JP4180583B2 - 永久磁石式流体用除鉄装置 - Google Patents

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Description

この発明は、永久磁石を使用して流体材料中から磁性物を除去する永久磁石式流体用除鉄装置に関する。
例えば、特許文献1には、食品工業等において流体状の原材料を供給する管路に複数の磁気エレメントを挿入して原材料から微細鉄粉を除去するようにした微細鉄粉除去装置が開示されている。このように、永久磁石を用いた除鉄装置(永久磁石式除鉄装置)は、原材料中から磁性物(鉄粉や鉄さび等を含む粒子状乃至小片状の磁性又は弱磁性物体をいう)を異物として除去する機能を有する。
特開平11−138045号公報
水などの液体を原材料とする飲食製品類を製造する設備などにおいて、永久磁石式除鉄装置は、製造ラインを通る液体材料から磁性物を永久磁石で異物として除去する役割から、「マグネット・フィルタ」とも呼ばれており、液体材料から鉄粉や鉄さび等を除去するのに有用されている。図1は、従来技術によるマグネット・フィルタの例を示しており、図1(1)は、従来技術のマグネット・フィルタを水平方向からみた側面図であり、図1(2)は、こののマグネット・フィルタを線A−Aから垂直下方向にみた断面図である。
従来技術によるマグネット・フィルタでは、図1に示されるように、ケーシングSYの円筒周壁の外側に入口管IN及び出口管OTが対向的に設けられ、ケーシングSYの内部には、円柱状を呈する複数本の棒状マグネットM1〜M5が同心状に配列される。ここで、マグネット・フィルタは圧力容器であることから、ケーシングSYは円筒状を呈している。また、入口管IN及び出口管OTの中心軸は一致しており水平方向に延びるのに対して、円筒状ケーシングSYと各棒状マグネットM1〜M5の中心軸は垂直方向に延びている。そして、このような構造のマグネット・フィルタは、入口管INの流入口及び出口管OTの排出口をそれぞれ液体材料送給用の上流側配管及び下流側配管に接続することによって、液体材料送給路中に介挿される。
使用の際には、液体材料送給用上流側配管から圧力をかけられてマグネット・フィルタに供給される液体材料Mαは、図示のように、入口管INを経て円筒状のケーシングSYに流入する。ケーシングSY内では、液体材料Mαの水平方向の流れfwに対して垂直方向に複数本の棒状マグネットM1〜M5が配置されているので、液体材料Mαの流れfwが棒状マグネットM1〜M5を通り抜けていく間に、液体材料Mα中の磁性物が棒状マグネットM1〜M5に吸着される。そして、この吸着により磁性物が除去されてファイン化された液体材料Mfが出口管OTを経て液体材料送給用下流側配管に向けて流れていく。
マグネット・フィルタの形状・構造は、圧力損失・除去性能など考慮して経験的に決められることが多い。例えば、液体材料の圧力損失などを考慮して配管の管径に応じて何本かの棒状マグネットM1〜M5が配置されるが、棒状マグネットM1〜M5を収納するケーシングSYは、棒状マグネットM1〜M5によって損失となる流下断面積や棒状マグネットM1〜M5そのものによる流れfwに対する阻害率(流路抵抗)を考慮して体積を大きくしなければならない。また、各棒状マグネットM1〜M5は強力な磁力を発生させることができるが、取扱いの際に作業者の指詰などの危険性を考慮しなければならないので製作上の限界がある。従って、ケーシングSY内に配置された棒状マグネットトM1〜M5相互の間隔は、棒状マグネット磁力の制約や、上述した液体材料Mαの流れfwに対する阻害率を考慮して経験的に決められている。
さらに、マグネット・フィルタは、通常、製造設備には含まれていないので、製造ラインの設置当初からマグネット・フィルタの設置スペースが確保されているケースは少なく、既存の設備を改造して取り付けることが多い。その結果、既存設備の限られた範囲内にマグネット・フィルタの設置スペースを確保し、このように制約された設置スペース内に配置することができるように、マグネット・フィルタに設けられるマグネットの本数が限定されることになり、目的とする除却生能を発揮させることが難しい。従って、限定されたマグネット本数でも除去効果の高いマグネット・フィルタの実現が望まれている。
より具体的にいうと、円筒状ケーシングSY内に配置される棒状マグネットM1〜M5の本数(図示では「5」本)は、当然、数多く密に配置することが望ましいが、上述したマグネット・フィルタ製作上の理由からその配置間隔には限界がある。また、ケーシングSY内には、図1(1)に斜線で示すように、入口管IN及び出口管OTの口径対応部分の上下・左右にデッド・ゾーン(液溜り)DZが発生し、このデッド・ゾーンDZの範囲内では棒状マグネットM1〜M5による磁性物除去効果を期待することができないという欠点がある。従って、ケーシングSY内に配設される棒状マグネットM1〜M5の数を多くしても、磁性物除去効果はあまり上がらない。
