JP4511624B1 - 地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法 - Google Patents

地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固い粘土質や礫等を多く含んだ保水性の低い土壌でも、土壌の保水性を高めて、比熱を改善することにより、蓄熱効率を向上できる地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法を提供する。
【解決手段】地盤に縦穴310を開ける縦穴掘削工程(ステップS110)と、縦穴310に高圧ジェットノズル360を挿入し、高圧ジェットノズル360から高圧の液体Aを縦穴310の周囲の土壌300に向けて噴射することで、土壌300をせん断する土壌せん断工程(ステップS130)と、せん断された土壌300に水分を保持させることで、蓄熱用の含水層Bを形成する蓄熱部形成工程(ステップS140)を有する地中蓄熱装置造成工法とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、地熱を効率的に蓄熱して利用するための地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法に関する。
従来、熱交換器の周囲の土壌の保水性を高めるために、高吸水性樹脂などの親水性ポリマーを分散状態で土壌中に混入した保水用土壌域を形成し、これによって、熱交換器による採熱効率や放熱効率を向上させる発明が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−74316号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている発明は、熱交換器を埋設する周囲の土壌に高吸水性樹脂を分散状態で混入した保水用土壌を形成するため、大量の土壌と高吸水性樹脂を攪拌するための処理を行わなくてはならず、手間がかかるという問題があった。さらに、土壌中の地下水が保水用土壌に流れ込んだ場合、地下水と共に高吸水性樹脂が流れ出てしまい、土壌の保水性が低下するとともに、蓄熱能力が低下してしまうという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、保水性の低い土壌でも、土壌の保水性を高めて、比熱を改善することにより、蓄熱効率を向上できる地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法を提供しようとするものである。
本発明者の鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)本発明は、地盤に縦穴を開ける縦穴掘削工程と、前記縦穴に高圧ジェットノズルを挿入し、該高圧ジェットノズルから高圧の液体を前記縦穴の周囲の土壌に向けて噴射することで、前記土壌をせん断する土壌せん断工程と、せん断された前記土壌に水分を保持させることで、蓄熱用の含水層を形成する蓄熱部形成工程を有することを特徴とする地中蓄熱装置造成工法である。
(2)また、本発明は、前記土壌せん断工程は、前記液体と共に又は前記液体に換えて、吸水性樹脂を前記縦穴の周囲の土壌に向けて噴射することで、前記縦穴の周囲に形成された前記含水層に前記吸水性樹脂を含有させることを特徴とする、(1)に記載の地中蓄熱装置造成工法である。
(3)また、本発明は、前記土壌せん断工程は、前記高圧ジェットノズルを前記縦穴の長手方向に移動させながら、連続噴射される前記液体によって、前記縦穴の周囲の土壌を長手方向に順次せん断することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の地中蓄熱装置造成工法である。
(4)また、本発明は、前記縦穴に熱交換器を挿入する熱交換器設置工程をさらに備え、前記含水層に蓄積された熱が、前記熱交換器を介して外部に移送可能とされることを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれかに記載の地中蓄熱装置造成工法である。
(5)また、本発明は、前記土壌せん断工程は、地表から一定の深さのせん断しない領域を残し、前記領域よりも下側で行われることを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれかに記載の地中蓄熱装置造成工法である。
(6)上記(1)〜5)のいずれかに記載の地中蓄熱装置造成工法によって造成される前記含水層に面するように設けられた熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給工程と、前記熱交換器に送られた前記熱媒体が有する熱量と、前記熱交換器に面する前記含水層が有する熱量が均等となる方向に、前記熱媒体と前記含水層の間で熱量の移動を伴う熱交換工程と、前記熱量の移動が行われた前記熱媒体を前記熱交換器から移動させる、熱媒体排出工程を備えることを特徴とする、地中蓄熱方法。
