JP4514083B2 - 製袋包装機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯状の包材を袋状に成形しながら該包材内に物品を投入して封止することによって製品を連続して生成する製袋包装機に関し、包装技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、包装袋を成形しながら該包装袋に物品を封入する製袋包装機は、帯状の包材の左右の両側縁部を重ね合わせて筒状に成形すると共に、縦シール装置により上記筒状包材の重ね合わせ部を長手方向に沿って熱溶着し、また横シール装置により該筒状包材を長手方向に直交する幅方向に熱溶着して袋状に成形し、その後、この袋状とされた包材に、上下方向に延びる物品導入用のチューブ部材を通して上方から被包装物を導入すると共に、その上部を上記横シール装置によって封止し、かつ包材の上流部から切り離すことにより、被包装物を包装袋に封入してなる製品を生成するようになっている。
【0003】
この種の製袋包装機においては、被包装物が食品である場合に、その腐敗や変質を防止するために、被包装物が導入された袋状包材内の空気を窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスに置換した上で上部を封止することが行われる。その場合に、処理速度の高速化を図るために、被包装物を袋状包材内へ導入しながら、該包材内に不活性ガスを連続的或いは断続的に送り込み、該包材内の空気を排出して不活性ガスに置換する方法が用いられる。
【0004】
しかしながら、この方法においては、高レベルの不活性ガス置換率を得るために大量の不活性ガスを袋状包材内に送り込むようにした場合、該不活性ガスの消費量が増加し、生産コストが上昇することになる。
【0005】
また、大量の不活性ガスを供給するために流速を速くすると、不活性ガスが袋状包材内に勢いよく吹き出し、該包材内に導入されている被包装物を上方に吹き上げ、或いは包材の底部への被包装物の導入を妨げたりすることになり、その上方に吹き上げられ或いは底部への導入が遅れた被包装物が横シール装置によって噛み込まれて、シール不良が発生することになる。
【0006】
この問題を解決するものとして、例えば特開平10−53217号公報によれば、1サイクルの包装動作中に不活性ガスの流量を変化させるようにした包装機が開示されている。
【0007】
つまり、この包装機によれば、袋状に成形された包材内にチューブ部材を通して上方から被包装物を供給している間は、該袋状包材内に導入される被包装物を上方に吹き上げることなく、かつ被包装物の袋状包材の底部への導入を妨げないような比較的小さな第1の流量で不活性ガスが包材内に供給されると共に、被包装物の該包材内への供給が完了すれば、上記第1流量よりも大きな第2流量で不活性ガスが包材内に供給される。
【0008】
したがって、常に大きな流量で不活性ガスを供給する場合より、その消費量が低減されると共に、被包装物が袋状包材内に導入されている間は流速が小さくなるので、被包装物が吹き上げられたり包材内への導入が妨げられたりすることによるシール不良の発生が低減される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この公報に開示された包装機によっても、1サイクル中の途中で不活性ガスの供給量を少量の第1流量から大量の第2流量に切り換えるときに、包材内における被包装物の挙動が不安定となって該被包装物の吹き上がりが発生し、そのため横シール装置の噛み込みによるシール不良が発生する。また、これを防止しようとして上記第2流量の値を小さくすると、不活性ガスへの置換率が低下することになるのである。
【0010】
そこで、本発明は、ガス置換が行われる製袋包装機において、不活性ガスの消費量を抑制しながら、包材内の不活性ガスへの置換率を所要のレベルに維持し、かつ、横シール装置による被包装物の噛み込みに起因するシール不良を防止することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の各発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という。)は、帯状の包材を袋状に成形しながら該袋状包材内に被包装物を導入して包装し、上記包材内に不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられた製袋包装機において、袋状包材内における酸素の残存状態を検出する残存酸素検出手段と、包装状態を検出する包装状態検出手段と、上記残存酸素濃度検出手段及び上記包装状態検出手段による検出結果に基づき、残存酸素濃度が所定値以下で、包装状態の不良率が所定値以下となるように、上記ガス供給手段による不活性ガス供給時の流量を制御する流量制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、上記流量制御手段による流量の制御によっては、残存酸素濃度が所定値以下で、かつ包装状態の不良率が所定値以下とならないときに、包装作業の能力を低下させる包装能力低下手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に係る発明(以下、第3発明という)は、上記第1発明又は第2発明において、上記ガス供給手段によって供給している不活性ガスの流量を検出する流量計と、該流量計によって検出した