JP4513998B2 - Breather device for rotating body storage case - Google Patents
Breather device for rotating body storage case Download PDFInfo
- Publication number
- JP4513998B2 JP4513998B2 JP27174399A JP27174399A JP4513998B2 JP 4513998 B2 JP4513998 B2 JP 4513998B2 JP 27174399 A JP27174399 A JP 27174399A JP 27174399 A JP27174399 A JP 27174399A JP 4513998 B2 JP4513998 B2 JP 4513998B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- case
- partition member
- breather
- rotating body
- wall surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/02—Gearboxes; Mounting gearing therein
- F16H57/027—Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願発明は、例えば車両の伝動系に使用されるエクステンションケースのように、トルクを伝達する回転軸等の回転体を収容すると共に、潤滑油が封入された回転体収容ケースの内部に形成された空間を、該ケースの外部と連通させるブリーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トルクを伝達する回転軸を収容したケースの内部には、例えばギヤの噛み合い部の潤滑や回転軸を支持する軸受の潤滑のために潤滑油が封入される。潤滑油はギヤや回転軸の回転により撹拌されて、その温度が上昇するため、高温となった潤滑油によりケースの内部に形成されている内部空間の空気が加熱されて膨張し、内部空間の圧力が上昇する。そこで、ケースの内部空間をケース外部である外気に連通させるブリーザ装置を設けることにより、該内部空間の圧力上昇を防止している。
【0003】
そして、ブリーザ装置が設けられたケースでは、潤滑油が撹拌されることで発生した潤滑油の飛沫がブリーザ装置に飛び込み、膨張した空気の外気への排出の際に、潤滑油がブリーザ装置を介してケース外部に流出することを防止するために、ブリーザ装置への潤滑油の飛沫の飛び込みを防止する遮蔽部材が設けられる。
【0004】
例えば、特開平8−219259号公報に開示された技術では、トランスミッションにおいて、ギヤとトランスミッションケースとの間にバッフルプレートが設けられ、トランスミッションケース内のエアーブリーザー開口部は、ケース内のギアにより掻き上げられた潤滑油の飛散を遮断するバッフルプレートとケースとの間に形成される空間内に設けられる。そして、このバッフルプレートは止具により固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報に開示された技術では、バッフルプレートはトランスミッションケースの軸方向の端部壁の近傍まで延びていて、バッフルプレートの軸方向の端部と前記端部壁との軸方向の間隔を小さくすることで、該間隔からの前記空間への飛散したオイルの飛び込みを抑制することができる。しかしながら、前記間隔を維持するためには、ケースの軸方向長さが長いものでは、バッフルプレートの軸方向に長くなり、バッフルプレートの支持が困難になる上、ブリーザ室に相当する前記空間の容積も必要以上に大きくなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1ないし請求項6記載の発明は、回転体収容ケースのブリーザ装置において、回転体収容ケースの構造への依存度を少なくして、適切な容積のブリーザ室および潤滑油の飛沫の飛び込みが抑制される通気路を形成することを目的とする。本発明は、さらに、回転体収容ケースへの仕切部材の組付け性の向上と、ブリーザ室への飛沫の侵入を抑制することを目的とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、さらに、仕切部材をより確実に保持することを目的とし、請求項3ないし請求項5記載の発明は、さらに、仕切部材の組付け性の一層の向上を目的とし、請求項6記載の発明は、さらに、回転体収容ケースの構造を複雑化することなく仕切部材の抜止めを行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、内部に、回転体が収容されると共に、該回転体の回転により撹拌される潤滑油が封入された回転体収容ケースにおいて、ブリーザ室と、該ブリーザ室と前記内部に形成された内部空間とを連通させる通気路と、前記ブリーザ室と前記回転体収容ケースの外部とを連通させるブリーザ通路とを備えたブリーザ装置であって、前記ブリーザ室は、前記内部に設けられた仕切部材の前記回転体収容ケースのケース内壁面に対向する対向面に形成された凹部と該ケース内壁面とから形成されており、該仕切部材は、前記ブリーザ室における前記ブリーザ通路の開口への前記潤滑油の飛沫の飛び込みを防止すべく該開口を該潤滑油の油面から遮蔽しており、前記凹部は、底壁と、該底壁よりも前記ケース内壁面の近くに位置する開口縁部を有する周囲壁とを有し、前記通気路は、前記開口縁部と前記ケース内壁面との間に形成され、前記仕切部材は、前記ケース内壁面に嵌合して保持され、前記仕切部材は、少なくとも前記潤滑油の油面上方において前記回転体の径方向外方でかつ周方向に延びており、該仕切部材の、前記ブリーザ室を形成する前記対向面の部分よりも該周方向の両側に延びて前記ケース内壁面と対向する対向面の部分が、該ケース内壁面と接触した状態で、前記仕切部材は該ケース内壁面に嵌合している
ことを特徴とする回転体収容ケースのブリーザ装置である。
【0009】
この請求項1記載の発明によれば、ブリーザ室は、ブリーザ室におけるブリーザ通路の開口への潤滑油の飛沫の飛び込みを防止するための仕切部材に形成された凹部とケース内壁面とから形成されるので、凹部の容積を適切に設定することにより、回転体収容ケースの構造への依存度を少なくして、適切な容積のブリーザ室を形成できる。さらに、適切な容積のブリーザ室を仕切部材に設けた凹部により形成できるので、ブリーザ室を形成するケース内壁面の回転体収容ケースの外方への突出を抑制できて、周辺装置およびケースのレイアウト上有利である。
【0010】
また、通気路は、該凹部の周囲壁の開口縁部とケース内壁面との間に形成されるので、回転体収容ケースの構造への依存度を少なくして、潤滑油の飛沫の飛び込みが抑制される通気路を形成することができる。
【0012】
