まず、青色蛍光体のBa−O層近傍の酸素欠陥を無くすことによる作用効果について説明する。
PDPなどに用いられている蛍光体は、固相反応法や水溶液反応法等で作製されているが、粒子径が小さくなると欠陥が発生しやすくなる。特に固相反応では蛍光体を焼成後粉砕することで、多くの欠陥が生成することが知られている。また、パネルを駆動する時の放電によって生じる波長が147nmの紫外線によっても、蛍光体に欠陥が発生するということも知られている(例えば、電子情報通信学会技術研究報告、EID99−94 2000年1月27日)。
特にアルカリ土類金属アルミン酸塩の青色蛍光体であるBaMgAl10O17:Euは、蛍光体自身、特にBa−O層に酸素欠陥を有していることも知られている(例えば、応用物理、第70巻第3号2001年PP310)。
図6は、BaMgAl10O17:Eu青色蛍光体のBa−O層の構成を模式的に示した図である。
従来の青色蛍光体について、これらの欠陥が発生することそのものが、輝度劣化の原因であるとされてきた。すなわち、パネル駆動時に発生するイオンによる蛍光体の衝撃によってできる欠陥や、波長147nmの紫外線によってできる欠陥が劣化の原因であるとされてきた。
本発明者らは、輝度劣化の原因の本質は欠陥が存在することだけで起こるのではなく、Ba−O層近傍の酸素(O)欠陥に選択的に水や炭酸ガスあるいは炭化水素系ガスが吸着し、その吸着した状態に紫外線(VUV)やイオンが照射されることによって蛍光体が水と反応して輝度劣化や色ずれが起こることを見出した。すなわち、青色蛍光体中のBa−O層近傍の酸素欠陥に多くの水や炭酸ガスあるいは炭化水素ガスを吸着することにより、放電中に吸着した水や炭酸ガスあるいは炭化水素がパネル内に拡散して、青色の劣化だけでなく緑色の劣化も起こるという知見を得た。
これらの知見から青色蛍光体のBa−O層近傍の酸素欠陥を低減させることで、青色蛍光体に吸着する水や炭酸ガス、炭化水素ガスの吸着を大幅に低減させ、パネル製造工程中やパネル駆動時の青色及び緑色の輝度劣化防止を行い、色むらや画面の焼き付きのない長寿命のプラズマディスプレイ装置を得た。すなわち、Ba−O層近傍の酸素欠陥を低減させるために、BaMgAl10O17:Eu、あるいはBaSrMgAl10O17:Euの結晶構造を有する青色蛍光体のアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、バリウム(Ba)元素の一部を6価の価数を取る元素で置換したり、これらの元素の近傍に配置させることで、Ba−O層近傍の酸素欠陥を低減させた。
ここで、BaMgAl10O17中の陽イオンを、6価イオンを添加して置換することの作用効果について説明する。
青色蛍光体であるBaMgAl10O17:Eu中のAl、Mg、Ba、Srは、それぞれ3価、2価のプラスイオンとして存在している。その内のいずれかの位置あるいは近傍に、主に6価のプラスイオンとして存在するモリブデン(Mo)、タングステン(W)を存在させることにより、従来の4価や5価のイオンの添加よりもプラスの電荷が結晶中に増大する。この+電荷を中和するために(電荷を補償するために)Ba元素の近傍酸素欠陥を負電荷を持つ酸素が埋めるため、結果としてBa−O層近傍の酸素欠陥が低減できるものと考えられる。すなわち3〜5価より価数の多い6価の元素は、より多くの酸素を引き寄せるため効率よく酸素欠陥を補償できる。特に6価の原子価をとる元素Cr、Se、Te、Mo、W、Re等の内、W、Moの添加が特に効果が大きいことを見出した。
次に、本発明のプラズマディスプレイ装置で用いる蛍光体の製造方法について説明する。
蛍光体本体の製造方法としては、従来の酸化物や硝酸塩あるいは炭酸化物原料をフラックスを用いた固相焼結法や、有機金属塩や硝酸塩を用い、これらを水溶液中で加水分解したり、アルカリ等を加えて沈殿させる共沈法を用いて蛍光体の前駆体を作製し、次にこれを熱処理する液相法、あるいは蛍光体原料が入った水溶液を加熱された炉中に噴霧して作製する液体噴霧法等の蛍光体の製造方法が考えられるが、いずれの方法で作製した蛍光体を用いてもBaMgAl10O17:Eu中のAl、Mg、Ba元素の一部を6価のイオン(Mo、W)を添加し、置換することで効果があることが判明した。
まず、蛍光体の作製方法の一例として、青色蛍光体の固相反応法による製法について述べる。原料として、BaCO3、MgCO3、Al2O3、Eu2O3、MO3(ただし、Mは、Mo、W)等の炭酸化物や酸化物と、焼結促進剤としてのフラックス(AlF3、BaCl2)を少量加えて1400℃で2時間焼成した後、これを粉砕およびふるい分けを行い、次に1500℃で2時間還元性雰囲気(H25%、N2)中で焼成し、再び粉砕とふるい分けを行い、蛍光体とする。次に、前記還元工程において作製した蛍光体の欠陥をさらに低減するために蛍光体が再焼結しない温度の酸化雰囲気中でアニールして青色蛍光体とする。
