JP4514114B2 - コイル可動形リニアモータおよび単軸ロボット - Google Patents

コイル可動形リニアモータおよび単軸ロボット Download PDF

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Description

本発明は、コイルをステータが貫通するコイル可動形リニアモータおよび単軸ロボットに関するものである。
従来、コイル可動形リニアモータを動力源とする単軸ロボットとしては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に示された単軸ロボットは、水平方向に延びる1本の棒状のステータと、このステータが貫通するコイルとを有するリニアモータを動力源として構成されている。前記コイルは、前記ステータの軸線方向に移動自在に構成されたスライダに収納されている。
前記スライダは、内部に前記コイルが固定されるとともに、被駆動部材を取付けるためのステージが上端部に設けられている。
従来の単軸ロボットに用いるスライダは、例えば図14に示すように形成されている。図14において、符号1で示すものは、従来の単軸ロボット用スライダの本体部分を示す。このスライダ本体1は、アルミニウム合金によって所定の形状に成形されたもので、上端部に前記ステージ(図示せず)を取付けるための取付座2が形成されるとともに、中心部に断面円形の貫通穴3が穿設されており、下端部に図示していないリニアガイドが接続されている。
前記リニアガイドは、スライダ本体1を水平方向に往復動自在に支持する構成が採られている。前記貫通穴3の内部には、リニアモータ用のコイル4が接着されている。すなわち、このスライダ本体1は、前記リニアモータのコイル保持部材を構成している。
前記コイル4は、円筒状に形成され、前記貫通穴3内にその中心線に沿って一列に並ぶ状態で複数嵌合されている。
また、このコイル4は、前記貫通穴3の穴壁面との間に充填された合成樹脂5によってスライダ本体1に接着されている。この接着用の合成樹脂5は、所望の接着強度を有する他に、スライダ本体1とコイル4とを確実に絶縁することができるものが使用されている。この合成樹脂5は、前記貫通穴3の穴壁面と、この貫通穴3の両端部の開口を閉塞する壁部材(図示せず)とによって囲まれた空間内に充填されている。
図14において、コイル4の中空部内に位置する符号6で示すものはステータである。このステータ6は、パイプ7の内部に複数の円筒状の永久磁石8を嵌合することによって形成され、軸心部を貫通する固定用ボルト9によってステータ用支持部材(図示せず)に固定されている。このステータ6の外周面と前記コイル4の内周面との間には所定の寸法の隙間が形成されている。すなわち、前記スライダ本体1は、ステータ6に対して非接触の状態で往復動する。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特開平10−313566号公報(第2−3頁、図2)
しかしながら、図14に示した従来のコイル可動形リニアモータは、例えばスライダ本体1を往復動自在に支持するリニアガイドの摺動部や転動部が磨耗した場合や、ステータの両端部を支持する支持部材に何らかの外力が加えられた場合には、ステータ6に対してスライダ本体1の位置が径方向に変位することがある。このような場合、従来のコイル可動形リニアモータにおいては、コイル4の内周面がステータ6の外周面に接触するおそれがあった。コイル4の内周面にステータ6が接触すると、コイル4の絶縁被覆が破れ、コイル4が絶縁不良を起こすことがある。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、コイルの内周面にステータが接触することがないコイル可動形リニアモータおよび単軸ロボットを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明に係るコイル可動形リニアモータは、棒状のステータが貫通するコイルがコイル保持部材に収納され、このコイル保持部材の内面と、このコイル保持部材の移動方向の両端部に設けられた壁部材とによって囲まれた空間内に充填された合成樹脂によって前記コイルがコイル保持部材に固定されたコイル可動形リニアモータにおいて、前記コイル保持部材は、口金型から押し出し成形された棒を一定の長さに切断することによって、前記移動方向から見て前記コイルを三方から囲む形状であって、残りの一方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、前記各壁部材には、前記移動方向とは直交する方向に延びるフランジが形成され、前記コイル保持部材における互いに対向する一対の縦壁には、前記各壁部材のフランジが嵌合する凹溝が前記残りの一方へ延びるように形成され、前記ステータに摺動自在に嵌合するすべり軸受を前記壁部材に取付け、前記すべり軸受の内径の中心軸を前記コイルのステータ貫通穴の中心軸に対して同一あるいは略同一軸上に位置一致させるとともに、前記すべり軸受の内径を前記コイルの内径より小さく形成したものである。
請求項2に記載した発明に係るコイル可動形リニアモータは、請求項1に記載した発明に係るコイル可動形リニアモータにおいて、コイル保持部材をステータと平行に移動自在に支持するリニアガイドを備えたものである。
請求項3に記載した発明に係るコイル可動形リニアモータは、請求項1に記載した発明に係るコイル可動形リニアモータにおいて、コイルを環状に形成して軸線方向に一列に並べ、これらのコイルの内周面を前記軸線方向の一端に位置するコイルから他端に位置するコイルまで延びる絶縁フィルムによって被覆したものである。
請求項4に記載した発明に係る単軸ロボットは、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載した発明に係るコイル可動形リニアモータのコイル保持部材を備えたスライダと、このスライダを往復動自在に支持するリニアガイドと、このリニアガイドおよび前記コイル可動形リニアモータのステータを支持するケースとを有するものである。
