JP2004286041A - Differential case, and differential device - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a differential case for a differential device capable of maintaining performance of a differential gear contained inside. <P>SOLUTION: In this differential case 5, the differential gear 40 is contained inside, and when a vehicle is driven, it can be normally and reversely rotated by driving force from a transmission. Two first projections 13a and two second projections 13b are alternately formed on an outer circumferential surface CR of a large diameter part 12. Between the first projection 13a and the second projection 13b, opening parts 17a and 17b are respectively formed. A side surface 13c of the first projection 13a on the normal rotation side is acute to the outer circumferential surface CR. Between the second projection 13b and the second opening part 17b, a thick part 14 is formed in a first differential case 10. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、エンジンやモータなどの原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するのに好適なデファレンシャル装置のデフケースに関する。
【0002】
【背景技術】
近年の自動車等においては、高性能化、省エネルギ化のために自動車の軽量化が図られている。そして、自動車の軽量化を図る上で、デファレンシャル装置の軽量化が求められている。
【0003】
このようなデファレンシャル装置の軽量化において、デファレンシャルギアを内部に収容するデフケースの工法を、鋳造から鍛造に変更することにより、鍛造加工により機械的強度を向上させると共に、デフケースの薄肉化を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来から、このデファレンシャル装置は、潤滑油溜りを備えたキャリアケース内に収容され、デファレンシャル装置のデフケースの下方の一部が前記潤滑油溜りに浸漬されている。このデファレンシャル装置が回転すると、当該デフケースの外周面に設けられた開口部が、キャリアケースに溜まっている潤滑油の油面に浸漬され、当該開口部を介してデフケースの内部に潤滑油が導入され、デフケースの内部に収容されたデファレンシャルギアが潤滑される。
【0005】
しかしながら、上記のようなデフケースの薄肉化を図る上では、前記開口部の開口面積を小さくしてデフケースの強度を確保する必要があり、この開口面積の縮小に伴い、デフケースの内部に導入される潤滑油の導入量が減少する。
【0006】
また、上記の薄肉化によりデフケース全体の肉厚が薄くなる(例えば、開口部近傍の肉厚において約20mmから約3.5mmへの16.5mm程度の薄肉化)に伴い、デフケースの回転軸心から前記開口部までの半径が小さくなり、キャリアケース内に溜められた潤滑油の油面に開口部が届かなくなり、デフケースの内部に導入される潤滑油の導入量が減少する。
【0007】
このようなデフケースの軽量化に伴う潤滑油の導入量の減少により、デフケースの内部に収容された、サイドギア及びピニオンギアから構成されるデファレンシャルギアが焼けたり、サイドギアとピニオンギアとの間でかじりや摩耗が発生し、当該デファレンシャルギアの性能維持を十分に図ることが出来ない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−266162号公報
【0009】
【発明の開示】
本発明は、デファレンシャル装置のデフケースに関し、特に内部に収容されるデファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能なデフケースを提供することを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明によれば、デファレンシャルギアを内部に収容すると共に、車両運転時にトランスミッションから入力される駆動力により正転方向及び逆転方向に回転可能なデフケースであって、前記デフケースの内部に潤滑油を侵入させる開口部を有し、前記開口部の周囲に、前記デフケースの正転方向の回転により、デフケースの外部より前記開口部内に潤滑油を導入する導入手段が設けられているデフケースが提供される。
【0011】
本発明では、デフケースの内部に潤滑油を侵入させる開口部の周囲に、潤滑油を導入させるための導入手段を設ける。このような構造を有するデフケースが車両運転時にトランスミッションから入力された駆動力により回転すると、導入手段が潤滑油の油面に届いて潤滑油を掻き上げ又はすくい上げ、開口部に潤滑油を積極的に導入することができる。従って、デフケースの薄肉化に伴って開口部が潤滑油の油面に届いていない場合であっても、デフケースの内部への潤滑油の導入量が減少することなく、デファレンシャルギアの性能維持を十分に図ることが可能となる。
【0012】
上記発明においては、特に限定されないが、前記導入手段は、前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲に設けられていることが好ましい。
【0013】
本発明のデフケースが搭載される自動車等の車両は、後退走行に対して前進走行の頻度が著しく高く、しかも前進走行においては、後退走行に対してデフケースの回転速度が速い。従って、本発明では、潤滑油を侵入させる開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲に導入手段を設けて、特に、車両の前進走行時(デフケースの正転時)にデフケースの内部に潤滑油を導入する構造とすることにより、デファレンシャルギアを効果的に潤滑することができ、当該デファレンシャルギアの性能維持を十分に図ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は本発明の第1実施形態に係るデファレンシャル装置の第1のデフケースの斜視図であり、図3(A)は図2の矢印Aから見た斜視図、図3(B)は図2の矢印Bから見た斜視図、図4は図2のIV部の要部断面図であり、図4(A)は第1の凸部の正転方向側の側面の傾斜角度を示す図、図4(B)は第1の開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図、図5は図2のV部の要部断面図であり、図5(A)は肉厚部の段差面の傾斜角度を示す図、図5(B)は第2の開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図である。
【0016】
本発明の第1実施形態に係るデファレンシャル装置1a(差動装置)は、自動車等の車両に用いられるものであり、エンジンやモータなどの原動機から、トランスミッション(変速機)及びプロペラシャフト(推進軸)を介して入力された駆動力を、車輪駆動軸に伝達する装置である。
【0017】
このデファレンシャル装置1aは、図1及び図2に示すように、第1のデフケース10及び第2のデフケース30から成るデフケース5と、当該デフケース5の内部に回転自在に収容された4つのピニオンギア42と2つのサイドギア43とを有するデファレンシャルギア40とから構成されている。
【0018】
このデファレンシャル装置1aは、デフケース5の下方の一部が潤滑油の油面HLに浸漬されるように、潤滑油溜りを備えた特に図示しないキャリアケースの内部に、回転軸心OLを中心として正転方向及び逆転方向に回転可能に収容されている。なお、本発明の実施形態において、当該デファレンシャル装置1aを具備した車両が前進走行する場合のデファレンシャル装置1aの回転方向を正転方向(図2〜8、図10及び図11に示す矢印方向)と称する。
【0019】
図1に示すように、デファレンシャル装置1aのデフケース5は、軽量化のために鍛造品を素材として形成されていると共に、組み立てを容易にするために、第1のデフケース10と第2のデフケース30とから構成される2ピース構造となっている。
【0020】
図1に示すように、デフケース5の第1のデフケース10は、同図の右側に位置する環状のジャーナル部11と、同図の左側に位置し、前記ジャーナル部11より大きな外径を有する大径部12を備えており、さらにジャーナル部11と大径部12との間に、当該ジャーナル部11と大径部12との間を連続的に接続する中径部19が設けられている。また、同図において、大径部12のさらに左側には、当該大径部12より大きな外径を持つフランジ部21が設けられている。このフランジ部21には、その周方向に沿って実質的に等間隔に10個の固定用貫通孔21aが形成されている。
【0021】
また、デフケース5の第2のデフケース30は、同図の左側に位置する環状のジャーナル部31と、同図の右側に位置し、前記ジャーナル部31より大きな外径を有するフランジ部33とを備えており、さらにジャーナル部31とフランジ部33との間に、当該ジャーナル部31とフランジ部33との間を連続的に接続する中径部32が設けられている。また、フランジ部33には、第1のデフケース10のフランジ部21に形成された固定用貫通孔21aと実質的に一致するような位置に10個の固定用貫通孔33aが形成されている。第1のデフケース10のフランジ部21の各固定用貫通孔21aと、第2のデフケース30のフランジ部33に形成された対応する固定用貫通孔33aとが、ボルト−ナットやリベット等の特に図示しない締結部材により締結されることにより、第1のデフケース10と第2のデフケース30とが固定されている。
【0022】
第1のデフケース10のジャーナル部11は、その外周で、特に図示しない軸受を介してトランスミッションのミッションケースに回転自在に支持されると共に、その内側には、図示しない車輪駆動軸の一方(例えば、右車輪駆動軸)が挿通可能な軸方向に貫通する車軸用貫通孔11aが形成されており、この車軸用貫通孔11aの軸心は、デフケース5の回転軸心OLと一致するように形成されている。
【0023】
同様に、第2のデフケース30のジャーナル部31は、その外周で、特に図示しない軸受を介してトランスミッションのミッションケースに回転自在に支持されると共に、その内側には、図示しない車輪駆動軸の他方(例えば、左車輪駆動軸)が挿通可能な軸方向に貫通する車軸用貫通孔31aが形成されており、この車軸用貫通孔31aの軸心は、前記回転軸心OLと一致するように形成されている。
【0024】
第1のデフケース10の中径部19及び大径部12の内側には、デフケース5の回転軸心OLと一致するような軸心で略半球形状のギア装着孔20が形成されており、このギア装着孔20に、ピニオンシャフト41に支持された4つのピニオンギア42及び2つのサイドギア43から構成されるデファレンシャルギア40が装着されている。
【0025】
図1及び図2に示すように、このギア装着孔20の内周面の上下左右の四方には、回転軸心OL方向に延在した略凹形状の1対の4つの挿入溝13dが形成されており、各挿入溝13dにデファレンシャルギア40のピニオンシャフト41が装着されている。
【0026】
上述の通り、このデフケース5は2ピース構造であるので、図1の左側における各挿入溝13dの一方の端部が外部に開口している。さらに、図1の右側における各挿入溝13dの他方の端部が、中径部19の一部に形成された加工用貫通孔19aを介して、外部に開口している。このように、中径部19の一部に加工用貫通孔19aを形成することにより、第1のデフケース10において各挿入溝13dの両端部が開口することとなり、ピニオンシャフト41が装着される各挿入溝13dのブローチ加工等による高精度な加工が容易になると共に、第1のデフケース10の軽量化を図ることが可能となる。
【0027】
このような4つの挿入溝13dが形成されていること及びデフケース5の薄肉化に伴って、図2及び図3に示すように、第1のデフケース10の大径部12の外周面CRには、回転軸心OLに沿って延在した4つの凸部13a、13bが、当該回転軸心OLを中心とした径方向で前記挿入溝13dに対応した方向に突出している。
【0028】
また、第1のデフケース10の外周面CRの各凸部13a、13bの間には、第1のデフケース10の外周面CRからギア装着孔20に貫通した4つの開口部17a、17bがそれぞれ形成されている。
【0029】
これら4つの凸部13a、13bは、第1のデフケース10の外周面CR上で周方向に、第1の凸部13aと第2の凸部13bとが交互に形成されている。そして、各第1の凸部13aの正転方向側に第1の開口部17aが位置し、各第2の凸部13bの正転方向側に第2の開口部17bが位置するように、第1の凸部13aと第2の凸部13bとの間の略中央部にそれぞれ開口部17a、17bが形成されている。
【0030】