(7)前記含水層に水分を保持させる水分保持工程と、前記水分を保持した前記含水層に地熱を蓄える蓄熱工程を更に備えることを特徴とする、(6)に記載の地中蓄熱方法。
なお、本発明は、土壌に形成される縦穴と、前記縦穴の周囲の土壌を長手方向に連続してせん断するとともに、せん断された前記土壌に吸水性樹脂を含有させた含水層と、前記縦穴内部で、少なくとも一部が前記含水層に面する位置に配設される熱交換器と、を有する地中蓄熱モジュールが複数形成されてなり、前記土壌中の水の流動方向に対する上流側では、隣り合う前記地中蓄熱モジュールの前記含水層の間隔が密状態となり、前記土壌中の水の流動方向に対する下流側では、隣り合う前記地中蓄熱モジュールの前記含水層の間隔が、疎状態になることを特徴とする地中蓄熱装置としても良い。
なお、本発明は、前記土壌中の水の流動方向に対する上流側において、隣り合う前記地中蓄熱モジュールの含水層が密着又は重なり合うことを特徴とする地中蓄熱装置としても良い。
本発明によれば、保水性の低い土壌でも、土壌の保水性を高めて、比熱を改善することにより、蓄熱効率を向上できる地中蓄熱装置造成工法、地中蓄熱装置及び地中蓄熱方法を提供できるという優れた効果を奏し得る。
第1実施形態に係る地中蓄熱装置造成工法の流れを示すフローチャートである。 (a)同地中蓄熱装置造成工法における縦穴の掘削を行っている状態を示す側面図であり、(b)同地中蓄熱装置造成工法における補強用鋼管の挿入を行っている状態を示す側面図である。 (a)同地中蓄熱装置造成工法における高圧ジェットノズルの挿入を行っている状態を示す側面図であり、(b)同地中蓄熱装置造成工法における高圧ジェットノズルによる土壌のせん断を行っている状態を示す側面図であり、(c)及び(d)同地中蓄熱装置造成工法における含水層の形成を行っている状態を示す側面図である。 同地中蓄熱装置造成工法により造成された地中蓄熱装置の側面図である。 含水層Bの地表側から見た断面図である。 第1実施形態に係る地中蓄熱装置の断面図である。 第1実施形態に係る蓄熱方法の流れを示すフローチャートである。 (a)(b)従来の地中蓄熱方法の1例を示す平面図であり、(c)(d)第1実施形態に係る地中蓄熱装置400の施工方法の1例を示す、地中蓄熱装置400を上側から見た平面図である。 (a)地中蓄熱装置を撤収する場合の熱交換器を引き抜いている状態を示す側面図である。(b)地中蓄熱装置を撤収する場合の酸又はアルカリを噴霧している状態を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
<地中蓄熱装置造成工法>
初めに、図1〜4を用いて、本発明の第1実施形態に係る地中蓄熱装置造成工法(通称「ポリマージェットヒートストレージシステム」)について説明する。図1は、第1実施形態に係る地中蓄熱装置造成工法の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS110では、地中蓄熱装置400を設置する土壌300に縦穴310を掘削する(縦穴掘削工程)。詳細に、図2(a)に示されるように、ボーリングマシン200は、先端に設けられた掘削ドリル220によって土壌300を掘削して、縦穴310を形成する。
掘削ドリル220は、外周および掘削方向の先端外縁に螺旋状のドリル刃222が形成され、内部には長手方向に延在するように加圧空間224が設けられている。掘削ドリル220の先端側は開口し、掘削ドリル220の外側の外部空間と加圧空間224は連通している。また、加圧空間224には、注水ポンプ(図示省略)が接続され、注水ポンプにより加圧空間224内に水等の流体が注入され、注入された流体の水圧により加圧空間224内が加圧されるようになっている。
掘削ドリル220は、回転及び切削方向の前後左右に振動しながら、ドリル刃222により土壌300を掘削しながら掘り進む。この際、加圧空間224には、水等の流体が注入され、空間内が加圧される。上述したように、掘削ドリル220は、加圧空間224内が、注入された流体の水圧で加圧されながら、土壌300中を掘り進むようになっているので、掘削ドリル220は、水圧で開口から押し出された流体により、土壌300の掘削した土砂Fを地上に排出しながら、土壌300を掘り進むことができる(図2(b)参照)。
なお、縦穴310は、地熱を安定して得られる深さが好ましく、例えば、直径75mm〜150mmで地表から100m程度の深さまで掘削する。