また、請求項1に記載の発明によれば、仕切部材は、回転体収容ケースのケース内壁面に嵌合して保持されるので、ボルト等の止具は不要となって、該ケースへの組付けが容易になり、組付け性が向上する。特に、回転体収容ケースの内部が狭い場合にも、ボルト等の止具による締付け工程がないので、その組付けは容易である。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、仕切部材は、ブリーザ室を形成する対向面の部分よりも周方向の両側に延びてケース内壁面と対向する対向面の部分が、ケース内壁面と接触して嵌合していることから、回転体の回転方向と同じ周方向の速度成分を持って飛散する飛沫が、仕切部材の対向面とケース内壁面との間を通って、周方向からブリーザ室へ侵入するのを防止できる。その結果、ブリーザ室におけるブリーザ通路の開口に潤滑油が侵入することが抑制される。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転体収容ケースのブリーザ装置において、前記仕切部材は前記潤滑油の油面上方から油面下に至る範囲で前記回転体を周方向に囲む筒状の形状をしており、前記対向面は該仕切部材の外周面であり、さらに該仕切部材は、前記外周面と前記ケース内壁面とが接触した状態で該ケース内壁面に嵌合しているものである。
【0016】
この請求項2記載の発明によれば、筒状の仕切部材が潤滑油の油面上方から油面下に至る範囲で回転体を囲んでいるため、仕切部材の一部は油面下まで延びており、ケース内壁面への仕切部材の嵌合の範囲が拡大されるので、仕切部材をより確実に嵌合保持できる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の回転体収容ケースのブリーザ装置において、前記仕切部材は、該仕切部材自体の弾性変形に基づく弾性力により前記ケース内壁面に保持されているものである。
【0018】
この請求項3記載の発明によれば、仕切部材をケース内壁面に嵌合させる際に、嵌合位置で仕切部材を弾性変形させた力を解除すると、仕切部材は自身の弾性力により直ちに嵌合位置に保持されるので、組付け時の仕切部材の脱落はなく、組付け性が向上する。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の回転体収容ケースのブリーザ装置において、前記仕切部材には、軸方向に該仕切部材の全長に渡るスリットが形成されているものである。
【0020】
この請求項4記載の発明によれば、スリットを利用して、嵌合時に仕切部材を容易に弾性変形させることができるので、組付け性が向上する。その上、スリットを利用して弾性変形および弾性力による保持がなされるため、仕切部材を保持する弾性力の設定が容易にできる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれか1項記載の回転体収容ケースのブリーザ装置において、前記仕切部材に設けられた係合部が前記ケース内壁面に設けられた被係合部と係合することにより、前記回転体収容ケースに対する該仕切部材の周方向の位置決めがなされるものである。
【0022】
この請求項5記載の発明によれば、ケース内壁面の被係合部と仕切部材の係合部との係合により仕切部材の位置決めが容易にでき、組付け性が向上する。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項2ないし請求項5のいずれか1項の回転体収容ケースのブリーザ装置において、前記回転体を支持する軸受が、前記仕切部材の軸方向の移動を規制するものである。
【0024】
この請求項6記載の発明によれば、回転体を支持する軸受を利用することにより、仕切部材の軸方向の移動を阻止し、その抜止めができるので、抜止め専用の部材や構造を別途設ける必要がなく、回転体収容ケースの構造を複雑化することなく仕切部材の抜止めができる。
【0025】
なお、この明細書において、特に断らない限り、「軸方向」は、回転体の回転軸線と平行な方向を意味し、「周方向」および「径方向」は、該回転軸線を基準とした周方向および径方向をそれぞれ意味する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本出願発明の一実施形態を図1ないし図8を参照して説明する。
この実施形態において、回転体収容ケースは、車両に搭載されたエンジンの動力を駆動輪に伝達する伝動装置を構成する部材であって、変速機の出力軸4と推進軸(図示されず)との間に設けられて両軸を連結する中間軸3を収容するエクステンションケース1であり、回転体は、この中間軸3である。
【0027】
図1および図2を参照すると、エクステンションケース1の左側の端部壁5の外周部にフランジ5aが形成され、図1に図示されるように、フランジ5aの環状の結合面5bには、周方向に間隔をおいて設けられた複数のネジ孔5dが設けられている。なお、7は、位置決めピン用の穴である。
【0028】
一方、変速機ケース2の右側の端部壁6の外周部にフランジ6aが形成され、フランジ6aの環状の結合面6bには、複数の前記ネジ孔5dに対応する複数の貫通孔が設けられている。
【0029】
そして、変速機ケース2とエクステンションケース1とは、図2に図示されるように、両結合面5b,6bが当接した状態でボルト結合されて連結される。したがって、端部壁6を含む変速機ケース2の右端部、および端部壁5を含むエクステンションケース1の左端部は、それぞれ連結部を構成している。
【0030】
なお、この明細書において、便宜上、「左右」は、図2における「左右」を意味し、エクステンションケース1に関していえば、その左側は変速機ケース2側であり、その右側は推進軸側である。
【0031】
両端部壁5,6は、両ケース1,2が連結された状態で、互いに対向した位置にあり、変速機ケース2の端部壁6には、一体回転可能にスプライン結合された出力軸4および中間軸3のスプライン結合部分である出力軸4の右側軸端部4aおよび中間軸3の左側軸端部3aが挿入される孔6dが形成されている。そして、孔6dの周壁面と左側軸端部3aの外周面との間にはオイルシール9が設けられている。さらに、フランジ6aよりも内側の端部壁6の外壁面6cは、結合面6bの内周縁から孔6dに至る範囲で凹部を形成していて、該凹部およびオイルシール9の外面により、左側軸端部3aの周囲に、環状の空間11が形成されている。
【0032】
一方、エクステンションケース1は鋳造により一体成形され、中間軸3が挿通される貫通孔である収容孔12が設けられている。そして、エクステンションケース1の端部壁5は、収容孔12の中心線から鉛直下方に延びる中央リブ5eを含めて複数のリブ5e,5fを有し(図1参照)、隣接するリブ5e,5fの間には、リブ間凹部5gがそれぞれ形成されている。また、各リブ5e,5fの頂部は、フランジ5aから収容孔12に向かって、軸方向に徐々に奥まった位置を占めるようにされている(図2参照)。したがって、フランジ5aよりも内側の端部壁5の外壁面5cは、結合面5bの内周縁から収容孔12に至る範囲で、隣接するリブ間凹部5gがリブ5e,5fの頂部上方を介して相互に連通する凹部を形成していて、該凹部および後述するオイルシール8の外面により、左側軸端部3aの周囲に、環状の空間10が形成されている。
【0033】
中間軸3は、収容孔12の周壁面であるエクステンションケース1のケース内壁面13に固定された一対の左方および右方玉軸受14,15により、収容孔12内において収容孔12と同軸に回転自在に支持されている。そして、左方玉軸受14よりも左方位置で、ケース内壁面13と左側軸端部3aの外周面との間にはオイルシール8が設けられている。
【0034】
中間軸3の右側軸端部3bには、結合フランジ16が、スプライン結合されて中間軸3と一体回転可能とされ、さらに、締付け後にかしめられるナット17により軸方向に移動不能に結合される。そして、結合フランジ16には、推進軸が中間軸3と一体回転可能にボルト結合される。また、右方玉軸受15よりも右方位置で、ケース内壁面13と結合フランジ16の外周面との間には、オイルシール18が設けられている。
【0035】