次に、水溶液から蛍光体を作製する場合(液相法)は、蛍光体を構成する元素を含有する有機金属塩、例えばアルコキシドやアセチルアセトンあるいは硝酸塩を水に溶解した後、加水分解して共沈物(水和物)を作製し、それを水熱合成(オートクレーブ中で結晶化)したり、空気中で焼成あるいは高温炉中に噴霧して得られた粉体を1500℃で2時間、還元性雰囲気(H25%、N2)中で焼成して蛍光体とする。上記の方法で得られた青色蛍光体を粉砕した後、ふるい分けを行ない、次に蛍光体が再焼結しない温度の酸化雰囲気中でアニールして蛍光体とする。
なお、Al、Mg、Baと置換する6価のイオン(Mo、W)の置換量は、Al、Mg、Baに対して0.001%〜3%が望ましい。置換量が0.001%以下では輝度劣化を防止する効果が少なく、3%以上になると蛍光体の輝度が低下する。
このように従来の青色蛍光体粉作製工程を用いて、BaMgAl10O17:Eu結晶中のAl、Mg、Baイオンを6価のイオンで置換することで、青色蛍光体や緑色蛍光体の輝度を低下させることなく、水やVUVに対して強い(蛍光体焼成工程や、パネル封着工程、パネルエージング工程あるいは、パネル駆動中に発生する水や炭酸ガスに耐久性を持つ)蛍光体が得られる。
そして、BaMgAl10O17:Eu、BaSrMgAl10O17:EuのAlあるいはMgイオンの一部を6価のイオン(Mo、W)で置換した青色蛍光体粒子の粒径は0.05μm〜3μmと小さく、粒度分布も良好である。また、蛍光体層を形成する蛍光体粒子の形状が球状であれば、さらに充填密度が向上し、実質的に発光に寄与する蛍光体粒子の発光面積が増加する。したがって、プラズマディスプレイ装置の輝度も向上すると共に、輝度劣化や色ずれが抑制されて輝度特性に優れたプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
このように本発明に係るプラズマディスプレイ装置の青色蛍光体層は、粒度分布のそろったBaMgAl10O17:Eu、BaSrMgAl10O17:Eu結晶中のAl、Mg、Baイオンを6価のイオン(Mo、W)で置換した青色蛍光体粒子から構成されていることを特徴とする。そして、本発明において、この6価のイオン(Mo、W)が添加されたBa1−xMgAl10O17:EuxあるいはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxで表される化合物からなる青色蛍光体に対して最適な蛍光体の組合せとすることにより、色度変化(色ずれ、焼き付き)輝度劣化のないプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
すなわち、本発明において、青色蛍光体層に使用する蛍光体粒子としては、6価のイオン(Mo、W)が添加されたBa1−xMgAl10O17:EuxあるいはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxで表される化合物である。ここで、前記化合物におけるxの値は、0.03≦x≦0.20、0.1≦y≦0.5であれば、輝度が高く好ましい。また、赤色蛍光体層に使用する蛍光体粒子としては、Y2−xO3:Euxあるいは(Y、Gd)1−xBO3:Euxで表される化合物あるいはこれらの混合物である。ここで、赤色蛍光体の化合物におけるxの値は、0.05≦x≦0.20であれば、輝度および輝度劣化に対して優れた効果を発揮するため好ましい。さらに、緑色蛍光体層に使用する蛍光体粒子としては、Y1−xBO3:TbxあるいはZn2−xSiO4:Mnxで表される化合物あるいはこれらの混合物である。ここで、上記緑色蛍光体の化合物におけるxの値は、0.01≦x≦0.10であることが、輝度および輝度劣化に対して優れた効果を発揮するため好ましい。
ここで、本発明に係るプラズマディスプレイ装置の製造方法について説明すると、第1のパネルの基板上に、Ba1−xMgAl10O17:EuxあるいはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxの青色蛍光体のAl、Baあるいは、Mgイオンを6価のイオンで置換した蛍光体粒子および赤色、緑色蛍光体粒子とバインダとからなるペーストを配設する配設工程と、当該第1のパネル上に配設されたペーストに含まれるバインダを焼失させる焼成工程と、焼成工程により蛍光体粒子が基板上に配設された第1のパネルと第2のパネルとを重ね合わせて封着する工程とを備える。
