JP4512908B2 - 磁性体粉除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体粉除去装置に係り、特に流体中に混在する磁性体粉を除去するのに好適な磁性体粉除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工食品の製造工程においては、たとえ金属製異物の混入があったとしても、この金属製異物を取り除くための除去工程が設けられており、食品の安全性を確保するようにしている。そしてこのような金属製異物の除去設備は、食品搬送路の途中に設置された磁石と、この磁石より食品搬送経路の下流側に設置された金属検出機とで構成されている。
【0003】
ここで前記除去設備を用いた金属製異物の除去は以下のようになる。
まず下流側に設置された金属検出機では検知しずらい微細な磁性体粉を前記磁石にて吸引し当該磁石の表面に吸着させ、この磁性体粉を磁石表面で保持することで、食品中から微細な磁性体粉を取り除く。そして前記磁性体粉が取り除かれた食品は金属検出機へと導入され、当該金属検出機によって検知可能な大きさを有した金属製異物が除去され、これにより大小の金属製異物が食品より取り除かれる。
【0004】
例えば、アイスクリームの製造過程においては、液状の原材料を、上記除去設備が備え付けられた管路に導入させ、この管路を通過させることで、金属製異物の除去を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した磁性体粉の除去では、以下に示すような問題点があった。
すなわち管路内に単に磁石を配置しただけでは、磁石の近傍を通過する磁性体粉は吸引することができるものの、前記磁石から離れた場所では磁石の磁力が弱まってしまうので、磁性体粉の吸引が確実にできないというおそれがあった。
【0006】
この問題を解決するため、磁石を大型にしたり、あるいは管路の内径を狭め、磁力が管路内に十分に行き渡るようにすることも考えられるが、このような形態を用いると原材料の通過量が低下し、生産効率の低下という新たな問題が発生する。また磁石の大型化によるコストアップや、重量増加によるハンドリングの困難性も問題になる。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に着目し、通過量を落とすことなく、流体中に混在する磁性体粉を確実に除去することのできる磁性体粉除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、管路内に流体抵抗部を設け、この流体抵抗部にて生じる整流作用で液流を管路内に配置された磁石に向かわせるようにすれば、磁性体粉を磁石の近傍に引き寄せることができ、磁性体粉の除去を確実に行うことができるという知見に基づいてなされたものである。
【0009】
すなわち本発明に係る磁性体粉除去装置は、流体の通過をなす筒体の内側に磁石を配置し、前記筒体の内側と前記磁石との間に環状流路を形成するとともに、当該環状流路に前記磁石の表面と交差する流体抵抗部を設け、前記筒体を通過する流体に前記磁石に向かう流れを発生させるよう構成した。
そして前記筒体と前記流体抵抗部との間に回り止めを設け、前記流体抵抗部に加わる前記流体からの反力を前記筒体で受け止めるようにすることが望ましい。
【0010】
また前記流体抵抗部は、断面形状が山形からなったり、あるいはフィン形状に形成されていてもよい。さらに前記流体抵抗部は、一体的に形成されていても、複数個に分割されていてもよく、分割されている場合は、前記筒体の延長方向に沿ってらせん状に配置され、前後する前記流体抵抗部の端部同士が接触しているとともに前記筒体の周回方向に沿って重なり合っていることにより、前記流体抵抗部に接触した流体を前記磁石に接近させるクランク部を前記環状流路に生じさせることが望ましい。なお複数個に分割された流体抵抗部がらせん状に配置されるということは、複数個に分割された全ての流体抵抗部が全体としてらせん状に配置されているだけでなく、複数個に分割された幾つかの流体抵抗部がらせん状に配置されているということも含まれる(図5に示す流体抵抗部34のらせん状の配置形態を参照)。
【0011】
ところで複数の個片磁石の同極同士を突き合わせて前記磁石とし、この同極同士の突き合わせ位置にストッパーリングを設け、当該ストッパーリングの端面と前記磁石の表面とで磁性体粉堰止部を構成し、前記磁石の最大磁場が前記磁性体粉堰止部に及ぶようにすることが望ましい。
【0012】
【作用】
上記構成によれば、流体が筒体の内部に進入すると、磁石の近傍を通過する流体には、強力な磁力が働き、前記流体中に磁性体粉が含まれていれば、当該磁性体粉は、磁石によって吸引される。