本発明によれば、ステータに対するコイル保持部材の位置が径方向に変位したときは、すべり軸受の内周面がステータに接触し、コイルとステータとの間の隙間が確保される。このため、本発明によれば、コイルがステータに接触することを確実に阻止することができるから、動作の信頼性が高いコイル可動形リニアモータを提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、コイル保持部材をリニアガイドによってステータとの間隔が一定に保たれる状態で平行移動させることができる。このため、コイルがより一層ステータに接触し難いコイル可動形リニアモータを提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、コイル保持用合成樹脂がコイルの内周面から中空部内に漏洩することを絶縁フィルムによって阻止することができるから、コイルとステータとの間の隙間の寸法精度を向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、コイルがステータに接触することがないコイル可動形リニアモータを動力源としているから、コイルが絶縁不良を起こすことがなく動作の信頼性が高い単軸ロボットを提供することができる。
以下、本発明に係るコイル可動形リニアモータを装備した単軸ロボットの一実施の形態を図1ないし図10によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るコイル可動形リニアモータを備えた単軸ロボットの平面図、図2は同じく側面図、図3はコイル可動形リニアモータの要部を拡大して示す断面図である。図4はスライダの断面図、図5はスライダ本体とシール部材との接続部分を示す断面図、図6はシール部材を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は底面図である。図7はスライダ本体を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図、同図(d)は(b)図におけるD−D線断面図、同図(e)は(b)図におけるE−E線断面図である。図8はスライダのステータ貫通部を拡大して示す断面図、図9はコイルの結線図、図10はスライダの製造方法を説明するための斜視図である。
これらの図において、符号11で示すものは、この実施の形態による単軸ロボットを示す。このロボット11は、図1〜図4に示すように、水平な一方向(以下、この方向を前後方向という)に延びるケース12と、このケース12内に設けられたリニアガイド13と、このリニアガイド13と同一方向に配置された棒状のステータ22と、この棒状のステータ22が貫通する環状のコイル21と、このコイル21を内蔵しリニアガイド13に往復動自在に支持されたスライダ本体51とを備え、このスライダ本体51と前記コイル21とを一体化して構成されたスライダ14が可動コイル形リニアモータ15により往復駆動されるものである。前記スライダ14は、図3および図4に示すように、前記コイル21を内蔵しかつステータ22が貫通するスライダ本体51と、このスライダ本体51の上端部に取付けられたテーブル52とから構成されている。
このリニアモータ15は、前記スライダ14内に設けられた後述する複数の環状のコイル21と、これらのコイル21の中心部を遊嵌状態で貫通するステータ22と、前記コイル21の近傍に配設されたコイル結線用基板23などによって構成されている。前記基板23の配線回路は、リード線24(図4参照)によってロボット用制御装置25(図2参照)に接続されている。前記リード線24は、後述するスライダ14の上部から側方に延び、図1および図2に示すように、前記ケース12の側部に設けられたチェーン式ケーブル保持部材26の内部を通ってケース12の外に導出されている。
前記ケース12は、前記前後方向に延びる細帯状に形成された底板31(図3および図4参照)と、この底板31の両側部に取付けられた一対の側壁部材32,32と、前記底板31の長手方向の両端部に取付けられた前壁部材33および後壁部材(図示せず)とによって上方に向けて開口する箱状に形成されている。
この実施の形態によるケース12の上端部の開口は、ステンレス鋼によって細長い膜状に形成されたシャッター34によって上方から覆われている。このシャッター34は、ケース12内に塵埃や異物が入るのを防止するためのもので、後述するスライダ14の挿通路35(図4参照)内に挿通された状態で前記前壁部材33と前記後壁部材とに固定されている。この実施の形態によるシャッター34は、前記側壁部材32の上端面に上方から接触し、上方へ容易に撓むことができるように構成されている。ケース12の内部には、前記シャッター34によってケース上端部の開口が覆われることにより、前記スライダ14の前方と後方とに閉空間36,37(図3参照)が形成される。
前記底板31の上面には、図3および図4に示すように、前記リニアガイド13が設けられている。このリニアガイド13は、底板31に固定された1本のレール部材41と、このレール部材41の上に図示していない軸受によって移動自在に支持された2個のスライド部材42とから構成されている。この軸受は、ボール循環式軸受が平行に複数条設けられたもので、スライダ本体51側に設けられている。
前記前壁部材33は、図3に示すように、前記ステータ22の前端部を支持し、前記後壁部材は、図示してはいないが、前記ステータ22の後端部を支持している。