なお、蛍光体粒子の平均粒径は、0.1μm〜2.0μmの範囲がさらに好ましい。また粒度分布は最大粒径が平均値の4倍以下で最小値が平均値の1/4以上がさらに好ましい。これは、蛍光体粒子において紫外線が到達する領域は、粒子表面から数百nm程度と浅く、ほとんど表面しか発光しない状態であり、こうした蛍光体粒子の粒径が2.0μm以下になれば、発光に寄与する粒子の表面積が増加して蛍光体層の発光効率は高い状態に保たれる。また3.0μm以上であると、蛍光体の厚みが20μm以上必要となり、放電空間が十分確保できない。0.1μm以下であると、欠陥が生じやすく、輝度が向上しないからである。
また、蛍光体層の厚みは、蛍光体粒子の平均粒径の8〜25倍の範囲内にすれば、蛍光体層の発光効率が高い状態を保ちつつ放電空間を十分に確保することができるので、プラズマディスプレイ装置における輝度を高くすることができる。特に蛍光体の平均粒径が3μm以下であるとその効果は大きい(映像情報メディア学会IDY2000−317.PP32)。
以下、本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置について図面を参照しながら説明する。
図1はPDPにおける前面ガラス基板を取り除いた概略平面図であり、図2はPDPの画像表示領域における部分断面斜視図である。なお、図1においては表示電極群、表示スキャン電極群、アドレス電極群の本数などについては分かり易くするため一部省略して図示している。この図1、図2を参照しながらPDPの構造について説明する。
図1に示すように、PDP100は、前面ガラス基板101(図示せず)と、背面ガラス基板102と、N本の表示電極103と、N本の表示スキャン電極104(N本目を示す場合はその数字を付す)と、M本のアドレス電極107群(M本目を示す場合はその数字を付す)と、M本のアドレス電極107群(M本目を示す場合はその数字を付す)と、斜線で示す気密シール層121などからなり、各電極103、104、107による3電極構造の電極マトリックスを有しており、表示スキャン電極104とアドレス電極107との交点にセルが形成されている。123は画像表示領域である。
このPDP100は、図2に示すように、前面ガラス基板101の1主面上に表示電極103、表示スキャン電極104、誘電体ガラス層105、MgO保護層106が配された前面パネルと、背面ガラス基板102の1主面上にアドレス電極107、誘電体ガラス層108、隔壁109、および蛍光体層110R、110G、および青色蛍光体中のAl、Mg、Ba元素を6価の価数を取る元素で置換した蛍光体層110Bが配された背面パネルとを張り合わせ、前面パネルと背面パネルとの間に形成される放電空間122内に放電ガスを封入することにより構成されている。
プラズマディスプレイ装置の表示駆動を行う場合は、図3に示すようにPDP100に表示ドライバ回路153、表示スキャンドライバ回路154、アドレスドライバ回路155を接続し、コントローラ152の制御にしたがい、点灯させようとするセルにおいて、表示スキャン電極104とアドレス電極107に信号電圧を印加してその間でアドレス放電を行った後、表示電極103、表示スキャン電極104間にパルス電圧を印加して維持放電を行う。この維持放電により、当該セルにおいて紫外線が発生し、この紫外線により励起された蛍光体層が発光することでセルが点灯し、各色セルの点灯、非点灯の組み合わせによって画像が表示される。
次に、上述したPDP100について、その製造方法を図4および図5を参照しながら説明する。
前面パネルは、前面ガラス基板101上に、まず各N本の表示電極103および表示スキャン電極104(図2においては各2本のみ表示している。)を交互かつ平行にストライプ状に形成した後、その上を誘電体ガラス層105で被覆し、さらに誘電体ガラス層の表面にMgO保護層106を形成することによって作製する。
表示電極103および表示スキャン電極104は、銀からなる電極であって、電極用の銀ペーストをスクリーン印刷により塗布した後、焼成することによって形成する。
誘電体ガラス層105は、鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペーストとしては、例えばPbO(70wt%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl2O3(5wt%)と有機バインダ(α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物を使用する。
ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルローズ以外に、樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。
