JP4512406B2 - 2足歩行移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、脚式移動体であって2足歩行を行う2足歩行移動装置の構成に関する。
劣駆動(機械)系とは、その機械系が持つ全自由度に比べて、能動的に駆動・制御できる自由度が少ないものを言う。自動制御の世界でしばしば例題として用いられる台車型や回転型の倒立振子はその典型例であり、振り子の根本が駆動機を含まない自由関節となっており、台車側に何も制御を加えないと転倒してしまう機械系である。
脚移動系も、マニピュレータ等と違い、本来的に安定した基盤上に固定されていない系であり、地面と脚の先端に仮想的に直接制御が出来ない自由関節が存在するような劣駆動系である。特に脚が少なく、重心の高さに比して支持面が狭い2足歩行系は、転倒しないで動き続けるためのバランス維持が主要な課題となる。
脚式移動体、特に2足歩行の研究の初期の方向性としては、軌道を事前に計画した上でメモリに保存しておき、実行時に必要な軌道を取り出して再現する、と言う方法がある(たとえば、特許文献1を参照)。しかし、当時の貧弱な計算機でも実現可能な方法として考えられており、ある一歩の内で、その一歩に対して一つの軌道を設定し、間引いた軌道データ点間を補完する、という手法である。
ただし、その後の2足歩行の制御は、このようにある意味で過剰な制御ではなく、2足歩行系の特徴を取り込んで、より柔軟な制御を可能とすることを目標として、ZMP(ゼロモーメントポイント)を歩行における安定状態の判別規範として用い、ヨー軸モーメントを含めて上体運動で補償する方法や、安定に歩行が可能な理想の軌道を推定しておき、その軌道から外れた場合に、最適レギュレータ理論の手法を用いて補正を行う、と言った方法などが提案されている。
しかしながら、2足方向の制御を行うための制御器として、どのような構成および動作が、適しているのかという点については、現在も精力的に検討が行われている段階である。
特開昭62−97006号公報明細書
本発明の目的は、実時間での2足歩行の運動制御を適応的に行うことが可能な2足歩行移動装置を提供することである。
本発明の1つの局面では、2足歩行移動装置であって、接地状態を検知するための第1のセンサを有する右脚と、接地状態を検知するための第2のセンサを有する左脚と、右脚および左脚に接続し、右脚および左脚を駆動して2足歩行を行わせるための腰部とを備え、腰部は、時刻に依存して周期的に変化する、右脚および左脚に共通な内部位相を生成するための内部状態生成手段を含み、内部状態生成手段は、内部位相が、0から2πの範囲で、時間に線型に変化するものとして表現する第1の振動子と、第1の振動子に対する結合位相振動子であって、左脚および右脚が遊脚状態から接地する際の位相が0またはπと定義される、2足歩行移動装置の位相を表現する第2の振動子とを有し、内部位相に応じて、左脚および右脚の腰部に対する関節角度の目標軌道を生成して、左脚および右脚を駆動するための駆動制御信号を生成するための駆動制御手段をさらに含み左脚および右脚の間接角度は内部位相で逆位相で振動する脚部振動子で表現され、左脚および右脚の離散事象に応じて、内部位相を左脚および右脚の状態に適応するように更新するための内部状態更新手段をさらに含み、内部状態更新手段は、第1の振動子の位相と第2の振動子の位相との位相差が不動点に向かうように、内部位相を更新する
好ましくは、内部状態更新手段は、内部位相の角速度を、第2の振動子の位相と内部位相との差に比例する値だけ更新する。
好ましくは、内部状態更新手段は、第2の振動子の位相と内部位相との位相差に対する目標位相差を、現時点の位相差と1ステップ前に左脚または右脚が遊脚状態から接地した際の目標位相差との差に比例する値だけ更新し、位相差が更新された目標位相差となるように内部位相を更新する。