因みに、図2に示すデフケース5は、同一のデフケースにより多車種のデファレンシャル装置に兼用可能な設計となっており、高トルクが要求される車種に対応する場合には、4つの凸部13a、13bの各挿入溝13dに、4つのピニオンギアを有する略十字形状のピニオンシャフトが装着され、比較的低いトルクしか要求されない車種に対応する場合には、対向する2つの第1の凸部13aの各挿入溝13dにのみ、2つのピニオンギア42を有する略直線形状のピニオンシャフトが装着される構造となっており、第1の凸部13aの両側面は、第2の凸部13bの両側面の肉厚に対して相対的に厚く形成されている。
【0031】
本発明の第1実施形態では、図4(A)に示すように、各第1の凸部13aの正転方向側の側面13cは、前記デフケース5の外周面CRに対して鋭角となるように形成されている。
【0032】
より具体的には、同図に詳細に示すように、各第1の凸部13aの正転方向側の一方の側面13cは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該第1の凸部13aの中心における第1の接線L1に対する傾斜角度θ1が、90度未満となるように、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向側に傾斜している(θ1<90°)。なお、各第1の凸部13aの正転方向に対して反対側の他方の側面は、本発明においては特に限定されないが、デファレンシャル装置の軽量化の観点から、図4(A)に示すように、前記第1の接線L1に対する傾斜角度が90度以上であることが好ましい。
【0033】
そして、図4(B)に示すように、第1の凸部13aの正転方向側に隣り合うように位置する第1の開口部17aの内壁面18aは、当該第1の開口部17aの内部から外部に向かって正転方向に対して反対側に傾斜するように形成されてている。
【0034】
より具体的には、同図に詳細に示すように、当該第1の開口部17aは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該第1の開口部17aの中心における第2の接線L2に対する傾斜角度θ2が90度より大きくなっており、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向に対して反対側に傾斜しているような内壁面18aを有している(θ2>90°)。なお、本実施形態では、第1の開口部17aの内壁面18aが、その全周において実質的に同一方向に傾斜しているものとして説明しているが、本発明においては、特にこれに限定されることなく、当該第1の開口部の少なくとも正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度が90度より大きくなっていれば良く、例えば、第1の開口部の正転方向側の内壁面の傾斜角度は、90度以下であっても良い。
【0035】
このような各第1の開口部17aの正転方向側には、第2の凸部13bが形成されており、さらに、当該第2の凸部13bの正転方向側には、肉厚部14と第2の開口部17bとが形成されている。
【0036】
図5(A)に示すように、肉厚部14は、各第2の凸部13bと、当該第2の凸部13bの正転方向側に位置する第2の開口部17bとの間に形成されており、第2の凸部13bの正転方向側の側面の基底部から正転方向側に向かって盛り上がるような形状を有しており、第2の開口部17bの正転方向側に位置する周囲より肉厚が相対的に厚くなっている。この肉厚部14の正転方向側の端部であって、第2の開口部17bの周縁上に形成された段差面14aは、正転方向側に傾斜してデフケース5の外周面CRに対して鋭角となっている。より具体的には、同図に詳細に示すように、この段差面14aは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該段差面14aにおける第3の接線L3に対する傾斜角度θ3が90度未満となっており、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向側に傾斜している(θ3<90°)。なお、肉厚部14を肉厚にする代わりに、第2の凸部13bと第2の開口部17bとの間の、当該第2の開口部17bの正転方向に対して反対側に位置する周囲を、前記第2の開口部17bの正転方向側に位置する周囲より、当該デフケース5の回転軸心OLからの距離を大きくするように形成することにより、第2の開口部17bの正転方向側の反対側に位置する周囲と当該第2の開口部17bの正転方向側に位置する周囲との間に段差面を形成しても良い。
【0037】
また、図5(B)に示すように、このような肉厚部14の正転方向側に隣接している第2の開口部17bの内壁面は、当該第2の開口部17bの内部から外部に向かって正転方向側に傾斜するように形成されている。
【0038】
より具体的には、同図に詳細に示すように、当該第2の開口部17bは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該第2の開口部17bの中心における第4の接線L4に対する傾斜角度θ4が90度未満となっており、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向側に傾斜しているような内壁面18bを有している(θ4<90°)。なお、本実施形態では、第2の開口部17bの内壁面18bが、その全周において実質的に同一方向に傾斜しているものとして説明しているが、本発明においては、特にこれに限定されることなく、当該第2の開口部の少なくとも正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度が90度未満となっていれば良く、例えば、第2の開口部の正転方向側の内壁面の傾斜角度は、90度以上であっても良い。
【0039】
各第2の凸部13bの両端面は、本発明においては特に限定されないが、デファレンシャル装置の軽量化の観点から、第1のデフケース10の外周面CR上での当該第2の凸部13bの中心における接線に対する傾斜角度が90度以上であることが好ましい。
【0040】
従って、以上に説明した4つの凸部13a、13b、4つの開口部17a、17b及び2つの肉厚部14は、図2に示すように、第1のデフケース10の大径部12の外周面CR上に、正転方向に沿って、第1の凸部13a、第1の開口部17a、第2の凸部13b、肉厚部14及び第2の開口部17bの順序で、このような組み合わせが2組形成されている。なお、本発明においては、特にこの順序及び数に限定されることなく、例えば、4つの第1の凸部を有するデファレンシャル装置においては、正転方向に沿って、第1の凸部、第1の開口部、第1の凸部及び第1の開口部の順序であっても良く、また、4つの第2の凸部を有するデファレンシャル装置においては、正転方向に沿って、第2の凸部、肉厚部、第2の開口部、第2の凸部、肉厚部及び第2の開口部の順序であっても良い。
【0041】
図1及び図2に示すように、デファレンシャル装置1aのデファレンシャルギア40は、略十字形状のピニオンシャフト41と、当該ピニオンシャフト41の各先端部近傍にそれぞれ取り付けられた4つのピニオンギア42と、これらピニオンギア42に咬合している2つのサイドギア43とから構成されている。
【0042】
図1及び図2に示すように、十字形状のピニオンシャフト41の各先端部には、第1のデフケース10の各凸部13a、13bに形成された挿入溝13cに挿入されるために、当該シャフト41の軸方向に沿って平行な2つの平行面41aが形成されており、4つのピニオンギア42が、各平行面41aより当該シャフト41の中心側に装着されている。
【0043】
以上のように構成されるデファレンシャル装置1aは、次のように組み立てられている。まず、図1の右側に位置する一方のサイドギア43が、第1のデフケース10の大径部12の同図の左側の開口からギア装着孔20に挿入され、その軸心が前記回転軸心OLに実質的に一致するように、ギア装着孔20の同図の右側端部に配設される。
【0044】
そして、第1のデフケース10の大径部12の同図の左側の開口から、ピニオンシャフト41の先端部に形成された各平行面41aが、ギア装着孔20に形成された各挿入溝13cにそれぞれ挿入され、ピニオンシャフト41の軸心が前記回転軸心OLに実質的に一致するように、4つのピニオンギア42が装着されたピニオンシャフト41がギア装着孔20に配設され、各ピニオンギア42が前記一方のサイドギア43に咬合する。
【0045】
次に、他方のサイドギア43の軸心が前記回転軸心OLに実質的に一致するように、当該サイドギア43がギア装着孔20に配設され、当該サイドギア43が前記4つのピニオンギア42に咬合する。
【0046】
最後に、第1のデフケース10のフランジ部21の各固定用貫通孔21aと、第2のデフケース30のフランジ部33の対応する固定用貫通孔33aとがそれぞれ一致するように、第1のデフケース10と第2のデフケース30とが合わせられてギア装着孔20が閉じられ、特に図示しないボルト−ナットやリベット等の締結部材により、第1のデフケース10と第2のデフケース30とが固定される。
【0047】
次に作用について説明する。
【0048】
図2に示すように、デファレンシャル装置1aが回転軸心OLを中心として正転方向に回転すると、第1の凸部13aが、潤滑油の油面HLに到達し、当該第1の凸部13aの正転方向側の側面13cが潤滑油を正転方向に掻き上げる。そして、この正転方向に掻き上げられた潤滑油が、当該第1の凸部13aの正転方向側に位置する第1の開口部17aを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入され、デファレンシャルギア40が潤滑される。
【0049】
本実施形態においては、デフケースの薄肉化に伴って、当該デフケースの外周面に設けられた第1の開口部が、潤滑油の油面に届かないような場合であっても、当該第1の開口部の正転方向に対して逆転側に位置する第1の凸部の正転方向側の側面が、潤滑油の油面に届いて潤滑油を掻き上げ、当該第1の開口部を介してデフケースの内部に潤滑油を導入することが可能となるので、デフケースの薄肉化に伴う潤滑油の導入量の減少を防止することができ、デファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能となる。
【0050】
特に、本実施形態においては、第1の凸部の正転方向側の側面が、前記デフケースの外周面に対して鋭角となるように形成されているため、効率的に潤滑油を掻き上げることができ、第1の開口部内に対して積極的に潤滑油を導入することが可能となる。
【0051】
さらに、第1の開口部の内壁面が、当該第1の開口部の内部から外部に向かって正転方向に対して反対側に傾斜して、第1の凸部の正転方向側の側面に向くようになっているので、第1の凸部に掻き上げられた潤滑油が、第1の開口部に導入されやすくなる。
【0052】
さらに、デファレンシャル装置1aが回転軸心OLを中心として正転方向に回転すると、第2の開口部17bと第2の凸部13bとの間に位置する肉厚部14が潤滑油の油面HLに到達すると、正転回転と共に、当該肉厚部14の段差面14aが潤滑油をすくい上げる。そして、このすくい上げられた潤滑油が、当該肉厚部14の正転方向側に位置する第2の開口部17bを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入され、デファレンシャルギア40が潤滑される。このデファレンシャル装置1aが回転軸心OLを中心として、正転方向の回転を続ける限り、上記のような第1の凸部の正転方向側の側面及び肉厚部による潤滑油の導入が交互に繰り返し行われる。
【0053】
本実施形態においては、デフケースの薄肉化に伴って、当該デフケースの外周面に設けられた第2の開口部が、潤滑油の油面に届かないような場合であっても、当該第2の開口部の正転方向に対して反対側に位置する肉厚部が潤滑油の油面に届いて潤滑油をすくい上げ、当該第2の開口部を介してデフケースの内部に潤滑油を導入することが可能となるので、デフケースの薄肉化に伴う潤滑油の導入量の減少を防止することができ、デファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能となる。
【0054】
特に、本実施形態においては、肉厚部の段差面が、正転方向側に傾斜してデフケースの外周面に対して鋭角となっているため、効率的に潤滑油をすくい上げることができ、当該第2の開口部に対して積極的に潤滑油を導入することが可能となる。
【0055】
さらに、当該第2の開口部の内壁面が、当該第2の開口部の内部から外部に向かって正転方向側に傾斜するように形成されているため、正転回転に伴って、上記のように肉厚部ですくい上げられた潤滑油を導入しやすくなる。
【0056】
また、このように内壁面を正転方向側に傾斜させることにより、デフケースの内部に一度導入された潤滑油を、当該第2の開口部から排出しにくくなる。なお、上述の第1の開口部の内壁面から潤滑油が排出されたとしても、その潤滑油は、当該第1の開口部の正転方向に対して反対側に位置する第1の凸部の正転方向側の側面に当たって、再度、当該第1の開口部に導入される。
【0057】
以上のように、本発明の本実施形態においては、デフケースの薄肉化に伴って、当該デフケースの外周面に設けられた開口部が、潤滑油の油面に届かない場合であっても、当該開口部の正転方向に対して反対側の周囲に形成された導入手段である凸部の正転方向側の側面や肉厚部が潤滑油の油面に到達して、当該導入手段が潤滑油を掻き上げたり、すくい上げたりするので、当該開口部を介してデフケースの内部に潤滑油を導入することが可能となり、デフケースの薄肉化に伴う潤滑油の導入量の減少を防止することができ、デファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態においては、第1の凸部の正転方向側の側面が、第1の開口部の正転方向に対して反対側の周囲に設けられていると共に、肉厚部が、第2の開口部の正転方向に対して反対側の周囲に設けられているため、特に頻度が高く、デファレンシャル装置の回転速度が速い車両の前進走行時(デファレンシャル装置の正転時)に、デフケースの内部に潤滑油を効果的に導入することができる。