MgO保護層106は、酸化マグネシウム(MgO)から成るものであり、例えばスパッタリング法やCVD法(化学蒸着法)によって層が所定の厚み(約0.5μm)となるように形成する。
背面パネルは、まず背面ガラス基板102上に、電極用の銀ペーストをスクリーン印刷し、その後、焼成することによってM本のアドレス電極107を列方向に配列した状態で形成する。その上に鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷法で塗布して誘電体ガラス層108を形成し、同じく鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後焼成することによって、隔壁109を形成する。この隔壁109により、放電空間122はライン方向に一つのセル(単位発光領域)毎に区画される。
図4はPDP100の一部断面図である。同図に示すように、隔壁109の間隙寸法Wは、一定値32インチ〜50インチのHD−TVに合わせて130μm〜240μm程度に規定される。そして、隔壁109間の溝に、赤色(R)、緑色(G)、Ba1−xMgAl10O17:EuxあるいはBa1−x−ySryMgAl10O17:EuxのAl、Baあるいは、Mg元素イオンを6価の元素イオンで置換した青色(B)の各蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを400〜590℃の温度で焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層110R、110G、110Bが形成される。
この蛍光体層110R、110G、110Bのアドレス電極107上における積層方向の厚みLは、各色蛍光体粒子の平均粒径のおよそ8〜25倍程度に形成することが望ましい。すなわち、蛍光体層に一定の紫外線を照射したときの輝度(発光効率)を確保するためには、蛍光体層は放電空間において発生した紫外線を透過させることなく吸収することが必要であり、蛍光体粒子が最低でも8層、好ましくは20層程度積層された厚みを保持することが望ましい。それ以上の厚みとなると、蛍光体層の発光効率はほとんどサチュレートしてしまうとともに、20層程度積層された厚みを超えると放電空間122の大きさを十分に確保できなくなるからである。
また、水熱合成法等により得られた蛍光体粒子のように、その粒径が十分小さく、かつ球状であれば、球状でない粒子を使用する場合と比べ、積層段数が同じ場合であっても蛍光体層の充填度が高まるとともに、蛍光体粒子の総表面積が増加するため、蛍光体層における実際の発光に寄与する蛍光体粒子表面積が増加し、さらに発光効率が高まる。
この蛍光体層110R、110G、110Bの合成方法、および青色蛍光体層に用いる6価のイオンが置換された青色蛍光体粒子の製造法については後述する。
このようにして作製された前面パネルと背面パネルは、前面パネルの各電極と背面パネルのアドレス電極とが直交するように重ね合わせるとともに、パネル周縁に封着用ガラスを介挿させ、これを例えば450℃程度で10〜20分間焼成して気密シール層121(図1)を形成することにより封着される。そして、一旦放電空間122内を高真空(例えば、1.1×10−4Pa)に排気した後、放電ガス(例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封入することによってPDP100を作製する。
図5は蛍光体層110R、110G、110Bを形成する際に用いるインキ塗布装置200の概略構成図である。
図5に示すように、インキ塗布装置200は、サーバ210、加圧ポンプ220、ヘッダ230などを備え、蛍光体インキを蓄えるサーバ210から供給される蛍光体インキは、加圧ポンプ220によりヘッダ230に加圧されて供給される。ヘッダ230にはインキ室230aおよびノズル240が設けられており、加圧されてインキ室230aに供給された蛍光板インキは、ノズル240から連続的に吐出されるように構成されている。このノズル240の口径Dは、ノズルの目詰まり防止のため30μm以上とし、かつ塗布の際の隔壁からのはみ出し防止のため隔壁109間の間隔W(約130μm〜200μm)以下にすることが望ましく、通常30μm〜130μmに設定している。
ヘッダ230は、図示しないヘッダ走査機構によって直線的に駆動されるように構成されており、ヘッダ230を走査させるとともに、ノズル240から蛍光体インキ250を連続的に吐出することにより、背面ガラス基板102上の隔壁109間の溝に蛍光体インキが均一に塗布される。ここで、使用される蛍光体インキの粘度は25℃において、1500CP〜30000CPの範囲に保たれている。