中間軸3において、右方玉軸受15の左側に隣接して、球体19により中間軸3と一体回転可能に固定された駆動ギヤ20が設けられている。駆動ギヤ20は、エクステンションケース1の下部であって右方玉軸受15よりも左方位置に形成された挿入孔を通して収容孔12に臨む回転速度センサ21のセンサギヤ22と噛合している。ケース外壁面に取り付けられたこの回転速度センサ21は、センサギヤ22の回転に基づいて、中間軸3の回転速度、したがって変速機の出力軸4の回転速度を検出する。
【0036】
両オイルシール8,18で密封された収容孔12の部分がエクステンションケース1の内部23を形成している。そして、内部23には、両玉軸受14,15と、駆動ギヤ20およびセンサギヤ22の噛合部とを潤滑するために、潤滑油が封入され、その量は、両ギヤ20,22の噛合部付近に油面24が位置する程度とされる。
【0037】
図3ないし図8を併せて参照すると、内部23において、油面24上方に位置するケース内壁面13の最上部に位置して、左方玉軸受14および駆動ギヤ20間の軸方向の略中央位置よりも左方玉軸受14に所定距離寄った位置から左方玉軸受14に向かって所定長さで、かつ周方向に所定長さに渡って、油面24上方に形成された内部空間25に開口すると共に、径方向外方に延びる膨出空間23aが形成されており、該膨出空間23aに対応する膨出部26aが、エクステンションケース1のケース壁26に形成される。
【0038】
さらに、内部23において、軸方向で、左方玉軸受14および駆動ギヤ20間の軸方向の略中央位置から左方玉軸受14のアウタレースの右端面に至る範囲のケース内壁面13は、膨出空間23aおよび後述する通気路36を形成する部分を除いて略同一半径の略円形断面を有する嵌合面13aとなっていて、この嵌合面13aに筒状の仕切部材30が、中間軸3の径方向外方において、その外周面30aが嵌合面13aと接触した状態で、嵌合して保持されている。
【0039】
板金をプレス加工することにより形成された仕切部材30には、図4に図示されるように、軸方向に、仕切部材30の周壁全長に渡って、周方向に所定幅を有するスリット31が形成され、仕切部材30の右側端部には、軸方向に突出する係合片32が形成されている。
【0040】
仕切部材30は、全体として、スリット31を除いて略円弧形の横断面形状を有する略円筒部分30aと、横断面形状において、前記略円弧形に対して弦に相当する部分となる平面部33を有する部分円筒部分30bとからなる。この平面部33は、仕切部材30の、スリット31が形成された側に対して直径方向で反対側に設けられ、かつ該直径方向に対して略直交する外面33aを有している。
【0041】
さらに、仕切部材30は、膨出空間23aの軸方向長さおよび周方向長さよりも長い軸方向長さおよび周方向長さをそれぞれ有しており、その右側端面は、左方玉軸受14および駆動ギヤ20間の軸方向の略中央位置で、嵌合面13aの右側端部に形成された段部13bに当接し、その左側端面は、膨出空間23aの左端よりも左方玉軸受14に向かって延びて左方玉軸受14のアウタレースの右端面に当接して挟持されて、膨出空間23aの内部空間25への開口を覆っている。
【0042】
そして、仕切部材30が嵌合面13aに嵌合保持された状態で、ケース内壁面13と対向する対向面である外周面30cの一部である前記外面33aを有する平面部33には、膨出空間23aに対向する位置に凹部34が形成されている。この凹部34は、仕切部材30の右側端面から軸方向に所定距離おいて設けられており、平面部33より径方向内方に位置する底壁34aと、底壁34aの全周に渡る周囲壁34bとを有している。そして、周囲壁34bの開口縁部34c,34d,34e,34fは底壁34aよりもケース内壁面13に近い位置にある。すなわち、周囲壁34bの周方向の両側の開口縁部34c,34dおよび左側の開口縁部34eは、嵌合面13aに接触しており(図2および図6参照)、右側の開口縁部34fは平面部33に位置する。
【0043】
そして、膨出空間23aを形成しているケース内壁面13bと仕切部材30の凹部34とにより、ブリーザ室35が形成される。一方、仕切部材30の右側端面から周囲壁34bの右側の開口縁部34fに至る範囲で、平面部33の外面33aとケース内壁面13とで形成される通路は、内部空間25とブリーザ室35とを連通させる通気路36を形成している。この通気路36は、内部空間25とブリーザ室35との必要な通気を確保した上で、潤滑油の飛沫の飛び込みが抑制される程度の流路断面積を有するようにされている。
【0044】
そして、仕切部材30の外周面30cは、ブリーザ室35を形成する凹部34および通気路36よりも周方向の両側に延びている部分30d(図5および図6参照)および左方玉軸受14側に軸方向に延びている部分30eで、嵌合面13aに接触することにより、仕切部材30が嵌合面13aに嵌合保持されると同時に、外周面30cと嵌合面13aとの間から潤滑油の飛沫が、ブリーザ室35へ周方向および左方玉軸受14側の軸方向から侵入しないようにしている。
【0045】
また、ブリーザ室35の容積は、後述するブリーザパイプ40の開口40aの周辺に比較的広い空間を形成することで、ブリーザ室35内での空気の流動により、該開口40aにブリーザ室35を形成するケース内壁面13bに付着した潤滑油等が侵入することを抑制している。
【0046】
仕切部材30は、押圧力によりスリット31を利用して弾性変形されて、その径を縮小させた状態で、収容孔12の左側端部から嵌合面13aの位置まで挿入され、その位置で押圧力が解除されて拡開してやや元の形状に戻った後、その弾性力で、その外周面30cが嵌合面13aに接触した状態で、嵌合して保持される。仕切部材30が所定の位置に嵌合保持されたとき、スリット31は、潤滑油の油面24下にあって、嵌合面13aの最下部に位置する。したがって、仕切部材30は、潤滑油の油面24上方から油面24下に至る範囲で中間軸3を周方向に囲んでいる。また、スリット31の幅は、収容孔12への仕切部材30の挿入を容易にするための弾性変形の程度や仕切部材30を嵌合面13aに保持する弾性力の大きさを考慮して適宜設定される。
【0047】
また、凹部34の底壁34aにはブリーザ室35に溜まった潤滑油を排出するための戻し孔37が形成されており、その大きさは、戻し孔37からブリーザ室35への潤滑油の飛沫の飛び込み抑制を考慮しつつ、通気路36からブリーザ室35に侵入してケース内壁面13bや凹部34の内面に付着した潤滑油の飛沫が成長してブリーザ室35に溜まった潤滑油を排出できる程度に設定されている。
【0048】
そして、潤滑油の飛沫が戻し孔37から直ちにブリーザパイプ40の開口40aに飛び込むのを防止すべく、戻し孔37の位置は、図2および図6に図示されるように、ブリーザパイプ40の開口40aの位置から周方向にずれた位置とされる。
【0049】
一方、位置決め係合部としての係合片32は、図3に図示されるように、筒状の仕切部材30の軸線を通る水平面との交差部を中心に上方および下方の周方向に渡って形成されていて、ケース内壁面13において係合片32に対応する位置に形成された、被係合部としての係合溝13cに収容される(図8参照)。
【0050】
そして、係合片32と係合溝13cとが係合することで、ケース内壁面13に対する仕切部材30の周方向の位置決めがされ、同時に、仕切部材30の周方向の周り止めがなされる。なお、係合溝13cと係合片32との間の間隙は、エクステンションケース1への仕切部材30の所定位置への嵌合を容易にするものである。
【0051】