前記ステータ22は、図3および図4に示すように、前記前壁部材33と後壁部材とによって両端部が支持されたパイプ43と、このパイプ43の内部に嵌入された複数の永久磁石44とによって構成されている。前記永久磁石44は、円筒状に形成されており、同じ極性の磁極が互いに対向する状態でパイプ43内に嵌合されている。この実施の形態においては、これらの永久磁石44は、軸心部を貫通する固定用ボルト45によって軸線方向の両側から挟圧され、所定の位置に固定されている。
前記スライダ14のテーブル52は、この実施の形態による単軸ロボット11が駆動する被駆動部材(図示せず)を取付けるためのものである。このテーブル52は、前記シャッター34をケース12の開口12aから外方(上方)に遊離させるガイド部52aを備えている。このガイド部52aは、図3に示すように、上方に向けて凸になる凸曲面が形成され、この凸曲面にシャッター34の下面が摺接する状態でスライダ本体51の上面に取付けられている。このガイド部52aによってシャッター34が上方に遊離させられることにより、シャッター34の両側端とケース12との間に開放空間が形成される。テーブル52には、図4に示すように、前記開放空間を通る開放空間通過部52bが形成されている。この開放空間通過部52bは、一方がケース12内のスライダ本体51の上面に接続され、他方が被駆動部材取付用の取付座52cとして形成されている。テーブル52における取付座52cとなる部位は、前記側壁部材32の上面との間に微小なクリアランスを有する状態で側方に延設されている。クリアランスが微小であることにより、異物が外方からケース12内に侵入するのを防いでいる。
前記テーブル52の上端部には、保護カバー52dが取付けられている。この保護カバー52dとテーブル52の上面との間に、上述したシャッター34が挿通する前記挿通路35が形成されている。また、テーブル52の上端部であって、前記ガイド部52a前方と後方には、シャッター34を前記側壁部材32の上面(開口12aの開口縁部)に密着させるためのローラ53が設けられている。スライダ14が移動するときにもシャッター34によってスライダ14の前後のケース12の上端開口が閉塞された状態を保つことができる。また、開放空間通過部52bをテーブル52に設けることにより、シャッター34を上方へ遊離させた結果生じた開放空間が略塞がれ、テーブル52とケース12との間は小さな隙間とされることにより、ケース12内を外方に対して略密閉状態とすることができる。
前記スライダ本体51は、アルミニウム合金を材料として所定の形状に成形されており、図4および図7(a),(d),(e)に示すように、ステータ22の軸線方向から見てコイル21を三方(上方と両側方)から囲む形状であって、下方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、内部に前記複数のコイル21がエポキシ樹脂54によって固着されている。詳述すると、このスライダ本体51は、例えば図7(a)に示すように、互いに対向する一対の側板55,56と、これらの側板55,56の上端部どうしを接続する上板57とが一体に形成されており、内部に前記コイル21が取付けられた状態で前記リニアガイド13の二つのスライド部材42の上面に固定されている。前記側板55,56が本発明でいう縦壁を構成している。前記両側板55,56の下端部の一端側(前端側)と他端側(後端側)には、図7(c)に示すように、前記スライド部材42に載せて固定するための取付座58が形成されている。また、前記両側板55,56におけるスライダ本体51の両端側の内面には、図5および図7(c),(d)に示すように、後述するシール部材59が嵌合する凹溝60が上下方向に延びるように形成されている。
また、このスライダ本体51の内面と両側板55,56の外面には、スライダ14の移動方向に延びる複数のフィン61,62が一体に形成されている。スライダ本体51の内側のフィン61は、図4に示すように、前記コイル21の中心(ステータ22の軸心)を指向するように、スライダ本体51の内面に突設されている。一方、外面側のフィン62は、側方に向けて水平に突出するように前記外面に突設されている。
このスライダ本体51の内側の横幅、すなわち側板55と側板56の下端部どうしの間隔であって図4において左右方向の幅は、前記コイル21の最大外径寸法より大きくなるように形成されている。一方、このスライダ本体51の外側の横幅は、前記ケース12の内部にスライダ本体51を収容させた状態で両側板55,56のフィン62の先端がケース12の側壁部材32,32に接近するように形成されている。このように形成されたスライダ本体51をケース12内のリニアガイド13に取付けることによって、スライダ本体51がケース12内を長手方向の一端側と他端側とに区画する実質的な区画壁として機能するようになる。
スライダ本体51内に設けられた複数(この実施の形態では12個)のコイル21は、それぞれ円環状に形成されている。これらのコイル21の内径は、前記ステータ22の外径より大きくなるように形成されている。また、これらのコイル21は、図9中にC1〜C12として示すように、いわゆるU線と共通線Aとに接続される第1群に属するもの(C1,C4,C7およびC10)と、いわゆるW線と共通線Aとに接続される第2群に属するもの(C2,C5,C8およびC11)と、いわゆるV線と共通線Aとに接続される第3群に属するもの(C3,C6,C9およびC12)とに分けられ、スライダ14の移動方向に所定の順序で並べられている。
これらのコイルC1〜C12が並ぶ順序は、第1群に属するコイル21と、第2群に属するコイル21と、第3群に属するコイル21とがこの順序で並び、かつこれらの第1群〜第3群のコイル21を一組としてこの組が複数一列に並ぶように設定されている。これらのコイル21は、図9に示すように、いわゆるスター結線によって配線されており、U相(第1群)と、W相(第2群)と、V相(第3群)の各相において、それぞれ4個のコイル21が直列に接続され、全相が互いに接続されている。図9において、符号Sはコイル21の開始端を示し、Eはコイル21の終端を示す。なお、U線、V線、W線および各コイル21の共通線Aは、それぞれ制御装置25に接続されている。また、これらのコイル21は、図3に示すように、U相のコイル21と、W相のコイル21と、V相のコイル21とからなる1組のコイル21の軸線方向の長さと、ステータ22内のそれぞれの永久磁石44の1個分の磁石全長と一致するように形成されている。