なお、上記サーバ210には図示しない攪拌装置が備えられており、その攪拌により蛍光体インキ中の粒子の沈殿が防止される。またヘッダ230は、インキ室230aやノズル240の部分も含めて一体成形されたものであり、金属材料を機器加工ならびに放電加工することによって作製されたものである。
また、蛍光体層を形成する方法としては、上記方法に限定されるものではなく、例えばフォトリソ法、スクリーン印刷法、および蛍光体粒子を混合させたフィルムを配設する方法など、種々の方法を利用することができる。
蛍光体インキは、各色蛍光体粒子、バインダ、溶媒とが混合され、1500〜30000センチポアズ(CP)となるように調合されたものであり、必要に応じて、界面活性剤、シリカ、分散剤(0.1wt%〜5wt%)等を添加してもよい。
この蛍光体インキに調合される赤色蛍光体としては、(Y、Gd)1−xBO3:Eux、またはY2−xO3:Euxで表される化合物が用いられる。これらは、その母体材料を構成するY元素の一部がEuに置換された化合物である。ここで、Y元素に対するEu元素の置換量xは、0.05≦x≦0.20の範囲となることが好ましい。これ以上の置換量とすると、輝度は高くなるものの輝度劣化が著しくなることから実用上使用できにくくなると考えられる。一方、この置換量以下である場合には、発光中心であるEuの組成比率が低下し、輝度が低下して蛍光体として使用できなくなるためである。
緑色蛍光体としては、Zn2−xSiO4:MnxあるいはY1−xBO3:Tbxの結晶構造を有する化合物が用いられる。Zn2−xSiO4:Mnxは、その母体材料を構成するZn元素の一部がMnに置換された化合物である。また、Y1−xBO3:Tbxは、その母体材料を構成するY元素の一部がTb元素に置換された化合物である。ここで、Zn元素に対するMn元素の置換量xは、上記赤色蛍光体のところで説明した理由と同様の理由により、0.01≦x≦0.10の範囲となることが好ましい。またY元素に対するTb元素の置換量xは、0.02≦x≦0.15の範囲となることが好ましい。
青色蛍光体としては、Ba1−xMgAl10O17:Eux、またはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxで表される化合物が用いられる。Ba1−xMgAl10O17:Eux、Ba1−x−ySryMgAl10O17:Euxは、その母体材料を構成するBa元素の一部がEuあるいはSrに置換された化合物である。ここで、Ba元素に対するEu元素の置換量xは上記と同様の理由により、前者の青色蛍光体は0.03≦x≦0.20、0.1≦y≦0.5の範囲となることが好ましい。
また、Al、Mg、Ba元素イオンと置換させる6価の元素イオン(Mo、W)の置換量は、(Ba1−cMc)(Mg1−aMa)(Al1−bMb)10O17:Eux(ただし、MはMoまたはW)とすると、0.001≦c≦0.03、0.0001≦a≦0.03、0.0001≦b≦0.03の範囲となることが好ましい。すなわち0.01%〜3%の範囲が好ましい。
蛍光体インキに調合されるバインダとしては、エチルセルローズやアクリル樹脂を用い(インキの0.1wt%〜10wt%を混合)、溶媒としては、α−ターピネオール、ブチルカービトールを用いることができる。なお、バインダとして、PMAやPVAなどの高分子を、溶媒として、ジエチレングリコール、メチルエーテルなどの有機溶媒を用いることもできる。
また、本実施の形態において、蛍光体粒子には、固相焼成法、水溶液法、噴霧焼成法、水熱合成法により製造されたものが用いられ、以下にさらに詳しく説明する。
青色蛍光体(Ba1−xMgAl10O17:Euxについて)
まず、混合液作製工程において、原料となる、硝酸バリウムBa(NO3)2、硝酸マグネシウムMg(NO3)2、硝酸アルミニウムAl(NO3)3、硝酸ユーロピウムEu(NO3)2をモル比が1−x:1:10:x(0.03≦x≦0.25)となるように混合し、これを水性媒体に溶解して混合液を作製する。この水性媒体にはイオン交換水、純水が不純物を含まない点で好ましいが、これらに非水溶媒(メタノール、エタノールなど)が含まれていても使用することができる。
また、6価のイオン(Mo、W)をMg、Al、Baと置換するための原料としては、上記6価のイオンの硝酸塩、塩化物、有機化合物を用いる。その置換量としては、(Ba1−cMc)(Mg1−aMa)(Al1−bMb)(ただし、Mは、6価のイオンであるMo、W)として、0.0001≦a、b、c≦0.03となるように混合する。
次に、水和混合液を金あるいは白金などの耐食性、耐熱性を持つものからなる容器に入れて、例えばオートクレーブなどの加圧しながら加熱することができる装置を用い、高圧容器中で所定温度(100℃〜300℃)、所定圧力(0.2MPa〜10MPa)の下で水熱合成(12〜20時間)を行う。
