JP4510043B2 - 車両走行仮想試験システム及びプログラム - Google Patents

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この発明は、車両を構成する部品をシステム要素としてモデル化し、該システム要素か
ら車両モデルを構築しつつ、車両走行の仮想試験(シミュレーション)を行うための車両
走行仮想試験システム及びプログラムに関する。
従来、車両の走行性、操作性、騒音・振動測定等のために、平坦路や凹凸のあるラフロードで車両を実走行させてテストを行うこと、若しくは、例えば特開平3−110440号公報に開示されるようなローラ式シャシーダイナモメータを用いて走行試験を行うことが知られている。ところが、前者の場合には、実走行用の広いテストコースが必要であり、また、各テストドライバの運転特性等によってテスト結果に差異が生じるおそれがあった。他方、後者の場合には、試験装置自体が大規模となり、コスト増大が避けられないという問題があった。
ところで、近年では、製品開発の短期化を目的として、工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータ支援エンジニアリング(CAE:Computer Aided Engineering)を利用したシステム(以下、単に「コンピュータ支援システム」という)が一般的に用いられるようになってきた。このコンピュータ支援システムによれば、従来では試作品を用いた実試験により行われていた性能や機能の評価や確認を、シミュレーションによって開発の初期段階で行うことができ、開発スピードの向上やコストの低減を期待することができる。また、従来、試作・実験のために使っていた資源を他の部分に配分できるようになることで、最終的な品質の向上を図ることも可能となる。
特開平3−110440号公報
そこで、本出願人は、かかるコンピュータ支援システムを利用することで、実走行用のテストコースや大規模な試験装置の必要がなく従来の問題を回避し得る車両走行試験が可能になると考えた。しかしながら、従来のコンピュータ支援システムでは、形状設計のツールであるCAD及び構造解析のための有限要素法(FEM:Finite Element Method)が主流であり、試験対象の構造や形状が確定しなければその使用ができないように構成されている。現状では、試験対象の構造や形状が確定する前の製品の構想・企画段階で利用し得る仮想試験ツールが未開拓であり、かかるツールの開拓は、コンピュータ支援システムを用いた製品開発の有用性向上を図る上で、重要な課題である。
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、実走行用のテストコース及び大
規模な試験装置の必要がなく、構造が確定される前に各部品をモデル化し車両モデルを構
築して車両及びその走行を検証し得る車両走行仮想試験システム及びプログラムを提供す
ることを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、車両走行の仮想試験を行うための車両走行仮想試験シス
テムであって、車両を構成する要素として所定機能毎に独立して設定された複数の部品を
、該各部品に加わるエネルギーの瞬時値を構成する2種類の状態量である位差量と流動量
とを入出力状態量の対とし、該入出力状態量が加わる部品の内部特性のパラメータが、行
が出力状態ベクトル,列が入力状態ベクトルとなる行列形式で配置されることで、上記位
差量及び流動量に対応した内部行列を構成するシステム方程式で部品モデル化し、該部品
モデルを上記入出力状態量を介して結合することで構築された車両モデルと、該車両モデ
ルを制御する制御モデルと、時間と路面傾斜との関係を含む環境条件を入力する環境入力
部と、時間と運転操作量との関係をあらわす運転操作条件を入力する操作量入力部と、仮
想試験に関する演算処理を実行し仮想試験結果を得る演算処理部と、上記仮想試験結果を
解析し車速に応じて変化する揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求めるデータ
解析部と、上記仮想試験結果を観測しリアルタイムでモニタに出力するデータ観測部とを
有し、車種毎に異なるデータを含む車両データベースから特定のパラメータファイルを提
供することで上記車両モデルを変更し、上記時間と路面傾斜との関係を含む環境条件及び
時間と運転操作量との関係をあらわす運転操作条件を入力し、サンプリング時間を演算処
理に伴い行われるリアルタイム制御に応じて設定し該車両モデルに基づく演算を繰り返し
車両走行の仮想試験を実行し、該演算毎に仮想試験結果をモニタに表示し、全演算が終
了したと判断された場合には全演算結果に基づいて結果ファイルを作成し、仮想試験結果