不活性ガスの流量と上記残存酸素検出手段によって検出した酸素の残存状態とを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に係る発明(以下、第4発明という)は、上記第1発明〜第3発明のいずれかにおいて、所定の不活性ガスの流量を記憶した記憶手段と、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御の開始時に、上記記憶手段から読み出した流量を該制御の初期値に設定する初期値設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項5に係る発明(以下、第5発明という)は、上記第4発明において、作業環境の雰囲気温度又は雰囲気湿度のうちの少なくとも一方を検出する環境検出手段を備え、上記記憶手段は、該環境検出手段によって検出される作業環境に関連付けて、その環境下での包装作業中の不活性ガスの流量を記憶すると共に、初期値設定手段は、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御を開始するときに、上記記憶手段から今回の作業環境と同等の作業環境に関連付けられた流量を読み出し、その流量を制御の初期値に設定するようにしたことを特徴とする。
【0018】
そして、請求項6に係る発明(以下、第6発明という)は、上記第4発明又は第5発明において、記憶手段は、包装作業中の不活性ガスの流量を当該被包装物の種類に関連付けて記憶すると共に、初期値設定手段は、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御を開始するときに、上記記憶手段から今回処理する被包装物に関連付けられた不活性ガスの流量を読み出し、その流量を制御の初期値に設定するようにしたことを特徴とする。
【0019】
以上のように構成したことにより、本願各発明によれば次の作用が得られる。
【0020】
まず、第1発明によれば、袋状包材内に被包装物を導入しながら、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給して該包材内の酸素と置換するときに、残存酸素検出手段によって検出される包材内の残存酸素量や残存酸素濃度等の酸素の残存状態に基づいてガス供給手段による不活性ガス供給時の流量が制御されるので、流量が小さいため不活性ガスの供給量が不足して包材内に許容限度以上の酸素が残存したり、流量が大きすぎて、十分ガス置換されているのに必要以上に不活性ガスが供給されたりすることが防止され、常に不活性ガスの必要最小限の供給量で包材内の空気が所要レベルまで置換されると共に、この制御がリアルタイムに行われることにより、常に一定のガス置換率が得られることになる。
【0021】
その場合に、この発明によれば、上記の残存酸素検出手段に加えて、シール不良の有無等の包装状態を検出する包装状態検出手段が備えられ、この検出手段によって検出される包装状態の不良率が所定値以下となり、かつ、上記残存酸素検出手段によって検出される残存酸素濃度が所定値以下となるように不活性ガスの流量が制御されるので、該流量が小さいために不活性ガスの供給量が不足することによるガス置換不十分な製品の発生と、該流量が大きすぎることによる被包装物の吹き上げに起因するシール不良の両者が防止されることになる。
【0022】
そして、第2発明によれば、上記第1発明の制御を行う場合において、残存酸素濃度を所定値以下となるように不活性ガスを供給すると被包装物の吹き上げによる包装状態の不良率が許容限度を超え、逆に包装状態の不良率を所定値以下となるように不活性ガスを供給すると、ガス置換率が所定のレベルに達しないときに、包装作業の能力が低下されるので、例えば不活性ガスの流量を一定に維持して被包装物の吹き上がりを抑制しながら、その供給時間を長くすることにより所要量の不活性ガスを供給して、所定レベルのガス置換率を達成することが可能となる。
【0023】
また、第3発明によれば、上記残存酸素検出手段によって検出した酸素の残存状態と、上記ガス供給手段によって供給している不活性ガスの流量とが表示手段によって表示されるので、作業者が作業中のガス置換状態を把握することができ、例えば不活性ガスの供給源に対する準備を遅滞なく行ったり、流量の異常を察知したりすることが可能となるなど、作業が円滑化されることになる。
【0024】
そして、第4発明によれば、供給制御手段により酸素の残存状態に基づく不活性ガスの流量制御が開始されるときに、初期値設定手段により、予め記憶手段に記憶されている所定の流量が初期値に設定されるので、不活性ガスの供給状態が速やかに安定することになって、包装作業の開始直後から良好な製品が得られることになる。
【0025】
その場合に、第5発明によれば、今回作業時の雰囲気温度や雰囲気湿度等の作業環境に適合した流量が初期値として設定されるから、これらの環境条件によって不活性ガスの最適流量が変動しても、常に速やかにその最適流量で不活性ガスが供給されるようになる。
【0026】
また、第6発明によれば、今回の包装作業で処理する被包装物の種類について記憶されている流量が不活性ガスの流量制御の開始時における初期値として設定されるから、被包装物の種類、即ちその被包装物の性状や包装重量、或いは包材の寸法や包装速度等によって不活性ガス供給時の最適流量が異なっても、常に速やかにその最適流量で不活性ガスが供給されるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1に示すように、この実施の形態に係る製袋包装機1は機台2を有し、その後部上方に、包材のロールを回転可能に支持するロール支持部(図示せず)が設けられていると共に、該機台2の前部上方にはフォーマ10が配設されている。