また、仕切部材30の軸方向の位置決めは、段部13bに当接することで行われる。さらに、仕切部材30の収容孔12への挿入後に収容孔12に挿入される左方玉軸受14のアウタレースの右端面に、仕切部材30の左側端面が当接することで、仕切部材30の左方への抜け止めがなされている。
【0052】
ところで、図2、図3および図7に図示されるように、ブリーザ室35には、エクステンションケース1を鋳造する際に、ケース壁26の形成部分に鋳込まれたブリーザパイプ40が開口している。そして、ブリーザ室35において、ブリーザパイプ40の端部は、ブリーザパイプ40の一方の開口であるブリーザ室35側の開口40aが凹部34の底壁34aに対向すると共にケース内壁面13bから離間して位置するように、略直角に折り曲げられている。
【0053】
一方、ブリーザパイプ40の他方の開口40bは、図1ないし図3に図示されるように、エクステンションケース1の端部壁5のフランジ5aの結合面5bの最上部から下方に延びる延長部5hに形成されて、変速機ケース2の端部壁6の凹部に対向して開口した開口部41に連通している。
【0054】
このため、ブリーザパイプ40と開口部41とから形成される連通路42は空間11に連通し、したがって、この空間11と空間10とにより形成される連通空間43に連通している。そして、この連通空間43は、エクステンションケース1のフランジ5aの結合面5bに形成された溝44(図1および図3参照)と変速機ケース2のフランジ6aの結合面6bとにより形成される開放路45を介して、エクステンションケース1の外部である外気と連通する。
【0055】
この溝44は、中央リブ5eの両側の位置する両リブ間凹部5gにそれぞれ開口するリブ側開口を有するU字状の分岐溝44aと、中央リブ5eの下方位置であって分岐溝44aの下部中央で合流して一つの溝となる合流溝44bとからなり、合流溝44bの外気側開口は、結合面5bの最下部に位置して、下方に向かっている。
【0056】
ここで、ブリーザパイプ40と開口部41とから形成される連通路42、連通空間43および開放路45は、ブリーザ通路を構成しており、またブリーザ室34およびブリーザ通路は、ブリーザ装置を構成している。
【0057】
次に、このように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
変速機の出力軸4が回転して、中間軸3が出力軸4と共に一体に回転すると、エクステンションケース1の内部23に封入された潤滑油が、駆動ギヤ20とセンサギヤ22の回転により撹拌されて、潤滑油の温度が上昇し、それによって内部空間25の空気が加熱されて膨張する。このとき、膨張した空気は、通気路36からブリーザ室34に流入し、さらにブリーザパイプ40、開口部41、連通空間43および開放路45を通って外気中に排出されて、内部空間25の圧力上昇が防止される。
【0058】
一方、潤滑油の撹拌により発生した潤滑油の飛沫は、内部空間25に飛散するものの、ブリーザ室35におけるブリーザパイプ40の開口40aは、仕切部材30により油面24から遮蔽されているため、飛沫が開口40aに飛び込むことが防止される。その結果、潤滑油がブリーザ装置を介してエクステンションケース1の外部に流出することが抑制される。
【0059】
ブリーザ室35は、ブリーザ室35におけるブリーザパイプ40の開口40aへの潤滑油の飛沫の飛び込みを防止するための仕切部材30に形成された凹部34とケース内壁面13とから形成されるので、凹部の容積を適切に設定することにより、エクステンションケース1の構造への依存度を少なくして、適切な容積のブリーザ室35を形成できる。さらに、適切な容積のブリーザ室35を仕切部材30に設けた凹部34により形成できるので、ブリーザ室35を形成する膨出空間23aを設けるためのケース壁26の膨出部26aの外方への突出度合いを抑制できて、周辺装置およびエクステンションケース1のレイアウト上有利である。また、ケース内壁面13bから離間して位置するブリーザパイプ40の開口40aは、ブリーザパイプ40の略直角に折り曲げられた端部に、凹部34の底壁34aに対向するように形成されているため、この点でも膨出部26aの突出度合いを小さくすることができる。
【0060】
その上、仕切部材30に設けられた凹部34によりブリーザ室35が形成されていることにより、ブリーザ室35の容積は、凹部34の容積をプレス加工等により変更することにより、容易に調整できる。
【0061】
また、通気路36は、仕切部材30の右側端面から凹部34の周囲壁34bの開口縁部34fに至る範囲の平面部33の外面33aとケース内壁面13との間に形成されるので、エクステンションケース1の構造への依存度を少なくして、潤滑油の飛沫の飛び込みが抑制される通気路36を形成することができる。
【0062】
一方仕切部材30は、エクステンションケース1のケース内壁面13の一部である嵌合面13aに嵌合して保持されるので、ボルト等の止具は不要となって、エクステンションケース1への組付けが容易になり、組付け性が向上する。
【0063】
さらに、エクステンションケース1は、割り面を持たない一体のケースとして形成されるため、その内部23はボルト等の止具による締付け作業が困難な狭い空間となっているのにも拘わらず、そのような内部23への仕切部材30の組付けは止具を使用することなく嵌合により行われるため、仕切部材30を容易に組み付けることができる。
【0064】
仕切部材30の外周面30cが、ブリーザ室35を形成する凹部34および通気路36よりも周方向の両側に延びていて、しかも嵌合面13aに接触していることから、駆動ギヤ20および中間軸3の回転の向きと同じ周方向の速度成分を持って飛散する飛沫が、外周面30cと嵌合面13aとの間を通って、周方向からブリーザ室35へ侵入するのを防止できる。その結果、ブリーザ室35内のブリーザパイプ40の開口40aに潤滑油が侵入することが抑制される。
【0065】
さらに、仕切部材30は潤滑油の油面24上方から油面24下に至る範囲で中間軸3を囲んでいるため、仕切部材30の一部は油面24下まで延びており、嵌合面13aへの仕切部材30の嵌合の範囲が拡大されるので、仕切部材30をより確実に嵌合保持できる。
【0066】
仕切部材30はスリット31を有するため、仕切部材30を嵌合面13aに嵌合させる際に、スリット31により仕切部材30を容易に弾性変形させることができるので、組付け性が向上する。そして、仕切部材30の係合片32とケース内壁面13の係合溝13cとの係合により、仕切部材30の位置決めが容易にできるので、この点でも仕切部材30の組付け性が向上する。
【0067】
嵌合位置で仕切部材30を弾性変形させた力を解除すると、仕切部材30は自身の弾性力により直ちに嵌合位置に保持されるので、組付け時に仕切部材30が脱落することはなく、組付け性が向上する。さらに、スリット31を利用して弾性変形および弾性力による保持がなされるため、仕切部材30を保持する弾性力の設定が容易にできる。 仕切部材30よりも収容孔12の左側端部寄りに位置して中間軸3を支持する左方玉軸受14に仕切部材30を当接させることにより、仕切部材30の軸方向の移動を阻止して、その抜止めができるので、抜止め専用の部材や構造を別途設ける必要がなく、エクステンションケース1の構造を複雑化することなく仕切部材30の抜止めができる。
【0068】
エクステンションケース1が変速機ケース2に連結された状態では、ブリーザパイプ40を含む連通路42、連通空間43および開放路45からなるブリーザ通路は、エクステンションケース1の外部に露出しないため、エクステンションケース1の保守点検時等に邪魔になることはない上に、ブリーザパイプ40を含む連通路42がケース壁26内に形成されるため、ブリーザ通路の配置も、エクステンションケース1の特定の位置である必要はなく、ブリーザ通路の配置の制約は少ない。