これらのコイル21のリードは、図3および図4に示すように、コイル21の近傍に配設されたコイル結線用基板23に半田付けされ、この基板23を介してU線、V線、W線および共通線Aに接続されている。これらの配線は、前記リード線24としてスライダ14の外に導出され、制御装置25に接続されている。
前記第1〜第3群のコイル21は、前記制御装置25によって位相が120°異なる交流電流が供給されることにより、ステータ22の軸線方向に推力を発生させる。スライダ14は、この推力によって前後方向に移動する。前記推力の大きさは、前記交流電流のピーク値に相関し、スライダ14の移動速度は、前記交流電流の周波数に相関する。制御装置25は、スライダ14に設けられたリニアセンサ(図示せず)によって検出された位置情報に基づいてスライダ14の位置を確認しながら、前記ピーク値および前記周波数を制御する。制御装置25は、例えばスライダ14を停止させる場合は、制動力が発生するように、UVW線に供給する電流を制御し、制動力を発生させる必要がない場合には、全ての群(第1群〜第3群)の電流値を0とする。
これらのコイル21を前記スライダ本体51内に取付けるための前記エポキシ樹脂54は、スライダ本体51内の所定位置にコイル21が位置決めされている状態で液状のものをスライダ本体51内に注入し、その後、加熱することにより硬化させる。このときの液状のエポキシ樹脂54の粘度は、コイル21の素線どうしの間に含浸するように設定されている。このように流動性が高い液状のエポキシ樹脂54を断面コ字状のスライダ本体51の内部に貯留するためには、コ字状の開放部分が上方を指向するようにスライダ本体51を上下方向に反転させ、このスライダ本体51の前後方向の両端部にいわゆる堰となるシール部材59(図3および図5参照)を取付ける。このシール部材59は、エポキシ樹脂54を貯留するためばかりではなく、スライダ本体51内に嵌合することにより、樹脂注入時にコイル21をスライダ本体51内に位置決めするためにも使用している。このシール部材59によって、本発明でいう壁部材が構成される。
この実施の形態によるシール部材59は、合成樹脂によって所定の形状に成形され、図3、図5および図6に示すように、フランジ63とボス64とが一体に形成されている。前記フランジ63は、外縁部分が全域にわたってスライダ本体51の前記凹溝60に嵌合するように形成されている。また、このフランジ63の下端部には、図3および図6(b)に示すように、前記コイル結線用基板23を取付けるための取付座65が形成されている。
前記ボス64は、フランジ63からスライダ本体51の外側へ向けて突出するように形成されており、製造工程においてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の注入時に流出するのを防止するためのものであり、熱硬化後においては図3および図8に示すように、コイル側と外側とを画成するための仕切壁64aが形成されるとともに、内部に本発明でいうすべり軸受を構成する樹脂ベアリング66が取付けられている。前記仕切壁64aには、コイル21の内径と同径の貫通孔64bが穿設されている。前記樹脂ベアリング66は、鍔66aを有する円筒状に形成されており、前記ボス64に外側から嵌合された状態で前記鍔の移動を規制する固定用ねじ67(図3参照)によって、ボス64に外れることがないように固定されている。図8に示すように、この樹脂ベアリング66の内径D1は、ステータ22のパイプ43の外径D2より大きく、かつコイル21の内径D3より小さくなるように形成されている。
ここで、コイル21をスライダ本体51にエポキシ樹脂54によって接着し固定する方法を図10によって説明する。なお、図10に示す各部材の形状は、理解を容易にするために簡略化してあり、実際の形状とは相違する。
スライダ本体51にコイル21を装着するためには、先ず、図10(a)に示すように、断面円形のロッド71とストッパー72とからなる棒状の治具73に円筒状の絶縁フィルム74を嵌合させ、次いで、同図(b)に示すように、前記絶縁フィルム74の外周面に前記一方のシール部材59を嵌合させる。前記絶縁フィルム74は、ロッド71が後述するコイル21に接着することを防ぐためのもので、軸線方向の一端に位置するコイル21から他端に位置するコイル21まで延びる長さに形成されている。このようにシール部材59を装着した状態で、シール部材59と絶縁フィルム74の境界部分に液状のシール剤を塗布しておく。このシール剤としては、例えばエポキシ樹脂54と同等の材料やあるいはシリコン系樹脂を主成分とする材料のものを使用する。
その後、図10(c)に示すように、複数のコイル21を前記治具73のロッド71(絶縁フィルム74の外周部)に嵌合させる。このとき、各コイル21のリードは、予めコイル結線用基板23に半田付けしておく。前記ロッド71の外径は、絶縁フィルム74の厚みを加えた状態で、コイル21の内径と、シール部材59の前記貫通孔64bの孔径と同径になるように形成されている。このため、このロッド71にコイル21とシール部材59とを嵌合させることによって、シール部材59とコイル21とを同一軸線上あるいは略同一軸線上に位置付けることができる。
コイル21をロッド71に装着した後、図10(d)に示すように、他方のシール部材59を前記ロッド71に嵌合させ、このシール部材59と絶縁フィルム74との境界部分に前記液状のシール剤を塗布し、両端側に位置する二つのシール部材59に前記基板23を取付用ねじ23aによって固定する。しかる後、図10(e)に示すように、スライダ本体51の開口部分に前記二つのシール部材59をそれぞれ嵌合させる。このシール部材59がスライダ本体51内に嵌合することにより、全てのコイル21がスライダ本体51の仮想軸心(ステータ22の軸心)と同一軸線上あるいは略同一軸線上に位置付けられる。