次に、図1に戻って、ステップS120では、縦穴310に高圧ジェットノズル360を挿入する(高圧ジェットノズル挿入工程)。詳細に、図3(a)に示されるように、ステップS110の縦穴掘削工程で使用した掘削ドリル220は、土壌300に残したまま、加圧空間224の内部を通して高圧ジェットノズル360を挿入する。このように残した切削ドリル220の加圧空間224を通して高圧ジェットノズルを挿入することにより、高圧ジェットノズル360を挿入する際に、縦穴310が崩れるのを防止することができる。換言すると、切削ドリル220は、縦穴310を掘削するドリルとして使用されるとともに、掘削した土砂Fを排出する排出手段として使用され、且つ、掘削した縦穴310が崩れるのを防止するケーシングとしての機能を果たしていることになる。高圧ジェットノズル360に接続されたノズル制御装置230は、高圧ジェットノズル360を縦穴の長手方向に移動させたり、高圧ジェットノズル360の先端からスラリーAを噴射するか否かの制御を行う。
さらに、図1に戻って、ステップS130では、縦穴310の周囲の土壌(以下、側壁310Aと言う)のせん断を行う(土壌せん断工程)。詳細に、図3(b)に示されるように、高圧ジェットノズル360は、縦穴310の側壁310A方向に向けてスラリーAを噴射するジェット噴射口362を備えている。本実施形態では、ジェット噴射口362は、高圧ジェットノズル360の周方向に90°間隔で、合計4つ設けられている。高圧ジェットノズル360から噴射されたスラリーAは、ジェット噴射口362を中心に上下左右いずれの方向にも約45°の角度で拡散しながら噴射されるので、任意の深さの側壁310Aの全周方向に満遍なく噴射し、側壁310Aの土壌300をせん断できるようになっている。
また、スラリーAには、吸水性樹脂(親水性ポリマー)が含まれており、高圧ジェットノズル360によって、土壌に向けて高圧で噴射される。したがって、高圧ジェットノズル360は、上述の吸水性樹脂を含むスラリーAをジェット噴射口362から高圧(例えば、20〜100MPa)で噴射して土壌300を広範囲にせん断すると同時に、せん断により形成された土壌の隙間に吸水性樹脂を含有させることができる。吸水性樹脂がせん断された土壌300の隙間に含有することによって、せん断された土壌300は、より多くの水分を保持できる。つまり、土壌300の比熱を大きくすることができる。
なお、高圧ジェットノズル360自体を回転させて、縦穴310の周囲の土壌300を万遍無くせん断するようにしても好ましい。
さらに、図3(c)及び(d)に示されるように、高圧のスラリーAを土壌300に向かって噴射しながら、掘削ドリル220及び高圧ジェットノズル360を略同時に少しずつ引き上げ、土壌300を縦穴310の長手方向に順次せん断する。せん断する範囲は、土壌(特に、地表層302)の強度などを考慮して決定することが好ましい。例えば、縦穴310の深さが100mの場合、土壌のせん断長さは、縦穴310の底部から約80m程度の部分領域とし、その上に高圧のスラリーAを噴射しない非せん断領域を、地表からある程度の深さ(例えば、20m程度)で確保する。このように、せん断された土壌の上に非せん断の土壌を残すことによって、地盤の強度を確保することができる。
図1に戻って、ステップS140では、蓄熱部形成工程を行う。詳細に、上述したせん断した土壌に水分を保持させて、蓄熱用の含水層Bを形成する。せん断土壌に含有する水は、地中の水分を用いても良く、縦穴310に外部から水分を供給することにより行っても良い。
ステップS150では、熱交換器370を縦穴310に設置する(熱交換器設置工程)。詳細に、図4(a)に示されるように、予め縦穴310にケーシング375を挿入し、縦穴310が崩れないように補強しておく。その後、ケーシング375の中を通して、縦穴310に熱交換器370を挿入する。なお、ケーシング375を挿入する代わりに、前工程で引き抜いた掘削ドリル220を再挿入し、ケーシングの変わりとして利用しても好ましい。
最後に、ステップS160では、硅砂Dにより熱交換器370を埋設し、湿潤層Eを形成して、地中蓄熱装置400が造成される。詳細に、図4(b)に示されるように、ステップS150の熱交換器設置工程で縦穴310に挿入したケーシング375を引き抜いた後、縦穴310内に硅砂Dを入れて、熱交換器370を埋設する。硅砂Dによって形成される湿潤層Eは、土壌中の水分を多く吸収し、そのまま長時間維持することができる。したがって、上述したように、含水層Bによって、地中蓄熱装置400の蓄熱効率を向上させるとともに、熱交換器370の周囲に硅砂Dからなる湿潤層Eを形成することによって、熱交換器370の周囲の熱伝導率を向上させ、さらに熱交換効率を向上させることができる。もちろん、熱交換器370の埋設は、硅砂Dではなく、縦穴掘削工程で土壌300を掘削した時に排出した土砂等を用いても良い。この場合、熱交換器370の周囲に含水層Bが形成され、土壌せん断工程(ステップS130)で生成された含水層Bと連続した大容量の含水層Bが形成される。したがって、地中蓄熱装置400の蓄熱効率を更に高めることができる。なお、縦穴掘削工程(ステップS110)で排出した土砂を利用するものではなく、より含水効率の良い砂利等を含んだ土砂や吸水性樹脂を含んだ土砂を用いても好ましい。