【0013】
一方、環状流路における磁石から離れた場所を通過する流体は、筒体の内側と前記磁石との間に設けられた流体抵抗部にぶつかり、当該流体抵抗部によって磁石から離れた場所から磁石の近傍まで移動する。すなわち流体が流体抵抗部にぶつかると、流体の筒体を進む力が前記流体抵抗部によって分解され、磁石の表面へと向かう力が分力として発生する。このため流体抵抗部にぶつかった流体は磁石表面へと接近することができ、この流体中に磁性体粉が含まれていると強い磁力が前記磁性体粉へと作用し、確実に磁性体粉を吸引させることが可能になる。また流体抵抗部の磁石表面に対する角度は、流体の粘性や筒体中の移動速度、あるいは磁石の強さ等によって適宜選択すればよい。このため筒体における通過面積を小さくする等の改造が不要となり、効率の良い磁性体粉除去を行うことが可能になる。
【0014】
そして前記筒体と前記流体抵抗部との間に回り止めを設けるようにすれば、流体抵抗部に流体が当たることで生じる回転方向の力を受け止めることができるので前記流体抵抗部が筒体内で回転するのを防止することができる。
【0015】
なお流体抵抗部の断面形状を山形やフィン形状とすれば、当該流体抵抗部の裏側に流体が回り込むことが無くなるので、当該流体が流体抵抗部の裏側で淀むのを防止することができる。このため筒体に導入された流体は、前記筒体内に留まることなく連続して排出させることができる。
また流体抵抗部を、らせん状にすれば、流体の磁石へと向かう力を常に発生させることができ、効率的に磁性体粉の除去を行うことが可能になる。
【0016】
ここで流体抵抗部を筒体の延長方向に沿ってらせん状に配置し、前後する前記流体抵抗部の端部同士が前記筒体の周回方向に沿って重なり合わせるようにすれば、筒体に導入される流体は、当該筒体の内部を直線上に通過することが無くなり必ず流体抵抗部に当たるようになる。そして流体は流体抵抗部によって磁石表面側へと移動するので、確実に磁性体粉の除去を行うことができる。
【0017】
なお磁石によって吸引された磁性体粉は、前記磁石からの磁力によってその位置で保持されるが、たとえ移動する流体等の影響を受けて磁性体粉が磁石の表面を移動したとしても離れることなく筒体から排出されることがない。
【0018】
すなわち筒体の端部には、ストッパーリングが磁石を保持しており、磁石表面とストッパーリングの端面とで磁性体粉堰止部が形成されている。さらに磁性体粉堰止部の位置には個片磁石が同極同士を突き合わされるよう配置されており、磁石の最大磁場が磁性体粉堰止部に及んでいる。このため磁石の表面を磁性体粉が移動しても、離れずにストッパーリングの端面に堰き止められ、磁性体粉がストッパーリングの下流に移動するのを防止するからである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る磁性体粉除去装置に好適な具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る磁性体粉除去装置の内部構造を示す断面図である。同図に示すように、本実施の形態に係る磁性体粉除去装置10は、流体中から磁性体粉を除去するためのものである。
【0021】
磁性体粉除去装置10では、同除去装置10の外殻を形成する筒体12と、当該筒体12の内部に挿入され前記筒体12を通過する流体の整流をなす抵抗体14と、当該抵抗体14の内側に取り付けられ流体中に含まれる磁性体粉の吸引をなす磁石となる棒状磁石16とが主な構成部品となっている。そしてこれら構成部品は、別体にて構成され、それぞれ分解可能であることから、前記構成部品の清掃を確実に行うことができる。
【0022】
筒体12は、非磁性であるステンレス鋼材を使用した管状部材からなり、その片側端部における側面一箇所には、液導入口18が設けられている。一方、筒体12における他方端部側には絞り部19が形成されるとともにその先端には液導入口18と同径に設定された液排出口20が設けられ、前記液導入口18から導入された流体を液排出口20から排出するようにしている。
【0023】
なお本実施の形態では、液導入口18と液排出口20とを同径としたが、この形態に限定されることもなく、液導入口18の径を液排出口20よりも大きくしたり(あるいはその逆)、さらに液排出口20の側から流体を導入し、液導入口18の側から液体を排出するような使い方をしてもよい(この場合は、液導入口18の側が下流側となる)。
【0024】