好ましくは、内部状態更新手段は、現時点で1歩の歩行に要した時間により第2の振動子の角周波数を算出し、内部位相の固有角周波数を、現時点の固有角周波数と1ステップ前に左脚または右脚が遊脚状態から接地した際の固有角周波数との差に比例する値だけ更新する。
好ましくは、内部状態更新手段は、第2の振動子の位相と内部位相との位相差に対する目標位相差を、現時点の位相差と1ステップ前に左脚または右脚が遊脚状態から接地した際の目標位相差との差に比例する値だけ更新し、内部位相の固有角周波数を、現時点の位相差と現時点の目標位相差との差に比例する値だけ更新する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(本発明のシステム構成)
図1は、本発明の位相振動子適応制御装置を用いた2足歩行移動システム1000の一例を示す概念図である。
図1を参照して、システム1000は、位相振動子適応制御装置100と、位相振動子適応制御装置100の上部に設けられる胴部40と、位相振動子適応制御装置100により駆動制御される脚部とを備える。脚部は、右脚10rと左脚10lとを有し、各脚は、接地面近傍に設けられるセンサ20rおよび20lとを備える。一方、胴部40には、センサ30が設けられる。
センサ20rは、胴部40の中心線4に対する右脚の角度−θr、角速度−dθr/dtという情報ならびに右脚が接地しているか否かという情報を検出し、また、センサ20lは、中心線4に対する左脚の角度θl、角速度dθl/dtという情報ならびに左脚が接地しているか否かという情報を検出し、それぞれ、位相振動子適応制御装置100に通知する。さらに、センサ30は、鉛直方向2に対する胴部40のピッチ角θp、角速度dθp/dtという情報を検出し、それぞれ、位相振動子適応制御装置100に通知する。
位相振動子適応制御装置100は、センサ20r、センサ20l、センサ30からの情報に基づいて、右脚10rおよび左脚10lの動作を制御する。
図2は、図1に示した位相振動子適応制御装置100の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、位相振動子適応制御装置100は、センサ20r、センサ20l、センサ30からの信号を受け取る通信インタフェース106と、後に説明する制御パラメータやセンサからの情報を格納しておくための記憶装置104と、センサ20r、センサ20l、センサ30からの情報を用いて適応的に「内部位相」を適応させて、制御信号を生成する演算処理部102と、演算処理部102からの制御信号に基づいて、右脚10rおよび左脚10lの駆動制御を行うための駆動部108とを備える。なお、「内部位相」については、後述する。
以下では、位相振動子適応制御装置100の制御動作のための準備の処理および制御動作について説明する。
(1−1.位相振動子モデル)
まず、本発明の制御動作を説明する前提として、「結合位相振動子」について説明する。
まず、次のような結合位相振動子を考える。
ここで、φ1は振動子1の位相、ω1は振動子1の角周波数、φ2は振動子2の位相、ω2は振動子2の各周波数である。ここで、位相差(Φ=φ1―φ2)のダイナミクスを考えると、以下の式(3)および(4)となる。
さらに、位相差の不動点(dΦ/dt=0となる点)を考えると、以下の式(5)のように、最終的に位相差が一定値Φ*になる。
この不動点において、以下の式が成り立つ。
このときの角周波数をω*とすると、つぎのようになる。
この角周波数をω*をコンプロマイズ(compromise)周波数と呼ぶ。
(1−2.2足歩行ロボットの場合)
ここでは、2足歩行ロボットに、上述したような結合振動子のアルゴリズムを適用することを考える。
この場合、前述の振動子1が制御器を表し、振動子2がロボットのダイナミクスを表すと考える。ここで問題となるのは、2足歩行ロボットの場合は、遊脚接地時において状態が離散的に変化するため、一般には振動子2の位相を推定することが困難となることである。そこで、以下に説明するとおり本発明では、例えば遊脚接地時など、ある離散的な事象が発生したときの振動子2の位相が0またはπであると定義する。