次に、スライダ本体51をその開口部が上方を指向する状態として前記開口部内に液状のエポキシ樹脂54を注入する。この注入行程では、コイル結線用基板23をエポキシ樹脂54内に埋没させる。
このようにエポキシ樹脂54をスライダ本体51内に注入した後、この熱硬化性のエポキシ樹脂54を硬化させるために、スライダ本体51を加熱炉(図示せず)などに装填する。そして、前記エポキシ樹脂54を加熱して硬化させ、冷却後に前記治具73をスライダ本体51側から引抜いて取外す。このように治具73を取外した後、樹脂ベアリング66を両シール部材59に取付けることによって、スライダ本体51が完成する。このスライダ本体51は、前記ステージ52が取付けられた後に前記ステータ22が挿通され、このステータ22とともにケース12に装着される。
両シール部材59の治具73嵌合穴と樹脂ベアリング66の嵌合穴の中心軸は一致するか少なくともほぼ一致させるようにし、樹脂ベアリング66の外形と内径の中心軸も互いに一致するか、ほぼ一致するようにする。これにより、コイル21、21‥‥のステータ22貫通穴の中心軸に対して、すべり軸受である樹脂ベアリング66の内径の中心軸を同一あるいは略同一軸上に位置一致させることができる。
上述したように構成されたコイル可動形リニアモータ15を装備した単軸ロボット11においては、スライダ14内のコイル21に制御装置25によって所定の交流電流が供給されることにより、スライダ14がリニアガイド13に沿って前後方向に移動する。
このコイル可動形リニアモータ15においては、シール部材59に樹脂ベアリング66が取付けられているから、スライダ14のステータ22に対する位置が例えばリニアガイド13内の摺動または転動部分の磨耗などにより径方向に変位したときは、樹脂ベアリング66の内周面がステータ22の外周面に接触する。
このため、このような場合であっても、コイル21とステータ22との間に隙間が確保されるから、コイル21の内周面がステータ22に接触することがなく、コイル21の素線の絶縁膜がステータ22との接触により破れて絶縁不良を起こすことを防ぐことができる。この結果、この可動コイル形リニアモータ15を動力源とする単軸ロボット11は、コイル21が絶縁不良を起こすことがないことから動作の信頼性が向上する。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15は、スライダ本体51がリニアガイド13によってステータ22と平行に移動自在に支持されているから、スライダ本体51が前記リニアガイド13によってステータ22との間隔が一定に保たれる状態で平行に移動する。このため、この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15は、コイル21がステータ22に接触することを確実に阻止することができる。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15の複数のコイル21の内周面は、軸線方向の一端に位置するコイル21から他端に位置するコイル21まで延びる絶縁フィルム74によって被覆されるから、製造時にエポキシ樹脂54がコイル21の内周面から中空部内に漏洩することを絶縁フィルム74によって阻止することができる。このため、このコイル可動形リニアモータ15は、コイル21とステータ22との間の隙間を高い寸法精度で形成することができる。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15は、スライダ本体51がコイル21を三方から囲む形状に形成されているから、動作時にスライダ本体51で発生する渦電流を小さく抑えることができる。このため、このコイル可動形リニアモータ15を動力源とする単軸ロボット11は、動力性能(加速能力、最高速度など)が高いものとなる。
この実施の形態によるスライダ本体51は、このように一部を開放させているにもかかわらずコイル22を強固に保持することができる。これは、スライダ本体51とシール部材59とによって囲まれた空間にコイル保持用エポキシ樹脂54が充填され、このエポキシ樹脂54によってコイル22の全域が覆われるからである。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15のスライダ本体51は、開放部分の幅(側板55と側板56の下端部どうしの間隔)がコイル21の最大外径寸法より大きく形成されており、コイル21の軸線方向の長さに一対のシール部材59の軸線方向の長さを加えた全長が前記開放部分の長さと略一致しているから、コイル21とシール部材59とをこれらが一体的に組合わされた状態で前記開放部分を通してスライダ本体51内に挿入することができる。すなわち、このリニアモータ15においては、複数のコイル21とシール部材59とを高い精度で同一軸線上に位置付けることができるから、ステータ22とコイル21との間に適正な隙間を形成することができる。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15は、コイル21のリードを接続した結線用基板23と、この基板23上のリード接続部分とをエポキシ樹脂54によって覆い、封止することができるから、前記リード接続部分の耐久性を向上させることができる。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ用スライダ本体51の製造方法によれば、複数のコイル21と一対のシール部材59とを棒状治具73に保持させた状態でスライダ本体51の開放部分に挿入するから、前記コイル21と前記シール部材59とを容易にコイル保持部材に組付けることができる。すなわち、前記コイル21とシール部材59とを例えば上方から下方へ下ろすように移動させてスライダ本体51内に挿入することができ、作業者が自然な態勢で組立作業を行うことができるから、組立作業を容易に行うことができる。
