JP4510427B2 - ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法、及びこれに用いる中子 - Google Patents

ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法、及びこれに用いる中子 Download PDF

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Description

この発明は、微細な孔、あるいは複雑な形状の中空部を備えた成形品の製法に関し、より詳しくは、正確、且つ確実に製造できる技術に関する。
成形品の一例としての焼結製品は、車両や家電製品、電子機器、通信電力インフラ関係、生活・医療用品関係等に幅広く使用されており、高い寸法精度や高い生産性など、焼結製品独自の特性から今後も広く利用が期待されている。
焼結製品は原料粉体をプレスで圧縮成形して得た成形体(圧粉体)を焼結炉で加熱・焼結(焼結処理)して製品(焼結体)とするもので、焼結体は必要に応じて再圧縮や後処理などの付加的処理を施され、また成形が困難な部位については機械加工が施されて、所望の硬さや形状に仕上げられる。
孔を開ける穿孔も焼結体に施す一つの重要な加工であり、それはドリルや放電、レーザにより行われている。
しかし、上記いずれかの方法でも0.2mmより小さい寸法の孔を開けることはむつかしい。ドリルを用いた場合、直径0.17mmが限度とされている。
このように微細な孔や、複雑な形状の中空部を機械加工により形成することは、困難である。そこで出願人は、成形材料として焼結製品の原料粉体を用い、主型内の上記原料粉体に中子を内在させて成形処理を行い、上記成形処理後に中子を除去することにより、中空部を備えた焼結製品を得るという技術を提案した(特願2002−281015号)。
これにより、微細な孔や、複雑な形状の中空部を備えた成形品であっても、容易に形成することができる。
しかし、上述のような形状を形成するためには、上述のような形状に対応する中子の形状自体も薄肉に形成したり、小径に形成したりする必要があるため、中子は、部分的に強度が弱くなる可能性が考えられる。
なお、成形品においては、製品完成後においても使用に耐えうる強度が求められるため、例えば合成樹脂に炭素繊維などを混入して成形し、成形品の熱伝導性や、力学的特性などを向上させるという先行技術(特許文献1参照)は提案されているが、上記中子に補強材を混入して中子自体を補強する技術は、未だ提案されていない。
特開2001−200096号公報
そこで本発明では、このような薄肉部など強度的に弱い可能性がある部分を有する中子であっても破損してしまうことがないようにして正確、且つ確実に製造できるようにすることを目的とする。
本発明は、ニードル収納部の先に該ニードル収納部よりも小径の複数のノズル孔部を有したディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記ニードル収納部に対応する幹部と、該幹部の先端部から延びて前記ノズル孔部に対応する枝部と、これら枝部を支持すべく枝部の先端を一体に連結する支持部を有する中子を、補強材を混入した合成樹脂で形成したのち、該中子を主型内に収納し前記支持部を前記主型内に定置してから原料粉体の成形処理を行い、前記中子を消失させて原料粉体を焼結する焼結処理を行って、前記中子を消失させた部分に前記ニードル収納部およびノズル孔部を形成するディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法であることを特徴とする。
また、ニードル収納部の先に該ニードル収納部よりも小径の複数のノズル孔部を有したディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子であって、前記ニードル収納部に対応する幹部と、該幹部の先端部から延びて前記ノズル孔部に対応する枝部と、これら枝部を支持すべく枝部の先端を一体に連結し当該中子が収納される主型内に定置される支持部を有するとともに、当該中子が、補強材が混入された合成樹脂で形成されたディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子であることを特徴とする。
本発明の対象とする上記合成樹脂は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂(アクリロ二トリルブタジエンスチレン樹脂)、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリカボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフォド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテル二トリル樹脂、ポリベンゾイミダール樹脂等であり、これらの共重合体、変性体、およびこれらの樹脂を2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。