【0059】
[第2実施形態]
図6は本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図、図7は本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置の斜視図、図8は図7の要部断面図であり、図8(A)は壁部の壁面の傾斜角度を示す図、図8(B)は開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図である。
【0060】
図6及び図7に示すように、本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置1bは、第1の凸部13aの正転方向側の側面13cが鋭角となっておらず、肉厚部14の代わりに各開口部17a、17bの正転方向に対して反対側に壁部15がそれぞれ設けられている以外は、上述の第1実施形態のデファレンシャル装置と同様の構造であり、第1のデフケース10及び第2のデフケース30から成るデフケース5と、当該デフケース5の内部に回転自在に収容された4つのピニオンギア42及び2つのサイドギア43を有するデファレンシャルギア40とから構成されている。以下、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素は、同一の符号を用いて説明し、同一の構成要素については説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係るデファレンシャル装置1bの第1のデフケース10の大径部12の外周面CRには、第1実施形態と同様に、回転軸心OLに対して径方向に突出する4つの凸部13a、13bが形成されており、2つの第1の凸部13aと、2つの第2の凸部13bとが交互に形成されている。なお、本実施形態における各第1の凸部13aの正転方向側の側面13cの傾斜角度は、第1実施形態と異なり、90度以上となっている。
【0062】
また、各第2の開口部17bの正転方向に対して反対側の周囲は、第1実施形態と異なり、当該第2の開口部17bの正転方向側の周囲の肉厚と実質的に同一の厚さを有しており、各第2の凸部13bと、当該第2の凸部13bの正転方向側に位置する第2の開口部17bとの間に肉厚部14は形成されていない。
【0063】
本実施形態においては、第1実施形態の肉厚部14の代わりに、図6及び図7に示すように、第1のデフケース10の外周面CRに形成された各第2の開口部17bの正転方向に対して反対側の周縁に、前記回転軸心CRを中心とした径方向の高さが、当該第2の開口部17bの他の周囲より相対的に高い壁部15がそれぞれ形成されている。
【0064】
この各壁部15は、図8(A)に示すように、正転方向側に傾斜してデフケース5の外周面CRに対して鋭角となっている正転方向側の壁面15aを有している。より具体的には、同図に詳細に示すように、各壁部15の正転方向側の壁面15aは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該壁面15aにおける第3の接線L3に対する傾斜角度θ3が90度未満となっており、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向側に傾斜している(θ3<90°)。
【0065】
さらに、図8(B)に示すように、当該壁部15の正転方向側に位置する各第2の開口部17bの内壁面は、当該第2の開口部17bの内部から外部に向かって正転方向側に傾斜するように形成されている。より具体的には、同図に詳細に示すように、当該壁部15の正転方向側に形成された各第2の開口部17bは、第1のデフケース10の外周面CR上での当該第2の開口部17bの中心における第4の接線L4に対する傾斜角度θ4が90度未満となっており、回転軸心OLを中心として径方向外側に向かって正転方向側に傾斜しているような内壁面18bを有している(θ4<90°)。
【0066】
なお、図8(A)及び(B)では、第2の開口部17bの周囲について図示しているが、本実施形態においては、第1の開口部17aの周縁にも、同様に、傾斜角度が90度未満となっている壁部がそれぞれ形成されており、当該第1の開口部17aの内壁面18aの傾斜角度が90度未満となっている。また、本実施形態では、開口部17a、17bの内壁面18a、18bが、その全周において実質的に同一方向に傾斜しているものとして説明しているが、本発明においては、特にこれに限定されることなく、各壁部の正転方向側の壁面及び各開口部の少なくとも正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度が90度未満となっていれば良く、例えば、各開口部の正転方向側の内壁面の傾斜角度が90度以上であっても良い。
【0067】
また、この開口部17a、17bの正転方向に対して反対側の周縁に形成される壁部15は、第1のデフケース10と一体に形成されても良く、又は、第1のデフケース10が形成された後に、開口部17a、17bの正転方向に対して反対側の周囲に溶接等により接合されても良い。或いは、図9に示すように、第1のデフケース10とは別体で形成された例えば合成樹脂等からなる壁部品16としても良く、当該壁部品16を押し曲げて塑性変形させながら、壁部品16の下方で周方向に沿って形成された凹部16aを、開口部17a、17bの周縁に係合させて壁部を構成しても良い。
【0068】
なお、本実施形態においては、4つの開口部17a、17bの全てに壁部15を形成するものとして説明しているが、本発明においては特にこれに限定されることなく、例えば、2つの第2の開口部17bには、本実施形態に従って壁部15を設け、2つの第1の開口部17aには、第1実施形態で説明したように、第1の凸部13aの正転方向側の側面13cの傾斜角度θ1を90度未満とし、第1の開口部17aの内壁面18aの傾斜角度θ2を90度より大きくしても良い。
【0069】
次に作用について説明する。
【0070】
図6に示すように、デファレンシャル装置1bが回転軸心OLを中心として正転方向に回転すると、第1の開口部17aの正転方向に対して反対側の周縁に形成された壁部15が、潤滑油の油面HLに到達し、当該壁部15が潤滑油をすくい上げる。そして、このすくい上げられた潤滑油が、正転方向の回転と共に、当該壁部15の正転方向側に位置する第1の開口部17aを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入され、デファレンシャルギア40が潤滑される。
【0071】
さらに、デファレンシャル装置1bが回転軸心OLを中心として正転方向側に回転すると、第2の開口部17bの正転方向に対して反対側の周縁に形成された壁部15が、潤滑油の油面HLに到達して潤滑油をすくい上げる。そして、このすくい上げられた潤滑油が、正転方向の回転と共に、当該壁部15の正転回転側に位置する第2の開口部17bを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入され、デファレンシャルギア40が潤滑される。このデファレンシャル装置1bが回転軸心OLを中心として、正転方向の回転を続ける限り、上記のような各開口部17a、17bの正転方向に対して反対側の周縁に形成された壁部15による潤滑油の導入が繰り返し行われる。
【0072】
このように、本実施形態においては、デフケースの薄肉化に伴って、当該デフケースの外周面に設けられた開口部が、潤滑油の油面に届かないような場合であっても、開口部の正転方向に対して反対側の周縁に設けられた導入手段である壁部が潤滑油に到達して潤滑油をすくい上げ、正転回転と共に、当該開口部を介してデフケースの内部に潤滑油を導入することが可能となり、デフケースの薄肉化に伴う潤滑油の導入量の減少を防止することができ、デファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能となる。
【0073】
特に、本実施形態においては、壁部の壁面が、正転方向側に傾斜してデフケースの外周面に対して鋭角となっているため、当該開口部に対して積極的に潤滑油を導入することが可能となる。
【0074】
また、開口部の内壁面が、当該第2の開口部の内部から外部に向かって正転方向側に傾斜するように形成されているため、正転方向の回転に伴って、上記のように壁部によりすくい上げられた潤滑油を導入しやすくなる。また、このように内壁面が傾斜していることにより、デフケースの内部に一度導入された潤滑油を当該開口部から排出しにくくなる。
【0075】
さらに、本実施形態においては、壁部が開口部の正転方向に対して反対側の周縁に設けられているため、特に頻度が高く、デファレンシャル装置の回転速度が速い車両の前進走行時(デファレンシャル装置の正転時)に、デフケースの内部に潤滑油を効果的に導入することができる。
【0076】
[第3実施形態]
図10は本発明の第3実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図、図11は本発明の第3実施形態に係るデファレンシャル装置の第1のデフケースの斜視図である。
【0077】
図10及び図11に示すように、本発明の第3実施形態に係るデファレンシャル装置1cは、第1の凸部13aの正転方向側の側面13cが鋭角となっておらず、肉厚部14の代わりに各開口部17a、17bの一部が、各凸部13a、13bの正転方向側の側面に形成されている以外は、上述の第1実施形態のデファレンシャル装置と同様の構造であり、第1のデフケース10及び第2のデフケース30から成るデフケース5と、当該デフケース5の内部に回転自在に収容された4つのピニオンギア42及び2つのサイドギア43を有するデファレンシャルギア40とから構成されている。以下、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素は、同一の符号を用いて説明し、同一の構成要素については説明を省略する。
【0078】
本実施形態に係るデファレンシャル装置1cの第1のデフケース10の大径部12の外周面CRには、第1実施形態と同様に、回転軸心OLに対して径方向に突出する4つの凸部13a、13bが形成されており、2つの第1の凸部13aと、2つの第2の凸部13bとが交互に形成されている。なお、本実施形態における各第1の凸部13aの正転方向側の側面13cの傾斜角度は、第1実施形態と異なり、90度以上となっている。
【0079】
本実施形態では、図10及び図11に示すように、第1のデフケース10の外周面CRに形成された4つの開口部17a、17bが、第1実施形態と異なり、当該開口部17a、17bの一部が、各凸部13a、13bの正転方向側の側面に形成されている。なお、本実施形態においては、開口部17a、17bの一部を凸部13a、13bの正転方向側の側面に形成するものとして説明しているが、本発明においては、特にこれに限定されることなく、例えば、開口部の全体を凸部の正転方向側の側面に形成しても良い。
【0080】
この各凸部13a、13bの正転方向側の側面に形成された開口部17a、17bの一部は、図10に示すように、その内壁面18a、18bが、正転方向側に向かうに従って、デフケース5の回転軸心OLを中心として径方向内側に傾斜している。
【0081】
なお、図10に示すデフケース5は、第1実施形態において述べたように、多車種に対応可能なように、第1の凸部13aが、第2の凸部13bの肉厚より相対的に厚く形成されている。従って、強度確保の観点から、相対的に肉厚の薄い第2の凸部13bの正転方向側の側面に、第2の開口部17bの一部を形成することが出来ないような場合も考えられる。そのような場合には、例えば、2つの第1の開口部17aの一部は、本実施形態で説明したように、第1の凸部13aの正転方向側の側面に形成し、2つの第2の開口部17bは、第1実施形態及び第2実施形態で説明したように、第1の凸部13aと第2の凸部13bと間の略中央部に設けて、当該第2の開口部17bと第2の凸部13bとの間に肉厚部14を設けたり、当該第2の開口部17bの正転方向に対して反対側の周縁に壁部15を設けることにより、第2の開口部17bを介してデフケースの内部に潤滑油を積極的に導入することができる。
【0082】
次に作用について説明する。
【0083】
図10に示すように、デファレンシャル装置1cが回転軸心OLを中心として正転方向に回転すると、第1の凸部13aの正転方向側の側面に形成された第1の開口部17a自身の一部が、潤滑油の油面HLに到達し、正転回転と共に、当該第1の開口部17aを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入される。
【0084】
さらに、デファレンシャル装置1cが回転軸心OLを中心として正転方向に回転すると、第2の凸部13bの正転方向側の側面に形成された第2の開口部17bの一部が、潤滑油の油面HLに到達し、正転回転と共に、当該第2の開口部17bを介して、デフケース5の内部に潤滑油が導入される。このデファレンシャル装置1cが回転軸心OLを中心として、正転方向の回転を続ける限り、上記のような各凸部13a、13bの正転方向側の側面に形成された開口部17a、17bへの潤滑油の導入が繰り返し行われる。
【0085】
このように、本実施形態においては、デフケースの薄肉化を伴う場合であっても、各凸部の正転方向側の側面に形成された導入手段である開口部の一部が、潤滑油の油面に到達して潤滑油をすくい上げ、正転回転と共に、当該開口部を介してデフケースの内部に潤滑油を導入することが可能となり、デフケースの薄肉化に伴う潤滑油の導入量の減少を防止することができ、デファレンシャルギアの性能維持を図ることが可能となる。
【0086】
特に、本実施形態においては、各凸部の正転方向側の側面に形成された開口部の一部において、その内壁面が、正転方向側に向かうに従い、径方向内側に傾斜しているので、正転回転と共に、デフケースの内部に潤滑油を導入しやすくなる。また、このように内壁面を傾斜させることにより、デフケースの内部に一度導入された潤滑油を当該開口部から排出しにくくなる。