次に、この粉体を還元雰囲気下、例えば水素を5%、窒素を95%含む雰囲気で、所定温度、所定時間、例えば1350℃で2時間焼成し、次にこれを分級することによりMg、Al、Baに6価のイオンを一部置換した所望の青色蛍光体Ba1−xMgAl10O17:Euxを得ることができる。また、さらにVUVに対する、耐性を強めるために前記蛍光体を酸化雰囲気中(好ましくは、700℃〜1000℃)で焼成する。
水熱合成を行うことにより得られる蛍光体粒子は形状が球状となり、かつ平均粒径が0.05μm〜2.0μm程度の粒径が従来の固相反応から作製されるものに比べて小さく形成される。なお、ここでいう「球状」とは、ほとんどの蛍光体粒子の軸径比(短軸径/長軸径)が、例えば0.9以上1.0以下となるように定義されるものであるが、必ずしも蛍光体粒子のすべてがこの範囲に入る必要はない。
また、前記水和混合物を金あるいは、白金の容器にいれずに、この水和混合物をノズルから高温炉に吹き付けて蛍光体を合成する噴霧法によっても青色蛍光体を作製できる。
(Ba1−x−ySryMgAl10O17:Euxについて)
この蛍光体は、上述したBa1−xMgAl10O17:Euxと原料が異なるのみで固相反応法で作製する。以下、その使用する原料について説明する。
原料として、水酸化バリウムBa(OH)2、水酸化ストロンチウムSr(OH)2、水酸化マグネシウムMg(OH)2、水酸化アルミニウムAl(OH)3、水酸化ユーロピウムEu(OH)2を必要に応じたモル比となるように秤量し、次にMg、Al、Baと置換する6価のイオン(Mo、W)の酸化物や水酸化物を必要に応じた比になるように秤量し、これらをフラックスとしてのAlF3と共に混合し、所定の温度(1300℃〜1400℃)、焼成時間(12〜20時間)を経ることにより、Mg、Alを6価のイオンで置換したBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxを得ることができる。本方法で得られる蛍光体粒子の平均粒径は、0.1μm〜3.0μm程度のものが得られる。
次に、これを還元雰囲気下、例えば水素を5%、窒素を95%の雰囲気で所定温度(1000℃から1600℃)2時間焼成した後、空気分級機によって分級して蛍光体粉を作製する。なお、蛍光体の原料として、酸化物、硝酸塩、水酸化物を主に用いたが、Ba、Sr、Mg、Al、Eu、Mo、W等の元素を含む有機金属化合物、例えば金属アルコキシドやアセチルアセトン等を用いて蛍光体を作製することもできる。また前記還元された蛍光体を酸化雰囲気中でアニールすることでさらにVUVに対する劣化の少ない蛍光体を得ることができる。
緑色蛍光体(Zn2−xSiO4:Mnxについて)
まず、混合液作製工程において、原料である硝酸亜鉛Zn(NO3)2、硝酸珪素Si(NO3)2、硝酸マンガンMn(NO3)2をモル比で2−x:1:x(0.01≦x≦0.10)となるように混合し、次にこの混合溶液をノズルから超音波を印加しながら1500℃に加熱した炉中に噴霧して緑色蛍光体を作製する。
(Y1−xBO3:Tbxについて)
まず、混合液作製工程において、原料である硝酸イットリウムY(NO3)3、硼酸H3BO3、硝酸テルビウムTb(NO3)3がモル比で1−x:1:x(0.01≦x≦0.10)となるように混合し、これをイオン交換水に溶解して混合液を作製する。
次に、水和工程においてこの混合液に塩基性水溶液(例えばアンモニア水溶液)を滴下することにより、水和物を形成させる。その後、水熱合成工程において、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持つものからなるカプセル中に入れて、例えばオートクレーブを用いて高圧容器中で所定温度、所定圧力、例えば温度100℃〜300℃、圧力0.2MPa〜10MPaの条件下で所定時間、例えば、2〜20時間水熱合成を行う。
その後、乾燥することにより、所望のY1−xBO3:Tbxが得られる。この水熱合成工程により、得られる蛍光体は粒径が0.1μm〜2.0μm程度となり、その形状が球状となる。
次に、この粉体を空気中で800℃〜1100℃でアニール処理した後、分級して、緑色の蛍光体とする。
赤色蛍光体((Y、Gd)1−xBO3:Euxについて)
混合液作製工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(NO3)3と水硝酸ガドリミウムGd2(NO3)3とホウ酸H3BO3と硝酸ユーロピウムEu2(NO3)3を混合し、モル比が1−x:2:x(0.05≦x≦0.20)でYとGdの比は65対35となるように混合し、次にこれを空気中で1200℃〜1350℃で2時間熱処理した後、分級して赤色蛍光体を得る。