を解析して車速に応じて変化する揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求め、リ
アルタイムでモニタに出力することを特徴としたものである。
更に、本願の請求項に係る発明は、車両走行の仮想試験を行うための車両走行仮想試
験プログラムであって、車両を構成する要素として所定機能毎に独立して設定された複数
の部品を、該各部品に加わるエネルギーの瞬時値を構成する2種類の状態量である位差量
と流動量とを入出力状態量の対とし、該入出力状態量が加わる部品の内部特性のパラメー
タが、行が出力状態ベクトル,列が入力状態ベクトルとなる行列形式で配置されることで
、上記位差量及び流動量に対応した内部行列を構成するシステム方程式で部品モデル化し
、該部品モデルを上記入出力状態量を介して結合することで、車両モデルを構築する手順
と、該車両モデルを制御する手順と、時間と路面傾斜との関係を含む環境条件を入力する
手順と、時間と運転操作量との関係をあらわす運転操作条件を入力する手順と、仮想試験
に関する演算処理を実行し仮想試験結果を得る手順と、上記仮想試験結果を解析し車速に
応じて変化する揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求める手順と、上記仮想試
験結果を観測しリアルタイムでモニタに出力する手順を有し、車種毎に異なるデータを含
む車両データベースから特定のパラメータファイルを提供することで上記車両モデルを変
更し、上記時間と路面傾斜との関係を含む環境条件及び時間と運転操作量との関係をあら
わす運転操作条件を入力し、サンプリング時間を演算処理に伴い行われるリアルタイム制
御に応じて設定し該車両モデルに基づく演算を繰り返して車両走行の仮想試験を実行し、
該演算毎に仮想試験結果をモニタに表示し、全演算が終了したと判断された場合には全演
算結果に基づいて結果ファイルを作成し、仮想試験結果を解析して車速に応じて変化する
揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求め、リアルタイムでモニタに出力するこ
とを特徴としたものである。

本願発明によれば、製品の構想・企画段階で、すなわち、試験対象の構造や形状が確定される前に、部品をモデル化して車両モデルを構築し、それに基づき仮想試験を実行することで、実走行用のテストコース及び大規模な試験装置の必要がなく、車両及びその走行を検証することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1及び2は、それぞれ、本発明の実施形態に係る車両走行仮想試験システム(以下、単に「仮想試験システム」という)の基本構成を示す図及びより具体的な構成を示す図である。この仮想試験システム10は、例えば車両を駆動輪が駆動可能であるように台上に設置した上で車両の走行テストを行う従来方法に対し、車両を複数の部品からなる実体として扱い、車両を構成する部品をシステム要素としてモデル化し、システム要素から車両モデルを構築した上で、その車両モデルに基づき車両の走行テストを仮想的に行うものである。
本実施形態では、仮想試験システム10の基本構成として、気圧,路面状態,温度等の環境条件を反映した信号(以下、環境信号という)に基づき、車両モデルの仮想試験の実行環境を設定するための環境系11と、舵角をあらわす信号,アクセル開度をあらわす信号,ブレーキ踏込み量をあらわす信号等、ドライバの各種運転操作を反映した信号(以下、操作信号という)に基づき、車両モデルの運転操作条件を設定するための操作系12と、複数の部品モデルが組み合わされて構築された仮想試験対象となる車両モデル(図2中の符号e)に対応した車両系13A、及び、車両モデルを制御する制御モデル(図2中の符号d)に対応した制御系13Bを備えた仮想原型13と、環境系11(図3中の環境入力部aに対応)及び操作系12(図2中の操作量入力部bに対応)による仮想試験の実行環境や運転操作条件の設定下で、各種情報信号や車両系13Aに与えられる車種毎に異なるパラメータに基づき、仮想試験に関する演算処理を実行する演算系14(図2中の演算処理部fに対応)と、仮想試験結果に基づき、例えば車速に応じて変化する揺れや悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求めるなど、仮想試験結果を解析する解析系15(図2中のデータ解析部lに対応)と、仮想試験結果を観測しつつ、観測結果をリアルタイムでモニタに出力する観測系16(図2中のデータ観測部kに対応)と、が設けられている。
なお、かかる基本構成を備えた仮想試験システム10は、その基本構成としての各系に対応した処理をコンピュータ上で実行するソフトウェアとして構成されても、若しくは、ハードウェアとして構成されてもよい。
仮想原型13の制御系13Bで使用される制御モデルdは、例えば各種制御に対応したモデルの入出力端子が結合され、各モデルに対応した数式が統合されて構成される。また、同様に、仮想原型13の車両系13Aで使用される車両モデルeは、車両の各種部品にそれぞれ対応した部品モデルの入出力端子が結合され、各部品モデルに対応した数式が統合されて構成される。なお、かかる制御モデルや車両モデルを構築する上では、本願と一部出願人が共通する特開2006−302186号公報に開示されるようなモデル構築技術が適用可能である。概略的に説明すれば、車両を構成する要素として所定機能毎に独立して設定された複数の部品を、該各部品に加わるエネルギーの瞬時値を構成する2種類の状態量である位差量と流動量とを入出力状態量の対とし、該入出力状態量が加わる部品の内部特性のパラメータを、行が出力状態ベクトル,列が入力状態ベクトルとなる行列形式で配置することで、上記位差量及び流動量に対応した内部行列を構成するシステム方程式でモデル化され、モデル化されたモデルが入出力状態量を介して結合されることで、車両モデルが構築される。


本実施形態に係る仮想試験システム10では、このように構築された車両モデルeがブロック線図としてモニタn上に表示されるようになっている。図3は、モニタn上に表示される車両モデルeの一例に対応したブロック線図である。ここでは、車両を構成する部品として、エンジン,トルクコンバータ,トランスミッション,タイヤ,ブレーキ,車体がそれぞれモデル化され、これら部品に対応したモデルが統合されることで、車両モデルeが構成されている。実際には、各モデルに対応したブロック線図以外にも、各モデル特性,内部パラメータが表示される。
更に、仮想試験システム10では、必要に応じて、非線形モデルのパラメータ,マップパラメータ,制御モデル,観測モデルに関する解説資料が表示され得る。なお、モデル化は、最初に標準化された基本要素を使い、部品内部の機能に沿ってモデル化(線形モデル)、次に非線形モデルを有する機能についてモデル化(機構モデル)する。機構モデルについては、非線形特性毎に用意された標準機構モデルを利用することができる。
また、図2に示すように、仮想試験システム10では、環境系11(環境入力部aに対応)及び操作系12(操作量入力部bに対応)を介して入力された環境信号及び操作信号に対して、仮想原型13に基づいた演算系14(演算処理部fに対応)による演算処理前に、入力データ処理部(符号c)により単位変換,補間計算,マップ処理等の処理が施されるようになっている。このとき、パラメータ,マップデータ,オフセット量を含む仮想試験用データ(符号o)が入力される。加えて、入力データ処理部(符号c)による単位変換,補間計算,マップ処理の結果は、データベース(符号g)として蓄積され、演算系14による演算処理に際して用いられる。
更に、演算系14にて得られた仮想試験結果は、所定の共有メモリ(符号h)に保存されて記録され、必要に応じて出力され、異なるアプリケーション間で通信可能に使用されてもよい(符号p)。また、更に、演算系14にて得られた仮想試験結果は、データ出力部(符号j)を介して解析系15(データ解析部lに対応)に送られ、その後、観測系16(データ観測部kに対応)からのリアルタイムデータと同様にモニタ(符号n)へ出力されても、若しくは、別個に出力されてもよい。加えて、車両モデルは、車種毎に異なるデータを含む車両データベース(符号m)から特定のパラメータファイルが提供されることで変更され得る。
図4は、仮想試験システム10のツール構成及びその関係を概念的にあらわす説明図である。仮想試験システム10は、概して、図1中の仮想原型13に対応した仮想原型ツール21と、図1中の環境系11及び操作系12に対応した仮想試験実行環境ツール22と、図1中の演算系14,解析系15及び観測系16に対応した仮想試験実行管理ツール23とから構成されている。そして、仮想試験実行管理ツール23に対し、環境系11及び操作系12による仮想試験の実行環境や運転操作に応じて、仮想試験実行環境ツール22が取り外し可能に(つまり変更可能に)設定され、また、車種毎に異なる仮想原型ツール21が取り外し可能に設定されるようになっている。
仮想試験実行管理ツール23は、仮想試験実行環境ツール22に対して、例えばシステムのオペレータにより入力デバイスを介して入力された気圧,路面状態,温度等の環境条件若しくは舵角,アクセル開度,ブレーキ踏込み量等の運転操作条件を反映させるべく提供する。また、仮想原型13における車両モデルに基づく仮想試験の実行に伴い、共有メモリを介して他のツール21,22とデータをやり取りしつつ、仮想試験システム10のリアルタイム制御を行ったり、仮想試験システム10に接続される外部ハードウェアデバイスのインターフェース制御を行ったりする。加えて、仮想試験実行管理ツール23は、車両モデルに基づく仮想試験の実行に伴い、試験結果の観測や解析を行う。
また、仮想試験実行環境ツール22は、仮想試験実行管理ツール23から提供された環境条件及び運転操作条件を仮想原型ツール21に対して設定する。更に、仮想原型ツール21は、例えば車種が変更される場合に、車両モデルに対して、車種毎に異なるデータを含む車両データベースから特定のパラメータファイルが提供されることで変更される。
なお、仮想試験システム10では、図4を参照して前述したツールに加えて、仮想試験対象となる車両に対応したモデルを構築するモデル構築ツールが設けられてもよい。
また、運転操作条件は、試験毎に設定されても、あるいは、時間とアクセル開度やブレーキ操作量等の各種パラメータとの関係をあらわす予め登録された運転操作マップとして設定されてもよい。図5には、運転操作マップとして利用される時間と各種パラメータとの関係の一例を示す。ここでは、パラメータとして、アクセル開度(%),ブレーキ踏込み量(%),路面傾斜(°)が取り上げられている。仮想試験システム10は、かかる時間と各種パラメータとの関係を反映した運転操作マップが用いられる場合に、外部より入力されるこれらパラメータに基づき、車両走行の仮想試験を実行する。
図6は、仮想試験システム10により実行される基本的な処理の流れを示すフローチャートである。この処理においては、まず、部品モデルが組み合わせられるにより車両モデルが構築される(#11)。この車両モデル構築ステップの詳細については、図7を参照しながら後述する。次に、環境系11を介して、気圧,路面状態,温度等の環境条件が読み込まれ(#12)、また、操作系12を介して、舵角,アクセル開度,ブレーキ踏込み量等の運転操作条件が読み込まれる(#13)。
ステップ#13の後、標本時間が設定される(#14)。ここでは、ステップ#12及び#13で読み込まれた環境条件及び運転操作条件に基づき、サンプリングタイム,演算終了時間及び割り込み処理に関する設定が行われる。また、標本時間は、それ以降の車両モデルに基づく仮想試験の実行、すなわちモデル統合方程式の演算処理に伴い行われるリアルタイム制御に応じて設定されてもよい。
ステップ#14の後、車両モデルに基づく仮想試験、すなわち、モデル統合方程式の演算が実行される(#15)。ここでは、仮想試験用データ(図2中の符号o)として各演算毎にパラメータが提供される。また、この演算毎に、観測系16を介して、仮想試験結果がモニタへ表示されてもよい。
次に、全演算が終了したか否かが判断され(#16)、その結果、全演算が終了していないと判断された場合には、ステップ#15へ戻り、それ以降の処理が繰り返され、他方、全演算が終了したと判断された場合には、続いて、全演算結果に基づき結果ファイルが作成される(#17)。その後、作成された結果ファイルが、必要に応じて出力される(#18)。以上で、処理が終了される。
更に、図7は、車両仮想試験の実行に先立って行われる車両モデル構築ステップ(図6中の#11)の詳細に関するフローチャートである。まず、このステップでは、車両モデルを構成する部品モデルが読み込まれる(#21)。次に、各部品モデルの入出力情報及びモデル接続条件が設定される(#22)。
ステップ#22の後、モデル方程式の数式処理が実行される(#23)。ここでは、各部品モデルの入出力方程式,内部状態方程式,観測方程式等の各方程式が数式処理される。続いて、パラメータが初期設定される(#24)。ここでは、仮想試験用データ(図2中の符号o)として提供されるパラメータが初期設定される。その後、複数の部品モデルが組み合わされて構築された仮想試験対象となる車両モデルに対応したモデル統合方程式が作成される(#25)。以上で、図6のメインフローにリターンされる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る仮想試験システム10によれば製品の構想・企画段階で、すなわち、試験対象の構造や形状が確定される前に、部品をモデル化して車両モデルを構築し、それに基づき仮想試験を実行することで、実走行用のテストコース及び大規模な試験装置の必要がなく、車両及びその走行を検証することができる。
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る車両走行仮想試験システムの基本構成を概略的に示す図である。 仮想試験システムのより具体的な構成をあらわす図である。 上記車両走行仮想試験システムにおいてモデル化されモニタ上に表示される車両モデルの一例に対応したブロック線図である。 上記車両走行仮想試験システムのツール構成及びその関係を概念的にあらわす説明図である。 上記車両走行仮想試験システムにて運転操作マップとして利用される時間と各種パラメータとの関係の一例を示すテーブルである。 上記車両走行仮想試験システムによる基本的な処理についてのフローチャートである。 図6中のモデル構築ステップ(#11)を詳細にあらわすフローチャートである。
符号の説明
10…車両走行仮想試験システム,11…環境系,12…操作系,13…仮想原型,13A…車両系,13B…制御系,14…演算系,15…解析系,16…観測系,21…仮想原型ツール,22…仮想試験実行環境ツール,23…仮想試験実行管理ツール。

Claims (2)

  1. 車両走行の仮想試験を行うための車両走行仮想試験システムであって、
    車両を構成する要素として所定機能毎に独立して設定された複数の部品を、該各部品に
    加わるエネルギーの瞬時値を構成する2種類の状態量である位差量と流動量とを入出力状
    態量の対とし、該入出力状態量が加わる部品の内部特性のパラメータが、行が出力状態ベ
    クトル,列が入力状態ベクトルとなる行列形式で配置されることで、上記位差量及び流動
    量に対応した内部行列を構成するシステム方程式で部品モデル化し、該部品モデルを上記
    入出力状態量を介して結合することで構築された車両モデルと、
    該車両モデルを制御する制御モデルと、
    時間と路面傾斜との関係を含む環境条件を入力する環境入力部と、
    時間と運転操作量との関係をあらわす運転操作条件を入力する操作量入力部と、
    仮想試験に関する演算処理を実行し仮想試験結果を得る演算処理部と、
    上記仮想試験結果を解析し車速に応じて変化する揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす
    周波数を求めるデータ解析部と、
    上記仮想試験結果を観測しリアルタイムでモニタに出力するデータ観測部とを有し、
    車種毎に異なるデータを含む車両データベースから特定のパラメータファイルを提供す
    ることで上記車両モデルを変更し、
    上記時間と路面傾斜との関係を含む環境条件及び時間と運転操作量との関係をあらわす
    運転操作条件を入力し、サンプリング時間を演算処理に伴い行われるリアルタイム制御に
    応じて設定し該車両モデルに基づく演算を繰り返して車両走行の仮想試験を実行し、該演
    算毎に仮想試験結果をモニタに表示し、全演算が終了したと判断された場合には全演算結
    果に基づいて結果ファイルを作成し、仮想試験結果を解析して車速に応じて変化する揺れ
    及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求め、リアルタイムでモニタに出力する
    ことを特徴とする車両走行仮想試験システム。
  2. 車両走行の仮想試験を行うための車両走行仮想試験プログラムであって、
    車両を構成する要素として所定機能毎に独立して設定された複数の部品を、該各部品に
    加わるエネルギーの瞬時値を構成する2種類の状態量である位差量と流動量とを入出力状
    態量の対とし、該入出力状態量が加わる部品の内部特性のパラメータが、行が出力状態ベ
    クトル,列が入力状態ベクトルとなる行列形式で配置されることで、上記位差量及び流動
    量に対応した内部行列を構成するシステム方程式で部品モデル化し、該部品モデルを上記
    入出力状態量を介して結合することで、車両モデルを構築する手順と、
    該車両モデルを制御する手順と、
    時間と路面傾斜との関係を含む環境条件を入力する手順と、
    時間と運転操作量との関係をあらわす運転操作条件を入力する手順と、
    仮想試験に関する演算処理を実行し仮想試験結果を得る手順と、
    上記仮想試験結果を解析し車速に応じて変化する揺れ及び悪路走行時に揺れをもたらす
    周波数を求める手順と、
    上記仮想試験結果を観測しリアルタイムでモニタに出力する手順を有し、
    車種毎に異なるデータを含む車両データベースから特定のパラメータファイルを提供す
    ることで上記車両モデルを変更し、
    上記時間と路面傾斜との関係を含む環境条件及び時間と運転操作量との関係をあらわす
    運転操作条件を入力し、サンプリング時間を演算処理に伴い行われるリアルタイム制御に
    応じて設定し該車両モデルに基づく演算を繰り返して車両走行の仮想試験を実行し、該演
    算毎に仮想試験結果をモニタに表示し、全演算が終了したと判断された場合には全演算結
    果に基づいて結果ファイルを作成し、仮想試験結果を解析して車速に応じて変化する揺れ
    及び悪路走行時に揺れをもたらす周波数を求め、リアルタイムでモニタに出力する
    ことを特徴とする車両走行仮想試験プログラム。
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