【0087】
さらに、本実施形態においては、各開口部の一部が、対応する凸部の正転方向側の側面に形成されているため、特に頻度が高く、デファレンシャル装置の回転速度が速い車両の前進走行時(デファレンシャル装置の正転時)に、デフケースの内部に潤滑油を効果的に導入することができる。
【0088】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0089】
例えば、上記の実施形態では、デファレンシャル装置を構成するデフケースを2ピース構造として説明したが、本発明においては特にこれに限定されることなく、第1のデフケースと第2のデフケースとが一体で形成された1ピース構造のデフケースであっても良い。また、上記の実施形態では、鍛造品を素材として形成されたデフケースについて説明したが、本発明においては特にこれに限定されることなく、鋳造品を素材として形成されたデフケースであっても良い。さらに、上記の実施形態では、4つのピニオンギアを具備したデファレンシャル装置として説明したが、本発明では特にこれに限定されることなく、2つのピニオンギアを具備したデファレンシャル装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に係るデファレンシャル装置の第1のデフケースの斜視図であり、図3(A)は図2の矢印Aから見た斜視図、図3(B)は図2の矢印Bから見た斜視図である。
【図4】図4は、図2のIV部の要部断面図であり、図4(A)は第1の凸部の正転方向側の側面の傾斜角度を示す図であり、図4(B)は第1の開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図である。
【図5】図5は、図2のV部の要部断面図であり、図5(A)は肉厚部の段差面の傾斜角度を示す図であり、図5(B)は第2の開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置の斜視図である。
【図8】図8は、図7の要部断面図であり、図8(A)は壁部の壁面の傾斜角度を示す図であり、図8(B)は開口部の正転方向に対して反対側の内壁面の傾斜角度を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係るデファレンシャル装置に用いられる導入手段の他の例を示す図であり、図9(A)はその斜視図であり、図9(B)は図9(A)のIXB−IXB線に沿う断面図である。
【図10】図10は、本発明の第3実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るデファレンシャル装置の斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c…デファレンシャル装置
5…デフケース
10…第1のデフケース
11…ジャーナル
12…大径部
13a…第1の凸部
13b…第2の凸部
13c…第1の凸部の側面
13d…挿入溝
14…肉厚部
14a…段差面
15…壁部
15a…壁面
17a…第1の開口部
18a…第1の開口部の内壁面
17b…第2の開口部
18b…第2の開口部の内壁面
20…ギア装着孔
21…フランジ部
30…第2のデフケース
40…デファレンシャルギア
41…ピニオンシャフト
42…ピニオンギア
43…サイドギア
[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a differential case of a differential device suitable for transmitting a driving force of a prime mover such as an engine or a motor to a wheel drive shaft.
[0002]
[Background Art]
2. Description of the Related Art In automobiles and the like in recent years, the weight of automobiles has been reduced for higher performance and energy saving. In order to reduce the weight of an automobile, a reduction in the weight of a differential device is required.
[0003]
In reducing the weight of such a differential device, a technique for improving the mechanical strength by forging and changing the thickness of the differential case by changing the method of forming the differential case for housing the differential gear therein from casting to forging. It is known (for example, see Patent Document 1).
[0004]
Conventionally, this differential device is housed in a carrier case having a lubricating oil reservoir, and a part of the differential device below a differential case is immersed in the lubricating oil reservoir. When the differential device rotates, the opening provided on the outer peripheral surface of the differential case is immersed in the oil surface of the lubricating oil stored in the carrier case, and the lubricating oil is introduced into the differential case through the opening. The differential gear housed inside the differential case is lubricated.
[0005]
However, in order to reduce the thickness of the differential case as described above, it is necessary to secure the strength of the differential case by reducing the opening area of the opening, and with the reduction of the opening area, the differential case is introduced into the inside of the differential case. The amount of lubricating oil introduced is reduced.
[0006]
In addition, the thickness of the entire differential case is reduced by the above-described thinning (for example, the thickness near the opening is reduced from about 20 mm to about 3.5 mm to about 16.5 mm). And the radius from the opening to the opening decreases, the opening does not reach the oil level of the lubricating oil stored in the carrier case, and the amount of lubricating oil introduced into the differential case decreases.
[0007]
Due to the decrease in the amount of lubricating oil introduced due to the reduction in the weight of the differential case, the differential gear, which is housed inside the differential case and is composed of a side gear and a pinion gear, is burned or galling occurs between the side gear and the pinion gear. Wear occurs, and the performance of the differential gear cannot be sufficiently maintained.
[0008]
[Patent Document 1]
JP 2000-266162 A
[0009]
DISCLOSURE OF THE INVENTION
The present invention relates to a differential case of a differential device, and more particularly to provide a differential case capable of maintaining the performance of a differential gear housed therein.
[0010]
To achieve the above object, according to the present invention, a differential case accommodating a differential gear therein, and being rotatable in a normal rotation direction and a reverse rotation direction by a driving force input from a transmission during vehicle operation, An opening for allowing lubricating oil to enter inside the differential case is provided, and around the opening, introduction means for introducing lubricating oil from the outside of the differential case into the opening by rotation of the differential case in the normal rotation direction is provided. A differential case is provided.
[0011]
In the present invention, an introduction means for introducing the lubricating oil is provided around the opening through which the lubricating oil enters the differential case. When the differential case having such a structure is rotated by the driving force input from the transmission during the operation of the vehicle, the introduction means reaches the oil surface of the lubricating oil to scrape or scoop up the lubricating oil, and the lubricating oil is actively supplied to the opening. Can be introduced. Therefore, even when the opening does not reach the oil level of the lubricating oil due to the reduction in the thickness of the differential case, the performance of the differential gear can be sufficiently maintained without reducing the amount of lubricating oil introduced into the differential case. It becomes possible to aim at.
[0012]
In the above invention, although not particularly limited, it is preferable that the introduction means is provided around the opening opposite to the normal rotation direction of the opening.