(Y2−xO3:Euxについて)
混合液作製工程において、原料である硝酸イットリウムY2(NO3)2と硝酸ユーロピウムEu(NO3)2を混合し、モル比が2−x:x(0.05≦x≦0.30)となるようにイオン交換水に溶解して混合液を作製する。
次に、水和工程において、この水溶液に対して塩基性水溶液、例えばアンモニア水溶液を添加し、水和物を形成させる。
その後、水熱合成工程において、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持つものからなる容器中に入れ、例えばオートクレーブを用いて高圧容器中で温度100℃〜300℃、圧力0.2MPa〜10MPaの条件下で、3〜12時間の水熱合成を行う。その後、得られた化合物の乾燥を行うことにより、所望のY2−xO3:Euxが得られる。次にこの蛍光体を空気中で1300℃〜1400℃、2時間のアニール処理の後、分級して赤色蛍光体とする。この水熱合成工程により得られる蛍光体は粒径が0.1μm〜2.0μm程度となり、かつその形状が球状となる。この粒径、形状は発光特性の優れた蛍光体層を形成するのに適している。
次に、本発明のプラズマディスプレイ装置の性能を評価するために、上記実施の形態に基づくサンプルを作製し、そのサンプルについて性能評価実験を行った。その実験結果を以下に説明する。
作製した各プラズマディスプレイ装置は、42インチの大きさを持ち(リブピッチ150μmのHD−TV仕様)、誘電体ガラス層の厚みは20μm、MgO保護層の厚みは0.5μm、表示電極と表示スキャン電極の間の距離は0.08mmとなるように作製した。また、放電空間に封入される放電ガスは、ネオンを主体にキセノンガスを7%混合したガスであり、所定の放電ガス圧で封入されている。
サンプル1〜10のプラズマディスプレイ装置に用いる各青色蛍光体粒子には、蛍光体を構成するMg、Al、Baイオンを6価のイオンで置換した蛍光体を用いた。それぞれの合成条件を表1に示す。なお、表1の試料番号がそれぞれのサンプル番号である。
サンプル1〜4は、赤色蛍光体に(Y、Gd)1−xBO3:Eux、緑色蛍光体に(Zn2−xSiO4:Mnx)、青色蛍光体に(Ba1−xMgAl10O17:Eux)を用いた組み合わせのものであり、蛍光体の合成の方法、発光中心となるEu、Mnの置換比率、すなわちY、Ba元素に対するEuの置換比率、およびZn元素に対するMnの置換比率およびMg、Al、Baと置換する6価のイオン(元素)の種類と量を表1のように変化させたものである。
サンプル5〜10は、赤色蛍光体に(Y2−xO3:Eux)、緑色蛍光体に(Zn2−xSiO4:MnxとY1−xBO3:Tbxの混合)、青色蛍光体に(Ba1−x−ySryMgAl10O17:Eux)を用いた組み合わせのものであり、上記と同様、蛍光体合成方法の条件および発光中心の置換比率および青色蛍光体を構成するMg、Al、Baイオンと置換する6価のイオン(元素)の種類と量を表1のように変化させたものである。
また、蛍光体層の形成に使用した蛍光体インキは、表1に示す各蛍光体粒子を使用して蛍光体、樹脂、溶剤、分散剤を混合して作製した。そのときの蛍光体インキの粘度(25℃)について測定した結果を、いずれも粘度が1500CP〜30000CPの範囲に保たれている。形成された蛍光体層を観察したところ、いずれも隔壁壁面に均一に蛍光体インキが塗布されていた。また、各色における蛍光体層に使用される蛍光体粒子については、平均粒径0.1μm〜3.0μm、最大粒径8μm以下の粒径のものが各サンプルに使用されている。
次に、比較サンプル11、12について説明する。まず、サンプル11は各色蛍光粒子には特に処理は行っていない従来の蛍光体粒子を用いたサンプルである。また、比較サンプル12は、青色蛍光体(BaMgAl10O17:Eu)に従来の5価のイオン(Ta)を添加したサンプルである。
(実験1)
作製されたサンプル1〜10および比較サンプル11、12について、背面パネル製造工程における蛍光体焼成工程(520℃、20分)後の、各色の輝度を測定し、次にパネル製造工程におけるパネル張り合わせ工程(封着工程450℃、20分)を経た後、各蛍光体の輝度変化(劣化)率を測定した。
(実験2)
パネルを各色に点灯した時の輝度および輝度劣化変化率の測定は、プラズマディスプレイ装置に電圧180V、周波数100kHzの放電維持パルスを1000時間連続して印加し(寿命テスト)、その前後におけるパネル輝度を測定し、そこから輝度劣化変化率(<〔印加後の輝度−印加前の輝度〕/印加前の輝度>*100)を求めた。