そこで、このようなデッド・ゾーンDZの発生を補う1つの方法として、破線で示すように、入口管IN及び出口管OTの口径にテーパtpを付けることにより、液体材料MαのケーシングSY内への流れfwを、極力、幅広く分散させスムーズにさせることが考えられている。しかしながら、流れの分散やスムーズ性を確保しようとすると、流路方向の全長が大きくなり、やはり、マグネット・フィルタの制約された設置スペースの条件で、ケーシングSY内に配置された棒状マグネットの全域を有効にすることは容易でない。
別の方法として、入口管IN及び出口管OTの取付け位置を水平方向(上下)にずらすことによって、図1(1)に示される上下のデッド・ゾーンDZを少なくして棒状マグネットへの流体接触を増すことも考えられている。この方法では、入口管IN及び出口管OTの上下差を極力大きくすることで、ケーシングSY上下部のコーナ(角)部分に発生するデッド・ゾーンの影響を小さくすることができ、磁性物除去率のアップが期待される。しかしながら、平面的には、図1(2)に示される左右のデッド・ゾーンが残り、また、上下の段差の範囲は、既存設備の配管条件から当然制約を受けてしまう。
さらに、限られた設置スペースで、より良い磁性物除去効果を発揮させるために、上述の各方法によるマグネット・フィルタを直列にして二つ並べる方法を採用することもできるが、設置スペースや経済的な理由等から全ての製造ラインに適用することができない。
この発明は、このような事情に鑑み、流体材料中から磁性物を吸着するための棒状マグネットを配置したマグネット収納ケーシング内における流体材料の流れをサイクロンのように還流させることによって、磁性物除去性能を向上させることができる永久磁石式流体用除鉄装置を提供することを目的とする。
この発明の主たる特徴に従うと、内蔵された複数の永久磁石ピース(1p)により長手方向に間隔をもって磁極(N,S)が形成される棒状マグネット(1;1A〜1D)により液体材料(MTα)中の磁性物(Pt)を吸着させる永久磁石式流体用除鉄装置であって、複数の棒状マグネット(1A〜1D)が同心円状に配置された円筒状ケーシング(2)と、円筒状ケーシング(2)の下部の周壁に該周壁の接線方向に沿うように取り付けられ、上流の材料供給路から供給される液体材料(MTα)を当該接線方向に沿って円筒状ケーシング(2)内に流入させる入口管部(3)と、円筒状ケーシング(2)内の上部から流出する液体材料(MTf)を下流の材料供給路に供給する出口管部(4)とを具備する永久磁石式流体用除鉄装置〔請求項1〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便のために付した実施例の参照記号乃至例示用語・箇所である。
この発明による永久磁石式流体用除鉄装置は、さらに、円筒状ケーシング(2)の中心部に設けられた柱状体(5)を具備し、出口管部(4)は、円筒状ケーシング(2)の上部の周壁に該周壁の接線方向に沿うように取り付けられ、円筒状ケーシング(2)内から当該接線方向に沿って流出させる(図3、図5)〔請求項2〕ように構成することができる。
また、この永久磁石式流体用除鉄装置において、円筒状ケーシング(2)の底部はじょうご状であり、その下方の管部に異物排出弁(6)が設けられる(図3、図5)〔請求項3〕ように構成することができる。
さらに、この永久磁石式流体用除鉄装置において、出口管部(4)は、取付け方向が入口管部(3)の取付け方向と同じ向きであり、軸が入口管部(3)の軸と並行である(図3)〔請求項4〕ように構成することができる。
この発明による永久磁石式流体用除鉄装置は、出口管部(4)は、円筒状ケーシング(2)の中心部を通ってその底部を貫通し、上部の開口が円筒状ケーシング(2)内上部の中心部に位置し、下部の開口が下流の材料供給路に接続される(図6)〔請求項5〕ように構成することができる。
この発明による永久磁石式流体用除鉄装置では、円筒状ケーシング(2)内を通過する液体材料(MTα)中の磁性物(Pt)を除去するのに、ケーシング(2)内に同心円状に配置された複数の棒状マグネット(1A〜1D)が用いられる。各棒状マグネット(1A〜1D:〔図2〕1)は、内蔵された複数の永久磁石ピース(1p)により長手方向に間隔をもって磁極(N,S)が形成される。円筒状ケーシング(2)の下部の周壁には、入口管部(3)が周壁の接線方向に沿うように取り付けられ、上流の材料供給路から供給される液体材料(MTα)は、入口管部(3)により接線方向に沿って円筒状ケーシング(2)内に流入し、円筒状ケーシング(2)内の上部から出口管部(4)へと流出する。このように、円筒状ケーシング(2)への入口管部(3)の取付け位置をケーシング(2)の下部とし而も取付け方向を円筒中心軸から偏心させて円筒状ケーシング周壁の接線方向に沿うように構成しているので、液体材料(MTα)の流れ(Fw)は、円筒状ケーシング(2)の内部において下から上に向かってサイクロンのように還流し、液体材料(MTα)中の磁性物(Pt)は棒状マグネット(1A〜1D)により効果的に吸着される。そして、磁性物(Pt)の吸着によりファイン化された液体材料(MTf)は、出口管部(4)を通じて下流の材料供給路に供給される。