[0013]
In a vehicle such as an automobile on which the differential case of the present invention is mounted, the frequency of forward travel is significantly higher than that of reverse travel, and the rotational speed of the differential case is higher in forward travel than in reverse travel. Therefore, in the present invention, the introduction means is provided around the opening opposite to the normal direction of the opening through which the lubricating oil enters, and especially when the vehicle is traveling forward (when the differential case is normally rotated), the introduction means is provided. By adopting a structure in which the lubricating oil is introduced inside, the differential gear can be effectively lubricated, and the performance of the differential gear can be sufficiently maintained.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0015]
[First Embodiment]
FIG. 1 is a cross-sectional view of the differential device according to the first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line II-II of FIG. 1, and FIG. 3 is a first view of the differential device according to the first embodiment of the present invention. 3 (A) is a perspective view as viewed from an arrow A in FIG. 2, FIG. 3 (B) is a perspective view as viewed from an arrow B in FIG. 2, and FIG. 4 is an IV section in FIG. FIG. 4A is a diagram showing an inclination angle of a side surface of the first convex portion on the forward rotation direction side, and FIG. 4B is a sectional view of the first projection portion with respect to the forward rotation direction of the first opening. FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of a portion V in FIG. 2, and FIG. 5A is a diagram illustrating an inclination angle of a step surface of a thick portion. (B) is a figure which shows the inclination angle of the inner wall surface of the opposite side with respect to the normal rotation direction of a 2nd opening part.
[0016]
A differential device 1a (differential device) according to the first embodiment of the present invention is used for a vehicle such as an automobile, and includes a motor (engine or motor), a transmission (transmission) and a propeller shaft (propulsion shaft). This is a device for transmitting the driving force input via the wheel to the wheel drive shaft.
[0017]
As shown in FIGS. 1 and 2, the differential device 1 a includes a differential case 5 including a first differential case 10 and a second differential case 30, and four pinion gears 42 rotatably housed inside the differential case 5. And a differential gear 40 having two side gears 43.
[0018]
The differential device 1a is disposed inside a carrier case (not shown) provided with a lubricating oil reservoir around a rotation axis OL so that a part of the lower part of the differential case 5 is immersed in the lubricating oil surface HL. It is accommodated rotatably in the turning direction and the reverse direction. In the embodiment of the present invention, the rotation direction of the differential device 1a when the vehicle equipped with the differential device 1a travels forward is defined as the normal rotation direction (the direction of the arrow shown in FIGS. 2 to 8, FIG. 10 and FIG. 11). Name.
[0019]
As shown in FIG. 1, the differential case 5 of the differential device 1a is formed using a forged product as a material for weight reduction, and a first differential case 10 and a second differential case 30 for facilitating assembly. And has a two-piece structure.
[0020]
As shown in FIG. 1, a first differential case 10 of the differential case 5 has an annular journal portion 11 located on the right side of FIG. 1 and a large differential portion located on the left side of FIG. The large diameter portion 12 is provided, and a middle diameter portion 19 for continuously connecting the journal portion 11 and the large diameter portion 12 is provided between the journal portion 11 and the large diameter portion 12. Further, in the same figure, a flange portion 21 having an outer diameter larger than the large diameter portion 12 is provided on the left side of the large diameter portion 12. This flange portion 21 is formed with ten fixing through holes 21a at substantially equal intervals along the circumferential direction.
[0021]
Further, the second differential case 30 of the differential case 5 includes an annular journal portion 31 located on the left side of the drawing and a flange portion 33 located on the right side of the drawing and having an outer diameter larger than that of the journal portion 31. Further, between the journal portion 31 and the flange portion 33, an intermediate diameter portion 32 for continuously connecting the journal portion 31 and the flange portion 33 is provided. Further, ten fixing through holes 33a are formed in the flange portion 33 at positions substantially corresponding to the fixing through holes 21a formed in the flange portion 21 of the first differential case 10. Each fixing through-hole 21a of the flange portion 21 of the first differential case 10 and a corresponding fixing through-hole 33a formed in the flange portion 33 of the second differential case 30 are particularly illustrated by bolts, nuts, rivets and the like. The first differential case 10 and the second differential case 30 are fixed by being fastened by the unfastened fastening member.
[0022]
The journal portion 11 of the first differential case 10 is rotatably supported on its outer periphery by a transmission case of a transmission via a bearing (not shown), and has one side of a wheel drive shaft (not shown) An axle through hole 11a penetrating in the axial direction through which the right wheel drive shaft can be inserted is formed, and the axis of the axle through hole 11a is formed so as to coincide with the rotation axis OL of the differential case 5. ing.
[0023]
Similarly, the journal portion 31 of the second differential case 30 is rotatably supported on its outer periphery by a transmission case of the transmission via a bearing (not shown), and has the other end of the wheel drive shaft (not shown) inside thereof. An axle through-hole 31a penetrating in the axial direction through which a left wheel drive shaft can be inserted is formed, and the axis of the axle through-hole 31a is formed so as to coincide with the rotation axis OL. Have been.
[0024]
Inside the middle diameter portion 19 and the large diameter portion 12 of the first differential case 10, a gear mounting hole 20 having a substantially hemispherical shape with an axial center that coincides with the rotation axis OL of the differential case 5 is formed. A differential gear 40 including four pinion gears 42 supported by a pinion shaft 41 and two side gears 43 is mounted in the gear mounting hole 20.
[0025]
As shown in FIGS. 1 and 2, a pair of substantially concave four insertion grooves 13 d extending in the direction of the rotation axis OL are formed on four sides of the inner peripheral surface of the gear mounting hole 20 on the upper, lower, left and right sides. The pinion shaft 41 of the differential gear 40 is mounted in each of the insertion grooves 13d.
[0026]
As described above, since the differential case 5 has a two-piece structure, one end of each insertion groove 13d on the left side in FIG. 1 is open to the outside. Further, the other end of each of the insertion grooves 13 d on the right side of FIG. 1 is open to the outside via a processing through hole 19 a formed in a part of the middle diameter portion 19. In this manner, by forming the processing through hole 19a in a part of the middle diameter portion 19, both ends of each insertion groove 13d are opened in the first differential case 10, and each of the pinion shafts 41 is mounted. High-precision processing such as broaching of the insertion groove 13d is facilitated, and the weight of the first differential case 10 can be reduced.
[0027]
With the formation of the four insertion grooves 13 d and the reduction in the thickness of the differential case 5, as shown in FIGS. 2 and 3, the outer peripheral surface CR of the large diameter portion 12 of the first differential case 10 is formed. The four protrusions 13a and 13b extending along the rotation axis OL protrude in a radial direction about the rotation axis OL in a direction corresponding to the insertion groove 13d.
[0028]
Four openings 17a, 17b penetrating through the gear mounting holes 20 from the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 are formed between the respective convex portions 13a, 13b of the outer peripheral surface CR of the first differential case 10, respectively. Have been.
[0029]
These four protrusions 13a and 13b are formed with first protrusions 13a and second protrusions 13b alternately formed in the circumferential direction on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10. Then, the first opening 17a is located on the normal rotation direction side of each first projection 13a, and the second opening 17b is located on the normal rotation direction side of each second projection 13b. Openings 17a and 17b are formed at substantially the center between the first protrusion 13a and the second protrusion 13b.
[0030]
Incidentally, the differential case 5 shown in FIG. 2 is designed so that the same differential case can be used for multiple types of differential devices. In the case where the differential case 5 corresponds to a vehicle type requiring high torque, the four convex portions 13a and 13b are provided. When a substantially cross-shaped pinion shaft having four pinion gears is mounted in each of the insertion grooves 13d, and when a vehicle type that requires only a relatively low torque is supported, each of the two opposing first protrusions 13a is provided. A substantially linear pinion shaft having two pinion gears 42 is mounted only on the insertion groove 13d, and both side surfaces of the first protrusion 13a are on both sides of the second protrusion 13b. It is formed relatively thicker than the wall thickness.
[0031]
In the first embodiment of the present invention, as shown in FIG. 4A, the side surface 13 c of the first convex portion 13 a on the normal rotation direction is at an acute angle with respect to the outer peripheral surface CR of the differential case 5. Is formed.
[0032]
More specifically, as shown in detail in the figure, one side surface 13c on the normal rotation direction side of each first convex portion 13a is provided on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 in the first direction. The inclination of the projection 13a with respect to the first tangent line L1 with respect to the first tangent L1 is less than 90 degrees, and is inclined radially outward with respect to the rotation axis OL toward the normal rotation direction (θ1 < 90 °). The other side surface of the first convex portion 13a opposite to the normal rotation direction is not particularly limited in the present invention, but from the viewpoint of reducing the weight of the differential device, as shown in FIG. Preferably, the inclination angle with respect to the first tangent line L1 is 90 degrees or more.
[0033]
Then, as shown in FIG. 4B, the inner wall surface 18a of the first opening 17a located adjacent to the first convex portion 13a on the normal rotation direction side is formed by the first opening 17a. It is formed so as to be inclined from the inside toward the outside in the opposite direction to the normal rotation direction.
[0034]
More specifically, as shown in detail in the figure, the first opening 17a is formed on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 by a second tangent at the center of the first opening 17a. The inclination angle θ2 with respect to L2 is greater than 90 degrees, and has an inner wall surface 18a that is inclined radially outward with respect to the rotation axis OL toward the opposite side to the normal rotation direction. (Θ2> 90 °). In the present embodiment, the inner wall surface 18a of the first opening 17a is described as being inclined substantially in the same direction over the entire circumference, but the present invention is not particularly limited to this. It is sufficient that the inclination angle of the inner wall surface of the first opening at least on the opposite side to the normal direction is larger than 90 degrees, for example, the first opening side of the first opening in the normal direction. May have an inclination angle of 90 degrees or less.
[0035]
A second protrusion 13b is formed on the forward rotation direction side of each of the first openings 17a, and a thick portion is formed on the second rotation direction side of the second protrusion 13b. 14 and a second opening 17b are formed.
