JP4508722B2 - 含フッ素リンイリド化合物及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素リンイリド化合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な含フッ素リンイリド化合物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、医農薬中間体、含フッ素ポリマーの原料モノマー、電子材料などとして有用な含フッ素リンイリド化合物、及びこのものを効率よく製造する方法に関するものである。
近年、有機フッ素ケミカルズの応用分野は急速に拡大し、医薬、農薬、染・顔料などファインケミカル製品をはじめ、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系塗料、光学・電子材料、撥水・撥油剤、表面改質剤、界面活性剤、オイル、不活性媒体など幅広い分野で使用されている。
ところで、環状フルオロオレフィンにリン原子を導入した化合物は、これまで幾つか知られている。
例えば、ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンとジフェニルホスフィンをジメチルホルムアミド溶媒に溶解させて加熱することにより、ジフェニルホスフィンのモノ置換体が収率78%で得られている(例えば、非特許文献1参照)。また、1−クロロヘプタフルオロシクロペンテンとトリメチルホスファイトを反応させることにより、オレフィンに結合したフッ素がジメチルホスホネートに置換された化合物が、収率38%で得られている(例えば、非特許文献2参照)。さらに、1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンとトリエチルホスファイトを反応させることにより、オレフィン部分の塩素が2つともジエチルホスホネートで置換された化合物が収率84%で得られている(例えば、非特許文献3参照)。
しかしながら、これらの報告では、フルオロオレフィンの二重結合に直接結合した塩素もしくはフッ素原子がリン原子と置換された化合物が得られたのみであり、環状構造を有した含フッ素リンイリド化合物は得られていなかった。
「Canadian J.Chem.」、第46巻、第2625頁(1968年) 「J.Org.Chem.」、第31巻、第1917頁(1966年) 「J.Am.Chem.Soc.」第112巻、第3152頁(1990年)
本発明は、このような事情のもとで、医農薬中間体、含フッ素ポリマーの原料モノマー、電子材料などとして有用な含フッ素リンイリド化合物、及びこのものを効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、含フッ素環状化合物であるオクタフルオロシクロペンテンとメチルトリアリールホスホニウムハライドを塩基の存在下に反応させることにより、環状構造を有する新規な含フッ素リンイリド化合物が得られること、そして、該メチルトリアリールホスホニウムハライドをオクタフルオロシクロペンテンに対して大過剰添加することにより、リンイリド構造を導入させるだけでなく、ホスホニウム塩構造をも導入できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式[1]
Figure 0004508722
(式中、Arはアリール基を示す。)
で表されることを特徴とする含フッ素リンイリド化合物、
(2)一般式[2]
Figure 0004508722
(式中、Arはアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
で表されることを特徴とする含フッ素リンイリド化合物、
)塩基の存在下に、式[3]
Figure 0004508722
で表されるオクタフルオロシクロペンテンと、一般式[4]
CH 3 + (Ar) 3 - ・・・[4]
(式中、Arはアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
で表されるメチルトリアリールホスホニウムハライドを反応させることを特徴とする、一般式[2]
Figure 0004508722
(式中、Ar及びXは前記と同じ意味を表す。)
で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法、及び
)オクタフルオロシクロペンテンに対し、メチルトリアリールホスホニウムハライドを4〜7倍当量の割合で用いる上記()項に記載の含フッ素リンイリド化合物の製造方法、
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、含フッ素環状化合物であるオクタフルオロシクロペンテンとメチルトリアリールホスホニウムハライドを塩基の存在下に反応させることにより、環状構造を有する新規な含フッ素リンイリド化合物が得られるのみならず、該メチルトリアリールホスホニウムハライドを大過剰添加することによりリンイリド構造を導入させるだけでなくホスホニウム塩構造をも高収率で導入することができる。
本発明の環状構造を有する新規な含フッ素リンイリド化合物は、医農薬中間体原料、含フッ素ポリマーの原料モノマー、CD−RやDVD−Rに代表される光記録媒体あるいはインクジェットに使用される色素及びその合成中間体、コピー機やプリンターに使用されるトナー等の顔料として有用である。
本発明の含フッ素リンイリド化合物は、下記の一般式[1]及び一般式[2]
Figure 0004508722
(式中、Arはアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
で表される、環状構造を有する文献未載の新規な含フッ素リンイリド化合物である。
前記一般式[1]及び[2]において、Arで示されるアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ハロゲノフェニル基、ナフチル基などを挙げることができるが、これらの中でフェニル基が好適である。
前記一般式[1]で表される環状構造を有する含フッ素リンイリド化合物の具体例としては、2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスファニリデン)メチル]−2−シクロペンテン−1−オン、及びこの化合物におけるフェニル基が、トリル基、キシリル基、ハロゲノフェニル基、ナフチル基などのアリール基に置換された化合物を挙げることができる。なお、環上に置換基を有するアリール基の場合、該置換基の位置については特に制限はない。これらの中でも、2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスファニリデン)メチル]−2−シクロペンテン−1−オンが前記用途に好ましい。