【0029】
このフォーマ10は、フレーム11に、セーラ部材12と、該セーラ部材12を上下に貫通するチューブ部材13とを取り付けて一体化した構成で(図2参照)、上記機台2の前部上面に着脱可能に取り付けられていると共に、上記ロール支持部から前方へ繰り出された帯状の包材を下方へ案内しながら、その左右両側縁部を重ね合わせて筒状に形成するようになっている。
【0030】
ここで、上記チューブ部材13におけるセーラ部材12より上方に突出した上部14は、投入される被包装物を受け入れるべく上端が広く開口した略円錐状とされており、また、上記セーラ部材12より下方に延びる下部15は、袋状に成形された包材内に突入して被包装物を該包材内に導入するようになっている。
【0031】
また、このチューブ部材13の下部15の左右両側には、包材を該チューブ部材下部15の左右両側面15a,15aに押し付けながら下方へ送るベルト式の送り装置3,3が配置されていると共に、該チューブ部材下部15の前方には、機台2の前面に支持部材4を介して支持され、包材の互いに重ね合わされた左右両側縁部を溶着して該包材を筒状に成形する縦シール装置5が配置されている。
【0032】
さらに、機台2の前面における該チューブ部材下部15の下端部よりやや下方には、筒状に成形された包材を前後両側から挟み付けて該包材の所定位置を横方向に溶着すると共に、その溶着部の略中央部を横方向に切断することにより、筒状の包材に底部を形成して袋状とし、かつ該袋状包材の被包装物が導入された部分の上方を封止する横シール装置6が配置されている。また、該横シール装置6の下方には、上記のようにして形成された製品を機外に搬出する搬出装置7が配置されている。
【0033】
さらに、この製袋包装機1には、上記チューブ部材13の前面側の内側に、包材内の空気を不活性ガスで置換するための置換ガス通路16が設けられている。この置換ガス通路16は、図2及び図3、図4に示すように、上記チューブ部材13の上部14から下部15の下端部にわたって上下に長い板材17を張り付けて、該板材17とチューブ部材13の前面部との間に上下に延びる空間を形成することにより構成されている。
【0034】
そして、該置換ガス通路16の上端部は、上記板材17を折り曲げてチューブ部材13の内面に接続することにより閉塞されていると共に、該チューブ部材13の上部前面に置換ガス通路16内に通じる入口16aが設けられ、この入口16aに置換ガスの供給管25(図5参照)が接続されるようになっている。また、該置換ガス通路16の下端部は開放され、置換ガスの出口16bとされている。
【0035】
また、上記置換ガス通路16内には、酸素濃度センサ18(図6参照)から導かれたガス取入れパイプ19が配設されており、その下端部が置換ガス通路16の出口16bから下方に突出し、先端がガス取入れ口19aとされて、チューブ部材13の下端部近傍に開口されている。また、このパイプ19の上部は置換ガス通路16から脱出し、チューブ部材13の上端の開口部から外方に導き出されて上記酸素濃度センサ18に接続されている。
【0036】
以上の構成に加えて、この製袋包装機1の外部には、置換用の不活性ガスとして窒素ガスを上記置換ガス通路16に供給するガス供給装置20が設けられている。
【0037】
図5に示すように、このガス供給装置20には、窒素ガスが加圧状態で貯留されている窒素ガスタンク21と、該タンク21から供給される窒素ガスを下流側に供給するためのメインバルブ22と、窒素ガス中に含まれる不純物を取り除くためのフィルタ23と、該フィルタ23から供給される窒素ガスの流量を調節すると共に、該窒素ガスの流量を計測するための流量計を有するレギュレータ24とが備えられている。つまり、窒素ガスタンク21からメインバルブ22を介して供給される窒素ガスは、フィルタ23を通過することによって不純物が取り除かれた後、レギュレータ24で所定の流量に調節されて下流側に供給されることになる。
【0038】
また、これらのタンク21、メインバルブ22、フィルタ23及びレギュレータ24が配設された置換ガスの供給管25は、上記レギュレータ24の下流側で、高圧側供給管25a、低圧側供給管25b及び吹き込み側供給管25cに分岐され、これらの分岐された供給管のうち、高圧側供給管25aと低圧側供給管25bとが再度合流して、上記置換ガス通路16の入口16aに接続されている。また、上記吹き込み側供給管25cの先端は、図2に示すように、チューブ部材13における上部14の上端から窒素ガスを吹き込むように配置されている。
【0039】
そして、上記高圧側供給管25aには高圧用電磁弁26が備えられており、該高圧用電磁弁26がONのときに、窒素ガスタンク21側から供給される窒素ガスが該高圧側供給管25aを通過して包装機1の置換ガス通路16側に供給されるようになっている。
【0040】
また、上記低圧側供給管25bには、上記高圧用電磁弁26と同様の低圧用電磁弁27と、電空比例弁等でなる流量制御弁28と、流量計29とが備えられ、低圧用電磁弁27がONのときに、該低圧側供給管25bを通過して窒素ガスが上記置換ガス通路16側に供給されると共に、その流量が流量制御弁28によって調整され、かつ流量計29によって計測されるようになっている。