[0036]
As shown in FIG. 5A, the thick portion 14 is formed between each second protrusion 13b and a second opening 17b located on the normal rotation direction side of the second protrusion 13b. The second protrusion 13b has a shape that swells from the base portion of the side surface on the normal rotation direction side of the second convex portion 13b toward the normal rotation direction side, and has the second rotation direction side of the second opening 17b. Is relatively thicker than the surrounding area. A step surface 14a, which is an end portion of the thick portion 14 on the normal rotation direction side and formed on the peripheral edge of the second opening 17b, is inclined in the normal rotation direction side and is formed on the outer peripheral surface CR of the differential case 5. The angle is acute. More specifically, as shown in detail in the figure, the step surface 14a has an inclination angle θ3 of 90 degrees with respect to the third tangent L3 at the step surface 14a on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10. And is inclined toward the normal rotation direction toward the outside in the radial direction around the rotation axis OL (θ3 <90 °). Note that instead of increasing the thickness of the thick portion 14, the second opening 17 b is positioned on the opposite side between the second protrusion 13 b and the second opening 17 b in the normal rotation direction of the second opening 17 b. Is formed such that the distance from the rotation axis OL of the differential case 5 is larger than the circumference of the second opening 17b that is located on the forward rotation side of the second opening 17b. A step surface may be formed between the periphery located on the opposite side to the forward rotation direction and the periphery located on the forward rotation direction side of the second opening 17b.
[0037]
As shown in FIG. 5 (B), the inner wall surface of the second opening 17b adjacent to the thick portion 14 on the normal rotation direction side extends from the inside of the second opening 17b. It is formed so as to be inclined toward the outside in the normal rotation direction.
[0038]
More specifically, as shown in detail in the figure, the second opening 17b is formed on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 by a fourth tangent at the center of the second opening 17b. The inclination angle θ4 with respect to L4 is less than 90 degrees, and has an inner wall surface 18b that inclines radially outward with respect to the rotation axis OL toward the normal rotation direction (θ4 <90). °). In the present embodiment, the inner wall surface 18b of the second opening 17b is described as being inclined substantially in the same direction over the entire circumference, but the present invention is not particularly limited to this. It is sufficient that the inclination angle of the inner wall surface on the opposite side to at least the normal direction of the second opening is less than 90 degrees, for example, the side of the second opening in the normal direction. May have an inclination angle of 90 degrees or more.
[0039]
Although both end surfaces of each second convex portion 13b are not particularly limited in the present invention, from the viewpoint of reducing the weight of the differential device, the second convex portion 13b on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 is formed. It is preferable that the inclination angle with respect to the tangent at the center is 90 degrees or more.
[0040]
Therefore, the four convex portions 13a and 13b, the four openings 17a and 17b, and the two thick portions 14 described above are formed on the outer peripheral surface of the large diameter portion 12 of the first differential case 10, as shown in FIG. On the CR, in the normal rotation direction, the first protrusion 13a, the first opening 17a, the second protrusion 13b, the thick portion 14, and the second opening 17b are arranged in this order. Two combinations are formed. In the present invention, the order and the number are not particularly limited. For example, in a differential device having four first convex portions, the first convex portion, the first convex portion, , The first protrusion and the first opening may be arranged in the order. In a differential device having four second protrusions, the second protrusion is formed along the normal rotation direction. The order of the part, the thick part, the second opening, the second convex part, the thick part, and the second opening may be used.
[0041]
As shown in FIGS. 1 and 2, the differential gear 40 of the differential device 1 a includes a pinion shaft 41 having a substantially cross shape, four pinion gears 42 respectively attached near the respective tips of the pinion shaft 41, And two side gears 43 engaged with the pinion gear 42.
[0042]
As shown in FIGS. 1 and 2, each tip of the cross-shaped pinion shaft 41 is inserted into an insertion groove 13 c formed in each of the projections 13 a and 13 b of the first differential case 10. Two parallel surfaces 41a parallel to each other along the axial direction of the shaft 41 are formed, and four pinion gears 42 are mounted on the center side of the shaft 41 from the respective parallel surfaces 41a.
[0043]
The differential device 1a configured as described above is assembled as follows. First, one side gear 43 located on the right side of FIG. 1 is inserted into the gear mounting hole 20 from the opening on the left side of the large diameter portion 12 of the first differential case 10 in FIG. The gear mounting hole 20 is disposed at the right end in FIG.
[0044]
Then, from the opening on the left side of the large diameter portion 12 of the first differential case 10 in the same figure, each parallel surface 41a formed at the tip of the pinion shaft 41 is inserted into each insertion groove 13c formed in the gear mounting hole 20. The pinion shaft 41 on which the four pinion gears 42 are mounted is disposed in the gear mounting hole 20 so that the respective pinion shafts are inserted and the axis of the pinion shaft 41 substantially coincides with the rotation axis OL. 42 meshes with the one side gear 43.
[0045]
Next, the side gear 43 is disposed in the gear mounting hole 20 such that the axis of the other side gear 43 substantially coincides with the rotation axis OL, and the side gear 43 engages with the four pinion gears 42. I do.
[0046]
Finally, the first differential case is so arranged that the fixing through holes 21a of the flange portion 21 of the first differential case 10 and the corresponding fixing through holes 33a of the flange portion 33 of the second differential case 30 respectively match. The gear mounting hole 20 is closed by fitting the 10 and the second differential case 30, and the first differential case 10 and the second differential case 30 are fixed by a fastening member such as a bolt-nut or a rivet (not shown). .
[0047]
Next, the operation will be described.
[0048]
As shown in FIG. 2, when the differential device 1a rotates in the normal rotation direction around the rotation axis OL, the first convex portion 13a reaches the oil level HL of the lubricating oil, and the first convex portion 13a The side surface 13c on the side of the forward rotation of the lubrication oil lifts up the lubricating oil in the forward rotation direction. Then, the lubricating oil scooped up in the normal rotation direction is introduced into the inside of the differential case 5 through the first opening 17a located on the normal rotation direction side of the first convex portion 13a. , The differential gear 40 is lubricated.
[0049]
In the present embodiment, even when the first opening provided on the outer peripheral surface of the differential case does not reach the oil level of the lubricating oil with the thinning of the differential case, the first The side of the first convex portion located on the reverse rotation side with respect to the normal rotation direction of the opening reaches the oil level of the lubricating oil and scrapes up the lubricating oil, and passes through the first opening. As a result, the lubricating oil can be introduced into the differential case, so that it is possible to prevent a decrease in the amount of lubricating oil introduced due to the reduction in the thickness of the differential case, and to maintain the performance of the differential gear.
[0050]
In particular, in the present embodiment, since the side surface of the first convex portion on the forward rotation direction is formed at an acute angle with respect to the outer peripheral surface of the differential case, the lubricating oil can be efficiently scraped up. Thus, the lubricating oil can be positively introduced into the first opening.
[0051]
Further, the inner wall surface of the first opening is inclined from the inside of the first opening toward the outside toward the opposite side to the normal rotation direction, and the side surface of the first projection on the normal rotation direction side. Therefore, the lubricating oil scooped up by the first convex portion is easily introduced into the first opening.
[0052]
Further, when the differential device 1a rotates in the normal direction about the rotation axis OL, the thick portion 14 located between the second opening 17b and the second convex portion 13b becomes the oil level HL of the lubricating oil. Is reached, the stepped surface 14a of the thick portion 14 scoops up the lubricating oil along with the normal rotation. Then, the scooped lubricating oil is introduced into the differential case 5 through the second opening 17b located on the normal rotation direction side of the thick portion 14 to lubricate the differential gear 40. You. As long as the differential device 1a continues to rotate in the normal direction around the rotation axis OL, the introduction of the lubricating oil by the side surface of the first convex portion in the normal direction and the thick portion is alternately performed. It is repeated.
[0053]
In the present embodiment, even when the second opening provided on the outer peripheral surface of the differential case does not reach the oil level of the lubricating oil with the thinning of the differential case, the second The thick portion located on the side opposite to the normal rotation direction of the opening reaches the oil level of the lubricating oil, scoops up the lubricating oil, and introduces the lubricating oil into the inside of the differential case through the second opening. Therefore, it is possible to prevent a decrease in the amount of lubricating oil introduced due to a reduction in the thickness of the differential case, and to maintain the performance of the differential gear.
[0054]
In particular, in the present embodiment, since the step surface of the thick portion is inclined toward the forward rotation direction and is at an acute angle with respect to the outer peripheral surface of the differential case, it is possible to scoop up the lubricating oil efficiently. Lubricating oil can be positively introduced into the second opening.
[0055]
Further, since the inner wall surface of the second opening is formed so as to be inclined in the forward rotation direction from the inside of the second opening toward the outside, the above-described rotation is caused by the forward rotation. As a result, it becomes easier to introduce the lubricating oil that has been scooped up in the thick portion.
[0056]
Further, by inclining the inner wall surface in the normal rotation direction in this manner, it becomes difficult to discharge the lubricating oil once introduced into the differential case from the second opening. Even if the lubricating oil is discharged from the inner wall surface of the first opening, the lubricating oil is supplied to the first convex portion located on the opposite side to the normal rotation direction of the first opening. And is again introduced into the first opening.
[0057]
As described above, in the present embodiment of the present invention, with the thinning of the differential case, even if the opening provided on the outer peripheral surface of the differential case does not reach the oil level of the lubricating oil, The side surface and the thick portion of the convex portion, which is the introducing means formed around the opposite side to the normal rotation direction of the opening, on the normal rotation direction side reach the oil surface of the lubricating oil, and the introduction means is lubricated. Since the oil is scraped up or scooped up, lubricating oil can be introduced into the differential case through the opening, and a decrease in the amount of lubricating oil introduced due to the thinning of the differential case can be prevented. Thus, it is possible to maintain the performance of the differential gear.
[0058]
Further, in the present embodiment, the side surface of the first convex portion on the normal rotation direction side is provided around the first opening portion on the opposite side to the normal rotation direction, and the thick portion has Since the second opening is provided around the opposite side to the normal rotation direction, the frequency is particularly high when the vehicle travels forward and the rotation speed of the differential device is fast (forward rotation of the differential device). Lubricating oil can be effectively introduced into the differential case.
[0059]
[Second embodiment]
FIG. 6 is a cross-sectional view of a differential device according to a second embodiment of the present invention, FIG. 7 is a perspective view of the differential device according to the second embodiment of the present invention, and FIG. FIG. 8A is a diagram showing the inclination angle of the wall surface of the wall portion, and FIG. 8B is a diagram showing the inclination angle of the inner wall surface on the opposite side to the normal rotation direction of the opening.