すなわち、この発明による永久磁石式流体用除鉄装置によると、円筒状ケーシング(2)の流体入口(3)を下にし、流体出口(4)を上にして、入口・出口間に段差(h)を設けると共に、流体入口となる入口管部(3)の方向をケーシング円筒の接線方向に合わせることによって、液体材料(MTα)の流れ(Fw)を円筒状ケーシング2の円筒周壁に沿って周回させるようにしているので、円筒状ケーシング(2)内において流体(MTα)が流れる距離を長くして接触チャンス(流体MTαが棒状マグネット1A〜1Dの近傍を通過するチャンス)が増大し、ケーシング内の全ての棒状マグネット(1A〜1D)の磁性物除去性能を利用することができる。特に、入口・出口間の段差(h)によって、液体材料(MTα)の流れ(Fw)を下から上に向かってサイクロンのように旋回させて各棒状マグネット(1A〜1D)に斜めに接触させるようにしているので、さらに、各棒状マグネット(1A〜1D)の磁極(1p)に対する接触確率(流体MTαが各棒状マグネット1A〜1Dの磁極近傍を通過する確率)が高くなり、各棒状マグネット(1A〜1D)自体の磁性物除去性能を向上させることができる(図4)。また、流体(MTα)の流れ(Fw)は下から上に向かうので、重力の影響を軽減することができる。従って、この発明によれば、磁性物除去性能を大幅に向上させることができる。
この発明による永久磁石式流体用除鉄装置では、円筒状ケーシング(2)上部の周壁には、周壁接線方向に沿うように出口管部(4)を取り付け、液留りとなる円筒状ケーシング(2)の中心部に柱状体(5)を設けているので、柱状体(5)が液留り防止装置として機能し、液体材料(MTα)の流れ(Fw)を円筒ケーシング内周と柱状体(5)との間、即ち、棒状マグネット(1A〜1D)の配置区間に集約することができる(図3、図5)。従って、棒マグネット(1A〜1D)に対する流体(MTα)の接触チャンスを更に増大し、磁性物除去性能を更に向上させることができる。
また、この永久磁石式流体用除鉄装置において、サイクロン式で還流する渦の中心部には、液体材料(MTα)中の比重の大きい異物が近づいてくる傾向が生じるが、ケーシング底部をじょうご状に形成し、その下方の管部に異物排出弁(6)を設けることによって、棒状マグネットで除去できない異物をじょうご状のケーシング底部に沈殿させ、ライン稼働の終了後に異物排出弁(6)を開いて磁性物以外の異物をも回収することができる。
さらに、この永久磁石式流体用除鉄装置では、出口管部(4)と入口管部(3)の取付け方向と同じ向きにし、出口管部(4)と入口管部(3)の軸と並行させる(図3)ように構成しているので、同じ方向を向いた両管部(3,4)に垂直段差(h)を設けるだけで所望の還流が生じる。従って、このように構成された永久磁石式流体用除鉄装置は、通常の既存ラインにおける限られたスペースにおいて効率的に設置することができる。
また、この発明による永久磁石式流体用除鉄装置では、円筒状ケーシング(2)の中心部を通ってその底部を貫通する垂直な出口管部(4)を用い、出口管部(4)の上部開口を円筒状ケーシング(2)内上部の中心部に位置させ、下部開口を下流の材料供給路に接続する構成を採ることができる。この構成によれば、出口管部(4)が液留り防止装置としての機能を兼備し、液体材料(MTα)の流れ(Fw)を円筒ケーシング内周と出口管部(4)との間、即ち、棒状マグネット(1A〜1D)の配置区間に集約することができる(図3、図5)。従って、棒マグネット(1A〜1D)と流体(MTα)との接触チャンスを更に増大し、磁性物除去性能を更に向上させることができる。また、このように構成された永久磁石式流体用除鉄装置は、水平方向を向いた入口管部(3)に対して出口管部(4)が下方向に向いて入出力管での垂直変更機能を有するので、液体材料送給路を垂直に変更する製造ラインに有効的に利用することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
〔棒状マグネットの構造〕
この発明の一実施例による永久磁石式の永久磁石式流体用除鉄装置においては、磁性物を除去するための主要素として複数本の棒状マグネットが用いられ、これらの棒状マグネットは、棒マグネット、永久棒磁石、磁性物吸着体、マグネット構体などとも呼ばれる。図2は、この永久磁石式流体用除鉄装置で利用可能な棒状マグネットの一例を表わす図である。
この例では、棒状マグネット1は、円筒状のステンレス製外装スリーブ1sの内部に円柱状(棒状)の永久磁石体1mが嵌入され、外装スリーブ1sの開口部をエンド部材1aにより封止して構成される。