また、上記補強材には、金属類、合金類、金属酸化物等の酸化物類、窒化物類、ホウ化物類、炭素繊維、カーボンブラック、セラミックス等を示し、これらのうち少なくとも1種類から選択して使用することができる。なお、上記金属類は、例えばシリコン鉄(FeSi)を示し、上記金属酸化物は、例えば酸化鉄を示し、上記セラミックスは、例えばアルミナ(AL)、ジルコニア、ガラスフィラー等を示す。
例えば、前記枝部の径を、0.22mm以下に設定した場合においても、中子に補強材を混入して形成した中子は、破損してしまうことがない。
また、上記中子に混入する補強材は、マイクロ単位の大きさの微粒子で構成されるマイクロ補強材、あるいは、ナノ単位の大きさの微粒子で構成されるナノ補強材なども含み、あるいはパウダー状、繊維状、フィラー状、針状、コイル状などやそれらをペレット状などとしたものも含み、補強材の大きさ、形態は限定しない。
上記マイクロ補強材には、カーボンマイクロコイル、単結晶体などを用いることができる。
上記カーボンマイクロコイルは、一般に炭素からなる繊維直径が0.05〜50μm、コイル外形が繊維直径の2〜10倍であり、コイル状繊維のものであって、炭素含有ガスの気相分解反応によって得られるものである。
上記単結晶体は、Si、LaB、CaAs、GaP、WO、SiC等であり、これら元素又は化合物と合金をつくるものとしては、Au、Pt、Ag、Cu、Pd、Gaである。
一方、上記ナノ補強材には、カーボンナノ補強材、金属ナノチューブ、半導体ナノチューブ、セラミックナノチューブ、チタニアナノチューブなどを用いることができる。
ここで、上記カーボンナノ補強材は、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、ナノグラスファイバー、カップスタック型カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、フラーレン、カーボンナノコイル、カーボンナノツイスト、またはこれらにボロンをドロープした混入物である。例えば、気相成長法、アーク放電法、レーザ蒸発法などにより得られる単層ナノチューブや多層ナノチューブが好ましく使用でき、これらは、針状、コイル状、チューブ状の形態など任意の形態をとる。
上記カーボンナノチューブにおける単層カーボンナノチューブは、一般に直径が0.4nm〜100nmであり、アスペクト比(長さ/直径)が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。単層カーボンナノチューブは、円筒形状又は円錐台形状を有した六角形の網状に形成され、単層構造である。
また、上記カーボンナノチューブにおける多層カーボンナノチューブは、一般に直径が2nm〜100nmであり、アスペクト比が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。多層カーボンナノチューブは、円筒形状又は円錐台形状を有した六角形の網状に形成され、多層構造である。
上記カーボンナノホーンは、一般に直径が2nm〜500nmであり、アスペクト比が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。カーボンナノホーンは、六角形の網状になったカップ形状を有する。
上記ナノグラファイバーは、外径が2nm〜500nmであり、アスペクト比が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。ナノグラファイバーは、ほぼ中実な円筒形状を有する。
上記カップスタック型カーボンナノチューブは、前記カーボンナノホーンをカップ状に積層した形状を有し、アスペクト比が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。
上記気相成長炭素繊維は、一般に直径が50nm〜200nmであり、アスペクト比が10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ましい。気相成長炭素繊維は、一般に円筒形状又は円錐台形状を有した六角形の網状に形成され、多層構造である。気相成長炭素繊維は、例えば、特開平5−321039号公報、特開平7−150419号公報、特公平3−61768号公報などに開示されている。
上記フラーレンは、炭素クラスターを母体とする分子であり、CASの定義では、20個以上の炭素原子がそれぞれ隣接する3原子と結合している、閉じた球形状をもつ分子である。単層フラーレンは、サッカーボールのような形状を有する。単層フラーレンは、直径が0.1nm〜500nmであるのが好ましい。単層フラーレンの組成は、C60〜C540であるのが好ましい。単層フラーレンは、例えば、C60、C70、C120である。C60の直径は、約0.7nmである。多層フラーレンは、前述した単層フラーレンが同心状に積層された入れ子形状を有する。多層フラーレンは、直径が0.1nm〜1000nmであるのが好ましく、直径が1nm〜500nmであるのが特に好ましい。多層フラーレンの組成は、C60〜C540であるのが好ましい。多層フラーレンは、例えば、C60の外側にC70を配置し、このC70の更に外側にC120を配置した構造であるのが好ましい。
上記カーボンナノコイルは、コイル状にねじれた形状を有し、上記カーボンナノツイストは、コイルの穴がなくなるくらい極めて強くねじれた形状を有する。
さらに、前記カーボンナノ補強材は、該カーボンナノ補強材(単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、ナノグラファイバー、カップスタック型カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、単層フラーレン、多層フラーレン、カーボンナノコイル、カーボンナノツイスト)のうちのいずれかにボロン(ホウ素)をドープして作ることもできる。前記カーボンナノ補強材にボロン(ホウ素)をドープする方法は、例えば、特開2001−200096号公報などに開示されている。
その他、良好な力学的特性、あるいは成形性(成形時の流動性、成形の容易さなど)を得るために、上記中子には、種々の添加材を混入してもよい。添加材としては、炭酸カルシウム、シリカ、セオピライト等である。例えば、耐衝撃性向上のため、中子にエラストマー、合成ゴムもしくは天然ゴム等の柔軟成分を混入することができる。
この発明によれば、上記中子には、上記補強材を混入することにより、曲げ弾性率、曲げ強さ、衝撃強さ等の力学的特性を向上させて、補強することができる。
よって、主型内に載置する際に付与される衝撃や、原料粉体を主型内に充填する際に付与される圧力によって、中子がたわんだり、破損したりすることがないため、正確に成形品の中空部を形成することができる。
この発明を実施するための最良の一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1(a)は焼結製品としてのディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル11(以下、ノズルという)の要部の断面図であり、このノズル11は、ノズル11の軸方向に穿設された中空のニードル収納部12と、このニードル収納部12の先端に設けられたテーパコーン状のシート部13と、このシート部13の先端に設けられた円筒内壁面14a及び半球面14bからなるホール部14とを有している。そして上記ホール部14の半球面14bには、図1(b)に示したように放射状に延びる複数のノズル孔部15…を形成している。
ノズル11の上記ニードル収納部12には、図示しないが先端部が円錐形状をなす丸棒状のニードルを保持し、上記シート部13を閉じる方向に付勢する。
上記ノズル孔部15の直径D1は、0.17mm以下、より好ましくは、0.05mmである。
このようなノズル孔部15を有したノズル11は、図2のフローチャートに示したような複数段階の処理を経て製造する。
まず、焼結製品1が所望の性状を示すようにすべく、各種の金属粉体等からなる原料粉体を所定の割合で混合し、成形材料を得る(混合処理、ステップn1)。
続いてその成形材料を射出成形又は高速遠心成形により成形して成形体を得る(成形処理、ステップn2)。この成形処理は、図3、図4に示したような中子16を用いて行う。図5中、17が主型で、18が成形材料である。つまり、主型17内に中子16を入れてから成形材料18を入れて成形する。
ここで、上記中子16は、上記ニードル収納部12に対応する棒状の幹部16aと、該幹部16aの先端部から放射状延びて上記ノズル孔部を形成する枝部16b…と、これら枝部16b…を主型17内で安定して支持すべく、枝部16bの先端を一体に連結するリング状に形成された支持部16cとを有している。支持部16cには、主型17の内面に接触して定置される接地部16dを形成している。図3(a)に示したように、断面円形に形成するも、図3(b)に示したように断面略かまぼこ形に形成して接地面16dを平らに形成するもよい。また図5に仮想線で示したように、支持部16cが主型17の下部隅部17aに位置するように形成することにより、より安定よく支持できる。
このように形成した中子16は、主型17内に下ろし、中子16と主型17の寸法に基づいてあらかじめ計算した位置まで下ろして支持部16cの接地部16dを無理なく接地させ、その位置で固定する。
また、上記枝部16bの太さは、焼結により収縮する収縮率を考慮して、所望するノズル孔部15の径D1よりも若干大きく設定する。例えば、上述のように0.05mmのノズル孔部15を形成する場合、枝部16bの太さD2は、例えば0.065〜0.07mm程度に設定するとよい。
さらに、上記中子16は、例えばアクリル等の合成樹脂で形成し、該中子16には、強度を補強するための補強材28として合成樹脂27の全体重量%に対して、多層カーボンナノチューブおよそ1重量%〜30重量%の割合で混入している。
なお、上述するように合成樹脂27で形成した中子に補強材28を混入した様子を、図6において中子の一部を模式的に拡大して表している。
特に、上記中子16は、上記多層カーボンナノチューブを5重量%程度混入して形成するのが好ましい。
なぜなら上記中子16に上記1重量%より少ない多層カーボンナノチューブを混入するだけでは、所望の力学的特性(特に曲げ弾性率、衝撃強度等)を得られない場合があるため好ましくない。一方、30重量%を超えると、成形時の流動性に劣るだけでなく、構成要素同士が実質的に凝集体を形成せずに絡み合いなく構成中に均一に分散しにくく、本発明の効果が得られないことがあるため好ましくないためである。
なお、上記多層カーボンナノチューブは、直径が10nm〜80nm,アスペクト比が50〜100のもの使用している。
上記中子16は、射出成形(成形温度約250〜280度)により上記形状に形成することができ、上記射出成形時において溶融した合成樹脂27に上述した所定の割合で上記多層カーボンナノチューブを混練して形成することができる。
あるいは、予め合成樹脂27と多層カーボンナノチューブを上記所定の割合で配合しておき、押出機により溶融混練してペレットを製造しておき、上記ペレットを用いて射出成形し、中子16を形成してもよい。
上述のような所定の割合で合成樹脂27に多層カーボンナノチューブを配合すれば成形性を良好に保つことができるため、中子16は、図6に示すように小径の枝部16bを有する中子16であっても隅々まで成形することができ、中子16の形状を所望の形状に形成することができる。
なお、中子16には、上記多層カーボンナノチューブを混入することに限定せず、例えば炭素繊維等他の補強材28を混入してもよい。なお、炭素繊維を混入した樹脂組成物の構成と製造方法については、例えば特開2001−200096号公報に開示されている。
次に、上記ノズル11の成形処理(ステップn2)について説明する。上記成形処理n2を射出成形で行う場合には、およそ160〜180度くらいの成形温度で成形材料の成形を行う。この場合、原料粉体は粘度の高い有機バインダを媒体として使用し、粉体を分散させて上記成形材料とする。
若しくは上記成形処理n2を高速遠心成形で行う場合は、粘土の低い水やエタノール等の有機溶媒を媒体として粉体を分散させ泥漿を得る。図7は、高速遠心成形による成形処理を示す説明図である。
つまり、主型17内に上記中子16を入れ(図7(a)参照)、中子16の支持部16cが主型17内に接地した定置状態に保持するとともに、成形材料としての泥漿を中子16の上端部を構成している中子保持部材19の貫通孔19aを通して入れて(図7(b)参照)、常温で高速回転させる。すると、泥漿内の原料粉体が下方に移動して、成形体20を得ることができる。
このように、上記貫通孔19aから主型17内に原料粉体を落下させる、あるいは主型17内に原料粉体と中子16とを入れた状態で高速回転させて遠心力により原料粉体を移動させれば、原料粉体が上記中子16に衝突する。
このように中子16に外力が加わっても上記中子16(特に枝部16b)には上記多層カーボンナノチューブを混入して強度が向上しているため、破損してしまうこともない。
図7中、19bは位置決め部で、中子16を主型17内におろして支持部16cの接地部16dを接地させた状態に位置決めするためのものである。
このような成形処理n2の後は、成形体20を主型17から外す。そして、成形体20は、中子16を有した状態であるので、次の中焼結処理n3で、中子16(合成樹脂27)を蒸発させ、消失させる。すなわち、原料粉体に混入したパラフィン等を溶かすとともに、中子16を蒸発させることが可能な中温(本来の焼結温度よりも低い温度、例えば700度位)で加熱する中焼結処理n3を行う。
上記中焼結処理n3により、合成樹脂27は、蒸発させて除去することができるが、ノズル11における中空部12、13、14の壁面には、中焼結処理n3での加熱温度が多層カーボンナノチューブの除去処理点(例えば沸点)よりも低温であるため、多層カーボンナノチューブが残留する。
しかし、上記多層カーボンナノチューブは、金属類の表面に対しては付着しにくく、ノズル11の原料粉体は、上述したとおり金属粉体からなることから、残留した多層カーボンナノチューブが中空部12、13、14の壁面に付着してしまうことがない。
よって、上記中焼結処理n3の後、あるいは後述する処理n4、n5を経た後にノズル11の中空部12、13、14内に対して例えばブロアで風を付与することより、残留した多層カーボンナノチューブを完全に除去することができる。
この中焼結処理n3により、切削処理n4が行いやすくなるので、続いて、図2に示したように切削処理n4を行い、図7(c)に仮想線で示したような中子16の支持部対応部位の近傍を含む不要部位と、その他内側の不必要部位とを適宜.切削してノズル孔部15を露出させるとともに、所望の形状に形成する。
次に本来の焼結温度(例えば1300〜1400度位)で加熱する本焼結処理n5を行い、焼結製品としてのノズル11を得る。
これら切削処理n4と本焼結処理n5は、仮想線で示したように順序を入れ替えるもよい。また、中焼結処理n3は、省略して本焼結処理n5にて一気に中子16(合成樹脂27)を除去処理してもよい。
この後は、必要に応じて、適宜の後処理を行う。その後処理とは、例えば、所望の形状になるように形を整える整形で、例えば鍛造である。
焼結製品が、ノズル11のノズル孔部15を有する部分の部品である場合には、その部品をノズル本体部材の先端部に、ろう付けなどの適宜手段で固着して、ノズル11を完成する。
このようにして製造したノズル11では、ドリルや放電、レーザで穿孔できなかったような小さな微細孔を形成することができる。このため、ノズル孔部15を通して噴射される燃料を超微粒子化することにより、燃料の完全燃焼を行わせることができる。
また、中子16を上記多層カーボンナノチューブ等の補強材28で補強することで、成形処理中に中子16がたわみ変形が生じたり、破損したりすることがないため、正確、且つ確実にノズルを成形することができる。
他のノズルの形態として、噴霧特性を向上させるためノズルから燃料を噴射させる直前に燃料に遠心力を付与する構成のノズルを想定する。具体的な構成は、ノズルにおけるノズル孔部の内壁面に、肉厚側に凹んだ凹状の螺旋凹部を備えたノズルであり、このようなノズルを、上記多層カーボンナノチューブ等の補強材28を混入した中子23を用いて形成する場合について述べる。
上記ノズルを形成するために、上記ノズル孔部に対応する中子23の枝部23bには、図8(a)に示すごとく、外周方向に膨らんだ螺旋凹形成部23dを形成する必要がある。このような中子23の枝部23bは、上述した中子16の枝部16bと比較すると複雑な形状となるとともに表面積が増加する。
このため、枝部23bは成形処理時に、周囲に充填された原料粉体が熱膨張することによって、様々な方向から圧力が加わることとなる。
しかし、中子23は補強材28を混入して強度を向上させているため、上述する螺旋凹形成部23dのように形状が複雑になっても正確に形成することができる。
さらに他のノズルの形態として、上述したノズルとは逆に、ノズルにおけるノズル孔部の内壁面から、孔側に突き出した凸状の螺旋凸部を形成したノズルの場合は、上記ノズル孔部に対応する中子26の枝部26bには、図8(b)に示すごとく、中子26の肉厚側に凹んだ螺旋凸形成部26dを形成する必要がある。
この場合、枝部26bにおける螺旋凸形成部26dを形成した部位は、形成していない部位よりもさらに小径となるが、補強材28を混入しているため、強度を維持し破損することがない。
以上の一形態における中焼結処理n3は、この発明における中子を消失させる処理に対応するも、この発明は、上記一形態の構成のみに限定されるものではない。
ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの要部構成図。 製造処理を示すフローチャート。 中子の縦断面図。 中子の横断面図。 成形状態を表した断面図。 中子を一部模式的に拡大して表した断面図。 高速遠心成形に基づく製造処理を表した説明図。 他の中子の下部を、一部要部を拡大して表した正面図(a)、さらに他の中子の下部を、一部要部を拡大して表した正面図(b)。
11…ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル
12…ニードル収納部
15…ノズル孔部
16、23、26…中子
16a…幹部
16b、23b、26b…枝部
16c…支持部
17…主型
20…成形体
27…合成樹脂
28…補強材
n2…成形処理
n3…中焼結処理
n5…本焼結処理

Claims (5)

  1. ニードル収納部の先に該ニードル収納部よりも小径の複数のノズル孔部を有したディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記ニードル収納部に対応する幹部と、該幹部の先端部から延びて前記ノズル孔部に対応する枝部と、これら枝部を支持すべく枝部の先端を一体に連結する支持部を有する中子を、補強材を混入した合成樹脂で形成したのち、
    該中子を主型内に収納し前記支持部を前記主型内に定置してから原料粉体の成形処理を行い、
    前記中子を消失させて原料粉体を焼結する焼結処理を行って、前記中子を消失させた部分に前記ニードル収納部およびノズル孔部を形成する
    ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法。
  2. 前記中子を消失させたのちに補強材を除去する
    請求項1に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造方法。
  3. ニードル収納部の先に該ニードル収納部よりも小径の複数のノズル孔部を有したディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子であって、
    前記ニードル収納部に対応する幹部と、該幹部の先端部から延びて前記ノズル孔部に対応する枝部と、これら枝部を支持すべく枝部の先端を一体に連結し当該中子が収納される主型内に定置される支持部を有するとともに、
    当該中子が、補強材が混入された合成樹脂で形成された
    ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子。
  4. 前記枝部の径、0.22mm以下に設定され
    請求項に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子。
  5. 前記補強材がナノ単位の大きさの微粒子で構成されるナノ補強材である
    請求項3または請求項4に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル製造用の中子
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