上述した縦穴掘削工程(ステップS110)から湿潤層形成工程(ステップS160)によって、地中蓄熱装置400が造成される。この時、熱交換器370は、少なくとも一部が湿潤層E又は含水層Bと面する位置まで挿入され、湿潤層Eや含水層Bに蓄積された熱と、熱交換器370の熱媒体の熱を効率的に受け渡しできるようになっていることが好ましい。
上述したように、本実施形態の地中蓄熱装置造成工法は、加圧空間224を有する掘削ドリル220により、土壌300を掘削した土砂を水圧で排出しながら縦穴310を開ける縦穴掘削工程(ステップS110)と、縦穴310の周囲の土壌に高圧のスラリーAを噴射して土壌300に無数の空隙を形成する土壌せん断工程(ステップS130)と、せん断された土壌300に水分を保持させて蓄熱用の含水層Bを形成する蓄熱部形成工程(ステップS140)を設けている。したがって、土壌せん断工程によって、高圧のスラリーAを噴射して土壌300をせん断し、土壌300の中に沢山の空隙を作ると同時に、空隙に吸水性樹脂を含有させることによって、土壌300により多くの水分を保持させることができる。このように、本実施形態の地中蓄熱装置造成工法によれば、土壌300により多くの水分を保持させることによって、土壌300の比熱を大きくすることができ、蓄熱効率を向上させることができる。また、土壌せん断工程では、高圧ジェットノズル360により吸水性樹脂を含有するスラリーAを、土壌300に向けて高圧で噴射するようにしているので、土壌300を遠距離までせん断できるとともに、土壌300のせん断した隙間に吸水性樹脂を含有することができる。土壌せん断工程では、高圧のスラリーAを噴射するようにしているので、例えば、固い粘土質の土壌や礫や岩石が多い土壌にも適用することができ、どのような場所の土壌でも容易に保水力を高めることができる。
また、スラリーAに含まれる吸水性樹脂が、せん断された土壌(含水層B)の隙間に含有されることによって、土壌の隙間に含有する吸水性樹脂が土壌中の水分を吸収してジェル状に半固体化する。したがって、土壌中の水分は、ジェル状に半固体化し、粘性係数が向上することで、土壌の地下水の流動によって流されず、蓄積した熱をジェル化した場所で保持することができる。換言すると、ジェル状の半固体化した土壌に蓄積された熱は、地下水の流動によって流されないので、土壌の蓄熱温度がほとんど変わらず、同じ場所で再度蓄熱し直す必要がないので、蓄熱効率が向上する。
特に、本実施形態の地中蓄熱装置造成工法は、吸水性樹脂を放射状に噴射する工法であることから、図5に示されるように、縦穴310に最も近い環状部分Pの吸水性樹脂の密度が高く、中間の環状部分Qが中程度の密度、遠い環状部分Rが低い密度状態となる。したがって、熱交換器370に近い部分に水分を集中的に保持できるので、低コストで高効率に蓄熱を行うことができる。
また、土壌せん断工程(ステップS130)では、高圧ジェットノズル360から高圧のスラリーAを噴射しながら縦穴310の長手方向に土壌300を連続して順次せん断している。したがって、縦穴310の長手方向に延びたせん断土壌が形成され、地中の体積を効率よく利用しながら多くの水分を保持することができる。
また、本実施形態の地中蓄熱装置造成工法は、縦穴310に熱交換器370を配設する熱交換器設置工程(ステップS150)を備えている。設置された熱交換器370は、含水層B(または湿潤層E)の熱と熱交換器370の熱媒体の熱の受け渡しを行い、含水層B(または湿潤層E)の熱を熱媒体と共に外部に移送することができる。
また、本実施形態の地中蓄熱装置造成工法は、設置した熱交換器370を硅砂Dで埋設するとともに、熱交換器370の周囲に湿潤状態を作り出す湿潤層Eを形成する、湿潤層形成工程(ステップS160)を有している。これによって、熱交換器370の周囲に形成された湿潤層Eに多くの水分が保持され、熱交換器370と直接接触する周囲の熱伝導率を向上させることができる。これによって、熱交換器370の熱交換効率が向上する。
<地中蓄熱装置>
次に、上述の地中蓄熱装置造成工法によって造成される、第1実施形態に係る地中蓄熱装置について説明する。図6は、本実施形態に係る地中蓄熱装置400の断面図である。