永久磁石体1mは、所定の強度を有する円柱状乃至円盤状の第1及び第2端部ピース(ダミーピース)1d,1eを両端に備える。両端部ピース1d,1e間には、円柱乃至円盤状の多数の永久磁石ピース1g,1g,…が、例えば、18〜22mm間隔で、端面磁極の極性を反対にした状態で(隣接永久磁石ピースの対向する端面が同極性)直列に配置される。これら永久磁石ピース1g,1g,…には、例えば、Fe−Nd−B系のネオジウム磁石などの超高磁力の永久磁石が好適に使用される。
また、両端部ピース1d,1eは、永久磁石体1mを組み立てるための端部材であり、各ピース1d,1g,1g,…,1g,1e間には、液体材料中の磁性物(磁性金属)を外装スリーブ1sの表面に吸引させるための円盤状の除鉄用鉄製極板1p,1p,…,1pが介在している。これら第1及び第2端部ピース1d,1e、永久磁石ピース1g及び極板1pは、何れも軸心部分に穴が開けられており、各穴を貫通する中心軸1xにより両端から締め付けられ、中心軸1xと共にしっかりと係合され、これによって、全体的に円柱状(棒状)を呈する永久磁石体1mが作成される。
棒状マグネット1を組み立てるには、まず、上述のように構成された永久磁石体1mを外装スリーブ1s内に挿入し、外装スリーブ1sの底部(左側)に中心軸1xの一端を固定する。そして、外装スリーブ1sの開口部(右側)にエンド部材1aを固定して同開口部をエンド部材1aの円板部分で封止した後、この円板部分の中心部に中心軸1xの他端を固定すると、図2のような棒状マグネット1が得られる。
エンド部材1aは、円板部分の周縁に鍔部分が形成されており、マグネット支持装置(7)の支持板にエンド部材1aの鍔部分を固定することによって、複数本の棒状マグネット1をマグネット支持装置に取り付けて永久磁石式流体用除鉄装置の本体である円筒状ケーシング(2)に組み込むことができる。これによって、複数本の棒状マグネット1が、外装スリーブ1sのエンド部材1a側を棒状マグネットの根元にして円筒状ケーシング上部のマグネット支持装置の下側に取り付けられ、外装スリーブ1sの底部を垂直方向最下部の先端にして棒状マグネット1が円筒状ケーシング内に配列される。
このような棒状マグネット1は、次のような構造上の特徴・特性を持っている:
(1)棒状マグネット1は、図2に示すように、多数の永久磁石ピース1gを連結する構造から、磁性物を吸着することができる部分(磁極)は、棒状構造の全域にわたるものではなく、長手方向に間隔をもって形成される。例えば、棒状マグネット1の各磁極の持つ磁束密度は、ネオジウム磁石などを永久磁石ピース1gに用いて、1T(テスラ)以上という管理値が多く採用されるが、このような超高磁力の永久磁石を用いても、磁極間距離は18〜22mmに制限されている。
(2)棒状マグネット1の磁性物吸着機能については、吸着しようとする磁性物が微小であり棒状マグネット1に吸い寄せる力が弱いことに起因して、流体材料中から磁性物を吸い寄せて吸着するというよりも、流体材料中の磁性物が磁極に接触してくるのを吸着するということができる。なお、「磁極との接触」とは、棒状マグネット1の磁極が流体材料中の磁性物に磁力の影響を及ぼす範囲に流体が入ることを意味する。
〔永久磁石式流体用除鉄装置の構成例〕
この発明の一実施例による永久磁石式流体用除鉄装置では、円筒状ケーシングへの入口管の取付け位置をケーシングの下部とし而も円筒中心軸から偏心させて円筒状ケーシング内で流体材料を下から上に向かってサイクロンのように還流させることにより、流体材料が棒状マグネットと接触する確率を高めて磁性物除去機能を向上させることができる。図3は、この発明の一実施例による永久磁石式流体用除鉄装置の構成例を示し、図3(2)はこの除鉄装置を水平方向からみた側面図であり、図3(1)は、図3(2)の線B−Bから垂直方向にみた断面図である。
ここで、図2を用いて、この発明の一実施例による永久磁石式流体用除鉄装置の要点を極く簡単に説明しておく:この永久磁石式流体用除鉄装置では、材料供給路に介挿された円筒状ケーシング1内に複数本の棒状マグネット1A〜1Dが配設され、ケーシング1の下部及び上部に段差hで取り付けられた入口管部3及び出口管部4は、ケーシング中心から偏心してケーシング周壁に沿う方向を向いている。入口管部3から液体材料Mtαをケーシング周壁に沿って流入させると、ケーシング1内では、段差hや流入速度、円筒状柱体5の流れ案内機能などにより、流体Mtαの流れFwを下から上に向かってサイクロン式に旋回させる。これにより、液体材料Mtαは、全ての棒状マグネット1A〜1Dの近傍を通過(接近)して棒状マグネットとの接触チャンスが高められ、また、各棒状マグネット1A〜1Dに対し斜め方向に接近して磁極との接触確率が高められる。