この実施の形態によるコイル可動形リニアモータ15は、コイル21をスライダ本体51内に挿入する以前にコイル21のリードと制御装置25側のリード線24とをコイル結線用基板23に接続し、このコイル結線用基板23をコイル21とともにエポキシ樹脂54に埋設しているから、コイル21のリードと前記リード線24とをコイル結線用基板23に接続する作業を作業空間が広い作業台の上などで行うことができる。このため、このコイル可動形リニアモータ15は、コイル21をスライダ本体51に組付けた後に前記接続作業を行う場合に較べて、前記接続作業を容易に行うことができる。
この実施の形態による単軸ロボット11は、コイル可動形リニアモータ15のスライダ本体51に棒状の治具73の代わりにステータ22を構成する棒状ガイド(パイプ43)を貫通させ、このパイプ43をケース12に支持させることによって形成されているから、コイル可動形リニアモータ15を製造するために必要な棒状治具73を取外した後に形成される貫通穴を利用して棒状ガイドを装着することができる。このため、専ら棒状ガイドを挿入するための穴をスライダ本体51に形成する場合に較べて工数を低減することができる。
この実施の形態による単軸ロボット11は、スライダ本体51の内面にフィン61が突設されており、スライダ本体51とエポキシ樹脂54との接着部分の面積が増大されているから、動作時にコイル21で発生してエポキシ樹脂54に伝達された熱を効率よくスライダ本体51に伝導することができる。このため、この単軸ロボット11においては、コイル21を効率よく冷却することができる。
さらに、この実施の形態による単軸ロボット11は、スライダ本体51によってケース12内が前方と後方とに仕切られているから、スライダ14がケース12内を例えば前方から後方へ移動することによって、ケース12内の空気がスライダ本体51とケース12との間の隙間を通って前記後方から前方へ流れる。この空気は、スライダ本体51の外面に突設されたフィン62に沿い、一部がこのフィン62に接触する状態で流れる。このため、スライダ本体51に伝達されたコイル21の熱をフィン62によってスライダ本体51の外に効率よく放熱することができる。スライダ本体51は鋳造により形成してもよいが、フィン61およびフィン62を長手方向に形成しているので、フィン形状を設けた口金型からの押し出し棒を切断することにより価格を抑えて形成すると良い。
加えて、この実施の形態による単軸ロボット11は、前記スライダ本体51がケース12内を一端側と他端側とに区画する実質的な区画壁として機能するから、スライダ本体51が前進したときに前方に位置する気室(閉空間36)の空気が圧縮されるようになり、この気室内の空気の一部が例えばケース12の側板55,56とシャッター34との間の隙間を通ってケース12外に排出される。この場合、ケース12に異物の吸入を阻止するチャンバーが途中に設けられた換気管(図示せず)をケース12内の少なくとも一方の気室設けることにより、この換気管を通ってケース12内と外が連通することになる。このため、この構成を採ることにより、スライダ本体51がケース12内で往復することによるポンプ作用によってケース12内を換気することができ、換気を行うためのファンを使用することなく、ケース12内の温度を外気温度に保つことができる。
(参考例)
コイル可動形モータおよび単軸ロボットの参考例を図11ないし図13に示す
図11はコイル可動形モータを有する単軸ロボットの参考例を示す縦断面図、図12はスライダの横断面図、図13はスライダ本体を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は背面図、同図(d)は(b)図におけるD−D線断面図、同図(e)は(b)図におけるE−E線断面図である。これらの図において、前記図1〜図10によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この参考例による単軸ロボット11のケース12は、図12に示すように、上方に向けて開放する断面コ字状に形成されて前後方向に延びるベースブロック81と、このベースブロック81の両側部に取付けられた一対のカバー82,82とから構成されている。前記ベースブロック81の両側部の上面には、リニアガイド13のレール部材41がそれぞれ固定されている。これらのレール部材41に移動自在に支持された一対のスライド部材42は、横方向に延びるプレート83によって互いに接続されている。このプレート83は、スライダ本体51の上端部に取付けられ、テーブル52を支持している。また、このプレート83の上面には、前後方向に延びる複数の放熱用フィン84が立設されている。
この参考例によるスライダ本体51は、前記プレート83から下方に延び、前記ベースブロック81の凹部85内に挿入されている。このスライダ本体51は、図13に示すように、前後方向(スライダ14の移動方向)の端部86,86を除く中央部分87が上方に向けて開放する断面コ字状に形成されている。前記両端部86は、図13(b)に示すように、このスライダ本体51の両側板55,56の上端部どうしを接続するクロスメンバ88が設けられており、図13(e)に示すように、閉じた断面形状となるように形成されている。すなわち、この参考例によるスライダ本体51は、上述した実施の形態で示したスライダ本体に較べると剛性が高く、相対的に大型に形成することが可能な構成が採られている。前記中央部分87の長さ(ステータ22の軸線方向の長さ)は、コイル21の全長より長くなるように形成されている。