【0069】
また、連通空間43は、エクステンションケース1の端部壁5の外壁面5cに形成される凹部および変速機ケース2の端部壁6の外壁面6cに形成される凹部を利用して形成されるため、ブリーザ室34および連通路42を合わせた容積よりも大きな容積を有する空間とすることができて、ブリーザ通路内での圧力変動の緩衝空間としての機能を持つようにすることができ、内部空間25での圧力変動により生じる、外気から連通路42や内部空間25への水や塵埃の逆流を抑制できる。
【0070】
さらに、開放路45は、エクステンションケース1の下方に向けて開口しており、しかも合流溝44bがU字状の分岐溝44aの下部中央に接続されているので、この点でも、外気から連通路42や内部空間25への水や塵埃の侵入が抑制される。
【0071】
連通路42を形成するブリーザパイプ40はエクステンションケース1の鋳造と同時にケース壁26内に埋設されるので、例えばエクステンションケース1の鋳造後、機械加工により孔を形成しパイプを挿入して連通路を形成するような場合に比べて、連通路の長さに拘わらず、パイプを使用した連通路を容易に形成できる。
【0072】
以下、前記実施形態の構造の一部を変更した実施形態について説明する。
前記実施形態では、仕切部材30は、スリット31を有する筒状の部材であったが、スリット31のない筒状の部材であってもよい。また、仕切部材30の一部は油面24下に位置するものであったが、仕切部材の形状を例えば半筒状として、仕切部材全体が油面24上方のみに位置するようにすることもできる。
【0073】
前記実施形態では、連通路42は、ブリーザパイプ40と開口部41とから形成されたが、ブリーザパイプのみから形成することもでき、その場合はブリーザパイプが空間11に直接開口することになる。また、連通路をエクステンションケース1側の空間10に直接連通させることもできる。
【0074】
前記実施形態では、連通路42を形成するためにブリーザパイプ40が使用されたが、ブリーザパイプ40を使用することなく、鋳造により形成された孔自体により、連通路を構成することもできる。
【0075】
前記実施形態では、開放路45と連通する連通空間43は、変速機ケース2の端部壁6により形成される凹部およびエクステンションケース1の端部壁5により形成される凹部を利用して形成されたが、凹部はいずれか一方のケースの端部壁のみに設けて、その凹部により形成される連結空間が、開放路45を介して外気と連通するようにしてもよい。また、開放路は、変速機ケース2の結合面6bに設けられた溝およびエクステンションケース1の結合面5bにより構成することもでき、また変速機ケース2の端部壁6またはエクステンションケース1の端部壁5に設けられた孔により構成することもできる。
【0076】
前記実施形態では、回転体収容ケースは、エクステンションケース1であったが、ケース内に封入された潤滑油を撹拌する回転体を収容する回転体収容ケースであれば、本出願発明は適用可能であり、例えば変速機ケースであってもよい。また、前記実施形態では、仕切部材30は、潤滑油を撹拌する駆動ギヤ20から軸方向に離れた位置に設けられたが、仕切部材を、回転軸に固定されたギヤと同じ軸方向位置で径方向外方に位置させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明が適用される中間軸を収容したエクステンションケースの正面図である。
【図2】変速機ケースと結合した状態における図1のII−II線断面図である。
【図3】エクステンションケースに仕切部材およびブリーザパイプのみが装着され、かつ変速機ケースと結合した状態における図1のIII−III線断面図である。
【図4】仕切部材の斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【図8】図3のVIII−VIII線断面図である。
【符号の説明】
1…エクステンションケース、2…変速機ケース、3…中間軸、4…出力軸、5,6…端部壁、5c,6c…外壁面、7…穴、8,9…オイルシール、10,11…空間、12…収容孔、13…ケース内壁面、14,15…玉軸受、16…結合フランジ、17…ナット、18…オイルシール、19…球体、20…駆動ギヤ、21…回転速度センサ、22…センサギヤ、23…内部、24…油面、25…内部空間、26…ケース壁、
30…仕切部材、31…スリット、32…係合片、33…平面部、34…凹部、34a…底壁、34b…周囲壁、34c,34d,34e,34f…開口縁部、35…ブリーザ室、36…通気路、37…戻し孔、
40…ブリーザパイプ、41…開口部、42…連通路、43…連通空間、44…溝、45…開放路。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The invention of the present application is formed inside a rotating body housing case in which a rotating body such as a rotating shaft for transmitting torque is housed and lubricating oil is enclosed, such as an extension case used in a transmission system of a vehicle. The present invention relates to a breather device that communicates the open space with the outside of the case.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a lubricating oil is enclosed in a case that accommodates a rotating shaft that transmits torque, for example, for lubrication of a meshing portion of a gear and lubrication of a bearing that supports the rotating shaft. The lubricating oil is agitated by the rotation of the gear and the rotating shaft, and the temperature rises. Therefore, the air in the internal space formed inside the case is heated and expanded by the high-temperature lubricating oil, and the internal space Pressure increases. Therefore, by providing a breather device that communicates the internal space of the case with the outside air that is outside the case, an increase in pressure in the internal space is prevented.