以下、より詳しく説明する。図3の永久磁石式流体用除鉄装置では、後述する他のタイプの永久磁石式流体用除鉄装置(図5及び図6)と同様に、ケーシング1は、圧力容器であることから、円筒形の形状が採用される。円筒状ケーシング1の円筒周壁の下部及び上部には、それぞれ、水平方向に延びる入口管部3及び出口管部4が段差(垂直方向の位置差)dをもって取り付けられ、且つ、入口管部3及び出口管部4の中心軸の方向は、円筒状ケーシング1の円筒中心の方向ではなく、円筒周壁のほぼ接線方向を向いている。
つまり、入口管部3及び出口管部4は、取付け位置が垂直方向に(下及び上に)高さhだけずらされ、それらの軸方向は円筒中心から偏心して円筒周壁のほぼ接線方向を向いている。図3の除鉄装置は、このように入口管部3及び出口管部4の向きがベクトル的に360°異なると考えることができので、「360°」タイプのサイクロン型除鉄装置と呼ばれる。
円筒状ケーシング1の内部には、複数本の棒状マグネット1A〜1Dが同心状に配置されると共に、内部が空洞で円筒状を呈する柱体(柱状体)5が配置されており、円筒状柱体5の中心軸は、ケーシング1の円筒中心軸と一致する。また、円筒状ケーシング1の底部は、じょうご(漏斗)状になっており、その下方の管部には、管部に沈殿した異物を排出するための異物排出弁(バルブ)6が設けられる。棒状マグネット1A〜1D及び円筒状柱体5は、予め、マグネット支持装置7の支持板の内側〔図3(2)では上側〕に取り付られ、マグネット支持装置7の反対側(外側)には丸棒把手(ハンドル)8が取り付けられている。
そして、丸棒把手8を操作してマグネット支持装置7を円筒状ケーシング1の上部開口に取り付けることによって、棒状マグネット1A〜1D及び円筒状柱体5が図示のように配置されて除鉄装置が構成される。そして、入口管部3の流入口及び出口管部4の排出口を、それぞれ、上流及び下流の液体材料送給用配管に接続することによって、この除鉄装置が液体材料送給路中に介挿される。
原料供給ラインが稼働すると、上流の液体材料送給用配管から入口管部3には、原料となる水などの液体材料MTαが圧力をかけられて流入する。液体材料MTαの流れFwは、流入圧力に応じた所定の速度で入口管部3から円筒状ケーシング2の内部へと向かい、円筒状ケーシング2の内部では、流れFwの流入速度と円筒状柱体5の案内作用によって、破線矢印で示すように、円筒周壁に沿って螺旋状に旋回しつつ上昇して出口管部4へと向かう。
これによって、液体材料MTαの流れFwは、下から上に向かってサイクロンのように還流し、ケーシング内の全ての棒状マグネット1A〜1D近傍を通過して行くので、液体材料MTα中の磁性物が棒状マグネット1A〜1Dに効率良く吸着される。また、下から上に旋回中の液体材料MTαに含まれる重量性の異物は、流れの緩やかな円筒状柱体5の近傍から、じょうご状底部へと沈殿していく。そして、この吸着により磁性物が除去されてファイン化された液体材料MTfが出口管部4を経て下流の液体材料送給用配管に向けて流れていく。
なお、液体材料MTαの流れFwの入口管部3から出口管部4への最短コースは、図3(2)の下から上に直線で流れるコースであるが、入口管部3からの偏心した流体MTαの流入方向からこのコースは採り得ず、上述したように、流入した流体MTαは渦となって確実に円筒状ケーシング2内を一周し、入口管部3から円筒状ケーシング2内に流入する流体MTαの圧力(速度)を高めることにより流体MTαを更に2周以上旋回させることができる。また、渦の中心となるケーシング中心部に配置された円筒状柱体5により、液溜りを防止し、円筒状柱体5の外周とケーシング周壁の内周との間に液体材料MTαの流れFwを集約させることができる。
つまり、この永久磁石式流体用除鉄装置は、次のような技術的特徴を備えており、これらの特徴により、効率的に磁性物除去機能を向上させることができる:
(a)入口管部3及び出口管部4の垂直方向の位置に段差hを設け、入口管部3の方向をケーシング円筒の接線方向に合わせることによって、液体材料MTαの流れFwを円筒状ケーシング2の円筒周壁に沿ってサイクロンのように周回させるようにしているので、円筒状ケーシング2内において流体MTαが流れる距離を長くし、流体MTαが棒状マグネット1A〜1Dの近傍を通過するチャンス(接触チャンスという。なお、「棒状マグネットとの接触」は、棒状マグネット1の近傍を流体が通過するを云う。)を増大することができる。つまり、ケーシング2内に、液体材料MTαの流れFwのデッド・ソーンを作らず、配置された棒状マグネット1A〜1Dの全てに磁性物除去性能を発揮させることができる。
(b)特に、入口管部3及び出口管部4の位置に段差hを設けることによって、液体材料MTαの流れFwを下から上に向かって旋回させるようにしているので、流体MTαが各棒状マグネット1A〜1Dの近傍を通過する時間(接触時間という)を十分に確保することができる。つまり、液体材料MTαに含有される磁性物が各棒状マグネット1A〜1Dの磁極(1p)近傍を通過する確率(接触確率という)が高くなり、各棒状マグネット1A〜1D自体の磁性物除去性能を向上させることができる。