【0041】
なお、上記吹込み用供給管25cにも、上記高圧用電磁弁26及び低圧用電磁弁27と同様の吹込み用電磁弁30が備えられており、該吹込み用電磁弁30をON、OFFすることにより、上記チューブ部材13の上部14の上端側から窒素ガスが必要に応じて供給されるようになっている。
【0042】
次に、上記製袋包装機1におけるガス供給制御システムについて説明する。
【0043】
図6に示すように、製袋包装機1には、コントロールユニット40が備えられている。そして、このコントロールユニット40に、作業者によって手動操作され、該操作によって製袋包装機1が作動開始するスタートボタン51からのスタート信号aと、製袋包装機1の作動を停止させる停止信号と、製袋包装機1の作動を終了させる終了信号とが入力されるようになっている。
【0044】
なお、スタートボタン51からのスタート信号aがコントロールユニット40に入力されると、該コントロールユニット40は、主モータ(図示せず)や図1に示す送り装置3、縦シール装置5及び横シール装置6等の当該製袋包装機1の作動部52に駆動信号bを出力し、これらを作動させるようになっている。
【0045】
また、製袋包装機1の停止は、停止要因が解除されると該包装機1の運転が再開されるものであり、上記停止信号には、ガス供給装置20におけるレギュレータ24に備えられた流量計により、窒素ガスタンク21から供給される窒素ガスの流量が低下した場合に発信されるガス流量低下信号c、製袋包装機1の下流側に配置される下流器物53からの停止信号d、被包装物が封入された製品内に金属物を検出した場合に発信される金属検出器54からの金属検出信号eがある。
【0046】
また、製袋包装機1の作動の終了は、作業者がスタート操作しない限り運転が再開されないものであり、上記終了信号には、作業者によって手動操作される終了ボタン55から終了信号fが含まれている。そして、これら停止信号や終了信号がコントロールユニット40に入力されると、該コントロールユニット40は、上記主モータ等の作動部52に停止信号gを出力し、該作動部52をOFFさせる。
【0047】
さらに、上記停止信号と終了信号の他に、窒素ガスの流量制御用信号として、流量計29からの流量信号hと、前述の酸素濃度センサ18からの酸素濃度信号iと、被包装物が封入された包材のシール部の状態を検出するシールセンサ56からのシール状態信号jと、作業環境として雰囲気温度及び雰囲気湿度をそれぞれ検出する温度センサ57及び湿度センサ58からの温度信号k及び湿度信号lと、計量器59からの袋状包材内に供給された被包装物の重量を示す重量信号mと、上記下流器物53としてのシールチェッカからのシール状態信号nと、同じく下流器物53としての重量チェッカからの重量信号oとがコントロールユニット40に入力されるようになっている。
【0048】
ここで、上記流量信号hは流量に比例した電圧として出力されるようになっている。また、上記シールセンサ56としては、被包装物が封入された袋状包材のシール部の押圧力をロードセル等の重量センサで検出することによって該シール部における被包装物の噛み込み自体を検出するもの、シール部の噛み込みの状態をカメラ等で検出するものがある。また、シールチェッカは、被包装物が封入された袋状包材を上方から押圧することによってシール部の噛み込みによる気密性の低下を検出するものであり、さらに、重量チェッカは、被包装物が封入された袋状包材の全体の重量を個々に計量するものである。
【0049】
上記スタート信号a、ガス流量低下信号c、下流器物52からの停止信号d、金属検出信号e、終了ボタン55からの終了信号f等が上記コントロールユニット40に入力されると、該コントロールユニット40に設けられたタイマ41で経過時間が計測され始める。そして、このタイマ41によって計測された経過時間に基づき、コントロールユニット40は、上記高圧用電磁弁26と低圧用電磁弁27とに制御信号p、qを発信し、これらの制御信号p、qに基づいて上記電磁弁26、27のON、OFFが切り替えられる。
【0050】
また、低圧用電磁弁27のみがONの状態で製袋包装機1に窒素ガスが供給されるときに、コントロールユニット40に備えられたメモリ42に記憶されている被包装物の種類、重量、包装スピード等ごとの残存酸素濃度の許容範囲やシール不良率の許容限度、雰囲気温度、雰囲気湿度、製袋包装機1の包装能力、被包装物の重量及び袋サイズ等に関連付けられた窒素ガス供給量等のデータと、計量器59からの重量信号m及び下流器物53としての重量チェッカからの重量信号oと、上記酸素濃度センサ18からの酸素濃度信号iと、上記シールセンサ56からのシール状態信号j及び下流器物53としてのシールチェッカからのシール状態信号nとに基づいて、流量制御弁28に流量制御信号rが出力されるようになっている。
【0051】
なお、この流量制御信号rは、上記流量信号hに基づいても出力される。また、主モータ等の作動部52に対しては、窒素ガス供給量の制御の一環として速度制御信号sが出力されるようになっている。
【0052】
さらに、上記酸素濃度信号iに基づいて袋状包材内に残存する酸素濃度が所定の許容範囲を超えたと判定された場合、コントロールユニット40は警告装置60に警告信号tを出力し、警告を発するように制御する。
【0053】
