JP4509502B2 - 混合溶剤の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収方法に関する。さらに詳しくは、平衡吸着水分率、BET比表面積、細孔容積、細孔容積率及びX線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータで規定された活性炭を使用して塗装ブースや磁気テープ等の塗布工程で発生する有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤を効率よく回収する方法に関する。
印刷業、電気工業、機械工業等各種産業の製造工程においては、種々の有機塩素系溶剤を含有するガスが発生する。例えば、塗装ブースや磁気テープの塗布工程においては0.1〜1000ppm程度の濃度の有機塩素系溶剤を含有するガスが発生する。有機塩素系溶剤は急性毒性、慢性毒性を引き起こす他、発ガン性などの毒性が強く、生分解性も低いために、近年はこのようなガスの外部放出は厳しく制限されている。
従来、塩化メチレン等の有機塩素系溶剤ガスを回収するために、活性炭が使用されている。具体的には、活性炭又は活性炭素繊維(以下、これらを総称して単に活性炭ということがある)を充填した充填塔に被処理ガスを供給し、含有される有機塩素系溶剤を吸着分離した後、吸着材に吸着された有機塩素系溶剤を脱着回収する方法が採用されている(例えば、非特許文献1)。活性炭に吸着された有機塩素系溶剤は、活性炭に110℃〜160℃のスチームを吹き込むことにより有機塩素系溶剤ガスとスチームの混合ガスとして活性炭から脱着される。
「消・脱臭技術の進歩と実務」平成3年、総合技術センター発行、第5章活性炭・活性炭素繊維の特性と応用、P389〜391
この混合ガスを冷却して凝縮させ、水と有機塩素系溶剤を液状で分離することにより有機塩素系溶剤は回収され、再使用されている。スチーム加熱により再生された活性炭には再度有機塩素系溶剤を含むガスを通気し、有機塩素系溶剤を吸着させる。この操作を繰り返すことにより、有害な有機塩素系溶剤を外部に排出することなく、有機塩素系溶剤を回収再利用することができる。
本出願人は、平衡吸着水分率、BET比表面積、細孔容積、細孔容積率及びX線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータで規定された繊維状活性炭を使用すると、塗装ブースや磁気テープ等の塗布工程で発生する塩化メチレン等の有機塩素系溶剤を効率よく回収することができることを見出し、先に特願2003−140595として特許出願した。
ところで、有機塩素系溶剤には、有機塩素系溶剤の分解を抑制するために数%程度までの低級アルコールを添加することが多く、この場合、有機塩素系溶剤ガスはアルコールを含有した状態で発生する。有機塩素系溶剤は、活性炭に吸着されたとき分解して塩酸を発生して分解されるが、低級アルコールを添加することにより、ある程度分解を抑制することは可能である。しかしながら、低級アルコールの添加によっても有機塩素系溶剤の分解を完全に抑制することはできず、有機塩素系溶剤を効率よく回収することは解決すべき技術課題とされてきた。したがって、本発明の目的は、効率がよく、溶剤回収装置の腐食が少ない有機塩素系溶剤とアルコールからなる混合溶剤の回収方法を提供することにある。
本発明者らはこのようなアルコールを含有する有機塩素系溶剤を効率よく回収する方法についてさらに検討を重ねた結果、上記特許出願で提案した方法が、低級アルコールを含有する有機塩素系溶剤にも適用可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、(a)25℃、相対湿度37%における平衡吸着水分率が1.0〜15.0%、(b)BET比表面積が500〜2000m/g、(c)細孔容積が0.25〜1.5cc/gで、かつ(d)水蒸気法で測定した細孔半径6〜16Åの範囲にある細孔の容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の80%以上であって、(e)X線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioが0.35以下の活性炭を使用することを特徴とする有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収方法であって、スチームにより該混合溶剤を活性炭から脱着させることを特徴とする有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収方法である。ただし、IpはX線回折強度曲線において、(002)面の回折ピ−クの両裾に接線を引き、その接線から上の部分の強度の最大値であり、Ioは(002)面の回折強度から空気の散乱強度を差し引いた残りの強度である。
本発明により、(a)平衡吸着水分率1.0〜15.0%、(b)BET比表面積500〜2000m/g、(c)細孔容積0.25〜1.5cc/gで、(d)水蒸気法で測定した細孔半径が6〜16Åの範囲である細孔の容積が、細孔半径が100Å以下の細孔の占める容積の80%以上であって、(e)X線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioが0.35以下の活性炭を使用して混合溶剤を回収する方法を提供することができる。本発明の方法によれば、品質を劣化させることなく、装置の腐食が少なく、効率よく混合溶剤を回収することができる。
本発明において用いられる活性炭は、(a)25℃、相対湿度37%における平衡吸着水分率が1.0〜15.0%であることが必要である。平衡吸着水分率が1.0%未満のものは細孔半径が大きくなるためか、混合溶剤の吸着性能が悪くなる。一方、平衡吸着水分率が15.0%を超えると親水性が高くなりすぎ、混合溶剤の吸着性能が低下すると同時に、スチームを使用して活性炭を再生した場合に、活性炭に吸着された水分が抜けにくく、次の吸着に使用した場合、混合溶剤の吸着性能が低下する。25℃、相対湿度37%における平衡吸着水分率は1.5〜10.0%であるのが好ましい。
また、本発明において用いられる活性炭は、(b)BET比表面積が500〜2000m/gであることが必要である。本発明におけるBET比表面積とは、液体窒素温度での窒素ガス吸着等温線によるBET法により求められる比表面積である。BET比表面積が500m/g未満の場合、混合溶剤の脱着性能が低くなり、一方BET比表面積が2000m/gを越えると、混合溶剤の低濃度域での吸着性能が低くなる。
本発明において用いられる活性炭は、(c)細孔容積が0.25〜1.5cc/gで、かつ(d)水蒸気法で測定した細孔半径6〜16Åの範囲にある細孔の容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の80%以上である。細孔容積が0.25cc/g未満であると混合溶剤の吸着量が不足し、一方細孔容積が1.5cc/gを越えると、混合溶剤への吸着力が低下し、低濃度での吸着性能が悪くなる。
水蒸気法は、窒素ガスによるBET法と比較して、細孔半径20Å以下の細孔を正確に測定するのに好適な方法であるので、本発明において細孔半径の測定には水蒸気法を採用する。水蒸気法で測定した細孔半径6〜16Åの範囲にある細孔の容積、及び細孔半径100Å以下の細孔の占める容積とは、例えば特開平6−99065号公報などに詳述されているように、次の方法により作成された細孔分布曲線に基づいて求められるものである。
細孔分布曲線の作成:一定濃度の硫酸水溶液の平衡水蒸気圧は一定値をとることから、硫酸水溶液の硫酸濃度と平衡水蒸気圧との間には一律の関係がある。したがって、所定濃度の硫酸水溶液を存在させた吸着室の気相部に活性炭を入れ、1気圧(絶対圧)、30℃の条件で水蒸気と接触させた後、該活性炭における重量増加分として水の飽和吸着量(重量)を測定する。
一方、この飽和吸着量の測定試験において水の吸着に利用された活性炭の細孔は、採用した硫酸水溶液の硫酸濃度に固有の1気圧(絶対圧)、30℃での平衡水蒸気圧の値(P)から下記式(I)で表されるKelvinの式に基づいて求められる細孔半径(r)以下の細孔の細孔半径を有するものである。すなわち、該Kelvinの式に基づいて求められる細孔半径以下の細孔の累積細孔容積が、その測定試験での飽和吸着量の相当する30℃の水の体積となる。
数1
r=−[2VmγcosΦ]/[RTln(P/P)] (I)
r:細孔半径(cm)
Vm:水の分子容(cm3/mol)=18.079(30℃)
γ:表面張力(dyne/cm)=71.15(30℃)
Φ:毛細管壁と水との接触角(°)=55°
R:ガス定数(erg/deg・mol)=8.3143×10
T:絶対温度(K)=303.15
P:細孔内の水の示す飽和蒸気圧(mmHg)
:水の1気圧(絶対圧)、30℃における飽和蒸気圧(mmHg)=31.824
同様にして、同種の活性炭を用いて、硫酸濃度を変化させた13種類の硫酸水溶液(すなわち、1.05〜1.30までの0.025間隔の比重を有する11種類の硫酸水溶液、1.35の比重を有する硫酸水溶液及び1.40の比重を有する硫酸水溶液)について飽和吸着量の測定試験を行い、各測定試験において、対応する細孔半径以下の細孔の累積細孔容積を求める。このようにして求めた累積細孔容積のデータに基づいて、累積細孔容積を細孔半径に対してプロットすることにより、活性炭の細孔分布曲線を得ることができる。
25℃、相対湿度37%における平衡吸着水分率:上記水蒸気法による細孔分布測定と同様にして、25℃での硫酸水溶液(比重=1.395)下の活性炭繊維の平衡吸着水分率から求めた。
細孔容積:相対圧0.96における窒素ガスの気体吸着法により測定した。
細孔半径が6Å未満の場合には、混合溶剤の吸着が強すぎて脱着が困難になり、一方、細孔半径が16Åを越えるものは、低濃度での混合溶剤の吸着性が低くなる。なお、細孔半径とは、細孔分布曲線におけるピークトップの細孔半径をいう。とくに、細孔半径が7〜15Åの範囲である細孔の容積が細孔半径が100Å以下の細孔の占める容積の80%以上である活性炭は、混合溶剤の吸着性能が優れており、好ましい。
また、本発明において用いられる活性炭は、(e)X線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioが0.35以下である。ここで、Ipとは、X線回折強度曲線において、(002)面の回折ピ−クの両裾に接線を引き、その接線から上の部分の強度の最大値をいい、Ioとは(002)面の回折強度から空気の散乱強度を差し引いた残りの強度をいう。
黒鉛的結晶性構造パラメータはIp/Ioで定義されるものであり、黒鉛的結晶性構造の発達度合いを示すものである。図2は、水蒸気と炭酸ガスの混合ガスで賦活を行ったピッチ系繊維状活性炭(比表面積1100m/g)のX線回折強度曲線である。(002)面のX線回折ピークの両裾に接線ιを引き、実測曲線と接線との差をベースライン上に書き直し、曲線Iを得た。
曲線Iの最大値IpおよびIpを示す回折角2θさらにその回折角2θにおける実測曲線の強度から空気の散乱強度を差し引き、強度Ioを求めた。空気の散乱強度は試料のない状態で同一条件において走査して求められる。ここでIpは黒鉛的な結晶性構造に起因するX線回折強ピークであり、(Io−Ip)は非晶性構造に起因するX線散乱強度である。
一般に、X線回折ピーク強度は、結晶子の結晶サイズ、結晶化度が大きい程大きくなり、結晶の発達の程度を表す。結晶サイズは回折ピークのシャープさにより定量される(非特許文献2)。結晶化度は一般に全結晶散乱強度の全散乱強度に対する割合であって、X線照射体積中の体積分率を意味する(非特許文献3)。
X−ray Diff.Procedures、p537(1954) 繊維学会誌、31巻(1975)、P203〜214
しかしながら、炭素材料の場合、結晶部分と非晶部分とは構造的に明確に分かれてはいない(非特許文献4)。したがって、炭素材料の場合は、通常の結晶性高分子のように、内部構造を単純に結晶部分と非晶部分からなる二相構造としてとらえることはできない。活性炭の場合、非晶の海の中に極めて完成度の低い微結晶が分散し(非特許文献5)、それらの集合組織の黒鉛的結晶性領域からの干渉性散乱がIpであり、非晶性領域からの非干渉性散乱が(Io−Ip)である。
J.Appl.Phy.vol.13(1942)p364〜371、炭素材料学会編集「活性炭−基礎と応用」1990年度版、講談社発行、第1章活性炭の構造、P4〜7 炭素材料学会編集「活性炭−基礎と応用」1990年度版、講談社発行、第1活性炭の構造、P7
本発明で用いられる黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioは黒鉛的結晶性構造の発達度合いを示すものである。活性炭の場合、結晶部分と非晶部分とは構造的に明確に分かれていない。十分に発達した完全に近い黒鉛結晶ではIp/Ioは0.96以上であるが、本発明に使用される活性炭のIp/Ioは0.35以下であり、黒鉛的結晶性構造が未発達のものである。黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioは0.3以下であるのがさらに好ましい。
本発明に用いられる活性炭が粒状活性炭である場合、その原料としては、ヤシ殻、フェノール樹脂、ピッチ、石炭等を挙げることができる。なかでも、ヤシ殻あるいはフェノール樹脂は非晶性の活性炭が作りやすい点で好ましい。本発明に用いられる活性炭が繊維状活性炭である場合、その原料としては、合成高分子化合物、半合成高分子化合物、天然高分子化合物、天然及び合成ピッチなどを挙げることができる。
合成高分子化合物としては、ナイロンなどのポリアミド系、ビニロンなどのポリビニルアルコール(PVA)系、ポリエステルなどのポリエステル系、アクリルなどのポリアクリロニトリル系、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリウレタンなどのポリウレタン系、フェノール樹脂などのフェノール系などを例示することができる。
また、半合成高分子化合物としては、アセテート、トリアセテートなどのセルロース系、プロミックスなどの蛋白質系などを例示することができる。そして、天然高分子化合物としては、レーヨンなどのセルロース系、カゼイン繊維などの蛋白質系、キチン繊維などを例示することができる。なかでも、細孔分布をシャープにすることが容易で、混合溶剤の吸着性能を上げることができる点で、フェノール系繊維が好ましい。
本発明の活性炭は、上記したような原料を賦活して得ることができるが、賦活温度は、活性炭の結晶構造が発達しないように950℃以下の温度で行うのがよい。950℃以上の賦活温度では、結晶構造が発達するために、Ip/Ioが0.35を越えることがある。より好ましい賦活温度は900℃以下であるが、賦活温度があまり下がると賦活反応速度が低下するので、700℃以上で行うのがよい。
賦活に使用されるガスは、特に限定されないが、水蒸気と炭酸ガスの混合ガスを使用するのが好ましい。すなわち、本発明の活性炭は、低い温度で賦活して非晶性の炭素構造を作ることが一つのポイントであり、比較的低温で賦活を進めるためには賦活の反応速度が速い水蒸気が好ましく、一方細孔が小さい状態で賦活を進めるためには反応速度が遅い炭酸ガスが好ましい。
かかる観点から、非晶性の構造を保持しながら、細孔半径を6〜16Åの大きさにするためには、水蒸気と炭酸ガスの混合ガスを使用することが推奨される。水蒸気と炭酸ガスの混合ガスは、好ましくは、水蒸気/炭酸ガス=1/0.5〜0.5/1の混合比率で使用される。
本発明で使用する粒状活性炭としては、圧力損失を低くできる点で、粒子径が0.5mm〜6mm、好ましくは2mm〜4mmの粒径の活性炭を使用するのがよい。活性炭のなかでも、混合溶剤に対する吸着性能が高い点で繊維状活性炭が好ましい。繊維状活性炭に用いる原料繊維としては、1デニール〜10デニール、好ましくは2デニール〜8デニールのものを使用するのがよい。本発明の繊維状活性炭の繊維径はあまり小さくなると、吸脱着の性能は向上するが、圧力損失が上昇し、また、繊維径があまり大きくなると、圧力損失は低下するが、吸脱着の性能は低下するので、5μm〜30μmのものが好ましい。特に好ましくは、8μm〜20μmである。
本発明において、吸着の対象となる有機塩素系溶剤としては、塩化メチル、塩化メチレン(ジクロロメタン)、クロロホルム(トリクロロメタン)、四塩化炭素(テトラクロロメタン)、塩化エチル(クロロエタン)、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。なかでも塩化メチレンは、塩素化メタンの中で最も毒性が低く、安全上の問題から好ましく、効果の発現が顕著な点からも好ましい。
これらの有機塩素系溶剤に混合されるアルコールとしては、エタノール、メタノールあるいはプロパノール等の低級アルコールが挙げられる。アルコールの沸点は低い方が活性炭から脱着しやすく、活性炭を再生しやすいので好ましく、かかる点でエタノールあるいはメタノールが好ましい。有機塩素系溶剤におけるアルコールの混合割合は、あまり少ないと有機塩素系溶剤分解の抑制効果が低く、またあまり多いとセパレータにおける水層と有機塩素系溶剤層との分離が悪くなる傾向にあるので、0.3重量%〜10重量%とするのが好ましい。
本発明の活性炭が有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収に優れている理由を明確に説明することはできないが、活性炭の非晶構造は混合溶剤中の有機塩素系溶剤を分解させにくく、活性炭の細孔構造は低濃度の混合溶剤の吸着性に優れ、これらの相乗効果によるものと推定している。本発明の方法によれば、混合溶剤を回収しながら半永久的に使用することができるので実用的である。以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
PVA系繊維を出発原料とする繊維状活性炭の製造:
出発原料として平均重合度1700のPVAを溶解した水溶液を、凝固浴としてホウ酸水溶液を使用して湿式紡糸し、1800デニールのPVA繊維を得た。該PVA繊維をカード機で処理し、さらに、ニードルパンチを施すことにより不織布を作製した。
脱水・炭化剤として、硫酸アンモニウムと燐酸アンモニウムの各50gを1000gの水に溶解し、60℃に加温したものを使用し、不織布を5分間浸漬し、その後マングルで絞液し、105℃で3分間乾燥させた。脱水剤の付着率は重量法で10%であった。脱水剤が付着した不織布を、200℃で30分加熱し、その後、300℃で10分間、400℃で20分間加熱し、さらに500℃で10分間加熱することにより、炭化糸を得た。この炭化した不織布を、水蒸気と二酸化炭素の混合ガス(混合比率1:1)で、850℃で45分間賦活を行って繊維状活性炭とした。
得られた繊維状活性炭は25℃、相対湿度37%における平衡水分率が5.1%、窒素ガスによるBET法の比表面積は1100m/g、細孔容積0.34cc/g、水蒸気法で測定した細孔半径7〜15Åの範囲にある細孔容積は、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の95%であった。
この繊維状活性炭のX線回折強度曲線を、理学電機(株)製回転対陰極型X線回折装置RINT−2400を用いて測定した。電圧は40kV、電流は100mA、ターゲットは銅、X線波長はCuKα1線(λ=1.5405Å)、検出器はシンチレーションカウンターで測定を行った。走査速度は1°/min、Fix Timeは0sec、STEPは0.02°とした。スリット条件は、発散が1/2°、散乱が1/2°、受光が0.15mmで行い、測定範囲(2θ)は5〜40°とした。
以上のようにして求めたX線回折強度曲線を図1に示した。2θが25°付近には(002)に基づくピークがほとんど観察されず、Ip/Io=0.10であり、得られた繊維状活性炭は主として非晶構造よりなる繊維状活性炭であることは明らかである。
実施例1で得られた繊維状活性炭500gをカラムに充填し、相対湿度30〜40%の状態で塩化メチレン93重量%とメタノール7重量%の混合溶剤を1000ppmの濃度で25g通気した。カラムの入口と出口の混合溶剤の濃度を、炭化水素計(島津製作所製、炭化水素計HCM−18)で測定した。混合溶剤の除去率は94%以上であった。
繊維状活性炭に混合溶剤を吸着させた後、カラムに120℃のスチームを通気して混合溶剤を脱着させた。脱着させた混合溶剤は、冷却して液化させ、セパレーターで、水層(分離廃液)と塩化メチレン層に分離した。分離した混合溶剤は、再使用し、分離廃液は繊維状活性炭再生のためのスチーム用として使用した。分離廃液は、少量ではあるが塩化メチレンを溶解してしまうため、そのまま廃棄することは避けるべきであって、再利用するのが望ましい。したがって、塩化メチレンの回収実験においては、この点を考慮し、塩化メチレンについてクローズドシステムになるように構成した。
塩化メチレンなどの有機塩素系溶剤が活性炭繊維と接触して塩酸を発生する場合、塩酸は水層側(分離廃液側)の方に多く移るので、分離廃液のpHを測定することにより塩酸の発生度合いの指標とすることができる。吸脱着を300回繰返した時点の分離廃液のpHは6.3であって、pHの上昇は観察されず、塩化メチレンの塩酸への分解は殆ど起こっていないことがわかる。結果を表1に示す。
フェノール樹脂系繊維を出発原料とする繊維状活性炭の製造:
フェノール樹脂繊維(株式会社日本カイノール製フェノール樹脂繊維、商品名カイノール繊維)を用い、実施例1と同様にして不織布を製造し、400℃及び650℃で2段階の昇温を行い、繊維を炭化した。この炭化繊維を、水蒸気と炭酸ガスからなる混合ガス(混合比率水蒸気/炭酸ガス=1/1)の存在下、850℃で賦活した。得られたフェノール樹脂系繊維状活性炭の25℃、相対湿度37%における平衡水分率は3.3%、窒素ガスによるBET比表面積は1300m/g、細孔容積は0.42cc/gであり、水蒸気法で測定した細孔半径7〜15Åの範囲にある細孔容積は、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の96%であった。
実施例1と同様にしてIp/Ioを測定したところ、Ip/Ioは0.27であった。また、この繊維状活性炭の混合溶剤(実施例1で使用したのと同じ混合溶剤)に対する溶剤回収性能を実施例1と同様にして測定した。吸脱着を300回繰返した後の分離廃液のpHは6.3であって、吸脱着の繰返しによる塩酸の発生は認められなかった。結果を表1に示す。混合溶剤の除去率は99%以上であり、極めて良好であった。
PVA繊維を原料とし、表1に示す条件でBET表面積が1600m/gの繊維状活性炭を得た。この繊維状活性炭の平衡吸着水分率は1.5%であった。実施例1と同様にして塩化メチレンの吸着性能を測定したところ、混合溶剤の除去率は93%であった。
フェノール樹脂繊維の賦活条件を変えることにより、平衡吸着水分率14.3%、BET比表面積900m/g、水蒸気法で測定した細孔半径7〜15Åの範囲にある細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の83%の繊維状活性炭を得た。実施例1と同様にして混合溶剤の回収を行ったところ、分離廃液のpHは6.2、混合溶剤の除去率は96%であり、良好な結果であった。
フェノール樹脂繊維の賦活条件を変えることにより、平衡吸着水分率9.5%、BET比表面積1000m/g、水蒸気法で測定した細孔半径7〜15Åの範囲にある細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の90%の繊維状活性炭を得た。実施例1と同様にして混合溶剤の回収を行ったところ、分離廃液のPHは6.3、混合溶剤の除去率は97%であった。
実施例2のフェノール系繊維状活性炭を使用し、混合溶剤としてトリクロロエチレン95%、エタノール5%の混合溶剤を用いて実施例2と同様に混合溶剤の回収を行った。結果を表1に示す。分離廃液のpHは6.5、混合溶剤の除去率は99%以上であった。
ヤシ殻の炭化品を実施例1と同じ条件で賦活し、BET比表面積1100m/g、平衡吸着水分率6.0%、細孔容積0.38cc/g、細孔容積率86%、黒鉛的結晶性構造パラメータ0.33の粒状活性炭を得た。この活性炭を4メッシュ以下、8メッシュ以上で篩分し、粒子径が2.4mm以上、4.7mm以下のヤシ殻系の粒状活性炭を調製した。この粒状活性炭1kgをカラムに充填し、実施例1と同様の条件で混合溶剤の回収を行ったところ、混合溶剤の除去率は90%、分離廃液のpHは5.1であり、充分使用可能であった。
比較例1
ピッチ系繊維を使用し、賦活温度850℃で賦活を行った。得られた繊維状活性炭のX線回折強度曲線を図2に示すが、Ip/Ioは0.53であり、高い結晶性を有していた。この繊維状活性炭を使用し、実施例1と同様にして混合の吸脱着試験を300回行い、分離廃液のpHを測定したところ3.8であり、酸性になっていた。
比較例2
アクリル系繊維を使用した以外は実施例1と同様にして繊維状活性炭を製造した。この繊維状活性炭のIp/Ioは0.48であり、結晶性の高い繊維状活性炭であった。実施例1と同様にして混合溶剤の回収を行ったところ、分離廃液のpHは3.9であった。
比較例3
フェノール系繊維の賦活条件を変更することにより、水分吸着率が0.8%、BET比表面積2600m/g、細孔容積率73%、Ip/Io0.2の繊維状活性炭を得た。実施例1と同様にして混合溶剤の回収を行ったところ、分離廃液のpHは6.6であった。しかし、混合溶剤の除去率は80%と低かった。
比較例4
フェノール系繊維の賦活条件を変更することにより、水分吸着率16.8%の繊維状活性炭を得た。この繊維状活性炭のBET比表面積は800m/g、細孔容積は0.22cc/g、細孔割合は72%、Ip/Ioは0.37であった。実施例1と同様にして混合溶剤の回収を行ったところ、分離廃液のpHは5.6、混合溶剤の除去率は75%と低かった。
比較例5
石炭を原料と、実施例1と同様な賦活条件で、実施例7と同じ粒度の石炭系の活性炭を得た。この活性炭のBET比表面積は1100m/g、Ip/Ioは0.56、細孔容積率は72%であった。この活性炭の混合溶剤に対する性能を実施例7と同じ方法で測定した。混合溶剤の除去率は78%、300回吸脱着を繰り返した後のHは2.3まで低下していた。
Figure 0004509502
本発明により、有害な有機塩素系溶剤を外部に排出することなく、回収再利用することができ、印刷業、電気工業、機械工業等各種産業の製造工程など種々の有機塩素系溶剤ガスが発生する工程に適用することができる。
実施例1で得たPVA系繊維状活性炭のX線回折強度曲線である。 比較例1で得たピッチ系繊維状活性炭のX線回折強度曲線である。
符号の説明
I X線回折強度の実測曲線と接線の差をベースライン上に書き直した曲線
ι (002)面のX線回折ピークの両裾に引いた接線
Ip (002)面のX線回折ピークの両裾に引いた接線から上の部分の強度の最大値
Io (002)面の回折強度から空気の散乱強度を差し引いた残りの強度

Claims (5)

  1. (a)25℃、相対湿度37%における平衡吸着水分率が1.0〜15.0%、(b)BET比表面積が500〜2000m/g、(c)細孔容積が0.25〜1.5cc/gで、かつ(d)水蒸気法で測定した細孔半径6〜16Åの範囲にある細孔の容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の80%以上であって、(e)X線回折強度曲線の(002)面の回折ピークにおける黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioが0.35以下の活性炭を使用することを特徴とする有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収方法であって、スチームにより該混合溶剤を活性炭から脱着させることを特徴とする有機塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤の回収方法。ただし、IpはX線回折強度曲線において、(002)面の回折ピ−クの両裾に接線を引き、その接線から上の部分の強度の最大値であり、Ioは(002)面の回折強度から空気の散乱強度を差し引いた残りの強度である。
  2. 該黒鉛的結晶性構造パラメータIp/Ioが0.3以下である請求項1記載の混合溶剤の回収方法。
  3. 該活性炭が繊維状活性炭である請求項1又は2記載の混合溶剤の回収方法。
  4. 該繊維状活性炭がフェノール系の繊維状活性炭である請求項3記載の混合溶剤の回収方法。
  5. 該有機塩素系溶剤が塩化メチレンである請求項1〜4いずれかに記載の混合溶剤の回収方法。
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