(c)円筒状ケーシング2内の中心部に円筒状柱体5を配置することによって、流体MTαがケーシング中心部に溜まることなく柱体外周とケーシング壁内周との間に流れを集約させ、さらに、接触チャンスを増大することができる。なお、円筒状柱体5に代えて棒状マグネットを配置しても、ケーシング中心部では、流体MTαの流れが緩慢で磁性物除去効果が有効に働かない。
図3のような360°タイプの永久磁石式流体用除鉄装置について実験した結果、図1で説明した従来のマグネット・フィルタに比べて1.2〜1.5倍の磁性物除去機能が得られた。また、実験の結果、ケーシング2の内径dに対して入口管部3及び出口管部4の垂直位置差hをあまり大きく採らなくても所望の還流を生じることが確かめられており、円筒状ケーシング2の円筒部を長くしなくてもよいので、既存ラインを改造して設置する場合に適合し易いという利点がある。さらに、入口管部3及び出口管部4が段差hがあるだけで同じ方向を向いているので、通常の液体材料供給路を備える製造ラインの限られたスペースにおいて効率的に設置することができる。
なお、円筒状ケーシング1のじょうご状底部は、既に述べたように、ケーシング内で発生される渦の中心部に近づいてくる流体MTα中の比重の大きい異物を下方の管部に沈殿させ、管部に設けた異物排出弁6の開路によって、沈殿した重量性の異物をも回収することができるようにしたものである。しかしながら、液体材料の性質などから、必要に応じて、このような構造を省略してフラットな底部構造を採用することもできる。
〔各棒状マグネットにおける磁性物除去作用〕
次に、(b)で述べた各棒状マグネット1A〜1Dにおける磁性物除去性能向上の効果について説明を補足する。図4は、各棒状マグネットの磁性物除去機能を向上することができる原理を説明するための図であり、図4(A)は、図1で説明した従来技術による流体用除鉄装置における流体の流れを示し、図4(B)は、この発明による永久磁石式流体用除鉄装置における流体の流れを示す。
図2に示すような棒状マグネット1においては、複数の永久磁石ピース1g,1g,…の磁気により、各極板1p,1p,…にN極及びS極が交互に生成されるが、各永久磁石ピース1g,1g,…の中央に磁力線が生成されない。つまり、棒状マグネット1において磁性物を吸着する磁極(N極及びS極)は、各極板1p近傍に対応する外装スリーブ1sの表面であり、長手方向に間隔をもって形成される。従って、永久磁石ピース1gの中央に対応する外装スリーブ1sの表面部分では磁性物を吸着することができず、各磁極の中間に位置する磁性物吸着力ゼロの部分の近傍を通過する液体材料については磁性物を除去することができないことになる。
この磁力不連続の問題については、磁極(N極・S極)間の距離を小さくすることで或る程度解決されるが、各磁極がもつ磁束密度の値が小さくなってしまい、また、既に(1)で述べたように、超高磁力の永久磁石を用いても磁極間距離は18〜22mmに制限される。また、(2)で述べたように、液体材料中に混入した微小な磁性物を吸い寄せるに要する棒状マグネット1の磁力はそれほど強くなく、棒状マグネット1による磁性物の付着は、磁性物を遠くから吸い寄せて吸着するというよりも、どちらかというと外装スリーブ1sの表面の磁極(N極・S極)に接触してくる磁性金属を吸着することに近い。
さて、従来の流体用除鉄装置においては、各棒状マグネット(例えばMA)に対する液体材料Mαの流れfwは、軸方向からみた場合は図4(A)上部に示すように接近し、側面からみた場合には、図4(A)下部に示すように、垂直に走る軸方向に対して直角に接近して行く。つまり、棒状マグネットMAの長さ方向に等間隔で形成される円環帯状のN、S磁極面に対して、液体材料Mαの流れfwは並行に進んで行くので、各帯状磁極表面に対応した垂直位置にある液体材料MαのみがN、S磁極の磁力の影響を受け、当該液体材料Mα中の磁性物ptが磁極に吸着されるだけであり、他の垂直位置にある液体材料Mαは、磁力の影響をほとんど受けることなくそのまま通過してしまう。従って、磁性物除去機能が低い。
これに対して、この発明による永久磁石式流体用除鉄装置においては、各棒状マグネット(例えば1A)に対する液体材料MTαの流れFwは、軸方向からみた場合は図4(B)上部に示すように接近し、側面からみた場合には、図4(B)下部に示すように、下から上に垂直軸方向に対して鋭角をもって接近して行く。つまり、棒状マグネット1AのN、S磁極面に対して、液体材料MTαの流れfwは斜め方向に進んで行き、液体材料MTαが何れかの磁極面に接触する確率が増大するので、液体材料MTαのほとんどがN、S磁極の磁力の影響を受け、液体材料MTαに含まれる磁性物Ptを効率よく磁極に吸着することができる。
また、液体材料MTαが上から下に進行すると、液体材料MTα中の磁性物には、磁性物重量による重力に上から下への進行に伴う運動力を加えた下方向の力によって棒状マグネット1AのN、S磁極による磁力が弱められることがあるのに対して、液体材料MTαを上から下に進行させているので、液体材料MTα中の磁性物の重力による下方向の力を軽減することができる。従って、磁性物除去機能が更に向上する。
〔永久磁石式流体用除鉄装置の他の構成例〕
この発明による永久磁石式流体用除鉄装置の基本的な機能は、円筒状ケーシングへの入口管をケーシング下部に円筒中心軸から偏心させて円筒状ケーシング内で流体材料を下から上に向かってサイクロンのように還流させることによって磁性物除去機能を向上させる点にあるので、図3のような360°タイプだけでなく種々のタイプの構造とすることができる。図5及び図6は、この発明の一実施例による永久磁石式流体用除鉄装置の他の構成例を示す。
図5に示される永久磁石式流体用除鉄装置は、「180°」タイプのサイクロン型除鉄装置と呼ばれ、円筒状ケーシング1の上部に取り付けられる出口管部4の平面的な位置を下部の入口管部3に対してベクトル的に180°回転させたもので、その他の構造や機能、特徴(a)〜(c)等については、図3の「360°」タイプのサイクロン型除鉄装置と格別相違しない。
すなわち、図5において、上流の液体材料送給用配管から流入する液体材料MTαの流れFwは、流入圧力に応じた所定の速度で入口管部3から円筒状ケーシング2へと向かい、円筒状ケーシング2内では、流れFwの流入速度と円筒状柱体5による流れの案内作用に従って、破線矢印で示すように、円筒周壁に沿って螺旋状に旋回しつつ上昇して出口管部4へと向かう。これによって、液体材料MTαの流れFwは、下から上に向かってサイクロン式に還流し、ケーシング内の全ての棒状マグネット1A〜1D近傍を通過して行き、液体材料MTα中の磁性物が棒状マグネット1A〜1Dに効率良く吸着される。また、下から上に旋回中の液体材料MTαに含まれる重量性の異物は、流れの緩やかな円筒状柱体5の近傍からじょうご状底部へと沈殿していく。そして、磁性物や異物が除去されてファイン化された液体材料MTfが出口管部4を経て下流の液体材料送給用配管に向けて流れていく。
なお、「180°」タイプの場合、円筒状ケーシング2の内径dに対して入口管部3と出口管部4との段差hが小さいと、液体材料MTαの流れFwは、入口管部3から出口管部4に半周する最短コースをとることがあるので、段差hを十分に採って(例えば、h>d)、少なくとも1.5周する(図示破線矢印の場合)旋回が確実に得られるようにすることが好ましい。
また、180°タイプの永久磁石式流体用除鉄装置は、入口管部3と出口管部4の方向に180°の差があって入出力管の方向転換機能を有するので、液体材料の送給方向を反転することができる製造ラインに有効的に利用することができる。
図6に示される永久磁石式流体用除鉄装置は、「センタ出口」タイプのサイクロン型除鉄装置と呼ばれ、円筒状ケーシング1の中心部を垂直方向に延びる出口管部4がケーシング底部に取り付けられ、ケーシング1内上部の入口管部3の中心軸から高さhの位置に出口管部4の上部開口を配置し、ケーシング1の底部から突出した位置に出口管部4の下部開口を配置する。つまり、図3や図5の永久磁石式流体用除鉄装置に設けられていた円筒状柱体5に代えて出口管部4を設け、ケーシング1内を下から上に旋回してきた流体を、出口管部4の上部開口及び出口管部4の下部開口を通じて下流の液体材料送給用配管に排出する。
従って、図3や図5の永久磁石式流体用除鉄装置と比べると、出口管部4が円筒状柱体5の流れ案内作用を兼備し、また、ケーシング1の底部には、異物を沈殿させるためのじょうご状部を備えない点で相違する。しかしながら、その他の基本的な構造や機能、特徴(a)〜(c)等については、特徴(c)が円筒状柱体5ではなく出口管部4により得られる点が異なるだけで、図3や図5の永久磁石式流体用除鉄装置と格別相違しない。
図6において、上流の液体材料送給用配管から流入する液体材料MTαの流れFwは、流入圧力に応じた所定の速度で入口管部3から円筒状ケーシング2へと向かい、円筒状ケーシング2内では、流れFwの流入速度と出口管部4の流れ案内作用により、破線矢印で示すように、円筒周壁に沿って螺旋状に1周以上旋回しつつ上昇して出口管部4へと向かう。これによって、液体材料MTαの流れFwは、下から上に向かってサイクロンのように還流し、ケーシング内の全ての棒状マグネット1A〜1D近傍を通過して行き、液体材料MTα中の磁性物が棒状マグネット1A〜1Dに効率良く吸着されていく。そして、この吸着により磁性物が除去されてファイン化された液体材料MTfが出口管部4の上部開口から下部開口を経て下流の液体材料送給用配管に向けて流れていく。
なお、「センタ出口」タイプでは、出口を円筒中心にもってきているので、円筒状ケーシング2の内径dに対して入口管部3の軸と出口管部4の上部開口との段差hが小さいと、液体材料MTαの流れFwは、入口管部3から出口管部4の上部開口に向かって斜めにねじれつつ上方に駆け上がる最短コースをとることがあるので、段差hを十分に採って(例えば、h>d)、少なくとも1周する(図示破線矢印では、1.5周)旋回が確実に得られるようにすることが好ましい。
このタイプの永久磁石式流体用除鉄装置は、入口管部3が水平方向に向き出口管部4が垂直下方向に向いており、入出力管の垂直変更機能を有するので、液体材料の送給方向を垂直に変更するのに適した製造ラインに有効的に利用することができる。
〔種々の実施態様〕
以上、この発明による永久磁石式流体用除鉄装置について「360°」、「180°」及び「センタ出口」の3つの構成例を説明したが、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、出口管部の取付けについては、入口管部の方向に関して実施例のように「360°」及び「180°」異ならせるだけでなく、例えば、90°、270°や他の任意角度の方向に出口管部を取り付ることができる。ただし、この場合、例えば、90°タイプであれば1.25周、270°タイプであれば1.75周というように、液体材料を少なくとも1周以上還流させる必要がある。
また、ケーシング内に配設される棒状マグネットの数や位置は、液体材料が還流する通路上であれば任意に選定することができるが、配置については、1乃至複数の同心円上に規則的に配置することが好ましい。
さらに、「センタ出口」タイプの永久磁石式流体用除鉄装置については、実施例では、ケーシング底部に重量性異物を回収するための装備を設けていないが、必要に応じて、このような装備を設けることができる。例えば、ケーシングのじょうご状底部を、出口管部(4)からずれた位置に下部の管部を設けて偏心したじょうご状に形成し、偏心した下部の管部に異物排出弁(6)を設ける。
従来技術を説明するための図である。 この発明の一実施例による永久磁石式流体用除鉄装置に利用可能な棒状マグネットの一例を表わす図である。 この発明の一実施例による第1タイプの永久磁石式流体用除鉄装置を表わす図である。 この発明の一実施例による各棒状マグネットの磁性物除去機能向上の原理を説明するための図である。 この発明の一実施例による第2タイプの永久磁石式流体用除鉄装置を表わす図である。 この発明の一実施例による第3タイプの永久磁石式流体用除鉄装置を表わす図である。
符号の説明
1;1A〜1D 棒状マグネット、
1m 永久磁石ピース1g、ダミーピース1d,1e及び極板1pを備える永久磁石体、
2 内径dをもつ円筒状ケーシング、
3,4 段差hをもつ入口管部及び出口管部、
5 流れ案内用円筒状柱体、
6 異物排出弁(バルブ)、
7 マグネット支持装置、
8 丸棒把手(ハンドル)、
Mtα,Fw 液体材料(流体材料又は流体)及びその流れ、
Mtf ファイン化された液体材料(流体材料又は流体)。

Claims (5)

  1. 内蔵された複数の永久磁石ピースにより長手方向に間隔をもって磁極が形成される棒状マグネットにより流体材料中の磁性物を吸着させる永久磁石式流体用除鉄装置であって、
    複数の棒状マグネットが同心円状に配置された円筒状ケーシングと、
    円筒状ケーシングの下部の周壁に該周壁の接線方向に沿うように取り付けられ、上流の材料供給路から供給される流体材料を当該接線方向に沿って円筒状ケーシング内に流入させる入口管部と、
    円筒状ケーシング内の上部から流出する流体材料を下流の材料供給路に供給する出口管部と
    を具備することを特徴とする永久磁石式流体用除鉄装置。
  2. さらに、
    円筒状ケーシングの中心部に設けられた柱状体
    を具備し、
    出口管部は、円筒状ケーシングの上部の周壁に該周壁の接線方向に沿うように取り付けられ、円筒状ケーシング内から当該接線方向に沿って流出させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式流体用除鉄装置。
  3. 円筒状ケーシングの底部はじょうご状であり、その下方の管部に異物排出弁が設けられることを特徴とする請求項2に記載の永久磁石式流体用除鉄装置。
  4. 出口管部は、取付け方向が入口管部の取付け方向と同じ向きであり、軸が入口管部の軸と並行であることを特徴とする請求項2又は3に記載の永久磁石式流体用除鉄装置。
  5. 出口管部は、円筒状ケーシングの中心部を通ってその底部を貫通し、上部の開口が円筒状ケーシング内上部の中心部に位置し、下部の開口が下流の材料供給路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式流体用除鉄装置。
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