[0003]
In the case where the breather device is provided, the splash of lubricant generated by stirring the lubricant jumps into the breather device, and when the expanded air is discharged to the outside air, the lubricant oil passes through the breather device. In order to prevent the oil from flowing out of the case, a shielding member is provided for preventing the splash of lubricating oil from entering the breather device.
[0004]
For example, in the technique disclosed in JP-A-8-219259, a baffle plate is provided between a gear and a transmission case in the transmission, and the air breather opening in the transmission case is scraped up by the gear in the case. Provided in a space formed between the baffle plate and the case for blocking the scattering of the lubricating oil. The baffle plate is fixed by a stopper.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the technique disclosed in the publication, the baffle plate extends to the vicinity of the axial end wall of the transmission case, and the axial distance between the axial end of the baffle plate and the end wall is set. By making it small, it is possible to suppress the splashing of the scattered oil into the space from the interval. However, in order to maintain the spacing, if the length of the case in the axial direction is long, it becomes longer in the axial direction of the baffle plate, making it difficult to support the baffle plate, and the volume of the space corresponding to the breather chamber. Will be larger than necessary.
[0006]
This onset Ming, was made in view of such circumstances, an invention according to claim 1 to claim 6, wherein, in the breather device for a rotary body accommodating case, reliance on the structure of the rotating body accommodating case An object of the present invention is to form a breather chamber having an appropriate volume and an air passage that suppresses the splashing of lubricating oil. Another object of the present invention is to improve the assembling property of the partition member to the rotating body accommodation case and to suppress the invasion of the splash into the breather chamber.
[0007]
Further, an invention according to
[0008]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
Invention 請 Motomeko 1 wherein the inside, the rotary body is housed in the rotary body housing case lubricating oil is agitated by rotation of the rotary body is enclosed, the a breather chamber, and the breather chamber A breather device comprising an air passage communicating with an internal space formed inside, and a breather passage communicating between the breather chamber and the outside of the rotating body housing case, wherein the breather chamber is formed in the interior. is formed from the provided with partition the rotating body accommodating case casing wall formed on the opposing surface facing the recesses and the casing inner wall surface of the member, partition member is of the breather passage in the breather chamber The opening is shielded from the oil surface of the lubricating oil in order to prevent the splash of the lubricating oil from entering the opening, and the concave portion is positioned closer to the bottom wall and the inner wall of the case than the bottom wall. Do And a peripheral wall having a rim, said air passage, said formed between the opening edge portion and the casing inner wall surface, the partition member is held fitted in the casing wall, The partition member extends radially outward and circumferentially at least above the oil surface of the lubricating oil, and more than the portion of the facing surface that forms the breather chamber of the partition member. The partition member is fitted to the inner wall surface of the case in a state in which a portion of an opposing surface extending to both sides in the circumferential direction and facing the inner wall surface of the case is in contact with the inner wall surface of the case. It is a breather device of a rotating body accommodation case characterized.
[0009]
According to the first aspect of the present invention, the breather chamber is formed by the recess formed in the partition member for preventing the splash of the lubricant oil from entering the opening of the breather passage in the breather chamber and the inner wall surface of the case. Therefore, by appropriately setting the volume of the concave portion, the dependence on the structure of the rotating body accommodation case can be reduced, and a breather chamber having an appropriate volume can be formed. Furthermore, since the breather chamber having an appropriate volume can be formed by the recess provided in the partition member, the outer wall of the case forming the breather chamber can be prevented from protruding outward from the rotating body housing case, and the peripheral device and the case layout This is advantageous.
[0010]
Further, since the air passage is formed between the opening edge of the peripheral wall of the recess and the inner wall surface of the case, the dependency on the structure of the rotating body housing case is reduced, and the splash of the lubricating oil is prevented from jumping in. A suppressed air passage can be formed.
[0012]
In addition, according to the first aspect of the present invention, the partition member is fitted and held on the inner wall surface of the case of the rotating body accommodation case, so that a fastener such as a bolt is not necessary, Assembling becomes easy and the assembling property is improved. In particular, even when the inside of the rotating body accommodation case is narrow, there is no tightening step with a fastener such as a bolt, so that the assembly is easy.
[0014]
Further, according to the first aspect of the present invention , the partition member extends on both sides in the circumferential direction from the portion of the facing surface that forms the breather chamber, and the portion of the facing surface that faces the case inner wall surface has the case inner wall surface. Since the contact with and is engaged, the splashes having the same circumferential velocity component as the rotating direction of the rotating body pass between the opposing surface of the partition member and the inner wall surface of the case, and thus in the circumferential direction. Can be prevented from entering the breather chamber. As a result, the lubricating oil is prevented from entering the opening of the breather passage in the breather chamber.
[0015]
According to a second aspect of the present invention, in the breather device for the rotating body housing case according to the first aspect, the partition member surrounds the rotating body in the circumferential direction in a range from the upper oil surface to the lower oil surface of the lubricating oil. The opposing surface is an outer peripheral surface of the partition member, and the partition member is fitted to the inner wall surface of the case in a state where the outer peripheral surface and the inner wall surface of the case are in contact with each other. It is what.