まず、地中蓄熱装置400は、土壌に開けられた縦穴310、縦穴310の周囲に形成される湿潤層E(または含水層B)、湿潤層E(または含水層B)に少なくとも一部が面している熱交換器370を備えて構成されている。地中蓄熱装置400の熱交換器370は、地上にあるヒートポンプ装置500と接続されている。ヒートポンプ装置500は、地中蓄熱装置400から熱を採熱し、又は放熱し、家600等に備え付けられている冷暖房装置(図示省略)に供給できるようになっている。
縦穴310は、ボーリングマシン200(図2(a)参照)によって、土壌300対して垂直に開けられた、直径約75mm〜150mmで、深さ約100mの穴である。本実施形態では、土壌300は、砂利等を主成分とし、水分が少ない不飽和層で形成されており、不飽和層の中に多量の水分を含む飽和層を有する部分がある。
湿潤層Eは、上述したように、硅砂Dを主成分とし、熱交換器370の周囲に形成された、水分を多く含む湿潤な土壌である。なお、湿潤層Eは、縦穴310に熱交換器370を埋設し、固定する役割も果たしている。
含水層Bは、縦穴310の周囲の土壌(例えば、側壁310A)に設けられたせん断土壌であり、せん断土壌に含有する吸水性樹脂が多くの水分を保持している層である。このせん断された土壌は、縦穴310の側壁310Aに向かって約20〜100MPaの高圧水を噴射することによって形成される。このように、縦穴310の周囲の土壌に20〜100MPaの高圧のスラリーAを噴射することによって、土壌に無数の微小隙間を形成すると同時に、その微小隙間に吸水性樹脂を含有させることによって、その吸水性樹脂に水分を保持することができるようになる。本明細書では、土壌に高圧水等を噴射して隙間を形成することを、土壌をせん断すると言い、それによって形成された土壌をせん断土壌と言う。
また、含水層Bは、吸水性樹脂がせん断土壌の水分を吸収してジェル状に半固体化する。したがって、ジェル状になった含水層Bは、含有する水分と熱を同じ場所で長期間固定することができ、土壌の地下水の流動により、含有する熱が逃げるのを防止することができる。したがって、地中蓄熱装置400は、含水層Bの蓄熱能力を高い状態で長期間保つことができる。
なお、含水層Bは、土壌300がせん断(土壌の中に微小隙間が形成)されることによって形成されているため、崩れやすく軟弱な土壌になっている。したがって、含水層Bの上にある程度の深さのせん断していない土壌(地表層302)を残すことによって、含水層Bの上に残存する土壌の強度を保つようにしても良い。
また、本実施形態では、せん断土壌(含水層B)を形成するための高圧水として水と吸水性樹脂が混合したスラリーを用いたが、これに限定されるものではない。例えば、先に吸水性樹脂を含まない水のみの高圧水で土壌をせん断し、その後、吸水性樹脂を噴射することによって、せん断土壌に吸水性樹脂を含有するようにしてもよい。また、上記スラリーは、ガラス粒子等を混ぜてせん断力を高めるようにしても好ましく、ガラス粒子によって土壌中の礫や岩石を細かく破砕することによって、せん断土壌の保水力をより向上させることができる。
熱交換器370は、U字管になっており、U字管内部には、エチレングリコールなどを含有成分とする不凍液、又は油などの熱媒体で満たされている。これにより、熱交換器370は、湿潤層E(または含水層B)に蓄積された熱を熱媒体に取り入れ、又はU字管内の熱媒体の熱を湿潤層E(または含水層B)に放出する熱交換器としての機能を果たすようになっている。熱交換器370は、湿潤層E(または含水層B)と熱の受け渡しを効率よく行うために、熱交換器370のU字管部の少なくとも一部は、湿潤層E(または含水層B)まで達し、湿潤層E(または含水層B)と面するように設けられている。
上記の構成により、湿潤層E(または含水層B)に蓄えられている熱の温度が熱交換器370の熱媒体に蓄えられている熱の温度よりも高い場合、熱交換器370は、湿潤層E(または含水層B)に蓄えられた熱を熱媒体に取り込む(採熱)。また反対に、湿潤層E(または含水層B)に蓄えられている熱の温度が熱交換器370の熱媒体に蓄えられている熱の温度よりも低い場合、熱交換器370は、熱媒体に蓄えている熱を湿潤層E(または含水層B)に放熱する。つまり、熱交換器370は、縦穴310に設けられた湿潤層E(または含水層B)と熱媒体との間の熱の温度が等しくなる方向に、湿潤層E(または含水層B)と熱媒体との間で熱の受け渡しを行う。
図6に示されるように、ヒートポンプ装置500は、熱交換器510、520、圧縮機530、膨張弁540、ポンプ550、560を備えて構成されている。熱交換器510、圧縮機530、熱交換器520、膨張弁540は、管502で接続されており、管502の内部は、エチレングリコールなどを含有成分とする不凍液や油などの熱媒体で満たされている。また、家600の暖房設備(図示省略)から延びる配管602が、ヒートポンプ装置500の熱交換器520に配設されている。配管602の内部は、エチレングリコールなどを含有成分とする不凍液や油などの熱媒体で満たされている。