前記クロスメンバ88が設けられた前記両端部86は、円形孔89{図13(c)参照}が穿設され、この円形孔89内に、円環状に形成されたシール部材59(図11参照)が嵌合されている。このシール部材59の軸心部には、樹脂ベアリング66が嵌合されている。この樹脂ベアリング66は、上述した実施の形態を採る場合と同様に、内径D1(図8参照)がステータ22の外径D2より大きくかつコイル21の内径D3より小さくなるように形成されている。
このスライダ本体51は、前記シール部材59と両側板55,56とによって囲まれた空間内にコイル21とコイル結線用基板23とが配設されるとともに、エポキシ樹脂54が充填されている。前記基板23は、スライダ本体51の上端部に形成された取付座90{図14および図13(a),(d)参照}に取付用ねじ23a(図11参照)によって取付けられている。
この参考例において、コイル21をスライダ本体51内の所定の位置に取付けるためには、上述した実施の形態を採るときと同様に治具73を使用して行う。すなわち、スライダ本体51にコイル21を取付けるためには、先ず、前記治具73に絶縁フィルム74と、二つのシール部材59,59と、複数のコイル21,21‥‥とを装填することによってコイル組立体を形成する。
次に、前記コイル組立体をスライダ本体51の一方の円形孔89に外側から挿入するとともに、スライダ本体51内で軸線方向に平行移動させ、前端部のシール部材59と後端部のシール部材59とをスライダ本体51の両端部の86,86の円形孔89にそれぞれ嵌合させる。この状態で、図11に示すように、スライダ本体51の前端面と後端面とに外周にOリングを装着したストッパープレート91と、樹脂ベアリング66を有するベアリングホルダ92とを取付ける。前記ストッパープレート91は、樹脂ベアリング66の移動を規制するためのものである。その後、各コイル21のリード線をコイル結線用基板23に半田付けする。この基板23には、制御装置25からのU,V,Wおよび共通線Aを予め結線しておく。前記半田付けは、各コイル21の両端(図9において符号S,Eで示す両端)をそれぞれ前記基板上の所定端子部に接続することによって行う。この半田付け作業が終了することにより、図9に示す回路が構成される。次に、前記基板23をスライダ本体開口51aからスライダ本体51内に挿入して固定し、液状のエポキシ樹脂54をスライダ本体51内に注入する。このエポキシ樹脂54を加熱することにより硬化させた後に治具73を取外す。
前記スライダ本体51におけるエポキシ樹脂54が充填される部分の内面は、図12に示すように、ステータ22の軸線方向から見てコイル21と同心円状に形成され、複数のフィン61が突設されている。これらのフィン61は、コイル21の中心部を指向しかつスライダ14の移動方向に延びるように形成されている。また、この参考例においても、スライダ本体51の外面に複数の放熱用フィン62が立設されている。
この参考例ではコイル21とシール部材59とを治具73に仮に保持させてスライダ本体51の円形孔89に挿入する例を示したが、この参考例によるコイル可動形リニアモータ15においても、スライダ本体51の中央部分87の開口部すなわちスライダ本体開口51aの長手方向長さLをコイル21の全長より長くなるように形成することによって、上述した実施の形態を採るときと同様の製造方法によって製造することができる。
すなわち、治具73を互いに脱着可能な3ピースで形成し、中央のピースに絶縁フィルム74、複数のコイル21、21‥‥とを装填してコイル組立体を形成し、U、V、Wおよび共通線Aが結線された基板23へ各コイル21の両端を半田付けし、コイル組立体と基板23を一緒にスライダ本体開口51aからスライダ本体51内に挿入し、基板23をスライダ本体51に固定する。
その後、中央のピースの両側から、外周にOリングを取付けたシール部材59と、樹脂ベアリング66を有し外周にOリングを取付けたベアリングホルダ92とを装着した端部ピースをそれぞれ組付け、ストッパープレート91をスライダ本体51に取付ける。その後からエポキシ樹脂54をスライダ本体内に注入し、その後加熱硬化する。中央のピース、両側のピースからなる治具73を除去して、スライダ14を完成させる。シール部材59とベアリングホルダ92を円形孔89に嵌合させることと、ストッパープレート91を取付けることで、コイル21のスライダ本体51に対する位置決めができる。
また、スライダ本体開口51aの長手方向長さLが、装着する全てのコイル21、21と両シール部材59との全長より長い場合には、治具73を互いに脱着可能な3ピースで形成し、中央のピースに絶縁フィルム74、複数のコイル21、21‥‥、両シール部材59とを装填してコイル組立体を形成し、コイル組立体を一緒にスライダ本体開口51aからスライダ本体51内に挿入し、樹脂ベアリング66を有し、外周にOリングを取付けたベアリングホルダ92を装着した端部ピースをそれぞれ組付け、ストッパープレート91をスライダ本体51に取付ける。
このうえで、U、V、Wおよび共通線Aが結線され、各コイル21の両端が半田付けされた基板23も、スライダ本体開口51aからスライダ本体51内に挿入し固定し、エポキシ樹脂54をスライダ本体内に注入し、その後加熱硬化する。基板23をスライダ本体開口51aからスライダ本体51内に挿入しない場合には、エポキシ樹脂54をスライダ本体内に注入し、その後加熱硬化した後、U、V、Wおよび共通線Aが結線された基板23へ各コイル21の両端を半田付けする。
3ピースからなる脱着可能な治具73は、互いに組付けられた状態で各ピースの中心軸が同一軸あるいは略同一軸線上に位置するように形成する。これにより中央のピースに嵌合するコイル21、21のステータ22嵌合穴の中心軸に、端部のピースに嵌合する樹脂ベアリング66の内径の中心軸を一致あるいはほぼ一致させることができる。