図2は、抵抗体14の全体構造を示す説明図であり、同図(1)は抵抗体の正面図を示し、同図(2)は抵抗体の左側面図を示し、同図(3)は抵抗体の右側面図を示す。これらの図に示すように抵抗体14は、その両端にガイドリング22(22F、22R)が配置された形態となっている。そして当該ガイドリング22の外径寸法は、前記筒体12の内径寸法より小さく設定され、筒体12の内部に抵抗体14が挿入できるようになっている。なお液排出口20側に位置するガイドリング22Rの内側には、ストッパーリング24が設けられており、当該ストッパーリング24は、前記ガイドリング22の内側から引き出されたステー25によって支持されている。そして前記ストッパーリング24に棒状磁石16を挿通させることで、前記棒状磁石16の先端保持を行うとともに、当該ストッパーリング24の端面と前記棒状磁石16の表面とで、磁性体粉堰止部26(図7を参照)を構成し、たとえ流体の移動によって生ずる流動力によって磁性体粉が棒状磁石16の表面を移動したとしても、前記磁性体粉堰止部26の後方に磁性体粉が移動するのを防止するようにしている。
【0025】
ところでこれら2つのガイドリング22では、その端面同士を接続するよう連結棒28が設けられている。当該連結棒28は、ガイドリング22の周回に沿うよう均等に3本設けられており、これによってガイドリング22同士の固定を行うとともに、後述する流体抵抗部の保持を行うようにしている。また液導入口18側となるガイドリング22Fでは、連結棒28の取り付け方向の反対側端面に回り止めを構成する引き出し用アーム30が取り付けられる。当該引き出し用アーム30は、抵抗体14を筒体12に挿入した際、当該筒体12の開口端部に達するだけの長さに設定されており、前記引き出し用アーム30を把持することで筒体12から抵抗体14を出し入れできるようにしている。また引き出し用アーム30の先端には、L字状の折曲部32が形成されており、後述する回り止めを構成するアンカーピンと接触させることで、抵抗体14が筒体12の内部で回転するのを防止できるようにしている。また回り止めは、折曲部32をアンカーピンに接触させる構造だけでなく、例えば折曲部32にアンカーピンが挿通可能な貫通孔を設けておき、この貫通孔にアンカーピンを差し込むような構成や、その他構造を適用するようにしてもよい。
このように形成された一対のガイドリング22の間には、筒体12の内側を通過する流体の整流をなす流体抵抗部34が設けられている。
【0026】
図3は、流体抵抗部の取り付け形態を示す状態説明図であり、同図(1)は、図2(1)における抵抗体の側面図を示し、同図(2)は、抵抗体の要部斜視図である。これらの図に示すように、流体抵抗部34は、断面形状が山形になるよう形成されている。そして流体抵抗部34の最内周となる前記山形形状の稜線部の曲率は、抵抗体14の内部を挿通する棒状磁石16の外径より若干大きく設定され、流体抵抗部34と棒状磁石16との間に僅かな隙間36が形成されるようになっている。一方、流体抵抗部34の最外周の曲率は、ガイドリング22の外径と同様の寸法に設定されており、前記ガイドリング22とともに筒体12内部への挿入を可能にしている。
【0027】
ところで同図(1)に示すように筒体内における流体抵抗部34の占める角度は、本実施の形態では140度に設定されており、こうした流体抵抗部34が棒状磁石16を中心として120度のピッチ(間隔)で、抵抗体14におけるガイドリング22の間に複数取り付けられている(本実施の形態では7個)。故に抵抗体14においては、この流体抵抗部34を複数配置した場合、前後する流体抵抗部34との重複部分35ができるようになっている。このため筒体12内に形成される環状流路となる流体の経路(すなわち流路)では、クランクを有した形態となっており、筒体12内を通過する流体は直線状に移動することが不可となり、流体抵抗部34と必ず接触するようになっている。なおこうした流体抵抗部34においては、外側円弧部分に筒体12の延長方向に沿った嵌合用溝38が設けられており、当該嵌合用溝38に連結棒28を嵌合させ、両者を固定することで、抵抗体14に流体抵抗部34を取り付け可能にしている。本実施の形態では、一対のガイドリング22の間には7個の流体抵抗部34が取り付けられており、これらの流体抵抗部34が一定の重複部分35を有するよう、抵抗体14の内側に周回配置されている。
【0028】
ここで前述したガイドリング22や、連結棒28、そして引き出し用アーム30や流体抵抗部34など抵抗体14を構成する部材は、棒状磁石16をその中央に保持させる目的から非磁性となるステンレス鋼材が用いられているが、この材料に限定されることもなく、セラミックやモールド樹脂など他の非磁性となる材料を用いるようにしてもよい。なお抵抗体14の中央部に保持され、磁性体粉の吸引と捕集をなす棒状磁石16は、永久磁石から構成される。
【0029】