初めに、家600の暖房設備に温熱を供給する場合について説明する。まず、ヒートポンプ装置500は、ポンプ550とポンプ560を駆動し、地中蓄熱装置400の熱交換器370の中の熱媒体と、暖房設備の配管602の中の熱媒体を循環させる。
次に、ピートポンプ装置500は、膨張弁540を駆動し、熱交換媒体510の中でヒートポンプ装置500の熱媒体を蒸発(膨張)させて、熱交換器370の熱媒体から熱を吸収する。次に、ヒートポンプ装置500は、圧縮弁530を駆動し、熱交換器520の中でヒートポンプ装置500の熱媒体を圧縮して凝固させて、配管602の熱媒体に放熱する。これによって、ヒートポンプ装置500は、熱交換器370側の熱が伝達された熱媒体を家600の暖房設備に供給することができる。上述したヒートポンプ装置500内での熱媒体の移動の流れは、図6に示す矢印X方向(反時計回り)で表すことができる。なお、熱を吸収されて低温になった熱交換器370の熱媒体は、ポンプ550で循環され、湿潤層E(または含水層B)に蓄熱されている熱を吸収する。
次に、家600の冷房設備(図示省略)に冷熱を送る場合について説明する。基本的に、冷熱を送る場合のヒートポンプ装置500内の熱媒体の移動の流れは、前述した家600の暖房設備に温熱を供給する場合と逆の流れになる。まず、ヒートポンプ装置500は、膨張弁540を駆動し、熱交換媒体520の中でヒートポンプ装置500の熱媒体を蒸発(膨張)させて、配管602の熱媒体から熱を吸収する。次に、ヒートポンプ装置500は、圧縮弁530を駆動して、熱交換器510の中でヒートポンプ装置500の熱媒体を圧縮して凝固させて、熱交換器370の熱媒体に放熱する。なお、上述したヒートポンプ装置500内での熱媒体の移動の流れは、図6に示す矢印Y方向(時計回り)で表すことができる。熱交換器370に放熱された熱は、熱交換器370を介して地中蓄熱装置400の湿潤層E(または含水層B)に放熱(蓄熱)される。上記の動作を繰り返すことによって、ヒートポンプ装置500は、家600の冷房装置から排出された温熱を吸収し、地中蓄熱装置400に放熱することができる。
上述したように、地中蓄熱装置400は、土壌300に形成される縦穴310と、前記縦穴310の周囲の土壌に高圧水を噴射することによって、土壌に隙間を形成して作られる湿潤層E(または含水層B)と、湿潤層E(または含水層B)に面し、湿潤層E(または含水層B)と熱の受け渡しを行えるように設けられている熱交換器370とを有している。これによって、地中蓄熱装置400は、縦穴310に設けられた比熱の大きな湿潤層E(または含水層B)に熱を効率よく蓄熱できるとともに、湿潤層E(または含水層B)に蓄積された熱を熱交換器370を介して外部に移動させることができる。
また、含水層Bのせん断された隙間には、吸水性樹脂を含有するようにしている。これによって、吸水性樹脂が水分を吸収するとともに、含水層Bを半固体化することによって、土壌中の地下水流等によって水や熱が流れ出るのを防止し、同じ場所で長期間熱を保持することができる。
また、湿潤層Eや含水層Bは、縦穴310の長手方向に連続して形成されている。したがって、含水層Bの体積を大きくすることができ、多くの地熱を蓄熱することができる。
また、含水層Bは、地表から一定の深さのせん断しない領域(例えば、地表層302)を残し、その領域よりも下側(縦穴310の底部近傍)まで形成されている。したがって、せん断土され脆くなっている含水層Bの上部に、せん断されていない非せん断土壌を残すことによって、含水層Bの上の土壌の強度を向上することができる。
<地中蓄熱方法>
次に、本実施形態に係る地中蓄熱方法について説明する。図7は、本実施形態に係る地中蓄熱方法の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS210では、水分保持工程を行う。詳細に、地中蓄熱装置造成工法で説明した、縦穴310の側壁310Aに形成したせん断土壌に水分が保持されるのを待つ。前述したように、せん断土壌には、せん断による無数の隙間があり、この隙間の間には、吸水性樹脂が入り込んでいるため、時間の経過とともに、隙間及び吸水性樹脂が水分を吸収保持し、水分を十分含んだ含水層Bが形成される。また、熱交換器370の周囲に形成された湿潤層Eは、土壌300や含水層B等から水分を吸収して湿潤状態となる。
ステップS220では、蓄熱工程を行う。詳細に、ステップS210で形成された含水層Bに地熱を蓄熱する。例えば、深さ約20〜100mの地中は年間を通じて温度が安定しており、13℃(夏季)〜17℃(冬季)の温度になっている。冬季では、直前の夏季の温熱を蓄熱して温度が高くなり、夏季では、直前の冬季の冷熱を蓄熱して温度が低くなる。したがって、含水層Bが蓄熱する熱の温度は、夏季は約13℃、冬季は約17℃となる。