また、この参考例ではスライダ本体51の両端部に閉じた断面形状となる補強部を設ける例を示したが、このような限定にとらわれることはなく、スライダ本体51の一方の端部のみに前記補強部を設けることができる。この構成を採る場合、スライダ本体51の開口部の長さをコイル21の全長に一対のシール部材59の全長を加えた長さ以上となるように形成することによって、上述した実施の形態で示した製造方法を採ることができる。
さらに、このようにスライダ本体51の一端部のみに補強部を設ける場合は、コイル21とシール部材59とを治具73に保持させた状態で前記開口部を通してスライダ本体51内に挿入し、その後、これらのコイル21とシール部材59と治具73とからなる組立体をステータ22の軸線方向に移動させ、一方のシール部材59を前記補強部内に挿入すする組立方法を採ることができる。この組立方法を採ることによって、前記開口部の長さをコイル21の全長にシール部材59の全長を加えた長さより短く形成することができるから、スライダ本体51を小型化することができる。
上述した実施の形態と参考例ではコイル結線用基板23をシール部材59(上述した実施の形態)またはスライダ本体51(参考例)に取付用ねじ23aによって固定する例を示したが、前記基板23はスライダ本体51やシール部材59に載置し、エポキシ樹脂54によって固定することもできる。また、コイル結線用基板23は、エポキシ樹脂54の外に配設することもできる。
上述した実施の形態と参考例ではケース12のシャッター34と側板55との間に形成される隙間によりケース12内が少しずつ換気される例を示したが、ケース12の前壁部材33と後壁部材の少なくとも一方にケース12の内外を連通する連通管(図示せず)を設け、この連通管を用いてケース12内の換気を行うこともできる。また、本発明に係る単軸ロボット11は、上述したようにスライダ14の移動に依存する換気装置を装備する他に、電動ファンによって強制的にケース12内を換気する換気装置を装備することができる。この構成を採る場合は、ケース12内の温度が予め定めた温度を上回ったときに電動ファンによって換気を行うことができる。これらの連通管や換気装置には外部の塵埃のケース12内への侵入防止するフィルタを設ける。
上述した実施の形態と参考例においては、コイル21をエポキシ樹脂54にスライダ本体51に固定する例を示したが、この樹脂材料としては、エポキシ樹脂に限定されることはなく、耐熱性、絶縁性および機械的強度の条件を満たすものであれば、どのようなものでも用いることができる。また、図12に示すように、テーブル52のプレート83への接続部に断熱材93を介装し、テーブル52にコイル21の熱が伝達されることを防止するようにすると良い。
本発明に係るコイル可動形リニアモータを備えた単軸ロボットの平面図である。 本発明に係るコイル可動形リニアモータを備えた単軸ロボットの側面図である。 コイル可動形リニアモータの要部を拡大して示す断面図である。 スライダの断面図である。 スライダ本体とシール部材との接続部分を示す断面図である。 シール部材を示す図である。 スライダ本体を示す図である。 スライダのステータ貫通部を拡大して示す断面図である。 コイルの結線図である。 スライダの製造方法を説明するための斜視図である。 コイル可動形モータを有する単軸ロボットの参考例を示す縦断面図である。 スライダの横断面図である。 スライダ本体を示す図である。 従来の単軸ロボットのスライダの断面図である。
符号の説明
11…単軸ロボット、12…ケース、13…リニアガイド、14…スライダ、15…コイル可動形リニアモータ、21…コイル、22…ステータ、44…永久磁石、51…スライダ本体、54…エポキシ樹脂、55,56…側板、57…上板、59…シール部材、66…樹脂ベアリング、73…治具、74…絶縁フィルム。

Claims (4)

  1. 棒状のステータが貫通するコイルがコイル保持部材に収納され、このコイル保持部材の内面と、このコイル保持部材の移動方向の両端部に設けられた壁部材とによって囲まれた空間内に充填された合成樹脂によって前記コイルがコイル保持部材に固定されたコイル可動形リニアモータにおいて、
    前記コイル保持部材は、口金型から押し出し成形された棒を一定の長さに切断することによって、前記移動方向から見て前記コイルを三方から囲む形状であって、残りの一方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、
    前記各壁部材には、前記移動方向とは直交する方向に延びるフランジが形成され、
    前記コイル保持部材における互いに対向する一対の縦壁には、前記各壁部材のフランジが嵌合する凹溝が前記残りの一方へ延びるように形成され、
    前記ステータに摺動自在に嵌合するすべり軸受を前記壁部材に取付け、前記すべり軸受の内径の中心軸を前記コイルのステータ貫通穴の中心軸に対して同一あるいは略同一軸上に位置一致させるとともに、前記すべり軸受の内径を前記コイルの内径より小さく形成したことを特徴とするコイル可動形リニアモータ。
  2. 請求項1記載のコイル可動形リニアモータにおいて、コイル保持部材をステータと平行に移動自在に支持するリニアガイドを備えてなるコイル可動形リニアモータ。
  3. 請求項1記載のコイル可動形リニアモータにおいて、コイルを環状に形成して軸線方向に一列に並べ、これらのコイルの内周面を前記軸線方向の一端に位置するコイルから他端に位置するコイルまで延びる絶縁フィルムによって被覆してなるコイル可動形リニアモータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載されたコイル可動形リニアモータのコイル保持部材を備えたスライダと、このスライダを往復動自在に支持するリニアガイドと、このリニアガイドおよび前記コイル可動形リニアモータのステータを支持するケースとを有する単軸ロボット。
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