一方、前記一般式[2]で表される環状構造を有する含フッ素リンイリド化合物の具体例としては、{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムブロミド、{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムクロリド、{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムヨージド、及びこれらの化合物におけるフェニル基が、トリル基、キシリル基、ハロゲノフェニル基、ナフチル基などのアリール基に置換された化合物を挙げることができる。なお、環上に置換基を有するアリール基の場合、該置換基の位置については特に制限はない。これらの中でも{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムブロミドが前記用途に好ましい。
次に、前記一般式[1]で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法について説明する。
本発明の製造方法においては、塩基の存在下に、式[3]
Figure 0004508722
で表されるオクタフルオロシクロペンテンと、一般式[4]
CH3+(Ar)3- ・・・[4]
(式中、Ar及びXは前記と同じ意味を表す。)
で表されるメチルトリアリールホスホニウムハライドを反応させたのち、ケトン体に導くことにより、前記一般式[1]で表される含フッ素リンイリド化合物を製造する。
原料として用いられる前記式[3]で表されるオクタフルオロシクロペンテンは、公知の方法で得ることができる。例えば、「J.Org.Chem.」、第28巻、第112頁(1963年)に記載の方法によれば、オクタクロロシクロペンテンを非プロトン性極性溶媒中、フッ化カリウムなどの金属フルオリドによりフッ素化することで得られる。また、WO98/43233号公報に記載の方法によれば、オクタクロロシクロペンテンを触媒存在下、フッ化水素でフッ素化して1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンに導き、さらに、前述と同様にフッ化カリウムを反応させることによっても製造することができる。
リンイリド構造を形成させるための反応試剤として一般式[4]で示されるメチルトリアリールホスホニウムハライドが用いられるが、ハライド原子であるXは塩素、臭素及びヨウ素から適宜選択して使用することができる。また、アリール基については、前記で説明したとおりである。
この一般式[4]で示されるメチルトリアリールホスホニウムハライドの使用量は、オクタフルオロシクロペンテンに対して、1〜3倍当量程度であることが好ましい。
塩基としては特に制限はなく、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物;メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどのアルキルリチウム;メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミドなどの金属マグネシウムハライド;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピロリジン、ピペリジンなどのアルキルアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;などを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でも金属水素化物及びアルキルリチウムが好ましく、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドがより好ましく、n−ブチルリチウムが特に好ましい。
塩基の使用量は、一般式[4]で示されるメチルトリアリールホスホニウムハライドの使用量に応じて決定されるが、該メチルトリアリールホスホニウムハライドに対して1〜3倍当量が好ましく、1.5〜2倍当量が特に好ましい。
上記塩基の中で、例えば、メチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどのアルキルリチウムは、n−ブチルリチウムと対応するアルキルハライドから得られ、メチルマグネシウムブロミドやエチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライドは、金属マグネシウムと対応するアルキルハライドから得ることができる。
また、これらの塩基はエチルエーテル、n−ヘキサン等の溶媒で希釈された市販品をそのまま使用してもよい。
本発明の製造方法においては、溶媒を用いて反応させることができる。使用する溶媒に特に制限は無く、アルキルリチウム化合物もしくはアルキルマグネシウム化合物もしくは金属水素化物使用時に通常用いられる溶媒が好適に用いられる。具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどを好ましく挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、特にテトラヒドロフランが好ましい。
溶媒の使用量は、オクタフルオロシクロペンテン100重量部に対して、通常、100〜500重量部、好ましくは150〜300重量部である。
反応は−100〜100℃の範囲で行うことができるが、好ましくは−100〜40℃、より好ましくは−80℃〜室温である。反応温度が高過ぎるとオクタフルオロシクロペンテンの揮発によるロス等が生じたり、副反応を併発するなどの問題があり、反応温度が低過ぎると反応が十分に進行しない傾向がある。
また、反応の手順としては、オクタフルオロシクロペンテン、メチルトリアリールホスホニウムハライド及び塩基を同時に混合して反応させてもよいが、メチルトリアリールホスホニウムハライドと塩基を混合した後にオクタフルオロシクロペンテンを添加することが反応収率の点から好ましい。メチルトリアリールホスホニウムハライドと塩基を混合することにより反応系中で対応するリンイリド体([CH2=P(Ar)3 ⇔ CH2 -−P+(Ar)3]で表される平衡混合物。)が生成し、該リンイリド体がオクタフルオロシクロペンテンと反応するからである。この際、原料であるオクタフルオロシクロペンテンはそのまま添加してもよいし、溶媒で希釈して添加してもよい。