ステップS230では、熱媒体供給行程を行う。詳細に、上述したヒートポンプ装置500がポンプ550を駆動して、地中蓄熱装置400の熱交換器370に熱媒体を循環させる。
ステップS240では、熱交換工程を行う。詳細に、地中蓄熱装置400は、熱交換器370の熱媒体の熱量と含水層Bの熱量が均衡する方向に熱移動を行う。例えば、夏季の場合、熱交換器370の熱媒体がヒートポンプ装置500から吸収した熱の温度は約45℃であり、前述したように含水層Bに蓄熱される熱の温度は約13℃である。この時、熱交換器370の熱媒体は、湿潤層Eを介して、自身の熱を含水層Bに放熱して約35℃となる。つまり、熱交換器370の熱媒体は、温度差として約10℃低くなった状態でヒートポンプ装置500側に供給される。また、冬季の場合、熱交換器370の熱媒体がヒートポンプ装置500で放熱した後の温度は約‐5℃であり、前述したように含水層Bに蓄熱される熱の温度は約17℃である。熱交換器370の熱媒体は、湿潤層Eを介して、含水層Bから熱を吸収して約5℃となる。つまり、夏季の場合と同様に、熱媒体は、温度差として約10℃高くなった状態でヒートポンプ装置500側に供給される。
最後に、ステップS250では、熱媒体排出行程を行う。詳細に、ステップS240で熱交換した後の熱媒体を熱交換器370から排出し、ヒートポンプ装置500に供給する。
上述したように、地中蓄熱方法は、縦穴310に形成されたせん断土壌である含水層Bに水分を保持させる水分保持工程(ステップS210)と、水分保持工程によって多くの水分を保持した含水層Bに地熱を蓄積させる蓄熱工程(ステップS220)を備えている。このように、水分を十分保持し、比熱が高くなった含水層Bを形成することで、地中蓄熱装置400の含水層Bに熱を効率よく蓄熱することができる。
また、地中蓄熱方法は、縦穴310に形成された含水層Bに面するように熱交換器370が設けられ、その熱交換器370に熱媒体を供給する熱媒体供給行程(ステップS230)と、熱交換器370の熱媒体の熱の温度と、含水層Bに蓄熱されている熱の温度とが均衡する方向に熱移動を行う熱交換工程(ステップS340)と、熱媒体と含水層Bの間で熱移動が行われた後の熱媒体を熱交換器370から移動させる熱媒体排出工程(ステップS250)を備えている。したがって、熱交換器370を介して温熱又は冷熱を有する熱媒体の熱を含水層Bに蓄積されている地熱と交換することができる。
次に、地中蓄熱装置400の施工方法について説明する。図8(a)(b)は、従来の地中蓄熱方法の1例を示す平面図であり、(c)(d)は、第1実施形態に係る地中蓄熱装置400の施工方法の1例を示す、地中蓄熱装置400を上側から見た平面図である。なお、同図では簡略化のため、地中蓄熱装置400の縦穴310、含水層Bのみを示し、その他の装置等は省略する。
同図(a)、(b)の矢印Wは、地下水流Wの流れる方向を示している。つまり、地下水流Wは、同図右上側から左下側に流れている状態を示している。またこの場合、縦穴310は、地下水流Wの影響を受け、同図右上側から左下側に水圧で押される力を受ける。したがって、縦穴310に地下水流Wが流れ込んだ場合、縦穴310の周囲の土壌に蓄熱された熱は、地下水流Wや縦穴310周囲の土壌と一緒に下流側に流れてしまう。このように、縦穴310の周囲の土壌に蓄熱した熱が他の位置に移動してしまうため、再度蓄熱しなくてはならず、蓄熱効率が非常に悪くなってしまう(図8(a)、(b)参照)。
本実施形態の地中蓄熱装置400は、図8(c)、(d)に示されるように、土壌300に複数の縦穴310を有して構成されている。また、縦穴310の周囲の土壌は含水層Bが形成されている。含水層Bは、前述したように、吸水性樹脂により土壌中の水を保持してジェル化(半固体化)している。したがって、ジェル状に半固体化した含水層Bに地下水流Wが流れ込んでも、含水層Bが保持している水分や土壌は流れ出ることなく、その中に有する熱もほとんど移動することなく同じ場所に留ることができる。なお、本明細書では、縦穴310と、含水層Bと、熱交換器370(図4参照)によって形成される、1つの地中蓄熱装置400を、地中蓄熱モジュールMと言うことがある。
さらに、本実施形態では、図8(c)、(d)に示されるように、地下水流Wが流れ込む側(上流側)では、となり合う地中地熱モジュールM、Mのジェル状に半固体化した含水層B、Bは、地下水流Wが通り抜け難いように密接(密状態)して設けられており、地下水流Wが流れ出る側(下流側)では、となり合う地中地熱モジュールM、Mのジェル状に半固体化した含水層B、Bの間隔は、上流側における間隔よりも広く(疎状態に)なるように設けられている。本明細書では、上述のように、上流側において、含水層Bが密状態で設けられている位置的範囲を密領域Tと言い、下流側において、含水層Bが疎状態で設けられている位置的範囲を疎領域Sと言う。