また、コントロールユニット40は、製袋包装機1の包装能力やガス供給装置20による窒素ガスの供給状態、流量計29からの流量信号hに基づく窒素ガスの流量、酸素濃度センサ18からの酸素濃度信号iに基づく酸素残存率等をモニタ61に表示するための表示信号uを該モニタ61に出力するようになっている。これにより、作業者は、製袋包装機1へのガス供給状態を容易に知ることができる。
【0054】
ここで、以上の実施の形態の全体の作動を簡単に説明すると、まず、製袋包装機1を作動させると、機台2の後部に設けられたロール支持部から帯状の包材が前方に繰り出され、該機台2の前部上方で下方へ送られながら、該包材がフォーマ10を構成するセーラ部材12により左右両側縁部が重なり合うように折り曲げられる。また、送り装置3,3によりさらに下方に送られ、チューブ部材13の下部15の前面側で、上記のようにして重ね合わされた包材の左右両側縁部が縦シール装置5により溶着され、筒状とされる。
【0055】
このとき、図7に示すように、この包材Aの下端部は、前回の包装動作時に、横シール装置6により閉じられて袋状とされている。そして、その袋状包材Aがさらに下方に送られた後、該包材A内にチューブ部材13を通じて上方から被包装物X…Xが投入される。
【0056】
また、この被包装物X…Xの投入と並行して、ガス供給装置20から置換ガス通路16を通じて窒素ガスが袋状包材A内に供給されると共に、これと入れ替わりに該包材A内の空気がチューブ部材13の上端部やセーラ部材12による包材曲成部等から外部に排出され、該袋状包材A内の空気が窒素ガスに置換される。そして、その後、袋状包材Aの被包装物が投入された部分の上方と次の被包装物投入部の下方とが上記横シール装置6によってシールされると共に、そのシール部の中央で切断される。
【0057】
このようにして、被包装物が封入され、かつ内部の空気が窒素ガスに置換された袋詰め製品が連続的に生成され、図1に示す搬出装置7によって順次、機外に搬出される。
【0058】
次に、本発明の実施の形態に係る製袋包装機1における置換ガス供給制御を図8のフローチャートに従って具体的に説明する。
【0059】
まず、ステップS1で、コントロールユニット40は、製袋包装機1が作動を開始したか否かを判定する。そして、該包装機1が作動を開始すれば、ステップS2、S3で、まず高圧用電磁弁26と低圧用電磁弁27とをONにすると共に、タイマ41をスタートさせる。
【0060】
これにより、図5に示す窒素ガスタンク21から供給される窒素ガスがレギュレータ24で所定の流量に調節された上で、高圧用電磁弁26と低圧用電磁弁27とを介して置換ガス通路16の入口16aに供給されることになる。このとき、上記入口16aに供給される窒素ガスの流量は、図9に示すように、予め設定された比較的大きな初期流量L1とされる。
【0061】
そして、コントロールユニット40は、上記ステップS3でスタートさせたタイマ41による計測時間が初期供給時間T1になったときに、ステップS4で、高圧用電磁弁26をOFFに切り替える。これにより、上記置換ガス通路16の入口16aに供給される窒素ガスは、低圧用電磁弁27を通るものだけとなり、その流量は、図9に示すように、流量制御弁28によって上記初期流量L1より小さな通常流量L2に調整される。したがって、被包装物が導入される袋状包材内には、通常流量L2の窒素ガスが供給されることになる。
【0062】
なお、吹込み用電磁弁30がONのときは、上記初期流量L1又は通常流量L2の窒素ガスに加えて、チューブ部材13の上端の開口部からも窒素ガスが供給されることになる。また、タイマ41は、計測時間が上記初期供給時間T1になったときにリセットされる。
【0063】
次に、コントロールユニット40は、ステップS5で、該コントロールユニット40に停止信号が入力されたか否かを判定する。また、ステップS6で、包装機1の作動を終了させる終了信号が入力されたか否かを判定する。そして、いずれの信号も入力されていないときは、ステップS5、S6を繰り返し実行しながら、窒素ガスを上記通常流量L2で供給する状態を維持し、この状態で包装作業が繰り返し連続的に行われる。
【0064】
一方、この状態で停止信号が入力されたものとすると、コントロールユニット40はステップS5からステップS7を実行し、タイマ41を再スタートさせると共に、ステップS8で、その再スタート時からの計測時間Tが予め設定された延長供給時間T2を超えたか否かを判定する。
【0065】
そして、この延長供給時間T2が経過する前であり、かつ終了信号も入力されていない状態で、停止を解除する停止解除信号が入力されたときは、コントロールユニット40はステップS9から上記ステップS5、S6を繰り返し実行する状態に戻り、低圧用電磁弁27をONにした状態、即ち通常流量L2で窒素ガスを供給している状態をそのまま継続する。
【0066】
つまり、停止信号が入力されても、比較的速やかに解消される場合には、その間、通常流量L2で窒素ガスを供給する状態が継続されることになり、これにより、徒に窒素ガスを無駄にすることなく、包装作業の再開時には直ちに所要の置換率でガス置換された製品が製造されることになる。
【0067】
一方、上記延長供給時間T2が経過し、或いはその経過前であっても、終了信号が入力されると、コントロールユニット40は、ステップS8又はステップS10からステップS11以下の終了処理を実行する。
【0068】
この場合、まずステップS11で、コントロールユニット40は低圧用電磁弁27をOFFに切り替える。これにより、製袋包装機1への窒素ガスの供給が完全に停止されることになる。