また、アドレス放電時のアドレスミスについては画像を見てちらつきがあるかないかで判断し、1ヶ所でもあれば、ありとしている。また、パネルの輝度分布や色むら、色ずれについては白表示時の輝度を輝度計で測定して、その全面の分布及び目視で判断した。
これら実験1、2の各色の輝度および輝度劣化変化率及び、アドレスミス、色むらの目視検査についての結果を表2に示す。
(実験3)
モデル実験として、サンプル1〜10及び、比較サンプル11、12のパネルから全色の蛍光体を回収し、これらの蛍光体の吸着ガス量を、TDS分析装置(昇温脱離ガス質量分析装置)を用いて、水、CO2、炭化水素ガスの100℃〜600℃の脱離ガス量を測定する。
次に、サンプル1の水、CO2、炭化水素ガス(質量番号40以上)の脱離ガスの総量を1とし、サンプル2〜10と比較サンプル11、12との相対量を測定して蛍光体が内蔵しているガス量の相対値を測定した。その結果も表2に示している。
表2に示すように比較サンプル11において、青色蛍光体にイオンで置換処理を施していないサンプルでは、各工程における輝度劣化率が大きい。特に、青色と緑色輝度劣化が大きく、青色においては、蛍光体焼成工程後の、封着工程で21.5%、180V、100kHzの寿命テストで20.5%の輝度低下が見られた。また緑色はパネル張り合わせ工程で13.2%、180V、100kHzの寿命テストで10.3%の輝度劣化が見られ、これらの輝度変化に伴ってパネルの色むら、色ずれも大きくなっている。これに対し、サンプル1〜10において、パネル張り合わせ工程及び寿命テストによる、青色の変化率がすべて2%以下で、緑色の変化率も4%以下の値となっており、しかもパネルのアドレスミスや色むら、色ずれもない。
また比較サンプル12では、青色の輝度変化はかなり少なく張り合わせ封着工程で2.1%、寿命テストで、2.3%の変化であるが、緑色の変化が張り合わせ封着工程で、10.5%、寿命テストで9.5%と大きい輝度変化がみられ、アドレスミスは起こらないが、パネルの色むら、色ずれが見られる。これに対して、サンプル1〜10において、パネル張り合わせ封着工程及び寿命テストによる、青色の変化率がすべて2%以下で、緑色の変化率が4%以下の値となっており、しかもアドレスミスや色むら、色ずれもない。
これは、青色蛍光体を構成するMg、Al、Baイオン(元素)を6価のイオン(元素)となる物質(Mo、W)で置換することにより、青色蛍光体中の酸素欠陥(特にBa−O近傍の酸素欠陥)が大幅に減少したためである。このため、この青色蛍光体から持ち込まれる水、CO2、炭化水素ガス等が非常に少なくなり、パネル封着時に青色蛍光体からの出ガスが少なくなり青色自身のみならず、隣接する緑色や赤色蛍光体及びMgOにも良い影響を与えたためである。また、特に青色蛍光体を酸化雰囲気中でアニールしたサンプルNo.4、6、8の200V、100kHzの放電維持パルス試験の輝度変化率は、酸素欠陥がより低減されており、低くなっている。
また、表2に示すように、サンプル1〜10の青色蛍光体のMg、Al、Baを6価のイオンで置換した蛍光体を使用したパネル内の全蛍光体の不純ガス量が比較例11、12と較べて少ないことがわかる。この不純ガス(水、CO2、炭化水素)の少ないことが青色や緑色の輝度劣化の少ないことに起因していると考えられる。従って、Mg、Al、Baを6価のイオンで置換した青色蛍光体を用いたパネルは、パネルのアドレスミスや色むら、色ずれを改善できる。
従来の青色蛍光体は、本発明の青色蛍光体と比べて各工程中の劣化が大きいため、3色同時に発光した場合の白色の色温度が低下する傾向があった。そのため、プラズマディスプレイ装置においては、回路的に青色以外の蛍光体(赤、緑)のセルの輝度を下げることにより白表示の色温度を改善していたが、このように青色蛍光体を構成するMg、Al、Baイオンの一部をMo、Wの6価のイオンで置換した蛍光体粒子を使用することにより、青色セルの輝度が高まり、またパネル作製工程中における劣化も少ない上に、緑色の劣化も少なくなるため、他の色のセルの輝度を意図的に下げることが不要となり、全ての色のセルの輝度を意図的に下げることが不要となる。したがって、全ての色のセルの輝度をフルに使用することができるので、白表示の色温度が高い状態を保ちつつ、プラズマディスプレイ装置の輝度を上げることができる。
なお、上記青色蛍光体は、同じ紫外線により励起、発光する蛍光灯にも応用することができる。その場合には、蛍光管内壁に塗布されている従来の青色蛍光体粒子を構成するMg、Al、Baイオンを6価のイオンで置換した青色蛍光体からなる蛍光体層に置換すればよい。このように蛍光灯や液晶のバックライトに適用すれば、従来の蛍光灯やバックライトより輝度および輝度劣化に優れたものが得られる。