[0060]
As shown in FIGS. 6 and 7, in the differential device 1b according to the second embodiment of the present invention, the side surface 13c of the first convex portion 13a on the normal rotation direction side is not formed at an acute angle, and the thick portion 14 is formed. The structure is the same as that of the differential device of the above-described first embodiment except that the wall portions 15 are provided on the opposite sides to the normal rotation direction of the openings 17a and 17b instead of the first embodiment. The differential case 5 includes a differential case 10 and a second differential case 30, and a differential gear 40 having four pinion gears 42 and two side gears 43 rotatably housed inside the differential case 5. Hereinafter, in the second embodiment, the same components as those in the first embodiment will be described using the same reference numerals, and description of the same components will be omitted.
[0061]
The outer peripheral surface CR of the large-diameter portion 12 of the first differential case 10 of the differential device 1b according to the present embodiment has four convex portions projecting in the radial direction with respect to the rotation axis OL similarly to the first embodiment. 13a and 13b are formed, and two first protrusions 13a and two second protrusions 13b are formed alternately. In addition, unlike the first embodiment, the inclination angle of the side surface 13c on the normal rotation direction side of each first protrusion 13a in the present embodiment is 90 degrees or more.
[0062]
Further, unlike the first embodiment, the periphery of each second opening 17b on the side opposite to the normal rotation direction is substantially equal to the thickness of the periphery of the second opening 17b on the normal rotation direction side. Thick portion 14 is formed between each second protrusion 13b and second opening 17b located on the normal rotation direction side of second protrusion 13b. It has not been.
[0063]
In the present embodiment, instead of the thick portion 14 of the first embodiment, as shown in FIGS. 6 and 7, each second opening 17b formed on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 is formed. Wall portions 15 having a radial height centered on the rotation axis CR relatively higher than the other periphery of the second opening portion 17b are formed on the peripheral edge opposite to the normal rotation direction. Have been.
[0064]
As shown in FIG. 8 (A), each of the wall portions 15 has a wall surface 15a in the forward rotation direction which is inclined toward the forward rotation direction and is at an acute angle with respect to the outer peripheral surface CR of the differential case 5. I have. More specifically, as shown in detail in the figure, the wall surface 15a on the normal rotation direction side of each wall portion 15 is a third tangent L3 on the wall surface 15a on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10. Is less than 90 degrees, and is inclined radially outward toward the normal rotation direction side around the rotation axis OL (θ3 <90 °).
[0065]
Further, as shown in FIG. 8B, the inner wall surface of each second opening 17b located on the normal rotation direction side of the wall portion 15 extends from the inside of the second opening portion 17b to the outside. It is formed so as to be inclined toward the forward rotation direction. More specifically, as shown in detail in the figure, each second opening 17 b formed on the normal rotation direction side of the wall portion 15 is provided on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10. The inclination angle θ4 of the center of the second opening 17b with respect to the fourth tangent line L4 is less than 90 degrees, and the inclination of the second opening 17b toward the radially outward side with respect to the rotation axis OL toward the normal rotation direction side. The inner wall surface 18b (θ4 <90 °).
[0066]
Although FIGS. 8A and 8B show the periphery of the second opening 17b, in the present embodiment, the inclination angle of the periphery of the first opening 17a is similarly set. Are formed below 90 degrees, respectively, and the inclination angle of the inner wall surface 18a of the first opening 17a is smaller than 90 degrees. Further, in the present embodiment, the inner wall surfaces 18a, 18b of the openings 17a, 17b are described as being inclined substantially in the same direction over the entire periphery thereof. Without being limited, the inclination angle of the wall surface on the normal rotation direction side of each wall portion and the inner wall surface on the opposite side to at least the normal rotation direction of each opening may be less than 90 degrees. The angle of inclination of the inner wall surface on the forward rotation side of the opening may be 90 degrees or more.
[0067]
Further, the wall portion 15 formed on the peripheral edge of the opening 17a, 17b on the opposite side to the normal rotation direction may be formed integrally with the first differential case 10, or the first differential case 10 After the formation, the openings 17a and 17b may be joined by welding or the like around the opposite side to the normal rotation direction. Alternatively, as shown in FIG. 9, a wall component 16 made of, for example, synthetic resin or the like formed separately from the first differential case 10 may be formed. The wall portion may be formed by engaging a concave portion 16a formed along the circumferential direction below 16 with the peripheral edge of the openings 17a and 17b.
[0068]
In the present embodiment, the wall 15 is described as being formed in all of the four openings 17a and 17b. However, the present invention is not particularly limited to this, and for example, two The second opening 17b is provided with the wall 15 according to the present embodiment, and the two first openings 17a are provided with the first protrusion 13a in the forward rotation direction as described in the first embodiment. May be less than 90 degrees, and the inclination angle θ2 of the inner wall surface 18a of the first opening 17a may be larger than 90 degrees.
[0069]
Next, the operation will be described.
[0070]
As shown in FIG. 6, when the differential device 1b rotates in the normal direction about the rotation axis OL, the wall 15 formed on the peripheral edge of the first opening 17a on the opposite side to the normal direction. Reaches the oil level HL of the lubricating oil, and the wall 15 scoops up the lubricating oil. Then, the lubricating oil thus scooped is introduced into the inside of the differential case 5 through the first opening 17a located on the normal rotation direction side of the wall portion 15 with the rotation in the normal rotation direction, The differential gear 40 is lubricated.
[0071]
Further, when the differential device 1b rotates in the normal rotation direction around the rotation axis OL, the wall 15 formed on the peripheral edge of the second opening 17b on the opposite side to the normal rotation direction is filled with lubricating oil. The lubricant reaches the oil level HL and is scooped up. Then, the lubricating oil thus scooped is introduced into the differential case 5 through the second opening 17b located on the normal rotation side of the wall 15 together with the rotation in the normal rotation direction, The differential gear 40 is lubricated. As long as the differential device 1b continues to rotate in the normal rotation direction about the rotation axis OL, the wall portion 15 formed on the peripheral edge opposite to the normal rotation direction of each of the openings 17a and 17b as described above. Is repeatedly performed.
[0072]
Thus, in the present embodiment, as the thickness of the differential case is reduced, even if the opening provided on the outer peripheral surface of the differential case does not reach the oil level of the lubricating oil, the opening is not The wall, which is the introduction means provided on the peripheral edge on the opposite side to the normal rotation direction, reaches the lubricating oil and scoops up the lubricating oil, and along with the normal rotation, the lubricating oil is introduced into the differential case through the opening. It becomes possible to prevent the decrease in the amount of lubricating oil introduced due to the reduction in the thickness of the differential case, and it is possible to maintain the performance of the differential gear.
[0073]
In particular, in the present embodiment, since the wall surface of the wall portion is inclined toward the forward rotation direction and is at an acute angle with respect to the outer peripheral surface of the differential case, lubricating oil is positively introduced into the opening. It becomes possible.
[0074]
Further, since the inner wall surface of the opening is formed so as to be inclined in the forward direction from the inside of the second opening toward the outside, the rotation in the forward direction causes The lubricating oil scooped up by the walls can be easily introduced. Further, since the inner wall surface is inclined as described above, it becomes difficult to discharge the lubricating oil once introduced into the differential case from the opening.
[0075]
Furthermore, in the present embodiment, since the wall is provided on the peripheral edge of the opening opposite to the normal rotation direction, the frequency is particularly high, and the speed of the differential device is high when the vehicle is traveling forward (differential). During normal rotation of the device), lubricating oil can be effectively introduced into the differential case.
[0076]
[Third embodiment]
FIG. 10 is a sectional view of a differential device according to a third embodiment of the present invention, and FIG. 11 is a perspective view of a first differential case of the differential device according to the third embodiment of the present invention.
[0077]
As shown in FIGS. 10 and 11, in the differential device 1c according to the third embodiment of the present invention, the side surface 13c of the first convex portion 13a on the forward rotation direction is not at an acute angle, and the thick portion 14c is not formed. The structure is the same as that of the above-described differential device of the first embodiment, except that a part of each of the openings 17a and 17b is formed on the side surface on the normal rotation direction side of each of the projections 13a and 13b. , A differential case 5 composed of a first differential case 10 and a second differential case 30, and a differential gear 40 having four pinion gears 42 and two side gears 43 rotatably housed inside the differential case 5. I have. Hereinafter, in the third embodiment, the same components as those in the first embodiment will be described using the same reference numerals, and description of the same components will be omitted.
[0078]
The outer peripheral surface CR of the large-diameter portion 12 of the first differential case 10 of the differential device 1c according to the present embodiment has four convex portions that project in the radial direction with respect to the rotation axis OL, as in the first embodiment. 13a and 13b are formed, and two first protrusions 13a and two second protrusions 13b are formed alternately. In addition, unlike the first embodiment, the inclination angle of the side surface 13c on the normal rotation direction side of each first protrusion 13a in the present embodiment is 90 degrees or more.
[0079]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 10 and 11, four openings 17a and 17b formed on the outer peripheral surface CR of the first differential case 10 are different from the first embodiment, and Are formed on the side surfaces of the convex portions 13a and 13b on the forward rotation direction side. Note that, in the present embodiment, a part of the openings 17a and 17b is described as being formed on the side surface on the normal rotation direction side of the protrusions 13a and 13b, but the present invention is not particularly limited to this. Instead, for example, the entire opening may be formed on the side surface on the normal rotation direction side of the projection.
[0080]
As shown in FIG. 10, some of the openings 17a, 17b formed on the side surfaces on the normal rotation direction side of the respective convex portions 13a, 13b have their inner wall surfaces 18a, 18b moved toward the normal rotation direction side. , Inclining radially inward about the rotation axis OL of the differential case 5.
[0081]
In the differential case 5 shown in FIG. 10, as described in the first embodiment, the first protrusion 13a is relatively larger than the thickness of the second protrusion 13b so as to be able to cope with various types of vehicles. It is formed thick. Therefore, from the viewpoint of securing strength, there may be a case where a part of the second opening 17b cannot be formed on the side surface of the second protrusion 13b having a relatively small thickness in the normal rotation direction. Conceivable. In such a case, for example, as described in the present embodiment, a part of the two first openings 17a is formed on the side surface of the first protrusion 13a on the forward rotation direction, and As described in the first embodiment and the second embodiment, the second opening 17b is provided at a substantially central portion between the first projection 13a and the second projection 13b, and the second opening 17b is provided in the second opening 17b. The thick portion 14 is provided between the opening 17b and the second convex portion 13b, or the wall portion 15 is provided on the peripheral edge of the second opening 17b on the side opposite to the normal rotation direction. Lubricating oil can be positively introduced into the differential case through the second opening 17b.