本発明においては、このようにして反応を行ったのち、得られた中間体をケトン体に導く処理を行う。このケトン体に導く処理としては、反応液に、例えば水、希薄な酸、あるいはメタノールやエタノールのような低級アルコールなどを添加する方法を用いることができる。このようにしてケトン体に導く処理を施したのち、常法に従って後処理を行う。例えばジエチルエーテル、酢酸エチルなどの溶媒で抽出し、硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥させた後、溶媒を留去する。粗生成物が液状である場合には、常圧あるいは減圧蒸留などの蒸留、またはシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの方法で精製する。粗生成物が結晶体の場合には再結晶法によって精製してもよい。
次に、前記一般式[2]で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法について説明する。
本発明の製造方法においては、塩基の存在下に、前記式[3]で表されるオクタフルオロシクロペンテンと、前記一般式[4]で表されるメチルトリアリールホスホニウムハライドを反応させることにより、前記一般式[2]で表される含フッ素リンイリド化合物を製造する。
該メチルトリアリールホスホニウムハライドについては、前述の一般式[1]で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法において説明したとおりである。
本発明の方法においては、該メチルトリアリールホスホニウムハライドの使用量は、オクタフルオロシクロペンテンに対して、4〜7倍当量程度であることが好ましく、特に5〜6倍当量であることが好ましい。
本発明の方法においては、塩基の種類及びその使用量、溶媒の種類及びその使用量、オクタフルオロシクロペンテンとメチルトリアリールホスホニウムハライドの反応における温度及びその手順については、前述の一般式[1]で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法の場合と同様である。
本発明の方法においては、オクタフルオロシクロペンテンとメチルトリアリールホスホニウムハライドを反応させた後の後処理は特に制限なく、通常の後処理方法を適用することができる。例えば、水、希薄な酸、あるいはメタノールやエタノールのような低級アルコール等を添加して反応を停止させた後、ジエチルエーテル、酢酸エチルなどの溶媒で抽出し、硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥させた後、溶媒を留去する。粗生成物が液状である場合には、常圧あるいは減圧蒸留などの蒸留、またはシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの方法で精製する。粗生成物が結晶体の場合には再結晶法によって精製してもよい。
このようにして、一般式[1]で表される含フッ素リンイリド化合物及び一般式[2]で表される含フッ素リンイリド化合物を効率よく製造することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
アルゴン雰囲気下、フレームドライした三つ口フラスコにメチルトリフェニルホスホニウムブロミド0.786重量部とテトラヒドロフラン3.56重量部を入れ、−78℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウム(1.6mol/L、n−ヘキサン溶液)0.938重量部を、反応液を−78℃に保ちながら滴下し、滴下後0℃まで昇温し0℃で30分間撹拌した。30分後、再び−78℃まで冷却し、オクタフルオロシクロペンテン0.212重量部を塩化メチレンに溶解させた溶液5.3重量部をゆっくり滴下した。滴下後、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液30重量部に加えて、ケトン体に導く処理を施し、塩化メチレン抽出(26.5重量部×5回)を行った。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル重量比1:2)で単離精製し、2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスファニリデン)メチル]−2−シクロペンテン−1−オンをオクタフルオロシクロペンテン基準の単離収率38%で得た。また、単離したこの化合物は鮮やかな群青色を呈した。
以下に得られた2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスファニリデン)メチル]−2−シクロペンテン−1−オンの分析データを示す。
Mp:205−207℃;1H−NMR(500.13MHz,CDCl3,Me4Si)δ=4.163(d,J=14.2Hz,1H),7.50−7.61(m,12H),7.65−7.72(m,3H);13C−NMR(125.75MHz,CDCl3,Me4Si)δ=55.36(d,111.6Hz),110.29(ttd,J=258.9,23.3,5.9Hz),114.25(ttd,J=254.0,28.3,6.3Hz),123.67(d,J=92.3Hz),129.53(d,J=12.8Hz),132.64(d,J=10.4Hz),133.56(d,J=2.6Hz),140.9−143.5(m),146.2−146.9(m),163.93(td,J=25.2,11.4Hz);19F−NMR(84.10MHz,CDCl3,CFCl3)δ=−152.8−−152.0(m,1F),−124.91(brs,1F),−124.80(brs,1F),−116.06(brs,1F),−115.96(brs,1F);IR(KBr)3055.0(w),2368.4(w),1685.7(s),1560.3(vs),1438.8(s),1427.2(s),1303.8(m),1240.1(m),1101.3(vs),1016.4(vs),999.1(m),964.3(vs),806.2(s),744.5(m),721.3(s),690.5(s),623.0(m),599.8(w),526.5(s),516.9(s),489.9(w)cm-1;HRMS(FAB)Found:m/z 447.0938.Calcd for C2417OF5P:447.0937.
実施例2
アルゴン雰囲気下、フレームドライした三つ口フラスコにメチルトリフェニルホスホニウムブロミド2.350重量部とテトラヒドロフラン5.33重量部を入れ、−78℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウム(1.6mol/L、n−ヘキサン溶液)2.81重量部を、反応液を−78℃に保ちながら滴下し、滴下後0℃まで昇温し0℃で30分間撹拌した。30分後、再び−78℃まで冷却し、オクタフルオロシクロペンテン0.212重量部を塩化メチレンに溶解させた溶液7.96重量部をゆっくり滴下した。滴下後、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液30重量部に加えて反応を停止し、塩化メチレン抽出(26.5重量部×5回)を行った。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/エタノール重量比5:1)で単離精製し、{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムブロミドをオクタフルオロシクロペンテン基準の単離収率80%で得た。また、単離したこの化合物は黄褐色を呈した。
以下に得られた{2,4,4,5,5−ペンタフルオロ−3−[(トリフェニル−λ5−ホスホニリデン)メチル]−2−シクロペンテニリデンメチル}−トリフェニルホスホニウムブロミドの分析データを示す。
Mp:300℃以上(300−310℃でも分解せず、安定); 1H−NMR(500.13MHz,CDCl3,Me4Si)δ=4.242(d,J=12.6Hz,2H),7.27−7.35(m,10H),7.50−7.58(m,13H),7.65−7.80(m,7H);13C−NMR(125.75MHz,CDCl3,Me4Si)δ=57.99(d,111.9Hz),114.53(tt,J=242.3,32.4Hz),121.76(d,J=92.4Hz),129.08(d,J=12.9Hz),131.52(d,J=10.7Hz),133.34,138.5−139.5(m),140.0-142.5(m);19F−NMR(84.10MHz,CDCl3,CFCl3)δ=−137.0−−136.2(m,1F),−113.92(brs,2F),−113.81(brs,2F);IR(KBr)3049.2(w),2364.6(w),1523.7(vs),1436.9(s),1402.2(s),1298.0(w),1232.4(m),1107.1(s),1028.0(vs),964.3(s),871.8(m),767.6(vs),721.3(s),690.5(s),628.8(w),530.4(vs)cm-1;HRMS(FAB)Found:m/z 705.1896.Calcd for C433252:705.1899.
本発明の環状構造を有する含フッ素リンイリド化合物は新規な化合物であって、医農薬中間体原料、含フッ素ポリマーの原料モノマー、CD−RやDVD−Rに代表される光記録媒体あるいはインクジェットに使用される色素及びその合成中間体、コピー機やプリンターに使用されるトナー等の顔料として有用である。

Claims (4)

  1. 一般式[1]
    Figure 0004508722
    (式中、Arはアリール基を示す。)
    で表されることを特徴とする含フッ素リンイリド化合物。
  2. 一般式[2]
    Figure 0004508722
    (式中、Arはアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
    で表されることを特徴とする含フッ素リンイリド化合物。
  3. 塩基の存在下に、式[3]
    Figure 0004508722
    で表されるオクタフルオロシクロペンテンと、一般式[4]
    CH3+(Ar)3- ・・・[4]
    (式中、Arはアリール基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
    で表されるメチルトリアリールホスホニウムハライドを反応させることを特徴とする、一般式[2]
    Figure 0004508722
    (式中、Ar及びXは前記と同じ意味を表す。)
    で表される含フッ素リンイリド化合物の製造方法。
  4. オクタフルオロシクロペンテンに対し、メチルトリアリールホスホニウムハライドを4〜7倍当量の割合で用いる請求項に記載の含フッ素リンイリド化合物の製造方法。
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JPS63156745A (ja) * 1986-12-10 1988-06-29 シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ アルケンカルボン酸誘導体の選択的製造方法

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