【0069】
そして、ステップS12で、上記タイマ41をリセットした上で改めてスタートさせて、低圧用電磁弁27がOFFに切り替えられたときからの経過時間を測定し、ステップS13で、その経過時間Tが予め設定された供給待機時間T3を超えたか否かを判定する。そして、経過時間Tがこの供給待機時間T3を超えた場合は、コントロールユニット40は包装機1が完全に停止したものと判断し、制御を終了すると共に、ステップS1に戻って、次の開始信号の入力を待つ。
【0070】
一方、経過時間Tが上記供給待機時間T3を経過する前に作業開始信号が再び入力された場合には、ステップS14からステップS15を実行し、低圧用電磁弁27をONに切り替え、上記ステップS5以下を再び実行する。その結果、この場合は、製袋包装機1には、再び通常流量L2の窒素ガスが供給されることになる。
【0071】
つまり、製袋包装機1の作動が終了し、該包装機1への窒素ガスの供給を停止した後であっても、その後、所定の供給待機時間T3が経過する前に作業が再開される場合には、包装機1のチューブ部材13内には窒素ガスが十分残留しているので、作業開始時に低圧用電磁弁27のみをONにして比較的少量の通常流量L2で作業を再開するのである。これにより、不要な窒素ガスの供給が抑制されることになる。なお、上記供給待機時間T3の経過後に開始信号が入力されたときは、図9に鎖線で示すように、高圧用電磁弁26及び低圧用電磁弁27の両方をONとし、窒素ガスの供給量を初期流量L1として作業を開始する。
【0072】
以上のようにして、包装作業の継続状態に応じて初期流量L1又は通常流量L2で窒素ガスが供給されるのであるが、さらに、通常流量L2での供給時には、その流量L2の緻密な制御が行われるようになっており、以下、この制御について説明する。
【0073】
図3に示すように、チューブ部材13における窒素ガス通路16内には、先端が袋状包材内に開口して該包材内のガスを取り入れるガス取入れパイプ19が配設され、このパイプ19の取入れ口19aから取り入れられたガスが酸素濃度センサ18に導かれる。そして、このセンサ18によって検出された酸素濃度が、信号hとしてコントロールユニット40に送られることにより、該コントロールユニット40には、常時、袋状包材内の残存酸素濃度が入力されることになる。
【0074】
一方、コントロールユニット40は、現在処理中の被包装物について予め設定された残存酸素濃度の許容範囲をメモリ42から読み出す。また、被包装物が封入された製品の上部のシール部に被包装物の噛み込みが発生しているか否かを検出するシールセンサ56からのシール状態信号i、及び下流器物53としてのシールチェッカからのシール状態信号nを入力する。さらに、噛み込みが発生すると重量不足になるので、下流器物53としての重量チェッカからの重量信号oも入力し、これらの信号i、o、nに基づき、全製品中の噛み込みが発生している製品の割合を示すシール不良率を算出する。そして、これらの情報に基づき、窒素ガスの通常流量L2を制御する。
【0075】
つまり、図10に示すように、今、メモリ42から読み出した残存酸素濃度の許容範囲の上限が2%であり、これに対して酸素濃度センサ18からの信号hが示す残存酸素濃度が2%を超えているものとすると、コントロールユニット40は、流量制御弁28に窒素ガスの流量を増加させるように制御信号nを出力する。これにより、図10に矢印アで示すように、窒素ガス流量が増量され、残存酸素濃度が許容範囲内に調整されることになる。
【0076】
一方、窒素ガスの流量が大きすぎる場合は、残存酸素濃度は許容範囲内に保持されるが、袋状包材内への窒素ガスの流入速度が速くなり、該包材内に導入されている或いは導入中の被包装物が吹き上げられて、横シール装置6による噛み込みが発生しやすくなる。その結果、今、例えばシール不良率が1%の許容限度を超えたものとする。
【0077】
この場合、コントロールユニット40は、流量制御弁28に窒素ガスの流量を減量するように制御信号nを出力する。これにより、図10に矢印イで示すように、窒素ガス流量が減量され、シール不良率が許容限度以下に収束されることになる。
【0078】
このようにして、残存酸素濃度とシール不良率とに応じて通常流量L2が調整され、残存酸素濃度が許容範囲内となって所要レベル以上のガス置換率が得られ、しかもシール不良率が所定の許容限度以下に抑制されることになる。
【0079】
なお、この実施の形態では、以上のようにして残存酸素濃度が許容範囲内となり、かつシール不良率が所定の許容限度以下となったときに、流量計29によって計測されている窒素ガス流量と、温度センサ57、湿度センサ58からの信号k、lが示すそのときの雰囲気温度及び雰囲気湿度、計量器59からの重量信号が示す被包装物の重量、並びに被包装物の種類、包装スピード及び袋サイズとが関連付けられてメモリ42に記憶されるようになっている。したがって、このメモリ42には、被包装物の種類、雰囲気温度、雰囲気湿度、重量、包装スピード及び袋サイズの組み合わせごとに、それに関連付けられた窒素ガス流量のデータが蓄積されることになる。
【0080】
そして、次回以降の包装作業の開始時において、初期流量L1から通常流量L2に流量を切り替えるときに、そのときの雰囲気温度、雰囲気湿度、被包装物の種類、重量、包装スピード及び袋サイズに最も近い組み合わせの温度及び湿度の組み合わせに関連付けられた窒素ガス流量のデータを上記メモリ42から読み出し、その流量を通常流量L2の初期値に設定する。したがって、包装作業開始の直後から適量の窒素ガスが供給されることになり、作業開始直後のガス置換不良又はシール不良の発生が抑制されることになる。