棒状磁石16の後端には、筒体12の開口を塞ぐだけの径に設定された蓋40が取り付けられている。そして当該蓋40には、アンカーピン44が一対、棒状磁石16の取り付け位置を挟んで配置されており、このアンカーピン44に引き出し用アーム30の先端に形成された折曲部32を接触させることで、抵抗体14の回転を規制するようにしている。
【0030】
また蓋40の外周には、クランプ46が装着可能になっており、当該クランプ46の装着によって蓋40をパッキン42を介して筒体12の開口部に押し付け、筒体12内側から外部に流体が漏れ出すのを防止するようにしている。
【0031】
このように構成された磁性体粉除去装置10を用いて、流体中における磁性体粉の除去を行う手順を説明する。
まず検査対象となる流体が通過する管路の途中に磁性体粉除去装置10を設置し、前記流体が本装置10を通過するようにしておく。なおその際、本装置10においては、筒体12の中に抵抗体14や棒状磁石16をあらかじめ装着した状態にし、流体中に磁性体粉が存在した場合、これを除去できるような形態にしておく。このように磁性体粉除去装置10を設置した後は、図示しないポンプを稼働させ流体を本装置10へと送り込む。流体は、液導入口18から本装置10の内部に入り込み、液排出口20側へと移動する。
【0032】
図4は、筒体内部における流体の移動状態を示した説明図である。同図に示すように、液導入口18から本装置10の内部に流体が入り込んで、当該流体が流体抵抗部34に接触すると、流体はこの整流斜面48に沿って図中矢印50に示すように流体抵抗部34の頂上部側、すなわち棒状磁石16側へと移動する。
【0033】
このように整流斜面48に沿って、流体が棒状磁石16側に移動すると当該流体はより磁界の強い所を通過することとなり、たとえ流体が高い粘性を有していたとしても、強い磁力が流体中の磁性体粉に及ぶこととなり、当該磁性体粉を確実に棒状磁石16に吸引させることができる。なお整流斜面48によって棒状磁石16の表面に接近した流体は、筒体12の延長方向に沿ってらせん状に配置された流体抵抗部34によって図中、矢印52Aに示すようなうず流が発生し、流体自体の攪拌を行いながら、後段側へと進む(なお図中に示すように僅かながら矢印52Bに向かう流れも生じる)。
【0034】
ところで流体抵抗部34は断面形状が山形に形成されていることから、前記整流斜面48の裏側に流体が回り込むことが無くなる。このため流体が整流斜面48の裏側で淀むのを防止することができ、筒体12に導入された流体は、前記筒体12内に留まることなく連続して通過させることができる。故に流体が食品等である場合には、当該流体の品質維持を確実にすることができる。
【0035】
図5は、抵抗体14を通過する流体の流路を示した展開図である。同図に示すように、抵抗体14においては、一対のガイドリング22の間に流体抵抗部34がらせん状に7段配置されている。そしてこれら流体抵抗部34は、棒状磁石16を中心とした120度のピッチ(間隔)で配置されていることから、前後する流体抵抗部34では、その端部同士が筒体12の延長方向に重なり合った(重複部分35を参照)形態となる。このため筒体12を通過する流路56は流体抵抗部34が遮ることとなり、導入口から排出口までが直線状にならず、前記流路56には必ずクランク部54が存在することとなる。当該クランク部54は、整流斜面48に接触した流体が左右二手に分流されたときに生じるものであるので、磁性体粉除去装置10に導入された流体は、全て棒状磁石16に接近することになり、たとえ流体中に磁性体粉が含まれていたとしても、確実に前記磁性体粉を吸引し、流体中から除去させることが可能になる。なお本実施の形態では、流体抵抗部34を筒体12の延長方向に沿って7段、らせん状に設けるようにしたが、この形態に限定されることもなく、除去対象の流体の性質に応じて任意に設定すればよい。また流体抵抗部34における整流斜面48の角度も流体の粘性に応じて任意に設定すればよい。さらに本実施の形態では、断面形状が山形の流体抵抗部34を筒体12の内側に配置し、整流斜面48によって流体を棒状磁石に接近させるようにしたが、流体の種類や粘性などに応じて前記流体抵抗部を、例えば、断面が山形の形状からフィン形状に置き換えるようにしてもよい。
【0036】
図6は、流体抵抗部を、筒体の内壁から盛り上がるらせん状の羽根とした応用例を示す断面図である。
同図に示すように、流体抵抗部を筒体の内壁から盛り上がるらせん羽根58とすれば、筒体12に導入される流体は、万遍無く(偏ることなく)らせん羽根58によって、筒体12の中央に配置された棒状磁石16に接近することになるので、流体中に含まれた磁性体粉の除去を確実なものにすることができる。
【0037】
図7は、磁性体粉堰止部を示す要部斜視図である。