[0082]
Next, the operation will be described.
[0083]
As shown in FIG. 10, when the differential device 1c rotates in the normal rotation direction around the rotation axis OL, the first opening 17a itself formed on the side surface of the first protrusion 13a on the normal rotation direction is rotated. A part reaches the oil level HL of the lubricating oil, and the lubricating oil is introduced into the differential case 5 through the first opening 17a together with the normal rotation.
[0084]
Further, when the differential device 1c rotates in the normal rotation direction about the rotation axis OL, a part of the second opening 17b formed in the side surface of the second convex portion 13b on the normal rotation direction becomes the lubricating oil. And the lubricating oil is introduced into the differential case 5 through the second opening 17b along with the normal rotation. As long as the differential device 1c continues to rotate in the normal rotation direction about the rotation axis OL, the above-described opening portions 17a, 17b formed on the side surfaces on the normal rotation direction of the projections 13a, 13b as described above. The introduction of the lubricating oil is repeated.
[0085]
As described above, in the present embodiment, even when the thickness of the differential case is reduced, a part of the opening serving as the introducing means formed on the side surface on the normal rotation direction side of each convex portion is formed by the lubricating oil. When the lubricating oil reaches the oil level, the lubricating oil is scooped up, and it is possible to introduce the lubricating oil into the inside of the differential case through the opening along with the normal rotation, thereby reducing the amount of lubricating oil introduced with the thinning of the differential case. Thus, the performance of the differential gear can be maintained.
[0086]
In particular, in the present embodiment, at a part of the opening formed on the side surface on the normal rotation direction side of each projection, its inner wall surface is inclined radially inward as going toward the normal rotation direction side. Therefore, it becomes easy to introduce the lubricating oil into the differential case together with the normal rotation. Also, by inclining the inner wall surface in this way, it becomes difficult to discharge the lubricating oil once introduced into the differential case from the opening.
[0087]
Furthermore, in this embodiment, since a part of each opening is formed on the side surface on the forward rotation side of the corresponding convex portion, the forward traveling of the vehicle is particularly high in frequency and the rotational speed of the differential device is high. At this time (during normal rotation of the differential device), lubricating oil can be effectively introduced into the differential case.
[0088]
The embodiments described above are described for facilitating the understanding of the present invention, and are not described for limiting the present invention. Therefore, each element disclosed in the above embodiment is intended to include all design changes and equivalents belonging to the technical scope of the present invention.
[0089]
For example, in the above embodiment, the differential case constituting the differential device is described as having a two-piece structure. However, the present invention is not particularly limited to this, and the first differential case and the second differential case are integrally formed. The differential case having a one-piece structure may be used. Further, in the above embodiment, the differential case formed by using a forged product as a material has been described. However, the present invention is not particularly limited to this, and may be a differential case formed by using a cast product as a material. Further, in the above-described embodiment, the differential device having four pinion gears has been described. However, the present invention is not particularly limited to this, and may be a differential device having two pinion gears.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a differential device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view taken along the line II-II in FIG.
FIG. 3 is a perspective view of a first differential case of the differential device according to the first embodiment of the present invention. FIG. 3 (A) is a perspective view as viewed from an arrow A in FIG. FIG. 3B is a perspective view seen from the arrow B in FIG.
4 is a cross-sectional view of a main part of an IV section in FIG. 2, and FIG. 4 (A) is a view showing an inclination angle of a side surface of a first convex portion on a normal rotation direction side; (B) is a figure which shows the inclination angle of the inner wall surface of the opposite side with respect to the normal rotation direction of a 1st opening part.
5 is a cross-sectional view of a main part of a portion V in FIG. 2, FIG. 5 (A) is a diagram showing an inclination angle of a step surface of a thick portion, and FIG. FIG. 6 is a diagram showing the inclination angle of the inner wall surface on the opposite side to the normal rotation direction of the opening.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a differential gear according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view of a differential device according to a second embodiment of the present invention.
8 is a sectional view of a main part of FIG. 7, FIG. 8 (A) is a diagram showing an inclination angle of a wall surface of a wall portion, and FIG. It is a figure which shows the inclination angle of the inner wall surface of the opposite side with respect to it.
FIG. 9 is a view showing another example of the introducing means used in the differential device according to the second embodiment of the present invention, FIG. 9 (A) is a perspective view thereof, and FIG. 9) is a sectional view taken along line IXB-IXB in FIG.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a differential device according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a perspective view of a differential device according to a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1a, 1b, 1c ... differential device
5 ... differential case
10 First differential case
11 ... Journal
12 Large diameter part
13a: First convex portion
13b: second convex portion
13c: Side surface of the first convex portion
13d ... insertion groove
14 ... Thick part
14a: step surface
15 ... wall
15a ... wall
17a: first opening
18a: inner wall surface of first opening
17b: second opening
18b: inner wall surface of the second opening
20 ... Gear mounting hole
21 ... Flange part
30: second differential case
40 ... differential gear
41 ... Pinion shaft
42 ... Pinion gear
43 ... Side gear

Claims (11)

デファレンシャルギアを内部に収容すると共に、車両運転時にトランスミッションから入力される駆動力により正転方向及び逆転方向に回転可能なデフケースであって、
前記デフケースの内部に潤滑油を侵入させる開口部を有し、
前記開口部の周囲に、前記デフケースの正転方向の回転により、デフケースの外部より前記開口部内に潤滑油を導入する導入手段が設けられているデフケース。
A differential case accommodating a differential gear therein, and being rotatable in a forward rotation direction and a reverse rotation direction by a driving force input from a transmission during vehicle operation,
It has an opening to allow the lubricating oil to enter inside the differential case,
A differential case provided around the opening to introduce lubricating oil from the outside of the differential case into the opening by rotation of the differential case in a normal rotation direction;
前記導入手段は、前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲に設けられている請求項1記載のデフケース。2. The differential case according to claim 1, wherein the introduction unit is provided around a periphery of the opening opposite to the normal rotation direction. 3. 前記デフケースは、前記デファレンシャルギアが有するピニオンシャフトを支持するための、前記デフケースの外周面に径方向外側に突出する凸部を有し、
前記導入手段は、前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する前記凸部の正転方向側の側面に設けられており、
前記凸部の正転方向側の側面が、前記デフケースの外周面に対して鋭角となるように形成されている請求項1又は2記載のデフケース。
The differential case has a convex portion projecting radially outward on an outer peripheral surface of the differential case for supporting a pinion shaft of the differential gear,
The introduction means is provided on a side surface on the normal rotation direction side of the protrusion located on the opposite side to the normal rotation direction of the opening,
The differential case according to claim 1, wherein a side surface of the convex portion in the normal rotation direction is formed to be at an acute angle with respect to an outer peripheral surface of the differential case.
前記導入手段は、前記開口部の少なくとも前記正転方向に対して反対側の内壁面に設けられており、
前記開口部の少なくとも前記正転方向に対して反対側の内壁面が、前記開口部の内部から外部に向かって正転方向に対して反対側に傾斜するように形成されている請求項1〜3の何れかに記載のデフケース。
The introduction means is provided at least on the inner wall surface of the opening opposite to the forward rotation direction,
At least an inner wall surface of the opening opposite to the normal rotation direction is formed so as to be inclined from the inside of the opening toward the outside toward the opposite side to the normal rotation direction. 3. The differential case according to any one of 3.
前記導入手段は、前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲に設けられており、
前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲が、前記開口部の正転方向側に位置する周囲より相対的に径方向外側に大きくなるように形成されている請求項1〜4の何れかに記載のデフケース。
The introduction means is provided around the periphery located on the opposite side to the normal rotation direction of the opening,
The periphery which is located on the opposite side to the normal rotation direction of the opening is formed to be relatively larger in the radial direction outside than the periphery which is located on the normal rotation direction side of the opening. 4. The differential case according to any one of 4.
前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲が、前記開口部の正転方向側に位置する周囲より相対的に肉厚が厚く形成されている請求項5に記載のデフケース。The differential case according to claim 5, wherein the periphery of the opening located on the opposite side to the normal rotation direction is formed to be relatively thicker than the periphery of the opening located on the normal rotation direction side. 前記開口部の正転方向に対して反対側に位置する周囲と、前記開口部の正転方向側に位置する周囲と間に、正転方向側に傾斜して前記デフケースの外周面に対して鋭角な段差面が形成されている請求項5又は6記載のデフケース。Between the periphery located on the opposite side to the forward rotation direction of the opening, and the periphery located on the forward rotation direction side of the opening, inclined toward the forward rotation direction with respect to the outer peripheral surface of the differential case. 7. The differential case according to claim 5, wherein an acute step surface is formed. 前記導入手段は、前記開口部の少なくとも正転方向に対して反対側の内壁面に設けられており、
前記開口部の少なくとも正転方向に対して反対側の内壁面が、前記開口部の内部から外部に向かって正転方向側に傾斜するように形成されている請求項5〜7の何れかに記載のデフケース。
The introduction means is provided on an inner wall surface on the opposite side to at least the normal rotation direction of the opening,
8. The method according to claim 5, wherein at least an inner wall surface of the opening opposite to the normal rotation direction is formed so as to be inclined from the inside of the opening toward the outside in the normal rotation direction. 9. The described differential case.
前記デフケースは、前記デファレンシャルギアが有するピニオンシャフトを支持するための、前記デフケースの外周面に径方向外側に突出する凸部を有し、
前記凸部の正転方向側の側面に、開口部の少なくとも一部が形成されている請求項1〜8の何れかに記載のデフケース。
The differential case has a convex portion projecting radially outward on an outer peripheral surface of the differential case for supporting a pinion shaft of the differential gear,
The differential case according to any one of claims 1 to 8, wherein at least a part of the opening is formed on a side surface of the convex portion on the side in the normal rotation direction.
前記開口部の少なくとも一部は、正転方向側に向かうに従い、径方向内側に傾斜している内壁面を有する請求項9記載のデフケース。The differential case according to claim 9, wherein at least a part of the opening has an inner wall surface that is inclined radially inward toward the forward rotation direction. 請求項1〜10の何れかに記載のデフケースの内部に、サイドギア及びピニオンギアを有するデファレンシャルギアをそれぞれ回転自在に収容したデファレンシャル装置。A differential device in which a differential gear having a side gear and a pinion gear is rotatably housed inside the differential case according to claim 1.
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