【0081】
さらに、上記の制御と並行して、残存酸素濃度が許容範囲内か否か等に拘らず、残存酸素濃度、シール不良、被包装物の種類及び重量、包装スピード、袋サイズ、並びに雰囲気温度及び雰囲気湿度が、包装作業のたびに関連付けられて記憶される。
【0082】
つまり、例えば被包装物が油で揚げたものである場合には、その物品中に空気が含まれているから酸素濃度を高めるなど、被包装物の種類によって酸素量が異なり、また、計量器59から供給される重量は許容範囲内で変化するので、その重量によっても酸素量が異なり、これに伴って残存酸素濃度を許容範囲にするための窒素ガスの流量が異なることになる。また、包装スピードが高いときや、袋サイズが大きいときは、窒素ガスの供給量が多くなるので、その供給時の流量が大きくなり、さらに、雰囲気温度や雰囲気湿度が異なると、被包装物の吹き上がり易さが異なると共に、窒素ガスの粘性が変化するから、同じ圧力でも流量が異なることになる。そこで、これらのパラメータごとの流量を記憶しておき、これを図10、図11に示す制御で利用することにより、これらの制御をより適切に行うことが可能となる。
【0083】
ところで、図10に示すような窒素ガス流量の制御によっては、残存酸素濃度が許容範囲内になるように窒素ガス流量を増量すればシール不良率が許容限度を超え、逆にシール不良率が許容限度以下になるように窒素ガス流量を減量すれば、残存酸素濃度が許容範囲を超えるといった場合が起こりうる。
【0084】
この場合、コントロールユニット40は、製袋包装機1の作動部52に対して、その動作速度を低下させるように速度制御信号sを出力する。これにより、今、例えば図11に示すように、毎分120回の処理能力で作業を行っている場合において、シール不良率を許容限度以下に抑制した結果、残存酸素濃度が許容範囲の上限の2%を超えてしまった場合、図11に符号ウで示すように、上記駆動源59の動作速度が低下されて、処理能力が例えば毎分100回とされる。これにより、その処理能力が低下された分だけ1つの袋状包材への窒素ガス供給時間が長くなるので、流量を一定に維持してシール不良率を許容限度以下に維持しながら、残存酸素濃度を許容範囲内まで低下させることが可能となる。
【0085】
また、残存酸素濃度が許容範囲内となるように窒素ガス供給量を増量させた結果、シール不良率が許容限度を超えてしまった場合も、作動部52の動作速度を遅くすることにより1包装サイクルの時間を長くすれば、吹き上げられた被包装物が落下する時間を確保することができるので、所要量の窒素ガスを供給して所定レベルのガス置換率を維持しながら、シール不良率を許容限度以下に低下させることが可能となるのである。
【0086】
ここで、以上の実施の形態では、低圧側の通常流量L2を制御の対象としているので、より緻密な制御が可能とる。また、各種信号に基づくリアルタイムな制御が可能となる。
【0087】
さらに、この実施の形態においては、流量計29から流量に応じた電圧が流量信号hとしてコントロールユニット40に入力されており、この信号hが示す流量と、所望の設定流量との差に基づいて流量制御弁28に制御信号rを出力することによる窒素ガス流量のフィードバック制御が行われる。つまり、製袋包装機1の作動開始時における初期流量L1での窒素ガス供給時や、停止後の作業再開時における窒素ガス供給時に、このフィードバック制御が行われ、これにより、作業開始時等における窒素ガスの流量が迅速に最適流量に調整されることになる。
【0088】
なお、図12は窒素ガス供給制御システムの他の実施の形態を示すもので、このシステム20′では、前記実施の形態における高圧用電磁弁26及び低圧用電磁弁27が存在せず、窒素ガスタンク21′から置換ガス通路の入口16a′に至る置換ガス供給管25′に、メインバルブ22′、フィルタ23′、電空比例弁等でなる流量制御弁28′及び流量計29′が配置されている。なお、上記置換ガス供給管25′から分岐された吹き込み側供給管25c′上に吹き込み用電磁弁30′が配置されている点は前記の実施の形態と同様である。そして、上記流量制御弁28′がコントロールユニットからの制御信号によって制御されるようになっている。したがって、この実施の形態によっても、前記の実施系体と同様にして、残存酸素濃度を許容範囲内に収束させ、かつシール不良率を所定の許容限度以下とする制御が行われる。
【0089】
また、この実施の形態では、前記実施の形態における図8の制御を行わず、酸素濃度信号iに基づき、連続的に流量制御を行うようにしてもよい。つまり、図9に示す通常流量L2のみを制御するのではなく、流量0から図9の初期流量L1に相当する大きな流量までの全範囲を上記酸素濃度信号iに基づいて制御するのである。
【0090】
この場合、ガス供給装置及び制御システムの構成が簡素化されると共に、無段階の連続的な制御になるので、前記実施の形態における初期流量L1、通常流量L2及び流量0の状態の切り替え制御が不用となると共に、例えば初期流量L1から通常流量L2への切換え時等における無駄な窒素ガスの供給が抑制されることになる。
【0091】