同図に示すように磁性体粉堰止部26は、棒状磁石16をストッパーリング24に差し込んだ際の前記棒状磁石16の表面と、前記ストッパーリング24の端面とによって構成された段差部分である。
【0038】
通常、流体中に含まれる磁性体粉60は、棒状磁石16からの磁力によって、当該棒状磁石16の表面に吸引され、前記磁性体粉60は、その位置で保持される。しかし磁性体粉の吸着時の接触面積が小さく吸着力が小さかったり、あるいは流体の流れによって生ずる流動力により磁性体粉に強い力が加わると、当該磁性体粉は、棒状磁石16の表面を移動し抵抗体14の後端側に移動することが考えられるが、当該抵抗体14の後端側には、前述した磁性体粉堰止部26が設けられているので、たとえ磁性体粉60が棒状磁石16の表面を移動したとしても、前記磁性体粉堰止部26を構成するストッパーリング24の端面がストッパーとなり、磁性体粉60が磁性体粉堰止部26の下流に移動するのを防止することができる。
このため吸引した磁性体粉60が棒状磁石16の表面から離れるのを確実に防止することができる。
【0039】
なお磁性体粉堰止部26の位置と、磁束が最大になる棒状磁石16の位置とを一致させるようにすれば、捕集された磁性体粉60に最大の磁力が及ぶことになり、前記磁性体粉60が磁性体粉堰止部26から脱落するのを一層防止することができるのである。
【0040】
さらに磁束が最大になる棒状磁石16の位置を、流体抵抗部34の位置と一致させるようにすれば、棒状磁石16側に流れる流体に、より強い磁力を及ぼすことができ、磁性体粉の除去をより一層確実なものにすることが可能になる。
【0041】
本実施の形態に係る磁性体粉除去装置10は、様々な流体に適用することが可能である。例えば、アイスクリームの原材料を本装置10に導入し、万が一混入した磁性体粉の除去を行う場合でも、整流斜面48によって原材料を棒状磁石16の表面に近づけることができるので、粘性の高い原材料からでも確実に磁性体粉を除去することが可能になる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体の通過をなす筒体の内側に磁石を配置し、前記筒体の内側と前記磁石との間に環状流路を形成するとともに、当該環状流路に前記磁石の表面と交差する流体抵抗部を設け、前記筒体を通過する流体に前記磁石に向かう流れを発生させたことから、通過量を落とすことなく、流体中に混在する磁性体粉を確実に除去することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る磁性体粉除去装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】抵抗体14の全体構造を示す説明図である。
【図3】流体抵抗部の取り付け形態を示す状態説明図である。
【図4】筒体内部における流体の移動状態を示した説明図である。
【図5】抵抗体14を通過する流体の流路を示した展開図である。
【図6】流体抵抗部を、筒体の内壁から盛り上がるらせん状の羽根とした応用例を示す断面図である。
【図7】磁性体粉堰止部を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
10………磁性体粉除去装置、12………筒体、14………抵抗体、
16………棒状磁石、18………液導入口、19………絞り部、
20………液排出口、22(22F、22R)………ガイドリング、
24………ストッパーリング、25………ステー、26………磁性体粉堰止部、
28………連結棒、30………引き出し用アーム、32………折曲部、
34………流体抵抗部、35………重複部分、36………隙間、
38………嵌合用溝、40………蓋、42………パッキン、
44………アンカーピン、46………クランプ、48………整流斜面、
50………流体の流れを示す矢印、52A………流体の流れを示す矢印、
52B………流体の流れを示す矢印、54………クランク部、56………流路、
58………らせん羽根、60………磁性体粉、62………流体の流れ

Claims (1)

  1. 流体の通過をなす筒体の内側に磁石を配置し、前記筒体の内側と前記磁石との間に環状流路を形成するとともに、当該環状流路に前記磁石の表面と交差する流体抵抗部を設け、前記流体抵抗部は、断面形状が山形からなり、前記筒体の延長方向に沿って複数個に分割されてらせん状に配置され、前後する前記流体抵抗部の端部同士が接触しているとともに前記筒体の周回方向に沿って重なり合っていることにより、前記流体抵抗部に接触した流体を前記磁石に接近させるクランク部を前記環状流路に生じさせることを特徴とする磁性体粉除去装置。
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