[0016]
According to the second aspect of the present invention, since the cylindrical partition member surrounds the rotating body in a range from the upper oil surface to the lower oil surface of the lubricating oil, a part of the partition member extends below the oil surface. Since the range of fitting of the partition member to the inner wall surface of the case is expanded, the partition member can be fitted and held more reliably.
[0017]
According to a third aspect of the present invention, in the breather device for a rotating body accommodation case according to the second aspect , the partition member is held on the inner wall surface of the case by an elastic force based on elastic deformation of the partition member itself. is there.
[0018]
According to the third aspect of the present invention, when the partition member is fitted to the inner wall surface of the case, when the force that elastically deforms the partition member at the fitting position is released, the partition member is immediately fitted by its own elastic force. Since it is held at the mating position, the partition member does not fall off during assembly, and the assembly is improved.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, in the breather device for a rotating body accommodation case according to the third aspect , the partition member is formed with a slit extending in the axial direction over the entire length of the partition member.
[0020]
According to the fourth aspect of the present invention, since the partition member can be easily elastically deformed at the time of fitting using the slit, the assembling property is improved. In addition, since the elastic deformation and holding by the elastic force are performed using the slit, it is possible to easily set the elastic force for holding the partition member.
[0021]
According to a fifth aspect of the present invention, in the breather device for a rotating body accommodation case according to any one of the second to fourth aspects, an engaging portion provided on the partition member is provided on the inner wall surface of the case. By engaging with the engaged portion, the partition member is positioned in the circumferential direction with respect to the rotating body accommodation case.
[0022]
According to the fifth aspect of the present invention, the partition member can be easily positioned by the engagement between the engaged portion of the inner wall surface of the case and the engagement portion of the partition member, and the assemblability is improved.
[0023]
According to a sixth aspect of the present invention, in the breather device of the rotating body accommodation case according to any one of the second to fifth aspects, the bearing that supports the rotating body restricts the axial movement of the partition member. Is.
[0024]
According to the sixth aspect of the present invention, the use of the bearing that supports the rotating body prevents the partition member from moving in the axial direction and can prevent the separation member from being separated. There is no need to provide the partition member, and the partition member can be prevented from being pulled out without complicating the structure of the rotating body accommodation case.
[0025]
In this specification, unless otherwise specified, the “axial direction” means a direction parallel to the rotational axis of the rotating body, and the “circumferential direction” and the “radial direction” are circumferential directions based on the rotational axis. Means the direction and the radial direction, respectively.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
In this embodiment, the rotating body accommodation case is a member constituting a transmission device that transmits the power of an engine mounted on a vehicle to driving wheels, and includes an output shaft 4 of a transmission and a propulsion shaft (not shown). Is an extension case 1 that accommodates an
[0027]
1 and 2, a
[0028]
On the other hand, a
[0029]
As shown in FIG. 2, the
[0030]
In this specification, for the sake of convenience, “left and right” means “left and right” in FIG. 2, and regarding the extension case 1, the left side is the
[0031]
Both
[0032]
On the other hand, the extension case 1 is integrally formed by casting, and is provided with a receiving hole 12 that is a through hole through which the
[0033]
The
[0034]
A
[0035]
In the
[0036]
The portion of the accommodation hole 12 sealed by the oil seals 8 and 18 forms the interior 23 of the extension case 1. The interior 23 is filled with lubricating oil to lubricate both the
[0037]
Referring to FIGS. 3 to 8 together, in the interior 23, it is located at the top of the case
[0038]
Further, in the interior 23, the case
[0039]
In the
[0040]
The
[0041]
Furthermore, the
[0042]
Then, in a state in which the
[0043]
A
[0044]
The outer
[0045]
Further, the volume of the
[0046]
The
[0047]
Further, a
[0048]
Then, in order to prevent the splash of lubricating oil from immediately jumping from the
[0049]
On the other hand, as shown in FIG. 3, the
[0050]
Then, the
[0051]
Further, the positioning of the
[0052]
2, 3, and 7, the
[0053]
On the other hand, the
[0054]
Therefore, the
[0055]
The
[0056]
Here, the
[0057]
Next, operations and effects of the embodiment configured as described above will be described.
When the output shaft 4 of the transmission rotates and the
[0058]
On the other hand, although the splashes of the lubricant generated by the stirring of the lubricant are scattered in the
[0059]
The
[0060]
In addition, since the
[0061]
Further, since the
[0062]
On the other hand, since the
[0063]
Further, since the extension case 1 is formed as an integral case having no split surface, the interior 23 is in such a narrow space that it is difficult to tighten with bolts or other fasteners. Since the assembly of the
[0064]
Since the outer
[0065]
Further, since the
[0066]
Since the
[0067]
When the force that elastically deforms the
[0068]
In the state where the extension case 1 is connected to the
[0069]
Further, the
[0070]
Further, the
[0071]
The
[0072]
Hereinafter, an embodiment in which a part of the structure of the embodiment is changed will be described.
In the embodiment, the
[0073]
In the above-described embodiment, the
[0074]
In the above-described embodiment, the
[0075]
In the above embodiment, the
[0076]
In the embodiment, the rotating body storage case is the extension case 1. However, the invention of the present application is applicable as long as the rotating body storage case stores a rotating body that stirs the lubricating oil sealed in the case. For example, a transmission case may be used. In the above embodiment, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of an extension case that houses an intermediate shaft to which the present invention is applied.
2 is a cross-sectional view taken along line II-II in FIG. 1 in a state where it is coupled to a transmission case.
3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG. 1 in a state in which only a partition member and a breather pipe are attached to the extension case and coupled to the transmission case.
FIG. 4 is a perspective view of a partition member.
5 is a cross-sectional view taken along line VV in FIG.
6 is a cross-sectional view taken along line VI-VI in FIG.
7 is a cross-sectional view taken along line VII-VII in FIG.
8 is a cross-sectional view taken along line VIII-VIII in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Extension case, 2 ... Transmission case, 3 ... Intermediate shaft, 4 ... Output shaft, 5, 6 ... End wall, 5c, 6c ... Outer wall surface, 7 ... Hole, 8, 9 ... Oil seal, 10, 11 ... Space, 12 ... Housing hole, 13 ... Case inner wall surface, 14, 15 ... Ball bearing, 16 ... Coupling flange, 17 ... Nut, 18 ... Oil seal, 19 ... Sphere, 20 ... Drive gear, 21 ... Rotation speed sensor, 22 ... sensor gear, 23 ... inside, 24 ... oil level, 25 ... internal space, 26 ... case wall,
30 ... Partition member, 31 ... Slit, 32 ... Engagement piece, 33 ... Flat part, 34 ... Recess, 34a ... Bottom wall, 34b ... Peripheral wall, 34c, 34d, 34e, 34f ... Opening edge, 35 ...