なお、この実施の形態においても、図6に示す各信号a、c〜f、h〜oに基づき、前記実施例と同様の制御を行なってもよいことは言うまでもない。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る製袋包装機によれば、袋状包材内に被包装物を導入しながら、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給して該包材内の酸素と置換するときに、包材内の酸素の残存状態に基づいて不活性ガスの流量がリアルタイムに制御されるので、該流量が小さすぎたため、包材内への不活性ガスの供給量が不足して該包材内に許容限度以上の酸素が残存したり、該流量が大きすぎたため、十分ガス置換されているのに必要以上に不活性ガスを供給したりすることが防止され、常に不活性ガスの必要最小限の供給量で包材内の空気が所要レベルまで置換されることになる。
【0093】
その場合に、本発明によれば、上記の残存酸素検出手段に加えて、シール不良の有無等の包装状態を検出する包装状態検出手段が備えられ、この検出手段によって検出される包装状態の不良率が所定値以下となり、かつ、上記残存酸素検出手段によって検出される残存酸素濃度が所定値以下となるように不活性ガスの流量が制御されるので、該流量が小さいために不活性ガスの供給量が不足することによるガス置換不十分な製品の発生と、該流量が大きすぎることによる被包装物の吹き上げに起因するシール不良の両者が防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る製袋包装機の概略正面図である。
【図2】 同製袋包装機におけるフォーマの拡大側面図である。
【図3】 置換ガス通路の下端部周辺の拡大断面図である。
【図4】 図3のx−x線による断面図である。
【図5】 ガス供給装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 ガス供給制御システムの構成を示すブロック図である。
【図7】 包装動作のの説明図である。
【図8】 ガス供給制御の動作を示すフローチャートである。
【図9】 同制御による不活性ガス供給状態を示すタイムチャートである。
【図10】 ガス供給時の流量制御の説明図である。
【図11】 同じく処理能力の制御の説明図である。
【図12】 ガス供給装置の他の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 製袋包装機
18 残存酸素検出手段(酸素濃度センサ)
20 ガス供給手段(ガス供給装置)
28、40 流量制御手段(流量制御弁、コントロールユニット)
57、58 環境検出手段(温度センサ、湿度センサ)

Claims (6)

  1. 帯状の包材を袋状に成形しながら該袋状包材内に被包装物を導入して包装し、上記包材内に不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられた製袋包装機であって、袋状包材内における酸素の残存状態を検出する残存酸素検出手段と、包装状態を検出する包装状態検出手段と、上記残存酸素濃度検出手段及び上記包装状態検出手段による検出結果に基づき、残存酸素濃度が所定値以下で、包装状態の不良率が所定値以下となるように、上記ガス供給手段による不活性ガス供給時の流量を制御する流量制御手段とを設けたことを特徴とする製袋包装機。
  2. 上記流量制御手段による流量の制御によっては、残存酸素濃度が所定値以下で、かつ包装状態の不良率が所定値以下とならないときに、包装作業の能力を低下させる包装能力低下手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の製袋包装機。
  3. 上記ガス供給手段によって供給している不活性ガスの流量を検出する流量計と、該流量計によって検出した不活性ガスの流量と上記残存酸素検出手段によって検出した酸素の残存状態とを表示する表示手段とが備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製袋包装機。
  4. 所定の不活性ガスの流量を記憶した記憶手段と、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御の開始時に、上記記憶手段から読み出した流量を該制御の初期値に設定する初期値設定手段とが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の製袋包装機。
  5. 作業環境の雰囲気温度又は雰囲気湿度のうちの少なくとも一方を検出する環境検出手段が備えられ、上記記憶手段は、該環境検出手段によって検出される作業環境に関連付けて、その環境下での包装作業中の不活性ガスの流量を記憶すると共に、初期値設定手段は、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御を開始するときに、上記記憶手段から今回の作業環境と同等の作業環境に関連付けられた流量を読み出し、その流量を制御の初期値に設定することを特徴とする請求項4に記載の製袋包装機。
  6. 記憶手段は、包装作業中の不活性ガスの流量を当該被包装物の種類に関連付けて記憶すると共に、初期値設定手段は、上記流量制御手段による不活性ガスの流量制御を開始するときに、上記記憶手段から今回処理する被包装物に関連付けられた不活性ガスの流量を読み出し、その流量を制御の初期値に設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の製袋包装機。
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