また、ある離散事象(遊脚接地等)から次の離散事象(遊脚接地等)までの間は、制御器の角周波数dφ1/dt(あるいは、φ1頭部に“・”をつけても表す)は一定であるとし、位相(以下、「制御器の内部位相」と呼ぶ)は、基本的には、以下の式で求まるものとする。
ただし、tは時間を表す。
なお、脚の「離散事象」とは、上述した遊脚の接地という事象以外にも、たとえば、右脚と左脚とがクロスする(前進歩行では、後方から前方へ追い越すとき)という事象でもよい。
本発明では、このようにして求められる制御器の内部位相φ1またはこれに関連する量が、以下に説明する何れかの方式、または、これらの方式の組合せにより、ロボットがある離散事象(遊脚接地等)にあることが検知されることに応じて更新されることで、制御器の状態(制御器の内部位相φ1)が適応的に変化するものとする。
図3は、図2で説明した演算処理部102が、位相振動子適応制御装置100として実現する処理を示す機能ブロック図である。
図3に示すとおり、この位相振動子適応制御装置100は、内部状態生成部1022により生成された制御器の内部位相に基づいて、目標軌道生成部1024が脚の目標軌道を算出する。ここで、「目標軌道」とは、左脚の角度の目標値θl d、左脚の角速度の目標値dθl d/dt、右脚の角度の目標値θr d、右脚の角速度の目標値dθr d/dtを意味する。この目標軌道とセンサ20r、センサ20l、センサ30からの情報を用いて、PDサーボ処理部1026が、右脚を駆動するためのトルクτrおよび右脚を駆動するためのトルクτlを出力し、これらに応じて、駆動部108が両脚を駆動する。
内部状態生成部1022は、基本的に上述した式(g)により制御器の内部位相φ1を生成する。さらに、内部状態更新部1028は、センサ20r、センサ20lからの遊脚の接地情報に応じて、制御器の内部位相φ1またはこれに関連する量を更新する。
図4は、以下の説明において、図1に示した胴部40と、右脚10rと左脚10lとをさらにモデル化した状態を示す概念図である。図中の記号は、図1と同様であるので、説明は繰り返さない。
図5は、内部状態生成部1022から出力される、制御器の内部位相φ1の時間変化の例を示す図である。
図5に示すとおり、基本的には、制御器の内部位相φ1は、式(g)に基づいて、変化するが、遊脚接地の情報に基づいて位相の更新が行なわれる。
以下、図3に示した内部状態更新部1028の行なう内部位相またはこれに関連する量の更新の方式について、説明する。
(2−1.内部位相の更新方式1:位相振動子の位相適応アルゴリズム)
まず、第1の更新方式としては、振動子1(制御器)の角周波数dφ1/dtを、以下の式(7)に従って更新する。
ここで、φ1は遊脚接地時の制御器の位相、φ2は遊脚接地時のロボットの位相でφ2=0またはφ2=πである。また、係数K1はロボットの物理系から制御器への結合係数、ω1は制御器の固有角周波数である。
(2−2.内部位相の更新方式2:位相振動子の位相差適応アルゴリズム)
制御器の出力がトルクによって与えられる場合や、サーボのゲインが小さい場合は、出力軌道とロボットの歩行軌道に適切な位相差を与えることが必要となる。ここでは、第2の更新方式として、適切な位相差への適応手法について説明する。
(目標位相差の算出)
2−1と同様、φ1を遊脚接地時の制御器の内部位相、φ2を遊脚接地時のロボットの位相とする。このとき、目標位相差Δφ*を、以下の式(8)により更新する。
ただし、ここでも、φ2=0またはφ2=πである。また、式(8)の左辺は、(n+1)ステップ後(n回遊脚接地後)の目標位相差Δφ*であるものとし、以下の式で表されるのは、目標位相差適応ゲインである。
(位相差適応による位相リセット)
2−1では、遊脚接地時などの離散的な事象が発生したときのみ、制御器の角周波数を更新することを行っているため、式(5)で与えられる適切な位相差を実現していない場合がある。そこで、第2の更新方式では、上述した式(8)で求めた目標位相差Δφ*を用いて、内部位相φ1の位相リセットを行う。制御器の内部位相φ1と、ロボットの位相φ2の位相差が、φ2−φ1=Δφ*となるように、以下の式(9)を用いてリセットを行う。
ただし、φ2=0またはφ2=πである。
(2−3.内部位相の更新方式3:位相振動子の固有角周波数適応アルゴリズム)
第3の更新方式としては、制御器の固有角周波数ω1を脚部からの遊脚接地情報に基づいて、以下の2つのアルゴリズムのいずれかにより適応させる。
(2−3−1.固有角周波数適応アルゴリズム1:角周波数の差を用いる場合)
第1のアルゴリズムでは、nステップ目において一歩の歩行に要した時間Tを用いて、次に示すロボット(振動子2)の角周波数ω2を得る。
この角周波数ω2を用いて、次式(11)のように、制御器の固有角周波数ω1を更新する。
ただし、角周波数適応ゲインが以下の式で表されるものとする。
また、ωn 1は、nステップ後(n回遊脚接地後)の制御器の固有角周波数ω1であるものとする。
(2−3−2.固有角周波数適応アルゴリズム2:位相差を用いる場合)
第2のアルゴリズムでは、最終的に適切な位相差Δφ*を与えるように固有角周波数ω1を適応させることを考える。
具体的には、制御器の位相φ1とロボットの位相φ2の位相差φ2―φ1と、目標位相差Δφ*のずれを用いて、以下の式(12)のように、固有角周波数ω1を更新する。
ただし、φ1を遊脚接地時の制御器の内部位相、φ2を遊脚接地時のロボットの位相とする。また、ここでも、角周波数適応ゲインが以下の式で表されている。
さらに、ここでも、ωn 1は、nステップ後(n回遊脚接地後)の制御器の固有角周波数ω1であるものとする。目標位相差Δφ*については、2−2の式(8)によって得られるものとする。
以上説明した方法にしたがって、内部状態更新部1028が更新処理を行なって、制御器の内部位相φ1または、内部位相φ1に関連する量である「内部位相φ1の角周波数dφ1/dt」や「制御器の固有角周波数ω1」が、遊脚接地の情報に応答して更新される。
なお、これらの更新手法は、単独でも、またこれらの組合せで使用しても、位相振動子適応制御装置100の更新手法として用いることができる。
目標軌道生成部1024としては、たとえば、サイン関数によって次のように目標軌道を生成する。
ただし、上述のとおりθl d、θr dは左右腰関節角度の目標値であり、a=10.0degは周期軌道の振幅である。
ここでさらに、つぎに示すPDサーボを用いて目標軌道に対する追従を行う。
ただし、τl、τrは左右腰関節へのトルク入力である。k、bはそれぞれサーボゲインである。なお、後に説明するシミュレーションでは、サーボゲインをそれぞれ、k=5.0、b=0.1としている。
このような構成により、位相振動子適応制御装置100の内部位相を適応的に変化させることで、実時間での2足歩行の運動制御を適応的に行うことが可能な2足歩行移動装置が実現される。
(シミュレーション結果)
2−1から2−3で示した手法(アルゴリズム)を組み合わせることで、複数の適応アルゴリズムを構築することができる。ここでは、2−1で示した位相適応アルゴリズムと、2−2で示した位相差適応と位相リセットを組み合わせた場合のシミュレーション結果を示す。
このシミュレーションにおいては、2足歩行ロボットモデルとして、図4に示した、全長0.4m、重さ3.6kgの3リンクのモデルを用いる。以下にシミュレーションを行った結果を紹介する。
(3−1.適応手法を用いた異なる環境での歩行運動の実現)
図4に示した3リンク2足歩行ロボットモデルを用いて1°および4°の下りの傾斜での歩行運動のシミュレーションを行った。
図6は、2−1で示した位相適応と2−2で示した位相差適応および位相リセットとを組み合わせた場合の適応手法を用いた2足歩行の結果を示す図である。一方、図7は、適応手法を用いない場合の2足歩行の結果を示す図である。
パラメータとしては、制御器の固有角周波数ω1=10.0(rad/sec)、結合係数K1=0.3、位相差適応ゲインおよび初期目標位相差は、以下のとおりとした。
図6に示すとおり、適応手法を用いると、1°および4°の両方の傾斜を安定して歩行することができた。
図8は、図6の場合において、歩行周波数ω、位相差Δφ、位相リセット量を示す図である。それぞれの環境(傾斜)で異なる歩行周波数、位相差が得られている。また、位相リセット量はほぼゼロに収束していることがわかる。
一方、適応手法を用いない場合は、図7に示すように4°の傾斜で安定して歩行できていない。この結果は、提案する適応手法の有効性を示している。
(3−2.異なるパラメータを用いた場合の比較)
式(5)、式(6)に示されるように、位相差の不動点や、コンプロマイズ周波数は、制御器やロボットの固有角周波数および結合係数に依存する。
ここでは、結合係数K1や、結合係数K2に相当すると考えられる制御器のPDサーボゲイン、さらには、制御器の固有角周波数ω1を変化させた場合の、位相差や歩行周波数の変化についてシミュレーションを行った結果を説明する。環境としては、前節同様、1°の傾斜を用いた。また、初期目標位相差を以下のとおりとした。
図9は、異なる結合係数K1を用いた場合の歩行周波数を示す図である。結合係数が大きい方(K1=1.0)が、結合係数が小さい方(K1=0.3)よりも歩行周波数が小さく(歩行周期が大きく)なっている。これは制御器が、より固有角周波数が小さいロボットの物理系にあわせる結果となっているためである。ただし、他のパラメータは、制御器の固有角周波数ω1=10.0rad/sec、位相差適応ゲインは、以下のように設定した。
図10は、異なるサーボゲインを用いた場合の歩行周波数を示す図である。
高いサーボゲインとして、k=20.0、b=0.4(式(16)参照)、低いサーボゲインとして、k=5.0、b=0.1を用いた。高いサーボゲイン(図中、High servo gainと記す)を用いると、ロボットの物理系が、より固有角周波数が大きい制御器にあわせる結果となり、低いサーボゲイン(図中、Low servo gainと記す)を用いる場合と比べて歩行周波数が大きくなっていることがわかる。他のパラメータは、制御器の固有角周波数ω1=10.0rad/sec、結合係数K1=1.0、位相差適応ゲインについては、図9の場合と同様である。
図11は、異なる制御器の固有角周波数ω1を用いた場合の歩行周波数を示す図である。それぞれの固有角周波数に合わせて、異なる歩行周波数が得られていることがわかる。他のパラメータは、結合係数K1=0.3であり、位相差適応ゲインについては、図9の場合と同様である。
(3−3.位相リセットの影響)
以下では、2−2で説明した位相リセットの影響のシミュレーション結果を説明する。
図12は、位相リセットを行なう場合(図中、with PRと記す)と位相リセットを行なわない場合(図中、without PRと記す)の歩行周波数を比較して示す図である。具体的には、図12においては、式(9)に示した位相リセットを行なわず2−1で説明した第1の手法のみを行なう場合と位相リセットと2−1で説明した第1の手法とを組み合わせた場合について、歩行周波数の比較を行っている。前節同様、1°の傾斜を用いた。図12に示すように、いずれの場合も、ほぼ同じ歩行周波数となっていることがわかる。よって、位相リセットによって歩行周期は影響をあまり受けないことがわかる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の位相振動子適応制御装置を用いた2足歩行移動システム1000の一例を示す概念図である。 図1に示した位相振動子適応制御装置100の構成を示すブロック図である。 演算処理部102が、位相振動子適応制御装置100として実現する処理を示す機能ブロック図である。 図1に示した胴部40と、右脚10rと左脚10lとをさらにモデル化した状態を示す概念図である。 内部状態生成部1022から出力される、制御器の内部位相φ1の時間変化の例を示す図である。 位相適応と位相差適応および位相リセットとを組み合わせた場合の適応手法を用いた2足歩行の結果を示す図である。 適応手法を用いない場合の2足歩行の結果を示す図である。 図6の場合において、歩行周波数ω、位相差Δφ、位相リセット量を示す図である。 異なる結合係数K1を用いた場合の歩行周波数を示す図である。 異なるサーボゲインを用いた場合の歩行周波数を示す図である。 異なる制御器の固有角周波数ω1を用いた場合の歩行周波数を示す図である。 位相リセットを行なう場合と位相リセットを行なわない場合の歩行周波数を比較して示す図である。
符号の説明
10r,10l 脚部、20r,20l,30 センサ、40 胴部、100 位相振動子適応制御装置、102 演算処理部、104 記憶装置、106 通信インタフェース、108 駆動部、1000 2足歩行移動システム。

Claims (5)

  1. 2足歩行移動装置であって、
    接地状態を検知するための第1のセンサを有する右脚と、
    接地状態を検知するための第2のセンサを有する左脚と、
    前記右脚および前記左脚に接続し、前記右脚および前記左脚を駆動して2足歩行を行わせるための腰部とを備え、
    前記腰部は、
    時刻に依存して周期的に変化する、前記右脚および前記左脚に共通な内部位相を生成するための内部状態生成手段を含み、
    前記内部状態生成手段は、
    前記内部位相が、0から2πの範囲で、時間に線型に変化するものとして表現する第1の振動子と、
    前記第1の振動子に対する結合位相振動子であって、前記左脚および前記右脚が遊脚状態から接地する際の位相が0またはπと定義される、前記2足歩行移動装置の位相を表現する第2の振動子とを有し、
    前記内部位相に応じて、前記左脚および前記右脚の前記腰部に対する関節角度の目標軌道を生成して、前記左脚および前記右脚を駆動するための駆動制御信号を生成するための駆動制御手段をさらに含み
    前記左脚および前記右脚の前記間接角度は前記内部位相で逆位相で振動する脚部振動子で表現され、
    前記左脚および前記右脚の離散事象に応じて、前記内部位相を前記左脚および前記右脚の状態に適応するように更新するための内部状態更新手段をさらに含み、
    前記内部状態更新手段は、前記第1の振動子の位相と前記第2の振動子の位相との位相差が不動点に向かうように、前記内部位相を更新する、2足歩行移動装置。
  2. 前記内部状態更新手段は、
    記内部位相の角速度を、前記第2の振動子の位相と前記内部位相との差に比例する値だけ更新する、請求項1記載の2足歩行移動装置。
  3. 前記内部状態更新手段は、
    前記第2の振動子の位相と前記内部位相との位相差に対する目標位相差を、現時点の前記位相差と1ステップ前に前記左脚または前記右脚が遊脚状態から接地した際の前記目標位相差との差に比例する値だけ更新し、
    前記位相差が前記更新された目標位相差となるように前記内部位相を更新する、請求項1記載の2足歩行移動装置。
  4. 前記内部状態更新手段は、
    現時点で1歩の歩行に要した時間により前記第2の振動子の角周波数を算出し、
    前記内部位相の固有角周波数を、現時点の前記固有角周波数と1ステップ前に前記左脚または前記右脚が遊脚状態から接地した際の前記固有角周波数との差に比例する値だけ更新する、請求項1記載の2足歩行移動装置。
  5. 前記内部状態更新手段は、
    前記第2の振動子の位相と前記内部位相との位相差に対する目標位相差を、現時点の前記位相差と1ステップ前に前記左脚または前記右脚が遊脚状態から接地した際の前記目標位相差との差に比例する値だけ更新し、
    前記内部位相の固有角周波数を、現時点の前記位相差と現時点の前記目標位相差との差に比例する値だけ更新する、請求項1記載の2足歩行移動装置。
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