40 ... breather pipe, 41 ... opening, 42 ... communication path, 43 ... communication space, 44 ... groove, 45 ... open path.
Claims (6)
ブリーザ室と、該ブリーザ室と前記内部に形成された内部空間とを連通させる通気路と、前記ブリーザ室と前記回転体収容ケースの外部とを連通させるブリーザ通路とを備えたブリーザ装置であって、
前記ブリーザ室は、前記内部に設けられた仕切部材の前記回転体収容ケースのケース内壁面に対向する対向面に形成された凹部と該ケース内壁面とから形成されており、該仕切部材は、前記ブリーザ室における前記ブリーザ通路の開口への前記潤滑油の飛沫の飛び込みを防止すべく該開口を該潤滑油の油面から遮蔽しており、
前記凹部は、底壁と、該底壁よりも前記ケース内壁面の近くに位置する開口縁部を有する周囲壁とを有し、
前記通気路は、前記開口縁部と前記ケース内壁面との間に形成され、
前記仕切部材は、前記ケース内壁面に嵌合して保持され、
前記仕切部材は、少なくとも前記潤滑油の油面上方において前記回転体の径方向外方でかつ周方向に延びており、該仕切部材の、前記ブリーザ室を形成する前記対向面の部分よりも該周方向の両側に延びて前記ケース内壁面と対向する対向面の部分が、該ケース内壁面と接触した状態で、前記仕切部材は該ケース内壁面に嵌合している
ことを特徴とする回転体収容ケースのブリーザ装置。In the rotating body housing case in which the rotating body is housed and the lubricating oil stirred by the rotation of the rotating body is enclosed,
A breather apparatus comprising: a breather chamber; an air passage that allows communication between the breather chamber and the internal space formed therein; and a breather passage that allows communication between the breather chamber and the outside of the rotating body housing case. ,
The breather chamber is formed of a concave portion formed on an opposing surface of the partition member provided in the interior facing the case inner wall surface of the rotating body accommodation case, and the case inner wall surface, and the partition member includes: the opening to prevent the dive splash of the lubricating oil to an opening of the breather passage in the breather chamber is shielded from the oil surface of the lubricating oil,
The recess has a bottom wall and a peripheral wall having an opening edge located closer to the case inner wall surface than the bottom wall;
The air passage is formed between the opening edge and the inner wall surface of the case,
The partition member is fitted and held on the inner wall surface of the case,
The partition member extends radially outward and circumferentially at least above the oil surface of the lubricating oil, and more than the portion of the facing surface that forms the breather chamber of the partition member. The partition member is fitted to the inner wall surface of the case in a state in which a portion of an opposing surface extending to both sides in the circumferential direction and facing the inner wall surface of the case is in contact with the inner wall surface of the case. A breather device for a rotating body accommodation case.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27174399A JP4513998B2 (en) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | Breather device for rotating body storage case |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27174399A JP4513998B2 (en) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | Breather device for rotating body storage case |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001090815A JP2001090815A (en) | 2001-04-03 |
JP4513998B2 true JP4513998B2 (en) | 2010-07-28 |
Family
ID=17504220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27174399A Expired - Fee Related JP4513998B2 (en) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | Breather device for rotating body storage case |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4513998B2 (en) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6473095B2 (en) * | 2016-03-29 | 2019-02-20 | ヤンマー株式会社 | Engine equipment |
JP6962809B2 (en) * | 2017-12-19 | 2021-11-05 | 日立Astemo株式会社 | Vehicle propulsion shaft |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56120871A (en) * | 1980-02-28 | 1981-09-22 | Nissan Motor Co Ltd | Air breezer |
JPS63118454U (en) * | 1987-01-27 | 1988-07-30 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6229301Y2 (en) * | 1980-11-11 | 1987-07-28 | ||
JPH08219259A (en) * | 1995-02-14 | 1996-08-27 | Aichi Mach Ind Co Ltd | Transmission |
JPH08285053A (en) * | 1995-04-19 | 1996-11-01 | Aoyama Seisakusho:Kk | Plug breather |
JP3607371B2 (en) * | 1995-06-26 | 2005-01-05 | カヤバ工業株式会社 | Reducer for electric power steering system |
-
1999
- 1999-09-27 JP JP27174399A patent/JP4513998B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56120871A (en) * | 1980-02-28 | 1981-09-22 | Nissan Motor Co Ltd | Air breezer |
JPS63118454U (en) * | 1987-01-27 | 1988-07-30 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001090815A (en) | 2001-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9057431B2 (en) | Differential apparatus | |
US10760674B2 (en) | Power transmission apparatus | |
JP5952665B2 (en) | Lubrication and breather structure of power transmission equipment | |
JP4513998B2 (en) | Breather device for rotating body storage case | |
JP4666701B2 (en) | Breather device for rotating body storage case | |
JPH0658129B2 (en) | Transmission air breather | |
JP2010223344A (en) | Lubricating device | |
JP4513997B2 (en) | Breather device for rotating body storage case | |
US10760676B2 (en) | Differential apparatus | |
JP2020112245A (en) | Lubrication structure for hybrid vehicle driving device | |
JP2011153680A (en) | Power transmission device | |
JP6534414B2 (en) | Power plant | |
JP4969902B2 (en) | Transfer device | |
JP7369781B2 (en) | Propeller shaft | |
JP5613419B2 (en) | Power transmission device | |
JP7504076B2 (en) | Differential gear | |
JPH0854052A (en) | Lubricating structure of differential mechanism | |
JP6851917B2 (en) | Power transmission device | |
JP2004286041A (en) | Differential case, and differential device | |
JP2009127831A (en) | Breather structure | |
JP2018119564A (en) | Differential case | |
JPH0744844Y2 (en) | Lubrication mechanism in differential gear | |
JPH08303478A (en) | Shaft coupling device | |
JP4876678B2 (en) | Automatic transmission | |
JP2006258171A (en) | Transmission |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060628 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090611 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090630 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100506 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100506 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |