方向に伸縮自在な伸縮部44bが設けられている。この伸縮部44bは、第2の周壁部9bの略中央部において、径方向外側に突出する折り返し部から構成されている。また、第3の周壁部9c及び第4の周壁部9dにも、上下方向に伸縮自在な伸縮部44c,44dがそれぞれ設けられている。伸縮部44cは、第3の周壁部9cの略中央部において、径方向内側に突出する折り返し部から構成されている。伸縮部44dは、第4の周壁部9dの略中央部において、径方向外側に突出する折り返し部から構成されている。
【0063】
このような伸縮部40a,44b,44c,44dを周壁部9a〜9dにそれぞれ設けたことにより、当接部8の形状を保持した状態で周壁部9a〜9dを伸縮させることができる。すなわち、伸縮部40a,44b,44c,44dを含む周壁部9a〜9dの上下方向の伸び量を均一にすることができる。従って、図5(b)に示すように、圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給してチャッキングプレート6(図2参照)が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,44b,44c,44dが追従して伸張し、弾性膜7(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0064】
次に、本発明の第5の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図7(a)及び図7(b)を参照して説明する。図7(a)は本発明の第5の実施形態に係る基板保持装置の一部を示す模式図であり、図7(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。なお、図7(a)及び図7(b)では、簡略化のために弾性膜以外の構成については模式化する。また、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0065】
図7(a)に示すように、第2の周壁部9bには上下方向に伸縮自在な伸縮部45bが設けられている。この伸縮部45bは、第2の周壁部9bの下端近傍において径方向外側に延びる水平部45b−1と、第2の周壁部9bの略中央部において径方向内側に突出する折り返し部45b−2とから構成されている。また、第3の周壁部9c及び第4の周壁部9dにも、上下方向に伸縮自在な伸縮部45c,45dがそれぞれ設けられている。伸縮部45cは、第3の周壁部9cの下端近傍において径方向内側に延びる水平部45c−1と、第3の周壁部9cの略中央部において径方向外側に突出する折り返し部45c−2とから構成されている。伸縮部45dは、第4の周壁部9dの下端近傍において径方向外側に延びる水平部45d−1と、第4の周壁部9dの略中央部において径方向内側に突出する折り返し部45d−2とから構成されている。
【0066】
このような伸縮部40a,45b,45c,45dを周壁部9a〜9dにそれぞれ設けたことにより、当接部8の形状を保持した状態で周壁部9a〜9dを伸縮させることができる。すなわち、伸縮部40a,45b,45c,45dを含む周壁部9a〜9dの上下方向の伸び量を均一にすることができる。従って、図5(b)に示すように、圧力室22,23,24,25に加圧流体を供給してチャッキングプレート6(図2参照)が上昇したときに、このチャッキングプレート6の動きに伸縮部40a,45b,45c,45dが追従して伸張し、弾性膜7(当接部8)と半導体ウェハWとの接触範囲を一定に維持することができる。
【0067】
次に、本発明の第6の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図8(a)乃至図8(c)を参照して説明する。図8(a)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第1例を示す部分拡大図であり、図8(b)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第2例を示す部分拡大図であり、図8(c)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第3例を示す部分拡大図である。なお、特に説明しない構成については上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0068】
図8(a)に示すように、弾性膜7の当接部8の外周縁部には、略上方に向かって傾斜する傾斜部8aが形成されている。この傾斜部8aは曲線状の断面形状を有している。このような構成により、圧力室22,23などに加圧流体を供給してチャッキングプレート6を上昇させたときでも、弾性膜7の当接部8と半導体ウェハWの外周縁部とを非接触に維持することができる。従って、半導体ウェハWの外周縁部には弾性膜7からの押圧力が加わらず、これにより、半導体ウェハWの外周縁部が過剰に研磨される、いわゆる「縁だれ」を防止することができる。
【0069】
なお、傾斜部8aと半導体ウェハWとの間に形成される空間には研磨液が溜まりやすくなるため、この空間を出来るだけ小さくすることが好ましい。従って、傾斜部8aの横方向(水平方向)の寸法よりも上下方向(垂直方向)の寸法を小さくすることが好ましい。また、本実施形態においては、第2の周壁部9bに形成されている伸縮部46bは、径方向外側に延びる水平部から形成されているが、第1乃至第5の実施形態において示した折り返し部を第2の周壁部9bに更に設けてもよい。
【0070】
図8(b)に示す第2例と図8(a)に示す第1例との相違点は、第2の周壁部9bの位置にある。すなわち、第2の周壁部9bの下端部は、第1の周壁部9aに近接した位置に設けられ、傾斜部8aは第2の周壁部9bの下端から上方に延びている。従って、圧力室23内に形成される圧力を半導体ウェハWの外周縁部より径方向内側の領域に加えることができる。
【0071】
図8(c)に示す第3例と図8(b)に示す第2例との相違点は、傾斜部8aの肉厚にある。すなわち、第3例では、傾斜部8aは、当接部8の水平な部位における肉厚よりも薄肉に形成されている。従って、加圧流体を圧力室22に供給することにより傾斜部8aを容易に膨らませることができ、半導体ウェハWの外周縁部のみを所望の押圧力で押圧することができる。その結果、半導体ウェハWの外周縁部の研磨レートを独立して制御することができる。
【0072】
次に、本発明の第7の実施形態に係る基板保持装置を構成するトップリングについて図9(a)乃至図9(c)を参照して説明する。図9(a)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第1例を示す部分拡大図であり、図9(b)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第2例を示す部分拡大図であり、図9(c)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第3例を示す部分拡大図である。なお、特に説明しない構成及び効果については上述した第1及び第6の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0073】
図9(a)に示すように、弾性膜7の当接部8の外周縁部には、略上方に向かって傾斜する傾斜部8bが形成されている。この傾斜部8bは直線状の断面形状を有している。このような構成により、圧力室22,23などに加圧流体を供給してチャッキングプレート6を上昇させたときでも、弾性膜7の当接部8と半導体ウェハWの外周縁部とを非接触に維持することができる。なお、傾斜部8bと半導体ウェハWとの間に形成される空間を小さくするために、傾斜部8bの横方向(水平方向)の寸法よりも上下方向(垂直方向)の寸法を小さくすることが好ましい。
【0074】
図9(b)に示す第2の周壁部9bの下端部は、第1の周壁部9aに近接した位置に設けられ、傾斜部8bは第2の周壁部9bの下端から上方に延びている。従って、圧力室23内に形成される圧力を半導体ウェハWの外周縁部より径方向内側の領域に加えることができる。
【0075】
図9(c)に示す第3例では、傾斜部8bは、当接部8の水平な部位における肉厚よりも薄肉に形成されている。従って、加圧流体を圧力室22に供給することにより傾斜部8bを容易に膨らませることができ、この傾斜部8bにより半導体ウェハWの外周縁部のみを所望の押圧力で研磨面101a(図1参照)に押圧することができる。その結果、半導体ウェハWの外周縁部の研磨レートを独立して制御することができる。
【0076】
ここで、リテーナリング3の下端は、研磨工程中に研磨面101aとの摺接により徐々に削れてくる。このため、チャッキングプレート6と半導体ウェハWとの距離が短くなり、弾性膜7と半導体ウェハWとの接触面積が変化して研磨レートが局所的に変化するおそれがある。このような問題を防止するために、弾性膜7に設けられた伸縮部40a〜40d,41b〜41d,42b〜42d,43b〜43d,44b〜44d,45b〜45d,46bの伸縮量は、リテーナリング3の磨耗量よりも大きいことが好ましい。これにより、リテーナリング3の磨耗に追従して上記伸縮部を上方に縮ませることができ、研磨レートの局所的な変化を防止することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、流体の圧力室への供給に伴って伸縮部が研磨面に対して垂直方向に伸びるため、弾性膜の当接部の形状を保持することができる。従って、弾性膜(当接部)と基板との接触範囲を一定に保つことが可能になり、基板の被研磨面の全体に亘って均一な研磨レートを得ることが可能となる。また、伸縮部によって弾性膜と基板との接触を良好に維持できるので硬度の高い弾性膜を用いることが可能となり、弾性膜の耐久性を高めることができる。この場合において、硬度の高い弾性膜は、硬度の低い弾性膜に比べて基板と弾性膜(当接部)との接触範囲を良好に維持することができ、安定した研磨レートを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるトップリングを示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の第1の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図3(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。
【図4】図4(a)は本発明の第2の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図4(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。
【図5】図5(a)は本発明の第3の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図5(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。
【図6】図6(a)は本発明の第4の実施形態に係るトップリングの一部を示す模式図であり、図6(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。
【図7】図7(a)は本発明の第5の実施形態に係る基板保持装置の一部を示す模式図であり、図7(b)は圧力室に流体を供給したときの状態を示す模式図である。
【図8】図8(a)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第1例を示す部分拡大図であり、図8(b)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第2例を示す部分拡大図であり、図8(c)は本発明の第6の実施形態に係るトップリングの第3例を示す部分拡大図である。
【図9】図9(a)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第1例を示す部分拡大図であり、図9(b)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第2例を示す部分拡大図であり、図9(c)は本発明の第7の実施形態に係るトップリングの第3例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1 トップリング
2 トップリング本体
2a ハウジング部
2b 加圧シート支持部
2c シール部
2d 球面状凹部
3 リテーナリング
4 エッジリング
5 ホルダーリング
6 チャッキングプレート(可動部材)
6c 突起
7 弾性膜
8 当接部
8a 傾斜部
8b 傾斜部
9a 第1の周壁部
9b 第2の周壁部
9c 第3の周壁部
9d 第4の周壁部
10 自在継手部
11 トップリング駆動軸
11a 球面状凹部
12 ベアリングボール
13 加圧シート
15 ホルダー
21,22,23,24,25 圧力室
30,32,33,34,35,36 流体路
40a〜40d,41b〜41d,42b〜42d,43b〜43d,44b〜44d,45b〜45d,46b 伸縮部
51 洗浄液路
53 連通孔
54 空気抜き孔
100 研磨テーブル
101 研磨パッド
101a 研磨面
102 研磨液供給ノズル
110 トップリングヘッド
111 トップリング用エアシリンダ
112 回転筒
113,116 タイミングプーリ
114 トップリング用モータ
115 タイミングベルト
117 トップリングヘッドシャフト
120 圧力調整部
121 ロータリージョイント
G 間隙
Q 研磨液
R1,R2,R3,R4,R5,R6 レギュレータ
W 半導体ウェハ

Claims (28)

  1. 基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
    基板に当接する当接部と、
    前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、
    前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、
    前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、
    前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部から構成され、
    前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続されており、
    前記径方向外側に延びて前記当接部に接続される部位の径方向の寸法は、前記第2の折り返し部の径方向の寸法よりも大きく、
    前記第2の周壁部の径方向外側には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成されることを特徴とする弾性膜。
  2. 前記第2の伸縮部と前記当接部との接続点は、前記第2の周壁部よりも前記第1の周壁部に近い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  3. 前記第1の周壁部の上端は、内側に折れ曲がっていることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  4. 前記第2の周壁部の上端は、外側に折れ曲がっていることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  5. 前記第2の周壁部の径方向内側に位置し、前記当接部から上方に延びる第3の周壁部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  6. 前記第3の周壁部の径方向内側に位置し、前記当接部から上方に延びる第4の周壁部をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の弾性膜。
  7. 前記弾性膜は1ピース部材として一体的構成を有していることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  8. 前記伸縮部の伸縮量は、前記基板保持装置のリテーナリングの磨耗量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  9. 前記当接部の外縁部には、略上方に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性膜。
  10. 前記傾斜部は曲線状の断面形状を有することを特徴とする請求項9に記載の弾性膜。
  11. 前記傾斜部は直線状の断面形状を有することを特徴とする請求項9に記載の弾性膜。
  12. 前記当接部は、前記第2の周壁部と前記第3の周壁部との間に位置する孔を有することを特徴とする請求項6に記載の弾性膜。
  13. 前記当接部は、前記第3の周壁部と前記第4の周壁部との間に位置する孔を有することを特徴とする請求項6に記載の弾性膜。
  14. 基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置であって、
    前記研磨面に対して垂直方向に移動可能な可動部材と、
    弾性膜により形成された圧力室とを備え、
    前記弾性膜は、前記基板に当接する当接部と、前記当接部を前記可動部材に接続する周壁部とを備え、
    前記周壁部は、前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、
    前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、
    前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部から構成され、
    前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続されており、
    前記径方向外側に延びて前記当接部に接続される部位の径方向の寸法は、前記第2の折り返し部の径方向の寸法よりも大きく、
    前記第2の周壁部の径方向外側には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成され、
    前記伸縮部は前記研磨面に対して垂直方向に伸縮自在であり、
    前記弾性膜は一体的構成を有することを特徴とする基板保持装置。
  15. 前記第2の伸縮部と前記当接部との接続点は、前記第2の周壁部よりも前記第1の周壁部に近い位置にあることを特徴とする請求項14に記載の基板保持装置。
  16. 前記周壁部は、前記第2の周壁部の径方向内側に位置し、前記当接部から上方に延びる第3の周壁部と、前記第3の周壁部の径方向内側に位置し、前記当接部から上方に延びる第4の周壁部をさらに備えたことを特徴とする請求項14に記載の基板保持装置。
  17. 前記当接部の外縁部には、略上方に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の基板保持装置。
  18. 前記傾斜部は曲線状の断面形状を有することを特徴とする請求項17に記載の基板保持装置。
  19. 前記傾斜部は直線状の断面形状を有することを特徴とする請求項17に記載の基板保持装置。
  20. 前記傾斜部は薄肉に形成されていることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  21. 前記基板保持装置は、前記弾性膜を囲むように配置されたリテーナリングをさらに備え、前記伸縮部の伸縮量は、前記リテーナリングの磨耗量よりも大きいことを特徴とする請求項14に記載の基板保持装置。
  22. 前記基板保持装置は、前記弾性膜を囲むように配置されたリテーナリングをさらに備え、前記弾性膜と前記リテーナリングとの間にはわずかな間隙が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の基板保持装置。
  23. 前記当接部は、前記第2の周壁部と前記第3の周壁部との間に位置する孔を有することを特徴とする請求項16に記載の基板保持装置。
  24. 前記当接部は、前記第3の周壁部と前記第4の周壁部との間に位置する孔を有することを特徴とする請求項16に記載の基板保持装置。
  25. 研磨面を有する研磨テーブルと、
    請求項14乃至24のいずれか1項に記載の基板保持装置とを備えたことを特徴とする研磨装置。
  26. 請求項14乃至24のいずれか1項に記載の基板保持装置で基板を保持し、
    前記基板を研磨テーブルの研磨面の上方に移動させ、
    前記基板保持装置の可動部材を下降させ、
    前記基板保持装置の第1の圧力室および第2の圧力室に加圧流体を供給して前記可動部材を上昇させるとともに、前記基板保持装置の弾性膜の当接部により前記基板を前記研磨面に対して押圧し、
    前記研磨面に研磨液を供給しながら、前記基板保持装置と前記研磨テーブルとを回転させて前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
  27. 基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
    基板に当接する当接部と、
    前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、
    前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、
    前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、
    前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部を有し、
    前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続されており、
    前記第2の伸縮部と前記当接部との接続点は、前記第2の周壁部よりも前記第1の周壁部に近い位置とし、前記第1の周壁部と前記第2の周壁部との間には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成されるように構成したことを特徴とする弾性膜。
  28. 基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
    基板に当接する当接部と、
    前記当接部から上方に延び、第1の伸縮部を有する第1の周壁部と、
    前記当接部から上方に延び、第2の伸縮部を有する第2の周壁部とを備え、
    前記第1の周壁部は前記当接部の外周端に配置され、前記第2の周壁部は前記第1の周壁部の径方向内側に配置されており、
    前記第1の伸縮部は、第1の折り返し部から構成され、
    前記第2の伸縮部は、第2の折り返し部を有し、さらに前記第2の周壁部の下端近傍において径方向外側に延びて前記当接部に接続される水平部を有しており、
    前記水平部の径方向の寸法は、前記第2の折り返し部の径方向の寸法よりも大きく、
    前記第2の周壁部の径方向外側には第1の圧力室が形成され、前記第2の周壁部の径方向内側には第2の圧力室が形成されることを特徴とする弾性膜。
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