上記のように、含水層Bが形成される地中地熱モジュールMを複数有し、地下水流Wの上流側に配設するとなり合う地中地熱モジュールM、Mの含水層B、Bの間隔を密状態にすることにより、地下水流Wによって、含水層Bの地熱を含んだ水分や土壌が下流側に移動するのを防止し、含水層Bの蓄熱効率を向上させることができるとともに、同じ場所で長期間熱を保持することができる(図8(d)参照)。したがって、地下水流Wは、上流側に密状態で設けられている地中地熱モジュールMの含水層Bによって阻まれるため、下流側に設けられる含水層Bの隣同士の間隔は、上流側に設けられている含水層Bの間隔よりも広くすることができる。
なお、地下水流Wの上流側における、地中地熱モジュールMの含水層Bの間隔は、地下水流Wが通り抜け、下流側に設けられている地中地熱モジュールMの含水層Bの熱や水分を押し流してしまうのを防止することができる間隔であれば良い。例えば、密領域Tに設けられているとなり合う含水層B、Bが略隙間なく密着し、又は少なくとも一部が重なり合うように設けられていることが好ましい。
なお、地中蓄熱装置400を撤去する場合には、縦穴310を埋め戻す必要がある。この場合、図9(a)(b)に示されるように、熱交換器370を引き抜き、縦穴310に酸化剤又はアルカリ剤の高圧噴霧器380を挿入し、含水層Bに酸化剤C(又はアルカリ剤)を噴霧することによって吸水性樹脂により半固体化した含水層Bを分解することができる。さらに、その後、モルタル等を注入し、含水層Bであった部分を固めることで、土壌の強度を復元、あるいは強度向上を行うことができる。
尚、本発明の地中蓄熱装置造成工法等は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
地熱を利用した地中における蓄熱装置の造成工法、蓄熱装置、蓄熱方法等の分野で利用することができる。
300 土壌
302 地表層
310 縦穴
310A 側壁
370 熱変換器
400 地中蓄熱装置
B 含水層
E 湿潤層
W 地下水流
M 地中蓄熱モジュール

Claims (7)

  1. 地盤に縦穴を開ける縦穴掘削工程と、
    前記縦穴に高圧ジェットノズルを挿入し、該高圧ジェットノズルから高圧の液体を前記縦穴の周囲の土壌に向けて噴射することで、前記土壌をせん断する土壌せん断工程と、
    せん断された前記土壌に水分を保持させることで、蓄熱用の含水層を形成する蓄熱部形成工程を有することを特徴とする地中蓄熱装置造成工法。
  2. 前記土壌せん断工程は、前記液体と共に又は前記液体に換えて、吸水性樹脂を前記縦穴の周囲の土壌に向けて噴射することで、前記縦穴の周囲に形成された前記含水層に前記吸水性樹脂を含有させることを特徴とする、
    請求項1に記載の地中蓄熱装置造成工法。
  3. 前記土壌せん断工程は、前記高圧ジェットノズルを前記縦穴の長手方向に移動させながら、連続噴射される前記液体によって、前記縦穴の周囲の土壌を長手方向に順次せん断することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の地中蓄熱装置造成工法。
  4. 前記縦穴に熱交換器を挿入する熱交換器設置工程をさらに備え、
    前記含水層に蓄積された熱が、前記熱交換器を介して外部に移送可能とされることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地中蓄熱装置造成工法。
  5. 前記土壌せん断工程は、地表から一定の深さのせん断しない領域を残し、前記領域よりも下側で行われることを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地中蓄熱装置造成工法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の地中蓄熱装置造成工法によって造成される前記含水層に面するように設けられた熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給工程と、
    前記熱交換器に送られた前記熱媒体が有する熱量と、前記熱交換器に面する前記含水層が有する熱量が均等となる方向に、前記熱媒体と前記含水層の間で熱量の移動を伴う熱交換工程と、
    前記熱量の移動が行われた前記熱媒体を前記熱交換器から移動させる、熱媒体排出工程を備えることを特徴とする、地中蓄熱方法。
  7. 前記含水層に水分を保持させる水分保持工程と、
    前記水分を保持した前記含水層に地熱を蓄える蓄熱工程を更に備えることを特徴とする、
    請求項に記載の地中蓄熱方法。
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